JP4862623B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御に関し、特に、ターボ過給機と排気ガス再循環(EGR)装置とを備える内燃機関の制御に関する。
従来から、内燃機関のポンプ損失を低減すると共に、排気ガス中の有害成分を低減するために、気筒から排出された排気ガスの一部を排気通路から吸気通路に導き、再び吸気通路から気筒内に流入させる排気ガス再循環装置(以下、EGR装置と記す)が知られている。EGR装置は、不活性な排気ガスを新気と共に吸気通路から気筒内に流入させることで、気筒内のガス充填効率を高めてポンプ損失を低減すると共に、不活性なガスの流入により気筒内における燃焼温度を低下させて窒素酸化物等の発生を抑制している。このようなEGR装置は、一般的に、排気通路と吸気通路を連通させるEGR通路と、EGR通路を流れる排気ガス(以下、外部EGRガスと記す)の流量を制御するEGR弁が設けられており、EGR弁を制御することで、気筒内に流入する不活性なEGRガスの流量を最適なものに調整している。
ところで、複数の気筒を有する内燃機関では、気筒間における排気干渉を防止するために、気筒に連通する複数の排気通路を設け、排気通路を気筒から下流側の極力離れた位置で合流させることが知られている。特に、ターボ過給機を備える内燃機関の場合は、各気筒とターボ過給機とを複数の排気通路で連通させ、各気筒からの排気ガスをターボ過給機内で合流させることで、気筒間における排気干渉を抑制することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなターボ過給機に複数の排気通路を連通させている内燃機関に、上述のEGR装置を適用する場合、複数の排気通路のうち、1つの排気通路と吸気通路とを連通させるようEGR通路を設けることが多い。これは、複数の排気通路と吸気通路をEGR通路で連通させると、排気通路同士が連通してしまい、気筒間において排気干渉が生じてしまうからである。例えば、特許文献1に記載の内燃機関では、排気マニホールド内を隔壁で区画することで、気筒からターボ過給機まで2つの排気通路が形成しており、これら排気通路のうち一つと吸気通路が連通するようにEGR通路を形成している。
特開2003−239777号公報
このようにターボ過給機とEGR装置を備えた内燃機関において、各気筒は、EGR通路に連通している排気通路に排気ガスを排出し、排気通路に排出した排気ガスの一部が再び吸気通路に流入可能な気筒群(以下、EGR気筒群と記す)と、EGR通路に連通していない排気通路に排気ガスを排出し、排出した排気ガスが吸気通路に流入できない気筒群(以下、非EGR気筒群と記す)に区分することができる。
このような内燃機関において、EGR弁を開いてEGR装置を作動させると、EGR気筒群に連通する排気通路から外部EGRガスが取り込まれ、EGR気筒群の背圧は、非EGR気筒群のものに比べて低下することとなる。このようにEGR気筒群と非EGR気筒群との間に背圧差が生じると、排気行程において気筒内に残留する既燃ガス、及び排気行程と吸気行程のオーバーラップ期間において排気ポートから排気弁を経て気筒内に逆流する既燃ガス(以下、これら既燃ガスを「内部EGRガス」と記す)の量にも、EGR気筒群と非EGR気筒群との間で差が生じることとなる。
内部EGRガスは、EGR通路から吸気通路を経て気筒内に流入する外部EGRガスとは異なり、消炎して間もない高温なガスであるため、気筒内において内部EGRガスの量が増加すると、気筒内に充填されるガス全体の温度(以下、筒内ガス温度と記す)が高くなることが多く、このような気筒においては、排出される排気ガス中の有害成分の発生が増大してしまうことがある。特に、内燃機関がディーゼル式であり、これを中〜高負荷で作動させる場合、内部EGRガス量の多い気筒からは、内部EGRガス量が少ない気筒に比べてスモーク(黒煙等の粒子状物質)が生じるといった問題が生じる。
以上のように、ターボ過給機とEGR装置を備え、各気筒がEGR気筒群と非EGR気筒群に区分され、EGR装置を作動させるとEGR気筒群と非EGR気筒群との間に背圧差が生じる内燃機関にあっては、背圧差により一方の気筒群から排気ガス中の有害成分の発生してしまうことを抑制可能な制御手法が要望されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ターボ過給機とEGR装置とを備え、EGR装置の作動によりEGR気筒群と非EGR気筒群との間に背圧差が生じる内燃機関であっても、スモーク等、排気ガス中の有害成分の発生を抑制可能な、内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、複数の気筒とターボ過給機とEGR装置を備え、各気筒に連通する吸気通路と、各気筒とターボ過給機を連通させる複数の排気通路と、少なくとも1つの排気通路と吸気通路を連通させて排気ガスの一部を吸気通路に流すEGR通路が設けられている内燃機関の制御装置であって、各気筒は、EGR通路に連通する排気通路に排気ガスを排出するEGR気筒群と、EGR通路に連通していない排気通路に排気ガスを排出する非EGR気筒群とのいずれかに区分されるものであり、EGR気筒群の燃料の燃焼に係るパラメータである噴射タイミングに比べて、非EGR気筒群の噴射タイミングを遅角させることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置において、内燃機関は、筒内直噴式のディーゼル機関であるものとすることができ、非EGR気筒群のパイロット噴射量を、EGR気筒群のパイロット噴射量に比べて減少させるものとすることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置において、非EGR気筒群の総噴射量を、EGR気筒群の総噴射量に比べて減少させるものとすることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置において、EGR気筒群の燃料の燃焼に係るパラメータである点火タイミングを、非EGR気筒群の点火タイミングに比べて遅角させるものとすることができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置において、吸入空気量に基づき算出される実EGR率が小さくなるに従って、非EGR気筒群とEGR気筒群の間における燃料の燃焼に係るパラメータの差分が小さくなるよう制御するものとすることができる。
本発明によれば、EGR気筒群の燃料の燃焼に係るパラメータである噴射タイミングに比べて、非EGR気筒群の噴射タイミングを遅角させるものとしたので、EGR気筒群と非EGR気筒群との間に背圧差が生じても、スモーク等の排気ガス中の有害成分が増大してしまうことを抑制することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
まず、本実施例に係る内燃機関の制御装置を含むエンジンシステムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は、内燃機関及びエンジンシステムの概略構成を示す模式図である。なお、図1において、内燃機関及びエンジンシステムについては、本発明に関連する要部のみを模式的に示している。
図1に示すように、内燃機関10は、気筒#1〜#4ごとに設けられた燃料噴射装置51〜54が各気筒#1〜#4に燃料を直接噴射する、いわゆる筒内直噴式の内燃機関10であり、且つディーゼル式の内燃機関10である。内燃機関10には、気筒#1〜#4から排出される排気ガスの運動エネルギにより吸入空気を圧縮するターボ過給機60と、気筒#1〜#4から排出された排気ガスの一部を吸気通路37に流入させる排気ガス再循環装置70(以下、EGR装置と記す)が設けられている。このように構成された内燃機関10を制御するために、エンジンシステム1には、内燃機関10用の電子制御装置80(以下、ECUと記す)が設けられている。
内燃機関10には、内部に気筒#1〜#4が形成される本体系部品として、図示しないシリンダブロック及びピストンと、クランク軸18と、シリンダヘッド20が設けられている。シリンダブロックには、図示しないシリンダボアが形成されており、このシリンダボアをピストンが往復運動する。また、シリンダブロックには、ピストンに対向してシリンダボアを囲うようにシリンダヘッド20が結合される。これらシリンダボア、シリンダヘッド20、及びピストンにより囲まれて、気筒#1〜#4は形成される。
気筒#1〜#4内には、ピストンの上下動により空気が吸入される。さらに、後述する燃料噴射装置51〜54により燃料が供給されて、気筒#1〜#4内には、空気と燃料の混合気が形成される。気筒#1〜#4内に形成される混合気を、以下、筒内混合気と記す。筒内混合気の着火・燃焼により生じるピストンの往復運動は、回転運動に変換されてクランク軸18から出力される。なお、各気筒#1〜#4における混合気の着火順序は、#1、#3、#4、#2となっている。
内燃機関10には、4つの気筒#1〜#4が直列に配列されている。シリンダヘッド20には、各気筒#1〜#4に対応して、これらと連通する吸気ポート22及び排気ポート24が形成されている。シリンダヘッド20には、吸気ポート22及び排気ポート24に対応して、図示しない吸気弁と排気弁が設けられており、吸気弁及び排気弁は、クランク軸18の回転角位置に応じて開閉する。内燃機関10には、クランク軸18の回転角位置を検出するクランク角センサ19が設けられており、検出した回転角位置に係る信号をECU80に送出している。
また、内燃機関10には、外気から気筒#1〜#4に空気を導く吸気系部品として、空気を導入するエアダクト32と、吸入した空気から塵芥を除去するエアクリーナ33と、吸入した空気の流量(以下、吸入空気量と記す)を計量するエアフロメータ34と、ターボ過給機60により圧縮された空気を冷却するインタークーラ35と、吸入空気量を調整するスロットル弁36と、吸入した空気を各気筒#1〜#4に分配する分岐管である吸気マニホールド38が設けられている。吸気マニホールド38には、共鳴室38a(サージタンク)とブランチ通路38bが形成されており、ブランチ通路38bは、シリンダヘッド20の吸気ポート22を介して各気筒#1〜#4に連通している。スロットル弁36は、ECU80により制御され、気筒#1〜#4内に流入する吸入空気量を調整可能となっている。
エアダクト32から導入された空気は、エアクリーナ33を通過し、エアフロメータで吸入空気量が計量されて、ターボ過給機60のコンプレッサで圧縮される。圧縮されて高温となった空気は、インタークーラ35で冷却されてスロットル弁36に流れる。スロットル弁36で流量を調整された空気は、吸気マニホールド38の共鳴室38aに流入し、ブランチ通路38bから各気筒#1〜#4に分配されて、吸気ポート22から気筒#1〜#4内に流入する。エアフロメータ34は、計量した吸入空気量に係る信号をECU80に送出している。
