JP4863630B2 - 炭素繊維強化樹脂 - Google Patents
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Description
一方、速硬化と高い生産性が求められる引抜成形においては、不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂(以下「不飽和マトリックス樹脂」という。)が用いられてきたが(特許文献1、2)、成形品の断面が樹脂混合物の硬化収縮によるひずみが発生するような形状である場合には割れや裂けなどが生じ一層の成形性の改善が求めれられてきた。
また、炭素繊維のサイジング剤には、マトリックス樹脂との接着性を考慮して、マトリックス樹脂と同種類の樹脂が一般的に用いられてきたが(特許文献3等)、不飽和マトリックス樹脂を用いる引抜き成形等の用途においては、炭素繊維のサイジング剤として、従来一般的であるエポキシ樹脂を用いると、炭素繊維と不飽和マトリックス樹脂との相性が悪く、成形品の物性と成形性に問題があった(特許文献4)。そのため、マトリックス樹脂が不飽和マトリックス樹脂の場合、ビニルエステル樹脂を主成分とするサイジング剤を用いることが検討されてきた(特許文献5、6)。
更に、本発明は、マトリックス樹脂として不飽和マトリックス樹脂を主成分として用いて炭素繊維で強化する場合に、このマトリックス樹脂と炭素繊維との接着性(密着性)を上げて、エポキシ樹脂で表面処理した炭素繊維とエポキシ樹脂との接着性と同等以上とすることのできる手段を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、炭素繊維と樹脂とから成る強化樹脂であって、該炭素繊維がビニルエステル樹脂又はエポキシ樹脂を主成分として含有するサイジング剤で表面処理され、該樹脂が不飽和マトリックス樹脂成分とエポキシ樹脂成分から成り、その質量比が10:90〜90:10であり、該不飽和マトリックス樹脂がビニルエステル樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂であり、該樹脂が高分子系低収縮剤を含み、該高分子系低収縮剤がセルロースアセレートブチレート又はスチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする引抜き成形用炭素繊維強化樹脂である。
これら不飽和ポリエステルやビニルエステル樹脂は、不飽和度の高いものが好ましく、不飽和基当量(不飽和基1個当たりの分子量)が100〜800程度のものが好ましい。
マトリックス樹脂と炭素繊維との間の適正な密着力及び適正な反応性を与えるためには、不飽和マトリックス樹脂成分とエポキシ樹脂成分の質量比(不飽和マトリックス樹脂成分:エポキシ樹脂成分)は90:10〜10:90、好ましくは90:10〜20:80、より好ましくは80:20〜25:75、更に好ましくは75:25〜25:75である。
炭素繊維としては、PAN(アクリル)系、ピッチ系、レーヨン系等のいずれの炭素繊維を用いてもよいが、通常高強度の炭素長繊維が得られやすいPAN系炭素繊維が用いられる。また、通常炭素繊維は、ストランド(数百〜数万本の繊維束)の形態で用いられる。
表面処理のためのサイジング剤としては、ビニルエステル樹脂又はエポキシ樹脂を主成分(例えば、サイジング剤中に30質量%以上)とするものが好ましく、より好ましくは、サイジング剤がビニルエステル樹脂を主成分とするものである。
このエポキシ樹脂としては、上記に挙げたエポキシ樹脂を用いることができる。また、このビニルエステル樹脂としては、上記に挙げたビニルエステル樹脂を用いることができる。
サイジング剤付与処理は、スプレー法、液浸法、転写法等いかなる公知の方法を用いて行ってもよいが、液浸法が好ましい。液浸法においては、炭素繊維又はそのストランドをサイジング剤液中に設けられた液没ローラ又は液浸ローラを介して、開繊と絞りを繰り返して含浸させることが好ましい。
サイジング剤の適当な付着量としては、炭素繊維単位質量あたりのビニルエステル樹脂の付着量が0.02〜5質量%、好ましくは0.05〜2質量%である。
