JP4866561B2 - フレキシブル金属積層体およびフレキシブルプリント基板 - Google Patents

フレキシブル金属積層体およびフレキシブルプリント基板 Download PDF

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本発明はフレキシブル金属積層体およびフレキシブルプリント基板に関する。
携帯電話や液晶モニター等の普及が進む今日、電子機器には更なる小型化、薄型化、多機能化が要求されている。この要求を実現するため、電子部品の小型化、高集積化は必須であるが、更なる電子部品の高密度実装技術が必要となる。
最近では、液晶ディスプレイ(LCD)の駆動ICの小型化やICの多出力化の要求に伴い、IC(集積回路)チップとフレキシブルプリント基板との接合にフリップチップ接合、とりわけ、COF(Chip On Film)実装が採用されている。
これまでのCOF実装は、TCP(Tape Carrier Package)実装で用いられたILB(Inner Lead Bonder)ボンダーを改造して使用している。
また、駆動ICの小型化やICの多出力化に対応する更なる高密度化には、ICチップとフレキシブルプリント基板との接合位置のバラツキ精度を小さくすることが必須とされており、ファインピッチ対応での接合可能なCOFボンダーが近年採用されはじめた。
図3は、COFボンダーによる接合方式の一例を示した説明図である。
COFボンダーは、ICチップ1とフレキシブルプリント基板2とを圧接するための加熱ツール3と、ステージ4とから概略構成されている。
ICチップ1は、板状の本体1aと、金などからなるバンプ1bとを備えている。バンプ1bは、例えば、複数の板状の突起物が、本体1aの片面上に、所定の間隔をあけて配置されたものである。
また、フレキシブルプリント基板2は、板状の絶縁性の樹脂層2aと、その片面に設けられた金属製の配線2bとを備えている。なお、フレキシブルプリント基板2は、フレキシブル金属積層体を加工して製造したものである。すなわち、フレキシブル金属積層体は、絶縁性の樹脂層と、その上に金属層が設けられてなり、フレキシブルプリント基板2は、この金属層をメッキ処理等によって加工し、配線2bを形成することにより得ることができる。
ICチップ1とフレキシブルプリント基板2との圧接時には、ステージ4の上に、配線2bが設けられた面が上になる様にフレキシブルプリント基板2を配置する。そして、ICチップ1のバンプ1b側が、前記配線2bに対峙する様に配置する。
ついで、ICチップ1の上から加熱ツール3を押しつけ、ICチップ1とフレキシブルプリント基板2に圧力をかけると、バンプ1bと配線2bとが高温高圧で溶融され共晶することで、ICチップ1とフレキシブルプリント基板2とが接合される。
そして、この様にして接合が終了した後、ICチップ1とフレキシブルプリント基板2との間のバンプ1bと配線2bの周囲にアンダーフィルと呼ばれる絶縁樹脂を充填する。
この様な用途に用いられるフレキシブルプリント基板2を製造するためのフレキシブル金属積層体としては、非熱可塑ポリイミド層と銅箔からなる金属箔を積層し、これらの間に、非熱可塑ポリイミド層よりもガラス転位温度の低い熱可塑系ポリイミド層を設けた構成のもの等が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
特開2004−82719号公報 特開2004−322636号公報 特開2004−230670号公報
しかしながら、従来のフレキシブル金属積層体を用いてフレキシブルプリント基板2を構成し、これを図3に示した様にして、ICチップ1と接合しようとすると、高温条件下、バンプ1bが配線2bを介して強く押しつけられるため、軟化したフレキシブルプリント基板2の樹脂層2aが変形したりするという問題が生じる。
樹脂層2aが変形等すると、その上に設けられた配線2bや、これと接合するバンプ1bが、樹脂層2aに沈み込んでしまうことがある。そして、ICチップ1とフレキシブルプリント基板2との間の隙間が狭くなり、接合後、ICチップ1とフレキシブルプリント基板2との間にアンダーフィルを充填できなくなる。
また、樹脂層2aが柔らかくなっている状態でバンプ1bと配線2bとを点接触により、強く押しつけると、これらの接点を支点として、配線2bが樹脂層2aから剥離することがある。そして、この剥離した配線2bがICチップ1と接触し、ショート(いわゆるエッジショート)することがある。
よって、本発明においては、高温条件下、バンプの様な突起物を押しつける処理を行う用途に用いるフレキシブル金属積層体およびこれを用いたフレキシブルプリント基板において、樹脂層の軟化、変形(以下変形等という)に伴う不都合を解決できるフレキシブル金属積層体およびこれを用いたフレキシブルプリント基板を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明においては以下の手段を提案する。
第1の態様は、金属層と、熱可塑性樹脂からなる樹脂層とを有するフレキシブル金属積層体であって、