なお、「吸気通路」とは、前述の吸気系部品等により形成され、エアダクト32から導入された空気が気筒#1〜#4に流入するまでに通過する流路を意味している。よって、吸気通路37には、吸気マニホールド38の共鳴室38a及びブランチ通路38bだけでなく、シリンダヘッド20の吸気ポート22も含まれている。
また、内燃機関10には、気筒#1〜#4からの排気ガスを外気に排出する排気系部品として、気筒#1〜#4からの排気ガスをターボ過給機60に導く排気マニホールド40と、ターボ過給機60からの排気ガスを外気に導く排気管43と、排気ガス中の有害成分を浄化する排気浄化触媒44が設けられている。
排気マニホールド40には、複数の排気通路41,42が設けられており、具体的には、気筒#2及び気筒#3に連通する第1排気通路41と、気筒#1及び気筒#4に連通する第2排気通路42が設けられている。第2排気通路42は、気筒#1から排出された排気ガスと気筒#4から排出された排気ガスを合流させてターボ過給機60に導く。同様に、第1排気通路41は、気筒#2から排出された排気ガスと気筒#3から排出された排気ガスを合流させてターボ過給機60に導く。
ターボ過給機60は、吸気通路37に設けられたコンプレッサ62と、第1及び第2排気通路41,42の直下流に設けられたタービン64とを有しており、コンプレッサホイール62cとタービンホイール64cは一体に結合されている。ターボ過給機60は、第1及び第2排気通路41,42からタービンハウジング64a内に流入する排気ガスの運動エネルギによりタービンホイール64c及びコンプレッサホイール62cが回転駆動され、コンプレッサハウジング62a内にある空気を圧縮してインタークーラ35に給送する。
なお、ターボ過給機60は、いわゆる可変ノズル式のターボ過給機60であり、タービンハウジング64a内のタービンホイール64cの直上流側に設けられた複数の可動翼67と、可動翼67を駆動するアクチュエータ68とを備えている。アクチュエータ68の駆動は、ECU80により制御される。ECU80が可動翼67を駆動制御することで、ターボ過給機60は、隣り合う可動翼間の流路幅、いわゆる「可変ノズル開度」を調整することができる。可変ノズル開度は、ECU80により内燃機関10の作動状態に応じて制御される。
上述の排気マニホールド40は、ターボ過給機60のタービンハウジング64aに接続されており、第1排気通路41と第2排気通路42は、それぞれ別個にタービンハウジング64a内と連通する。つまり第1排気通路41を流れる排気ガスと第2排気通路42を流れる排気ガスは、タービンハウジング64a内にあるタービンホイール64cで合流することとなる。タービンホイール64cを駆動した後、ターボ過給機60から排出された排気ガスは、排気管43内を流れ、排気浄化触媒44で有害成分が低減されて外気へと排出される。
なお、「排気通路」とは、気筒#1〜#4から排出された排気ガスがターボ過給機60のタービン64で合流するまでに通過する流路を意味している。本実施例において、排気通路は、上述の第1排気通路41と第2排気通路42であり、ターボ過給機60より下流側にある排気管43内の通路は含んでいない。
また、内燃機関10には、各気筒#1〜#4から排出された排気ガスの一部を吸気通路37に流入させる排気ガス再循環装置70(以下、EGR装置と記す)が設けられている。EGR装置70は、排気通路41,42と吸気通路37を連通させるEGR通路72と、EGR通路72を流れる排気ガス(以下、外部EGRガスと記す)の流量を調整するEGR弁74から構成されている。
EGR通路72は、第1排気通路41のうち気筒#2からの排気ガスと気筒#3からの排気ガスが合流する部分41aより下流側と、吸気通路37のうち共鳴室38aとを連通させるよう配設されている。EGR通路72の途中には、EGR弁74が設けられており、外部EGRガスの流量を調整する。EGR弁74の開度(以下、EGR弁開度と記す)は、ECU80により制御される。
EGR弁74が開けてEGR装置70を作動させると、第1排気通路41を流れる排気ガスの一部は、EGR通路72に流れ、EGR弁74を経て、吸気通路37の共鳴室38aに流入する。このように、EGR装置70は、酸素をほとんど含まない不活性な排気ガス(以下、外部EGRガスと記す)を吸気通路37に流入させる。吸気通路37に流入した外部EGRガスは、エアダクト32から導入される酸素を十分に含んだ空気(以下、新気と記す)と混合されて、吸気通路37から各気筒#1〜#4内に流入する。このように、吸気通路37から不活性ガスを気筒#1〜#4内に流入させることで、気筒#1〜#4内におけるガス充填効率を高めてポンプ損失を低減すると共に、気筒#1〜#4内における燃焼温度を低下させて窒素酸化物等の発生を抑制することができる。
また、内燃機関10には、気筒#1〜#4内に燃料を供給する燃料系部品として、気筒#1〜#4ごとに、それぞれ燃料噴射装置51〜54が設けられている。各燃料噴射装置51〜54は、図示しない共通の燃料レールから燃料の供給を受けており、それぞれ対応する気筒#1〜#4内に直接燃料を噴射する。各燃料噴射装置51〜54は、内燃機関10の1サイクル中に複数回の燃料噴射が可能なものが用いられている。各燃料噴射装置51〜54における燃料の噴射タイミング及び噴射量は、ECU80によりそれぞれ独立して制御可能に構成されている。
