JP4864367B2 - コントロールケーブルの端末支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アウターケーシング内に摺動自在に挿通されたインナーケーブルを有するコントロールケーブルの端末を支持する装置(以下、端末支持装置という)に関する。
コントロールケーブルは、一方の端末(入力装置)に入力された操作を他方の端末(出力装置)に伝達する。すなわち、コントロールケーブルのアウターケーシングは、その一端が入力装置に設けられた端末支持装置に支持され、その他端が出力装置に設けられた端末支持装置に支持される。両端が支持されたアウターケーシング内をインナーケーブルが進退動することで、入力装置に入力された操作が出力装置に伝達される。
入力装置と出力装置はコントロールケーブルを介して接続されるため、出力装置が振動するとその振動がコントロールケーブルを介して入力装置に伝達され、あるいは、入力装置が振動するとその振動がコントロールケーブルを介して出力装置に伝達される。このため、出力装置の振動が入力装置に伝達されず、あるいは、入力装置の振動が出力装置に伝達されないように、防振構造を備えたコントロールケーブルの端末支持装置が開発されている。
コントロールケーブルの端末支持装置は、通常、アウターケーシングの端末が固定されるハブを備えている。ハブの外周には鍔部が形成され、鍔部の一方の面に第1クッションが当接し、鍔部の他方の面に第2クッションが当接している。鍔部は、第1及び第2クッションに挟まれた状態で、入力装置又は出力装置に固定されたケーシングによって保持されている。このため、入力装置又は出力装置が振動すると、その振動はケーシングを介して第1及び第2クッションに伝達され、第1及び第2クッションからコントロールケーブルに伝達される。したがって、入力装置又は出力装置の振動が第1及び第2クッションによって吸収され、コントロールケーブルを介して他方に伝達されることが防止される。
この種の端末支持装置においては、防振性能を高めるためにはクッション材のバネ定数を低くすることが好ましく、操作フィーリングを向上するためにはクッション材のバネ定数を高くすることが好ましいことが知られている。すなわち、クッション材のバネ定数を低くすると高周波の振動を効率的に抑制することができる反面、ケーシングに対してハブが移動しやすく操作フィーリング(節度感)が悪化する。一方、クッション材のバネ定数を高くすると操作フィーリングは向上するが、高周波の振動特性が悪化する。このため、コントロールケーブルに作用する荷重(操作力)が小さいときはクッション材のバネ定数が低く、作用する荷重(操作力)が大きくなるとクッション材のバネ定数が高くなるように、種々の改良が行われている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の端末支持装置では、その内周側から外周側に向かって鍔部から離れるように、コントロールケーブルの軸線に対して傾斜させたクッション材を用いている。このため、コントロールケーブルが無負荷の状態では、クッション材の内周側のみがハブの鍔部に当接し、クッション材の外周側はハブの鍔部から離れている。コントロールケーブルに作用する負荷が大きくなると、それに応じてクッション材が曲げ変形し、クッション材の全体がハブの鍔部に当接する。クッション材の全体がハブの鍔部に当接した後は、クッション材全体が圧縮変形することで、コントロールケーブルに作用する荷重を受ける。したがって、コントロールケーブルに作用する荷重が低い領域では、クッション材が曲げ変形してコントロールケーブルに作用する荷重を受けるため、クッション材のバネ定数は低くなる。一方、コントロールケーブルに作用する荷重が高くなると、クッション材の全体が圧縮変形してコントロールケーブルに作用する荷重を受けるため、そのバネ定数は高くなる。これによって、振動特性と操作フィーリングの両立が図られている。
特開2004−84684号公報
上述した特許文献1の端末支持装置では、低荷重域においてクッション材を曲げ変形させることで、クッション材のバネ定数を低く抑えている。このため、低荷重域のバネ定数をより下げようとすると、クッション材の曲げ剛性自体を小さくしなければならない。しかしながら、クッション材の曲げ剛性自体を小さくするためには、クッション材の特性等を変えなければならず、高荷重域において充分な剛性が得られなくなるという問題があった(すなわち、操作フィーリングが悪化する)。