また、その成形法は、用途により様々であり、各用途に適した方法を用いればよい。その成形法としては、引抜成形法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、RTM法、ピンワインディング法、インフュージョン法、ホット(コールド)プレス法、スプレーアップ法、連続プレス法、及びプリプレグの形態でシートワインディング法、オートクラーブ法、ホットプレス法等が挙られる。樹脂の硬化条件は、用いる樹脂と硬化剤により適宜選定されるが、常温硬化系では常温で数分〜数十時間、中高温硬化系では45℃以上の温度で数十秒〜数時間である。
高分子系低収縮剤としては、セルロースアセレートブチレート、スチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられるが、セルロースアセレートブチレートが好ましい。この低収縮材は、これらを変性したものであってもよく,更に相溶化剤等を添加したものでもよい。
低収縮剤の添加量は、使用する低収縮剤の種類によって異なるが、最終的に低収縮剤を添加した樹脂の硬化後収縮率が、0〜10%、好ましくは0〜7%、より好ましくは0〜5%となるよう適宜選択する。例えば、セルロースアセテートブチレートの場合は、樹脂100部に対して1〜20部程度添加すれば、樹脂の硬化後収縮率が0〜10%となる。
この樹脂混合物の硬化収縮によるひずみが発生するような形状成形品の断面として、以下のような断面形状を挙げることができる。
(1)断面が、円形又は矩形の空洞を持つパイプ形状をしたもの。この場合、引抜き成形の際入れ子を用いて空洞を形成するため、その周りを取り囲む樹脂組成物の収縮により、割れやヒビなどが発生する場合が多い。このような例として、例えば、図1の(1)〜(6)のような断面形状を挙げることができる。このような成形品の場合、成形品の表面に引き抜き方向に沿って縦割れが生じるといった不具合がよく発生する。
(2)断面が、凹状になっているもの。これは、上記のパイプ形状の一面が欠けたものであるが、この面以外の収縮により同様の問題が生じる。このような例として、例えば、図1の(7)〜(10)のような断面形状を挙げることができる。このような成形品の場合、成形品の側面に引き抜き方向に沿って縦割れが生じるといった不具合がよく発生する。
(3)断面が、円形又は矩形であって断面積が大きいもの。この場合には、断面積が小さいと問題はないが、大きくなってくるに従い、内部と外部の収縮の違いによりやはり同様の問題が生じ得る。このような例として、例えば、図1の(11)のような円形断面の場合、直径が10mm以上の場合には断面に縦割れやヒビなどが入りやすい。
(1)ロービング、ヤーン、ストランドなどの形態でのFW(フィラメントファインディング)などの表面材。この材質としては、硝子繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ホウ素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、鋼などの金属繊維、PBO繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、フェノール繊維などを用いることができる。
(2)またCSM(コンティユアスストランドマット)、CM(チョップドストランドマット)、ニットファブリック、平織や朱子織などの織物材、スダレ、不織布、サーフェイスマット、などの表面材を用いてもよい。この方法においても上記材質を用いることができる。
参考例1
本参考例では、Φ6ロッドの引抜き成形品を製造し、その樹脂と炭素繊維との密着性を層間せん断強度を測定して評価した。
マトリックス樹脂として、以下の6種類の樹脂組成物を用いた(比率及び部は質量比及び質量部を表す。)。
(1)マトリックス樹脂組成物 No.1(ビニルエステル(VE)樹脂)
VE樹脂(日本ユビカ(株)製8250H)(スチレン38質量%含有):100部
硬化剤(日本油脂(株)製 ナイパーNS):3部
(2)マトリックス樹脂組成物 No.2(VE−EP混合樹脂)
樹脂組成物 No.1:樹脂組成物 No.5=7:3にて混合した組成物