また、内燃機関10には、気筒#1〜#4内の混合気又は燃料に点火する点火装置として、気筒#1〜#4ごとに、それぞれ点火プラグ(図示せず)が設けられている。各点火プラグは、その電極が気筒#1〜#4内に突き出しており、図示しない点火コイルから2次電流の供給を受けて電極に火花を生じさせ、気筒#1〜#4内に形成された混合気又は噴射燃料に点火することができる。ECU80は、点火コイルの1次電流を制御することにより、点火プラグが電気火花を生じさせるタイミング、すなわち点火タイミングを制御することができる。各気筒#1〜#4における点火タイミングは、ECU80によりそれぞれ独立して制御可能に構成されている。
以上のように構成されたエンジンシステム1において、ECU80は、クランク角センサ19からのクランク軸18の回転角位置に係る信号と、エアフロメータ34からの吸入空気量に係る信号と、アクセルポジションセンサからのアクセル操作量に係る信号とを受けている。これら信号に基づいて、ECU80は、クランク軸18の回転角位置(以下、クランク角と記す)と、内燃機関10のクランク軸18の回転速度(以下、エンジン回転速度と記す)と、吸入空気量と、内燃機関10に要求される出力トルク(以下、要求トルクと記す)、筒内混合気の空燃比の目標値(以下、目標空燃比と記す)等を算出することができる。これら算出された制御変数に基づいて、ECU80は、スロットル弁36、各燃料噴射装置51〜54、点火コイル、EGR弁74、及びターボ過給機60のアクチュエータ68を制御することができる。
以上のように構成された内燃機関10においては、ECU80により燃料噴射装置51〜54が制御されることで、内燃機関10の出力発生を主目的として気筒内で燃料を拡散燃焼させる燃料噴射(以下、メイン噴射と記す)に加えて、メイン噴射に対して進角した時期(例えば、点火上死点前70°CA)に行う燃料噴射であり、スモークと燃焼騒音の低減を主目的として気筒内で燃料を予混合燃焼させる燃料噴射(以下、パイロット噴射と記す)を行うことが可能となっている。
なお、内燃機関10においては、上述のメイン噴射及びパイロット噴射に加えて、メイン噴射の着火遅れ短縮を主目的としてメイン噴射の直前、例えば1ms前に燃料を噴射する「プレ噴射」や、排気ガスの昇温や排気浄化触媒への還元剤(燃料)の供給を主目的としてメイン噴射より大きく遅角した時期、例えば点火上死点後130°CAに燃料を噴射する「ポスト噴射」を行うものとしても良い。
なお、内燃機関10の各気筒#1〜#4において、メイン噴射を行うときの噴射タイミングと噴射量をそれぞれ「メイン噴射タイミング」、「メイン噴射量」と記し、パイロット噴射を行うときの噴射タイミングと噴射量をそれぞれ「パイロット噴射タイミング」、「パイロット噴射量」と記す。また、メイン噴射量及びパイロット噴射量を含めた1サイクル中に燃料噴射弁が気筒内に噴射する燃料の総量を「総噴射量」と記す。また、単に「噴射タイミング」と記す場合、メイン噴射タイミング及びパイロット噴射タイミングを含む1サイクル中に行う燃料噴射の噴射タイミング全体のタイミングを意味している。
また、内燃機関10において、各気筒#1〜#4は、ターボ過給機60に至るまでの排気通路41がEGR通路72と連通しており、排出した排気ガスが吸気通路37に流入可能な気筒群(以下、EGR気筒群と記す)と、排気通路41,42がEGR通路72に連通しておらず、排出した排気ガスが吸気通路37に流入しない気筒群(以下、非EGR気筒群と記す)に区分することができる。本実施例においては、EGR通路72に連通している排気通路すなわち第1排気通路41に排気ガスを排出する気筒#2と気筒#3が「EGR気筒群」に区分される。一方、EGR通路72に連通していない排気通路すなわち第2排気通路42に排気ガスを排出する気筒#1と気筒#4が「非EGR気筒群」に区分される。
EGR弁74を開けてEGR装置70を作動させている場合、EGR気筒群(#2,#3)から第1排気通路41に排出された排気ガスのうち、一部は第1排気通路41からEGR通路72に分岐して流れ、残りは、第1排気通路41からタービンハウジング64a内に流入する。EGR気筒群(#2,#3)からEGR通路72に流れた排気ガスは、EGR弁74を経て、再び吸気通路37である共鳴室38aに流入する。一方、非EGR気筒群(#1,#4)から第2排気通路42に排出された排気ガスは、そのままターボ過給機60のタービンハウジング64a内に流入する。
したがって、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)では、EGR装置70を作動させている場合、その背圧(排気ポートにおける圧力)に差が生じる。非EGR気筒群(#1,#4)の背圧は、EGR気筒群(#2,#3)の背圧に比べて高くなる。これにより、非EGR気筒群(#1,#4)は、EGR気筒群(#2,#3)に比べて、排気行程において気筒内に残留する既燃ガス、及び排気行程と吸気行程のオーバーラップ期間(吸気弁と排気弁が共に開弁している期間)において排気ポートから排気弁を経て気筒内に逆流する既燃ガス(以下、これら既燃ガスを「内部EGRガス」と記す)が増大することになる。
内部EGRガスは、消炎して間もない高温なガスであるため、内部EGRガスの量が増加すると、新気や外部EGRガスも含めた気筒内に充填されるガス全体の温度(以下、筒内ガス温度と記す)が高くなる。このように筒内ガス温度が高い状態で内燃機関10を中〜高負荷で作動させると、スモーク(黒煙等の粒子状物質)が生じやすい。つまり、非EGR気筒群(#1,#4)は、内燃機関10が中〜高負荷で作動しており且つEGR装置70が作動している状態において、EGR気筒群(#2,#3)に比べてスモークが生じ易くなっている。
