JP4873478B2 - 共役系透明高分子材料 - Google Patents
共役系透明高分子材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4873478B2 JP4873478B2 JP2006316981A JP2006316981A JP4873478B2 JP 4873478 B2 JP4873478 B2 JP 4873478B2 JP 2006316981 A JP2006316981 A JP 2006316981A JP 2006316981 A JP2006316981 A JP 2006316981A JP 4873478 B2 JP4873478 B2 JP 4873478B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- alkyl group
- acetylene
- alkyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Polymerization Catalysts (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
この中に置換ポリアセチレン化合物であるアセチレン系高分子化合物がある。置換ポリアセチレンはそのユニークな構造により特異な性質を示すことが知られている。これらのポリマーは置換基の種類により溶解性や空気中での安定性等が大きく変化する。ビニルポリマーに比較して剛直な主鎖構造を持ち、嵩高い置換基の存在によって広い分子鎖間隙を持たせることにより気体などの高い物質透過性能が期待できる。また主鎖共役の存在により置換基の種類を変えることにより種々の色彩を示すことが知られている。ポリ(ジフェニルアセチレン)類をはじめとする芳香族2置換ポリアセチレンは重量平均分子量(Mw)が100万以上の高重合体が得られ、1置換ポリアセチレンと比較して優れた熱安定性を有することが知られている。ポリ(ジフェニルアセチレン)はいずれの溶媒にも不溶で、かつ融点を持たないことなど、加工上の問題がある。
o−(トリアリルキシリル)フェニルアセチレン重合体(特許文献1参照)、1−フェニル−2−(p−トリメチルシリルフェニル)アセチレン重合体(特許文献2参照)、o−(トリメチルシリル)フェニルアセチレン重合体(特許文献3、4参照)、o−(ジメチルシリル)フェニルアセチレン重合体(特許文献5参照)、o−(トリメチルゲルミルフェニル)アセチレン重合体(特許文献6参照)。
これらの高分子化合物は耐溶剤性、耐熱性を有しており、種々の有機溶媒に可溶で酸化により着色を減少させることができる。しかしながら、実用的には長い主鎖共役を有し、簡便な化学的酸化により更に透明度が高く着色のない材料に変換可能な材料が求められている。
(1)下記式(1)で表される、繰り返し単位をn個有してなることを特徴とするアセチレン系ポリマー。
(2)前記(1)項記載のアセチレン系ポリマーを酸化することにより得られるものであることを特徴とするアセチレン系ポリマー。
(3)下記式(2)で表されるモノマーを、
で表される金属化合物又は
で表される有機金属錯体の存在下に重合させることを特徴とする下記式(1)で表される、繰り返し単位をn個有してなることを特徴とするアセチレン系ポリマーの製造方法。
前記記載中アルキル基は、炭素数1から20のアルキル基である。具体的にはメチル基、エチル基,n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−メチルヘプチル基、n―ノニル基、2−メチルノニル基、n−デカニル基、2−メチルデカニル基、n−ウンデカニル基、2−メチルウンデカニル基、n−ドデカニル基、2−メチル−ドデカニル基、n−トリデカニル基、2−メチルトリデカニル基、n−テトラデカニル基、2−メチルテトラデカニル基、n−ペンタデカニル基、2−メチルペンタデカニル基、n−ヘキサデカニル基、2−メチルヘキサデカニル基、n−ヘプタデカニル基、2−メチルヘプタデカニル基、n−オクタデカニル基、2−メチルオクタデカニル基、n−ノナデカニル基、2−メチルノナデカニル基、n−エイコサニル基、2−メチルエイコサニル基を表す。
原料物質である上記式(2)で表されるモノマーを、金属化合物又は有機金属錯体の存在下に重合させて、上記式(1)で表される繰り返し単位からなるアセチレン系ポリマーを得ることができる。
反応に際しては、原料物質に触媒を添加して加熱する。反応の進行とともに粘性が上昇する。重合の進行に応じて適当なところで反応を停止させる。得られる重合体の分子量は、重量平均分子量で1000以上100×104程度のものが用いられる。
前記金属化合物触媒としては、具体的には、WCl6、WBr6、WI6、WF6、W(CO)6、MoCl5、CrCl3、TaCl5、NbCl5、MnCl3、PdCl3、RuCl3、RhCl3等を挙げることができる。
n,mは、整数を表す。
有機金属錯体の具体例としては、TaCl5−nBu4Sn、Ni(cycloocatadiene)2、[Ru(norbornadiene)Cl]2を挙げることができる。
置換基を有する上記B基を有するアセチレン化合物(たとえば、ペンチルフェニルアセチレンに)に、ナフタレン基又はアントラセン基を有する化合物(2−ブロモナフタレンなどのハロゲン化ナフタレン)を反応させることにより得られる。
酸化方法は、例えば、塩素や沃素、硝酸、塩化第2鉄など種々の酸化剤を気相もしくは液相で直接接触させる方法を採用できる。反応に際して酸化剤を添加する。
使用する酸化剤量、温度、反応時間などを制御することにより酸化の状態を分けることが可能である。酸化の度合いを調節することによって、透明度を向上させ、着色を防止することができる。好ましくは、使用する酸化剤量:ポリマーの10〜200wt%、温度:20〜50℃、反応時間:10〜180分である。
無置換ポリアセチレンの場合と同様、これらのアセチレン系ポリマーに酸化剤をドーピングすると、主鎖から電子が引き抜かれることにより酸化されて主鎖上に、下記式で表されるソリトンが生成し、これにより主鎖の電子状態が変化することにより透明度を向上させ、着色を防止することができると考えられる。
