JP4863856B2 - 車両の自動変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期噛合式の多段変速機及び摩擦クラッチからなる車両の自動変速装置において、ニュートラル走行中に変速操作がなされたときに、車速に適合した変速段に変速する技術に関する。
近年、同期噛合式の多段変速機及び摩擦クラッチを電子制御することで、車両走行状態に適合した変速段に自動変速する自動変速装置が実用化されている。かかる自動変速装置では、エンジンから駆動輪までの駆動力伝達系に流体クラッチ(トルクコンバータ)が介在しないことから、駆動力伝達効率が高く燃費向上を図ることができると共に、流体クラッチ特有のスリップ感がないためドライバビリティも向上させることができる。
ところで、車両走行状態によっては、多段変速機をニュートラルに変速したまま、惰性で走行することがある。この状態において、走行段に変速させるべく変速操作を行うと、多段変速機の出力軸回転速度から車速を検出する車速センサの出力に応じて、変速すべき目標変速段を決定する構成が採用されている。このとき、例えば、車速センサの出力にノイズが重畳して異常な車速が検出されると、不適切な変速段への変速が実行されてしまうおそれがある。このため、本願出願人は、特開2005−214401号公報(特許文献1)において、多段変速機の出力回転速度と車速から換算した出力回転速度との偏差が所定値以上のときに変速を禁止することで、不適切な変速段への変速が実行されることを抑制した技術を提案した。
特開2005−214401号公報
しかしながら、従来提案技術においては、当初の目的を達成することは可能であるが、次のような問題が発生する可能性があることに気付いた。即ち、車体と駆動輪との間にサスペンション装置が介在するため、多段変速機と駆動輪は、相対変位を吸収する必要上、ユニバーサルジョイントを備えたプロペラシャフト又はドライブシャフトにより連結されている。この場合、例えば、車両が路面の凹凸を通過したとき、駆動輪の車輪速(回転速度)が一定であるにもかかわらず、ユニバーサルジョイントのガタなどにより駆動力伝達系の回転速度が大きく変動することが想定される。そして、駆動力伝達系の回転速度が変動すると、車速センサの出力も連動して変動するため、多段変速機が車速に適合した変速段に変速されないおそれがあった。
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、車速センサにより検出される車速に代えて、駆動輪の車輪速から換算した車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて目標変速段を決定することで、変速制御精度を向上させた車両の自動変速装置を提供することを目的とする。
このため、請求項1記載の発明では、車両の自動変速装置は、主変速機及びその出力軸に連結される副変速機からなる同期噛合式の多段変速機と、前記多段変速機とエンジンとの間の駆動力伝達系に配設される摩擦クラッチと、前記主変速機の変速状態を検出する第1の変速状態検出手段と、前記多段変速機に対する変速指示を入力する変速指示入力手段と、駆動輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、前記第1の変速状態検出手段によりニュートラルに変速されていることが検出され、かつ、前記変速指示入力手段により走行段への変速指示が入力されたときに、前記車輪速検出手段により検出された車輪速を、車速又はこれと相関関係がある速度に換算する第1の換算手段と、前記第1の換算手段により換算された車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて、前記多段変速機を変速すべき目標変速段を決定する第1の目標変速段決定手段と、前記第1の目標変速段決定手段により決定された目標変速段に変速されるように、前記多段変速機及び摩擦クラッチの作動を制御する第1の変速制御手段と、を含んで構成されたことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記副変速機のギヤ回転速度を検出するギヤ回転速度検出手段と、前記ギヤ回転速度検出手段により検出されたギヤ回転速度を、車速又はこれと相関関係がある速度に換算する第2の換算手段と、前記第1及び第2の換算手段により夫々換算された車速又はこれと相関関係がある速度の差の絶対値が所定値以上であるときに、前記第1の変速制御手段による変速を禁止する変速禁止手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記変速禁止手段による変速禁止状態が所定時間継続したときに、前記第1及び第2の換算手段により夫々換算された車速又はこれと相関関係がある速度のうち大きいものに基づいて、前記多段変速機を変速すべき目標変速段を決定する第2の目標変速段決定手段と、前記第2の目標変速段決定手段により決定された目標変速段に変速されるように、前記多段変速機及び摩擦クラッチの作動を制御する第2の変速制御手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記車速と相関関係がある速度は、前記副変速機のカウンタシャフト回転速度であることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記副変速機の変速状態を検出する第2の変速状態検出手段を備え、前記第1の換算手段は、少なくとも、前記第2の変速状態検出手段により検出された副変速機の変速状態に基づいて、前記車輪速検出手段により検出された車輪速をカウンタシャフト回転速度に換算することを特徴とする。
請求項6記載の発明では、車両の自動変速装置は、駆動輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、前記車輪速を車速又はこれと相関関係がある速度に換算する換算手段と、前記車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて、同期噛合式の多段変速機の目標変速段を決定する目標変速段決定手段と、前記目標変速段に変速されるように、前記多段変速機及び摩擦クラッチの作動を制御する変速制御手段と、を含んで構成されたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、主変速機がニュートラルに変速された状態で、多段変速機を走行段に変速させる変速指示が入力されると、駆動輪の車輪速が車速又はこれと相関関係がある速度に換算される。そして、換算された車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて多段変速機を変速すべき目標変速段が決定され、その目標変速段に変速されるように、多段変速機及び摩擦クラッチの作動が制御される。要するに、ニュートラル走行中に走行段への変速操作がなされると、実際の車速に対して変動が大きい車速センサからの出力信号に代えて、実際の車速を忠実に表わす車輪速から換算された車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて、目標変速段への変速が実行される。このため、駆動力伝達系の回転速度が大きく変動したとしても、その影響が少ない車輪速に基づいて変速制御が実行されることで、多段変速機を車速に適合した目標変速段に変速させることが可能となり、変速制御精度を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、主変速機がニュートラルに変速された状態で、多段変速機を走行段に変速させる変速指示が入力されると、車輪速に加え、副変速機のギヤ回転速度が車速又はこれと相関関係がある速度に換算される。そして、車輪速及びギヤ回転速度から夫々換算された車速又はこれと相関関係がある車速の差の絶対値が所定値以上であるとき、目標変速段への変速が禁止される。このため、車速又は/及びギヤ回転速度にノイズなどが重畳して異常な数値が検出されたときには、多段変速機の変速が禁止されることで、不適切な目標変速段への変速が実行されることを防止できる。
請求項3記載の発明によれば、変速禁止状態が所定時間継続したときには、車輪速及びギヤ回転速度から夫々換算された車速又はこれと相関関係がある車速のうち大きいものに基づいて目標変速段が決定され、その目標変速段に変速されるように、多段変速機及び摩擦クラッチの作動が制御される。このため、多段変速機を走行段に変速させる変速指示を入力したにもかかわらず、長時間変速がなされずに空走することを防止できる。
請求項4記載の発明によれば、車速と相関関係がある速度は、副変速機のカウンタシャフト回転速度であるため、レンジカウンタシャフト回転速度を直接検出するセンサが不要となり、コスト上昇などを抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、少なくとも副変速機の変速状態を考慮することで、車輪速をカウンタシャフト回転速度に換算することができる。
