JP4872338B2 - 電磁波シールド性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はPDP(プラズマディスプレイパネル)等のディスプレイデバイスにおいて、前面から発生する電磁波を遮蔽して電磁波の外部への漏洩を抑制するための電磁波シールド性フィルムに関するものであり、詳しくは、ディスプレイデバイスに要求される高い可視光透過性を維持することができる電磁波シールド性フィルム関する。
近年、PDP(プラズマディスプレイパネル)等の大型化及び薄型化したディスプレイデバイスを用いた各種表示装置の市場が拡大している。
PDPの駆動の原理は、画素となる管内に封入されたXe(キセノン)ガスに電圧を印加して放電させて励起し、紫外〜近赤外領域に亙る広域波長帯の線スペクトルのうちの紫外線が管内に塗布された蛍光体を励起して可視領域の光を発生させる。前記の原理から、PDPは駆動時に強度の電磁波を外部へ漏洩させることが知られている。
このような電磁波の外部への漏洩は、ディスプレイデバイスの近傍の電子機器の誤作動を招くなどの、電磁気的なノイズ妨害(EMI:Electro−MagneticInterference)の原因になることが知られている。
前記EMIを回避するためには、電磁波をできるだけ外部に漏洩させないことが必要である。外部への電磁波の漏洩を抑制する方法としては、表示装置の筐体を金属体等の高電導体で被うことにより電磁波を遮蔽する方法が知られている。しかしながら、このような方法はディスプレイの筐体等の表示機能を有さない部分には適用できるが、ディスプレイ前面の表示機能を有する部分に用いた場合には可視光の透過を阻害するために適用できない。従って、ディスプレイ前面の表示機能を有する部分に適用できる、光透過性を有するディスプレイ用の電磁波シールドフィルムが開発されている。
例えば、下記特許文献1には、2枚の透明基板間に金属繊維等からなる開口率75%以上の導電性メッシュを介在させて接着樹脂で接合一体化してなる電磁波シールド性光透過窓材が開示されている。
また、下記特許文献2には、透明プラスチック基材と金属箔とを接着剤で介して貼り合わせ、前記金属箔を特定のライン幅およびライン間隔になるようにエッチングすることにより幾何学図形を形成させたディスプレイ用フィルムが開示されている。
前記技術はそれぞれ、導電性メッシュの開口率や金属箔のライン幅及びライン間隔を調整して表示素子の行列と導電性メッシュとができるだけ重ならないようにして、表示素子から発光される光の可視性を妨げないようにしている。
しかしながら、前記特許文献1に開示の技術においては、2枚の透明基板間に導電性メッシュを介在させて接着樹脂で接合一体化しているために、2枚の透明基板と接着樹脂との接合面に界面ができるために、2枚の透明基板と接着樹脂との屈折率の差により光の透過率が低下し、また、曇価(ヘイズ)が高くなるという問題があった。
一方、特許文献2に開示の技術においては、金属箔を接着剤で貼り合わせているために、エッチングプロセスにおいて金属箔を除去した部分にも接着剤が残り、透明プラスチック基材と接着剤との界面ができるために、透明プラスチック基材と接着剤との屈折率の差により光の透過率が低下し、曇価(ヘイズ)が高くなるという問題があった。
また、その製造においては、金属箔と透明プラスチック基材等との間に接着層を介在させるプロセスが必要であり、このプロセスが煩雑であった。
特開平11−292575号公報 特許第3570420号公報
本発明は、ディスプレイ装置前面から放射される電磁波を遮蔽するための電磁波シールド性フィルムであって、可視光の透過性に優れ、また、曇価(ヘイズ)が低く、ディスプレイ装置における表示機能を低下させない電磁波シールド性フィルムを提供することを課題とする。また、前記のような電磁波シールド性フィルムを簡便に製造する方法を提供することを課題とする。
また、請求項の発明は、熱可塑性の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる透明樹脂フィルムの少なくとも一表面に金属箔を圧着して貼り合せる工程と、前記圧着された金属箔をマイクロリソグラフィによるケミカルエッチングプロセスにより導電性メッシュを形成する工程と、前記導電性メッシュを形成する工程の後に、更に、導電性メッシュが形成された面であって前記導電性メッシュを形成する工程により金属箔が除去された部分に該当する透明樹脂フィルム表面を平滑化するためのプレス工程と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、前記プレス工程がローラーにより押圧する工程であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、前記熱可塑性の透明樹脂フィルムの金属箔との被着面がプラズマ処理又はコロナ放電処理されている前記電磁波シールド性フィルムの製造方法である。