前記樹脂層は複数層で、少なくとも、金属層と接触する層がガラス転移点300℃以上の樹脂により構成された変位防止層であり、
前記樹脂層を、厚さ1/2のところで2つに分け、前記金属層との接触面側を第1の試料、残りを第2の試料としたとき、
前記第1の試料の、金属層との接触面からの針入変位量(L1)は、前記第2の試料の、金属層と反対側の面からの針入変位量(L2)よりも小さく、前記(L1)と前記(L2)との差の絶対値(dL)が、2μm以上であることを特徴とするフレキシブル金属積層体である。
第2の態様は、前記樹脂層は、前記金属層との接触面からの針入変位量(L0)が、10μm以下である第1の態様のフレキシブル金属積層体である。
第3の態様は、前記樹脂層は、300℃における貯蔵弾性率(E’)が1GPa以上であり、かつ300℃以上のガラス転移点(Tg)を有する第1または2の態様のフレキシブル金属積層体である
第4の態様は、前記樹脂層は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、およびポリシロキサンイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含有する第1〜のいずれかの態様のフレキシブル金属積層体である
第5の態様は、前記金属層は、金属箔から構成されている第1〜のいずれかの態様のフレキシブル金属積層体である。
の態様は、前記金属箔は、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、およびニッケル箔からなる群から選ばれる1種以上から構成されている第の態様のフレキシブル金属積層体である。
の態様は、本発明のフレキシブル金属積層体を用いたことを特徴とするフレキシブルプリント基板である。
本発明においては、高温条件下、バンプの様な突起物を押しつける処理を行う用途に用いるフレキシブル金属積層体およびこれを用いたフレキシブルプリント基板において、樹脂層の変形等に伴う不都合を解決できるフレキシブル金属積層体およびこれを用いたフレキシブルプリント基板を提供することができる。
[フレキシブル金属積層体]
図1(a)は、フレキシブル金属積層体の構成の一例を示した断面図である。
この例のフレキシブル金属積層体は、金属層10と、その片面上に積層された樹脂層11とから構成されている。
金属層10を構成する金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、スチール等があげられる。
中でも、金属箔が好適である。金属箔を使用することにより、ピンホールの発生を抑制できる。そのため、配線欠陥を低減することができる。よって、歩留まりの向上、電気的信頼性の向上の効果が得られる。また、金属箔を利用すると、連続的に高温に加熱をしても、樹脂層と金属層(配線)との間が剥離しにくいという優れた効果が得られる。
そして、金属箔の中でも銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、およびスチール箔からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
さらに好ましくは、エッチング特性が良好でファインピッチ化が対応できる電解銅箔や高屈曲性を向上させることができる圧延銅箔、さらには銅箔の工程搬送性を向上させることができる銅箔をキャリアとした極薄銅箔等が挙げられる。
金属層の厚さは、好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは3〜35μmである。さらには、ファインピッチ化対応や金属箔単独で搬送性可能な8〜18μmとすることが望ましい。
本発明のフレキシブル金属積層体は、図1(b)〜(d)に示す様に、樹脂層11を、厚さ1/2のところで2層に分け、前記金属層10との接触面13側を第1の試料11a、残りを第2の試料11bとしたとき、前記第1の試料11aの金属層10との接触面13からの針入変位量(L1)は、前記第2の試料11bの、金属層10と反対側の面(ここでは、便宜上「最外面」と呼ぶ)12からの針入変位量(L2)よりも小さいことを特徴とする。
本発明において、「針入変位量」とは、TMA(サーモメカニカルアナライザー)を用い、先端が1mm×1mm角の針入プローブで、荷重:300mN、昇温速度:20℃/minの測定条件において測定した、300℃におけるプローブの変位量である。
TMAとしては、例えばエスアイアイナノテクノロジー社製 商品名:EXSTAR6100TMA/SSが好適に用いられる。
なお、プローブの種類、荷重、昇温速度、測定温度などは、全て、上述の図3に示した様なCOFボンダーによる接合方式の条件を考慮して決定した。
すなわち、針状のプローブが、突起状のバンプに相当する。この様な条件で針入変位量を測定することによって、バンプと配線との接続時の樹脂層の状態を数値で表すことができる。
具体的には、例えば以下の手順で測定する。
まず、図1(a)に示す構造のフレキシブル金属積層体を、2つ用意する。
