JP4865527B2 - 軟磁性成形体およびその製造方法 - Google Patents

軟磁性成形体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4865527B2
JP4865527B2 JP2006339965A JP2006339965A JP4865527B2 JP 4865527 B2 JP4865527 B2 JP 4865527B2 JP 2006339965 A JP2006339965 A JP 2006339965A JP 2006339965 A JP2006339965 A JP 2006339965A JP 4865527 B2 JP4865527 B2 JP 4865527B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft magnetic
maximum temperature
heat treatment
magnetic
molded body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006339965A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008150664A (ja
Inventor
一喜 柴田
真治 内田
修弘 奥田
豊重 坂口
暢之 田上
洋司 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd, Toda Kogyo Corp filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2006339965A priority Critical patent/JP4865527B2/ja
Publication of JP2008150664A publication Critical patent/JP2008150664A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4865527B2 publication Critical patent/JP4865527B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

本発明は、軟磁性成形体およびその製造方法に関し、より詳しくは、表面を珪酸膜で被覆した複合軟磁性粒子を圧粉成形した軟磁性成形体およびその製造方法に関する。本発明の製造方法により製造された軟磁性成形体は、スイッチング電源などに搭載されるトランスやリアクトルなどの磁気部品に適している。
近年、各種電子機器は小型・軽量化されてきており、なおかつ、低消費電力化が求められている。これに伴い、電子機器に搭載される電源として高効率かつ小型のスイッチング電源に対する要求が高まっている。特にノート型パソコンや携帯電話等の小型情報機器、薄型CRT、フラットパネルディスプレイ等に用いられるスイッチング電源では、小型・薄型化が強く求められている。
しかし、スイッチング電源では、その主要な構成部品であるトランスやリアクトルなどの磁気部品が大きな体積を占めており、スイッチング電源を小型・薄型化するためには、これら磁気部品の体積を縮小することが必要不可欠となっていた。
従来、このような磁気部品には、センダストやパーマロイ等の金属磁性材料や、フェライト等の酸化物磁性材料が使用されていた。
金属磁性材料は、一般に高い飽和磁束密度と透磁率を有するが、電気抵抗率が低いため、特に高周波数領域では渦電流損失が大きくなってしまう。スイッチング電源では、高効率化および小型化のため回路を高周波駆動することが行われているが、上記の渦電流損失の影響から高周波駆動できないため金属磁性材料をスイッチング電源用の磁気部品に使用することは困難である。
一方、フェライトに代表される酸化物磁性材料は、金属磁性材料に比べ電気抵抗率が高いため、高周波数領域でも発生する渦電流損失が小さい。しかしながら、トランスやリアクトルを小型化した場合、コイルに流す電流は同じでも磁心にかかる磁場は強くなってしまう。一般に、フェライトの飽和磁束密度は金属磁性材料に比べて小さく、スイッチング電源の磁気部品として使用した場合、上記の理由によりその小型化には限界がある。
つまり、いずれの材料を用いても、スイッチング電源の磁気部品に対して要求される、高周波駆動と小型化の双方を満足させることは困難となっていた。
