JP2000013089A - ディスプレイ用電磁波シールド材 - Google Patents

ディスプレイ用電磁波シールド材

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JP2000013089A
JP2000013089A JP10178377A JP17837798A JP2000013089A JP 2000013089 A JP2000013089 A JP 2000013089A JP 10178377 A JP10178377 A JP 10178377A JP 17837798 A JP17837798 A JP 17837798A JP 2000013089 A JP2000013089 A JP 2000013089A
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wave shielding
electromagnetic wave
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shielding material
mesh
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JP10178377A
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Shigeyuki Yokoyama
茂幸 横山
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 きわめて薄く、かつメッシュパターンを任意
に制御可能とすることにより、電磁波シールド性と光透
過性の両立と、優れた画像鮮明性の保持が図られるディ
スプレイ用電磁波シールド材を提供する。 【解決手段】 所定のメッシュパターンが形成された金
属箔メッシュ3aの少なくとも片面に、粘着剤層52
(または接着剤層)を積層させる。メッシュパターンの
開口率を任意に設定することができるので、電磁波シー
ルド性と光透過性とを両立させることができるととも
に、メッシュパターンの孔を画素に対応させることによ
り鮮明な画像が保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性金属箔を素
材としたシート状の電磁波シールド材に係り、特に、C
RT、プラズマディスプレイ等のディスプレイに用いて
好適なディスプレイ用電磁波シールド材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の急速な発展に伴
い、それら電子機器から発せられる電磁波による身体へ
の障害が問題視されてきており、それに対する防止策と
して各種の電磁波シールド材が開発・提供されている。
従来の電磁波シールド材としては、例えば、導電性金属
を、真空蒸着やスパッタリング、あるいは塗料化して塗
工する等の手段で、樹脂板上に所定のメッシュパターン
に薄膜形成したものや、ポリエステル等の樹脂製繊維に
銅やニッケル等の金属を無電解メッキによりコーティン
グしてなる金属製メッシュを樹脂板上に積層したもの等
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の導電性金属を真
空蒸着やスパッタリングで樹脂板上に薄膜形成したもの
は、高真空や精度の高い雰囲気制御が必要な装置を使用
しなければ製造することができないので、コストが高く
なるとともに量産性に劣るといった問題があった。ま
た、通常の導電性金属では電磁波シールド性が不十分で
あり、これを補う材料として、近年開発された錫含有酸
化インジウム(ITO)が広く用いられてはいるもの
の、このITOは高価であるため、例え樹脂板上に塗工
する手段を採ったとしても、コスト的に不利であること
は否めなかった。さらに、ディスプレイに適用する場合
には、透明度を向上させるために膜厚を薄くし、かつ低
抵抗化させて電磁波シールド性を確保するといった相反
する要求を両立させるには困難なものであった。
【0004】一方、後者の繊維を基材とする金属製メッ
シュを樹脂板に積層したものは、コストや量産性に関し
ては比較的問題はないものの、金属製メッシュのメッシ
ュパターンが基材の繊維の編まれ方に依存されるので、
孔の形状、孔の大きさ、開口率およびメッシュパターン
を制御しにくいものであった。また、繊維を立体的に編
んだものであるため、薄くするにはある程度限界があ
り、厚さを制御するにも困難であった。さらに、繊維の
1本1本の断面が円形であることと相まって表面の平滑
度に劣るので、金属製メッシュに積層させた粘着剤層に
よって対象物に貼る場合には、粘着剤層の厚さが増大す
