特許文献1のヒンジは、上述したように、固定ベース体に対する可動ベース体の上下位置を調節自在とすることにより扉の上下位置を調節自在としている。具体的には、可動ベース体の長孔を通して固定ベース体のねじ孔に螺合する止付ねじ(符号28)を一度緩めてから扉を手に持って上下させ、前記長孔が止付ねじに係合する範囲内で可動ベース体の上下位置を調節した後、再び止付ねじを締め付けて固定ベース体に対して可動ベース体を位置固定する。すなわち、扉の上下位置を調節するには、扉を支える作業者と、止付ねじを回す作業者とが必要であり、一人の作業者が扉の上下位置を調節することは現実的に難しく、また非常な手間を要していた。
また、扉を前後位置に調節する場合、本体の取付ベースを可動ベース体に締め付ける別の止付ねじ(符号42)が前記本体を支持し、また取付ベースが可動ベース体に嵌合している関係から、上記扉の上下位置を調節する場合と異なり、必ずしも扉を支える作業者は必要ないが、やはり扉は不安定であり、安全な調節作業をするには、別の止付ねじを回す作業者のほかに、扉を支える作業者が必要だと考えられる。このように、扉の上下位置、左右位置及び前後位置を調節自在とした従来のヒンジは、現実的には調節作業が難しい問題があった。そこで、一人の作業者でも容易に扉の上下位置、左右位置及び前後位置を調節自在とするヒンジを開発するため、検討した。
検討の結果開発したものが、開口部の側面に固定する本体ベースに支持される支持アームを扉に軸着することにより、開口部に対して開閉自在に扉を取り付けるヒンジにおいて、支持アームは、上下調節ネジを螺合する上下位置の雌ネジ孔を設けた上下調節部と、本体ベースから突出する左右調節ネジを螺合する雌ネジ孔を設けた固定部と、扉を軸着する扉支持部とを有し、本体ベースは、前記上下調節ネジを挿通する上下位置のガイド孔を設けて前記上下調節ネジのネジ頭部を係止することにより上下調節ネジを吊り下げる支持フランジと、左右調節ネジのネジ頭部を保持して前記左右調節ネジを上下調節自在に突出させるネジ保持部とを有するヒンジである。
本発明のヒンジは、本体ベースの支持フランジに吊り下げた上下調節ネジを支持アームの上下調節部の雌ネジ孔に螺合し、上下調節ネジのネジ頭部に設けたリセス(プラス溝又はマイナス溝等)を工具により回して前記上下調節ネジに対する支持アームの上下調節部の螺合位置を調節することにより本体ベースに対する支持アームを上下調節自在としたことを特徴とする。扉は支持アームに軸着しているので、支持アームの上下位置を調節することは扉の上下位置を調節することに等しい。ここで、本体ベースのネジ保持部から突出させた左右調節ネジは、支持アームの固定部の雌ネジ孔に螺合させ、本体ベースのガイド孔に挿通した上下調節ネジを軸として支持アームが左右位置に揺動することを規制する。
上記扉の上下位置を調節する働きは、本体ベースに支持フランジが1基あれば実現できるが、前記1基の支持フランジのみで上下調節ネジを吊り下げると、前記支持フランジを支点として吊り下げられた上下調節ネジ、前記上下調節ネジに螺合した支持アーム、そして扉が揺動する虞がある。そこで、本体ベースは、支持アームの上下調節部の高さより離れた間隔で対向し、それぞれ上下に連通するガイド孔を設けた上下一対の支持フランジを有し、上に位置する支持フランジに吊り下げた上下調節ネジを支持アームの上下調節部の雌ネジ孔に螺合し、前記上下調節部から下方に突出する前記上下調節ネジを下に位置する支持フランジのガイド孔に挿通して、前記上下一対の支持フランジの範囲内で、上下調節ネジのネジ頭部に設けたリセスを工具により回して前記上下調節ネジに対する支持アームの上下調節部の螺合位置を調節することにより本体ベースに対する支持アームを上下調節自在とすることが好ましい。
ここで、「支持アームの上下調節部の高さより離れた間隔で対向」するとは、上に位置する支持フランジから吊り下げた上下調節ネジを支持アームの上下調節部に螺合させた時、上に位置する支持フランジ、下に位置する支持フランジ又は双方と前記上下調節部の上面又は下面との間に隙間が形成される位置関係を言う。上下一対の支持フランジは、各ガイド孔に上下調節ネジを挿通することにより、前記上下調節ネジの揺動を防止する。また、上下の支持フランジは、支持アームの上下調節部を挟み込んでいるので、支持アームの上下調節の範囲を限定するほか、特に下に位置する支持フランジは上下調節の際の支持アームの下方への脱落を抑制又は防止する働きを有する。