また、請求項の発明は、前記金属箔の表面が粗化処理されている前記電磁波シールド性フィルムの製造方法であることを特徴とするものである。

本発明によれば、ディスプレイ装置前面から放射される電磁波を遮蔽するための従来の電磁波シールド性フィルムに比べて、可視光の透過性に優れ、また、曇価(ヘイズ)が低い、電磁波シールド性フィルムを提供することができる。
以下に、本発明の内容を具体的に説明する。
本発明の電磁波シールド性フィルムは、熱可塑性の透明樹脂フィルムの少なくとも一表面に金属箔からなる導電性メッシュが圧着されてなることを特徴とするものである。
ここで、本発明における「圧着」とは、熱可塑性の透明樹脂フィルムに金属箔からなる導電性メッシュが、接着層等を介することなく、加熱下で加圧されて、直接接合されていることを意味する。
本発明で用いられる熱可塑性の透明樹脂フィルムとは、熱可塑性を有する全可視光透過率が70%以上のフィルムであり、好ましくは、軟化温度が200℃以下の樹脂からなる透明樹脂フィルムである。
なお、本発明における軟化温度は動的粘弾性の測定により確認することができる。具体的には、粘弾性測定装置において試験片に引張応力を与え、その応答によって測定される損失正接(tanδ)を測定したときにtanδがピークを示す温度である。
前記熱可塑性の透明樹脂フィルムの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂,ポリエチレンナフタレート系樹脂,ポリブチレンテレフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂,ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチレンメタクリレート系樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂等の樹脂からなるフィルムであって、全可視光透過率が70%以上のフィルムが挙げられる。これらの中では、透明性及び金属箔との密着性の点から、ポリエチレンテレフタレート系樹脂,ポリカーボネート系樹脂及びポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリカーボネート系樹脂とを含有する樹脂からなるフィルムが好ましく、また、前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂の中では、非晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂が特に好ましい。
前記非晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール単位の一部を1,4−シクロヘキサンジメタノール等のシクロヘキサンジメタノール単位で置換した分子構造を有する非晶性の共重合ポリエステルである。
このような非晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂は、結晶性ポリエチレン系樹脂のように、除冷しても白化が起こらず透明性を維持することができるものである。
前記非晶性のポリエチレンテレフタレートの具体例としては、例えば、大倉工業(株)製のオースター(登録商標)、リケンテクノス(株)製のRIVESTAR(登録商標)、三菱樹脂(株)製のペテルス(登録商標),ディアフィクス(登録商標)、筒中プラスチック工業(株)製のペットエース(登録商標)、タマポリ(株)製のハイトロンPG、太平化学製品(株)製のPETGフィルムシート、等が挙げられる。
また、前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリカーボネート系樹脂とを含有する樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂とポリカーボネート系樹脂とのポリマーアロイにより得られる樹脂が挙げられ、具体的にはポリエチレンテレフタレート系樹脂60〜30質量%とポリカーボネート系樹脂40〜70質量%とからなるポリマーアロイ等が挙げられる。このようなポリマーアロイからなる透明樹脂フィルムは特に、透明性と金属箔との密着性を有し、また、耐熱性が高いために、ディスプレイデバイスの製造時に受ける熱により金属箔がずれることを抑制できる点から特に好ましい。