ついで、2つのフレキシブル金属積層体について、それぞれ、図1(b)に示す様に、金属層10を除去し、樹脂層11のみとする。金属層10の除去には、化学エッチング処理等を適用することができる。例えば銅箔からなる金属層10を用いた場合には、塩化第二鉄溶液などによって除去することができる。
そして、一方の樹脂層11から、以下の様にして第1の試料11aを得る。すなわち、この樹脂層11について、マイクロメータを用いて樹脂層11の膜厚(T0)を計測し、その1/2の膜厚T1を算出する。
そして、膜厚をマイクロメータにて計測しながら、機械研磨等の方法により、樹脂層11を最外面12側から、膜厚T1になるまで削りとる。
これにより、金属層10との接触面13側の第1の試料11aが得られる。
そして、他方の樹脂層11について、以下の様にして第2の試料11bを得る。
すなわち、この樹脂層11について、第1の試料11aを得る手順と同様にして、樹脂層11を、今度は金属層10との接触面13側から膜厚T1になるまで削り取る。これにより、金属層10と反対側の最外面12側の第2の試料11bが得られる。
そして、第1の試料11aを、23±5℃、55±5%相対湿度環境下で24時間以上放置した後、図1(c)に示す様に、接触面13側からプローブ20を押し当てて、20℃/minにて昇温しながら400℃まで針入変位量を測定する。そして、300℃に到達した時点の針入変位量を針入変位量(L1)とする。
他方、第2の試料11bについても、23±5℃、55±5%相対湿度環境下で24時間以上放置した後、図1(d)に示す様に、最外面12側からプローブ20を押し当てて、20℃/minにて昇温しながら400℃まで針入変位量を測定する。そして、300℃に到達した時点の針入変位量を針入変位量(L2)とする。
本発明において、針入変位量(L1)は針入変位量(L2)よりも小さい値に設定されている。すなわち、樹脂層11においては、接触面13側から、針状のプローブ20を押しつけたときの変位量が、最外面12側からプローブ20を押しつけた変位量よりも小さい。
したがって、このフレキシブル金属積層体を用いてフレキシブルプリント基板を製造した場合は、最外面12側においては、フレキシブル基板として必要とされるフレキシブル性(可とう性)を保持しつつ、接触面13側においては、最外面12側よりもプローブ20の様に針状のものが押しつけられても樹脂層11が変形等しにくくなっているので、高温条件下、バンプが、金属層10から形成された配線を介して樹脂層11に強く押しつけられたとしても、樹脂層11の変形等を抑制することができる。
そして、その結果、上述の様に、配線やバンプが樹脂層11に沈み込んだり、それによってアンダーフィルが充填できなくなったりする不都合を抑制できる。また、配線がICチップに接触するエッジショートを抑制できる。
なお、最外面12側と接触面13側とに分離し、第1の試料11aと第2の試料11bについて、それぞれ針入変位量を測定するのは、最外面12側と接触面13側の特性を正確に評価するためである。
樹脂層11を分離せずに、樹脂層11全体について、最外面12側と接触面13側からそれぞれプローブ20を押しつけて針入変位量を測定すると、第1の試料11aに対応する部分と、第2の試料11bに対応する部分は相互に影響を受ける。そのため、最外面12側と接触面13側のそれぞれの特性を正確に評価することができない。
針入変位量(L1)と針入変位量(L2)の値は、これらの差の絶対値(dL)が、2μm以上であるが望ましい。好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。この範囲とすることによって、最外面12側の機能と接触面13側の機能がそれぞれ有効に発揮され、好適にはフレキシブル性とともに、高温条件下の樹脂層11の変形等を抑制する効果を向上させることができる。
また、針入変位量(L1)の値は、最外面12側と、接触面13側の特性とのバランスから、0〜6μmであることが望ましく、特には0〜3μmで有ることが望ましい。
針入変位量(L2)の値は、最外面12側と、接触面13側の特性とのバランスから、 2〜15μmであることが望ましく、特には2〜10μmで有ることが望ましい。
なお、樹脂層11の厚さ(T0)は、フレキシブル金属積層体の搬送時に必要な折り曲げ性や引張強度の点や、フレキシブル性を持たせる点から、好ましくは12〜75μm、さらに好ましくは12〜50μmである。
針入変位量(L1)が針入変位量(L2)よりも小さい特性を有する樹脂層11は、例えば複数の異なる種類の樹脂を積層することによって製造することができる。例えば、図2に示す様に、樹脂層11を、第1層14、第2層15の様に、複数層から構成する。
好ましくは、例えば接触面13を構成する層とこれに隣接する層の一方あるいは両方を、針入変位量を小さくする作用を有する層(以下、便宜上「変位防止層」と呼ぶ)から構成する。なお、「変位防止層」は、最外面12を構成しない層とする。