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高荷重域で充分な剛性を得ることができる一方で、低荷重域でより低いバネ定数とすることができるコントロールケーブルの端末支持装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の端末支持装置は、アウターケーシングと、アウターケーシングに摺動自在に挿通されたインナーケーブルとを有し、アウターケーシングの端末にハブが固定されているコントロールケーブルの端末を支持する装置であり、ハブの外周に形成された鍔部の一方の面に当接する第1クッションと、鍔部の他方の面に当接する第2クッションと、鍔部を第1及び第2クッションで挟んだ状態で、鍔部並びに第1及び第2クッションを保持するケーシングと、を備えている。第1クッションと第2クッションの少なくとも一方の鍔部との当接面には、鍔部に向かって突出する第1凸部が形成されている。第1凸部は、コントロールケーブルの軸芯を中心とする環状の環状突起であり、その先端が、鍔部に向かって凸な半径rの円弧形状に形成されている。そして、第1凸部が形成されたクッションの直径をdとしたときに、r/dが0.01〜0.06の範囲となる。
このコントロールケーブルの端末支持装置では、コントロールケーブルが無負荷の状態では、第1及び/又は第2クッションの当接面に設けた第1凸部の先端がハブの鍔部と当接し、第1凸部の周辺の部分は鍔部とは当接していない(すなわち、第1凸部の周囲にはスペースが形成されている)。
コントロールケーブルに荷重が作用すると、その荷重はアウターケーシングを介してハブに伝わり、鍔部に当接している第1凸部を圧縮変形させる。この際、第1凸部の周囲にはスペースが形成されているため、第1凸部は容易に変形することができる。一方、コントロールケーブルに作用する荷重が大きくなって第1凸部の変形量が大きくなると、第1及び/又は第2クッションの当接面の略全体が鍔部と当接し、第1及び/又は第2クッションの略全体が圧縮変形する。
したがって、コントロールケーブルに作用する荷重が小さいと第1及び/又は第2クッションの一部のみが圧縮変形し、第1及び/又は第2クッションのバネ定数が低く抑えられる。一方、コントロールケーブルに作用する荷重が大きくなると、第1及び/又は第2クッションの圧縮変形する部分が増加し、第1及び/又は第2クッションのバネ定数は徐々に高くなる。
このコントロールケーブルの端末支持装置によると、第1及び/又は第2クッションに第1凸部を設けることで、第1及び/又は第2クッションの低荷重域におけるバネ定数を小さくする。このため、第1及び/又は第2クッションの特性を変えなくても、第1凸部の形状(例えば、鍔部と当接する面積)を変えて、より低いバネ定数とすることができる。また、高加重域においては、第1及び/又は第2クッションの全体が鍔部と当接して圧縮変形するため、第1凸部の形状が変わっても充分な剛性を得ることができる。また、第1凸部がケーブルの軸芯を中心とする環状に形成されているため、コントロールケーブルに作用する荷重をバランスよく受けることができる。
上記の端末支持装置において、ハブの鍔部は、厚肉に形成された基部と、その基部の外周に形成された薄肉の周縁部と、を備えることができる。この場合に、第1凸部が形成された当接面は、鍔部の基部と当接する第1当接部と、第1当接部から外側に伸びると共に第1凸部が形成された第2当接部とを備えている。そして、コントロールケーブルが無負荷の状態では、第1当接部が鍔部に当接すると共に、第2当接部の第1凸部が鍔部に当接していることが好ましい。
このような構成によると、コントロールケーブルに作用する荷重が小さいときは、その荷重を第1当接部と第1凸部で分担して受けることができる。また、コントロールケーブルに作用する荷重が大きくなると、その荷重を第1当接部と第2当接部の全体で分担して受けることができる。
上記の端末支持装置では、第1クッションと第2クッションの少なくとも一方は、コントロールケーブルの軸線と直角方向となる外周面にケーシングに向かって突出する第2凸部が形成されていることが好ましい。
このような構成によると、第1及び/又は第2クッションの圧縮変形量が大きくなるのに応じて、第2凸部とケーシングとが当接している部分の面積が増大し、第1及び/又は第2クッションの変形抵抗を増大させる。これによって、第1及び/又は第2クッションの剛性が高まり(高バネ定数化し)、操作フィーリングを向上することができる。
まず、以下に説明する実施例の特徴を列記する。
(形態1) ハブの鍔部の前面には第1クッションが当接し、ハブの鍔部の後面には第2クッションが当接する。
(形態2) 第1クッションには、ハブの鍔部に向かって突出する第1凸部と、ケーシングに向かって突出する第2凸部が形成される。
(形態3) 第2クッションは、ハブの鍔部に向かって突出する第1凸部と、ケーシングに向かって突出する第2凸部が形成される。
(形態4) 第1凸部の断面形状が鍔部に向かって凸な円弧形状となる。その円弧形状の半径をrとし、クッションの直径をdとすると、r/dは0.01〜0.06の範囲となっている。