熱可塑性の透明樹脂フィルムの厚みとしては10〜1000μm、更には50〜250μm程度であることが好ましい。前記厚みの範囲においては、金属箔を効率よく圧着できる点から好ましい。
本発明における金属箔からなる導電性メッシュとは、金属箔から形成される導電性の幾何学形状の薄膜であり、電磁波を遮蔽する金属部である。
このような金属箔からなる導電性メッシュは、前記透明樹脂フィルムに金属箔を圧着したのちに、マイクロリソグラフィの手法により、ケミカルエッチングプロセスにより形成することができる。
前記金属箔としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、タングステン、クロム、チタンなどの金属、又はこれらを含有する合金からなる、厚み0.1〜40μm、好ましくは5〜18μmの金属箔が挙げられる。これらの中では、電磁波シールド性に優れている点や導電性メッシュを形成するためのエッチング加工が容易な点及び透明樹脂フィルムとの密着性の点から銅箔、アルミニウム箔またはニッケル箔が好ましい。
なお、前記金属箔の少なくとも透明樹脂フィルムに圧着される面は透明樹脂との密着性を高めるために粗化処理がされていることが好ましい。前記粗化処理とは、銅箔等の金属箔の接着性を高めるために、金属箔表面にめっき処理や電解処理等を施して、金属箔表面を粗くするための処理であり、金属箔の表面処理の分野において行われている公知の処理方法を用いることができる。このような粗化処理の程度としては、金属箔表面の表面粗さ(Ra)が好ましくは0.02〜0.35μm、更に好ましくは0.15〜0.25μm程度であることが好ましい。表面粗さが前記範囲にある場合には、透明樹脂フィルムと金属箔との密着性が良い点から好ましい。表面粗さ(Ra)は、JIS B 0601で定義される算術平均粗さを意味し、前記規格に基づいて算出される。
本発明の電磁波シールド性フィルムは、前記熱可塑性の透明樹脂フィルムの少なくとも一表面に前記金属箔を圧着したのち、公知のマイクロリソグラフィの手法によりパターン化された導電性メッシュを形成することにより得ることができる。
前記熱可塑性の透明樹脂フィルムに前記金属箔を圧着する方法は、特に限定されないが、好ましくは、透明樹脂フィルムの表面に金属箔を配置した後、加熱プレス装置により、熱プレスする方法が挙げられる。
前記熱プレスの条件は透明樹脂フィルムの種類によって適宜選ばれる。具体的な一例としては、例えば、透明樹脂フィルムとして、厚み25〜250μm程度の非晶質のポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる透明樹脂フィルムを用いる場合には、加熱プレスの設定温度は80〜130℃程度であって、プレス圧3MPa程度の圧力で、15〜90分間程度プレスする条件が挙げられる。
なお、前記圧着の際には、前記の被圧着面はプラズマ処理又はコロナ放電処理等により表面処理されていることが、金属箔との密着性を高める点から好ましい。
また、圧着される金属箔の表面は、前記のように粗化された面であることが好ましい。
そして、このように透明樹脂フィルムに圧着された金属箔から、マイクロリソグラフィ法を用いることにより導電性メッシュを形成することができる。
前記マイクロリソグラフィ法の種類としては、フォトリソグラフィ、X線リソグラフィ、電子線リソグラフィ、イオンビームリソグラフィ、スクリーン印刷法などが挙げられる。これらの中でも、加工精度、簡便性及び量産性の点からフォトリソグラフィが好ましく、特に、ケミカルエッチング法を用いたフォトリソグラフィが好ましい。
前記形成される導電性メッシュのライン形状としては、例えば、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形(nは正の整数)、円、だ円、星型などを組み合わせた模様であり、これらの単位の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の組み合わせが挙げられる。
前記導電性メッシュのライン幅は、40μm以下、好ましくは25μm以下が好ましく、細すぎる場合には表面抵抗が大きくなって電磁波シールド性が低下するために1μm以上であることが好ましい。
また、ライン厚みは40μm以下が好ましく、薄すぎる場合には表面抵抗が大きくなって電磁波シールド性が低下するために、0.5μm以上が好ましく、さらに1μm以上、とくには5μm以上が好ましい。
ライン間隔は大きいほど可視光の透過率が向上するが、ライン間隔が大きくなり過ぎると、電磁波シールド性が低下する。従って、ライン間隔は100μm以上で、1000μm(1mm)以下とするのが好ましい。
なお、形成された導電性メッシュの開口率としては、50%以上、更には60%以上が可視光の透過率が優れる点から好ましい。前記開口率とは、電磁波シールド性フィルムの有効面積に対する前記有効面積から導電性メッシュ部分の面積を引いた面積の割合(百分率)である。
このようにして、金属箔からなる導電性メッシュが形成されるが、前記導電性メッシュは、黒化処理されていることが好ましい。黒化処理することにより、ディスプレイのコントラストが高くなり、また導電性メッシュが経時的に酸化されて退色することを抑制することができる。黒化処理は、例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/l)、水酸化ナトリウム(15g/l)、リン酸三ナトリウム(12g/l)の水溶液中で、95℃で2分間処理することにより行うことができる。
なお、前記導電性メッシュが形成された電磁波シールド性フィルムの、被圧着面においては、金属箔の表面状態が圧着時に転写されるために、マイクロリソグラフィ法により金属箔が除去された部分には、金属箔の表面状態が転写されたまま残っている。従って、圧着する金属箔として、粗化された金属箔を用いる場合には、粗化により凹凸形状が形成された金属箔の表面状態が透明樹脂フィルム表面にそのまま転写されて、凹凸形状が残っている。このような凹凸形状の表面状態は、光の透過性を低下させるために好ましくない。従って、このような場合には、凹凸形状の表面状態を平滑化させることが好ましい。
前記平滑化させる方法としては、前記導電性メッシュを形成した後に、その表面を平滑にするように熱プレスする方法、更に詳しくは、導電性メッシュが位置ずれしない程度の温度、具体的には、透明樹脂フィルムの軟化点と同等か、それよりもやや高い温度で導電性メッシュが形成された透明樹脂フィルムを平滑なプレス面で熱プレス方法が挙げられる。また、前記プレスの方法としてはローラーによる押圧方法を用いてもよい。
また、この際には、導電性メッシュの被圧着面の裏側の表面、すなわち、透明樹脂フィルムに圧着された導電性メッシュの露出している表面と透明樹脂フィルムの導電性メッシュが圧着された面が略同一の高さになるように平滑化されていることが好ましい。このように、電磁波シールド性フィルムの表面において、導電性メッシュが透明樹脂フィルムの平面と略同一の高さになるように埋設されているときには金属メッシュを物理的に保護できる点から好ましい。
一方、前記凹凸形状の表面状態を平滑化させる別の方法としては、前記透明樹脂フィルムの導電性メッシュが圧着されている側の表面に、更に透明樹脂層を形成する方法が挙げられる。
前記透明樹脂層を設けることにより、凹凸形状を埋めて、露出する表面を平滑にすることができる。
前記透明樹脂層を形成する方法としては、(1)導電性メッシュが圧着された透明樹脂フィルム表面に硬化性樹脂を塗布して硬化させる方法、(2)導電性メッシュが圧着された透明樹脂フィルム(ここでは、第1の透明樹脂フィルムと呼ぶ)の表面に第2の透明樹脂フィルムを圧着して貼り合わせる方法、等が挙げられる。
前記(1)の方法において用いられる硬化性樹脂としては、熱、光、電子線、X線等のエネルギー線により硬化する透明性の各種硬化性樹脂が用いられる。具体的には、例えば、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、アクリル系樹脂、イミド樹脂等が挙げられる。これらの中ではエポキシ樹脂が屈折率の調整が容易であり、耐熱性、耐衝撃性に優れている点から好ましい。
このような、硬化性樹脂の塗布方法は、特に、限られず、スピンコート法や、スプレー法、ローラー法による塗布方法等が用いられるが、膜厚を均一にして塗布することができる点から、スピンコート法によることが好ましい。
また、前記(2)の方法において用いられる第2の透明樹脂フィルムとしては、第1の透明樹脂フィルムの説明で挙げられたフィルムと同様のものが用いられ、好ましくは、第1の透明樹脂フィルムと第2の透明樹脂フィルムが同じ材質であることが好ましい。
なお、前記透明樹脂層としては、第1の透明樹脂フィルムの屈折率と透明樹脂層の屈折率との差が0.14以下であるものを用いることが好ましい。前記屈折率の差が0.14を超える場合には、可視光の透過性が低下するためである。なお、前記屈折率とは、波長589.3nmにおける20℃における屈折率である。