請求項6記載の発明によれば、駆動輪の車輪速が車速又はこれと相関関係がある速度に換算されると共に、換算された車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて多段変速機を変速すべき目標変速段が決定され、その目標変速段に変速されるように、多段変速機及び摩擦クラッチの作動が制御される。要するに、実際の車速に対して変動が大きい車速センサからの出力信号に代えて、実際の車速を忠実に表わす車輪速から換算された車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて、目標変速段への変速が実行される。このため、駆動力伝達系の回転速度が大きく変動したとしても、その影響が少ない車輪速に基づいて変速制御が実行されることで、多段変速機を車速に適合した目標変速段に変速させることが可能となり、変速制御精度を向上させることができる。
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明を具現化した自動変速装置の全体構成を示す。
エンジン10の出力軸には、摩擦クラッチ12を介して、同期噛合式の多段変速機(以下「多段変速機」という)14が取り付けられる。多段変速機14は、図2に示すように、スプリッタ14A及びメイン14Bで構成される主変速機と、その出力軸に連結されたレンジ14Cからなる副変速機と、を含んで構成される。なお、多段変速機14の出力軸は、図示しないプロペラシャフト及びディファレンシャルギヤを介して、駆動輪に連結される。
ここで、図2を参照して、多段変速機14の詳細構造について説明する。
エンジン出力が入力されるインプットシャフト16には、スプリッタ14Aの高速段を構成するスプリッタギヤZm5が遊転自由に嵌合されると共に、その先端部にシンクロメッシュ機構18を構成するシンクロナイザハブ18Aが固定される。インプットシャフト16と同軸に配置されたメインシャフト20には、メイン14Bの各変速段を構成するドライブギヤZm4,3速ギヤZm3,2速ギヤZm2,1速ギヤZm1及びリバースギヤZmRが遊転自由に嵌合されると共に、その先端部にレンジ14Cの高速段を構成するレンジハイギヤZr1が固定される。ドライブギヤZm4及び3速ギヤZm3、2速ギヤZm2及び1速ギヤZm1、並びに、1速ギヤZm1及びリバースギヤZmRの間のメインシャフト20には、夫々、シンクロメッシュ機構18を構成するシンクロナイザハブ18Aが固定される。
一方、インプットシャフト16及びメインシャフト20と平行に配置されたメインカウンタシャフト22には、スプリッタギヤZm5,ドライブギヤZm4,3速ギヤZm3,2速ギヤZm2及び1速ギヤZm1と常時噛合う、カウンタスプリッタギヤZc5,カウンタドライブギヤZc4,カウンタ3速ギヤZc3,カウンタ2速ギヤZc2及びカウンタ1速ギヤZc1が夫々固定される。また、メインカウンタシャフト22には、リバースアイドラギヤZmR1を介して、リバースギヤZmRと常時噛合うカウンタリバースギヤZcRが固定される。
メインシャフト20と同軸に配置されたアウトプットシャフト24には、レンジ14Cの低速段を構成するレンジローギヤZr2が遊転自由に嵌合されると共に、その一端部にシンクロメッシュ機構18を構成するシンクロナイザハブ18Aが固定される。アウトプットシャフト24と平行に配置されたレンジカウンタシャフト26には、レンジハイギヤZr1及びレンジローギヤZr2と常時噛合う、レンジカウンタハイギヤZcr1及びレンジカウンタローギヤZcr2が夫々固定される。
また、シンクロメッシュ機構18を構成する各シンクロナイザハブ18Aの外周には、軸方向に往復動するシンクロナイザスリーブ18Bがスプライン結合される。そして、シンクロナイザスリーブ18Bを被同期ギヤの方向に移動させることで、図示しないシンクロナイザリングを被同期ギヤの摩擦面に押し付け、その摩擦力により同期ギヤと被同期ギヤの相対回転をなくし、両者の同期が行われる。
かかる構成の多段変速機14では、メイン14B及びレンジ14Cにより6段の変速段が構成され、この各変速段をスプリッタ14Aにより半段ずらすことで、図3に示すような前進12段及び後進2段の変速段が実現される。
エンジン10には、燃焼室又は吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射装置28と、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサ30と、が取り付けられる。また、運転室内のアクセルペダル32には、その操作量(踏込角度)からエンジン負荷を検出するアクセルペダルセンサ34が取り付けられる。そして、エンジン回転速度センサ30及びアクセルペダルセンサ34の各出力信号は、コンピュータを内蔵したエンジンコントロールユニット36に入力され、そのROM(Read Only Memory)などに記憶されたエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン回転速度及びエンジン負荷に適合した燃料が燃焼室又は吸気ポートに噴射供給されるべく、燃料噴射装置28が電子制御される。
