JP4864352B2 - トウモロコシ加工品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トウモロコシまたはその処理物を特定の温度の流体で処理するトウモロコシ加工品の製造方法、および該前記方法により得られるトウモロコシ加工品の利用に関する。
近年の消費者嗜好の多様化に伴って、酒類・食品類業界では、新規な味、香りを付与することにより商品を差別化し、優位性を高めることができるため、様々な特徴をもつ酒類・食品類の開発が必須となってきている。このため、新規な香味を創生すべく、種々の原料を選択することや、製造条件を変更することなどによって、消費者の嗜好に合う商品の開発を行っているのが現状である。
しかしながら、既存原料を既存方法に従って処理する限り、処理条件などを変化させても従来の延長線上の香味は実現しうるが、全く新しい香味を実現することは通常は困難である。したがって、全く新しい香味の実現には、新規な原料を処理し、新規な香味成分を創生させることが必要と考えられ、その技術開発が求められていた。
ビール製造においては、従来から使用されている麦芽等の既存原料について種々開発されている。例えば、ビール製品の色や香味を整えるために、メラノイジン麦芽またはカラメル麦芽など、特殊麦芽と呼ばれる麦芽が原料の一部として用いられている。また一方で、特許文献1には、麦芽などを高温高圧処理することで、バニリンなどの香味成分を付与する技術が示されている。
また、特許文献1には、穀物またはその処理物を高温高圧処理することで、バニリンなどのバニラ香味成分の生成が増加した処理物が得られ、この処理物を用いてバニラ香味のよい飲食品を製造できることが示されている。この方法は、飲食物に香味成分を付与するには極めて優れた方法であるが、香味成分は抑えられ、コク・刺激成分は増加している飲食物を製造するには、なお改良の余地があった。
近年日本においては、酒類、なかでもビールなどの発酵飲料は、使用する原料によって酒税法の税区分に従った分類わけが行われ、例えばビールは麦芽使用比率66.7%以上、最も市場に流通している発泡酒は麦芽使用比率25%未満といったような制約が存在する。このような制約のなかで、例えば麦芽を使用しないビールテイスト飲料も発売されているが、香味の点で大きくビールおよび発泡酒に及ばず、特に香味に厚みがなく軽くて薄く感じられるなど、消費者の満足のいくような香味が設計できないなどの問題があった。
国際公開第04/39936号パンフレット(WO2004/039936)
本発明は、消費者の多様な嗜好に対応するために、良好な香味およびコクや厚みを飲食品に付与できるトウモロコシ加工品またはトウモロコシ種皮加工品含有組成物の製造法を提供することを目的とする。また、本発明は、該トウモロコシ加工品またはトウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料として使用した良好な香味およびコクや厚みを有する飲食品、中でも麦芽を使用しない低糖質のビールテイスト発酵飲料を提供することをも目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、トウモロコシまたはその処理物を、低酸素濃度下170℃〜200℃の水蒸気で処理して得られるトウモロコシ加工品、並びに、トウモロコシの種皮または該種皮とコーングリッツとの混合物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理し、得られたトウモロコシ種皮加工品を、トウモロコシまたはその処理物に配合して得られるトウモロコシ種皮加工品含有組成物が、バニリンなどの特徴的な香りの生成を抑えつつ、良好な香味およびコクや厚みを飲食品に付与できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕 トウモロコシまたはその処理物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理することを特徴とするトウモロコシ加工品の製造方法、
〔2〕 トウモロコシ処理物が、トウモロコシの種皮を含むトウモロコシ処理物である前記〔1〕に記載の製造方法、
〔3〕 トウモロコシ処理物が、トウモロコシの種皮である前記〔1〕に記載の製造方法、
〔4〕 トウモロコシ処理物が、トウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物である前記〔1〕に記載の製造方法、
〔5〕 低酸素濃度が、0〜1μg/mLの酸素濃度である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法、
〔6〕 流体が、脱気した液体由来である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法、
〔7〕 流体が飽和水蒸気である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法、
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の方法で製造されたトウモロコシ加工品を原料として製造された飲食物、