従って、例えば、第1の透明樹脂フィルムとして、屈折率が1.576程度の非晶性のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合には、硬化性樹脂としては屈折率が同等の屈折率、すなわち1.576程度に調整した樹脂を用いることが好ましく、また、第2の透明樹脂フィルムとしては第1の透明樹脂フィルムと同じ非晶性のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
前記透明樹脂層の厚みとしては、前記導電性メッシュの厚さ以上であることが好ましく、具体的には10〜50μm、更には、10〜25μm程度であることが好ましい。前記範囲の厚みである場合には透過率を充分に維持することができ、ディスプレイデバイスに張り合わせる際に必要な、可とう性を充分に維持できる点から好ましい。
本発明の電磁波シールド性フィルムは、PDP等のディスプレイ前面に直接貼り合わせても良いが、プラスチック基板又はガラス基板に貼り合わせて積層して形成される、電磁波シールド用ディスプレイ構成体、例えば、PDP用光学フィルター等としてディスプレイに装着して用いても良い。
前記電磁波シールド用ディスプレイ構成体は、透明プラスチック基板又はガラス基板に、本発明の電磁波シールド性フィルムを圧着することにより貼り合わせて形成されたものが、可視光の透過率を低下させず、また、曇価を高めない点から好ましい。
前記プラスチック基板としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等からなる、厚み0.5〜5mm程度の透明性プラスチック板が用いられる。
このようにして得られる、本発明の電磁波シールド性フィルム又は電磁波シールド用ディスプレイ構成体がディスプレイ前面に配された電磁波の漏洩が抑制されたディスプレイは、可視光の透過性に優れ、また、曇りがない鮮やかな映像を表示するものである。
以下に、本実施例について具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ100μmで1×1(m)の寸法の非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルム(大倉工業(株)製のオースター、軟化温度120℃、屈折率1.567)の表面に、厚さ12μmの電解銅箔(古河電気工業(株)製のBH−WS)を、そのRaが0.24μmの粗化面が前記フィルム表面と対向するように載置したのち、130℃、3MPa、10分間の条件で加熱プレスにより圧着し、銅箔付透明樹脂フィルムを得た。
次に、前記銅箔付透明樹脂フィルムの銅箔表面にパターンが形成されたガラスマスクを配して、フォトリソグラフィプロセスにより、ライン幅12μm、ライン間隔300μmの正方形格子のパターンの導電性メッシュを形成し、導電性メッシュが圧着された透明樹脂フィルムを得た。
次に、前記導電性メッシュが圧着された透明樹脂フィルムを亜塩素酸ナトリウム(31g/L)、水酸化ナトリウム(15g/L)、リン酸三ナトリウム(12g/L)の水溶液に浸漬し、95℃で2分間処理することにより表面が黒化処理した。
次に、前記導電性メッシュが圧着された透明樹脂フィルムを130℃、3MPaで10分間、再度、プレスすることにより表面を平滑化した。
得られた電磁波シールド性フィルムについて、以下の方法により、電磁波シールド性、可視光透過率、曇価を評価した。
<電磁波シールド性>
KEC(Kansai Electronic Industry Development Center)法に準じて、周波数範囲10MHz〜1GHzの間の電磁波シールド性を測定し、300MHzの値を代表値として評価した。
<可視光透過率>
日本電色工業(株)製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JIS K7361−1(ISO 13468−1に対応)の「プラスチック透明材料の全光線透過率の試験方法」に準じて、透過率を測定した。
<曇価>
日本電色工業(株)製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JIS K 7136(ISO 14782に対応)の「プラスチック透明材料のヘイズの求め方」に準じて、曇価(ヘイズ)を測定した。