最近、金属磁性材料および酸化物磁性材料の両者の長所を有する磁性材料として、1〜10μmの粒子からなる金属磁性材の表面をM-FexO4(但しM=Ni、Mn、Zn、x≦2)で表されるスピネル組成の金属酸化物磁性材で被覆してなる高密度焼結磁性体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、湿式フェライト製造法によりフェライトで金属磁性材の表面を被覆した後、水素または水素+窒素の還元性雰囲気中で熱処理してフェライトの完全な被覆を形成している。
さらに、表面に超音波励起フェライトめっきによって形成されたフェライト層の被覆を有する金属または金属間化合物の強磁性体微粒子粉末が圧縮成形され、前記フェライト層を介して前記強磁性体粒子間に磁路を形成するものであることを特徴とする複合磁性材料の提案もある(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭56−38402号公報 国際公開第03/015109号パンフレット
フェライト被覆軟磁性粉末成形体を大気中で熱処理すると成形体の透磁率は増大する。
しかし、実際にはインダクタには直流磁場が印加される。これはインダクタコイル電極に直流電流が重畳して流れるからである。被膜のフェライトはこの直流磁場のため、磁気飽和に近づきフェライト自身の透磁率が低下する。そのため、成形体透磁率も大きく低下する。
磁気部品用磁性材料としては、直流磁場が印加されても成形磁性体透磁率が低下しないあるいは低下量が少ないことが望まれている。
しかし、軟磁性粉の組成を変えて軟磁性粉の直流重畳特性を改善することで直流磁場印加による透磁率低下を改善しようとすると、透磁率自体が低下してしまう。また、インダクタの損失も最小にする必要がある。すなわち、高い透磁率、直流重畳磁場による透磁率低下の低減及び低い損失という3つの課題を同時に達成することが必要であるが、フェライト被覆軟磁性粉末成形体ではこの3つの課題を同時に達成することはできなかった。
直流重畳磁場による透磁率の低下を低減するためには被膜のフェライトを非磁性材料に変えて薄くすることが有効である。被膜のフェライトは直流重畳磁場により磁気飽和に近づきフェライト自身の透磁率が低下する。そのため、成形体透磁率も低下する。成形体透磁率は軟磁性粉末の透磁率と被膜フェライトの透磁率で決まるが、被膜の透磁率の低下がなければ成形体透磁率低下は軽減される。
さらに、非磁性材の被膜は、電気抵抗が高いことが必要である。これは成形体に高周波において渦電流の発生を抑えるためである。
そこで、非磁性材料で電気絶縁性のあるケイ素の酸化物を被膜として用いる。しかし、被膜の厚みは20nm以下の厚みにする必要がある。非磁性被膜の厚みが厚いと成形体透磁率が大きく下がってしまうからである。非磁性被膜の厚みは1nm以上であることが好ましい。1nm未満であるとピンホールの発生などにより電気抵抗を十分高く維持できなくなるおそれがある。この20nm以下という薄い膜を再現性良く成膜するために、軟磁性粒子の表面に水ガラスの加水分解により析出する珪酸を付着させて珪酸膜を成膜する方法を用いる。ちなみに、フェライト膜の場合は、膜厚は約100nmである。
即ち、本発明の軟磁性成形体の製造方法は、軟磁性粒子の表面に水ガラスの加水分解により析出する珪酸を付着させて珪酸膜を成膜した軟磁性粒子を用いた圧粉成形体を大気中あるいは酸素を含むガス中で急速加熱熱処理することを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、μ′が大きくμ″が小さく相対損失係数が5×10−4未満であり、さらに、直流重畳磁場下においてもμ′の低下が少ない軟磁性成形体を得ることができる。
本発明において、軟磁性粒子としては、例えば純鉄、鉄系合金、鉄−ケイ素合金、パーマロイをはじめとした鉄−ニッケル合金、センダスト合金、コバルトおよびコバルト系合金、ニッケルおよびニッケル合金、各種アモルファス合金などの各種の軟磁性材料からなる粒子、粒子の粒界に酸化物や炭化物などの不純物を析出させた軟磁性粒子を挙げることができ、パーマロイからなる粒子であることが好ましい。
パーマロイはNi組成およびMo、Cu、Cr、Mn、Al、Siなどの添加元素組成など種々の組成のものがあるが、Ni78FeMo5パーマロイ(Niが78重量%、Moが5重量%、残りがFeからなるパーマロイ)をはじめとして種々の組成のパーマロイのいずれも用いることができる。