変位防止層は、「ガラス転位点(Tg)」が高い樹脂材料から構成する。あるいは「動的粘弾性測定における貯蔵弾性率(E')」が大きい樹脂材料から構成する。特にガラス転位点(Tg)が高く、かつ貯蔵弾性率(E')が大きい樹脂材料から構成することが望ましい。
変位防止層を構成する樹脂材料のガラス転位温度(Tg)は、以下の様に、動的粘弾性測定を行い、その結果を温度と損失係数(tanδ)との関係のグラフとしたときの、ピークの頂点の温度(ピークトップ温度)である。実際は、ピークトップ温度は測定装置にて自動的に検出される。
すなわち、強制震動非共振型粘弾性測定器(オリエンテック社製、商品名:レオバイブロン)を用いて、測定条件:加振周波数11Hz、静的張力3.0gf、サンプルサイズ0.5mm(幅)×30mm(長さ)×厚さ20(μm)にて、常温常湿環境下から昇温速度10℃/minで昇温し、温度と損失係数の関係を求める。
樹脂層の各層を構成する樹脂材料においては、例えば質量平均分子量が異なる樹脂を混合した場合等において、ピークトップ温度は2つ以上存在する場合がある。そして、その少なくとも1点が300℃以上であることが望ましい。
変位防止層を構成する樹脂材料のガラス転移点(Tg)は高い程好ましく、より好ましくは330℃以上のガラス転位点(Tg)が存在することであり。さらには、350℃以上のガラス転位点(Tg)が存在することが望ましい。
また、複数のガラス転位点(Tg)が存在する場合、全てのガラス転位点(Tg)が300℃以上であることが、高温処理時の変形等防止等の点から望ましい。
変位防止層を構成する樹脂材料の貯蔵弾性率(E')は、強制震動非共振型粘弾性測定器(オリエンテック社製、商品名:レオバイブロン)による動的粘弾性測定における、温度300℃の測定値である。
具体的な測定条件は、ガラス転位点(Tg)と同様であり、加振周波数11Hz、静的張力3.0gf、サンプルサイズ0.5mm(幅)×30mm(長さ)×厚さ20(μm)にて、常温常湿環境下から昇温速度10℃/minで昇温する。そして、300℃になったときの測定値を求める。
貯蔵弾性率(E')は、好ましくは1GPa以上、特に好ましくは3GPa以上である。上限値は特に限定するものではないが、実質的には10GPa以下である。
貯蔵弾性率(E’)やガラス転位点(Tg)は、例えば樹脂の種類(化学構造)や、質量平均分子量(Mw)を変更することによって調整することができる。
変位防止層の厚さは、針入変位量(L1)を適切な範囲に調整する点から、例えば2〜20μmであることが望ましく、5〜15μmであることがより望ましい。
また、接触面13を構成する層に隣接する層を変位防止層とすることは、耐熱性向上の点から好ましい。
この場合、接触面13を構成する層は、下記に示す変位防止層以外の層の材料と同様の特性を有する樹脂から製造することができる。また、このとき、接触面13を構成する層の厚さは2〜10m程度とすることが、これに隣接して設けられた変位防止層の効果を発揮させる点から好ましい。
この様に、樹脂層11を複数層から構成すると、フレキシブル金属積層体の特性制御が容易となる。好ましくは、樹脂層11を2〜5層から構成すると望ましく、樹脂積層歩留まりなどのコスト低減を考慮すると2〜3層がより好ましい。
変位防止層以外の層は、フレキシブル性を発揮する比較的柔らかい層であることが望ましい。
例えば、変位防止層以外の層を構成する樹脂材料のガラス転位点(Tg)は、ある程度高い方が望ましいが、300℃以上の範囲であることが望ましい。
また、変位防止層以外の層を構成する樹脂材料の貯蔵弾性率(E’)は0.1〜5GPa、好ましくは0.5〜3GPaであることが望ましい。
なお、樹脂層11全体については、以下の特性を満足することが、耐熱性向上の点から望ましい。
すなわち、樹脂層11全体を測定サンプルとしたとき、その接触面13からの針入変位量(L0)が、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは5μm以下であると望ましい。これにより、高温時の樹脂層11の変形等をより効果的に抑制することができる。
針入変位量(L0)は、針入変位量(L1)の測定方法で説明した様に、金属層10を取り除いた後の樹脂層11を(L0)測定用のサンプルとする。そして、このサンプルについて、上述の第1の試料11aと同様にして接触面13側からプローブ20を押しつけて、測定することができる。
また、樹脂層11全体を測定サンプルとしたとき、300℃における貯蔵弾性率(E')が、好ましくは1GPa以上、特に好ましくは3GPa以上である。上限値は特に限定するものではないが、実質的には10GPa以下である。この範囲であると、特に高温時の樹脂層11の変形等を効果的に抑制できる。
このときの貯蔵弾性率(E')は、(L0)測定用のサンプルと同様のサンプルを用いて、上述の樹脂材料毎の測定方法と同様にして測定することができる。ただし、上述の樹脂材料毎の測定方法ではサンプルの厚さを規定しているが、樹脂層11全体について測定する際には、樹脂層11の厚さを特に変更する必要はない。