るとともに、粘着剤層の表面に凹凸が生じて対象物との
間に空気が混入するといった不具合を招きやすかった。
【0005】ところで、ディスプレイ用電磁波シールド
材にあっては、なるべく薄いことが要求されるととも
に、光透過性と、これに相反する電磁波シールド性とを
両立させる必要がある。しかしながら、上記の繊維を基
材とする金属製メッシュを樹脂板に積層した電磁波シー
ルド材では、開口率を制御しにくいのでその両立が困難
であり、また、要求される薄さに対応できず、さらにメ
ッシュパターンおよび孔の大きさを自由に制御すること
ができないためモアレ等の画像障害を招き、その上空気
が混入しやすいことから、ディスプレイ用電磁波シール
ド材としては不適当であった。
【0006】したがって本発明は、低コストで量産性に
優れることは勿論のこと、きわめて薄くすることができ
るとともに、孔の形状、孔の大きさ、開口率およびメッ
シュパターンを任意に制御することができることによ
り、電磁波シールド性と光透過性の両立がなされ、かつ
優れた画像鮮明性が保持されるディスプレイ用電磁波シ
ールド材を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のディスプレイ用
電磁波シールド材は、金属箔に多数の孔が穿設されるこ
とにより、該孔と、孔の周囲の該金属箔部分であるライ
ン部とからなる所定のメッシュパターンが前記金属箔に
形成されてなる金属箔メッシュと、この金属箔メッシュ
の少なくとも片面に積層される粘着剤層または接着剤層
とを備えることを特徴としている。
【0008】本発明のディスプレイ用電磁波シールド材
を製造する方法としては、例えば、所定の厚さの圧延材
からなる金属箔にパンチング加工により孔を穿設し、こ
の金属箔メッシュの少なくとも片面に粘着剤層または接
着剤層を積層する方法が挙げられるが、金属箔に多数の
孔を高精度に配列することを容易とし、なおかつ粘着剤
層または接着剤層が同時に積層される次のような製造方
法が好適である。すなわち、金属箔の一方の面に樹脂製
フィルム粘着剤等からなる保護層を積層し、次いで、金
属箔の他の面にフォトレジスト法により所定のメッシュ
パターンを現像し、この後、レジストの未現像部を除去
し、その除去部分の金属箔をエッチングして金属箔のラ
イン部のみを残して金属箔メッシュを形成し、この後、
現像部である残ったレジストを除去し、必要に応じて保
護層を除去する。
【0009】上記のようにして製造される本発明のディ
スプレイ用電磁波シールド材は、金属箔メッシュの少な
くとも片面に積層された粘着剤層または接着剤層を介し
て、ディスプレイの前面に貼り合わせて用いられるか、
あるいは、透明の支持体に貼り合わせディスプレイの前
面から離間して設けられる。当該ディスプレイ用電磁波
シールド材によれば、金属箔からなる金属箔メッシュ
は、従来の立体的な繊維系金属製メッシュと比べると、
平滑度に優れているとともに、厚さの制御が容易である
ためその厚さをきわめて薄く、かつ均一にすることがで
きる。したがって、積層される粘着剤層または接着剤層
を含めた電磁波シールド材全体の厚さをきわめて薄くす
ることができるとともに、積層された粘着剤層または接
着剤層の表面に凹凸が生じにくいことから、空気の混入
を招くおそれがない。
【0010】本発明のディスプレイ用電磁波シールド材
は、金属箔メッシュの少なくとも片面に粘着剤層または
接着剤層が積層された形態であるが、この層構成を基本
として、用途に応じて様々な層構成に展開することがで
きる。その一例としては、粘着剤層または接着剤層が金
属箔メッシュの両面に積層され、かつ孔に充填された形
態が挙げられる。この場合、例えば、金属箔メッシュの
両面の粘着剤層または接着剤層を介してアクリル板等の
樹脂板を任意に積層し、シート状のディスプレイ用電磁
波シールド材を構成することができる。さらに、使用に
際して反射のない鮮明な画像を得るために、少なくとも
使用状態における被目視面に、例えば屈折率の異なる皮
膜を形成する等の手段によって反射防止処理を施すこと
が好ましい。
【0011】さて、本発明の電磁波シールド材は、上記
のように厚さを薄く、かつ任意に制御することができる
ことに加え、メッシュパターンの孔の形状、寸法ならび
に配列と、それら孔の間隔つまりライン部の幅を全く任
意に制御することができる。すなわち、形成するメッシ
ュパターンの自由度が限りなく高く、したがって、メッ
シュパターンの開口率(孔に孔の周囲の金属箔の幅(ラ
イン部の幅)の1/2を加えた外形面積に対する孔の面
積比率)を自由に制御することができる。光透過性は開
口率に概ね比例し、逆に光の遮断性は孔の周囲のライン
部の幅に概ね比例する。ここで、光の遮断性は電磁波シ
