JPH0811222A - 引抜成形品の製造装置 - Google Patents

引抜成形品の製造装置

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JPH0811222A
JPH0811222A JP6149090A JP14909094A JPH0811222A JP H0811222 A JPH0811222 A JP H0811222A JP 6149090 A JP6149090 A JP 6149090A JP 14909094 A JP14909094 A JP 14909094A JP H0811222 A JPH0811222 A JP H0811222A
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JP
Japan
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resin
impregnation tank
resin impregnation
fiber
reinforcing fiber
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JP6149090A
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Inventor
Masahiro Ishii
正裕 石居
Mitsuo Okubo
光夫 大久保
Michihiko Watanabe
充彦 渡辺
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品中に空洞がほとんどなく、かつまた比
較的弱い引取り力で、しかも成形速度を速くして能率良
く連続して成形することができて、強度の必要な建築・
土木分野の構造部材を構成する材料として有利に使用す
ることができる引抜成形品の製造装置を提供する。 【構成】 連続繊維束からなる強化繊維に樹脂含浸槽3
内にて未硬化熱硬化性樹脂を含浸させて未硬化樹脂含浸
強化繊維を得、この未硬化樹脂含浸強化繊維を引抜成形
用金型6 内を通過させつつ所定形状に賦形しかつ硬化さ
せて連続的に引き抜く引抜成形品10の製造装置であっ
て、上記樹脂含浸槽3 が、引抜成形用金型6に対して強
化繊維導入側に密接状態に配置され、かつこの樹脂含浸
槽3 の直前に、連続強化繊維を金型賦形形状と略同形状
に集束させる導入ガイドが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、引抜成形品の製造装
置、さらに詳しくは、気泡の残存がほとんどない高強度
な成形品を、高生産性で得ることのできる引抜成形品の
製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、引抜成形品の製造装置としては、
連続繊維束からなる強化繊維に未硬化熱硬化性樹脂を含
浸させるために、樹脂含浸槽に連続強化繊維を浸漬し、
ついで未硬化樹脂含浸強化繊維を、樹脂含浸槽より外部
に一旦引き出し、さらにこの樹脂含浸強化繊維を金型賦
形形状とほゞ同じ形状に集束させた後、引抜成形用金型
に導入して、加熱賦形する装置が知られていた(例えば
特開平1−237130号公報参照) また従来、引抜成形品の製造装置として、引抜成形用金
型の中途に設けられた注入孔より、未硬化熱硬化性樹脂
を加圧射出して、連続繊維束からなる強化繊維に未硬化
熱硬化性樹脂を含浸させながら、加熱賦形する装置が知
られていた(例えば特開昭58−12724号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
前者の製造装置では、樹脂含浸強化繊維を一旦空気中に
引き出すので、そのさいに未硬化熱硬化性樹脂が強化繊
維より落下し、またそのときに生じた気孔が、そのまま
空洞(ボイド)として成形品中に残留してしまい、成形
品の強度が低下するという問題があった。
【0004】また後者の製造装置では、未硬化熱硬化性
樹脂の加圧容器が必要であるとともに、この加圧容器へ
の樹脂供給のために成形が連続的でなかったり、高度に
集束されかつ規制された強化繊維束に樹脂を圧入するた
めに強化繊維束の中心部分の樹脂含浸が不充分であった
り、樹脂含浸に高圧を負荷するために引取り力が増大し