水ガラスは組成がNa0・xSiO・nH0(x=2〜4)で、これを水に溶かした溶液はアルカリ性を示す。この溶液に軟磁性粒子を入れ、酸を溶液に加えると加水分解してゲル状の珪酸(HSiO)が析出し、軟磁性粒子表面に付着する。この後、軟磁性粒子を乾燥させれば、表面に珪酸膜が成膜された軟磁性粒子が得られる。珪酸膜の膜厚は、水ガラス水溶液の濃度で制御可能であり、20nm以下(1〜20nm)という薄い膜を再現性よく成膜できる。
こうして得られた珪酸膜を有する軟磁性粒子を圧縮成形して圧粉成形体を得る。
圧縮成形方法としては、金型を用いて、例えば上下方向から加圧圧縮する単軸圧縮成形、圧縮圧延成形、電気絶縁性非磁性被膜を有する軟磁性粒子をゴム型などにつめて全方向から加圧圧縮する静圧圧縮成形、これらを温間で行う温間単軸圧縮成形、温間静圧圧縮成形(WIP)、熱間で行う熱間単軸圧縮成形および熱間静圧圧縮成形(HIP)などを用いることができる。
本発明においては、得られた圧粉成形体を熱処理する。熱処理することにより透磁率が高く(μ′(透磁率の実部)が大きく)、損失の小さい(μ″(透磁率の虚部)が小さい)成形体を得ることができる。熱処理の最高到達温度は600〜700℃であることが好ましい。最高到達温度が700℃を超えるとμ′も大きくなるが、μ″が大きくなりすぎ、損失が大きくなる。最高到達温度が600℃未満であるとμ′があまり大きくならない。μ′が大きく、μ″が小さくなるようにするために、熱処理の最高到達温度が600〜700℃であることが好ましい。
最高到達温度の保持時間は最高到達温度が高いほど短くすることが好ましい。したがって、本発明においては、急速加熱熱処理を採用する。
急速加熱熱処理とは、最高到達温度を550℃以上、750℃以下、好ましくは600〜700℃とし、少なくとも300℃以上における昇温速度及び降温速度を100℃/min以上、好ましくは200℃/min以上の速度で行い、最高到達温度での保持時間を2000s(秒)以下とする熱処理である。昇温速度及び降温速度の上限は用いる熱処理装置の装置特性で決まる値である。
最高到達温度と最高到達温度での最長保持時間の関係に付き各種実験を積み重ねた結果、例えば、加熱・冷却速度が300℃/sの場合、最高到達温度と最高到達温度での最長保持時間は、図1に示される関係があることがわかった。これを数式で示すと、最長保持時間をt(単位はs(秒))、最高到達温度をT(単位は℃)としたとき、下記式で示されることがわかった。
t=10−0.02*T+15.3
図1から、700℃では保持時間は20s以下、より好ましくは1〜20s、680℃では50s以下、650℃では200s以下、630℃では500s以下、600℃では2000s以下にするのが好ましいことがわかった。長すぎるとμ″が大きくなりすぎ損失が増大する。なお、保持時間が短すぎるとμ′が十分大きくならない。熱処理時間は相対損失係数(=μ″/(μ′))が5×10−4未満になるような範囲に留めるのが良い。
熱処理中のガス雰囲気は、大気あるいは酸素含有ガスが好適である。
特に軟磁性粒子としてパーマロイを用いると、600〜700℃の急速加熱熱処理においてパーマロイ成形体は透磁率が大きく向上し、相対損失は小さい。更に、直流重畳特性も良い。すなわち、高透磁率、低相対損失、直流重畳による透磁率低滅も小さい圧粉成形体が得られる。
以下に、実施例を用いて、本発明を更に説明する。
<実施例1>
粒子径8μmのNi78FeMo5パーマロイ粉末表面に珪酸膜を形成した。即ち、パーマロイ粉末を水ガラス水溶液に投入した。水ガラスは組成がNa0・xSiO・nH0(x=2〜4)で、これを水に溶かした溶液はアルカリ性を示す。この水溶液に液のpHが8.5になるまで塩酸を滴下した。塩酸滴下により水ガラスが加水分解してゲル状の珪酸(HSiO)がパーマロイ粉末表面に析出した。次に、パーマロイ粉末を水で洗浄した後、乾燥させて、珪酸膜被覆パーマロイ粉末を得た。珪酸膜の膜厚は10nmであった。
この珪酸膜被覆パーマロイ粒子粉末をプレス圧力784MPa(8トン重/cm)で内径3mm、外径8mm、厚さ0.3mmのトロイダル状に圧縮成形した。
この成形体を大気中で、最高到達温度700℃、最高到達温度保持時間1s、加熱速度、冷却速度ともに300℃/minの急速加熱処理を行った。
こうして得られた成形体に付き、B−Hアナライザを用いて、周波数を変えながら透磁率を測定した。測定時の交流磁場振幅は40A/mである。
得られた成形体の2MHzにおけるμ′は159、μ″は9であった。このときの相対損失係数は3.6×10−4であった。また、直流重畳磁場が500A/mのときのμ′は149であった。
<実施例2>
