JP4869007B2 - プリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、各種オーディオビジュアル機器や家電機器,通信機器,コンピュータ装置およびその周辺機器などの電子機器に使用されるプリント配線板、特に、コア基板を有するプリント配線板に関するものである。
従来より、IC(Integrated Circuit),LSI(Large Scale Integration)などの半導体素子などを上面に搭載する配線基板として、樹脂製のプリント配線板が用いられている。
かかるプリント配線板として、高密度化に有利なビルドアップ方式のプリント配線板が実用化されている。従来のビルドアップ方式のプリント配線板は補強材のない樹脂のみで形成されていたため、基板としての強度・剛性が劣り、配線板のサイズが制約され、その応用用途も限定されていた。この対策として、近年、補強材としてガラスなどの繊維を基材として用い、この基材に樹脂を含浸させてなる樹脂層を銅箔とともに積層したコア基板の表裏に絶縁層と導体層とを積層してなるプリント配線板が開発されている(特許文献1)。
繊維による補強材を用いた上述のコア基板は、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維を格子状に編みこんだ織布にエポキシ樹脂などを含浸させた樹脂層を複数積層し、その上面及び下面に銅箔を接着させたものが従来より使用されている(特許文献2)。
ところでプリント配線板は、主に半導体素子などの電子部品を搭載して使用されるが、半導体素子の熱膨張係数とプリント配線板の熱膨張係数とが大きく相違していると、両者の熱膨張係数の差に起因して大きな熱応力が発生し、半導体素子とプリント配線板との接続部に破断が起きるなどし、プリント配線板の信頼性の低下を招くこととなる。このためプリント配線板の熱膨張係数は、搭載される半導体素子などの熱膨張係数に近いことが望ましく、通常、プリント配線板の熱膨張係数の方が半導体素子などの熱膨張係数よりも大きいため、より低熱膨張のプリント配線板が求められている。
コア基板を有するプリント配線板の場合、その熱膨張係数はコア基板の影響を大きく受けることとなる。したがってコア基板の熱膨張係数を小さく抑えることが好ましく、繊維を補強材として使用した樹脂層を積層してなるコア基板は、樹脂のみからなるコア基板に比べ、熱膨張係数を低く抑えることができる。これは繊維の熱膨張係数が極めて小さく、コア基板の伸縮が繊維により拘束されるためである。
特開平11−261228号公報 特開2002−198658号公報
しかしながら、従来の繊維を編みこんだ織布は、布が伸び縮みするようにそれ自体が伸縮性を有しているため、その分熱膨張係数が大きくなってしまい、さらなる低熱膨張化を実現することが困難であるとともに、編みこんだ部分の繊維の湾曲により不規則な寸法挙動を誘発し、プリント配線基板の反りや表面のうねりが発生するという問題があった。
本発明は上記の問題に鑑み案出されたものであり、その目的は、反りや表面のうねりが少ない低熱膨張のプリント配線板を提供することにある。
本発明のプリント配線板は、コア基板を有するプリント配線板であって、前記コア基板は、一方向に整列された繊維に樹脂を含浸させてなる樹脂層を3層以上積層することにより形成され、前記樹脂層は、前記コア基板の一主面側の最外層に配される第1樹脂層と、前記コア基板の他主面側の最外層に配される第2樹脂層と、前記コア基板の厚み方向の中心に配され、且つ前記第1、第2樹脂層の繊維の整列方向と異なる方向に繊維が整列された第3樹脂層とを含み、前記第3樹脂層の単位長さ当たりの繊維本数が、前記第1、第2樹脂層の単位長さ当たりの繊維本数よりも多いことを特徴とするものである。
また本発明のプリント配線板は、前記繊維の熱膨張係数が3ppm/℃以下であることを特徴とするものである。
また本発明のプリント配線板は、前記繊維が、炭素繊維、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリイミド、全芳香族ポリエステル、ポリベンズオキサゾール、ポリイミドベンズオキサゾール樹脂の内少なくとも一つからなることを特徴とするものである。
また本発明のプリント配線板は、前記第1、第2樹脂層の樹脂量が、前記コア基板を構成する他の樹脂層の樹脂量よりも多いことを特徴とするものである。