(3)マトリックス樹脂組成物 No.3(VE−EP混合樹脂)
樹脂組成物 No.1:樹脂組成物 No.5=5:5にて混合した組成物
(4)マトリックス樹脂組成物 No.4(VE−EP混合樹脂)
樹脂組成物 No.1:樹脂組成物 No.5=3:7にて混合した組成物
(5)マトリックス樹脂組成物 No.5(エポキシ(EP)樹脂)
EP樹脂(ダウ・ケミカル(株)製 DER383J):100部
酸無水物(日立化成工業(株)製 HN2200):80部
硬化促進剤(四国化成工業(株)製 2E4MZ):1部
(6)マトリックス樹脂組成物 No.6(VE−EP 1液型樹脂)
樹脂(昭和高分子(株)製 リポキシM7170)(VE:EP=70:30相当):100部
酸無水物(新日本理化(株)製 リカシッドMT500):17.6部
硬化促進剤(旭化成ケミカルズ(株)製 ノバキュアHX9742):0.5部
硬化剤(化薬アクゾ(株)製 トリゴノックス22-B75):2部
硬化剤(化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16):1部
(1)VE処理炭素繊維(東邦テナックス(株)製 ベスファイトUT500-12K(X001)、繊維直径:7μm、ストランド数:12000本、サイジング剤:ビニルエステル樹脂)
(2)EP処理炭素繊維(東邦テナックス(株)製 ベスファイトUT500-12K(D405)、繊維直径:7μm、ストランド数:12000本、サイジング剤:エポキシ樹脂)
その結果を表1に示す。
一方、不飽和マトリックス樹脂とエポキシ樹脂が70:30〜30:70の混合比の混合体の場合(No.2〜4,6)には、いずれの処理(VE処理、EP処理)の炭素繊維を用いた場合であっても、各樹脂を単独で用いた場合(No.1)よりも著しく物性が向上している。
特に、ビニルエステル処理炭素繊維と不飽和マトリックス‐エポキシ樹脂混合体の場合(No.2〜4, VE処理)には、エポキシ処理炭素繊維とエポキシ樹脂単独の場合(No.5, EP処理)を上回る物性を有しているのは特筆すべきである(65.5, 64.3, 67.4MPa)。
また、分子内にエポキシ基と不飽和基を有する1液型樹脂と不飽和マトリックス処理炭素繊維の組み合わせの場合(No.6, VE処理)においても、これと同等の物性を有している(62.4MPa)。
下記配合の樹脂を含浸させた炭素繊維をガイドを通して順次製品形状を整えながら前方へ引っ張ることにより引抜き成形を行った。このマトリックス樹脂が含浸した炭素繊維から成る補強材は加熱金型(断面:35w×16h×2t矩形パイプ、金型温度:170℃)で所定の断面形状に硬化させながら先端へ引っ張られる。この引っ張り速度(成形速度)は10cm/分とした。炭素繊維の本数は炭素繊維体積含有率(Vf)が65%になるように調整した。
(樹脂配合)
樹脂:ダウ・ケミカル(株)製 DER383J(EP樹脂) 100部
酸無水物:日立化成工業(株)製 HN2200 80部
硬化促進剤:四国化成工業(株)製 2E4MZ 1部
(炭素繊維)
EP処理炭素繊維「東邦テナックス(株)製 べスファイトUT500−12K(D405)、繊維直径7μm、ストランド数12000本、サイジング剤:エポキシ樹脂」
この成形の結果、成形品(マトリックス樹脂)が金型面に貼り付いてしまい、引取り荷重が非常に大きくなったため、引取不能となった。
下記配合の樹脂を含浸させた炭素繊維をガイドを通して順次製品形状を整えながら前方へ引っ張ることにより引抜き成形を行った。このマトリックス樹脂が含浸した炭素繊維から成る補強材は加熱金型(断面:35w×16h×2t矩形パイプ、金型温度:150℃)で所定の断面形状に硬化させながら先端へ引っ張られる。この引っ張り速度(成形速度)は35cm/分とした。炭素繊維の本数は炭素繊維体積含有率(Vf)が65%になるように調整した。
(樹脂配合)
樹脂:日本ユピカ(株)製 8250H(VE樹脂) 100部
硬化剤:日本油脂(株)製 ナイパーNS 3部
硬化剤:化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16 1部
(炭素繊維)