また、上記コート層の膜厚は目的に応じて適宜設定すればよく、通常、100Å〜100μmが好ましく、より好ましくは1000〜10000Åである。
250mLのトリエチルアミンに3.4gの4−ペンチルフェニルアセチレン、0.61gのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、0.63gのトリフェニルホスフィン、0.62gのヨウ化銅、4.55gの2−ブロモナフタレンを添加し、90℃で3時間反応させた。エバポレーターで脱溶剤後、エチルエーテルを添加し、生成した化合物を抽出した。
このエチルエーテル層を蒸留水300mLで3回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで24時間乾燥させ、その後濾過し、濾液の溶媒を留去した。ヘキサンを展開溶媒としてカラム生成することにより3.2gの1−(2−ナフチル)−2−(4−ペンチルフェニル)アセチレンを得た。
1−(2−ナフチル)−2−(4−ペンチルフェニル)アセチレン
1H NMR(270MHz,CDCl3) δ8.0(1H),7.8(3H),7.6(1H),7.5(4H),7.2(2H),2.6(2H),1.6(2H),1.3(4H),0.9(3H)
1−(2−ナフチル)−2−(4−ペンチルフェニル)アセチレン0.46gを、TaCl5−nBu4Sn触媒により、重合させてポリ(1−(2−ナフチル)−2−(4−ペンチルフェニル)アセチレン)0.25gを得た。
重量平均分子量は、300000であった。
ポリ(1−(2−ナフチル)−2−(4−ペンチルフェニル)アセチレン)5mgを、クロロホルム溶液(0.37)mlに溶解させ、これをスピンコーティングによりガラス表面に製膜し、HNO3蒸気で酸化すると、透明な状態となり着色がなくなったことを観察した(図1)。
比較例で示される、ポリ(1−(3−トリメチルシリルフェニル)−2−フェニルアセチレン)の吸収スペクトル(図2)を比較すると着色がないことがわかる。
実施例1の1−(2−ナフチル)−2−(4−ペンチルフェニル)アセチレンの製造工程において、4−ペンチルフェニルアセチレンを3−ペンチルフェニルアセチレンに置き換えることにより1−(2−ナフチル)−2−(3−ペンチルフェニル)アセチレンを得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3) δ8.0(1H),7.8(3H),7.6(3H),7.4(2H),7.2(2H),2.6(2H),1.6(2H),1.3(4H),0.9(3H)
実施例1の1−(2−ナフチル)−2−(4−ペンチルフェニル)アセチレンの製造工程において、2−ブロモナフタレンを2−ブロモアントラセンに置き換えることにより1−(2−アントリル)−2−(4−ペンチルフェニル)アセチレンを得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3) δ8.4(2H),8.2(1H),8.0(3H),7.5(3H),7.2(4H),2.6(2H),1.6(2H),1.3(4H),0.9(3H)
(1)ポリ(1−(3−トリメチルシリルフェニル)−2−フェニルアセチレン)の酸化工程
ポリ(1−(3−トリメチルシリルフェニル)−2−フェニルアセチレン)5mgを、クロロホルム溶液(0.37)mlに溶解させ、これをスピンコーティングによりガラス表面に製膜し、HNO3蒸気で酸化すると、黄色みは薄くなったが、着色は完全にはなくならないことを観察した(図2)。
Claims (3)
- 下記式(1)で表される、繰り返し単位をn個有してなることを特徴とするアセチレン系ポリマー。
- 請求項1記載のアセチレン系ポリマーを酸化することにより得られるものであることを特徴とするアセチレン系ポリマー。
- 下記式(2)で表されるモノマーを、
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006316981A JP4873478B2 (ja) | 2005-11-25 | 2006-11-24 | 共役系透明高分子材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005339770 | 2005-11-25 | ||
JP2005339770 | 2005-11-25 | ||
JP2006316981A JP4873478B2 (ja) | 2005-11-25 | 2006-11-24 | 共役系透明高分子材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007169620A JP2007169620A (ja) | 2007-07-05 |
JP4873478B2 true JP4873478B2 (ja) | 2012-02-08 |
Family
ID=38296596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006316981A Expired - Fee Related JP4873478B2 (ja) | 2005-11-25 | 2006-11-24 | 共役系透明高分子材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4873478B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009125721A1 (ja) * | 2008-04-10 | 2009-10-15 | 出光興産株式会社 | 有機薄膜トランジスタ用化合物及び有機薄膜トランジスタ |
KR101254100B1 (ko) * | 2010-12-31 | 2013-04-12 | 경상대학교산학협력단 | 신규한 유기 반도체 화합물 및 이를 구동층으로 채용하고 있는 유기 박막 트렌지스터 |