通常、扉に対して複数のヒンジが用いられる。これから、例えば上記上下一対の支持フランジを有する本発明のヒンジを上下二段に用いた場合、具体的に次の手順で扉の上下位置を調節する。便宜上、上に位置する支持フランジと上下調節部との隙間を「上方隙間W1」、同じく下に位置する支持フランジと上下調節部との隙間を「下方隙間W2」と呼ぶ。
まず、上段のヒンジにおける上下調節ネジを捩じ戻す方向に回転させると、下段のヒンジにおける上下調節ネジのネジ頭部が上に位置する支持フランジに係合しているため、上段のヒンジにおける支持アームは下降せず、上下調節ネジのネジ頭部が上に位置する支持フランジとの係合を解除して上方へ抜け出てくる。この状態で、今度は下段のヒンジの上下調節ネジを捩じ戻す方向に回転させると、下段のヒンジの下方隙間W2又は上段のヒンジの上方隙間W1のいずれか少ない方の範囲で、上下段のヒンジそれぞれにおける支持アームが連動して下降し、扉の上下位置を調節できる。そして、扉の上下位置が決まった後、上段のヒンジにおける上下調節ネジのネジ頭部が上に位置する支持フランジから離れていれば、前記上下調節ネジを再び捩じ込んで、上に位置する支持フランジにネジ頭部を係合させれば、上段のヒンジにおける上下調節ネジに対する支持アームの上下調節部の上下位置も確定する。このように、本発明のヒンジによれば、扉を落下させることはおろか、がたつかせることもなく、扉の上下位置を調節できる。
本発明のヒンジは、左右調節ネジに対する支持アームの固定部の螺合位置を調節することにより本体ベースに対する支持アームを左右調節自在とする。具体的には、本体ベースは、本体ベースの平面から支持アームに向けて、先端にリセスを設けた左右調節ネジのネジ頭部相当の厚みで膨出させたネジ保持部に前記左右調節ネジを挿通させる上下方向長孔を形成し、左右調節ネジは、ネジ頭部をネジ保持部に係止させることにより保持され、前記上下方向長孔から突出させて支持アームの固定部に設けた雌ネジ孔に螺合させて、左右調節ネジの先端に設けたリセスを工具により回して前記左右調節ネジに対する支持アームの固定部の螺合位置を調節することにより本体ベースに対する支持アームを左右調節自在とする。
左右調節ネジを回すことによる支持アームの左右位置の調節は、正確には支持フランジのガイド孔に挿通した上下調節ネジを軸とする支持アームの左右方向の揺動であるが、微小な揺動は支持アームの扉支持部を左右方向に移動させることに等しいことから、支持アームの左右位置を調節するものと見ることができる。そして、扉は支持アームに軸着しているので、支持アームの左右位置を調節することは、扉の左右位置を調節することに等しい。左右調節ネジのネジ頭部は、本体ベースを開口部の側面に直付けする場合であれば、膨出したネジ保持部と開口部の側面とに挟まれて保持され、また後述するように開口部の側面に固定した固定ベースに本体ベースを取り付ける場合であれば、膨出したネジ保持部と取付ベースとに挟まれて保持される。ここで、左右調節ネジを強固に保持するには、ネジ保持部の膨出量がネジ頭部の厚みより若干小さめに設定されることが望ましい。「左右調節ネジのネジ頭部相当の厚みで膨出」するとは、前記設定に合わせてネジ保持部が膨出している意味である。
本発明における扉の前後位置の調節は、次のようにヒンジを構成して実現される。すなわち、ヒンジの本体ベースは、開口部の側面に位置固定する固定ベースに取り付けてなり、固定ベースは、本体ベースから突出する取付ネジを螺合する取付ネジ孔と、取り付けた本体ベースに対する前側又は後側の一方に前記本体ベースの前後方向に交差する突当片を有し、本体ベースは、取付ネジのネジ頭部を係合させて挿通させる前後方向長孔と、前記固定ベースの突当片に先端を突き当てる前後調節ネジを螺合させる前後方向の雌ネジ孔を設けた前後調節部とを有してなり、前後調節ネジの先端を固定ベースの突当片に当接させながら、前記前後調節ネジのネジ頭部に設けたリセスを工具により回して前記前後調節ネジに対する本体ベースの前後調節部の螺合位置を調節し、取付ネジに対して前後方向長孔を前後させて固定ベースに対する本体ベースを前後調節自在とし、前記本体ベースを介して固定ベースに対する支持アームを前後調節自在とする。
ここで、固定ベースは本体ベースから突出する取付ネジを挿通する取付ネジ孔を有し、前記取付ネジは固定ベースの取付ネジ孔を通じて開口部の側面に螺合してもよい。固定ベースに対する本体ベースの取付安定性を図る観点から、取付ネジは複数、例えば上下2段及び前後2列の4個とし、対応する前後方向長孔も同数だけ本体ベースに設けるとよい。