EP処理炭素繊維「東邦テナックス(株)製 べスファイトUT500−12K(D405)、繊維直径7μm、ストランド数12000本、サイジング剤:エポキシ樹脂」
成形の結果、成形品は、参考例2ほどではないが、引取り荷重が大きいために反りが大きく、かつ、成形品断面に大きな縦割れが発生した。
下記配合の樹脂を含浸させた炭素繊維をガイドを通して順次製品形状を整えながら前方へ引っ張ることにより引抜き成形を行った。このマトリックス樹脂が含浸した炭素繊維から成る補強材は加熱金型(断面:35w×16h×2t矩形パイプ、金型温度:150℃)で所定の断面形状に硬化させながら先端へ引っ張られる。この引っ張り速度(成形速度)は35cm/分とした。炭素繊維の本数は炭素繊維体積含有率(Vf)が65%になるように調整した。
(樹脂配合)
樹脂:日本ユピカ(株)製 8250H(VE樹脂) 100部
低収縮剤:EASTMAN(株)製 CAB-531-1(Cas Registry No. 9004-36-8) 9部
硬化剤:日本油脂(株)製 ナイパーNS 3部
硬化剤:化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16 1部
(炭素繊維)
EP処理炭素繊維「東邦テナックス(株)製 べスファイトUT500−12K(D405)、繊維直径7μm、ストランド数12000本、サイジング剤:エポキシ樹脂」
成形の結果、成形品は、引取り荷重が大きいために反りが大きかったが、成形品断面には縦割れはなかった。ただ、非常に繊維と樹脂の密着性が悪いため、親指と人指し指で挟んで成形品を潰す程度で容易に縦割れが入ってしまった。
下記配合の樹脂を含浸させた炭素繊維をガイドを通して順次製品形状を整えながら前方へ引っ張ることにより引抜き成形を行った。このマトリックス樹脂が含浸した炭素繊維から成る補強材は加熱金型(断面:35w×16h×2t矩形パイプ、金型温度:170℃)で所定の断面形状に硬化させながら先端へ引っ張られる。この引っ張り速度(成形速度)は30cm/分とした。炭素繊維の本数は炭素繊維体積含有率(Vf)が65%になるように調整した。
(樹脂配合)
樹脂:昭和高分子(株)製 リポキシM7170「VE:EP=70:30」 100部
酸無水物:新日本理科(株) リカシッドMT500 17.6部
硬化促進剤:旭化成ケミカルズ(株)製 ノバキュアHX9742 0.5部
硬化剤:化薬アクゾ(株)製 トリゴノックス22−B75 2部
硬化剤:化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16 1部
(炭素繊維)
EP処理炭素繊維「東邦テナックス(株)製 べスファイトUT500−12K(D405)、繊維直径7μm、ストランド数12000本、サイジング剤:エポキシ樹脂」
成形の結果、成形品は、参考例2〜4の成形品と比較して、金型面と樹脂の接触抵抗も少なく非常に低い引取り荷重のため、反りがほとんど発生しなかった。ただ、参考例3と同様に成形品断面に縦割れが発生した。
下記配合の樹脂を含浸させた炭素繊維をガイドを通して順次製品形状を整えながら前方へ引っ張ることにより引抜き成形を行った。このマトリックス樹脂が含浸した炭素繊維から成る補強材は加熱金型(断面:35w×16h×2t矩形パイプ、金型温度:170℃)で所定の断面形状に硬化させながら先端へ引っ張られる。この引っ張り速度(成形速度)は30cm/分とした。炭素繊維の本数は炭素繊維体積含有率(Vf)が65%になるように調整した。
(樹脂配合)
樹脂:昭和高分子(株)製 リポキシM7170「VE:EP=70:30」 100部
低収縮剤:EASTMAN(株)製CAB-531-1 9部
酸無水物:新日本理科(株) リカシッドMT500 17.6部
硬化促進剤:旭化成ケミカルズ(株)製 ノバキュアHX9742 0.5部
硬化剤:化薬アクゾ(株)製 トリゴノックス22−B75 2部
硬化剤:化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16 1部
(炭素繊維)
EP処理炭素繊維「東邦テナックス(株)製 べスファイトUT500−12K(D405)、繊維直径7μm、ストランド数12000本、サイジング剤:エポキシ樹脂」