また本発明のプリント配線板は、前記第3樹脂層の繊維の直径が、前記第1、第2樹脂層の繊維の直径よりも大きいことを特徴とするものである。
また本発明のプリント配線板は、絶縁層と導体層が交互に積層されてなる配線層が前記コア基板の少なくとも一方主面側に形成されていることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板によれば、コア基板の厚み方向の中心に配された第3樹脂層の繊維の整列方向をコア基板の最外層に配される第1、第2樹脂層の繊維の整列方向と異なるようにするとともに、第3樹脂層の単位長さ当たりの繊維本数を、第1、第2樹脂層の単位長さ当たりの繊維本数よりも多くしたことによって、コア基板全体としての平面方向における熱膨張係数が均一化され、プリント配線板の反り及び表面におけるうねりを抑えつつ低熱膨張化を実現することができる。
以下、本発明のプリント配線板を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係るプリント配線板の断面図、図2は図1に示すプリント配線板のコア基板の断面図、図3は図2に示すコア基板を構成する樹脂層の斜視図である。同図に示すプリント配線板は、コア基板1とコア基板1の両主面に形成される配線層2とから主に構成されている。
コア基板1は樹脂層3を3以上積層することにより形成され、配線層2の支持台として機能するものである。本実施形態では、図2に示す如く、4層の樹脂層3(3a、3b、3c、3c)によりコア基板1が構成されている。コア基板1の一主面側(図の上側)の最外層に配される樹脂層が第1樹脂層3a、コア基板1の他主面側(図の下側)の最外層に配される樹脂層が第2樹脂層3b、第1、第2樹脂層の間に挟まれる2枚の樹脂層が第3樹脂層3cである。このようにコア基板1が偶数枚の樹脂層からなる場合は、第3樹脂層3cが2枚あることになる。
これらの樹脂層3は、図3に示すように、繊維4に樹脂5を含浸させたシートである。
樹脂層3を構成する繊維4は、熱膨張係数の大きな樹脂5の伸縮を抑え、プリント配線板の熱膨張係数を小さくする役割を果たしている。本発明では、繊維4が一方向に整列した樹脂層を用いている。このような樹脂層3は、樹脂4を編みこんだ織布を用いた樹脂層に比べ、繊維4の長手方向の線膨張係数を小さくすることができる。また織布を用いた樹脂層の場合、繊維の編みこみによる起伏ができるため、樹脂層の表面に起伏が現れやすく薄型化が進むほど顕著になる。これに対し、繊維4が一方向に揃っている樹脂層では、平坦性に優れ薄型化に有利であり、コア基板1の厚みを薄くできるため、コア基板1を低背化することができ、ひいてはプリント配線板の低背化に供することができる。
繊維4は、その整列方向が全てのプリプレグにおいて同じにならないようにしておくことが重要である。繊維4が一方向に整列されたプリプレグでは、繊維4の長手方向の熱膨張係数を小さくすることができるものの、繊維4の長手方向と直行する方向における熱膨張係数はそれ程小さくない。したがって、このような樹脂層を繊維の整列方向が全ての層で同じになるようにしてコア基板1を形成した場合、結局、そのコア基板1は繊維4の長手方向における熱膨張係数は小さいものの、繊維の長手方向と直交する方向における熱膨張係数はそれほど小さくないため、平面方向における熱膨張係数の差に起因してコア基板に反り等が発生しやすくなってしまう。これに対し、プリプレグ同士で繊維の整列方向が異なるようにして積層することで、コア基板全体として伸縮率を均一化させることできる。本実施形態では、第1、第2樹脂層3a、3bの繊維の整列方向が略等しく、第3樹脂層3cの繊維の整列方向が第1、第2樹脂層3a、3bの繊維の整列方向とは異なっている。具体的には、コア基板1を平面視して、第1、第2樹脂層3a、3bの繊維の長手方向と第3樹脂層3cの繊維の長手方向とが直交するように配置されている。換言すれば、図3において、第1樹脂層3aの繊維4の長手方向を0°とすると、上から順に各プリプレグの繊維の長手方向が、0°,90°,90°,0°となるようにして積層されている。このようにプリプレグ3を積層することによって、第1、第2樹脂層3a、3bは、90°の方向における熱膨張係数が比較的大きいものの、その方向における第3樹脂層3cの熱膨張係数が小さいため、コア基板全体としては熱膨張係数が均一化されることとなる。なお、繊維4の長手方向の向きは上記のものに限られない。