上記構成における本体ベースは、固定ベースの取付ネジ孔に螺合する取付ネジや、前記固定ベースの取付ネジ孔を通じて開口部の側面に螺合する取付ネジに対し、前後方向長孔を前後させることにより、前記固定ベースに対して前後位置を調節する。扉は支持アームを軸着しており、支持アームは本体ベースに取り付けているので、開口部の側面に位置固定された本体ベースに対して本体ベースの前後位置を調節することは、扉の前後位置を調節することに等しい。ここで、取付ネジに対して前後方向長孔を前後させるだけでは、固定ベースに対する本体ベースの前後位置を正確に決定しづらい。これから、本体ベースの前後調節部から突出する前後調節ネジの長さを調節することにより、前記前後調節ネジの先端を固定ベースの突当片に当接させた時の前記突当片に対する本体ベースの前後方向の位置関係を特定し、固定ベースに対する本体ベースの前後位置を正確に決定する。
上記構成により扉の前後位置の調節を実現する本発明のヒンジは、前記扉の前後位置を調節する際、すべての取付ネジを弛めて、固定ベースに対する本体ベースの取付安定性を一時的に弛める必要があり、前記取付ネジを弛めた状態が扉を落下させる危険性が増す。そこで、前記扉を落下させる危険性の増した状態における前記危険性を除去又は軽減するため、固定ベースは、本体ベースを載せて下方から支える支持片を設け、前記固定ベースの支持片と本体ベースとの対向部位の一方に係合突起を設け、前記対向部位の他方に、固定ベースに対する本体ベースの前後調節自在な範囲で前記係合突起が移動できる前後方向係合溝を設けるとよい。
「前後方向係合溝」は、係合突起を係合できる切欠又は凹条の溝のほか、前記係合突起を貫通させる長孔であってもよい。通常、本体ベースは板材のままとし、固定ベースの下部を折り返して水平な支持片を形成することから、本体ベースの下縁に連続して係合突起(正確には係合片)を突出させ、対応する固定ベースの支持片に前後方向係合溝を設けるとよい。この場合、固定ベースの取付ネジ孔に対する支持片は、前後する本体ベースの下縁を摺接させる位置に形成してもよいが、前記本体ベースの下縁に対して若干の隙間を空けて前記下縁を摺接させない位置に形成することが望ましい。これに対し、固定ベースから本体ベースの脱落を防止するため、係合片は前後方向係合溝に係合する大きさ又は形状、好ましくは長孔からなる前後方向係合溝を貫通する大きさ又は形状とする。上述したように、本体ベースは固定ベースに対して前後するから、前後方向係合溝は前記本体ベースの前後する範囲で係合突起が移動できる長さがあればよく、係合突起を設ける位置関係に合わせて支持片のどの位置に設けても構わない。
本発明のヒンジは、一人の作業者でも容易に、かつ扉の脱落がなく、開口部に対して開閉自在に取り付けた扉の上下位置、左右位置及び前後位置を調節自在とする。これは、とりわけ落下を招きやすい扉の上下位置及び左右位置の調節につき、上下調節ネジ及び左右調節ネジを回すだけで前記扉を上下位置及び左右位置に調節できるようにしたことによる効果である。また、前記上下調節ネジ及び左右調節ネジはもちろん、扉を前後位置に調節する前後調節ネジは、いずれも細かな扉の調節を可能にしている。これにより、本発明のヒンジを用いた扉を開口部に取り付ける場合、固定ベースのみをしっかりと開口部の側面に位置固定し、前記固定ベースに対して本体ベースを仮取付した後、扉の上下位置、左右位置及び前後位置を調節して、見栄えのよい扉の取付ができるようになる。これは、扉の取付作業を容易にする効果をもたらしている。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明を適用した一例のヒンジを開口部2に取り付けた使用状態を表わす斜視図、図2は固定ベース5を除く本例のヒンジの分解斜視図、図3は本例のヒンジの固定ベース5を開口部2の側面21に取り付ける様子を表わす斜視図であり、そして図4は扉1に軸着された支持アーム3と組み付けた本体ベース4を開口部2の側面21に取り付けた固定ベース5に取り付ける様子を表わす斜視図である。各図は、説明の便宜上、開口部2を内側から見て右側の扉1の上段に割り当てたヒンジ及び構成要素(例えば固定ベース5等)のみを図示している。実際には、図示に省略される前記扉1の下段、そして左側の扉の上下段に、本例のヒンジを割り当てている。
本発明のヒンジは、図1〜図4に見られるように、扉1の背面に軸着する支持アーム3と、前記支持アーム3の上下位置調節自在及び左右調節自在に接続する本体ベース4と、前記本体ベース4を前後調節自在に取り付ける固定ベース5とから構成され、前記固定ベース5を開口部2の側面21に位置固定で取り付ける。支持アーム3は、直接扉1に軸着するのではなく、図2に見られるように、前記扉1の背面に設けた嵌め込み穴11に箱形状のアーム受部材13を嵌め込み、前記アーム受部材13が保持する回動軸14を、扉支持部33の上下方向に貫通させる回動軸挿入孔31に挿通し、軸着している。