(形態5) 第1凸部の断面形状が、鍔部に向かって凸な台形形状を有している。その台形形状の上辺と斜辺がなす角度θは10°〜70°の範囲となっている。
以下、本発明を具現化した一実施例に係る端末支持装置について図面を参照して説明する。本実施例の端末支持装置は、自動車トランスミッション用のコントロールケーブルの端末を支持する装置であり、特に、トランスミッション側の端末を支持するために用いられる。この端末支持装置は、エンジンルーム内に配置されたトランスミッションのステーやホルダーに取付けられる。
図1に示すように端末支持装置10は、アウターケーシング11が固定されるハブ12と、端末支持装置10をエンジンルーム内に固定するためのプレート30と、ハブ12をプレート30に保持するためのブラケット32と、ハブ12とプレート30及びブラケット32の間に配されるクッション40,50を備えている。
ハブ12は、シフトレバー側に設けられた先端筒部14と、トランスミッション側に設けられた後端筒部18と、先端筒部14と後端筒部18の間に設けられた鍔部16を備えている。
先端筒部14の中心には固定部34が配設されている。固定部34は、金属製の円筒部材であり、その中心に貫通孔35が形成されている。貫通孔35の先端内周面にはネジが形成されている。貫通孔35にはアウターケーシング11の端末が挿入され、固定部34の先端部外周面にプレスかしめを行うことで、ハブ12にアウターケーシング11が固定される。ネジが形成された部分では、かしめによってネジ部と接触するアウターケーシング表面が緊密に結合し、気密性が確保される。
後端筒部18には貫通孔20が形成されている。貫通孔20は、先端側から後端側に向かって拡径しており、その先端では固定部34の貫通孔35と連通している。貫通孔20の軸線と固定部34の軸線は同一直線上となるように調整されている。貫通孔20には、ガイドパイプ22の球面状の膨大部26を首振り可能に保持する凹部21が形成されている。ガイドパイプ22にはロッド24が進退動可能に挿通されている。ロッド24の後端はトランスミッション側に取付けられ、ロッド24の先端はインナーケーブル(図示しない)が取付けられる。
図2に示すように鍔部16は、厚肉に形成された基部16aと、基部16aから外周側に伸びる薄肉の周縁部16cを備えている。基部16aと周縁部16cの境界には段差部16bが形成されている。図2から明らかなように、周縁部16cの外径はブラケット32の外径より小さく、周縁部16cとブラケット32の間にはスペースが形成されている。なお、ハブ12は、型内に固定部34をインサートした状態で型内に樹脂を射出することで、固定部34と一体に製造することができる。
鍔部16の前面にはクッション40が配置される。クッション40は、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂エラストマーなどのゴム状の高分子弾性体によって製造することができる。図1〜3に示すようにクッション40は、ハブ12の先端筒部14に嵌合する筒状部41と、筒状部41の後端に形成されたフランジ部47とから構成されている。
筒状部41の貫通孔45には先端筒部14が挿通されている。筒状部41の先端には、ブラケット32からクッション40の脱落を防止する突起42が形成されている。
フランジ部47は円板状に形成されている。フランジ部47は、内周側に形成された薄肉の第1当接部44と、第1当接部44の外側に形成された第2当接部46を有している。図2に良く示されるように、第1当接部44の後面は鍔部16の基部16aに当接し、その前面はブラケット32に当接している。
第2当接部46は、その前面がフラットに形成され、その後面(すなわち、鍔部16と対向する面)に環状の第1突起48bが、その外周面に第2突起48aが形成されている。図2から明らかなように、コントロールケーブルが負負荷の状態では、第2当接部46の前面はその全体がブラケット32に当接し、第2当接部46の後面は第1突起48bが鍔部16(周縁部16c)に当接し、第2当接部46の外周面は第2突起48aがブラケット32に当接している。
図2,4に示すように、第1突起48bは鍔部16の周縁部16cに向かって突出し、ケーブル軸に対して傾斜(軸直方向に対する傾斜角度θ1)している。第1突起48bをケーブル軸に対して傾斜させることで、第1突起48bの下方(鍔部16の段差部16bとの間)に充分なスペースが形成されている。ここで、第1突起48bの傾斜角度θ1は、45°〜90°の範囲に調整されていることが好ましい。傾斜角度が90°を越えると第1突起48bの下方に充分なスペースが確保できず、傾斜角度が45°未満であると第1突起48bの突出量を充分に大きくすることができないためである。
