JP4864352B2 - トウモロコシ加工品の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕 トウモロコシまたはその処理物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理することを特徴とするトウモロコシ加工品の製造方法、
〔2〕 トウモロコシ処理物が、トウモロコシの種皮を含むトウモロコシ処理物である前記〔1〕に記載の製造方法、
〔3〕 トウモロコシ処理物が、トウモロコシの種皮である前記〔1〕に記載の製造方法、
〔4〕 トウモロコシ処理物が、トウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物である前記〔1〕に記載の製造方法、
〔5〕 低酸素濃度が、0〜1μg/mLの酸素濃度である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法、
〔6〕 流体が、脱気した液体由来である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法、
〔7〕 流体が飽和水蒸気である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法、
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の方法で製造されたトウモロコシ加工品を原料として製造された飲食物、
〔9〕 トウモロコシの種皮または該種皮とコーングリッツとの混合物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理し、得られたトウモロコシ種皮加工品を、トウモロコシまたはその処理物に配合することを特徴とするトウモロコシ種皮加工品含有組成物の製造方法、
〔10〕 前記トウモロコシまたはその処理物が、コーンスターチもしくはその分解物、コーンタンパクもしくはその分解物、またはコーングリッツである前記〔9〕に記載の製造方法、
〔11〕 前記〔9〕または〔10〕に記載の方法で製造されたトウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料として用いて製造された飲食物、
〔12〕 飲食物が穀物醸造酒である前記〔8〕または〔11〕に記載の飲食物、
〔13〕 穀物醸造酒が非麦芽発酵飲料である前記〔12〕に記載の飲食物、
〔14〕 飲食物がビールテイスト発酵飲料である前記〔8〕または〔11〕に記載の飲食物、
〔15〕 ビールテイスト発酵飲料が低糖質または低カロリーのビールテイスト発酵飲料である前記〔14〕に記載の飲食物、
〔16〕 飲食物が低糖質の発酵飲料である前記〔8〕または〔11〕に記載の飲食物、
〔17〕 低糖質の発酵飲料が低糖質のビールテイスト発酵飲料である前記〔16〕に記載の飲食物、
〔18〕 水に炭素源、窒素源ならびに請求項1〜7のいずれかに記載の方法で製造されたトウモロコシ加工品および/または請求項9または10に記載の方法で製造されたトウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え、さらにホップもしくはその加工品を加えて混合し、ついで得られた混合物を煮沸して発酵原液を調製し、該発酵原液に酵母を加えて発酵させることにより発酵液を調製し、該発酵液に水を加えて希釈することを特徴とする低糖質のビールテイスト発酵飲料の製造方法、および
〔19〕 炭素源が糖シロップであり、窒素源がコーンタンパク加水分解物である前記〔18〕に記載の製造方法、
に関する。
本発明のトウモロコシ加工品の製造法は、トウモロコシまたはその処理物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理することを特徴とする。
トウモロコシの処理物としては、トウモロコシを常法に従い分画した各画分などが挙げられ、また、前記の各画分をさらに処理したものもトウモロコシ処理物の例として挙げられる。本発明においては、トウモロコシの処理物が、種皮もしくは種皮を含む画分であるのが好ましい。また、本発明においては、トウモロコシ処理物として、例えば、種皮以外のトウモロコシ処理物と、種皮とを適当な割合で混合したものを用いてもよい。ここでいう種皮以外のトウモロコシ処理物としては、例えば、内部画分、コーングリッツ、コーンスターチ、コーンタンパクなどが挙げられる。種皮は、例えば高温高圧流体処理によるコクや刺激感の付与が特に顕著であることから、本発明においては、トウモロコシまたはその処理物として、トウモロコシそのまま、トウモロコシの種皮、トウモロコシの種皮を含むトウモロコシ処理物、またはトウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物を用いるのが好ましい。なお、トウモロコシの処理物として、種皮と種皮以外のトウモロコシ処理物との混合物を用いる場合、混合比は特に限定されないが、例えば、混合物全体に対する種皮の混合割合は10〜99重量%程度であることが望ましい。