また、樹脂層11は、例えば複数層の異なる種類の樹脂材料を積層してなるので、樹脂層11全体を測定サンプルとして測定すると、ガラス転位点(Tg)は複数存在することがある。そして、樹脂層11全体として測定したときに、樹脂層11は、少なくとも1点以上、300℃以上のガラス転位点(Tg)を有することが望ましい。
より好ましくは330℃以上のガラス転位点(Tg)が存在することであり。さらには、350℃以上のガラス転位点(Tg)が存在することが望ましい。
また、複数ガラス転位点(Tg)が存在する場合、全てのガラス転位点(Tg)が300℃以上であることが、高温処理時の変形等防止等の点から望ましい。
ガラス転位点(Tg)は、(L0)測定用のサンプルと同様のサンプルを用いて、上述の樹脂材料毎の測定方法と同様にして測定することができる。ただし、上述の樹脂材料毎の測定方法ではサンプルの厚さを規定しているが、樹脂層11全体について測定する際には、樹脂層11の厚さを特に変更する必要はない。
樹脂層11を構成する樹脂は、フレキシブル金属積層体の搬送時に必要な折り曲げ性や引張強度が得られ、フレキシブル性を付与できるものであれば特に制限されるものではない。本発明においては、加工性、フレキシブル性の点から、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
さらに、製造時の塗工などの操作が容易であることから、熱可塑性樹脂は、有機溶剤に可溶性であることが望ましい。ここで、「可溶性」とは、室温〜100℃の温度範囲において有機溶剤に1質量%以上溶解することをいう。
具体的には、例えば ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリシロキサンイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の耐熱熱可塑性樹脂を挙げることができる。
より好ましくは、有機溶剤に対して可溶性であり、イミド化反応等の脱水縮重合反応が十分に終了した、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリシロキサンイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が望ましい。
より好ましくは、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリシロキサンイミド樹脂から選ばれた少なくとも1種類からなる熱可塑性樹脂である。
なお、樹脂層11を構成する樹脂は1種または2種以上混合して用いることができる。
また、樹脂の質量平均分子量は例えば20000〜150000の範囲から選択される。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂層11を構成する1層以上を、三次元架橋型熱硬化性樹脂から構成してもよい。
その場合、三次元架橋型熱硬化性樹脂層の熱硬化を促進させるため有機過酸化物やルイス酸化合物等の硬化促進剤を添加してもよい。
また、樹脂層11には、難燃性を付与させるためのリン酸エステル系化合物、窒素系エステル化合物、ハロゲン化エポキシ樹脂を添加することもできる。
また、線膨張コントロール等のために有機フィラー、無機フィラー等を添加することもできる。
ただし、有機フィラー、無機フィラーは、接触面13側ではなく、最外面12側の層に配合することが望ましい。さらには、最外面12を構成する最外層に添加することがより望ましい。有機フィラー、無機フィラーを配合すると、フレキシブルプリント基板の製造工程時の搬送性を向上させることができる。
フィラーとしては、中でも無機フィラーが好ましく、特に好ましくは平均粒径0.005〜5μm、さらに好ましくは0.005〜2μmのコロイダルシリカ、窒化珪素、タルク、酸化チタン、リン酸カルシウム等である。
その配合量は、例えば添加する層の樹脂100質量部に対して、0.1〜3質量部とされる。
フレキシブル金属積層体を製造する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
銅箔などの金属層の上に有機溶剤に溶解させた樹脂溶液を塗布し、有機溶剤を乾燥し、1層目を形成する。
有機溶剤としては、樹脂を可溶な有機溶剤であればよく、溶剤の種類も1種類のみで用いることも、2種類以上の混合溶剤として適宜用いてもかまわない。
例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤といった極性溶剤が挙げられる。また、これら比較的高沸点溶剤の他に、塗料樹脂の溶解性に問題がない程度に、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン系の芳香族系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクライム、トリグライム等のエーテル系溶剤等も混合溶剤として用いることもできる。
以下、上記塗布、乾燥の操作を繰り返して、複数層からなる樹脂層11を形成する。なお、複数層間でミキシングが生じない程度に連続塗布することもできる。