結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、導電性メッシュが圧着された透明樹脂フィルムからなる電磁波シールド性フィルムの表面を130℃、3MPa、10分間プレス処理して平滑化処理する代わりに、エポキシ系UV硬化性樹脂(松下電工(株)製のF13−M、硬化後の屈折率1.576)をスピンコート法を用いて塗布し、硬化させて、厚み20μmの透明樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド性フィルムを作成し、評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、導電性メッシュが圧着された透明樹脂フィルムからなる電磁波シールド性フィルムの表面を130℃、3MPa、10分間プレス処理して平滑化処理する代わりに、導電性メッシュの圧着された透明樹脂フィルムと同じ材質からなる厚み100μmの非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムを130℃、3MPa、10分間プレス処理して貼り合わせて透明樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様にして電磁波シールド性フィルムを作成し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
銅箔付透明樹脂フィルムとして、結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に接着層を介して電解銅箔が張り合わされてなる、銅箔付ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋アルミニウム(株)製の厚み100μmの結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムに接着層を介して10μm厚の銅箔が接着されたもの)の銅箔が接着された表面に実施例1と同様にして導電性メッシュを形成した。
そして、前記導電性メッシュが接着された面に、厚み100μmの非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムを実施例3と同様にして貼り合わせて電磁波シールド性フィルムを作成し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004872338
表1の結果から、本発明の実施例1〜3における電磁波シールド性フィルムはいずれも、高いレベルで電磁波を遮蔽するものであり、可視光透過率が高く、曇価が低いものであった。
一方、結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に接着層を介して銅箔が張り合わされた銅箔付ポリエチレンテレフタレートを用いて形成された比較例1の電磁波シールド性フィルムは、実施例の電磁波シールド性フィルムに比べて、可視光透過率が低く、また、曇価が高いものであった。これは、結晶性ポリエチレンフィルムと接着層の屈折率が異なり、結晶性ポリエチレンフィルムと接着層との間に界面ができるためであると思われる。

Claims (4)

  1. 熱可塑性の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる透明樹脂フィルムの少なくとも一表面に金属箔を圧着して貼り合せる工程と、
    前記圧着された金属箔をマイクロリソグラフィによるケミカルエッチングプロセスにより導電性メッシュを形成する工程と、
    前記導電性メッシュを形成する工程の後に、更に、導電性メッシュが形成された面であって前記導電性メッシュを形成する工程により金属箔が除去された部分に該当する透明樹脂フィルム表面を平滑化するためのプレス工程と、
    を備えることを特徴とする電磁波シールド性フィルムの製造方法。
  2. 前記プレス工程がローラーにより押圧する工程である請求項に記載の電磁波シールド性フィルムの製造方法。
  3. 前記熱可塑性の透明樹脂フィルムと金属箔との被着面がプラズマ処理又はコロナ放電処理されている請求項1又は2に記載の電磁波シールド性フィルムの製造方法。
  4. 前記金属箔の表面が粗化処理されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁波シールド性フィルムの製造方法。
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