支持アーム3は、上下調節ネジ7を螺合させる雌ネジ孔35を上下方向に貫通して設けた上下調節部34と、左右調節ネジ6を螺合させる雌ネジ孔37を左右方向に貫通して設けた固定部36と、上述した回動軸14を挿通させる回動軸挿入孔31を上下方向に貫通して設けた扉支持部33とから構成される金属一体成形品である。本例における支持アーム3の高さ(上下方向の幅)は、後述する本体ベース4に設けた上下の支持フランジ41,41に上下調節部34が挟まれた際(後掲図5参照)、前記支持フランジ41,41と上下調節部34との間に上下調節代となる上方隙間W1及び下方隙間W2が形成される大きさとしている。そして、上下調節ネジ7は、下段の支持フランジ41から下方に突出する長さとしている。
支持アーム3の固定部36は上下調節部34から後方に延びた本体ベース4と平行な平板状部分、扉支持部33は前記上下調節部34から前方かつやや左方向に突出した平面視コ字状部分であり、上下調節部34は前記固定部36及び扉支持部33が交差する屈曲部分である。上下調節部34は、既述したように、上下調節ネジ7を螺合させる雌ネジ孔35を上下方向に貫通して設けた支持アーム3の屈曲部分で、本体ベース4において上に位置する支持フランジ41にネジ頭部を係合させて吊り下げられる上下調節ネジ7を前記雌ネジ孔35に螺合させることにより、支持アーム3を本体ベース4に吊下げ状態で支持させる接続部分である。
本例の上下調節部34は、後述する左右調節ネジ6を回して本体ベース4に対する支持アーム3の左右位置を調節する際、固定部36が前記左右調節ネジ6との螺合範囲を超えて左方向に回動することを防止するため、本体ベース4のリブ受部48に当接し、支持アーム3が上方から見て時計回り方向(右方向)に回動することを規制する突当リブ38を揺動半径方向に突設している。本例の突当リブ38は、上下方向に延在して設けてあり、リブ受部48に押し付けることにより、上下調節ネジ7をそれ以上回せないようにする働きを有する。
固定部36は、本体ベース4のネジ保持部43に設けた上下方向長孔44から左方向に突出させ、ネジ頭部を前記ネジ保持部43の右側に保持させた左右調節ネジ6を雌ネジ孔37に螺合させることにより、支持アーム3を本体ベース4に位置固定させる。ネジ保持部43の左方向への膨出は、保持する左右調節ネジ6のネジ頭部の厚みより僅かに小さくしている。これにより、常態の左右調節ネジ6は、後述する取付ネジ92の締め込みにより、本体ベース4のネジ保持部43と固定ベース5との間にネジ頭部がしっかりと挟み込まれ、回動不能に安定して保持される。しかし、取付ネジ92を適度に緩めれば、先端に設けたリセスを工具(例えばドライバ等)により、左右調節ネジ6は位置固定の状態で回すことができる。左右調節ネジ6は、固定部36の雌ネジ孔37に対する螺合位置を変えて、本体ベース4に対する支持アーム3の左右位置を調節させる。
扉支持部33は、平面視コ字状の鉤状部分で、上下調節部34から前方かつ左方向に斜めに突出し、前方に向けて延びる中間部分を経て右方向に嵌込面39を突出させ、前記嵌込面39の先端部(右端部)に回動軸挿入孔31を設けている。嵌込面39は、アーム受部材13の凹部17に嵌め込んだ状態で、前記回動軸挿入孔31に回動軸14が挿入される。本例の嵌込面39は、前述したように左方向から迂回して右方向に突出している。これにより、回動軸14が扉1の内部(例えば図9(B)参照)に設けられ、前記回動軸14より右方向に扉1の端部(回動軸14の右側部分)が突出しても、扉支持部33の迂回部分が前記扉1の端部の回動空間を形成しているので、扉1と扉支持部33との干渉を回避できる。扉支持部33は、扉1の全閉時にアーム受部材13の凹部17内に収容され、扉1の開閉に従ってアーム受部材13の凹部17から出入する。また、本例の回動軸挿入孔31は、挿入する回動軸14を直接接触させず、円滑な回動軸14の回動、すなわち円滑な扉1の開閉を確保できるように、上下端に滑り性の高い軸受けブッシュ32,32を嵌め込み、前記軸受けブッシュ32,32を介して回動軸14を支持している。
アーム受部材13は、扉1の背面に設けた直方体形状の嵌め込み穴11に嵌まり込む大きさで、扉1と平行な前面から、扉1に直交する上面、下面及び左側面の3面を折り返して形成された箱状の金属部品である。前面、上面及び下面は、それぞれ扉1に設けた嵌め込み穴11の内面に接面する。本例のアーム受部材13は、上面、下面及び左側面の縁部からそれぞれ上下方向及び左方向に折り曲げてフランジを形成し、上面及び下面の各フランジに左右一対のネジ受け孔15,15を設けており、嵌め込み穴11の上下に設けた取付ネジ穴12に対して前記ネジ受け孔15を通じて固定ネジ91を捩じ込むことにより、扉1に位置固定する。回動軸14は、対向する上面及び下面それぞれに設けた軸受け孔16,16にわたって支持される。支持アーム3の扉支持部33は前記上面及び下面の間に差し込まれ、軸受け孔16,16にわたって支持される回動軸14を回動軸挿入孔31に挿入させる。
本体ベース4は、支持アーム3と一体に前後位置を調節させる第1の目的と、扉1の取付作業を容易にする第2の目的とのため、開口部2の側面21に位置固定される固定ベース5に取り付けられる。本例の本体ベース4は、固定ベース5に平行な縦長の長方形の金属平板部を基礎とし、前縁中央部分を切り欠き、前記切欠部分の上下を水平に折り返して上下一対の支持フランジ41,41を形成し、前記切欠部分の中央に金属平板部と連続する板状突部のリブ受け部48を形成している。支持フランジ41,41は、上下に連通するガイド孔42,42をそれぞれ開口している。また、後縁中央部分を左方向に膨出させ、上下方向長孔44を設けたネジ保持部43を形成し、前記支持フランジ41,41及びネジ保持部43をそれぞれ挟む上下対称な位置関係で4つの前後方向長孔46を設けている。
本体ベース4は、後方寄りの前後方向長孔46を通じて固定ベース5の取付ネジ孔57に、そして前方寄りの前後方向長孔46から固定ベース5の取付ネジ孔56を通じて開口部2の側面21にそれぞれ取付ネジ92を捩じ込むことにより、固定ベース5に対して前後調節自在に取り付けられる(図4参照)。このほか、本例の本体ベース4は、前縁の切欠部分より下に金属平板部と直交する板状突起の前後調節部45を左方向に張り出し、この前後調節部45に前後調節ネジ8を螺合させ、下縁に前後方向へ延びる係合突起47を形成している。
固定ベース5は、上記本体ベース4相当の外形及び大きさを有する長方形の金属平板部を基礎とし、前縁から左方向に折り返した周面である突当片52と、上縁及び下縁から左方向に折り返した周面である支持片53,53とを形成し、後方のみ開放している。突当片52は、本体ベース4の前後調節部45から突出する前後調節ネジ8の先端を突き当てる。本例の突当片52は、固定ベース5の取付位置を決定するため、上下対称位置を切り欠いて前方に折り返して形成した位置決め突起51,51を前方に向けて突出させている。位置決め突起51は、開口部2の側面21に取り付けた化粧材である縦枠部材23背面の位置決め穴24,24に差し込み、前記縦枠部材23に突当片52を押し当てた状態で、側面21に対して固定ベース5を位置決めする。各支持片53は、本体ベース4の下縁に形成した係合突起47を差し込む前後方向係合溝54を設けている。
本例の固定ベース5は、図3及び図4に見られるように、前後方向中央付近で上下対称に設けた固定ネジ受け孔55,55から開口部2の側面21に設けた取付ネジ穴22,22へ向けて固定ネジ93,93を捩じ込み、側面21に対して位置固定する。また、本例の固定ベース5は、本体ベース4の前寄りに設けた前後方向長孔46を通じて開口部2の側面21に捩じ込む取付ネジ92を挿通させる取付ネジ孔56,56を各固定ネジ受け孔55の前方に、そして本体ベース4の後よりに設けた前後方向長孔46を通じて取付ネジ92を捩じ込む取付ネジ孔57,57を各固定ネジ受け孔55の後方に、それぞれ上下対称に設けている。既述したように、本例の固定ベース5は、支持片53も含めて上下対称に設けているので、上下反転させて固定ベース5を開口部2の側面21に位置固定できる。これにより、開口部2の左右の側面21それぞれに対して同一部品を用いることができる。
本例のヒンジを用いた扉1の取付手順について説明する。本例のヒンジを用いた扉1は、開口部2の側面21に取り付けられる縦枠部材23を基準として位置決めした固定ベース5に本体ベース4を取り付け、前記縦枠部材23を基準として開口部2の側面21に対して支持される。固定ベース5は、図3に見られるように、製品出荷前に予め縦枠部材23に設けておいた位置決め穴24,24に位置決め突起51,51を差し込んで位置決めし、固定ネジ受け孔55,55から固定ネジ93,93を開口部2の側面21の取付ネジ穴22,22に捩じ込み、縦枠部材23を基準として、側面21に対して位置固定される。
既述したように、ヒンジは扉1の上下段に構成されるので、固定ベース5も開口部2の左右の側面21,21に対して上下段に2基ずつ割り当てられる。縦枠部材23は、現場で加工することにより寸法誤差が生じやすい開口部2に対して精確に設計でき、この縦枠部材23における位置決め穴24,24も精確に位置設定できる。これから、本発明のヒンジは、前記縦枠部材23を基準に位置決めされ、側面21に対して位置固定される固定ベース5に対して、本体ベース4の上下位置及び前後位置を調節可能とし、そして前記本体ベース4に対して支持アーム3の左右位置を調節可能としている。
本体ベース4は、上下調節ネジ7を介して支持アーム3と連結し、前記支持アーム3を介してアーム受部材13に軸着され、前記アーム受部材13を扉1の背面に設けた嵌め込み穴11に取り付けて、扉1を開閉自在に支持している。具体的には、支持アーム3は、回動軸挿入孔31の上下端に軸受ブッシュ32,32を嵌め込んだ状態で扉支持部33の嵌込面39をアーム受部材13の嵌め込み穴11に嵌め込み、連通する軸受孔16、軸受ブッシュ32及び回動軸挿入孔31に回動軸14を差し込み、アーム受部材13に対して予め軸着される。
アーム受部材13は、支持アーム3を軸着した状態で扉1の嵌め込み穴11に嵌め込み、固定ネジ91により扉1に位置固定する。また、支持アーム3は、上下一対の支持フランジ41,41間に上下調節部34を差し込み、上に位置する支持フランジ41から差し込んだ上下調節ネジ7を前記上下調節部34の雌ネジ孔35に螺合させ、予め本体ベース4に連結させる。
このようにして、開口部2の側面21に固定ベース5を位置固定し、扉1の背面に本体ベース4を旋回自在に取り付けた後、本体ベース4を固定ベース5に取り付ける(図4参照)。本体ベース4は、例えば扉1を手で持ち上げて、固定ベース5の下の支持片53に載せる。このとき、本体ベース4の係合突起47を前記支持片53の前後方向係合溝54に嵌め込むようにする。ここで、既述したように、扉1の上下段にヒンジが設けられるので、上段及び下段のヒンジにおける各本体ベース4の係合突起47を、それぞれの対応する支持片53の各前後方向係合溝54に同時に嵌め込めることが望ましい。
作業者が1人であれば、先に扉1を持ち上げた状態で、比較的嵌め込みやすい上段の本体ベース4の係合突起47を対応する前後方向係合溝54に嵌め込んでもよい。この場合、先に嵌め込んだ上段の本体ベース4は、後方に位置する前後方向長孔46から更に固定ベース5の後方に位置する取付ネジ孔57に取付ネジ92を捩じ込んで固定ベース5に取り付け、脱落しないようにした後、扉1を上方隙間W1(図5参照)の範囲で持ち上げる。このとき、下段の本体ベース4は、支持アーム3の上下調節部34に、上に位置する支持フランジ41を当接させるまで上方隙間W1(図5参照)の範囲で垂れ下がっているので、前記上方隙間W1の範囲で本体ベース4を一時的に持ち上げれば、支持片53をかわして下段の本体ベース4の係合突起47を下段の固定ベース5の前後方向係合溝54に嵌め込むことができる。こうして、上下段の本体ベース4の各係合突起47を対応する固定ベース5の前後方向係合溝54に嵌め込めば、残る前方2ヶ所の前後方向長孔46から、固定ベース5の前方に位置する取付ネジ孔56を通じて開口部2の側面21に取付ネジ92を捩じ込めば、固定ベース5に対する本体ベース4の取付作業が完了する。
扉1を開口部2に対して取り付けた後、扉1の上下位置、前後位置及び左右位置の調節作業を実施する。これから、固定ベース5に対する本体ベース4の取付作業は、取付ネジ92を完全に捩じ込むのではなく、仮締めに留めておくことが好ましい。図5は本例の扉1の上下位置を調節する前の状態を表す側面図、図6は本例の扉1の上下位置を上方向に調節している状態を表す図5相当側面図、図7は本例の扉1の上下位置を下方向に調節している状態を表す図5相当側面図、図8は本例の扉1の前後位置を前方向に調節し終えた状態を表す図5相当側面図、図9は本例の扉1の左右位置を調節する前の状態を表す(A)背面図及び(B)水平断面図、そして図10は本例の扉1の左右位置を左方向に調節し終えた状態を表す(A)背面図及び(B)水平断面図である。
扉1の上下位置、前後位置及び左右位置の調節は、各扉1の上下段に設けられるヒンジそれぞれで実施する。このとき、左又は右いずれか一方の扉1における上下段のヒンジを同時に調節することは、作業者の数にかかわらず、現実的でないことから、基本的に左又は右いずれか一方の扉1における上段のヒンジから調節していく。これから、以下では、基本的に上段のヒンジにおいて調節する場合を説明し、上段のヒンジと異なる作業を要する上下位置の調節についてのみ、前記異なる作業の説明に必要な範囲で下段のヒンジについて触れる。
扉1の上下位置の調節は、各ヒンジにおける本体ベース4に対する支持アーム3の上下位置の調節による。開口部2に対する扉1の取付作業を終えた状態では、図5に見られるように、上下調節ネジ7のネジ頭部が本体ベース4の上に位置する支持フランジ41に係止され、前記支持フランジ41のガイド孔42を通じて吊り下げられた上下調節ネジ7は、上下に位置する支持フランジ41,41の中間付近に支持アーム3の上下調節部34の雌ネジ孔35を螺合させ、前記上下調節部34と上に位置する支持フランジ41との間に形成される上方隙間W1と、前記上下調節部34と下に位置する支持フランジ41との間に形成される下方隙間W2とを均等にしている。ここで、固定ベース5に対して本体ベース4を取り付ける取付ネジ92をすべて弛めていると、上下調節ネジ7のネジ頭部のリセスを工具で回すことにより、上下調節ネジ7に対する上下調節部34の螺合位置を相対的に上下方向に移動させることができる。
具体的に、例えば図6に見られるように、上段のヒンジにおける上下調節ネジ7を捩じ込む方向に回転させると、前記上下調節ネジ7に対する支持アーム3の上下調節部34の螺合位置が上方に変位する。しかし、上下調節ネジ7は上方に変位せず、上に位置する支持フランジ41にネジ頭部を係止させて、吊り下げられた状態のままにある。このため、前記上下調節ネジ7に対し、上方隙間W1(図5参照)の範囲内で、支持アーム3、そして前記支持アーム3を軸着した扉1を上方に移動させることができる。このとき、固定部36に螺合させた左右調節ネジ6は支持アーム3と共に上方へ移動するが、前記左右調節ネジ6は本体ベース4に設けたネジ保持部43の上下方向長孔44に挿通させており、支持アーム3の上方への移動を阻害しない。
上段のヒンジにおいて上下調節ネジ7を捻じ込み、支持アーム3を上方に移動させた状態にある下段のヒンジは、扉1の移動量(例えば図6では上方隙間W1相当)だけ、上下調節ネジ7のネジ頭部が上に位置する支持フランジ41から突出させるほか、下方隙間W2を、上方隙間W1が加わった大きさ、すなわち倍の大きさにする。扉1は、上段のヒンジにより既に上下位置の調節を終えているため、前記下段のヒンジにおける上下調節ネジ7のネジ頭部の突出は扉1の上下位置の調節に直接関係ない。しかし、上段のヒンジにおける上下調節ネジ7のネジ頭部のみを支持フランジ41に係止させていることは、例えば上段のヒンジに過負荷を与えて破損させ、扉1を脱落させる危険がある。
そこで、下段のヒンジにおける上下調節ネジ7も捩じ込む方向に回転させ、前記上下調節ネジ7のネジ頭部を上に位置する支持フランジ41に密着させる。扉1の調節が上下方向だけで済めば、この段階で取付ネジ92を締め込み、そして左右調節ネジ6のネジ頭部を本体ベース4のネジ保持部43と固定ベース5とに挟み込むことで、扉1の上下位置を完全に固定する。本例は、上段のヒンジにおける上下調節ネジ7から回転させ、扉1の上下位置を調節したが、逆に下段のヒンジにおける上下調節ネジ7を先に回転させ、扉1の上下位置を調節してもよい。この場合、下段のヒンジにおける上下調節ネジ7を捩じ込んだ後、上段のヒンジにおける上に位置する支持フランジ41から浮き上がった上下調節ネジ7のネジ頭部を捩じ込む。
上述とは反対に、上下調節ネジ7を捩じ戻す方向に回転させると、前記上下調節ネジ7に対する支持アーム3の上下調節部34の螺合位置が下方に変位して、前記上下調節ネジ7に対し、下方隙間W2の範囲内で、支持アーム3、そして前記支持アーム3を軸着した扉1を下方に移動させることができる。具体的には、まず取付ネジ92を弛めて支持アーム、すなわち扉1の上下位置を調節自在にする。次に、例えば図7に見られるように、上段のヒンジにおける上下調節ネジ7を捩じ戻す方向に回していくと、下段のヒンジにおける上下調節ネジ7のネジ頭部が上に位置する支持フランジ41に引っかかるために扉1は下降せず、相対的に上段のヒンジにおける上下調節ネジ7が、上に位置する支持フランジ41からネジ頭部を突出させていく。