実施例1と同様にして、平均粒子径8μmのNi78FeMo5パーマロイ粒子粉末の表面に10nmの膜厚の珪酸被膜を形成し、内径3mm、外径8mm、厚さ0.3mmのトロイダル状成形体を得た。
この成形体を大気中で、最高到達温度650℃、最高到達温度保持時間60s、加熱速度、冷却速度ともに300℃/minの急速加熱熱処理を行った。
こうして得られた成形体に付き、B−Hアナライザを用いて、周波数を変えながら透磁率を測定した。測定時の交流磁場振幅は40A/mである。
得られた成形体の2MHzにおけるμ′は153、μ″は8であった。このときの相対損失係数は3.4×10−4であった。また、直流重畳磁場が500A/mのときのμ′は145であった。
<実施例3>
実施例1と同様にして、平均粒子径8μmのNi78FeMo5パーマロイ粒子粉末の表面に10nmの膜厚の珪酸被膜を形成し、内径3mm、外径8mm、厚さ0.3mmのトロイダル状成形体を得た。
この成形体を大気中で、最高到達温度600℃、最高到達温度保持時間1000s、加熱速度、冷却速度ともに300℃/minの急速加熱熱処理を行った。
こうして得られた成形体に付き、B−Hアナライザを用いて、周波数を変えながら透磁率を測定した。測定時の交流磁場振幅は40A/mである。
得られた成形体の2MHzにおけるμ′は138、μ″は6であった。このときの相対損失係数は3.2×10−4であった。また、直流重畳磁場が500A/mのときのμ′は133であった。
<実施例4>
水ガラス濃度を実施例1の場合の倍にした以外は実施例1と同様にして、平均粒子径8μmのNi78FeMo5パーマロイ粒子粉末の表面に20nmの膜厚の珪酸被膜を形成し、内径3mm、外径8mm、厚さ0.3mmのトロイダル状成形体を得た。
この成形体を大気中で、最高到達温度700℃、最高到達温度保持時間1s、加熱速度、冷却速度ともに300℃/minの急速加熱熱処理を行った。
こうして得られた成形体に付き、B−Hアナライザを用いて、周波数を変えながら透磁率を測定した。測定時の交流磁場振幅は40A/mである。
得られた成形体の2MHzにおけるμ′は130、μ″は4であった。このときの相対損失係数は2.4×10−4であった。また、直流重畳磁場が500A/mのときのμ′は123であった。
<実施例5>
実施例1と同様にして、平均粒子径8μmのNi55FeMo5パーマロイ粒子粉末の表面に10nmの膜厚の珪酸被膜を形成し、内径3mm、外径8mm、厚さ0.3mmのトロイダル状成形体を得た。
この成形体を大気中で、最高到達温度700℃、最高到達温度保持時間1s、加熱速度、冷却速度ともに300℃/minの急速加熱熱処理を行った。
こうして得られた成形体に付き、B−Hアナライザを用いて、周波数を変えながら透磁率を測定した。測定時の交流磁場振幅は40A/mである。
得られた成形体の2MHzにおけるμ′は73、μ″は1であった。このときの相対損失係数は1.9×10−4であった。また、直流重畳磁場が500A/mのときのμ′は70であった。
<比較例1>
実施例1で用いたのと同様の平均粒子径8μmのNi78FeMo5パーマロイ粒子粉末を用い、超音波励起フェライトめっき法によりフェライトめっき軟磁性粒子を以下のようにして作製した。
めっき反応液としてはFeCl+NiCl+ZnClの水溶液、酸化液としてはNaNO+NHOHを用いて超音波励起フェライトめっきを行い、めっき膜厚100nmのフェライトめっき軟磁性粒子を得た。
このフェライトめっきパーマロイ粒子粉末をプレス圧力784MPa(8トン重/cm)で内径3mm、外径8mm、厚さ0.3mmのトロイダル状に圧縮成形した。
この成形体を窒素中で、最高到達温度550℃、最高到達温度保持時間1s、加熱速度、冷却速度ともに300℃/minの急速加熱処理を行った。
こうして得られた成形体に付き、B−Hアナライザを用いて、周波数を変えながら透磁率を測定した。測定時の交流磁場振幅は40A/mである。
得られた成形体の2MHzにおけるμ′は151、μ″は11であった。このときの相対損失係数は4.8×10−4であった。また、直流重畳磁場が500A/mのときのμ′は108であった。
<比較例2>
実施例5で用いたのと同様の平均粒子径8μmのNi55FeMo5パーマロイ粒子粉末を用い、超音波励起フェライトめっき法によりフェライトめっき軟磁性粒子を以下のようにして作製した。
めっき反応液としてはFeCl+NiCl+ZnClの水溶液、酸化液としてはNaNO+NHOHを用いて超音波励起フェライトめっきを行い、めっき膜厚100nmのフェライトめっき軟磁性粒子を得た。