たりするという問題があった。
【0005】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、成形品中に空洞がほとんどなく、かつまた比
較的弱い引取り力で、しかも成形速度を速くして能率良
く連続して成形することができて、強度の必要な建築・
土木分野の構造部材を構成する材料として有利に使用す
ることができる引抜成形品の製造装置を提供しようとす
るにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、連続繊維束からなる強化繊維に樹脂含
浸槽内にて未硬化熱硬化性樹脂を含浸させて未硬化樹脂
含浸強化繊維を得、この未硬化樹脂含浸強化繊維を引抜
成形用金型内を通過させつつ所定形状に賦形しかつ硬化
させて連続的に引き抜く引抜成形品の製造装置であっ
て、上記樹脂含浸槽が、引抜成形用金型に対して強化繊
維導入側に密接状態に配置され、かつこの樹脂含浸槽の
直前にまたは樹脂含浸槽中に、連続強化繊維を金型賦形
形状と略同形状に集束させる導入ガイドが設けられてい
ることを特徴とするものである。
【0007】また本発明は、上記樹脂含浸槽に対して引
抜成形用金型と反対側に、連続繊維束からなる強化繊維
が通過する真空脱気室が設けられていることを特徴とす
るものである。
【0008】上記において、強化繊維としては、使用せ
られる熱硬化性樹脂の硬化工程の温度において安定な繊
維が用いられる。具体的には、ガラス繊維、シリコン・
チタン・炭素繊維、ボロン繊維、微細な金属繊維、炭素
繊維、さらにはアラミド繊維、エコノール繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リエチレン繊維、ビニロン繊維などの有機繊維をあげる
ことができる。またモノフィラメントの直径は1〜50
μmが好ましい。
【0009】また連続繊維束からなる強化繊維の形態と
しては、多数本のフィラメントを集束したロービング、
フィラメント束のストランドを2次元ランダムに配して
バインダーにより接着したコンティニアス・ストランド
マット、ストランド束を円(スワール)状に配してニー
ドルパンチにより結合したスワールマット、ロービング
を平織りまたは朱子織り等したロービングクロス等が単
独もしくは組み合わせて用いられる。
【0010】熱硬化性樹脂と強化繊維の割合は、繊維強
化樹脂成形品の必要とする物性により適宜決定される
が、樹脂100重量部に対して繊維補強材が50〜50
0重量部であるのが好ましい。ここで、樹脂100重量
部に対して強化繊維が50重量部未満であると、成形品
の機械的強度が十分でなく、500重量部を越えると、
強化繊維が樹脂中に均一に分散した成形品が得られにく
く、空洞等の発生により、成形品強度が極端に低下する
ので、好ましくない。
【0011】本発明において用いる熱硬化性樹脂として
は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエ
ステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げら
れるが、中でも不飽和ポリエステル樹脂を使用するのが
好ましい。
【0012】ここで、本発明で用いられる不飽和ポリエ
ステル樹脂は、一般に引抜成形品の製造に用いられる不
飽和ポリエステル樹脂のすべてが使用可能である。
【0013】すなわち、不飽和ポリエステル樹脂として
は、グリコール類と不飽和多塩基酸もしくは飽和多塩基
酸とを加熱エステル共重合化したもの単独、または前記
不飽和ポリエステル樹脂を共重合性モノマー類に溶解し
たものである。
【0014】不飽和多塩基酸としては、例えば無水マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が用い
られ、また飽和多塩基酸としては、例えば無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸等が用いられる。また
グリコール類としては、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6ヘキサン
ジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA
プロピレンオキシ付加物、ジブロムネオペンチルグリコ
ール、ペンタエリスリットジアリルエーテル、アリルグ
リシジルエーテル等が用いられる。
【0015】また不飽和ポリエステル類を溶解する、共
重合性モノマー類としては、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、酢酸ビ
ニル、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、
トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフ
タレート、フェノキシエチルアクリレート、1,6ヘキ
サンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパン
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等が
用いられる。重合性モノマーのエステル共重合体との割
合は通常20〜60重量%である。
【0016】またこれらの不飽和ポリエステル樹脂組成
物に安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、着色剤のような
添加剤、および炭酸カルシウム、金属酸化物等の充填剤
等が配合されてもよい。
【0017】つぎに、本発明の引抜成形品の製造装置を
図面に基づいて説明する。
【0018】図1は、本発明の引抜成形品製造装置の具
体例を示す縦断面図である。
【0019】なお、図1においては、便宜上、連続繊維
束からなる3本の強化繊維(F) と、2枚の連続強化繊維
マット(f) がそれぞれ図示されているが、実際には、必
要に応じて多数の強化繊維(F) と連続強化繊維マット
(f) が並列して用いられる。
【0020】同図において、本発明の引抜成形品の製造
装置は、一方向に引き揃えられた状態で配された連続繊
維束からなる強化繊維(F) のためのロービングスタンド
(1)と、平面上ランダムな状態で配された強化繊維から
なるコンティニアス・ストランドマツト(f) を巻き戻す
ための巻戻しロール(2) と、未硬化不飽和ポリエステル
樹脂組成物の含浸槽(3) と、この樹脂含浸槽(3) 中に強
化繊維を案内するガイド(4) と、樹脂含浸槽(3) に密接
し引抜成形用金型(6) のダイス孔の形状にほゞ強化繊維
を集束する導入ガイド(5) と、樹脂含浸槽(3) に密接状
態に配置された、引抜成形用金型(6) と成形品(10)を引
き抜くための引取り機(7) と、成形品(10)を切断するた
めのカッター(図示略)よりなる。
【0021】上記ロービングスタンド(1) および巻戻し
ロール(2) より引取り機(7) の駆動により繰り出された
強化繊維(F) およびコンティニアス・ストランドマット
(f)は、ガイド(4) により樹脂含浸槽(3) 前まで案内さ
れ、引き続き導入ガイド(5)により、ほゞ加熱賦形金型
(6) の断面形状と同形状の形に引き揃えられる。
【0022】この場合ほゞ同形状とは、加熱賦形金型
(6) の断面形状の相似比1倍以上、3倍以内の断面形状
以内に揃えることである。ここで、1倍未満となると、
強化繊維内への樹脂の侵入が困難となり、また3倍を越
えると、過剰に強化繊維内に侵入した樹脂の排出が困難
となるので、好ましくない。
【0023】このようにして引き揃えられた連続強化繊
維は、未硬化不飽和ポリエステル樹脂組成物が貯えられ
た樹脂含浸槽(3) 中に導かれる。
【0024】ついで、未硬化不飽和ポリエステル樹脂含
浸強化繊維は、引き続いて引抜成形用金型(6) 中に導か
れる。
【0025】硬化賦形用の金型(6) は、通常、樹脂含浸
槽(3) 側から順に温度が上昇するように温度設定がなさ
れているが、少なくとも樹脂含浸槽(3) と金型(6) が接
する部分の金型(6) 側は、冷却配管(8) により冷却する
ようにする。この場合の冷媒は、水、鉱物油どちらでも
良いが、経済性を優先させる時は、水、成形性の季節安
定性を重視する場合には恒温に制御された鉱物油を使用
すると良い。
【0026】また図2に示すように、上記樹脂含浸層
(3) に対して引抜成形用金型(6) と反対側に、連続繊維
束からなる強化繊維が通過する真空脱気室(9) を設ける
ことがさらに好ましい。この真空脱気室(9) は、ガイド
