JP4868891B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、ハブ輪の揺動加締によって内輪が固定されたセルフリテイン構造において、この加締加工に伴う内輪の変形を抑えると共に、ハブ輪の強度を高めて耐久性の向上を図った車輪用軸受装置に関するものである。
自動車等の車両の車輪用軸受装置は、懸架装置に対して車輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用のものと従動輪用のものとがある。この車輪用軸受装置には、所望の軸受剛性を有し、ミスアライメントに対しても耐久性を発揮すると共に、燃費向上の観点から回転トルクが小さい複列アンギュラ玉軸受が多用されている。一方、オフロードカーやトラック等、車体重量が嵩む車両には複列円すいころ軸受が使用されている。その従来構造の代表的な一例として、図3に示すような従動輪用の車輪用軸受装置が知られている。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は第3世代と称され、ハブ輪51と内輪52と外輪53、および複列のボール54、54を備えている。ハブ輪51は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ55を一体に有し、外周にアウター側の内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる小径段部51bが形成されている。また、車輪取付フランジ55の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト56が植設されている。
ハブ輪51の小径段部51bには、外周にインナー側の内側転走面52aが形成された内輪52が圧入されている。そして、ハブ輪51の小径段部51bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部51cにより、ハブ輪51に対して内輪52が軸方向へ抜けるのを防止している。
外輪53は、外周に車体取付フランジ53bを一体に有し、内周に複列の外側転走面53a、53aが形成されている。これら複列の外側転走面53a、53aと、これらに対向する内側転走面51a、52aの間には複列のボール54、54が転動自在に収容されている。
ハブ輪51は、炭素の含有量が0.40〜0.80重量%である炭素鋼製の素材に鍛造を施すことにより一体に形成され、斜格子で示した部分、すなわち、車輪取付フランジ55の基部から内側転走面51a、および小径段部51bに亙って高周波焼入れ等によって表面が硬化処理されている。なお、加締部51cは、鍛造後の素材表面硬さの生のままとしている。一方、内輪52は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼のような高炭素鋼製とし、芯部まで焼入れ硬化されている。
これにより、低コストで充分な耐久性を有する車輪用軸受装置が実現でき、加締部51cに亀裂等の損傷が発生することを防止すると共に、この加締部51cによりハブ輪51に固定される内輪52の直径が実用上問題になる程度変化するのを防止できる。そして、この内輪52がその固定作業に伴って損傷する可能性を低くすると共に、予圧を適正値に維持でき、しかも部品点数、部品加工、組立工数の削減によってコスト低減が図れる。
特開平11−129703号公報
然しながら、この従来の車輪用軸受装置において、ハブ輪51における小径段部51bの端部を揺動加締する際、内輪52が径方向外方に押し広げられることになり、内輪52が変形するのは否めない。特に、車輪用軸受装置が複列円すいころ軸受で構成されている場合、内側転走面52aに発生するフープ応力だけでなく、円すいころを案内する大鍔がアウター側に傾斜して円すいころとの接触状態が崩れ、トルク変動や面圧上昇によって昇温する恐れがある。
ここで、内輪52の幅寸法を長くして剛性を高めることもできるが、内輪52の幅が長くなれば軽量・コンパクト化が阻害されるだけでなく、コストアップの要因になって好ましくない。この種の複列円すいころ軸受からなる車輪用軸受装置において、加締加工に伴う内輪の変形を抑えると共に、ハブ輪の強度を高めて耐久性の向上を図った構造が望まれていた。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、ハブ輪の揺動加締によって内輪が固定された第1乃至第3世代構造の車輪用軸受装置において、加締加工に伴う内輪の変形を抑え、ハブ輪の強度を高めて耐久性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の円すいころとを備え、前記内輪の内側転走面の大径側に前記円すいころを案内するための大鍔が形成され、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記内輪における加締部側の内径端部に、前記ハブ輪の軸方向に垂直な面であって前記内側転走面の大径端に接する面と当該内輪の内周面との交線から大端面に亙って0.5〜1.0mmの深さの円筒状の段差部が形成され、前記加締部が前記内輪の大端面に当接されている。