〔9〕 トウモロコシの種皮または該種皮とコーングリッツとの混合物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理し、得られたトウモロコシ種皮加工品を、トウモロコシまたはその処理物に配合することを特徴とするトウモロコシ種皮加工品含有組成物の製造方法、
〔10〕 前記トウモロコシまたはその処理物が、コーンスターチもしくはその分解物、コーンタンパクもしくはその分解物、またはコーングリッツである前記〔9〕に記載の製造方法、
〔11〕 前記〔9〕または〔10〕に記載の方法で製造されたトウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料として用いて製造された飲食物、
〔12〕 飲食物が穀物醸造酒である前記〔8〕または〔11〕に記載の飲食物、
〔13〕 穀物醸造酒が非麦芽発酵飲料である前記〔12〕に記載の飲食物、
〔14〕 飲食物がビールテイスト発酵飲料である前記〔8〕または〔11〕に記載の飲食物、
〔15〕 ビールテイスト発酵飲料が低糖質または低カロリーのビールテイスト発酵飲料である前記〔14〕に記載の飲食物、
〔16〕 飲食物が低糖質の発酵飲料である前記〔8〕または〔11〕に記載の飲食物、
〔17〕 低糖質の発酵飲料が低糖質のビールテイスト発酵飲料である前記〔16〕に記載の飲食物、
〔18〕 水に炭素源、窒素源ならびに請求項1〜7のいずれかに記載の方法で製造されたトウモロコシ加工品および/または請求項9または10に記載の方法で製造されたトウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え、さらにホップもしくはその加工品を加えて混合し、ついで得られた混合物を煮沸して発酵原液を調製し、該発酵原液に酵母を加えて発酵させることにより発酵液を調製し、該発酵液に水を加えて希釈することを特徴とする低糖質のビールテイスト発酵飲料の製造方法、および
〔19〕 炭素源が糖シロップであり、窒素源がコーンタンパク加水分解物である前記〔18〕に記載の製造方法、
に関する。
本発明の製造方法は、良好な香味およびコクや厚みを飲食品に付与できるトウモロコシ加工品やトウモロコシ種皮加工品含有組成物を工業的有利に製造できる。また、本発明の飲食品は良好な香味およびコクや厚みを有する。
(トウモロコシ加工品の製造法)
本発明のトウモロコシ加工品の製造法は、トウモロコシまたはその処理物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理することを特徴とする。
トウモロコシは、そのまま全粒の形態で用いられてもよい。
トウモロコシの処理物としては、トウモロコシを常法に従い分画した各画分などが挙げられ、また、前記の各画分をさらに処理したものもトウモロコシ処理物の例として挙げられる。本発明においては、トウモロコシの処理物が、種皮もしくは種皮を含む画分であるのが好ましい。また、本発明においては、トウモロコシ処理物として、例えば、種皮以外のトウモロコシ処理物と、種皮とを適当な割合で混合したものを用いてもよい。ここでいう種皮以外のトウモロコシ処理物としては、例えば、内部画分、コーングリッツ、コーンスターチ、コーンタンパクなどが挙げられる。種皮は、例えば高温高圧流体処理によるコクや刺激感の付与が特に顕著であることから、本発明においては、トウモロコシまたはその処理物として、トウモロコシそのまま、トウモロコシの種皮、トウモロコシの種皮を含むトウモロコシ処理物、またはトウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物を用いるのが好ましい。なお、トウモロコシの処理物として、種皮と種皮以外のトウモロコシ処理物との混合物を用いる場合、混合比は特に限定されないが、例えば、混合物全体に対する種皮の混合割合は10〜99重量%程度であることが望ましい。
トウモロコシを種皮と内部画分(すなわち、トウモロコシから種皮を除いた部分)に分画する場合、その分画方法は特に限定されない。例えば、搗精機を用いて種皮を分離してもよいし、乾式粉砕したトウモロコシ粉末を篩で分画して、分画された画分をトウモロコシの処理物として用いればよい。
また、トウモロコシの種皮を得る場合には、例えば、コーンスターチやコーンタンパクを製造する際に、副産物として得られる種皮画分を、必要により精製、乾燥して得てもよい。
また、種皮以外のトウモロコシ処理物(例えば、コーングリッツ、コースターチ、コーンタンパクなど)は、常法に従って得ることができる。また、種皮以外のトウモロコシ処理物として、市販のものを用いてもよい。なお、コーングリッツとは、乾燥したコーンを乾式粉砕したもので、胚芽と穀皮を取り除いてあるものをいう。
上記のトウモロコシまたはその処理物は、流体処理するに先立って、粉砕工程を付加することもできる。これにより、均一な処理が可能となり、また均一なトウモロコシ加工品とすることもでき、さらに、トウモロコシ加工品の成型もより容易になり得る。