そこで、本実施例に係る内燃機関10の制御装置80(ECU)においては、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)で噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量のうち少なくとも1つの燃料の燃焼に係るパラメータを異ならせている。以下に、本実施例に係る内燃機関10の制御装置80(ECU)が実行する燃料噴射制御について、図1及び図2を用いて説明する。図2は、ECU80が実行する燃料噴射制御のフローチャートである。
図1及び図2に示すように、まず、ECU80は、前述の各種センサからの信号を受けて、内燃機関10の燃料噴射制御に係る基本的な制御変数を算出する(S100)。算出される制御変数には、クランク角、エンジン回転速度、吸入空気量、要求トルク、及び目標空燃比などがある。さらに、これら制御変数に基づき、基準となる燃料噴射量(以下、基準噴射量と記す)を算出する。なお、基準噴射量としては、例えばメイン噴射量を用いることができる。
そして、ステップS102において、ECU80は、エンジン回転速度及び基準噴射量に基づいて、EGR弁開度、スロットル弁開度、及び可変ノズル開度を、それぞれ算出して制御する。エンジン回転速度及び基準噴射量とEGR弁開度との関係、エンジン回転速度及び基準噴射量とスロットル弁開度との関係、およびエンジン回転速度及び基準噴射量と可変ノズル開度との関係は、予め適合実験等により求められており、制御定数(マップ)としてECU80のROMに記憶されている。算出されたEGR弁開度、スロットル弁開度、及び可変ノズル開度に基づき、ECU80は、それぞれ、EGR弁74、スロットル弁36、及びターボ過給機60のアクチュエータ68を制御する。
そして、ステップS104において、ECU80は、エンジン回転速度及び基準噴射量に基づき、基準となるEGR率(以下、基準EGR率と記す)を算出する。なお、EGR率とは、気筒#1〜#4内に充填されるガスのうちEGRガスが占める割合である。エンジン回転速度及び基準噴射量と、基準EGR率との関係は、適合実験等により予め求められており、制御定数(マップ)としてECU80のROMに記憶されている。
なお、本実施例においては、EGR気筒群(#2,#3)におけるエンジン回転速度及び基準噴射量に対するEGR率を、基準EGR率として、予め適合実験等により求めるものとする。また、基準EGR率は、エンジン回転速度及び基準噴射量に替えて、EGR弁開度、スロットル弁開度、及び可変ノズル開度から算出することもできる。
そして、ステップS106において、ECU80は、算出された基準EGR率に基づき、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)について、それぞれ別個に、噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量を算出する。基準EGR率と噴射タイミングとの関係、基準EGR率とパイロット噴射量との関係、および基準EGR率と総噴射量との関係は、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)について、それぞれ別個に、予め適合実験等により求められており、制御定数(マップ)としてECU80のROMに記憶されている。
これら制御定数(マップ)において、非EGR気筒群(#1,#4)における基準EGR率に対する噴射タイミングは、EGR気筒群(#2,#3)のものに比べて遅角された値に設定されている。また、パイロット非EGR気筒群(#1,#4)における基準EGR率に対するパイロット噴射量は、EGR気筒群(#2,#3)のものに比べて低減された値に設定されている。また、非EGR気筒群(#1,#4)における基準EGR率に対する総噴射量は、EGR気筒群(#2,#3)のものに比べて低減された値に設定されている。
そして、ステップS108において、ECU80は、EGR気筒群(#2,#3)について算出された噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量を実現するよう燃料噴射装置52,53を制御すると共に、非EGR気筒群(#1,#4)について算出された噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量を実現するよう燃料噴射装置51,54を制御して、ステップS100に戻る。
このようにして、ECU80は、非EGR気筒群(#1,#4)における噴射タイミングを、EGR気筒群(#2,#3)における噴射タイミングに比べて遅角させる。また、ECU80は、非EGR気筒群(#1,#4)におけるパイロット噴射量を、EGR気筒群(#2,#3)におけるパイロット噴射量に比べて低減させる。加えて、ECU80は、非EGR気筒群(#1,#4)における総噴射量を、EGR気筒群(#2,#3)における総噴射量に比べて低減させる。
以上に説明したように本実施例においては、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)で、噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量といった燃料の燃焼に係るパラメータを異ならせることとしたので、非EGR気筒群(#1,#4)の内部EGRガス量がEGR気筒群(#2,#3)のものに比べて多くても、非EGR気筒群(#1,#4)におけるスモーク等の発生がEGR気筒群(#2,#3)のものに比べて増大してしまうことを抑制することが可能になる。