ールド性に相当する。したがって、メッシュパターンの
開口率を任意に制御することのできる本発明のディスプ
レイ用電磁波シールド材は、光透過性と電磁波シールド
性とを両立させることができる。また、上記のように厚
さをきわめて薄くすることができることによっても、デ
ィスプレイ用電磁波シールド材として好適である。
【0012】また、ディスプレイ用電磁波シールド材
は、その前面側(目視される側)が黒色であることが、
ハイコントラストの実現およびディスプレイの電源OF
F時に画面が黒いこと等の要求を満たすことから好まし
いとされている。したがって、少なくとも使用状態にお
ける金属箔メッシュの目視される面が黒色処理されてい
ることが好ましい。
【0013】また、金属箔メッシュのメッシュパターン
をディスプレイの画素に対応する形状およびピッチとす
ることにより、モアレ等の画像障害を招くことのないデ
ィスプレイ用電磁波シールド材となる。具体的には、メ
ッシュパターンの孔が、適用するディスプレイの少なく
とも光の三原色R・G・Bを1組とする1画素に対応す
る形状および寸法を有し、かつこれに伴って孔の周囲の
ライン部がその対応する画素の境界に沿って形成されて
いるメッシュパターンが好ましい。この場合、孔の大き
さは、1画素ごとに形成されると最小であるが、複数の
画素に1つの孔が対応するような形態であってもよい。
ディスプレイの画素はメーカーによって異なってくる
が、メッシュパターンの好ましい開口率は70〜97
%、さらに好ましくは80〜95%、好ましいライン部
の幅は10〜50μm、好ましい孔の幅(ライン部のピ
ッチ)は200〜800μmである。また、電磁波シー
ルド性が安定して発揮されるためには、ライン部が相互
に連続していることが好ましい。
【0014】さらに、本発明の電磁波シールド材におい
ては、金属箔メッシュの孔の形状がディスプレイの画素
に対応していることが好ましく、具体的には、正方形、
長方形等の平行四辺形または正六角形から適宜に選択さ
れ、かつどの部分においても一定の機能(電磁波シール
ド性および電磁波シールド性等)が発揮される点で規則
的に配列されていることが好ましい。
【0015】本発明の金属箔メッシュの素材である金属
箔の材料としては、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、
金、銀、プラチナ等の金属や、これら金属の2種以上の
合金(例えば銅−ニッケル合金、ステンレス等)、さら
には金属化合物等の、箔化が可能な金属系材料が用いら
れる。また、酸化防止等、必要に応じて表面をメッキ処
理したものも適宜に用いることができる。特に好ましく
は、銅、アルミニウム、鉄、ニッケルの合金もしくは金
属化合物で、圧延等により箔化が容易なものであれば安
価に製造可能であることから好ましい。また、その厚さ
はできるだけ薄い方が好ましく、5〜100μm、より
好ましくは10〜50μmである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の一
実施形態を説明する。図1は、一実施形態に係るディス
プレイ用電磁波シールド材50の概念を示す断面図であ
る。この電磁波シールド材50は、金属箔メッシュ3a
の両面に粘着剤層52,52が積層され、これら粘着剤
層52,52に樹脂製シート53,54がそれぞれ貼り
合わされ、さらに、樹脂製シート54に、粘着剤層55
を介して樹脂製シート56が積層された構成となってい
る。図1では、上側が前面側、下側が裏面側であり、裏
面側の樹脂製シート56が、図示せぬディスプレイの前
面に、別の粘着剤層を介して貼り合わされるようなって
いる。
【0017】金属箔メッシュ3aの少なくとも前面側は
黒色処理されていることが好ましい。黒色処理として
は、例えば金属箔が銅箔であれば、アルカリ性の銅箔酸
化処理液に浸漬することによりなされる黒色酸化処理を
適用することができるが、黒色メッキ処理も適用可能で
ある。粘着剤層52,52に用いられる粘着剤として
は、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリウ
レタン系粘着剤、ポリ酢酸ビニル系粘着剤、エポキシ系
粘着剤等の透明性粘着剤が好ましく用いられる。なお、
場合によっては粘着剤層52,52は接着剤を塗布した
接着剤層が採用され、その場合の接着剤としては、NB
R(アクリルニトリル−ブタジエンゴム)フェノリック
等の熱硬化性接着剤が好ましく用いられる。
【0018】各樹脂製シート53,54,55は、例え
ばPET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(ト
リアセチルセルロース)、アクリル等の樹脂からなるも