本発明のトウモロコシ加工品の製造方法は、前記のトウモロコシまたはその処理物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理する(以下、このような処理を流体処理ともいう)。
本発明で用いられる流体としては、例えば液体、気体、超臨界流体、亜臨界流体などが挙げられる。
液体としては、例えば、蒸留水、脱塩水、水道水、アルカリイオン水、海洋深層水、イオン交換水、脱酸素水あるいは水溶性の有機化合物(例えば、アルコール等)や無機塩類を含む水などが挙げられるがこれらに限定されない。
気体としては、上述の液体の蒸気(水蒸気、アルコール蒸気など)が挙げられる。水蒸気は、作業性、操作性の観点から、飽和水蒸気が好ましいが、これに限定されるものではない。
また、流体としては、前記の液体や気体の他に、超臨界流体または亜臨界流体等が含まれる。ある特定の圧力と温度(臨界点)を越えると、気体と液体の境界面が消失して両者が渾然一体となった流体の状態を維持する範囲が存在する。こうした流体を超臨界流体といい、気体と液体の中間の性質を持つ高密度の流体となる。亜臨界流体とは、臨界点よりも圧力および温度が低い状態の流体である。
流体処理時の流体の温度は約170℃〜200℃であれば特に限定されない。本発明においては、前記温度範囲のうち、180℃〜200℃であるのが好ましい。処理温度が170℃未満であるとコクや刺激感の付与に寄与する成分の増大効果が少なく、また、200℃より高い場合、バニリンの生成量が急激に増大し、バニラ香が強くなり、香味の設計によっては発酵飲料の原料としては適さなくなる場合がある。
また、本発明においては、流体処理が加圧下で行われるのが好ましい。処理時の流体の圧力は、約0.1〜2.2MPaであるのが好ましい。また、本発明においては、圧力が飽和水蒸気圧であるのが好ましい。なお、本明細書で「圧力」というときは「ゲージ圧力」を意味する。従って、例えば「圧力0.1MPa」は絶対圧力に換算すると、大気圧に0.1MPaを加えた圧力となる。この範囲(約0.1〜2.2MPa)であれば、バニラ香の生成を抑えつつ、コクや刺激感を処理品に付与することができる。また、前記圧力は約0.2〜1.4MPaがより好ましい。
流体処理における処理時間は、好ましくは約1秒間〜60分間であり、より好ましくは約3秒間〜30分間である。例えば、処理温度が190℃である場合には、処理時間は30秒間〜90秒間が好ましい。この好ましい範囲であればさらに投入エネルギーを低減でき、設備の稼働率を上げられるという効果がある。
流体処理における酸素濃度は、低酸素濃度であり、好ましくは0〜1μg/mLの酸素濃度である。本発明においては、公知手段を用いてかかる低酸素状態にすることができる。例えば、上記流体処理に用いる流体として、脱気した(空気を除去した)液体を用いることにより前記低酸素状態にすることができるし、また、脱気した液体の代わりに、酸素を除去できる物質を予め添加した液体などを用いることもできる。
また、上記処理前に、酸素濃度約0〜1μg/mLの気体で処理雰囲気内を置換することによっても、前記低酸素状態にすることができる。ここで、酸素濃度約0〜1μg/mLの気体としては、特に限定されないが、窒素などの不活性ガス、二酸化炭素または脱酸素した気体であることが好ましい。脱酸素した気体としては、脱気した液体を沸騰させて得られる気体などが挙げられる。上記処理中の酸素濃度は、公知の方法で測定することができ、例えば通常の溶存酸素計(DOメータ)によって測定することができる。
本発明においては、前記の流体処理に、さらに公知の処理を付加してもよい。前記公知の処理としては、例えば、粉砕、抽出(超臨界抽出も含む)、乾燥(真空乾燥など)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
流体処理後、さらに、乾燥の工程を付加する場合について説明する。流体処理後そのまま放置した場合にはでんぷんが糊化し、冷えると固くなるため次の粉砕工程に労力が必要となる。より扱いやすい形態の加工品とするために、粉砕が容易になる乾燥工程を付加することが望ましい。そのための方法としては、たとえば、流体処理後、急激に圧力を下げ、水分を短時間で飛散させることにより急速に乾燥させる方法が挙げられる。この方法によれば、急激な圧力の低下により、組織がスポンジ状となり、通常の乾燥のように固くなるという問題を解消できる。この乾燥工程により、その後の溶解や粉砕も容易となる。この乾燥工程を積極的に付加することにより、トウモロコシ加工品を自然乾燥するよりも次の工程などで利用しやすい形態のものとして得ることが可能となる。
また、上記の乾燥工程に際し、流体処理物を押し出しまたは引き出し手段、あるいは所望によりさらに切断手段とを組み合わせることにより、任意の形状に成型することもできる。形状としてはスティック状、円柱状、球状、多角柱状、多角体状等が挙げられ、この成型によって、所望に応じた形状にすることができる。また、この際、トウモロコシ加工品の水分含有率を操作することも可能である。