成形の結果、成形品は、参考例5と同様に反りがほとんどなく、かつ、成形品断面にも縦割れがなかった。また、参考例4の成形品と比較して、成形品は非常に繊維と樹脂の密着性が良好であった。
下記配合の樹脂を含浸させた炭素繊維をガイドを通して順次製品形状を整えながら前方へ引っ張ることにより引抜き成形を行った。このマトリックス樹脂が含浸した炭素繊維から成る補強材は加熱金型(断面:35w×16h×2t矩形パイプ、金型温度:170℃)で所定の断面形状に硬化させながら先端へ引っ張られる。この引っ張り速度(成形速度)は30cm/分とした。炭素繊維の本数は炭素繊維体積含有率(Vf)が65%になるように調整した。
(樹脂配合)
樹脂:昭和高分子(株)製 リポキシM7170「VE:EP=70:30」 100部
低収縮剤:日本油脂(株)製モディパーS108-35(スチレン−酢酸ビニル共重合体)
20部
酸無水物:新日本理科(株) リカシッドMT500 17.6部
硬化促進剤:旭化成ケミカルズ(株)製 ノバキュアHX9742 0.5部
硬化剤:化薬アクゾ(株)製 トリゴノックス22−B75 2部
硬化剤:化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16 1部
(炭素繊維)
EP処理炭素繊維「東邦テナックス(株)製 べスファイトUT500−12K(D405)、繊維直径7μm、ストランド数12000本、サイジング剤:エポキシ樹脂」
成形の結果、成形品は、参考例5と同様に反りがほとんどなかった。成形品断面には参考例5に比べると縦割れがはるかに少なくかったが、実施例1に比べると、使用上問題ない程度ではあるがコーナー部分に、引抜き方向に微小な縦割れが観測された。また、参考例3の成形品と比較して、成形品は非常に繊維と樹脂の密着性が良好であった。
Claims (6)
- 炭素繊維と樹脂とから成る強化樹脂であって、該炭素繊維がビニルエステル樹脂又はエポキシ樹脂を主成分として含有するサイジング剤で表面処理され、該樹脂が不飽和マトリックス樹脂成分とエポキシ樹脂成分から成り、その質量比が10:90〜90:10であり、該不飽和マトリックス樹脂がビニルエステル樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂であり、該樹脂が高分子系低収縮剤を含み、該高分子系低収縮剤がセルロースアセレートブチレート又はスチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする引抜き成形用炭素繊維強化樹脂。
- 前記不飽和マトリックス樹脂成分とエポキシ樹脂成分から成る樹脂が、エポキシ樹脂骨格中に不飽和基とエポキシ基の両方を有する一液型樹脂である請求項1に記載の炭素繊維強化樹脂。
- 炭素繊維及びマトリックス樹脂組成物から成る樹脂混合物を引抜き成形することから成る引抜き成形方法であって、該炭素繊維がビニルエステル樹脂又はエポキシ樹脂を主成分として含有するサイジング剤で表面処理され、該マトリックス樹脂組成物が不飽和マトリックス樹脂成分とエポキシ樹脂成分から成り、その質量比が10:90〜90:10であり、該不飽和マトリックス樹脂がビニルエステル樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂であり、該樹脂が高分子系低収縮剤を含み、該高分子系低収縮剤がセルロースアセレートブチレート又はスチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする引抜き成形方法。
- 前記不飽和マトリックス樹脂成分とエポキシ樹脂成分から成る樹脂が、エポキシ樹脂骨格中に不飽和基とエポキシ基の両方を有する一液型樹脂である請求項3に記載の方法。
- 前記成形品の断面が樹脂混合物の硬化収縮によるひずみが発生するような形状である請求項3又は4に記載の方法。
- 請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法により成形された引抜き成形品。
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