(4) 、導入ガイド(5) で気密化されている。この場合、
樹脂含浸槽(3) 側は、樹脂で密閉されているので空気の
侵入はないが、反対側の繊維導入側では空気の流入があ
る。空気の流入が激しく減圧が不十分なときは真空脱気
室(9) を2室以上連結するか、より強化繊維を集束して
金型断面形状の相似比2倍以下の面積にするなどして気
密化を図る。
【0027】真空脱気室(9) の気密化度は、通常1mmHg
〜700mmHgである。ここで、気密化度が1mmHg未満と
なると、樹脂含浸槽(3) からの気体の蒸散が激しくな
り、製造状態の安定化が困難となり、また700mmHgを
越えると、常圧に近く真空脱気室(9) を設けた効果が少
なくなるので好ましくない。
【0028】冷却部分を経た強化繊維は金型(6) 内の高
温側に移動し、不飽和ポリエステル樹脂が加熱硬化され
る。
【0029】引抜成形品(10)となって金型(6) よりでた
後、繊維強化不飽和ポリエステル樹脂成形品(10)は、引
取り機(7) を経てカッター(図示略)により所望の長さ
に切断される。
【0030】
【作用】本発明の上記引抜成形品の製造装置によれば、
樹脂含浸槽と金型が密接状態に配置されているので、従
来の樹脂含浸槽より引き上げた際に生じるような空洞
が、成形品中に生じない。また樹脂にかかる圧力は常圧
であり、樹脂供給を連続して行なうことができ、従って
引抜成形品の成形を連続して実施し得るとともに、強化
繊維を樹脂含浸槽に浸漬する製造装置程度の引取り力で
成形することできるので、引抜力の増大にもならない。
【0031】また本発明の装置によれば、大きな断面形
状を有する引抜成形品を、成形品中に空洞が残りやすい
にもかゝわらず、非常に空洞の少ない状態でしかも成形
速度を速くして能率良く製造することができる。
【0032】そして、本発明の装置により得られた成形
品は、強度の必要な建築・土木分野の構造部材を構成す
る材料として、有利に使用することができる。
【0033】また強化繊維を、樹脂含浸槽に導入前に真
空脱気室を通過させることにより、強化繊維内の空気を
除くと含浸速度が速くなり、特に含浸槽で含浸させるの
に時間のかかるような厚肉の成形品では成形速度を速く
することができる。
【0034】
【実施例】
実施例1〜4 不飽和ポリエステル樹脂(A)として、無水マレイン酸
−ネオペンチルグリコール−無水フタル酸の3成分共重
合体に、スチレンを全体の40重量%となるように加え
た不飽和ポリエステル樹脂に、硬化剤としてt−ブチル
パーオキシベンゾエートを、上記樹脂100重量部に対
して1重量部加え、また充填剤として炭酸カルシウムを
樹脂100重量部に対して20重量部を加えた不飽和ポ
リエステル樹脂組成物を用いた。
【0035】強化繊維(F) としては、4450texの
GFロービング830本、強化繊維マット(f) としては
目付け量450g/m2 のコンティニアス・ストランド
マットを最外層となるように使用した。樹脂含浸槽(3)
中に上記未硬化不飽和ポリエステル樹脂組成物を供給
し、前記強化繊維(F) と強化繊維マット(f) をガイド
(4) により案内しさらに導入ガイド(5) を介して樹脂含
浸槽(3) に浸漬することにより、強化繊維を縦90mmお
よび横55mmの断面となるように集束した後、実施例1
では引抜速度30cm/分で引き抜き、引き続き130℃
に加熱した金型(6)により、断面が縦85mmおよび横5
0mmの角形引抜成形品(10)を成形した。
【0036】ついで角形引抜成形品(10)の中心部より試
験片を切り出し、JIS K7053記載の空洞率測定
方法により、空洞率を測定し、結果を表1に示した。
【0037】また実施例2においては引抜速度を40cm
/分とし、実施例3においては引抜速度を50cm/分と
し、実施例4においては引抜速度を60cm/分として、
それぞれ実施例1を繰り返し、同じ断面の角形引抜成形
品(10)を製造し、かつそれらの空洞率を実施例1の場合
と同様に測定し、結果を表1に示した。
【0038】比較例1〜4 比較のために、不飽和ポリエステル樹脂(A)は、実施
例1と同じものを使用するが、強化繊維に樹脂を含浸さ
せた後、従来法により強化繊維を一度ガイドにより樹脂
含浸槽から取り出して、断面が縦95mmおよび横60mm
に集束させた。その後、樹脂含浸強化繊維を引抜成形用
金型に導入して、実施例1の場合と同形状の角形引抜成