本発明の流体処理等に使用する装置は、特に限定されず、170℃〜200℃の温度に耐えられる構造のものであればいかなるものでも使用できる。例えば、前記装置としては、耐圧の反応容器と加熱装置が組み合わされている装置が挙げられる。かかる装置では、液体または気体が加熱装置で加熱され高温高圧状態の液体または気体となって反応容器に送られる。加熱装置は加熱できればいかなるものも使用できる。例えば電気、石油、石炭もしくはガスによる加熱、太陽熱による加熱、地熱による加熱等が挙げられるがこれらに限られない。また、前記装置は単なる耐熱耐圧パイプの類でもよい。反応容器またはパイプの素材は耐圧耐熱であればよいが、金属等の成分が溶出したり、有毒物質が生成したり、好ましくない臭いが生ずるような材質でないほうが好ましい。前記素材としては、無用の反応や腐食、劣化などを防ぐためステンレスなどの素材が好ましいがこれに限定されるものではない。
なお、上記したような処理装置を用いた場合には、流体処理前に酸素濃度0〜1μg/mLの気体で処理装置の容器内を置換するのが好ましい。
本発明を効率よく行う好ましい装置としては、エクストルーダの使用が挙げられる。これによれば、上記処理後の操作が非常に容易となる。エクストルーダは膨化食品などの製造によく用いられている装置であり、例えば、押し出し筒内に配置された二軸等の多軸または一軸のスクリューにより、原料を混合しながら加熱加圧し、高温高圧状態でダイから押し出す装置が挙げられる。本発明においては安定して処理を行える二軸型がより好ましい。エクストルーダを用いることにより、連続処理が可能となり、また、処理後に、処理雰囲気を高圧から低圧に急激に開放すれば、水分が蒸散し、また、上記したようにダイの形状を適当に選択することにより、所望の形状に成型された処理物が得られる。この場合、処理物が膨化しており、処理物を水分等の液体に溶かす場合に、処理物が液体に溶けやすいというメリットもある。これらの装置以外でも本発明の上記の条件を実現できる装置であれば、いかなる装置でもよい。
(トウモロコシ種皮加工品含有組成物の製造)
本発明では、トウモロコシの種皮または該種皮とコーングリッツとの混合物を、低酸素濃度下で170℃〜200℃の流体で処理し、得られたトウモロコシ種皮加工品を、流体処理が施されていないトウモロコシまたはその処理物に配合することによりトウモロコシ種皮加工品含有組成物を製造することができる。このようにして得られるトウモロコシ種皮加工品含有組成物は、流体処理を施さない画分を含むため、トウモロコシを原料とする酒類に広く用いることができる。
前記の流体処理が施されていないトウモロコシまたはその処理物としては、例えば、上記したトウモロコシまたはその処理物と同様のものなどが挙げられるが、とりわけ、コーンスターチまたはその分解物、コーンタンパクまたはその分解物、またはコーングリッツが好ましい。
トウモロコシ種皮加工品含有組成物中のトウモロコシ種皮加工品の配合割合は、飲食物等によっても異なり、特に限定されないが、例えば非麦芽発酵飲料の原料としてトウモロコシ種皮加工品含有組成物を得る場合、トウモロコシ種皮加工品の配合量は、組成物全体に対して、好ましくは0.001〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
[飲食物の製造]
本発明においては、前記のトウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料の一部または全部として使用して、常法に従い飲食物を製造できる。飲食物としては、飲料、食品などが挙げられるが、中でも飲料が好ましい。本発明において好ましい飲料としては、例えば穀物醸造酒が挙げられる。
前記の穀物醸造酒とは、前記のトウモロコシ加工品および/またはトウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料の全部または一部として使用して製造した醸造酒をいう。このような醸造酒としては、例えば非麦芽発酵飲料が好適な例として挙げられる。非麦芽発酵飲料とは、麦芽を原料として用いずに製造された発酵飲料をいう。非麦芽発酵飲料における原料中のトウモロコシ加工品またはトウモロコシ種皮加工品含有組成物の使用比率は、特に限定されず、他の原料の使用量に応じて設定することができる。
また、前記の飲食物はビールテイスト発酵飲料であるのが好ましい。前記ビールテイスト発酵飲料とは、炭素源、窒素源、ホップ類などを原料とし、酵母で発酵させた飲料であって、ビールのような風味を有するものをいう。前記のビールテイスト発酵飲料は、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を用いて常法に従い製造されてよく、通常は、
(I−1)麦芽や大麦、米、とうもろこしなどの穀物類に、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え糖化して糖化液を得、さらに所望によりホップもしくはその加工品を加えて発酵原液を調製する工程または
(I−2)糖シロップなどの糖類そのものの糖液に、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え、さらに所望によりホップもしくはその加工品を加えて発酵原液を調製する工程、および