塗工機としては、所望の樹脂層厚に応じ塗布することが可能であればいずれも制限されるものではない。例示として、ダム式コータ、ダイコータ、リバースコータ、リップコータ、グラビアコータ、コンマコータ等を所望の樹脂層厚に応じ単独または、各塗工ヘッドを組み合わせ連続塗布等が可能な塗工機が挙げられる。
また、塗布においては、2つ以上の塗工ヘッドを用いてもよい。
より好ましい方法は、金属層上に樹脂溶液を塗布した後、その層の表面のタック性がない状態まで初期乾燥を行う操作を繰り返して、複数層からなる樹脂層11を形成した後、樹脂の耐熱性やフレキシブル金属積層体の反り性をコントロールできる様に、減圧または、無酸素雰囲気下で有機溶剤が完全に除去できる温度で、有機溶剤を除去する方法である。
[フレキシブルプリント基板]
本発明のフレキシブルプリント基板は、本発明のフレキシブル金属積層体を用いたものであり、例えば図1に示した構成において、金属層10をメッキ処理等によって加工して配線とすることにより、得ることができる。
以上の様に、本発明においては、高温条件下、バンプの様な突起物を押しつける処理を行う用途に用いるフレキシブル金属積層体およびこれを用いたフレキシブルプリント基板において、樹脂層の変形等に伴う不都合を解決できるフレキシブル金属積層体およびこれを用いたフレキシブルプリント基板を提供することができる。
すなわち、フリップチップ接合方式、とりわけCOF実装の様に、高温条件下において、バンプの様な突起物が、金属層や、この金属層から形成される金属配線を介して、強く樹脂層に押しつけられる処理に用いる場合に、樹脂層の変形等の不都合を抑制することができる。そのため、アンダーフィルの充填の不具合や、エッジショートの問題を抑制できる。
以下、実施例を具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ポリイミド系樹脂溶液:A>
ポリイミド樹脂(ピーアイ技術研究所社製、商品名:Q−VR−FP007、ガラス転移点330℃)を固形分濃度12質量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、ポリイミド樹脂溶液(以下、「樹脂溶液A」という)を得た。
<ポリイミド系樹脂溶液:B>
ポリアミドイミド樹脂(東洋紡績社製、商品名:バイロマックスHR16NN、ガラス転移点320℃)を固形分濃度12質量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、ポリアミドイミド樹脂溶液(以下、「樹脂溶液B」という)を得た。
<ポリイミド系樹脂溶液:C>
ポリアミドイミド樹脂(東洋紡績社製、商品名:バイロマックスN003TM、ガラス転移点370℃)を固形分濃度12質量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、ポリアミドイミド樹脂溶液C(以下、「樹脂溶液C」という)を得た。
<ポリイミド系樹脂溶液:D>
前記ポリイミド樹脂溶液A300gと前記ポリアミドイミド樹脂溶液Cを100gとを混合させ攪拌し、ポリイミド系樹脂溶液D(以下、「樹脂溶液D」という)を得た。
<ポリイミド系樹脂溶液:E>
前記ポリイミド樹脂溶液A200gと前記ポリアミドイミド樹脂溶液Cを200gとを混合させ攪拌し、ポリイミド系樹脂溶液E(以下、「樹脂溶液E」という)を得た。
次に前記で作製した樹脂溶液を用いて、下記の手順にしたがって、フレキシブル金属積層体を作製した。
なお、以下の説明では、樹脂溶液A〜Eを用いて製造した樹脂層を、それぞれ樹脂層A〜Eと呼ぶものとする。
実施例1
電解銅箔(商品名;USLP、日本電解社製、厚さ:9μm)の疎化処理面に、樹脂溶液Cを最終熱処理後10μmの厚さになるように塗布し、100℃10分間加熱乾燥させ樹脂層Cを得た。次に、樹脂C層の上に樹脂溶液Aを塗布して120℃5分間加熱乾燥し、乾燥後30μmの厚さになるように2回にわけて塗布し、樹脂層Aを得た。さらに、窒素雰囲気下で30℃から280℃に昇温させながら18時間、280℃10時間にて熱処理をおこない、全樹脂層の総厚が40μmであるフレキシブル金属積層体を得た。
実施例2
電解銅箔(商品名;USLP、日本電解社製、厚さ:9μm)の疎化処理面に、樹脂溶液Eを最終熱処理後20μmの厚さになるように塗布し、120℃10分間加熱乾燥させ樹脂層Eを得た。次に、樹脂層Eの上に樹脂溶液Aを乾燥後20μmの厚さになるように塗布して120℃10分間加熱乾燥し樹脂層Aを得た。さらに、窒素雰囲気下で30℃から300℃に昇温させながら18時間、300℃3時間にて熱処理をおこない、全樹脂層の総厚が40μmであるフレキシブル金属積層体を得た。
実施例3
電解銅箔(商品名;USLP、日本電解社製、厚さ:9μm)の疎化処理面に、樹脂溶液Dを乾燥後5μmの厚さになるように塗布し、120℃5分間加熱乾燥させ樹脂層Dを得た。次に、樹脂層Dの上に樹脂溶液Eを乾燥後15μmの厚さになるように塗布して、120℃10分間加熱乾燥させ樹脂層Eを得た。さらに、樹脂層Eの上に樹脂溶液Bを乾燥後20μmの厚さになるように塗布して、130℃10分間加熱乾燥させた。窒素雰囲気下で30℃から300℃に昇温させながら20時間、300℃で2時間にて熱処理をおこない、全樹脂層の総厚が40μmであるフレキシブル金属積層体を得た。