のが好ましく用いられる。そして、前面側の樹脂製シー
ト53の前面には反射防止処理が施されて反射防止層5
3aが形成され、裏面側の樹脂製シート56の裏面には
防幻処理が施されて防幻処理層56aが形成されてい
る。
【0019】金属箔メッシュ3aは、図2に示すよう
に、素材金属が圧延加工された長方形状の金属箔の全体
に、格子状のメッシュパターン40が形成されたもので
ある。この場合のメッシュパターン40は、図3に示す
ように、金属箔に規則的に穿設された多数の正方形状の
孔41と、これら孔41の周囲の金属箔部分であるライ
ン部42とから構成される。メッシュパターン40の寸
法としては、例えば、孔41の一辺が500μm、ライ
ン部42の幅が20μmで、開口率が92%とされる。
金属箔メッシュ3aの両面に積層される前記粘着剤層5
2,52は、全ての孔41に充填され、したがって、金
属箔メッシュ3aは粘着剤層52,52に含浸された状
態となっている。
【0020】次に、上記金属箔メッシュ3aを製造する
方法を、図4〜図11を参照して説明する。なお、この
製造方法は好適な一例であって、本発明に係る金属箔メ
ッシュを製造する場合においてこの方法に限定されるも
のではない。まず、図4に示すように、ベースフィルム
1の表面に粘着剤層2を設ける。ベースフィルム1とし
ては、PET、TAC、ポリイミド等の各種樹脂フィル
ムが用いられ、その厚さは25〜100μm程度とされ
る。また、粘着剤層2の粘着剤としては、例えば、前述
のアクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリウレ
タン系粘着剤、ポリ酢酸ビニル系粘着剤、エポキシ系粘
着剤等の透明性粘着剤が好ましく用いられ、その層厚は
5〜40μm程度とされる。
【0021】次いで、図5に示すように、粘着剤層2に
金属箔3を貼り合わせ、さらに図6に示すように、金属
箔3の表面にレジスト4をラミネートする。次いで、図
7に示すように、レジスト4の表面に、形成するメッシ
ュパターンが光透過部として印刷されたフィルム状のマ
スク5を積層した後、マスク5上から紫外線を照射す
る。レジスト4の厚さは10〜25μm程度が好適とさ
れ、また、紫外線の照射量は80〜160mj程度が好
適とされる。紫外線の照射により、マスク5の光透過部
に対応する部分のレジスト4が露光され、その露光部が
金属箔上に印刷される。
【0022】次いで、マスク5を除去し、さらに、炭酸
ソーダ水溶液等のレジスト除去用の処理液に全体を浸漬
して、未露光部すなわち未印刷部のレジスト4を除去す
る。これにより、図8に示すようにレジスト4からなる
メッシュパターンが金属箔3の表面に現像される。次
に、エッチング液(例えば塩酸中に塩化第二鉄を溶解さ
せた液)中に全体を浸漬することにより、図9に示すよ
うに未現像部に対応する部分の金属箔3をエッチングす
る。この後、苛性ソーダ希釈液等のレジスト除去用の処
理液に全体を浸漬して、図10に示すように残っていた
現像部のレジスト4を除去し、さらに、ベースフィルム
1を除去する。ここまでの工程で、図11に示すように
金属箔メッシュ3aの片面に粘着剤層2が積層されたも
のを得る。
【0023】さて、上記製造方法において、粘着剤層2
は、図1で示した金属箔メッシュ3aの裏面側の粘着剤
層52として構成させることができる。したがって、図
10の状態から、金属箔メッシュ3aの露出面を黒色処
理し、その露出面側に表面側の前記粘着剤層52を積層
し、さらに、前記樹脂製シート53,54,56をそれ
ぞれ積層させることにより、図1に示した電磁波シール
ド材50を得ることができる。
【0024】本実施形態の電磁波シールド材50は、メ
ッシュパターン40が形成された金属箔メッシュ3aの
両面に粘着剤層52,52が積層された形態を基本構成
とするから、製造が容易であり、低コストで量産性に優
れる。また、きわめて薄くすることができるとともに、
金属箔メッシュ3aの孔41の形状、孔41の大きさ、
開口率およびメッシュパターン40を任意に制御するこ
とができるので、所望の電磁波シールド性と光透過性と
を両立させることができるとともに、あらゆる種類のデ
ィスプレイに適用することが可能である。また、プラズ
マディスプレイに適用する場合、孔41を光の三原色R
・G・Bの少なくとも1画素に対応させることにより、
モアレ等の画像障害が起こらず鮮明な画像が保持され
る。
【0025】なお、上記実施形態の電磁波シールド材5
0は図1に示すような多層構造としているが、金属箔メ
ッシュ3aと片側の粘着剤層(または接着剤層)52の
みによっても本発明の電磁波シールド材は構成され、そ
のような最小層構成にどのような層を積層するかは任意
である。
【0026】
【実施例】次に、本発明に基づく実施例および本発明に