このように、ハブ輪の小径段部に内輪が圧入され、小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により、ハブ輪に対して内輪を軸方向に固定したセルフリテイン構造の車輪用軸受装置において、内輪における加締部側の内径端部に、ハブ輪の軸方向に垂直な面であって内側転走面の大径端に接する面と当該内輪の内周面との交線から大端面に亙って0.5〜1.0mmの深さの円筒状の段差部が形成され、加締部が内輪の大端面に当接されているので、加締荷重によって生じる内輪の変形を抑制し、外径等に発生するフープ応力を軽減すると共に、加締部に微小クラック等の損傷が発生するのを抑えることができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記加締前における前記小径段部の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に0.5〜1.0mmの深さの円筒状の溝底を有する環状溝が形成されると共に、この環状溝が、前記内側転走面の大径端から前記内輪の大端面を越えて形成され、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面が形成されていれば、揺動加締による内輪の変形を一層抑制すると共に、加締強度を確保し、かつ加締部に微小クラック等の損傷が発生するのを一層抑えることができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記環状溝におけるインナー側の円弧面の曲率半径Riが前記内輪における加締部側の内径端部の面取り部の曲率半径r1よりも大きく、アウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく(r1≦Ri≦Ro)、曲率半径RiがR1〜10の範囲に設定されていれば、加締加工時に端部が変形し易くなると共に、内輪押込み量を確保して内輪の変形を抑えることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記内輪の加締部側の面取り部が、曲率半径r1がR1.0〜2.5からなる円弧面を備えていれば、加締荷重によって生じる内輪の外径の弾性変形を抑制して外径に発生するフープ応力を軽減すると共に、加締部に微小クラック等の損傷が発生するのを抑えることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記車輪取付フランジの基部から前記環状溝のアウター側の端部に亙って高周波焼入れによって50〜64HRCの範囲に表面が硬化処理され、前記加締部が鍛造後の表面硬さ25HRC以下の生のままとされていれば、ハブ輪のフレッティング摩耗が抑制されて強度および耐久性が向上すると共に、加締部の加工性が向上し、塑性変形によるクラック等の発生を防止することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の円すいころとを備え、前記内輪の内側転走面の大径側に前記円すいころを案内するための大鍔が形成され、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記内輪における加締部側の内径端部に、前記ハブ輪の軸方向に垂直な面であって前記内側転走面の大径端に接する面と当該内輪の内周面との交線から大端面に亙って0.5〜1.0mmの深さの円筒状の段差部が形成され、前記加締部が前記内輪の大端面に当接されているので、加締荷重によって生じる内輪の変形を抑制し、外径等に発生するフープ応力を軽減すると共に、加締部に微小クラック等の損傷が発生するのを抑えることができる。
外周に車体取付フランジを一体に有し、内周にテーパ状の複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向するテーパ状の内側転走面が形成された一対の内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の円すいころとを備え、前記内輪の内側転走面の大径側に前記円すいころを案内するための大鍔が形成され、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記内輪における加締部側の内径端部に、前記ハブ輪の軸方向に垂直な面であって前記内側転走面の大径端に接する面と当該内輪の内周面との交線から大端面に亙って0.5〜1.0mmの深さの円筒状の段差部が形成されると共に、前記加締部が前記内輪の大端面に当接され、当該内輪の面取り部が、曲率半径R1.0〜2.5からなる円弧面を備えている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2(a)は、図1の加締前のハブ輪と内輪とを示す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。
この車輪用軸受装置は駆動輪側の第2世代構造をなし、ハブ輪1と、このハブ輪1に圧入された車輪用軸受2とからなる。ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ3を一体に有し、外周に肩部1aを介して軸方向に延びる円筒状の小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。また、車輪取付フランジ3の周方向等配位置にハブボルト3aが植設されている。