また、トウモロコシの種皮を得る場合には、例えば、コーンスターチやコーンタンパクを製造する際に、副産物として得られる種皮画分を、必要により精製、乾燥して得てもよい。
また、種皮以外のトウモロコシ処理物(例えば、コーングリッツ、コースターチ、コーンタンパクなど)は、常法に従って得ることができる。また、種皮以外のトウモロコシ処理物として、市販のものを用いてもよい。なお、コーングリッツとは、乾燥したコーンを乾式粉砕したもので、胚芽と穀皮を取り除いてあるものをいう。
また、上記処理前に、酸素濃度約0〜1μg/mLの気体で処理雰囲気内を置換することによっても、前記低酸素状態にすることができる。ここで、酸素濃度約0〜1μg/mLの気体としては、特に限定されないが、窒素などの不活性ガス、二酸化炭素または脱酸素した気体であることが好ましい。脱酸素した気体としては、脱気した液体を沸騰させて得られる気体などが挙げられる。上記処理中の酸素濃度は、公知の方法で測定することができ、例えば通常の溶存酸素計(DOメータ)によって測定することができる。
なお、上記したような処理装置を用いた場合には、流体処理前に酸素濃度0〜1μg/mLの気体で処理装置の容器内を置換するのが好ましい。
本発明では、トウモロコシの種皮または該種皮とコーングリッツとの混合物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理し、得られたトウモロコシ種皮加工品を、流体処理が施されていないトウモロコシまたはその処理物に配合することによりトウモロコシ種皮加工品含有組成物を製造することができる。このようにして得られるトウモロコシ種皮加工品含有組成物は、流体処理を施さない画分を含むため、トウモロコシを原料とする酒類に広く用いることができる。
前記の流体処理が施されていないトウモロコシまたはその処理物としては、例えば、上記したトウモロコシまたはその処理物と同様のものなどが挙げられるが、とりわけ、コーンスターチまたはその分解物、コーンタンパクまたはその分解物、またはコーングリッツが好ましい。
本発明においては、前記のトウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料の一部または全部として使用して、常法に従い飲食物を製造できる。飲食物としては、飲料、食品などが挙げられるが、中でも飲料が好ましい。本発明において好ましい飲料としては、例えば穀物醸造酒が挙げられる。
前記の穀物醸造酒とは、前記のトウモロコシ加工品および/またはトウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料の全部または一部として使用して製造した醸造酒をいう。このような醸造酒としては、例えば非麦芽発酵飲料が好適な例として挙げられる。非麦芽発酵飲料とは、麦芽を原料として用いずに製造された発酵飲料をいう。非麦芽発酵飲料における原料中のトウモロコシ加工品またはトウモロコシ種皮加工品含有組成物の使用比率は、特に限定されず、他の原料の使用量に応じて設定することができる。
(I−1)麦芽や大麦、米、とうもろこしなどの穀物類に、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え糖化して糖化液を得、さらに所望によりホップもしくはその加工品を加えて発酵原液を調製する工程または
(I−2)糖シロップなどの糖類そのものの糖液に、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え、さらに所望によりホップもしくはその加工品を加えて発酵原液を調製する工程、および
(II)該発酵原液に酵母を添加し発酵させる工程を経るが、この際に、窒素源として、麦芽以外の植物由来のタンパク質もしくはその加水分解物を利用する場合もある。前記のビールテイスト発酵飲料の種類としては、例えば、ビール、発泡酒、雑酒、リキュール類、スピリッツ類、低アルコール発酵飲料(例えばアルコール分1%未満の麦芽醗酵飲料)などが挙げられる。
本発明において好ましい前記の低糖質の発酵飲料は、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物、さらに所望によりホップもしくはその加工品を含む発酵原液を調製し(発酵原液調製工程)、該発酵原液に酵母を加えて発酵させることにより発酵液を調製し(発酵工程)、該発酵液に水を加えて希釈し(希釈工程)、ついで所望によりアルコールを加えること(アルコール濃度調整工程)により製造される。
本工程では、炭素源、窒素源および所望によりその他の成分を仕込水に加え、撹拌混合し、得られた混合液に、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え、さらに所望によりホップもしくはその加工品を加え、煮沸することにより発酵原液を調製する。なお、ホップもしくはその加工品を加えた場合には、低糖質のビールテイスト発酵飲料が製造可能である。