なお、本実施例においては、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)で、噴射タイミング、パイロット噴射量、総噴射量の3つの燃料の燃焼に係るパラメータを異ならせるものとしたが、本発明に係る制御手法は、これに限定されるものではない。各パラメータのうち少なくとも1つを変更することで、非EGR気筒群(#1,#4)におけるスモーク等の発生がEGR気筒群(#2,#3)のものに比べて増大してしまうことを抑制することが可能になる。
なお、非EGR気筒群(#1,#4)は、EGR気筒群(#2,#3)に比べて、噴射タイミング(パイロット噴射タイミングとメイン噴射タイミングを含む)のみ遅角されるものとしても良い。この場合、パイロット噴射量を変えることがないため、パイロット噴射によるスモークと燃焼騒音の低減効果を損なうことなく、非EGR気筒群(#1,#4)におけるスモーク等の発生がEGR気筒群(#2,#3)のものに比べて増大してしまうことを抑制することができる。
また、非EGR気筒群(#1,#4)は、EGR気筒群(#2,#3)に比べて、パイロット噴射量のみが低減されるものとしても良い。この場合、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)で、メイン噴射タイミング及びメイン噴射量を変えることがないため、メイン噴射により生じる内燃機関10の出力トルクにほとんど影響を与えることなく、非EGR気筒群(#1,#4)におけるスモーク等の発生をEGR気筒群(#2,#3)のものに比べて増大してしまうことを抑制することができる。
また、非EGR気筒群(#1,#4)は、EGR気筒群(#2,#3)に比べて、総噴射量のみが低減されるものとしても良い。この場合、噴射タイミングを変えることがない。さらに、パイロット噴射やメイン噴射等の各燃料噴射における噴射量を同様の割合で減らすこととすれば、パイロット噴射による燃焼騒音の低減効果や内燃機関10の出力トルクに、大きく影響を与えることなく、非EGR気筒群(#1,#4)におけるスモーク等の発生をEGR気筒群(#2,#3)のものに比べて増大してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施例においては、EGR気筒群(#2,#3)におけるエンジン回転速度及び基準噴射量に対するEGR率を、基準EGR率として、予め適合実験等により求めるものとしているが、基準EGR率の設定手法は、これに限定されるものではない。非EGR気筒群(#1,#4)におけるエンジン回転速度及び基準噴射量に対するEGR率を、基準EGR率として、予め求めておくこととしても良い。
また、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)について、それぞれ別個にEGR率を求め、気筒群ごとに専用の基準EGR率マップを設け、これら専用の基準EGR率マップから、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)それぞれについて、噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量を算出する構成としても良い。
まず、本実施例に係る内燃機関10の制御装置80(ECU)を含むエンジンシステムについて、図1を用いて説明する。なお、実施例1と共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図1に示すように、本実施例に係るエンジンシステム1には、外気の圧力すなわち大気圧を検出する大気圧センサが設けられており、大気圧に係る信号をECU80に送出している。また、内燃機関10のシリンダブロック(図示せず)には、冷却液の温度を検出する冷却液温センサが設けられており、冷却液温度に係る信号をECU80に送出している。これら信号を受けて、ECU80は、冷却液温度及び大気圧を算出しており、これら制御変数を内燃機関10の始動制御等に用いている。
ところで、内燃機関10は、外気の温度が低い場所で始動する場合など、冷却液温度が低い状態で作動することがある。冷却液温度が低い状態、つまり冷機状態で内燃機関10が作動する場合、筒内ガス温度は、通常の暖機完了後の状態に比べて低くなっており、気筒内において失火が生じ易い。また、高地等の大気圧の低い場所で始動する場合も、気筒内に流入する新気の流量が少ないため、気筒内において失火が生じ易くなっている。
したがって、冷却液温度が低い状態や、大気圧が低い状態において内燃機関10を作動させる場合、失火を防ぐために、EGR弁74の開度が小さくなるよう補正して気筒内に流入する外部EGRガスの量を減らし、新気の流入を増大させることがある。
このとき、EGR弁74の開度補正により外部EGRガス量を減らすと、気筒内における実際のEGR率(以下、実EGR率と記す)は、上述のように算出された「基準EGR率」よりも低くなることがある。外部EGRガス量が減るため、EGR気筒群(#2,#3)の第1排気通路41の背圧が上昇して非EGR気筒群(#1,#4)の第2排気通路42の背圧との差圧が小さくなる。しかし、上述の燃料噴射制御において、噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量は、基準EGR率に基づき算出されているため、EGR弁開度の補正によるEGR気筒群(#2,#3)の背圧の上昇を考慮したものにはなっていない。