(II)該発酵原液に酵母を添加し発酵させる工程を経るが、この際に、窒素源として、麦芽以外の植物由来のタンパク質もしくはその加水分解物を利用する場合もある。前記のビールテイスト発酵飲料の種類としては、例えば、ビール、発泡酒、雑酒、リキュール類、スピリッツ類、低アルコール発酵飲料(例えばアルコール分1%未満の麦芽醗酵飲料)などが挙げられる。
また、前記の飲食物は低糖質の発酵飲料であるのも好ましい。前記「低糖質」とは、発酵飲料中の糖質濃度が、固形分換算で0.8重量%、特に0.5重量%未満であることを意味する。好ましい低糖質の発酵飲料の種類としては、例えば、清酒、ワイン、ビール、発泡酒、雑酒、リキュール類、スピリッツ類、ビールテイスト発酵飲料などが挙げられるが、中でも、発泡酒、ビールテイスト発酵飲料が好ましく、ビールテイスト発酵飲料がより好ましい。なお、前記の低糖質の発酵飲料は、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料に用いて常法に従い調製することができるが、とりわけ、以下の方法により製造するのが好ましい。
(好ましい低糖質の発酵飲料の製造方法)
本発明において好ましい前記の低糖質の発酵飲料は、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物、さらに所望によりホップもしくはその加工品を含む発酵原液を調製し(発酵原液調製工程)、該発酵原液に酵母を加えて発酵させることにより発酵液を調製し(発酵工程)、該発酵液に水を加えて希釈し(希釈工程)、ついで所望によりアルコールを加えること(アルコール濃度調整工程)により製造される。
(発酵原液調製工程)
本工程では、炭素源、窒素源および所望によりその他の成分を仕込水に加え、撹拌混合し、得られた混合液に、前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え、さらに所望によりホップもしくはその加工品を加え、煮沸することにより発酵原液を調製する。なお、ホップもしくはその加工品を加えた場合には、低糖質のビールテイスト発酵飲料が製造可能である。
前記炭素源としては、例えば、公知の糖化液や糖液などが挙げられ、より具体的には、糖化デンプン、糖シロップなどが挙げられる。
前記窒素源としては、例えば、穀物のタンパク分解物などが挙げられ、中でもトウモロコシタンパク分解物が好ましい。前記トウモロコシタンパク分解物としては、例えば、コーンタンパク加水分解物などが挙げられる。
炭素源および窒素源とともに用いられるその他の成分としては、例えば、酵母増殖発酵助剤、色素、泡形成剤、香料、水溶性食物繊維、食品添加物などが挙げられる。
前記酵母増殖発酵助剤としては、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などが挙げられるが、中でも酵母エキスが好ましい。なお、酵母エキスは窒素源としても作用する。
前記色素としては、例えば、カラメル色素などが挙げられる。
前記泡形成剤としては、例えば、大豆サポニン、キラヤサポニンなどの植物抽出サポニン系物質、牛血清アルブミン等のタンパク質系物質などが挙げられる。
前記香料としては、例えば、ビール風味を有する香料などが用いられる。
前記水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、水溶性トウモロコシ繊維などが挙げられる。
前記食品添加物としては、例えば、ビール様の呈味付けのための酸味料、甘味料、苦味料などが挙げられる。
前記ホップもしくはその加工品としては、例えば、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス、イソ化ホップ、ヘキサホップ、テトラホップなどが挙げられる。
前記発酵原液に対する炭素源の配合割合は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは2〜20重量%であり、より好ましくは8〜14重量%である。
前記発酵原液に対する窒素源の配合割合は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜1重量%である。
前記発酵原液に対する前記トウモロコシ加工品および/または前記トウモロコシ種皮加工品含有組成物の配合割合は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは0.001〜1重量%であり、より好ましくは0.01〜0.1重量%である。
前記発酵原液に対するホップもしくはその加工品の配合割合は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは0.001〜1重量%であり、より好ましくは0.01〜0.1重量%である。
(発酵工程)
本工程では、前記発酵原液調製工程で得られた発酵原液に、酵母を加えて発酵させることにより発酵液を調製する。
本工程の発酵に用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件などを考慮して自由に選択できる。例えば、低カロリーのビール、発泡酒、ビールテイスト発酵飲料を製造する場合には、ビール醸造用酵母を用いることができる。