対する比較例を示し、本発明の効果をより明らかにす
る。 [実施例1]金属箔メッシュとして、厚さ12μmの銅
箔に、多数の正方形の孔が規則的に配列された格子状の
メッシュパターンが形成されたものを用いた。メッシュ
パターンの寸法は、ライン部の幅25μm、孔の一辺
(ライン部のピッチ)500μmで、開口率は91%で
ある。黒色酸化処理液として、商品名:エンプレートM
B−438A(メルテックス社製)80ml、商品名:
エンプレートMB−438B(メルテックス社製)21
0mlおよび純水790mlを混合させて作製した。こ
の混合液を80℃に加熱し、同混合液中に金属箔メッシ
ュを5分間浸漬して黒色酸化処理した。
【0027】次いで、黒色酸化処理した金属箔メッシュ
の両面(前面および裏面)に、アクリル系粘着剤を塗布
して乾燥後の厚さが20μmの粘着剤層を形成した。次
いで、片面に反射防止処理が施されて反射防止層が形成
された厚さ50μmのPET製フィルムを、反射防止層
を視聴者側に向けて、前面側の粘着剤層に貼り合わせ
た。次いで、厚さ2mmの透明アクリル板を、裏面側の
粘着剤層に貼り合わせた。さらに、片面に防幻処理が施
されて防幻処理層が形成された厚さ50μmのPET製
フィルムの、防幻処理層が形成されていない側の面に、
アクリル系粘着剤を塗布して乾燥後の厚さが20μmの
粘着剤層を形成し、この粘着剤層により該PET製フィ
ルムを透明アクリル板の裏面に貼り合わせた。以上によ
り、実施例1の電磁波シールド材を作製した。なお、こ
の層構成は、図1に示した一例の電磁波シールド材と同
じである。
【0028】[実施例2]厚さ20μmのステンレス箔
の片面に、乾燥後の厚さ20μmのアクリル系粘着剤層
を形成した後、離型処理を施したPETフィルムを積層
し、さらに、フォトレジスト法により実施例1と同じ格
子状メッシュパターンを形成した。次いで、ステンレス
箔の他面のみに実施例1と同じ黒色クロムメッキ処理を
行い、ステンレス箔の黒色酸化処理した面が視聴者側に
向くように実施例1と同様にして図1に示した構成の電
磁波シールド材を作製した。
【0029】[実施例3]金属箔メッシュを厚さ20μ
mのアルミニウム箔とし、透明アクリル板を厚さ1mm
の透明ポリカーボネート板に代えた以外は実施例1と同
様にして、実施例3の電磁波シールド材を作製した。
【0030】[比較例1]電磁波シールド基材として、
ポリエステル繊維にニッケルコーティングを施した導電
性メッシュ(線径44μm、目開き135メッシュ)を
厚さ2mmの2枚の板ガラスの間に挟みこんだ電磁波シ
ールドガラス(商品名:マグペーン、日本板硝子社製)
を用いた。該製品の片面(前面)に、実施例1で用いた
反射防止処理を施したPET製フィルムを20μmのア
クリル系粘着剤層を介して貼り合わせ、他の面(裏面)
に、実施例1で用いた防幻処理を施したPET製フィル
ムを20μmのアクリル系粘着剤層を介して貼り合わせ
て、比較例1の電磁波シールド材を作製した。
【0031】[比較例2]電磁波シールド基材として、
厚さ2mmの透明アクリル板の片面に、ポリエステル芯
繊維に銅/ニッケルを無電解メッキし、カーボンブラッ
クで表面を黒色処理した導電性メッシュ(線径43μ
m、目開き200メッシュ、厚さ66μm)を一体成形
した光透過性電磁波シールドシート(商品名:デンジー
シートMA200−20、日清紡績社製)を用いた以外
は比較例1と同様にして、比較例2の電磁波シールド材
を作製した。
【0032】上記各実施例および各比較例の電磁波シー
ルド材につき、次の試験を行った。 電磁波遮蔽性−ADVANTEST社製スペクトラム
アナライザーTR4172(評価部はTR17301)
で、500MHzの遮蔽率を測定した。 光透過性−日本分光社製UVIDEC−670型可視
紫外光分光光度計で、350〜800nmの光透過率を
測定した。 画像特性−プラズマディスプレイのパネル前面(光の
三原色R・G・Bの1画素を構成するリブ間500μ
m)に、各実施例および各比較例の電磁波シールド材を
貼り合わせ、目視にて画像特性を評価した。モアレ現象
等が生じて画像が不鮮明であった場合は×、鮮明な画像
が得られた場合を○とした。 上記試験の結果は、次の表1の通りであった。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、本発明の電磁波シール
ド材は、電磁波シールド性および光透過性の双方に優れ
ているので、光透過性が要求されるディスプレイの電磁
波シールド材としてきわめて好適であり、また、特にプ
ラズマディスプレイ用としてモアレ現象が生じない鮮明
な画像を得ることができる。一方、比較例の電磁波シー
ルド材は、電磁波シールド性と光透過性とが両立せず、