摩擦クラッチ12には、クラッチ制御バルブ38を介してエアタンク40から供給される圧縮空気を使用して、その断接動作を行うクラッチブースタ42の出力軸が接続されると共に、そのストローク量を検出するクラッチストロークセンサ44が取り付けられる。一方、多段変速機14には、エアタンク40から供給される圧縮空気を使用して、スプリッタ14A,メイン14B及びレンジ14Cの変速動作を行うと共に、それらの各変速状態を独立して検出するギヤシフトユニット46が取り付けられる。ここで、ギヤシフトユニット46が、第1の変速状態検出手段及び第2の変速状態検出手段として機能する。
変速制御に必要な他のパラメータを検出すべく、多段変速機14には、アウトプットシャフト24の回転速度から車速を検出する車速センサ48と、メイン14Bの1速ギヤZm1の回転速度を検出するメインギヤ回転速度センサ50と、レンジ14CのレンジローギヤZr2の回転速度を検出するレンジギヤ回転速度センサ52(ギヤ回転速度検出手段)と、が取り付けられる。なお、図2に示す符号T1,T2,B1及びB2は、アウトプットシャフト24の回転を減速しつつ外部に取り出すためのギヤ列である。
また、運転室内には、クラッチペダル54の操作状態を検出するクラッチペダルスイッチ56及び58と、多段変速機14の変速指示を入力するシフトレバーユニット60(変速指示入力手段)と、変速状態を表示するディスプレイユニット62と、変速終了などを報知するブザー64と、図示しないブレーキペダルが踏み込まれたことを検出するブレーキペダルスイッチ66と、が取り付けられる。シフトレバーユニット60には、車両運転者が操作するシフトレバー60Aが立設され、その先端部に、多段変速機14を自動変速させるか手動変速させるかを切り換える切換スイッチ60Bが組み込まれている。ここで、シフトレバーユニット60は、少なくとも、多段変速機14をシフトアップ,シフトダウン,現変速段に維持するホールド,ニュートラル及び後進段に変速させるための変速指示を入力可能に構成される。
クラッチストロークセンサ44,ギヤシフトユニット46,車速センサ48,メインギヤ回転速度センサ50,レンジギヤ回転速度センサ52,クラッチペダルスイッチ56及び58,シフトレバーユニット60,ブレーキペダルスイッチ66の各出力信号は、コンピュータを内蔵した変速機コントロールユニット68に入力される。また、変速機コントロールユニット68は、少なくとも車輪速を適宜読み込み可能とすべく、CAN(Controller Area Network)などのネットワークを介して、エンジンコントロールユニット36及びABS(Anti-lock Brake System)コントロールユニット70と接続される。そして、変速機コントロールユニット68は、そのROMなどに記憶された変速制御プログラムを実行することで、各種入力信号から特定される車両状態及び操作状態に応じて自動又は手動で変速動作を行うべく、クラッチ制御バルブ38,ギヤシフトユニット46,ディスプレイユニット62及びブザー64を適宜制御する。
ここで、変速機コントロールユニット68が変速制御プログラムを実行することで、第1の換算手段,第1の目標変速段決定手段,第2の換算手段,変速禁止手段,第2の目標変速段決定手段,換算手段及び目標変速段決定手段が夫々具現化される。また、変速制御プログラムを実行する変速機コントロールユニット68が、クラッチ制御バルブ38及びギヤシフトユニット46の作動を制御することで、第1の変速制御手段,第2の変速制御手段及び変速制御手段が夫々具現化される。さらに、ABSコントロールユニット70が、車輪速検出手段として機能する。なお、ABSコントロールユニット70に代えて、独立したセンサにより車輪速を直接検出するようにしてもよい。
図4は、メイン14Bがニュートラルに変速された状態で、シフトレバーユニット60からシフトアップ信号又はシフトダウン信号が入力されたことを契機として、変速機コントロールユニット68で実行される変速制御プログラムの処理内容を示す。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様)では、ABSコントロールユニット70から車輪速を読み込む。
ステップ2では、レンジギヤ回転速度センサ52からレンジローギヤZr2の回転速度を読み込む。
ステップ3では、ギヤシフトユニット46からレンジ14Cの変速状態を読み込む。
ステップ4では、ディファレンシャルギヤの減速比及びレンジ14Cの変速状態を考慮し、車輪速をレンジカウンタシャフト26の回転速度vc1に換算する。