第1突起48bの先端は円弧状(半径r1)に形成されている。第1突起48bの半径r1とフランジ部47の直径d(図3参照)とは、r1/dが0.01〜0.06の範囲に調整されていることが好ましい。r1/dが0.01未満であると、円弧形状とした効果(振動特性の向上)を充分に発揮できないためである(すなわち、円弧形状としない場合の性能と略同等となってしまうためである)。また、r1/dが0.06を越えると、円弧が大きくなりスペースを確保することができなくなるためである。
第2突起48aは、第2当接部46の全周にわたって形成されている。第2突起48aは、ブラケット32に向かって突出し、ケーブル軸に対して傾斜している(図4においてはケーブルの軸直方向に対して傾斜角度θ2,θ3となっている)。第2突起48aが傾斜しているため、第2突起48aの前方のブラケット32との間にスペースが確保され、第2突起48aの後方(第1突起48bの上方でもある)にスペースが確保されている。第2突起48aの先端も円弧状(半径r2)に形成されている。第2突起48aの傾斜角度θ2,θ3及び半径r2は、シフトレバー操作時にハブ12に作用する荷重等に応じて適宜決定することができる。
鍔部16の後面にはクッション50が配置される。クッション50は、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂エラストマーなどのゴム状の高分子弾性体によって製造することができる。図1〜3に示すようにクッション50は、上述したクッション40と略同一の構成を有し、ハブ12の後端筒部18が挿通する筒状部51と、筒状部51の先端に形成されたフランジ部57とから構成されている。
筒状部51は、クッション40の筒状部41と同様に構成され、その後端にはクッション50からプレート30が脱落することを防止する突起52が形成されている。なお、筒状部51の肉厚は、クッション40の筒状部41よりも厚くされている。これは、シフトレバーを前方に操作する際の操作力と、後方に操作する際の操作力を異ならせるためである。
フランジ部57も、内周側に形成された薄肉の第1当接部54と、第1当接部54の外側に形成された第2当接部56を有している。図2に良く示されるように、第1当接部54の前面は鍔部16の基部16aに当接し、その後面はプレート30に当接している。
第2当接部56は、その後面がフラットに形成され、その前面(すなわち、鍔部16と対向する面)に環状の第1突起58bが、その外周面に第2突起58aが形成されている。第2当接部56の後面はその全体がブラケット32に当接し、第2当接部56の前面は第1突起58bが鍔部16(周縁部16c)に当接し、第2当接部56の外周面では第2突起58aがブラケット32に当接している。第1突起58bはクッション40の第1突起48bと略同一形状に形成されており、第2突起58aはクッション40の第2突起48aと略同一形状に形成されている。このため、第1突起58bの上方と下方にもスペースが設けられており、第2突起58aの前方と後方にもスペースが設けられている。
上述したハブ12とクッション40,50は、プレート30とブラケット32によって保持される。すなわち、図1に示すように、プレート30には開口30aが形成されており、この開口30aにクッション50の筒状部51が取付けられる。プレート30にクッション50の筒状部51が取付けられると、クッション50の後面がプレート30の前面に当接する。なお、プレート30は取付片30bを備えている。取付片30bは、端末支持装置10をトランスミッションのステー又はホルダーに取付けるために用いられる。
ブラケット32は、鍔部16の外周を覆う側面部32aと、側面部32aの前端を塞ぐ端面部32bを有している。側面部32aの後端32dは外側に折り曲げられている。端面部32bの中央には開口32cが形成されており、その開口32cにクッション40の筒状部41が取り付けられる。クッション40の筒状部41にブラケット32が取付けられると、ブラケット32の端面部32bがクッション40のフランジ部47の前面に当接し、ブラケット32の側面部32aの後端32dがプレート30に当接する。
プレート30とブラケット32は、図示しないボルト・ナットによって連結される。プレート30とブラケット32が連結されると、ハブ12は鍔部16の前後面をクッション40,50に挟まれた状態で、プレート30及びブラケット32に囲まれた空間内に収容される。
次に、上述した端末支持装置10の作用について説明する。コントロールケーブルからハブ12に負荷が作用しない状態(図2に示す無負荷状態)では、クッション40,50の第1当接部44,54が鍔部16の基部16aに当接し、クッション40,50の第1突起48b,58bが鍔部16の周縁部16cに当接し、クッション40,50の第2突起48a,58aがブラケット32の側面部32aに当接している。図2より明らかなように、第1突起48b,58bの上下両方向にスペースが確保されており、第2突起48a,58aの前後両方向にもスペースが確保されている。
かかる状態からシフトレバーが操作されて、コントロールケーブルに荷重が作用すると、その荷重はハブ12を介してクッション40,50のいずれか一方に作用する。ハブ12からクッション40又は50に作用する力が弱いときは、第1当接部(44又は54)と第1突起48b又は58bにのみ力が作用し、これらの部分が圧縮変形する。また、第1突起48b又は58bが圧縮変形するのに応じて、クッション40又は50の外径が拡大し、第2突起48a又は58aもブラケット32に押し付けられて圧縮変形する。この際、第1突起48b又は58bの上下両方向にスペースがあり、また第2突起48a又は58aの前後両方向にもスペースがある。このため、第1突起48b又は58bと第2突起48a又は58aは容易に変形することができる。これらによって、ハブ12からクッション40又は50に作用する力が小さくても、クッション40又は50は大きく変形することができる(すなわち、ハブ12は大きく変位する)。したがって、ハブ12に作用する荷重が低い領域(低荷重領域)では、クッション40又は50のバネ定数は小さな値となっている。
一方、ハブ12からクッション40又は50に作用する力が大きくなると、第1突起48b又は58bの圧縮変形量が大きくなり、また、第2突起48a又は58aの圧縮変形量も大きくなる。このため、第1突起48b又は58bの上下両方向にあるスペースが徐々になくなり、また、第2突起48a又は58aの前後両方向にあるスペースも徐々になくなる。このため、クッション40又は50の変形抵抗は徐々に大きくなり、クッション40又は50のバネ定数も徐々に大きくなる。
図5は本実施例の端末支持装置10のハブ12の変位とハブ12に作用する荷重との関係を示している。なお、図5は比較例(特許文献1に示されているクッションを用いた場合)についても併せて示している。
図5に示すように、比較例では、ハブ12の変位に対してハブ12に作用する荷重が直線的に変化しており、たわみ量が所定値未満(クッションが曲げ変形する領域)では小さなバネ定数となり、たわみ量が所定値を超えると(クッションが圧縮変形する領域)大きなバネ定数に変化している(いわゆる、2段特性となっている)。一方、本実施例では、ハブ12の変位に対してハブに作用する荷重が直線的に変化せず、荷重−たわみ特性は非線形性を示している。これは、ハブ12に作用する荷重に応じて第1突起48b、58bや第2突起48a,58aの変形量が増大し、それによってクッション40,50の変形抵抗も徐々に変化するためである。また、本実施例では、比較例と比較して、低荷重域においてバネ定数がより低くなっており、高荷重域においては比較例と同等の剛性を有している。
ここで、クッション40(50)の第1突起48a(58a)の形状を種々に変えて、その振動特性(ノイズ発生の有無)と操作フィーリングを評価した結果について説明する。評価は、実車に端末支持装置10を搭載して行った。振動特性については車室内のノイズの有無を評価者が感応評価し、操作フィーリングについては評価者が実際にシフトレバーを操作したときのフィーリングによって評価した。クッション40(50)の第1突起48b(58b)の形状は、θ1を66°、θ2を53°、θ3を18°とし、r1を0.2mm〜2.5mmの間で変化させた(θ1,θ2,θ3,r1については図4を参照)。なお、クッション40(50)の外径dは35mmとした。
試験結果を表1に示す。表1のノイズの有無の欄においては、×はノイズが気になる程度まで発生した状態を示しており、△はノイズが発生しているが気にならない状態を示しており、○はノイズが発生しているか否かが殆ど分からない状態を示している。また、操作フィーリングの欄においては、×はシフトレバーを通常に操作してもグニャグニャ感を感じる状態を示しており、△はシフトレバーを強く操作したときにのみグニャグニャ感を感じる状態を示しており、○はシフトレバーを強く操作したときでもグニャグニャ感を感じない状態を示している。表1から明らかなように、r1を0.3〜2.0mmの範囲に調整することによって、振動特性と操作フィーリングの両者を満足することができた。
Figure 0004864367
上述の説明から明らかなように本実施例の端末支持装置10は、クッション40(50)に第1突起48b(58b)を設け、また、その上下両方向にスペースを確保している。このため、クッション40(50)が非線形な荷重特性となり、低荷重域においてクッション40(50)のバネ定数を極めて低く設定することができる。これによって、ノイズを低減することができる。