ハブ輪1は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、車輪取付フランジ3の基部となる肩部1aから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって50〜64HRCの範囲に表面が硬化処理されている。なお、後述する加締部8は鍛造後の表面硬さ25HRC以下の生のままとされている。これによりハブ輪1の強度が向上すると共に、内輪5、5の嵌合面におけるフレッティング摩耗が抑制されて耐久性が向上する。また、加締部8の加工性を向上させ、塑性変形によるクラック等の発生を防止することができる。
車輪用軸受2は、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に複列のテーパ状の外側転走面4a、4aが形成された外方部材4と、外周に複列の外側転走面4a、4aに対向するテーパ状の内側転走面5aが形成された一対の内輪5、5と、両転走面間に保持器6を介して転動自在に収容された複列の転動体(円錐ころ)7、7とを備えている。内輪5の内側転走面5aの大径側には転動体7を案内するための大鍔5bが形成されると共に、小径側には転動体7の脱落を防止するための小鍔5cが形成され、一対の内輪5、5の小鍔5c側の端面(正面側端面)が突き合された状態でセットされた背面合せタイプの複列の円すいころ軸受を構成している。
外方部材4および内輪5、5はSUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、外方部材4は、高炭素クロム鋼に限らず、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼(JIS規格のSC系機械構造用炭素鋼)で形成し、少なくとも複列の外側転走面4a、4aを高周波焼入れによって58〜64HRCの範囲に表面を硬化処理しても良い。
車輪用軸受2は、ハブ輪1の肩部1aにアウター側の内輪5の大端面5eが衝合した状態で小径段部1bに所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部8によって予圧が付与された状態で固定されている。これにより、従来のように、ナットの締付トルク等を調整して予圧を管理することなく、長期間に亘って安定した予圧を維持できるセルフリテイン構造を提供することができる。
外方部材4と内輪5、5との間に形成される環状空間の開口部にはシール9、9が装着されている。これらシール9、9は、断面が略L字状に形成されて互いに対向配置された環状のシール板10とスリンガ11とからなる、所謂パックシールを構成している。これらシール9、9により、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ここで、本実施形態では、加締前のハブ輪1における小径段部1bの端部に、図2(a)に拡大して示すように、所定の深さdを有する中空状の円筒部12が形成されている。この深さdが深いほど、加締加工による内輪5の径方向外方への変形量は小さくなるが、加締強度(内輪固定力)が減少する。なお、加締部8を図中二点鎖線にて示す。
一方、インナー側の内輪5の内径端部に所定の深さδの段差部13が形成されている。この段差部13は、内側転走面5aの大径端に対応する位置から大端面5eに亙って、深さδ=0.5〜1.0mmの範囲に形成されている。また、内輪5における内径端部の面取り部5dは、曲率半径r1がR1.0〜2.5の範囲の円弧面を有している。内輪5における面取り部5dの曲率半径r1を1.0mmよりも小さく設定すると、車両の運転中に曲げモーメント荷重が装置に負荷された時、加締部8の根元部分に応力集中が起こり、微小クラック等の損傷が発生する恐れがある。逆に、曲率半径r1が2.5mmを超えると、円筒部12を塑性変形する際、内輪5を径方向外方に押し広げることになり、内輪5の大鍔5bが傾斜すると共に、外径等にフープ応力が発生して好ましくない。
このように、加締部8側の内輪5の内径端部に所定の段差部13を形成すると共に、面取り部5dの曲率半径r1を所定の範囲に設定することにより、加締荷重によって生じる内輪5の変形を抑制し、外径等に発生するフープ応力を軽減すると共に、加締部8に微小クラック等の損傷が発生するのを抑えることができる。
さらに、図2(b)に示すように、内輪5だけでなく、小径段部1bの端部に環状溝14を形成し、揺動加締による内輪5、特に、大鍔5bの変形を防止するのが好ましい。この環状溝14は円筒部12の外周に、内輪5における内側転走面5aの大径端に対応する位置から内輪5の大端面5eを越えて形成され、深さn=0.5〜1.0mmの範囲に設定されると共に、両端部に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面14a、14bが形成されている。インナー側の円弧面14aの曲率半径Riは、内輪5の面取り部5dの曲率半径r1よりも大きく、アウター側の円弧面14bの曲率半径Roよりも小さく設定され(r1≦Ri≦Ro)、RiがR1〜10の範囲に設定されている。