さらに本発明において重要なことは、第3樹脂層3cの単位長さ当たりの繊維本数が、第1、第2樹脂層3a、3bの単位長さ当たりの繊維本数よりも多いことである。これによって、コア基板1の反り及び表面のうねりの発生を少なくすることができる。これは次の理由によるものである。コア基板1の最外層に配される第1、第2樹脂層3a、3bは、コア基板1の形成時やコア基板1の上面及び下面に配線層2を形成するときなどに熱や溶剤の影響を直接受けるため、局所的な応力が発生しやすく、内部の樹脂層に比べ変形し易い傾向にある。そしてこの最外層の樹脂層の変形に追従して内部のプリプレグにも変形が起こり、コア基板1に反り等が発生しやすくなる。そこで本発明のように第3樹脂層3cの単位長さ当たりの繊維本数を第1、第2樹脂層3a、3bよりも多くしておくことにより、第1、第2樹脂層3a、3bが、より熱膨張係数の小さい第3樹脂層3cに拘束された状態となり、第1、第2樹脂層3a、3bの変形が抑制され、コア基板1の反り及び表面のうねりの発生が少なくなるものである。具体的には、第3樹脂層3cの単位長さあたりの繊維本数を、第1、第2樹脂層3a、3bの単位長さあたりの繊維本数に対し、5%から15%多くしておくことが好ましい。5%より少ないと、第3樹脂層3cが第1、第2樹脂層3a、3bを拘束する効果が弱く、コア基板1に反り及び表面のうねりが発生しやすくなる。一方、15%より多くなるとコア基板1全体の平面方向における熱膨張率のばらつきが多くなるという不具合がある。なお、単位長さあたりの繊維本数とは、樹脂層を繊維の長手方向に対し垂直な断面で見たときの、1mmの長さに含まれる繊維の平均本数であり、コア基板1の主面と平行な方向に沿って幅5mmあたりの繊維本数を任意の5点について数え、これを1mmあたりの繊維本数に換算したときの平均値である。
また、第3樹脂層3cの繊維4の直径を、第1、第2樹脂層3a、3cの繊維4の直径よりも大きいものを使用することにより、第3樹脂層3cの熱膨張係数がさらに低くなるため、コア基板1の反り及び表面のうねりの発生を少なくする効果をより高めることができる。具体的には、第3樹脂層3cの繊維4の直径が、第1、第2樹脂層3a、3bの繊維の直径に対し、3%〜20%大きいものを用いることが効果を発揮する上で好ましい。
また、繊維4の熱膨張係数は、プリント配線板に搭載される半導体素子の材料であるシリコンよりも低い熱膨張係数を有するものが好ましく、具体的には3ppm/℃以下であることが好ましい。繊維4の熱膨張係数が3ppm/℃より大きいと、低誘電率(low-k)を用いた半導体素子、特に、low-k材料よりも誘電率の低い比誘電率が2.5以下のUltra Low-k材料を用いた半導体素子を実装した場合に、信頼性評価で絶縁材料の損傷が生じやすくなる。したがって、低誘電率材料を用いた半導体素子を実装する場合には、樹脂4の熱膨張係数を3ppm/℃以下にしておくことが好ましい。このような低い熱膨張係数を有する繊維4の材料として、炭素繊維、全芳香族ポリイミド、全芳香族ポリイミド、全芳香ポリエステル、ポリベンズオキサゾール、ポリイミドベンズオキサゾールが使用できる。これらの繊維4の直径は、例えば、5〜12μmである。また、樹脂5との塗れを良くするために、繊維4はカップリング処理されていてもよい。
繊維4を被覆する樹脂5としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミドトリアジンなどの樹脂材料が使用できる。樹脂5の熱膨張係数は低いほど良いが、10ppm/℃よりも小さい線膨張係数を有するものは現在市販されていないため、10ppm/℃以上60ppm/℃以下の線膨張係数を有するものが好適に使用される。また、樹脂5に非金属無機フィラーを入れることにより、樹脂5の熱膨張係数及びヤング率を調整することも可能である。例えば、樹脂5としてのエポキシ樹脂に、非金属無機フィラーとして球状シリカを20wt%以上80wt%以下の範囲で含有させることによって、樹脂5の線膨張係数を20ppm/℃〜60ppm/℃、ヤング率を2GPa〜5GPaの範囲に調整することができる。なお、非金属無機フィラーとしては、シリカ以外に水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどを使用することができる。