形品を得た。
【0039】そして、実施例1の場合と同様に、上記角
形引抜成形品の中心部より試験片を切り出しJIS K
7053記載の空洞率測定方法により、空洞率を測定
し、結果を表1に併せて示した。
【0040】また比較例2においては引抜速度を40cm
/分とし、比較例3においては引抜速度を50cm/分と
し、比較例4においては引抜速度を60cm/分として、
それぞれ比較例1を繰り返し、同じ断面の角形引抜成形
品を製造し、かつそれらの空洞率を実施例1の場合と同
様に測定し、結果を表1に併せて示した。
【0041】実施例5〜8 不飽和ポリエステル樹脂(B)として、無水マレイン酸
−プロピレングリコール−イソフタル酸の3成分共重合
体に、スチレン:ジアリルフタレート=1:1混合モノ
マー溶剤を全体の45重量%となるように加えた不飽和
ポリエステル樹脂(B) に、硬化剤としてt−ブチルパー
オキシベンゾエートを、上記樹脂100重量部に対して
1重量部加え、また充填材として炭酸カルシウムを樹脂
100重量部に対して20重量部を加えた不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物を用いた。
【0042】強化繊維(F) としては、4450texの
GFロービング1540本、強化繊維マット(f) として
は目付け量450g/m2 のコンティニアス・ストラン
ドマットを最外層となるように使用した。樹脂含浸槽
(3) 中に上記未硬化不飽和ポリエステル樹脂組成物を供
給し、前記強化繊維(F) 、強化繊維マット(f) をガイド
(4) により案内しさらに導入ガイド(5) を介して樹脂含
浸槽(3) に浸漬することにより、強化繊維を半径55mm
の円形断面となるように集束した後、実施例5では引抜
速度30cm/分で引き抜き、引き続き130℃に加熱し
た金型(6) により、断面が半径50mmの円柱形引抜成形
品(10)を成形した。
【0043】ついで円柱形引抜成形品(10)の中心部より
試験片を切り出し、JIS K7053記載の空洞率測
定方法により、空洞率を測定し、結果を表1に示した。
【0044】また実施例6においては引抜速度を40cm
/分とし、実施例7においては引抜速度を50cm/分と
し、実施例8においては引抜速度を60cm/分として、
それぞれ実施例5を繰り返し、同じ円形断面の引抜成形
品(10)を製造し、かつそれらの空洞率を実施例1の場合
と同様に測定し、結果を表1に示した。
【0045】比較例5〜8 比較のために、不飽和ポリエステル樹脂(B)は、実施
例5と同じものを使用するが、強化繊維に樹脂を含浸さ
せた後、従来法により強化繊維を一度ガイドにより樹脂
含浸槽から取り出して、断面が65mmの円形状に集束さ
せた。その後、樹脂含浸強化繊維を引抜成形用金型に導
入して、実施例5の場合と同じ円形断面の引抜成形品を
得た。
【0046】そして、実施例1の場合と同様に、引抜成
形品の中心部より試験片を切り出しJIS K7053
記載の空洞率測定方法により、空洞率を測定し、結果を
表1に併せて示した。
【0047】また比較例2において、引抜速度を40cm
/分とし、比較例3において、引抜速度を50cm/分と
し、比較例4において、引抜速度を60cm/分として、
それぞれ比較例5を繰り返し、同じ円形断面の引抜成形
品を製造し、かつそれらの空洞率を実施例1の場合と同
様に測定し、結果を表1に併せて示した。
【0048】実施例9〜12 不飽和ポリエステル樹脂(A)および強化繊維(F) と強
化繊維マット(f) は、実施例1と同じものを使用する
が、樹脂含浸槽(3) の強化繊維導入側に連続して真空脱
気室(9) を設け、脱気室(9) 内を300mm/Hgとした以
外は、実施例1の場合と同様にして角形引抜成形品(10)
を成形した。また成形品(10)の空洞率を実施例1の場合
と同様に測定し、結果を表1に示した。
【0049】そして、実施例10においては引抜速度を
40cm/分とし、実施例11においては引抜速度を50
cm/分とし、実施例12においては引抜速度を60cm/
分として、それぞれ実施例9を繰り返し、同じ断面の角
形引抜成形品(10)を製造し、かつそれらの空洞率を実施
例1の場合と同様に測定し、結果を表1にまとめて示し
た。
【0050】
【表1】 上記実施例から明らかなように、本発明の装置によれ