ステップ5では、レンジローギヤZr2及びレンジカウンタローギヤZcr2の歯数を考慮し、レンジローギヤZr2の回転速度をレンジカウンタシャフト26の回転速度vc2に換算する。
ステップ6では、レンジカウンタシャフト26の回転速度vc1及びvc2の差の絶対値(以下「回転速度偏差」という)が所定値未満であるか否かを判定する。ここで、所定値としては、例えば、センサ出力にノイズが重畳して回転速度が小さく検出され、その回転速度により決定される目標変速段に多段変速機14を変速したとしても、エンジン10が過回転しない安全幅を確保可能な値に設定される。そして、回転速度偏差が所定値未満であればステップ7へと進み(Yes)、車輪速から換算された回転速度vc1に応じて変速すべき目標変速段を決定し、ステップ10へと進む。一方、回転速度偏差が所定値以上であればステップ8へと進む(No)。
ステップ8では、回転速度偏差が所定値以上である状態が所定時間継続しているか否かを判定する。ここで、所定時間は、変速すべき目標変速段が長時間に亘って決定されないことを防止するための閾値であって、例えば、必要以上に空走しない時間に設定される。そして、かかる状態が所定時間継続していればステップ9へと進み(Yes)、エンジン10の過回転を防止する観点から、回転速度vc1及びvc2のうちの大きいものに応じて変速すべき目標変速段を決定する。一方、かかる状態が所定時間継続していなければステップ1へと戻る(No)。
ステップ10では、多段変速機14が目標変速段に変速されるように、クラッチ制御バルブ38及びギヤシフトユニット46の作動を制御する。具体的には、クラッチブースタ42を作動させて摩擦クラッチ12を切断し、ギヤシフトユニット46により多段変速機14を目標変速段に変速させた後、摩擦クラッチ12を完全接続させる。このとき、摩擦クラッチ12は、変速時間短縮及びショック軽減などを図るため、半クラッチ状態までは短時間で接続する一方、そこから完全接続までは徐々に接続することが望ましい。
かかる自動変速装置によれば、主変速機を構成するメイン14Bがニュートラルに変速された状態で、シフトレバーユニット60からシフトアップ信号又はシフトダウン信号が入力されると、ディファレンシャルギヤの減速比及びレンジ14Cの変速状態を考慮して、駆動輪の車輪速がレンジカウンタシャフト26の回転速度vc1に換算される。また、レンジローギヤZr2及びレンジカウンタローギヤZcr2の歯数を考慮して、レンジローギヤZr2の回転速度がレンジカウンタシャフト26の回転速度vc2に換算される。そして、回転速度vc1とvc2との差の絶対値たる回転速度偏差が所定値未満であれば、車輪速から換算された回転速度vc1に基づいて、多段変速機14を変速すべき目標変速段が決定される。一方、回転速度偏差が所定値以上であるときには、原則として変速が禁止される。このとき、多段変速機14を走行段に変速させる変速指示を入力したにもかかわらず、長時間変速がなされずに空走することを防止する観点から、変速禁止状態が所定時間持続すると、回転速度vc1とvc2との大きいものに基づいて、多段変速機14を変速すべき目標変速段が決定される。その後、多段変速機14が目標変速段に変速されるようにすべく、クラッチ制御バルブ38及びギヤシフトユニット46の作動が制御される。
即ち、ニュートラル走行中に走行段への変速操作がなされたときには、実際の車速に対して変動が大きい車速センサからの出力信号に代えて、実際の車速を忠実に表わす車輪速から換算された車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて、目標変速段への変速が実行されることとなる。このため、駆動力伝達系の回転速度が大きく変動したとしても、その影響が少ない車輪速に基づいて変速制御が実行されることで、多段変速機14を車速に適合した目標変速段に変速させることが可能となり、変速制御精度を向上させることができる。
このとき、レンジカウンタシャフト回転速度vc1及びvc2は、車輪速及びレンジローギヤZr2の回転速度から換算されるので、レンジカウンタシャフト回転速度を直接検出するセンサが不要となり、コスト上昇などを抑制することができる。
なお、主変速機の変速状態及び変速指示入力の有無にかかわらず、レンジカウンタシャフト回転速度vc1及びvc2に基づいて、多段変速機14及び摩擦クラッチ12の作動を制御するようにしてもよい。このようにすれば、車両走行状態に応じて多段変速機14を自動変速させるときに、回転変動の少ない車輪速から換算された車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて変速制御が実行されるため、変速制御精度を向上させることができる。