コア基板1には、図2に示すように、厚み方向を貫くスルーホール8が形成されており、スルーホールの内壁面には、銅めっきなどからなるスルーホール導体10が形成されている。このスルーホール導体10によってコア基板1の一主面側に設けた導体パターン9と他主面側に設けた導体パターン9とを電気的に接続している。なお、スルーホール8内には平坦性をよくするために樹脂が充填されている。
コア基板1の最外層に配される第1、第2樹脂層3a、3bの樹脂5の量は、他の樹脂層(本実施形態では、第3樹脂層3c)の樹脂量よりも多くしておくことが好ましい。このようにコア基板1の最外層に配されるプリプレグの樹脂量を多くしておくことによって、コア基板1の平面方向における熱膨張率のばらつきを小さくすることができる。
このようなコア基板1の一主面及び他主面には、図1に示す如く配線層2が形成されている。配線層2は絶縁層6と導体層7とが交互に積層されてなるものである。
絶縁層6は、ポリイミド、アラミド、ポリイミドベンゾオキサゾール、液晶ポリマーといった低熱膨張フィルムが好適に用いられ、その厚みは例えば、20〜200μmに設定される。また導体層7は、銅などの金属材料をめっきすることにより形成され、その厚みは例えば、3〜18μmに設定される。
図4は本発明の他の実施形態にかかるプリント配線板のコア基板1を構成するプリプレグ3の斜視図である。本実施形態では、プリプレグを8枚積層することによりコア基板1を形成されており、最上層に配される第1樹脂層3aの繊維4の長手方向を0°とすると、上から順に各樹脂層の繊維の長手方向が、0°、90°、0°、90°、90°、0°、90°、0°となるようにして積層されている。この場合も、上述した実施形態と同様に、コア基板1の厚み方向の中心に配される第3樹脂層3cの単位長さあたりの繊維本数を、コア基板1の最外層に配される第1、第2樹脂層3a、3bの単位長さあたりの繊維本数より多くしておくことにより、コア基板全体としての平面方向における熱膨張係数が均一化され、プリント配線板の反り及び表面におけるうねりを抑えつつ低熱膨張化を実現することができる。ただし、樹脂層3の枚数が多くなると、第1、第2樹脂層3a、3bと第3樹脂層3cとの間に配される他の樹脂層3dの影響もでてくるため、本発明は3層以上8層以下の樹脂層を積層してなるコア基板1を用いたプリント配線板において有効である。
次に本発明のプリント配線板の製造工程を説明する。
まずエポキシ樹脂などの樹脂材、溶剤、触媒、硬化剤等を混合してなるワニスと、ポリベンズオキサゾール繊維などの繊維を準備し、所定量のワニスを繊維に含浸させる。繊維を一方向に整列させるには、長方形状の枠体の一方の端から他方の端に向けて繊維を巻きつけていき、他方の端まで巻いたところで折り返し、再度一方の端に向けて巻いていく。これを所定回繰り返した後、枠体の片面側の繊維に、先に準備しておいたワニスをスクリーン印刷等により含浸させる。もう片方の面側の樹脂にも同様にワニスを含浸させる。ワニスが含浸された樹脂を、均一な温度に保ちながら乾燥し樹脂反応を進め、所定の大きさにカットし、Bステージ状態のプリプレグを作製する。プリプレグの作製工程において、シリカなどの非金属無機フィラーを適宜入れてもよい。プリプレグは、単位長さあたりの繊維本数が異なるもの同士が含まれるように3枚以上用意する。単位長さあたりの繊維本数を異ならせるには、繊維を枠体に巻いていくときの繊維と繊維との間隔や折り返しの回数を変えることにより調整することができる。
次に作製した複数のプリプレグを積層する。このとき繊維の整列方向が全てのプリプレグで同一とならないように、繊維の整列方向をずらして積層する。また、単位長さあたりの繊維本数が多いプリプレグは、厚み方向の中央に配置する。例えば、プリプレグの積層数が4の場合は、単位長さあたりの繊維本数が少ないものを最外層の2層に、単位長さあたりの繊維本数が多いものを中央の2層に配置し、最上層の繊維の長手方向を0°として、上から順に繊維の長手方向の向きが0°、90°、90°、0°となるように積層する。積層は150〜200℃の温度で加熱プレスにより行われる。プレス後のプリプレグ(樹脂層)の1層あたりの厚みは例えば、20〜100μmである。積層の際、最外層に銅箔を配して一緒にプレスすることにより銅張積層板とする。銅箔の厚みは3〜18μmである。