そこで、本実施例に係る内燃機関10の制御装置80(ECU)においては、吸入空気量に基づき算出される実EGR率が小さくなるに従って、非EGR気筒群(#1,#4)とEGR気筒群(#2,#3)の間における燃料の燃焼に係るパラメータの差が小さくなるよう設定している。以下に、本実施例に係る内燃機関10の制御装置80(ECU)が実行する燃料噴射制御について、図1及び図3を用いて説明する。図3は、ECU80が実行する燃料噴射制御のフローチャートである。なお、実施例1に係る燃料噴射制御と略共通の制御については、同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
図1及び図3に示すように、まず、ECU80は、前述の各種センサから信号を受けて、内燃機関10の燃料噴射制御に係る制御変数を算出する(S200)。算出される制御変数には、クランク角、エンジン回転速度、吸入空気量、大気圧、冷却液温度等がある。また、ECU80は、実施例1に係る燃料噴射制御により、エンジン回転速度と基準噴射量に基づき基準EGR率を算出している。加えて、基準EGR率に基づき、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)について、それぞれ別個に、基準となる噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量を算出している。
そして、ステップS202において、ECU80は、気筒#1〜#4内において失火が生じるか否かを判定する。具体的には、冷却液温度が所定の閾値より低温であるか否かを判定すると共に、大気圧が所定の閾値より低圧であるか否かを判定する。なお、これら失火判定に係る閾値は、予め適合実験等により求められており、制御定数としてECU80のROMに記憶されている。冷却液温度が所定の閾値以上であり、且つ大気圧が所定の閾値以上である場合、気筒内において失火が生じないものと判定し、ステップS200に戻る。
一方、ステップS202において、冷却液温度が所定の閾値より低温である、又は大気圧が所定の閾値より低圧であると判定された場合、すなわち気筒内において失火が生じると判定された場合、ECU80は、EGR弁開度が現在値より小さな値となるよう補正してEGR弁74を制御する(S204)。
このようにECU80がEGR弁開度を補正することで、内燃機関10においては、第1排気通路41からEGR通路72に流れる外部EGRガス量が減少し、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)の背圧の差が減少する。
そして、ステップS206において、ECU80は、エンジン回転速度及び吸入空気量に基づき実EGR率を算出する。なお、エンジン回転速度及び吸入空気量と実EGR率との関係は、予め適合実験等により求められており、制御定数(マップ)としてECU80のROMに記憶されている。
そして、ステップS208において、算出された実EGR率と、ステップS200で予め求められている基準EGR率との差分(以下、EGR率差分と記す)を算出する。
そして、ステップS210において、EGR率差分に基づいて、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)について、それぞれ別個に、噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量を補正する。これら燃料の燃焼に係るパラメータの補正量とEGR率差分との関係は、予め適合実験等により求められており、制御定数(マップ)としてECU80のROMに記憶されている。
これらの制御定数(マップ)において。EGR率差分がゼロである場合、各「燃料の燃焼に係るパラメータ」の補正量はゼロとなるように設定されている。この場合、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)における噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量は、ステップS200において基準EGR率に基づき、それぞれ算出されたものとなる。EGR率差分が大きくなるに従って、補正量は大きくなるよう設定されている。
また、これらの制御定数(マップ)においては、実EGR率が小さくなるに従って、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)の間における噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量の差が小さくなるように設定されており、実EGR率がゼロとなる場合に、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)との間における、噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量の差がゼロとなるように設定されている。
そして、ステップS212において、ECU80は、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)について、補正された噴射タイミング、補正されたパイロット噴射量、及び補正された総噴射量を実現するよう、燃料噴射装置51〜54を制御して、ステップS200に戻る。
以上に説明したように、本実施例において、低圧時又は低温時にEGR弁開度の補正を行った場合、ECU80は、吸入空気量に基づき算出される実EGR率が小さくなるに従って、非EGR気筒群(#1,#4)とEGR気筒群(#2,#3)の間における燃料の燃焼に係るパラメータの差分が小さくなるよう制御している。これにより、低圧時又は低温時等にEGR弁開度の補正を行った場合においても、吸入空気量に基づいて算出される実EGR率に基づいて、燃料の燃焼に係る制御変数、例えば、噴射タイミング、パイロット噴射量、及び総噴射量を補正している。これにより、燃料の燃焼に係る制御変数をEGR弁開度補正に対応したものとすることができる。