実施例4
電解銅箔(商品名;USLP、日本電解社製、厚さ:9μm)の疎化処理面に、樹脂溶液Dを乾燥後8μmの厚さになるように塗布し、120℃5分間加熱乾燥させ樹脂層Dを得た。次に、樹脂層Dの上に樹脂溶液Eを乾燥後13μmの厚さになるように塗布して、120℃5分間加熱乾燥させた。さらに、樹脂層Eの上に樹脂溶液Bを乾燥後19μmの厚さになるように塗布して、130℃10分間加熱乾燥させた。窒素雰囲気下で30℃から300℃に昇温させながら20時間、300℃で2時間にて熱処理をおこない、全樹脂層の総厚が40μmであるフレキシブル金属積層体を得た。
比較例1
電解銅箔(商品名;F0−WS、古河サーキットフォイル社製、厚さ:9μm)の疎化処理面に、樹脂溶液Bを最終熱処理後30μmの厚さになるように塗布し、130℃10分間加熱乾燥させ樹脂層Bを得た。次に、樹脂層Bの上に繰り返し樹脂溶液Cを塗布して120℃5分間加熱乾燥し、乾燥後10μmの厚さになるようにして樹脂層Cを得た。さらに、窒素雰囲気下で30℃から280℃に昇温させながら18時間、280℃10時間にて熱処理をおこない、全樹脂層の総厚が40μmであるフレキシブル金属積層体を得た。
比較例2
電解銅箔(商品名;USLP、日本電解社製、厚さ:9μm)の疎化処理面に、樹脂溶液Dを乾燥後18μmの厚さになるように塗布し、130℃10分間加熱乾燥させ手樹脂層Dを得た。次に、樹脂層Dの上に樹脂溶液Eを乾燥後14μmの厚さになるように塗布して、120℃5分間加熱乾燥させた。さらに、樹脂層Eの上に樹脂溶液Bを乾燥後8μmの厚さになるように塗布して、120℃5分間加熱乾燥させた。窒素雰囲気下で30℃から300℃に昇温させながら20時間、300℃で2時間にて熱処理をおこない、全樹脂層の総厚が40μmであるフレキシブル金属積層体を得た。
表1に、実施例、比較例のフレキシブル金属積層体の樹脂層の構成をまとめて示した。なお、表中の数値は膜厚(単位:μm)である。
なお、便宜上、金属箔側から、第1層、第2層、第3層とし、その樹脂層の種類を示した。
Figure 0004866561
この様にして得られた実施例、比較例のフレキシブル金属積層体の物性値測定及び評価を下記のとおり行った。
<フレキシブル金属積層体の評価>
1.針入変位量
前記実施例と比較例のそれぞれのフレキシブル金属積層体を複数ずつ用意して、以下のようにして測定に用いる樹脂層のサンプル作製をおこなった。
・(L0)測定用サンプル
フレキシブル金属積層体から塩化第二鉄液で銅箔層を除去し、マイクロメータにて樹脂厚を計測し確認後、金属層と隣接する樹脂面からの針入変位量(L0)を測定するサンプルを作製した。
・(L1)測定用サンプル
同様にして、フレキシブル金属積層体から銅箔層を除去した樹脂層を、丸本ストルアス社製Tegraシリーズ研磨機で樹脂厚をマイクロメータにて計測しながら、最外面側から研磨し、膜厚20μmのサンプルとした。
・(L2)測定用サンプル
金属層との接触面側から研磨した以外は、(L1)測定用サンプルと同様にして研磨して(L2)測定用サンプルを製造した。
上記の3つのサンプルについて、それぞれ、23±5℃、55±5%相対湿度環境下で24時間以上放置した後、昇温し、300℃における針入変位量を測定した。
(L0)測定用サンプル、(L1)測定サンプルについては、それぞれ金属層との接触面側からプローブを押しつけて測定した。(L2)測定サンプルについては、最外面側からプローブを押しつけて測定した。
なお、測定条件は以下の通りである。
測定装置:エスアイアイナノテクノロジー社製 商品名:EXSTAR6100TMA/SS、先端が1mm×1mm角の針入プローブ使用、荷重:300mN、昇温速度:20℃/min。
結果を表2に示した。
Figure 0004866561
2.貯蔵弾性率(E’)、ガラス転移点(Tg)
(L0)測定用サンプルと同じものを用意し、このサンプルについて、強制震動非共振型粘弾性測定器(オリエンテック社製 商品名:レオバイブロン)を用いて、以下の条件で、300℃における貯蔵弾性率(E’)を測定した。
測定条件:
加振周波数:11Hz、静的張力:3.0gf、サンプルサイズ:0.5mm(幅)×30mm(長さ)、昇温速度:10℃/min、測定環境条件:常温常湿環境下。
また、同様にして、損失係数(tanδ)のピークトップを検出し、ガラス転移点(Tg)を求めた。
結果を表3に示した。
Figure 0004866561
3.樹脂層の線熱膨張係数
(L0)測定用サンプルと同じものを用意し、このサンプルについて、サーモメカニカルアナライザー(真空理工社製 商品名:TMA7)によるTMA引張測定を行い、50から250℃における平均線膨張率を、JIS K7197での平均線膨張率算出方法により測定した。
測定条件は次の通りである。サンプル形状:0.5cm幅×1.5cm長さ、測定温度範囲:30→400℃、荷重:9.8mN、昇温速度:10℃/min、測定初期環境条件:常温常湿環境下。