次に作製した銅張積層板にレーザー加工、ドリル加工などにより所定の位置に複数の貫通孔を形成し、無電解めっき、電解めっきによりスルーホールの内壁に銅めっきを施す。なお貫通孔の直径は、例えば、0.1〜1.0mmである。次いで貫通孔に樹脂の埋め込みを行い、両主面に感光性のレジスト膜を形成し、露光現像を行う。その後、銅めっきをエッチングし、レジスト膜を除去することにより両主面に導体パターン9を有するコア基板1が完成する。完成後のコア基板1の厚みは、例えば、0.3〜1.5mmである。
コア基板1とは別に、配線層2を構成する絶縁層6を準備しておく。絶縁層6は、例えば、従来周知のラミネート法を用いることによって作製される。具体的には、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールを主成分とするシートをそれぞれ用意し、一対の金属ロールの間に前記2種のシートを張り合わせた状態で挿入する。そして、金属ロールに熱を印加して、シートの一部を溶融することによって、シート同士を張り合わせ合成シートとし、金属ロールから合成シートを巻き取る。さらに、合成シート同士の張り合わせを行い、ポリイミド及びポリベンゾオキサゾールから成る多層構造の絶縁層6を得ることができる。
コア基板1と絶縁層6とを準備した上で、コア基板1の両主面に対し、例えば、スピンコート法等により熱硬化性樹脂等からなる接着層を形成し、接着層に作製しておいた絶縁層6を張り合わせる。この状態で、接着層を固化することにより絶縁層6が接着層を介してコア基板1の両主面に被着されることとなる。
さらに絶縁層6に、例えば、YAGレーザーや炭酸ガスレーザーを用いて、絶縁層6の上面からコア基板1の表面に形成されている導体パターン9まで貫通する貫通孔を形成する。次いで、無電解銅めっき、レジスト膜の形成、露光現像、電解銅めっき、エッチング等を行うことにより、導体層7、ビア導体11を形成する。なお、貫通孔に導電性材料を充填することによりビア導体11としてもよい。上述の工程を所定回数繰り返すことによりコア基板2の両主面に配線層2が形成され、図1に示す本発明のプリント配線板が完成する。
直径10μmのポリベンズオキサゾール繊維とエポキシ樹脂を主成分とするワニスを用いて、ポリベンズオキサゾール繊維を一方向に整列した状態で前記ワニスを含浸させ、Bステージ状態のプリプレグを作製した。なおワニスは、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂1000部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂450部、トリアジン変性ノボラック型フェノール樹脂700部、縮合型リン酸エステル300部、水酸化アルミニウム800部、および2-エチル-4-メチルイミダゾール2部に、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて樹脂固形分60重量%に調整したものを使用した。次にこのプリプレグを用いて、図3に示すように、最上層(1層目)のプリプレグの繊維の長手方向を0°として、上から順に繊維の長手方向の向きが0°、90°、90°、0°となるように4枚重ね、最外層のプリプレグの外側にそれぞれ厚さ12μmの銅箔を配置した状態で、180℃で60分間、加熱プレスし、厚み0.2mmの銅張積層板を作製し、この銅張積層板から、平面寸法が3mm×12mmの試験片を切り出した。表1は、「1」から「7」まで番号が付された試験片の平面方向(X方向及びY方向)の熱膨張係数を測定した結果である。
Figure 0004869007
表1において番号1の試験片は、各樹脂層で単位長さあたりの繊維本数が同じものであり、番号1〜6の試験片は、2層目、4層目の樹脂層の単位長さあたりの繊維本数を1層目、4層目の樹脂層の単位長さあたりの繊維本数より多くしたものである。また、番号7の試験片は各樹脂層の単位長さあたりの繊維本数が同じであるが、2層目、3層目の樹脂層の繊維として直径が12μmのものを用いている。
また、上記の試験片と同じ材料、方法により樹脂層を作製した後、図4に示すように最上層の1層目から順に繊維の長手方向の向きが0°、90°、0°、90°、90°、0°、90°、0°となるように樹脂層を8枚重ね、最外層の樹脂層の外側に厚さ12μmの銅箔を配置した状態で、180℃で60分間、加熱プレスし、厚み0.4mmの銅張積層板を作製し、平面寸法が3mm×12mmの試験片を切り出した。表2は、「1」から「6」まで番号が付された試験片の平面方向(X方向及びY方向)の熱膨張係数を測定した結果である。
Figure 0004869007