(希釈工程)
本工程では、低糖質発酵飲料の場合、前記発酵工程で得られた発酵液に必要により水を加えて希釈する。かかる希釈濃度は、所望の糖質濃度、原料、飲料形態などにより適宜に設定されるので特に限定されないが、例えば2倍〜10倍である。
本工程における希釈は、水によって行われるが、このとき不足する呈味物質を補うために、酸味料、甘味料、苦味料、水溶性食物繊維、アルコールを、希釈水と一緒に添加してもよい。
(アルコール濃度調整工程)
低糖質発酵飲料の場合、本工程では、前記希釈工程で得られた希釈液に、必要によりアルコールを加えて、所望のアルコール濃度に調整することもできる。
本工程で用いられるアルコールは、この分野で通常用いられているアルコールであれば特に限定されず、通常、醸造用アルコールが使用される。
なお、前記希釈工程または前記アルコール濃度調整工程により、低糖質の発酵飲料が得られる。
また、前記の飲食物は、低カロリー飲料であるのが好ましく、特に低カロリーのビールテイスト発酵飲料がより好ましい。前記の低カロリー飲料は、常法に従い調製することができるが、とりわけ、低糖質および/または低アルコールとする手段を用いて調製するのがよい。
前記の低糖質または低カロリーのビールテイスト発酵飲料は、従来の低糖質または低カロリーのビールテイスト発酵飲料の課題であった味の低下が抑制されるので、好適に飲用される。
本発明の飲料の製造においては、トウモロコシ以外の原料を併用することにより、さらなる成分調整が可能である。また、糖化酵素をはじめとする各種酵素を必要に応じて別途添加してもよい。あるいは、糖化スターチなどのように最初から糖化された原料と組合せることもできる。さらに、このように成分調整をした原料にあわせて、粉砕、糖化、麦汁濾過、煮沸、発酵の諸条件を設定することにより、更なる微調整を行うことが可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されることはない。
<試験例1 トウモロコシ加工品の評価>
トウモロコシ加工品(トウモロコシ全粒加工品、トウモロコシ内部画分加工品、トウモロコシ種皮加工品)における温度条件および処理時間の影響を検討した。トウモロコシは市販の全粒を使用した。
加工には、高温湿熱処理試験装置(株式会社日阪製作所製:HTS―25/140―8039)、高圧蒸気ボイラ(三浦工業株式会社製:FH―100)を用いた。SUS316合金製12Lのバスケットにトウモロコシ全粒2kgを入れ、SUS316合金製耐熱耐圧容器(30L)内にて密閉した。脱酸素装置(三浦工業株式会社製:DOR―1000P)により除酸素した水(酸素濃度0.3μg/ml)を用いて発生させた高温高圧飽和蒸気(2.7MPa、230℃)を約1秒間送り込むことにより容器内の空気を置換した。
ついで、160℃、0.5MPaから240℃、3.2MPaの各温度条件にて、60秒間高温高圧処理した。また、温度条件を190℃、0.9MPaとして、処理時間を30秒から180秒の各条件にて、高温高圧処理を行った。いずれも、脱気後、反応容器を真空にして30分間保持し、真空乾燥を行ってトウモロコシ加工品を得た。
また、トウモロコシ全粒2kgに代えて、トウモロコシ内部画分2kgまたはトウモロコシ種皮1kgを用いること以外、上記と同様にして、それぞれのトウモロコシ内部画分加工品、トウモロコシ種皮加工品を得た。
得られたトウモロコシ全粒加工品、トウモロコシ内部画分加工品、およびトウモロコシ種皮加工品のそれぞれについて、下記評価方法に従い、官能評価を実施した。結果を表1および2に示す。
<評価方法>
(官能評価)
各試料の官能評価は以下の方法で行った。評価項目として、コゲ臭の有無、バニラ香の有無、カラメル香の有無、および穀物臭の有無を評価した。30人のパネリストによって行い、各評価項目について、「感じない」または「感じる」の2段階で評価を行い、感じる人の人数を示した。
Figure 0004864352
Figure 0004864352
官能評価の結果、処理温度が210℃以上の場合、バニラ香やコゲ臭が極端に強くなった。また、温度が170℃未満の場合、穀物臭が感じられた。
温度を190℃とした場合、処理時間は、30秒から90秒の範囲において、バニラ香、コゲ臭および穀物臭が特に少なく、良好であった。
<試験例2 トウモロコシ種皮加工品を用いた非麦芽発酵飲料の評価>
上記試験例1で得られたトウモロコシ種皮加工品(190℃、60秒処理)を原料として常法に従い非麦芽発酵飲料を製造した。すなわち、試験例1に記載した方法に従って得たトウモロコシ種皮加工品を、仕込液の0.01%使用して、それぞれ非麦芽発酵飲料を得た。具体的には、仕込水90kgに対し、市販の糖シロップを10kg、市販の酵母エキスを200g、市販のコーンタンパク加水分解物を200g、市販のカラメルを40g添加し攪拌した。この糖液にトウモロコシ種皮加工品を10g計量し添加した。さらにホップ約50gを投入して100℃で約1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母約400gを添加し、2週間12℃で発酵させ、発酵飲料(本発明品)を得た。また、対照としてトウモロコシ種皮加工品のかわりに未加工トウモロコシ種皮を同量添加して、同様に非麦芽発酵飲料(対照品)を製造した。
なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004864352
官能評価の結果、対照品に比べ、コク、飲み応えなどのポイントが有意に上昇し、さらにビールらしさが向上した。トウモロコシ種皮加工品の使用によって、麦芽を使用しない発酵飲料にコク、飲み応えを付与し、良好なビール風味を与えることができた。
<試験例3 トウモロコシ種皮加工品を用いた発酵飲料の評価>
上記試験例1において得られたトウモロコシ種皮加工品(190℃、60秒処理)を原料として常法に従い非麦芽発酵飲料を製造した。すなわち、試験例1に記載した方法に従って得たトウモロコシ種皮加工品を仕込液に対して所定比率で使用して非麦芽発酵飲料を得た。具体的には、仕込水90kgに対し、市販の糖シロップを10kg、市販の酵母エキスを200g、市販のコーンタンパク加水分解物を200g、市販のカラメルを40g添加し攪拌した。この糖液にトウモロコシ種皮加工品を5g、10g、50g、100gそれぞれ計量して添加した。さらにホップ約50gを投入して100℃で約1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母約400gを添加し、2週間12℃で発酵させ、発酵飲料を得た。またトウモロコシ種皮加工品のみを添加しない発酵飲料も同様に製造した。
なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004864352
官能評価の結果、トウモロコシ種皮加工品を添加しない発酵飲料に比べ、本発明品はそれぞれ、コク、飲み応えなどのポイントが有意に上昇し、さらにビールらしさが向上した。トウモロコシ種皮加工品の使用によって、麦芽を使用しない発酵飲料にコク、飲み応えを付与し、良好なビール風味を与えることができた。この効果は0.005%の添加量でも付与することができ、0.05%まで良好な効果を付与することができていた。0.1%を添加すると、コクやビールらしさといった効果を付与することができるが、若干キレが悪く感じられ、その結果、評価がやや低くなった。
<試験例4 トウモロコシ種皮加工品を用いた発酵飲料の評価>
分画したトウモロコシ種皮80重量部と、市販の醸造用コーングリッツ20重量部とを混合し、トウモロコシ処理品とした。それを、試験例1に記載の方法に従って流体処理(190℃、60秒処理)し、トウモロコシ種皮加工品を得た。得られたトウモロコシ種皮加工品を原料として、常法に従い穀物発酵飲料を製造した。すなわち、トウモロコシ種皮加工品を、仕込液の0.01%使用して、それぞれ穀物発酵飲料を得た。具体的には、仕込水90kgに対し、市販の糖シロップを10kg、市販の酵母エキスを200g、市販のコーンタンパク加水分解物を200g、市販のカラメルを40g添加し攪拌した。この糖液にトウモロコシ種皮加工品を10g計量し添加した。さらにホップ約50gを投入して100℃で約1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母約400gを添加し、2週間12℃で発酵させ、発酵飲料を得た。また、対照としてトウモロコシ種皮加工品のかわりに、高温高圧処理を施していない前記トウモロコシ処理品を同量添加して、同様に発酵飲料を製造した。
なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0004864352
官能評価の結果、対照品に比べ、コク、飲み応えなどのポイントが有意に上昇し、さらにビールらしさが向上した。トウモロコシ種皮加工品の使用によって、麦芽を使用しない発酵飲料にコク、飲み応えを付与し、良好なビール風味を与えることができた。
<試験例5 トウモロコシ種皮加工品を用いた低糖質低カロリー発酵飲料の評価>
分画したトウモロコシ種皮80重量部と、市販の醸造用コーングリッツ20重量部とを混合し、トウモロコシ処理品とした。それを、試験例1に記載の方法に従って流体処理(190℃、60秒処理)し、トウモロコシ種皮加工品を得た。得られたトウモロコシ種皮加工品を原料として、常法に従い低糖質発酵飲料を製造した。すなわち、トウモロコシ種皮加工品を、仕込液の0.02%使用して、それぞれ穀物発酵飲料を得た。より具体的には、仕込水90kgに対し、市販の糖シロップを10kg、市販の酵母エキスを200g、市販のコーンタンパク加水分解物を200g、市販のカラメルを160g添加し撹拌した。この糖液にトウモロコシ種皮加工品を20g計量し、添加した。