ば、大きな断面形状を有する引抜成形品(10)を、引抜成
形品(10)中に空洞が残りやすいにもかゝわらず、非常に
空洞の少ない状態でしかも成形速度を速くして能率良く
製造することができるものである。また本発明の装置に
より得られた引抜成形品(10)は、高強度であり、例えば
建築・土木分野の構造部材を構成する材料として、有利
に使用することができるものである。
【0051】またとくに、実施例9〜12の本発明の引
抜成形品(10)の製造装置によれば、樹脂樹脂含浸槽(3)
に対して引抜成形用金型(6) と反対側に、連続繊維束か
らなる強化繊維が通過する真空脱気室(9) が設けられて
いるので、より一層空洞の少ない高強度の引抜成形品(1
0)を能率良く製造することができるものである。
【0052】なお、従来法による比較例1〜8の引抜成
形品では、いずれも空洞が多く生じており、従って建築
・土木分野において、強度を必要とする構造部材を構成
する材料として、使用しにくいものであった。
【0053】
【発明の効果】本発明は、上述のように、連続繊維束か
らなる強化繊維に樹脂含浸槽内にて未硬化熱硬化性樹脂
を含浸させて未硬化樹脂含浸強化繊維を得、この未硬化
樹脂含浸強化繊維を引抜成形用金型内を通過させつつ所
定形状に賦形しかつ硬化させて連続的に引き抜く引抜成
形品の製造装置であって、上記樹脂含浸槽が、引抜成形
用金型に対して強化繊維導入側に密接状態に配置され、
かつこの樹脂含浸槽の直前にまたは樹脂含浸槽中に、連
続強化繊維を金型賦形形状と略同形状に集束させる導入
ガイドが設けられていることを特徴とするもので、本発
明の装置によれば、大きな断面形状を有する引抜成形品
を、成形品中に空洞が残りやすいにもかゝわらず、非常
に空洞の少ない状態でしかも成形速度を速くして能率良
く製造することができ、本発明の装置により得られた成
形品は、強度の必要な建築・土木分野の構造部材を構成
する材料として、有利に使用することができるという効
果を奏する。
【0054】また本発明の引抜成形品の製造装置によれ
ば、樹脂含浸槽に対して引抜成形用金型と反対側に、連
続繊維束からなる強化繊維が通過する真空脱気室が設け
られた場合には、より一層空洞の少ない高強度の引抜成
形品を、能率良く製造することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の引抜成形品製造装置の1例を示す縦断
面図である。
【図2】本発明の引抜成形品製造装置の他の例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
F 連続繊維束からなる強化繊維 f コンティニアス・ストランドマット 1 ロービングスタンド 2 巻戻しロール 3 樹脂含浸槽 4 ガイド 5 導入ガイド 6 引抜成形用金型 7 引取り機 8 冷却水配管 9 真空脱気室 10 引抜成形品
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 70/06 // B29K 101:10 105:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続繊維束からなる強化繊維に樹脂含浸
    槽内にて未硬化熱硬化性樹脂を含浸させて未硬化樹脂含
    浸強化繊維を得、この未硬化樹脂含浸強化繊維を引抜成
    形用金型内を通過させつつ所定形状に賦形しかつ硬化さ
    せて連続的に引き抜く引抜成形品の製造装置であって、
    上記樹脂含浸槽が、引抜成形用金型に対して強化繊維導
    入側に密接状態に配置され、かつこの樹脂含浸槽の直前
    にまたは樹脂含浸槽中に、連続強化繊維を金型賦形形状
    と略同形状に集束させる導入ガイドが設けられているこ
    とを特徴とする引抜成形品の製造装置。
  2. 【請求項2】 樹脂含浸槽に対して引抜成形用金型と反
    対側に、連続繊維束からなる強化繊維が通過する真空脱
    気室が設けられている、請求項1記載の引抜成形品の製
    造装置。
JP6149090A 1994-06-30 1994-06-30 引抜成形品の製造装置 Pending JPH0811222A (ja)

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