前記窒素源としては、例えば、穀物のタンパク分解物などが挙げられ、中でもトウモロコシタンパク分解物が好ましい。前記トウモロコシタンパク分解物としては、例えば、コーンタンパク加水分解物などが挙げられる。
炭素源および窒素源とともに用いられるその他の成分としては、例えば、酵母増殖発酵助剤、色素、泡形成剤、香料、水溶性食物繊維、食品添加物などが挙げられる。
前記酵母増殖発酵助剤としては、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などが挙げられるが、中でも酵母エキスが好ましい。なお、酵母エキスは窒素源としても作用する。
前記色素としては、例えば、カラメル色素などが挙げられる。
前記泡形成剤としては、例えば、大豆サポニン、キラヤサポニンなどの植物抽出サポニン系物質、牛血清アルブミン等のタンパク質系物質などが挙げられる。
前記香料としては、例えば、ビール風味を有する香料などが用いられる。
前記水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、水溶性トウモロコシ繊維などが挙げられる。
前記食品添加物としては、例えば、ビール様の呈味付けのための酸味料、甘味料、苦味料などが挙げられる。
前記ホップもしくはその加工品としては、例えば、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス、イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップなどが挙げられる。
前記発酵原液に対する窒素源の配合割合は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜1重量%である。
前記発酵原液に対する前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物の配合割合は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは0.001〜1重量%であり、より好ましくは0.01〜0.1重量%である。
前記発酵原液に対するホップもしくはその加工品の配合割合は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは0.001〜1重量%であり、より好ましくは0.01〜0.1重量%である。
本工程では、前記発酵原液調製工程で得られた発酵原液に、酵母を加えて発酵させることにより発酵液を調製する。
本工程の発酵に用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件などを考慮して自由に選択できる。例えば、低カロリーのビール、発泡酒、ビールテイスト発酵飲料を製造する場合には、ビール醸造用酵母を用いることができる。
本工程では、低糖質発酵飲料の場合、前記発酵工程で得られた発酵液に必要により水を加えて希釈する。かかる希釈濃度は、所望の糖質濃度、原料、飲料形態などにより適宜に設定されるので特に限定されないが、例えば2倍〜10倍である。
本工程における希釈は、水によって行われるが、このとき不足する呈味物質を補うために、酸味料、甘味料、苦味料、水溶性食物繊維、アルコールを、希釈水と一緒に添加してもよい。
低糖質発酵飲料の場合、本工程では、前記希釈工程で得られた希釈液に、必要によりアルコールを加えて、所望のアルコール濃度に調整することもできる。
本工程で用いられるアルコールは、この分野で通常用いられているアルコールであれば特に限定されず、通常、醸造用アルコールが使用される。
なお、前記希釈工程または前記アルコール濃度調整工程により、低糖質の発酵飲料が得られる。
前記の低糖質または低カロリーのビールテイスト発酵飲料は、従来の低糖質または低カロリーのビールテイスト発酵飲料の課題であった味の低下が抑制されるので、好適に飲用される。
トウモロコシ加工品(トウモロコシ全粒加工品、トウモロコシ内部画分加工品、トウモロコシ種皮加工品)における温度条件および処理時間の影響を検討した。トウモロコシは市販の全粒を使用した。
加工には、高温湿熱処理試験装置(株式会社日阪製作所製:HTS―25/140―8039)、高圧蒸気ボイラ(三浦工業株式会社製:FH―100)を用いた。SUS316合金製12Lのバスケットにトウモロコシ全粒2kgを入れ、SUS316合金製耐熱耐圧容器(30L)内にて密閉した。脱酸素装置(三浦工業株式会社製:DOR―1000P)により除酸素した水(酸素濃度0.3μg/ml)を用いて発生させた高温高圧飽和蒸気(2.7MPa、230℃)を約1秒間送り込むことにより容器内の空気を置換した。