さらにホップ170gを投入して100℃で1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母400gを添加し、2週間12℃で発酵させ、発酵液を得た。得られた発酵液に水を添加して4倍に希釈して低糖質発酵飲料を得た。なお、低糖質発酵飲料中の糖質濃度は、固形分換算で0.46重量%、カロリーは12kcalであった。また、対照としてトウモロコシ種皮加工品のかわりに、高温高圧処理を施していない前記トウモロコシ処理品を同量添加して、同様に低糖質発酵飲料を製造した。なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表6に示す。
Figure 0004864352
官能評価の結果、本発明品は、対照品に比べ、コク、飲み応えなどのポイントが有意に上昇し、さらにビールらしさが向上した。そのため、本発明品は、優れた低糖質かつ低カロリーのビールテイスト発酵飲料であることが分かる。また、トウモロコシ種皮加工品の使用によって、麦芽を使用しない発酵飲料に、コク、飲み応えを付与し、良好なビール風味を与えることができた。
<試験例6 トウモロコシ種皮加工品を用いたビールの評価>
上記試験例1において得られたトウモロコシ種皮加工品(190℃、60秒処理)を原料として常法に従いビールを製造した。すなわち、麦芽27kgにトウモロコシ種皮加工品を3kg混合し、65℃の水150Lで1時間糖化した。糖化液をろ過した後、ホップ100gを投入し、100℃で1時間煮沸した。12℃に冷却した後、ビール醸造用酵母300gを添加し、2週間12℃で発酵させ、ビールを得た。また、対照として麦芽のみを使用原料として用いたビールも上記と同様にして作製した。なお、それぞれの発酵飲料について無作為に選出した100名のパネラーによる官能評価を行い、コク、飲み応え、キレ、ビール感などの各項目に0(感じない)〜3(強く感じる)の4段階評価を行い、その平均値によって各項目を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0004864352
官能評価の結果、本発明品は、対照品に比べ、コク、飲み応えなどのポイントが有意に上昇した。トウモロコシ種皮加工品の使用によって、ビールにコク、飲み応えを付与し、良好な香味を与えることができた。
本発明のトウモロコシ加工品およびトウモロコシ種皮加工品含有組成物は、良好な香味およびコクや厚みを飲食品に付与することができる。

Claims (15)

  1. トウモロコシ、トウモロコシの種皮またはトウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物を、0〜1μg/mLの酸素濃度下で170℃〜190℃の飽和水蒸気で30〜90秒処理することを特徴とするトウモロコシ加工品の製造方法。
  2. トウモロコシ、トウモロコシの種皮またはトウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物が、トウモロコシの種皮である請求項に記載の製造方法。
  3. トウモロコシ、トウモロコシの種皮またはトウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物が、トウモロコシの種皮とコーングリッツとの混合物である請求項1に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の方法で製造されたトウモロコシ加工品を原料として製造された飲食物。
  5. トウモロコシの種皮または該種皮とコーングリッツとの混合物を、0〜1μg/mLの酸素濃度下で170℃〜190℃の飽和水蒸気で30〜90秒処理し、得られたトウモロコシ種皮加工品をトウモロコシまたはその処理物に配合することを特徴とするトウモロコシ種皮加工品含有組成物の製造方法。
  6. 前記トウモロコシまたはその処理物が、コーンスターチもしくはその分解物、コーンタンパクもしくはその分解物、またはコーングリッツである請求項に記載の製造方法。
  7. 請求項またはに記載の方法で製造されたトウモロコシ種皮加工品含有組成物を原料として用いて製造された飲食物。
  8. 飲食物が穀物醸造酒である請求項またはに記載の飲食物。
  9. 穀物醸造酒が非麦芽発酵飲料である請求項に記載の飲食物。
  10. 飲食物がビールテイスト発酵飲料である請求項またはに記載の飲食物。
  11. ビールテイスト発酵飲料が低糖質または低カロリーのビールテイスト発酵飲料である請求項10に記載の飲食物。
  12. 飲食物が低糖質の発酵飲料である請求項またはに記載の飲食物。
  13. 低糖質の発酵飲料が低糖質のビールテイスト発酵飲料である請求項12に記載の飲食物。
  14. 水に炭素源、窒素源ならびに請求項1〜のいずれかに記載の方法で製造されたトウモロコシ加工品および/または請求項またはに記載の方法で製造されたトウモロコシ種皮加工品含有組成物を加え、さらにホップもしくはその加工品を加えて混合し、ついで得られた混合物を煮沸して発酵原液を調製し、該発酵原液に酵母を加えて発酵させることにより発酵液を調製し、該発酵液に水を加えて希釈することを特徴とする低糖質のビールテイスト発酵飲料の製造方法。
  15. 炭素源が糖シロップであり、窒素源がコーンタンパク加水分解物である請求項14に記載の製造方法。
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