このように、円筒部12の外周面に環状溝14を形成することにより、加締加工時に円筒部12が変形し易くなり、内輪5の変形を抑えることができる。ただし、環状溝14の深さnが0.5mmよりも小さいとその効果が薄れ、また、深さnが1.0mmを超えると、内輪押込み量(加締力)が不足して所望の内輪5の固定力が得られない。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪の小径段部に内輪を圧入し、小径段部の端部を塑性変形させて形成した加締部によって内輪を固定した第1世代乃至第3世代のセルフリテイン構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1の加締前のハブ輪と内輪を示す要部拡大図である。 (b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a・・・・・・・・・・・・肩部
1b・・・・・・・・・・・・小径段部
1c・・・・・・・・・・・・セレーション
2・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
3・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
3a・・・・・・・・・・・・ハブボルト
4・・・・・・・・・・・・・外方部材
4a・・・・・・・・・・・・外側転走面
4b・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・内輪
5a・・・・・・・・・・・・内側転走面
5b・・・・・・・・・・・・大鍔
5c・・・・・・・・・・・・小鍔
5d・・・・・・・・・・・・面取り部
5e・・・・・・・・・・・・大端面
6・・・・・・・・・・・・・保持器
7・・・・・・・・・・・・・転動体
8・・・・・・・・・・・・・加締部
9・・・・・・・・・・・・・シール
10・・・・・・・・・・・・シール板
11・・・・・・・・・・・・スリンガ
12・・・・・・・・・・・・円筒部
13・・・・・・・・・・・・段差部
14・・・・・・・・・・・・環状溝
14a、14b・・・・・・・円弧面
51・・・・・・・・・・・・ハブ輪
51a、52a・・・・・・・内側転走面
51b・・・・・・・・・・・小径段部
51c・・・・・・・・・・・加締部
52・・・・・・・・・・・・内輪
53・・・・・・・・・・・・外輪
53a・・・・・・・・・・・外側転走面
53b・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
54・・・・・・・・・・・・ボール
55・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
56・・・・・・・・・・・・ハブボルト
d・・・・・・・・・・・・・円筒部の深さ
n・・・・・・・・・・・・・環状溝の深さ
r1・・・・・・・・・・・・内輪の面取り部の曲率半径
Ri、Ro・・・・・・・・・環状溝の円弧面の曲率半径
δ・・・・・・・・・・・・・段差部の深さ

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に所定のシメシロを介して圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の円すいころとを備え、
    前記内輪の内側転走面の大径側に前記円すいころを案内するための大鍔が形成され、
    前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、
    前記内輪における加締部側の内径端部に、前記ハブ輪の軸方向に垂直な面であって前記内側転走面の大径端に接する面と当該内輪の内周面との交線から大端面に亙って0.5〜1.0mmの深さの円筒状の段差部が形成され、前記加締部が前記内輪の大端面に当接されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 加締前における前記小径段部の端部が中空状の円筒部として形成され、この円筒部の外周面に0.5〜1.0mmの深さの円筒状の溝底を有する環状溝が形成されると共に、この環状溝が、前記内輪における内側転走面の大径端に対応する位置から前記内輪の大端面を越えて形成され、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面が形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記環状溝におけるインナー側の円弧面の曲率半径Riが前記内輪における加締部側の内径端部の面取り部の曲率半径r1よりも大きく、アウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく(r1≦Ri≦Ro)、曲率半径RiがR1〜10の範囲に設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記内輪の加締部側の面取り部が、曲率半径r1がR1.0〜2.5からなる円弧面を備えている請求項3に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記車輪取付フランジの基部から前記環状溝のアウター側の端部に亙って高周波焼入れによって50〜64HRCの範囲に表面が硬化処理され、前記加締部が鍛造後の表面硬さ25HRC以下の生のままとされている請求項2乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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