JP5799781B2 (ja) * | 2011-12-02 | 2015-10-28 | 株式会社豊田自動織機 | ポリアセチレン誘導体、非水系二次電池用の正極活物質及び正極、非水系二次電池、並びに車両 |
JP5799782B2 (ja) * | 2011-12-02 | 2015-10-28 | 株式会社豊田自動織機 | ポリアセチレン誘導体、非水系二次電池用の正極活物質及び正極、非水系二次電池、並びに車両 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4296821B2 (ja) * | 2002-04-17 | 2009-07-15 | チッソ株式会社 | マレイミド誘導体およびその重合体 |
JP2005154742A (ja) * | 2003-11-04 | 2005-06-16 | Toshio Masuda | 膜状物、その製造方法及びその用途 |
RU2418031C2 (ru) * | 2005-11-25 | 2011-05-10 | Секисуй Кемикал Ко., Лтд. | Светорегулирующий материал и светорегулирующая пленка |
-
2006
- 2006-11-24 JP JP2006316981A patent/JP4873478B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007169620A (ja) | 2007-07-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI322822B (ja) | ||
JP4516857B2 (ja) | カゴ構造を有する重合体、それを含む膜形成用組成物、絶縁膜および電子デバイス | |
JP7391098B2 (ja) | マルチコートポリマーフォトニック結晶フィルム | |
JP2007529094A5 (ja) | ||
JP2005513219A (ja) | 3,4−アルキレンジオキシチオフェンコポリマー | |
JP4873478B2 (ja) | 共役系透明高分子材料 | |
JP2008527143A (ja) | 位置規則的ポリチオフェンを調製するためのハロゲン化チオフェンモノマー | |
JP5618175B2 (ja) | 新規複素環式芳香族ポリマー | |
JPH0873572A (ja) | 伝導性側鎖型液晶化合物およびこれを使用した配向膜 | |
JP6154784B2 (ja) | 3,4−アルキレンジオキシピロールおよび3,4−アルキレンジオキシフランの無触媒重合 | |
WO2010007648A1 (ja) | 新規複素環式芳香族化合物及びポリマー | |
JP4318414B2 (ja) | 気相重合法による伝導性高分子の合成方法及びその製造物 | |
Aizenberg et al. | Inverting the Swelling Trends in Modular Self‐Oscillating Gels Crosslinked by Redox‐Active Metal Bipyridine Complexes | |
Chang et al. | Extraordinary aspects of bromo-functionalized multi-walled carbon nanotubes as initiator for polymerization of ionic liquid monomers | |
Qian et al. | A new ferrocene/disulfide-containing methacrylate monomer: synthesis, ATRP and nanocomposite | |
KR102488388B1 (ko) | 클릭반응을 이용한 패턴화된 cnt 필름 코팅 기판 및 이의 제조방법 | |
JP4936445B2 (ja) | アセチレン系ポリマー | |
JP5019284B2 (ja) | 共役系透明高分子材料組成物 | |
US7977441B2 (en) | Acetylene-based polymer | |
JP5019509B2 (ja) | 共役系透明高分子材料組成物 | |
JPWO2003072615A1 (ja) | 吸光・発光スペクトルが可逆的に変化するアセチレンポリマー | |
US20080220283A1 (en) | Substituted polyacetylene, complex and device structure | |
Lakshmi et al. | Chimeric polymers formed from a monomer capable of free radical, oxidative and electrochemical polymerisation | |
JP2004204008A (ja) | 絶縁膜形成用塗布液 | |
JP2011094066A (ja) | 光電子機能部位を有する高分子化合物およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090212 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110809 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111011 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111108 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111116 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4873478 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |