JP4865616B2 - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動軸上に設けられたプーリ幅可変の駆動プーリ、従動軸上に設けられたプーリ幅可変の従動プーリおよびこれら駆動および従動プーリ間に架け渡されたVベルトを有して構成されるベルト式無段変速機に関する。
このようなベルト式無段変速機としては、例えば、特許文献1に開示のものがある。この変速機においては、従動プーリを、従動軸上に設けられた円筒状の支持部に円錐盤状のシーブ部材を取付ピン(リベット)で結合して構成し、支持部を鋼鉄製にして強度を確保した上でシーブ部材をアルミ製にして軽量化を図っている。また、特許文献2にも同様な構成のベルト式無段変速機が開示されており、この変速機においては、従動プーリを構成するハブの外側面にセンサプレートが取り付けられ、このセンサプレートの外周に、その回転を検知するプローブが対向するようにして回転検出用の磁気センサが設けられている。
特開平9−14367号公報 特開2005−133929号公報
ところで、特許文献1に開示のように、円盤状の支持部にシーブ材を取付ピンで結合して従動プーリを構成する場合には、支持部における取付ピン固定部の肉厚を厚くする必要があり、プーリが大型化し、質量が増加するという問題があった。また、取付ピンをシーブの内径側に設けるものもあるが、その分、従動プーリ(シーブ)におけるベルト当接面の径方向の当接領域が制限され、変速比設定可能範囲がそれだけ小さくなるという課題もあった。
また、特許文献2に開示のように、従動プーリを構成するハブの外側面に、磁気センサによる回転ピックアップを行うためのセンサプレートを取り付ける構成の場合、センサプレートおよびその取付ボルト等が必要であるため、その分、部品点数が増加し、従動プーリの質量が増加するという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、鋼鉄製の支持部により強度を確保した上でシーブ部材をアルミ製にして軽量化を図るという構成を維持しつつ、支持部とシーブ部材とを取付ピンを用いることなく結合し、且つ回転ピックアップ用のセンサ部材を別途設ける必要も無いベルト式無段変速機を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明に係るベルト式無段変速機は、駆動軸上に設けられたプーリ幅可変の駆動プーリと、従動軸上に設けられたプーリ幅可変の従動プーリと、前記駆動プーリおよび前記従動プーリ間に架け渡されたVベルトとを有して構成される。そして、前記従動プーリが、前記駆動軸上に同軸上で一体回転するように設けられた円筒状の固定支持部および前記Vベルトの側面が当接する円錐状の固定側ベルト当接面が形成されるとともに前記固定支持部に鋳込み一体結合された固定シーブ部からなる固定シーブと、前記従動軸上に同軸上で一体回転するとともに前記固定支持部に対して軸方向に移動可能に設けられた円筒状の可動支持部および前記Vベルトの側面が当接する円錐状の可動側ベルト当接面が形成されるとともに前記可動支持部に鋳込み一体結合された可動シーブ部からなる可動シーブとから構成され、前記固定支持部に鋳込み結合状態で当該固定支持部の基部から径方向外方に延びてその先端部が前記固定シーブ部の外面に突出する回転検出用突出部を設け、前記従動プーリの回転に応じた前記回転検出用突出部の回転軌跡に近接対向する位置に、前記回転検出用突出部の通過を検出して前記従動プーリの回転を検出するセンサーを設け、前記固定シーブ部の外面には前記固定支持部における前記基部先端の端面および前記回転検出用突出部の端部が露出するように構成される
このベルト式無段変速機において、前記固定支持部および前記可動支持部が鉄系材料から作られるとともに前記固定シーブ部および前記可動シーブ部がアルミ系材料から作られるのが好ましい。
上記ベルト式無段変速機において、前記可動シーブを前記固定シーブ側に向かって軸方向に付勢するプーリ付勢バネが設けられており、前記プーリ付勢バネの一端側を収容するカラーを支持するカラー支持部が前記可動支持部に設けられている構成とするのが好ましい。
上記ベルト式無段変速機において、前記従動プーリの軸方向の側方に前記従動軸と同軸に配設され、前記従動軸と変速機出力軸とを断接する遠心クラッチを有し、前記遠心クラッチを構成するクラッチドラムが、前記変速機出力軸に繋がって配設された略円盤状の底壁部と、前記底壁部の外周端に接合されて取り付けられた円筒状のドラム壁部とから構成され、前記ドラム壁部が前記底壁部より厚い構成としても良い。
この場合に、前記ドラム壁部の外周面に樹脂製の防振リングを取り付ける構成としても良い。また、前記固定支持部の鋳込み部には波形状のフランジ部が形成され、前記回転検出用突出部は前記フランジ部と同一面上に形成される構成としても良い。さらに、前記回転検出用突出部は前記フランジ部における周方向に180度離れた位置に一対設けられる構成としても良い。
本発明に係るベルト式無段変速機によれば、円筒状の固定および可動支持部と固定および可動シーブ部とをそれぞれ鋳込み一体結合して構成される固定および可動シーブにより従動プーリが構成されているので、従来のような取付ピンが不要となり、支持部とシーブ部との結合部の肉厚を従来の取付ピンを用いた場合より薄くすることができ、従動プーリの構成をコンパクトにして軽量化することができる。なお、鋳込み一体結合とすることにより支持部とシーブ部との結合強度を大きくすることができる。さらに、取付ピンが無いため、それだけベルト当接面領域を大きくして変速比設定可能範囲を大きくすることができる。
また、固定支持部に鋳込み結合状態で固定シーブ部の外面に突出する回転検出用突出部を設け、従動プーリの回転を検出するセンサーが従動プーリの回転に応じた回転検出用突出部の通過を検出して従動プーリの回転を検出する構成であるので、従来のようにセンサープレートを固定支持部の外側面に取り付ける必要がなく、部品点数を削減して、コスト低減および軽量化を図ることができる。
このベルト式無段変速機において、固定および可動支持部を鉄系材料から作り、固定および可動シーブ部をアルミ系材料から作るのが好ましく、これにより、支持部の強度を確保するとともに従動プーリを軽量化することができる。
上記ベルト式無段変速機において、プーリ付勢バネの一端側を収容するカラーを支持するカラー支持部を可動支持部に設けるのが好ましい。このようにすれば、取付ピンを用いない構成であるため、取付ピンに邪魔されることなく、可動支持部にカラー支持部を容易に構成することができ、このカラー支持部によりカラーを確実に支持させることができる。また、可動支持部は鉄系材料から作られるなど強度の高い部材であるため、カラーの支持強度が高く耐久性に優れる。
上記ベルト式無段変速機において、従動プーリの軸方向の側方に遠心クラッチを設け、この遠心クラッチを構成するクラッチドラムを略円盤状の底壁部と、その外周端に接合されて取り付けられた円筒状のドラム壁部とから構成し、ドラム壁部を底壁部より厚い構成としても良く、このように構成することにより、底壁部の厚さは薄くして軽量化を図るとともにドラム壁部の厚さを厚くしてクラッチ摩擦部の熱容量を確保することができる。しかも、クラッチドラムの固有振動数が低下するのでクラッチ接続時に発生する騒音を低減することができる。これにより、ドラム壁部の外周に取り付けられる防振リングを小型軽量化でき、遠心クラッチの軽量化と合わせて、従動プーリおよび遠心クラッチを含む従動側の系全体を軽量化することができる。
この場合に、厚さが大きなドラム壁部により大きな熱容量が確保されるため、クラッチドラム自体の温度上昇を抑えることができるため、耐熱性が比較的小さな樹脂製の防振リングの使用が可能となる。このため、ドラム壁部の外周面に小型軽量である樹脂製の防振リングを取り付けるのが好ましく、これにより、防振リングによる防振性能を一層向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係るベルト式無段変速機を備えた動力伝達装置PUは、図5に示すスクータ型自動二輪車80に用いられるもので、この自動二輪車80の構成について簡単に説明する。この自動二輪車80は、車体カウリング88で覆われた内部に車体フレームFを有し、下部に前輪81を軸支するフロントフォーク83に繋がって上方に延びた操向ハンドル84を操向可能に支承するヘッドパイプ85が上下に延びて車体フレームFの前部に設けられている。また、後輪82を後端部において支持するユニットスイングエンジンすなわち動力伝達装置PUが、車体フレームFの前後方向中間部で上下揺動可能に支承されている。
上記自動二輪車80に搭載される動力伝達装置PUは、図1および図2に示すように、シリンダ軸線をほぼ水平としたエンジンEと、エンジンEの出力回転を無段階に変速して伝達する無段変速機CVTと、無段変速機CVTの出力回転を減速する減速機構RGとを備えて構成され、減速機構RGの出力軸75が後輪に連結されて後輪を駆動する。なお、無段変速機CVTは、図1に示すエンジンEのクランクシャフトに一体に繋がる駆動軸31上に設けられた駆動プーリ30と、図2に示す従動軸51上に設けられた従動プーリ50と、これら両プーリ30,50間に架け渡された無端リング状のベルト40とから構成される。紙面領域の都合上、図1と図2に分けて示しているが、これら両図により動力伝達装置の全体概略構成を示している。なお、図4にはこの動力伝達装置の側面視における各部材の位置関係を示しており、この図も参照して説明する。
エンジンEは、図に現れないシリンダ内を往復移動するピストンとコンロッドを介して連結されるクランク部11を有したクランクシャフト10を有し、このクランクシャフト10の図1における右端部にはオルタネータ15とスタータギヤ16とが取り付けられている。クランク部11の右側部に設けられた駆動ギヤ12aと噛合する従動ギヤ12bを介してバランサ13が連結されており、クランクシャフト11の回転に同期してバランサ13が回転されて回転バランス調整がなされる。
クランクシャフト10の図1における左側に一体に繋がって変速機入力軸となる駆動軸31が形成されており、この駆動軸31の上に同軸上に位置して駆動プーリ30が設けられている。駆動プーリ30は、駆動軸31とスプライン係合されてこれと一体回転する駆動側固定シーブ32と、駆動側固定シーブ32に対して軸方向に移動可能で、且つ駆動側固定シーブ32および駆動軸31と一体回転する駆動側可動シーブ33とを備える。これら固定および可動シーブ32,33は互いに対向する円錐面状のベルト当接面32a,33aを有した円錐盤形状に形成されており、可動シーブ33が軸方向に移動してベルト当接面32a,33a間の軸方向距離(プーリ幅)を調整することが可能となっている。
なお、可動シーブ33は、駆動軸31上を軸方向に移動可能な円筒状の支持部33bと、支持部33bの外周に鋳込み一体結合された円錐盤状のシーブ部33cとから構成される。この円筒状支持部33bの外周には支持ベアリング34を介して変速駆動部材24が取り付けられている。この変速駆動部材24は、回転は阻止されるが軸方向に移動可能となっており、変速制御機構RCにより駆動されて軸方向に移動され、支持ベアリング34を介して可動シーブ33を軸方向に移動させる制御が行われる。
変速制御機構RCは、変速制御モータ20と、変速制御モータ20の出力軸20aに形成されたギヤと噛合するギヤ21aを有した第1変速制御ギヤ21と、第1変速制御ギヤ21のギヤ21bと噛合するギヤ22aを有した第2変速制御ギヤ22と、第2変速制御ギヤのギヤ22bと噛合するギヤ23aを有した第3変速制御ギヤ23とを備えて構成される。このため、変速制御モータ20を回転駆動することにより、第1及び第2変速制御ギヤ21,22を介して第3変速制御ギヤ23を回転させることができる(なお、図4にその配置位置を示している)。第3変速制御ギヤ23は変速駆動部材24の外周側にこれと同軸に位置して配設されており、その内周側に形成された雌ネジ23bが変速駆動部材24の外周側に形成された雄ネジ24aと螺合している。
上述のように、変速駆動部材24は回転が阻止されて軸方向に移動可能であり、変速制御モータ20の回転駆動に応じて第3変速制御ギヤ23が回転駆動されると、雌ネジ23bと雄ネジ24aとの螺合量が変化して、変速駆動部材24が軸方向に移動される。この結果、可動シーブ33は支持ベアリング34を介して変速駆動部材24に対して相対回転可能な状態のままで変速駆動部材24と一緒に軸方向に移動され、固定シーブ32と可動シーブ33のベルト当接面32a,33aの間の距離、すなわち、プーリ幅が変化する。このことから分かるように、変速制御モータ20の回転制御により駆動プーリ30のプーリ幅調整を行うことができる。
この駆動プーリ30とベルト40を介して繋がる従動プーリ50は、図2に示すように、従動軸51の上に同軸上で相対回転自在に配設された従動側固定シーブ52と、この従動側固定シーブ52に連結ピン56cにより軸方向に移動可能且つこれと一体回転するように連結(この連結構成については後述する)されて配設された従動側可動シーブ55とを備える。これら固定および可動シーブ52,55は互いに対向する円錐面状のベルト当接面52a,55aを有した円錐盤形状に形成されており、可動シーブ55が軸方向に移動してベルト当接面52a,55a間の軸方向距離(プーリ幅)を調整することが可能となっている。
従動側固定シーブ52は、従動軸51の上に同軸上で相対回転自在に配設された円筒状の鉄系材料製の固定支持部53と、この固定支持部53の図2における左端部に形成されたフランジ部53a(図3参照)と鋳込み一体結合されたアルミ系材料製の固定シーブ部54とから構成される。なお、この鋳込み結合性能および強度を確保するため、図3に示すようにフランジ部53aは波形状に形成されている。さらに、フランジ部53aにおける周方向に180度離れた位置に径方向に突出するとともに先端部が側方に突出した回転検出用突出部53bが設けられている。
この回転検出用突出部53bは、図2に示すように、固定シーブ部54が鋳込み一体結合された状態で固定シーブ部54の側面から外方に突出している。そして、変速機ハウジングに取り付けられた回転センサー45の磁気検出プローブ45aが、固定シーブ52の回転に伴う回転検出用突出部53bの回転軌跡と外周側近傍に位置して対向するようになっており、従動プーリ50の回転により固定シーブ52が回転されて回転検出用突出部53bが磁気検出プローブ45aの近傍を通過したことを回転センサー45により検出して従動プーリ50の回転検出が行われる。
このように、固定支持部53と固定シーブ部54を鋳込み一体結合して固定シーブ52を構成すれば、従来のような取付ピンが不要となり、結合部の肉厚を従来の取付ピンを用いた場合より薄くするとともに強度を確保することができ、固定シーブ52をコンパクトにして軽量化することができる。また、固定支持部53に、鋳込み結合状態で固定シーブ部54の外面に突出する回転検出用突出部53bを設けているので、従来のようにセンサープレートを固定支持部の外側面に取り付ける必要がなく、部品点数を削減して、コスト低減および軽量化を図ることができる。
従動側可動シーブ55は、固定支持部53の上に同軸に位置して設けられた円筒状の鉄系材料製の可動支持部56と、この可動支持部56の図2における左端部に形成されたフランジ部(図3に示すフランジ部53aと同様な形状)と鋳込み一体結合されたアルミ系材料製の可動シーブ部57とから構成される。可動支持部56には軸方向に延びるスリット56aが形成されており、そのスリット56a内に頭部が位置して固定支持部53に螺合された連結ピン56cにより、可動支持部56は固定支持部53上で軸方向に移動可能であるが固定支持部53と一体回転するようになっている。
従動側可動シーブ55においても、可動支持部56と可動シーブ部57を鋳込み一体結合して可動シーブ55を構成しているので、従来のような取付ピンが不要となり、結合部の肉厚を従来の取付ピンを用いた場合より薄くするとともに強度を確保することができ、可動シーブ55をコンパクトにして軽量化することができる。
可動支持部56の図2における左端部に略円盤状のクラッチ支持プレート61が結合されており、このクラッチ支持プレート61の側面と可動支持部56のフランジ部側面に形成されたカラー支持部56bとの間にプーリ付勢バネ58が配設されている。このプーリ付勢バネ58は、カラー支持部56bに支持されたカラー58aにより一端側が収容支持され、クラッチ支持プレート61の側面に支持されたカラー58bにより他端側が収容支持されている。このようにカラー58aは鉄系材料から作られて強度の高い可動支持部56のカラー支持部56bに支持されるため、カラー58aをしっかりと且つ高い耐久性を有して確実に支持することができる。カラー支持部56bはカラー58を支持するように凹み形状となっている。
クラッチ支持プレート61の外周部には遠心クラッチ機構CLを構成するクラッチ部62が設けられている。このクラッチ部62は、径方向に移動可能に取り付けられた遠心ウエイト62cと、遠心ウエイト62cを径方向内方に付勢するクラッチバネ62bと、遠心ウエイト62cの外周側に設けられた摩擦材62aとから構成される。一方、従動軸51の左端部にスプライン結合された円筒状の連結カラー67にクラッチドラム63が結合されている。クラッチドラム63は、連結カラー67に結合された略円盤状の底壁部64と、底壁部64の外周端に溶接等により結合された円筒状のドラム壁部65と、ドラム壁部65の外周に設けられた樹脂製の防振リング66とから構成される。クラッチ部62はクラッチ支持プレート61を介して従動プーリ50と一体回転するため、従動プーリ50の回転が高くなるとクラッチ部62の遠心ウエイト62cが遠心力を受けてクラッチバネ62bの付勢に抗して外周側に移動され、摩擦材62aがドラム壁部65の内周に押しつけられ、その摩擦力により両者が一体回転する。すなわち、従動プーリ50の回転が高くなると、遠心クラッチ機構CLにより従動プーリ50が従動軸51と連結され、従動プーリ50の回転が従動軸51に伝達される。
この遠心クラッチ機構CLを構成するクラッチドラム63において、ドラム壁部65は底壁部64より厚い寸法に設定している。これにより、底壁部64の厚さは薄くしてクラッチドラム63の軽量化を図るとともにドラム壁部65の厚さを厚くして摩擦材62aと摩擦する部分の熱容量を確保している。この構成によれば、クラッチドラム63の固有振動数が低下してクラッチ接続時に発生する騒音を低減することができる。これにより、ドラム壁部65の外周に取り付けられる防振リング66を小型軽量化でき、遠心クラッチの軽量化と合わせて、従動プーリおよび遠心クラッチを含む従動側の系全体を軽量化することができる。
この場合に、厚さが大きなドラム壁部65により大きな熱容量が確保されるため、クラッチドラム63自体の温度上昇を抑えることができるため、耐熱性が比較的小さな樹脂製の防振リング66の使用が可能である。このようにドラム壁部65の外周面に小型軽量である樹脂製の防振リング66を取り付けることにより、防振リング66による防振性能を一層向上させている。
上記従動軸51と一体に減速機入力軸71が形成されており、この減速機入力軸71に形成された第1ギヤ部71aと噛合する第2ギヤ部72aを有する第1減速ギヤ72が減速機中間軸73に取り付けられている。さらに、減速機中間軸73に形成された第3ギヤ部73aと噛合する第4ギヤ部74aを有する第2減速ギヤ74が減速機出力軸75に取り付けられて減速機構RGが構成されている。このため、従動軸51の回転はこの減速機構RGを構成するギヤ列により減速されて減速機出力軸75に伝達され、これが図示しない後輪に伝達されて後輪が回転駆動される。
以上のように構成される動力伝達機構におけるエンジンEから後輪に至る回転伝達および変速制御について簡単に説明する。エンジンEが駆動されてクランクシャフト10が回転されると、クランクシャフト10と駆動軸31とは一体に形成されているため、駆動軸31も回転する。これにより、駆動軸31と一緒に駆動プーリ30が回転するが、このとき、変速制御機構RCにおいて変速制御モータ20の駆動制御を行うことにより、駆動プーリ30のプーリ幅を可変制御し、ベルト40の駆動プーリ30における巻き掛け半径を可変制御する。
このようにして駆動プーリ30へのベルト40の巻き掛け半径が変化すると、ベルト40の長さは一定であるため、従動プーリ50へのベルト40の巻き掛け半径がこれに応じて変化する。この変化をベルト40が弛むことなく行わせるため、従動プーリ50においてはプーリ付勢バネ58が従動側可動シーブ55を従動側固定シーブ52に向けて付勢しており、従動側可動プーリ52がこの付勢に抗して軸方向に移動して、ベルト40が弛むことなく巻き掛け半径を変化させる。この結果、駆動プーリ30から従動プーリ50へのベルト40を介した回転伝達の速度比、すなわち、変速比が無段階に変化する。
このようにして従動プーリ50が回転されて、その回転が所定回転以上となると遠心クラッチ機構CLが係合を開始し、従動軸51が回転される。この従動軸51の回転は減速機構RGにより減速されて減速機出力軸75に伝達され、後輪が駆動される。この結果、エンジン回転が無段階に変速されて後輪に伝達され、後輪が駆動されることになる。
本発明に係るベルト式無段変速機を備えた動力伝達装置の動力伝達系の構成を示す断面図である。 本発明に係るベルト式無段変速機を備えた動力伝達装置の動力伝達系の構成を示す断面図である。 上記ベルト式無段変速機を構成する従動プーリにおける固定支持部のフランジ部形状を示す側面図である。 上記動力伝達装置の側面図である。 上記動力伝達装置を備えたスクータ型自動二輪車を示す側面図である。
符号の説明
CVT 無段変速機
RC 変速制御機構
CL 遠心クラッチ機構
PU 動力伝達装置
30 駆動プーリ
31 駆動軸
32 駆動側固定シーブ
33 駆動側可動シーブ
40 ベルト
50 従動プーリ
51 従動軸
52 従動側固定シーブ
53 固定支持部
53a フランジ部
53b 回転検出用突出部
54 固定シーブ部
55 従動側可動シーブ
56 可動支持部
57 可動シーブ部
58 プーリ付勢バネ
63 クラッチドラム
64 底壁部
65 ドラム壁部
66 防振リング
80 自動二輪車
81 前輪
82 後輪

Claims (7)

  1. 駆動軸(31)上に設けられたプーリ幅可変の駆動プーリ(30)と、従動軸(51)上に設けられたプーリ幅可変の従動プーリ(50)と、前記駆動プーリ(30)および前記従動プーリ(50)間に架け渡されたVベルト(40)とを有して構成されるベルト式無段変速機において、
    前記従動プーリ(50)が、前記駆動軸(31)上に同軸上で一体回転するように設けられた円筒状の固定支持部(53)および前記Vベルト(40)の側面が当接する円錐状の固定側ベルト当接面(52a)が形成されるとともに前記固定支持部(53)に鋳込み一体結合された固定シーブ部(54)からなる固定シーブ(52)と、前記従動軸(51)上に同軸上で一体回転するとともに前記固定支持部(53)に対して軸方向に移動可能に設けられた円筒状の可動支持部(56)および前記Vベルト(40)の側面が当接する円錐状の可動側ベルト当接面(55a)が形成されるとともに前記可動支持部(56)に鋳込み一体結合された可動シーブ部(57)からなる可動シーブ(55)とから構成され、
    前記固定支持部(53)に鋳込み結合状態で当該固定支持部(53)の基部から径方向外方に延びてその先端部が前記固定シーブ部(54)の外面に突出する回転検出用突出部(53b)を設け、前記従動プーリ(50)の回転に応じた前記回転検出用突出部(53b)の回転軌跡に近接対向する位置に、前記回転検出用突出部(53b)の通過を検出して前記従動プーリ(50)の回転を検出するセンサー(45)を設け
    前記固定シーブ部(54)の外面には前記固定支持部(53)における前記基部先端の端面および前記回転検出用突出部(53b)の端部が露出することを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 前記固定支持部(53)および前記可動支持部(56)が鉄系材料から作られるとともに前記固定シーブ部(54)および前記可動シーブ部(57)がアルミ系材料から作られていることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機。
  3. 前記可動シーブ(55)を前記固定シーブ(52)側に向かって軸方向に付勢するプーリ付勢バネ(58)が設けられており、前記プーリ付勢バネ(58)の一端側を収容するカラー(58a)を支持するカラー支持部(56b)が前記可動支持部(56)に設けられていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のベルト式無段変速機。
  4. 前記従動プーリ(50)の軸方向の側方に前記従動軸(51)と同軸に配設され、前記従動軸(51)と変速機出力軸とを断接する遠心クラッチ(CL)を有し、
    前記遠心クラッチ(CL)を構成するクラッチドラム(63)が、前記変速機出力軸に繋がって配設された略円盤状の底壁部(64)と、前記底壁部(64)の外周端に接合されて取り付けられた円筒状のドラム壁部(65)とから構成され、前記ドラム壁部(65)が前記底壁部(64)より厚いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベルト式無段変速機。
  5. 前記ドラム壁部(65)の外周面に樹脂製の防振リング(66)を取り付けたことを特徴とする請求項4に記載のベルト式無段変速機。
  6. 前記固定支持部(53)の鋳込み部には波形状のフランジ部(53a)が形成され、前記回転検出用突出部(53b)は前記フランジ部(53a)と同一面上に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のベルト式無段変速機。
  7. 前記回転検出用突出部(53b)は前記フランジ部(53a)における周方向に180度離れた位置に一対設けられることを特徴とする請求項6に記載のベルト式無段変速機。
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