表2において各試験片は、繊維の直径はいずれも同じであり、単位長さあたりの繊維本数を変えたものである。
熱膨張係数は、35℃から150℃まで上昇させたきのX方向及びY方向の熱膨張係数について、熱膨張率測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製;歪測定装置)を用いて測定したものである。なお熱膨張係数の測定は、銅箔を剥がさない状態で行ったものである。
表1、表2の結果に示されるように、樹脂層の単位長さあたりの繊維本数を各樹脂層で同じにしたものに比べ、厚み方向の中心に配される樹脂層の単位長さあたりの繊維本数を最外層に配される樹脂層の単位長さあたりの繊維本数よりも多くしたものは、X方向の熱膨張係数とY方向の熱膨張係数の差が小さくなる傾向にある。また、厚み方向の中心に配される樹脂層の繊維を、最外層に配される樹脂層の繊維よりも太いものを用いた場合も、平面方向の熱膨張係数の差が小さくなることがわかる。
したがって本発明のプリント配線板によれば、コア基板全体としての平面方向における熱膨張係数が均一化され、プリント配線板の反り及び表面におけるうねりを抑えつつ低熱膨張化を実現することができる。これにより、コア基板の主面側に配線層を形成した場合に、コア基板の変形により導体パターンなどの位置ずれを少なくすることができ、信頼性の高いプリント配線板となすことが可能となる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
上述した実施形態においては、コア基板1の両主面に配線層2を設けたプリント配線板について説明したが、コア基板1の片側の主面にのみ配線層2を形成してなるプリント配線板についても本発明は適用可能である。さらには、配線層2を設けずにコア基板自体をプリント配線板として使用することも可能である。
本発明の一実施形態に係るプリント配線板の断面図である。 図1に示すプリント配線板のコア基板を示す断面図である。 図2に示すコア基板を構成するプリプレグの斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るプリント配線板のコア基板を構成するプリプレグの斜視図である。
符号の説明
1・・・コア基板
2・・・配線層
3・・・樹脂層
4・・・繊維
5・・・樹脂
6・・・絶縁層
7・・・導体層

Claims (6)

  1. コア基板を有するプリント配線板であって、
    前記コア基板は、一方向に整列された繊維に樹脂を含浸させてなる樹脂層を3層以上積層することにより形成され、
    前記樹脂層は、前記コア基板の一主面側の最外層に配される第1樹脂層と、前記コア基板の他主面側の最外層に配される第2樹脂層と、前記コア基板の厚み方向の中心に配され、且つ前記第1、第2樹脂層の繊維の整列方向と異なる方向に繊維が整列された第3樹脂層とを含み、
    前記第3樹脂層の単位長さ当たりの繊維本数が、前記第1、第2樹脂層の単位長さ当たりの繊維本数よりも多いことを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記繊維の熱膨張係数が3ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記繊維が、炭素繊維、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリイミド、全芳香族ポリエステル、ポリベンズオキサゾール、ポリイミドベンズオキサゾール樹脂の内少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  4. 前記第1、第2樹脂層の樹脂量が、前記コア基板を構成する他の樹脂層の樹脂量よりも多いことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  5. 前記第3樹脂層の繊維の直径が、前記第1、第2樹脂層の繊維の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。

  6. 絶縁層と導体層が交互に積層されてなる配線層が前記コア基板の少なくとも一方主面側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
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