このフェライトめっきパーマロイ粒子粉末をプレス圧力784MPa(8トン重/cm)で内径3mm、外径8mm、厚さ0.3mmのトロイダル状に圧縮成形した。
この成形体を窒素中で、最高到達温度700℃、最高到達温度保持時間1s、加熱速度、冷却速度ともに300℃/minの急速加熱処理を行った。
こうして得られた成形体に付き、B−Hアナライザを用いて、周波数を変えながら透磁率を測定した。測定時の交流磁場振幅は40A/mである。
得られた成形体の2MHzにおけるμ′は74、μ″は3であった。このときの相対損失係数は5.5×10−4であった。また、直流重畳磁場が500A/mのときのμ′は67であった。
Ni78FeMo5パーマロイに関する実施例1〜4と比較例1の比較から、実施例1,2ではμ′は比較例1よりも大きく、μ″は比較例1より小さいことがわかる。実施例3,4ではμ′は比較例1よりも小さいものの、μ″が比較例1よりも格段に小さくなっている。500m/Aの直流重畳磁場の下でのμ′は、実施例1〜4では比較例より格段に大きい、各実施例とも、相対損失係数は比較例より小さいことがわかる。
また、比較例2は実施例5で用いたと同じ組成のパーマロイを用いて、従来の方法で製造した例であり、Ni55FeMo5パーマロイに関する実施例5と比較例2より、実施例5のμ′は比較例2のμ′と同程度であるものの、μ″は比較例2(および比較例1)より小さいことがわかる。500m/Aの直流重畳磁場の下でのμ′は比較例2より大きい。特に相対損失係数については、実施例5が比較例1,2より小さくなっていることがわかる。
本発明の製造方法によれば、μ′が大きくμ″が小さく相対損失係数が5×10−4未満であり、さらに、直流重畳磁場下においてもμ′の低下が少ない軟磁性成形体を得ることができる。従って、本発明の製造方法で得られる軟磁性成形体を用いれば、スイッチング電源を小型・薄型化することができる。
最高到達温度と最高到達温度における最長保持時間の関係を示す図である。

Claims (5)

  1. 水ガラスの加水分解により析出した珪酸を軟磁性粒子に付着させて表面に厚みが1nm以上20nm以下である珪酸膜を成膜した軟磁性粒子を用いて圧縮成形してなる圧粉成形体を大気中あるいは酸素を含むガス中で急速加熱熱処理し、急速加熱熱処理とは、最高到達温度を550℃以上、750℃以下とし、少なくとも300℃以上における昇温速度及び降温速度を100℃/min以上の速度で行い、最高到達温度での保持時間を2000s以下とする熱処理であることを特徴とする軟磁性成形体の製造方法。
  2. 前記急速加熱熱処理における最高到達温度が600〜700℃であることを特徴とする請求項1記載の軟磁性成形体の製造方法。
  3. 前記軟磁性材料がパーマロイであることを特徴とする請求項1または2記載の軟磁性成形体の製造方法。
  4. 熱処理の最高到達温度と最高到達温度における最長保持時間の関係が、最高到達温度680〜700℃のとき最高到達温度における最長保持時間が1〜50s、650〜680℃のとき50〜200s、630〜650℃のとき200〜500s、600〜630℃のとき500〜2000sであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の軟磁性成形体の製造方法。
  5. 水ガラスの加水分解により析出した珪酸を軟磁性粒子に付着させて表面に膜厚が1nm以上20nm以下である珪酸膜を成膜した軟磁性粒子を用いて圧縮成形してなる圧粉成形体を大気中あるいは酸素を含むガス中で急速加熱熱処理し、急速加熱熱処理とは、最高到達温度を550℃以上、750℃以下とし、少なくとも300℃以上における昇温速度及び降温速度を100℃/min以上の速度で行い、最高到達温度での保持時間を2000s以下とする熱処理であることを特徴とする軟磁性成形体。
JP2006339965A 2006-12-18 2006-12-18 軟磁性成形体およびその製造方法 Active JP4865527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006339965A JP4865527B2 (ja) 2006-12-18 2006-12-18 軟磁性成形体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006339965A JP4865527B2 (ja) 2006-12-18 2006-12-18 軟磁性成形体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008150664A JP2008150664A (ja) 2008-07-03