また、副変速機のギヤ回転速度としては、レンジローギヤZr2の回転速度に限らず、レンジハイギヤZr1,レンジカウンタローギヤZcr2及びレンジカウンタハイギヤZcr1の回転速度のいずれかを使用することもできる。
本発明を具現化した自動変速装置の全体構成図 多段変速機の詳細構造図 多段変速機の変速段の説明図 変速制御プログラムの内容を示すフローチャート
符号の説明
10 エンジン
12 摩擦クラッチ
14 多段変速機
14A スプリッタ
14B メイン
14C レンジ
38 クラッチ制御バルブ
42 クラッチブースタ
46 ギヤシフトユニット
52 レンジギヤ回転速度センサ
60 シフトレバーユニット
68 変速機コントロールユニット
70 ABSコントロールユニット

Claims (6)

  1. 主変速機及びその出力軸に連結される副変速機からなる同期噛合式の多段変速機と、
    前記多段変速機とエンジンとの間の駆動力伝達系に配設される摩擦クラッチと、
    前記主変速機の変速状態を検出する第1の変速状態検出手段と、
    前記多段変速機に対する変速指示を入力する変速指示入力手段と、
    駆動輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、
    前記第1の変速状態検出手段によりニュートラルに変速されていることが検出され、かつ、前記変速指示入力手段により走行段への変速指示が入力されたときに、前記車輪速検出手段により検出された車輪速を、車速又はこれと相関関係がある速度に換算する第1の換算手段と、
    前記第1の換算手段により換算された車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて、前記多段変速機を変速すべき目標変速段を決定する第1の目標変速段決定手段と、
    前記第1の目標変速段決定手段により決定された目標変速段に変速されるように、前記多段変速機及び摩擦クラッチの作動を制御する第1の変速制御手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする車両の自動変速装置。
  2. 前記副変速機のギヤ回転速度を検出するギヤ回転速度検出手段と、
    前記ギヤ回転速度検出手段により検出されたギヤ回転速度を、車速又はこれと相関関係がある速度に換算する第2の換算手段と、
    前記第1及び第2の換算手段により夫々換算された車速又はこれと相関関係がある速度の差の絶対値が所定値以上であるときに、前記第1の変速制御手段による変速を禁止する変速禁止手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の車両の自動変速装置。
  3. 前記変速禁止手段による変速禁止状態が所定時間継続したときに、前記第1及び第2の換算手段により夫々換算された車速又はこれと相関関係がある速度のうち大きいものに基づいて、前記多段変速機を変速すべき目標変速段を決定する第2の目標変速段決定手段と、
    前記第2の目標変速段決定手段により決定された目標変速段に変速されるように、前記多段変速機及び摩擦クラッチの作動を制御する第2の変速制御手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の車両の自動変速装置。
  4. 前記車速と相関関係がある速度は、前記副変速機のカウンタシャフト回転速度であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車両の自動変速装置。
  5. 前記副変速機の変速状態を検出する第2の変速状態検出手段を備え、
    前記第1の換算手段は、少なくとも、前記第2の変速状態検出手段により検出された副変速機の変速状態に基づいて、前記車輪速検出手段により検出された車輪速をカウンタシャフト回転速度に換算することを特徴とする請求項4記載の車両の自動変速装置。
  6. 駆動輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、
    前記車輪速を車速又はこれと相関関係がある速度に換算する換算手段と、
    前記車速又はこれと相関関係がある速度に基づいて、同期噛合式の多段変速機の目標変速段を決定する目標変速段決定手段と、
    前記目標変速段に変速されるように、前記多段変速機及び摩擦クラッチの作動を制御する変速制御手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする車両の自動変速装置。
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