その結果を、表4に示した。
4.カール量
実施例、比較例のフレキシブル金属積層体を70mm幅×250mmにカットした。
次にこれらカットされたサンプルを23±5℃/55±5%(湿度)環境に調整された恒温恒湿槽にて72時間調湿した状態を常態時のカール量として、金属層面を上にして平滑なガラス板上に静置して、円弧状にカールしたサンプルのガラス面からの高さを計測した。
さらに、フレキシブル金属積層体を恒温オーブン中に空気中150℃24時間放置終了後23±5℃/55±5%(湿度)環境に調整された恒温恒湿槽にて72時間調湿した状態を150℃24時間放置後のカール量とした。
各々の結果を表4に示した。
5.フリップチップ接合性(インナーリード(ILB性))
実施例、比較例のフレキシブル金属積層体における金属層に、フォトレジスト塗布、パターン露光、現像、エッチング、ソルダーレジスト塗布及び錫メッキを施しフォトレジスト法によって、フリップチップ接合用の回路パターンを形成した。この回路パターンを形成させたフレキシブルプリント基板を23℃55%Rh下にて72時間放置後、フリップチップ接合用の回路パターンとICのバンプとの接合をフリップチップボンダー(澁谷工業社製)にて行った。
なお、接合する際の温度、接合時間及び接合圧力は次の条件でおこなった。
回路基板側ステージ温度:100℃
チップ側ツール温度 :450℃
接合時間 :2.5秒
接合圧力 :200mN/mm
そして、樹脂層の外観上の変化や、接合部位の断面観察を下記の評価基準に基づいて行った。
その結果を表4に示した。
<評価基準>
○:外観上の問題が無く、接合部位の著しい変形や剥離が生じていなかった。
△:外観上の問題が無いが、接合部位にやや樹脂の沈み込みが生じているものの、エッジショートやリードずれが生じていなかった。。
×:外観上に問題があり、接合部位に著しい樹脂の沈み込みやエッジショート、あるいはリードずれが発生していた。
Figure 0004866561
表2〜4に示す結果から明らかなように、針入変位量が本発明の条件を満たす実施例のフレキシブル金属積層体は、フリップチップ接合性(インナーリード(ILB性))において良好な結果が得られた。これに対して、比較例においては、針入変位量の条件を満足することができず、フリップチップ接合性(インナーリード(ILB性))が不良であった。
図1(a)は本発明のフレキシブル金属積層体の一例を示す断面図であり、図1(b)〜図1(d)は針入変位量の測定手順を示した説明図である。 本発明のフレキシブル金属積層体の他の例を示す断面図である。 COFボンダーによる接合方式の一例を示した説明図である。
符号の説明
10 金属層
11 樹脂層
11a 第1の試料
11b 第2の試料
12 金属層と反対側の面(最外面)
13 接触面


Claims (7)

  1. 金属層と、熱可塑性樹脂からなる樹脂層とを有するフレキシブル金属積層体であって、
    前記樹脂層は複数層で、少なくとも、金属層と接触する層がガラス転移点300℃以上の樹脂により構成された変位防止層であり、
    前記樹脂層を、厚さ1/2のところで2つに分け、前記金属層との接触面側を第1の試料、残りを第2の試料としたとき、
    前記第1の試料の、金属層との接触面からの針入変位量(L1)は、前記第2の試料の、金属層と反対側の面からの針入変位量(L2)よりも小さく、前記針入変位量(L1)と前記針入変位量(L2)との差の絶対値(dL)が、2μm以上であることを特徴とするフレキシブル金属積層体。
  2. 前記樹脂層は、前記金属層との接触面からの針入変位量(L0)が、10μm以下である請求項1に記載のフレキシブル金属積層体。
  3. 前記樹脂層は、300℃における貯蔵弾性率(E’)が1GPa以上であり、かつ300℃以上のガラス転移点(Tg)を有する請求項1または2に記載のフレキシブル金属積層体。
  4. 前記樹脂層は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、およびポリシロキサンイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブル金属積層体。
  5. 前記金属層は、金属箔から構成されている請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブル金属積層体。
  6. 前記金属箔は、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、およびニッケル箔からなる群から選ばれる1種以上からなる請求項に記載のフレキシブル金属積層体。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載のフレキシブル金属積層体を用いたことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
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