JP4865527B2 true JP4865527B2 (ja) 2012-02-01

Family

ID=39653152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006339965A Active JP4865527B2 (ja) 2006-12-18 2006-12-18 軟磁性成形体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4865527B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3650289B2 (ja) * 1999-07-30 2005-05-18 日鉄鉱業株式会社 マゼンタ色粉体およびその製造方法
JP2005079511A (ja) * 2003-09-03 2005-03-24 Sumitomo Electric Ind Ltd 軟磁性材料およびその製造方法
JP2006128307A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Fuji Electric Holdings Co Ltd 軟磁性成形体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008150664A (ja) 2008-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4872833B2 (ja) 圧粉磁心およびその製造方法
TWI451452B (zh) 軟磁性合金及使用此合金之磁性元件與其製造方法
JP5710427B2 (ja) 磁性材料、磁性材料の製造方法および磁性材料を用いたインダクタ素子
US8974608B2 (en) Powder magnetic core and the method of manufacturing the same
JP4308864B2 (ja) 軟磁性合金粉末、圧粉体及びインダクタンス素子
JP2006351946A (ja) 軟磁性成形体の製造方法
WO2018179812A1 (ja) 圧粉磁心
JP2009164401A (ja) 圧粉磁心の製造方法
JP2006287004A (ja) 高周波用磁心及びそれを用いたインダクタンス部品
JP2009158802A (ja) 圧粉磁心の製造方法
US10910153B2 (en) Superparamagnetic iron cobalt alloy and silica nanoparticles of high magnetic saturation and a magnetic core containing the nanoparticles
JP2009054709A (ja) 圧粉磁心及びその製造方法
JP2005317679A (ja) 磁気部品およびその製造方法
JP4888784B2 (ja) 絶縁酸化被膜付き軟磁性金属粒子
JP2012204744A (ja) 軟磁性金属粉末及びその製造方法、圧粉磁心及びその製造方法
JP2009295613A (ja) 圧粉磁心の製造方法
JP4865527B2 (ja) 軟磁性成形体およびその製造方法
JP2006080166A (ja) 圧粉磁心
JP2005167097A (ja) 磁気部品の製造方法及びその磁気部品
JP4507176B2 (ja) 複合磁性材料および磁気部品
WO2022121208A1 (zh) 一种软磁性粉末及其制备方法和用途
JP2005311078A (ja) 複合磁気部品の製造方法および複合磁気部品
JP2005136358A (ja) 磁芯及び軟磁性鉄基粉末
JP2007067219A (ja) 複合磁性材料、磁気部品及び磁気部品の製造方法
JP2004014613A (ja) 高密度および高透磁性を有するFe−Co系複合軟磁性焼結合金の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111021

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4865527

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250