かつ画像鮮明性にも劣っており、本発明の効果が明らか
になった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明のディスプレ
イ用電磁波シールド材は、低コストで量産性に優れるこ
とは勿論のこと、きわめて薄くすることができるととも
に、孔の形状、孔の大きさ、開口率およびメッシュパタ
ーンを任意に制御することができることにより、電磁波
シールド性と光透過性の両立がなされ、かつ優れた画像
鮮明性が保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド材
を概念的に示す断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド材
を構成する金属箔メッシュを概念的に示す平面図であ
る。
【図3】 図1のIII部分の拡大図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係る電磁波シールド材
を構成する金属箔メッシュの好適な製造方法における第
1工程の概念図である。
【図5】 同製造方法の第2工程の概念図である。
【図6】 同製造方法の第3工程の概念図である。
【図7】 同製造方法の第4工程の概念図である。
【図8】 同製造方法の第5工程の概念図である。
【図9】 同製造方法の第6工程の概念図である。
【図10】 同製造方法の第7工程の概念図である。
【図11】 同製造方法によって得られた金属箔メッシ
ュの概念図である。
【符号の説明】
1…ベースフィルム、2…粘着剤層、3…金属箔、3a
…金属箔メッシュ、4…レジスト、5…マスク、40…
メッシュパターン、41…孔、42…ライン部、50…
電磁波シールド材、52,55…粘着剤層、53,5
4,56…樹脂製シート、53a…反射防止層、56a
…防眩層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AB17 AB33A AK25 AK25G AK42 AR00B AR00C BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C CB00 DC11A EJ01A EJ12 EJ33A GB41 JD08 JL02 JL11B JL11C JN01 JN06 5E321 AA04 BB21 BB25 BB41 CC16 GG05 GH01 5G435 AA00 AA16 AA17 FF00 GG33 HH02 HH03 KK07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスプレイの前面を覆って設けられる
    ディスプレイ用電磁波シールド材であって、 金属箔に多数の孔が穿設されることにより、該孔と、孔
    の周囲の該金属箔部分であるライン部とからなる所定の
    メッシュパターンが前記金属箔に形成されてなる金属箔
    メッシュと、 この金属箔メッシュの少なくとも片面に積層される粘着
    剤層または接着剤層とを備えることを特徴とするディス
    プレイ用電磁波シールド材。
  2. 【請求項2】 前記粘着剤層または接着剤層が、前記金
    属箔メッシュの両面に積層され、かつ前記孔に充填され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ
    用電磁波シールド材。
  3. 【請求項3】 前記ライン部は、相互に連続しているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ
    用電磁波シールド材。
  4. 【請求項4】 前記金属箔メッシュの少なくとも使用状
    態における被目視面が黒色処理されていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレイ用電
    磁波シールド材。
  5. 【請求項5】 前記孔が前記ディスプレイの少なくとも
    1画素に対応する形状および寸法を有し、かつこれに伴
    って前記ライン部がその対応する画素の境界に沿って形
    成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載のディスプレイ用電磁波シールド材。
  6. 【請求項6】 少なくとも使用状態における被目視面に
    反射防止処理が施されていることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載のディスプレイ用電磁波シールド
    材。
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