こうして上段のヒンジにおける上下調節ネジ7のネジ頭部を突出させたまま、下段のヒンジにおける上下調節ネジ7を捩じ戻す方向に回転させると、前記下段のヒンジにおける上下調節ネジ7がネジ頭部を上に位置する支持フランジ41に係合させながら、扉1が下降していく。そして、扉1が最適な上下位置まで下がった状態で、上段のヒンジにおける上下調節ネジ7のネジ頭部と上に位置する支持フランジ41との隙間をなくすように、前記上段のヒンジにおける上下調節ネジ7を捩じ込み、最後に取付ネジ92を締め込めば、扉1上下位置が完全に固定され、調節作業が完了する。この場合にも、上下段のヒンジに対する操作手順を順逆にしても構わない。
扉1の前後位置の調節は、各ヒンジにおける固定ベース5に対する本体ベース4の前後位置の調節による。まず、扉1の上下位置の調節の際と同様、取付ネジ92を緩め、本体ベース4を前後方向へ移動自在にする。そして、最大限捩じ込んだ状態(図5参照)の前後調節ネジ8の先端を突当片52に押し付けたまま、ネジ頭部のリセスを工具により捩じ戻す方向に回すと、図8に見られるように、前後調節部45からのネジ頭部の突出量が増える。このとき、突当片52は位置固定であるため、前後調節ネジ8に対する前後調節部45の螺合位置が前進し、図8に見られるように、前記前後調節部45に従う本体ベース4、そして扉1を前方へ移動させる。このような扉1の前後方向の移動は、本体ベース4に設けられた4つの前後方向長孔46をすべて取付ネジ92に係合させ、そして本体ベース4の係合突起47を本体ベース5の前後方向係合溝54にそれぞれ係合させて、移動方向を前後方向のみに規制しているため、扉1の上下位置や左右位置を変化させない。
逆に、図8に見られる状態から、前後調節ネジ8のネジ頭部のリセスを工具により捩じ込む方向に回すと、前後調節部45からのネジ頭部の突出量が減り、前後調節ネジ8に対する前後調節部45の螺合位置が後退して、扉1を後方へ移動させることができる。扉1の前後方向の移動が扉1の上下位置や左右位置を変化させない点は、上述同様である。こうして扉1の位置調節が前後方向だけで済めば、この段階で取付ネジ92を締め込み、そして左右調節ネジ6のネジ頭部を本体ベース4のネジ保持部43と固定ベース5とに挟み込むことで、扉1の前後位置が完全に固定され、調節作業が完了する。
扉1の左右位置の調節は、各ヒンジにおける本体ベース4に対する支持アーム3の左右位置の調節による。具体的には、図9に見られる状態から、支持アーム3の固定部36に螺合した左右調節ネジ6の先端に設けたリセスを工具により捩じ戻す方向(左右調節ネジ6自体はネジ保持部43から捩じ込まれる方向)に回転させると、支持アーム3は上下調節ネジ7を軸として扉支持部33を左方向に揺動させ、図10に見られるように、扉1を開口部2の左方向に移動させる(揺動させる)ことができる(図9(A)及び図10(A)を比較対照)。扉1の左右位置の調節は、固定ベース5に対して本体ベース4を仮締めする必要がない。こうして、扉1の左右方向の移動(揺動)が終われば、取付ネジ92を締め込んで左右調節ネジ6のネジ頭部を本体ベース4のネジ保持部43と固定ベース5とに挟み込むことにより、扉1の左右位置が完全に固定され、調節作業が完了する。
逆に、左右調節ネジ6を捩じ込む方向(左右調節ネジ6自体はネジ保持部43から捩じ戻される方向)に回転させると、支持アーム3は上下調節ネジ7を軸として扉支持部33を右方向に揺動させ、扉1を開口部2の右方向に移動させることができる。扉1の左右方向の移動(揺動)が終われば、取付ネジ92を締め込むことにより、扉1の左右位置が完全に固定され、調節作業が完了する点は、上述同様である。ここで、本例のヒンジは、支持アーム3の突当リブ38を本体ベース4のリブ受部48に当接させて支持アーム3の揺動範囲を規制することにより、間接的に、左右調節ネジ6を捩じ込む方向に回し過ぎて固定部36から抜け出さないようにしているほか、扉1が縦枠部材23と干渉しないようにしている。
本例は、扉1の取付作業に続く調節作業を説明したが、もちろん調節作業のみを独立してすることもできる。本発明の特徴は、すべて1人の作業者により、扉1の取付作業及び調節作業ができる点にある。1人の作業者による取付作業は、各ヒンジにおける本体ベース4の係合突起47を固定ベース5の前後方向係合溝54に係合させ、扉1を脱落させる虞をなくすことにより実現される。また、1人の作業者による調節作業は、前記係合突起47を前後方向係合溝54に係合させた状態で、それぞれ上下調節ネジ7、左右調節ネジ6、そして前後調節ネジ8を回すだけで実施できることにより実現される。これにより、本発明は、扉1の取付作業は開口部2に対して概略的な位置合わせに留め、前記開口部2に対して扉1を取り付けた後、細かな位置調整ができるようになり、扉1の取付作業を容易にし、前記取付作業に要する労力、手間及び時間を削減する効果をもたらす。