また、クッション40(50)には第2突起48a(58a)が設けられているため、クッション40(50)に作用する荷重が大きくなったときのクッション40(50)の半径方向への変形を規制し、クッション40(50)の高バネ定数化を促進する。このため、高荷重域においてはクッション40(50)のバネ定数を高くすることができ、操作フィーリングを良好に保つことができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、クッション40(50)に設けられる第1突起の形状は図4に示すように先端を円弧状にする必要は必ずしもなく、例えば、図6に示すように、第1突起48b’を台形状とすることもできる。この場合、図中に示す傾斜角度θ(ケーブル軸線に対する角度)を10〜70°の範囲に調整することが好ましい。傾斜角度θが10°未満であると、第1突起48b’が変形するためのスペースを充分に確保することができないためである。また、傾斜角度θが70°を超えると、第1突起48b’の突出量を大きくとることができないためである。
なお、表2は、第1突起48b’の傾斜角θ(図6参照)を5〜80°の範囲で変えて、振動特性(ノイズの発生の有無)と操作フィーリングを感応評価した結果を示している。感応評価の方法は、上述した例と同様に行った。表2から明らかなように、傾斜角θを10〜70°の範囲に調整することによって、振動特性と操作フィーリングの両者を満足することがわかる。
Figure 0004864367
また、上述した実施例では、クッション40(50)に設けた第1突起が環状の突起48b(58b)であったが、本発明はこのような例に限られない。例えば、図7に示すように、クッション60のハブと対向する面に複数の突起62を形成するようにしてもよい。この場合、突起62はケーブルの軸芯から同一円周上に配置されることが好ましい。なお、突起62の形状は、円弧状であっても台形状であってもよい。
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本実施例に係る端末支持装置の断面図である(コントロールケーブルに負荷が作用していない状態)。 図1のハブとクッションとが当接する部分を拡大して示す図である(コントロールケーブルに負荷が作用していない状態)。 クッションをハブの鍔部側から見た図である。 クッションの第1突起と第2突起の形状を拡大して示す図である。 本実施例の「荷重−たわみ特性」と、比較例の「荷重−たわみ特性」とを併せて示す図である。 クッションの他の例を示す断面図。 クッションのさらに他の例を示す図(ハブの鍔部側から見た図)。
符号の説明
10・・端末支持装置
12・・ハブ
14・・先端筒部
16・・鍔部
18・・後端筒部
22・・ガイドパイプ
24・・ロッド
26・・膨大部
30・・プレート
32・・ブラケット
34・・固定部
40・・クッション
50・・クッション

Claims (3)

  1. アウターケーシングと、このアウターケーシングに摺動自在に挿通されたインナーケーブルとを有し、アウターケーシングの端末にハブが固定されているコントロールケーブルの端末を支持する装置であって、
    ハブの外周に形成された鍔部の一方の面に当接する第1クッションと、
    鍔部の他方の面に当接する第2クッションと、
    鍔部を第1及び第2クッションで挟んだ状態で、鍔部並びに第1及び第2クッションを保持するケーシングと、を備え、
    前記第1クッションと第2クッションの少なくとも一方の鍔部との当接面には、鍔部に向かって突出する第1凸部が形成されており、
    前記第1凸部は、コントロールケーブルの軸芯を中心とする環状の環状突起であり、その先端が、鍔部に向かって凸な半径rの円弧形状に形成されており、
    前記第1凸部が形成されたクッションの直径をdとしたときに、r/dが0.01〜0.06の範囲となることを特徴とするコントロールケーブルの端末支持装置。
  2. 前記鍔部は、厚肉に形成された基部と、その基部の外周に形成された薄肉の周縁部と、を備えており、
    前記第1凸部が形成された当接面は、鍔部の基部と当接する第1当接部と、第1当接部から外側に伸びると共に第1凸部が形成された第2当接部とを備えており、
    コントロールケーブルが無負荷の状態では、第1当接部が鍔部に当接すると共に、第2当接部の第1凸部が鍔部に当接していることを特徴とする請求項1に記載のコントロールケーブルの端末支持装置。
  3. 前記第1クッションと第2クッションの少なくとも一方は、コントロールケーブルの軸線と直角方向となる外周面にケーシングに向かって突出する第2凸部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコントロールケーブルの端末支持装置。
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