ついで、160℃、0.5MPaから240℃、3.2MPaの各温度条件にて、60秒間高温高圧処理した。また、温度条件を190℃、0.9MPaとして、処理時間を30秒から180秒の各条件にて、高温高圧処理を行った。いずれも、脱気後、反応容器を真空にして30分間保持し、真空乾燥を行ってトウモロコシ加工品を得た。
また、トウモロコシ全粒2kgに代えて、トウモロコシ内部画分2kgまたはトウモロコシ種皮1kgを用いること以外、上記と同様にして、それぞれのトウモロコシ内部画分加工品、トウモロコシ種皮加工品を得た。
得られたトウモロコシ全粒加工品、トウモロコシ内部画分加工品、およびトウモロコシ種皮加工品のそれぞれについて、下記評価方法に従い、官能評価を実施した。結果を表1および2に示す。
(官能評価)
各試料の官能評価は以下の方法で行った。評価項目として、コゲ臭の有無、バニラ香の有無、カラメル香の有無、および穀物臭の有無を評価した。30人のパネリストによって行い、各評価項目について、「感じない」または「感じる」の2段階で評価を行い、感じる人の人数を示した。
温度を190℃とした場合、処理時間は、30秒から90秒の範囲において、バニラ香、コゲ臭および穀物臭が特に少なく、良好であった。
上記試験例1で得られたトウモロコシ種皮加工品(190℃、60秒処理)を原料として常法に従い非麦芽発酵飲料を製造した。すなわち、試験例1に記載した方法に従って得たトウモロコシ種皮加工品を、仕込液の0.01%使用して、それぞれ非麦芽発酵飲料を得た。具体的には、仕込水90kgに対し、市販の糖シロップを10kg、市販の酵母エキスを200g、市販のコーンタンパク加水分解物を200g、市販のカラメルを40g添加し攪拌した。この糖液にトウモロコシ種皮加工品を10g計量し添加した。さらにホップ約50gを投入して100℃で約1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母約400gを添加し、2週間12℃で発酵させ、発酵飲料(本発明品)を得た。また、対照としてトウモロコシ種皮加工品のかわりに未加工トウモロコシ種皮を同量添加して、同様に非麦芽発酵飲料(対照品)を製造した。
なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表3に示す。
上記試験例1において得られたトウモロコシ種皮加工品(190℃、60秒処理)を原料として常法に従い非麦芽発酵飲料を製造した。すなわち、試験例1に記載した方法に従って得たトウモロコシ種皮加工品を仕込液に対して所定比率で使用して非麦芽発酵飲料を得た。具体的には、仕込水90kgに対し、市販の糖シロップを10kg、市販の酵母エキスを200g、市販のコーンタンパク加水分解物を200g、市販のカラメルを40g添加し攪拌した。この糖液にトウモロコシ種皮加工品を5g、10g、50g、100gそれぞれ計量して添加した。さらにホップ約50gを投入して100℃で約1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母約400gを添加し、2週間12℃で発酵させ、発酵飲料を得た。またトウモロコシ種皮加工品のみを添加しない発酵飲料も同様に製造した。
なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表4に示す。
分画したトウモロコシ種皮80重量部と、市販の醸造用コーングリッツ20重量部とを混合し、トウモロコシ処理品とした。それを、試験例1に記載の方法に従って流体処理(190℃、60秒処理)し、トウモロコシ種皮加工品を得た。得られたトウモロコシ種皮加工品を原料として、常法に従い穀物発酵飲料を製造した。すなわち、トウモロコシ種皮加工品を、仕込液の0.01%使用して、それぞれ穀物発酵飲料を得た。具体的には、仕込水90kgに対し、市販の糖シロップを10kg、市販の酵母エキスを200g、市販のコーンタンパク加水分解物を200g、市販のカラメルを40g添加し攪拌した。この糖液にトウモロコシ種皮加工品を10g計量し添加した。さらにホップ約50gを投入して100℃で約1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母約400gを添加し、2週間12℃で発酵させ、発酵飲料を得た。また、対照としてトウモロコシ種皮加工品のかわりに、高温高圧処理を施していない前記トウモロコシ処理品を同量添加して、同様に発酵飲料を製造した。
なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表5に示す。
分画したトウモロコシ種皮80重量部と、市販の醸造用コーングリッツ20重量部とを混合し、トウモロコシ処理品とした。それを、試験例1に記載の方法に従って流体処理(190℃、60秒処理)し、トウモロコシ種皮加工品を得た。得られたトウモロコシ種皮加工品を原料として、常法に従い低糖質発酵飲料を製造した。すなわち、トウモロコシ種皮加工品を、仕込液の0.02%使用して、それぞれ穀物発酵飲料を得た。より具体的には、仕込水90kgに対し、市販の糖シロップを10kg、市販の酵母エキスを200g、市販のコーンタンパク加水分解物を200g、市販のカラメルを160g添加し撹拌した。この糖液にトウモロコシ種皮加工品を20g計量し、添加した。
さらにホップ170gを投入して100℃で1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母400gを添加し、2週間12℃で発酵させ、発酵液を得た。得られた発酵液に水を添加して4倍に希釈して低糖質発酵飲料を得た。なお、低糖質発酵飲料中の糖質濃度は、固形分換算で0.46重量%、カロリーは12kcalであった。また、対照としてトウモロコシ種皮加工品のかわりに、高温高圧処理を施していない前記トウモロコシ処理品を同量添加して、同様に低糖質発酵飲料を製造した。なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表6に示す。
上記試験例1において得られたトウモロコシ種皮加工品(190℃、60秒処理)を原料として常法に従いビールを製造した。すなわち、麦芽27kgにトウモロコシ種皮加工品を3kg混合し、65℃の水150Lで1時間糖化した。糖化液をろ過した後、ホップ100gを投入し、100℃で1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母300gを添加し、2週間12℃で発酵させ、ビールを得た。また、対照として麦芽のみを使用原料として用いたビールも上記と同様にして作製した。なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表7に示す。
Claims (15)
- トウモロコシ、トウモロコシの種皮、またはトウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物を、0〜1μg/mLの酸素濃度下で170℃〜190℃の飽和水蒸気で30〜90秒処理することを特徴とするトウモロコシ加工品の製造方法。
- トウモロコシ、トウモロコシの種皮、またはトウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物が、トウモロコシの種皮である請求項1に記載の製造方法。
- トウモロコシ、トウモロコシの種皮、またはトウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物が、トウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物である請求項1に記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で製造されたトウモロコシ加工品を原料として製造された飲食物。
- トウモロコシの種皮または該種皮とコーングリッツとの混合物を、0〜1μg/mLの酸素濃度下で170℃〜190℃の飽和水蒸気で30〜90秒処理し、得られたトウモロコシ種皮加工品をトウモロコシまたはその処理物に配合することを特徴とするトウモロコシ種皮加工品含有組成物の製造方法。
- 前記トウモロコシまたはその処理物が、コーンスターチもしくはその分解物、コーンタンパクもしくはその分解物、またはコーングリッツである請求項5に記載の製造方法。
- 請求項5または6に記載の方法で製造されたトウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料として用いて製造された飲食物。
- 飲食物が穀物醸造酒である請求項4または7に記載の飲食物。
- 穀物醸造酒が非麦芽発酵飲料である請求項8に記載の飲食物。
- 飲食物がビールテイスト発酵飲料である請求項4または7に記載の飲食物。
- ビールテイスト発酵飲料が低糖質または低カロリーのビールテイスト発酵飲料である請求項10に記載の飲食物。
- 飲食物が低糖質の発酵飲料である請求項4または7に記載の飲食物。
- 低糖質の発酵飲料が低糖質のビールテイスト発酵飲料である請求項12に記載の飲食物。
- 水に炭素源、窒素源ならびに請求項1〜3のいずれかに記載の方法で製造されたトウモロコシ加工品および/または請求項5または6に記載の方法で製造されたトウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え、さらにホップもしくはその加工品を加えて混合し、ついで得られた混合物を煮沸して発酵原液を調製し、該発酵原液に酵母を加えて発酵させることにより発酵液を調製し、該発酵液に水を加えて希釈することを特徴とする低糖質のビールテイスト発酵飲料の製造方法。
- 炭素源が糖シロップであり、窒素源がコーンタンパク加水分解物である請求項14に記載の製造方法。
Priority Applications (10)
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