なお、本実施例において、吸入空気量は、エアフロメータが計量した信号から算出するものとしたが、吸入空気量の算出手法は、これに限定されるものではない。例えば、インテークマニホールド内に吸気圧センサを設けて、検出された吸気圧とエンジン回転速度に基づき吸入空気量を算出するものとしても良い。
本実施例において、燃料の燃焼に係るパラメータは、点火タイミングであり、内燃機関の制御装置80(ECU)は、EGR気筒群の点火タイミングを非EGR気筒群のものに比べて遅角させる点で、第1実施例に係る制御と異なり、以下に、図1及び図4を用いて説明する。図4は、ECUが実行する点火タイミング制御のフローチャートである。なお、実施例1と略共通の構成及び制御については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図1及び図4に示すように、まず、ECU80は、前述の各種センサからの信号を受けて、内燃機関10の点火制御に係る基本的な制御変数を算出する(S300)。算出される制御変数には、クランク角、エンジン回転速度、要求トルク、目標空燃比に加え、これら制御変数から算出される基準噴射量などがある。
そして、ステップS302において、ECU80は、エンジン回転速度及び基準噴射量に基づいて、EGR弁開度、スロットル弁開度、及び可変ノズル開度を、それぞれ算出して制御する。算出されたEGR弁開度、スロットル弁開度、及び可変ノズル開度に基づき、ECU80は、それぞれ、EGR弁74、スロットル弁36、及びターボ過給機60のアクチュエータ68を制御する。
そして、ステップS304において、ECU80は、エンジン回転速度及び基準噴射量に基づき、基準となるEGR率(以下、基準EGR率と記す)を算出する。エンジン回転速度及び基準噴射量と、基準EGR率との関係は、適合実験等により予め求められており、制御定数(マップ)としてECU80のROMに記憶されている。
そして、ステップS306において、ECU80は、算出された基準EGR率と、エンジン回転速度、要求トルク、及び目標空燃費等の基本的な制御変数に基づき、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)について、それぞれ別個に、点火タイミングを算出する。基準EGR率と点火タイミングとの関係は、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)について、それぞれ別個に、予め適合実験等により求められており、制御定数(マップ)としてECU80のROMに記憶されている。
これら制御定数(マップ)において、EGR気筒群(#2,#3)における基準EGR率に対する点火タイミングは、非EGR気筒群(#1,#4)のものに比べて遅角された値に設定されている。
そして、ステップS308において、ECU80は、EGR気筒群(#2,#3)について算出された点火タイミング、及び非EGR気筒群(#1,#4)について算出された点火タイミングを実現するよう点火装置(点火コイル,点火プラグ)を制御して、ステップS300に戻る。
このようにして、ECUは、EGR気筒群(#2,#3)における点火タイミングを、非EGR気筒群(#1,#4)における点火タイミングに比べて遅角させている。
内燃機関10においては、EGR装置を作動させることにより、EGR気筒群(#2,#3)は、非EGR気筒群(#1,#4)に比べて背圧が低下し、内部EGRガス量が減少して燃焼速度が速くなる。したがって、EGR気筒群(#2,#3)において、内燃機関の出力トルクが最大となる点火時期(Minimum Advance for Best Torque、以下、MBTと記す)は、非EGR気筒群(#1,#4)のMBTに比べて遅角された値となる。
本実施例に係る内燃機関の制御装置においては、EGR気筒群(#2,#3)における点火タイミングを、非EGR気筒群(#1,#4)における点火タイミングに比べて遅角させるものとしたので、EGR気筒群(#2,#3)と非EGR気筒群(#1,#4)の双方において、MBTで点火することができる。
なお、上述した実施例において、内燃機関は、筒内直噴式のディーゼル式内燃機関としたが、本発明を適用可能な内燃機関は、これに限定されるものではない。ターボ過給機とEGR装置とを備え、EGR装置の作動によりEGR気筒群と非EGR気筒群との間に背圧差が生じる内燃機関であれば、本発明を適用することができる。例えば、筒内直噴式のガソリン機関は勿論のこと、吸気ポートに燃料を噴射するガソリン機関にも本発明を適用することができる。
以上のように、本発明に係る内燃機関の制御装置は、ターボ過給機とEGR装置とを備える内燃機関に有用であり、特に、筒内直噴式のディーゼル機関に適している。
実施例1に係る内燃機関及びエンジンシステムの概略構成を模式的に示す図である。 実施例1に係る内燃機関の制御装置(ECU)が実行する燃料噴射制御のフローチャートである。 実施例2に係る内燃機関の制御装置(ECU)が実行する燃料噴射制御のフローチャートである。 実施例3に係る内燃機関の制御装置(ECU)が実行する点火制御のフローチャートである。
符号の説明
1 エンジンシステム
10 内燃機関
18 クランク軸
19 クランク角センサ
20 シリンダヘッド
22 吸気ポート
24 排気ポート
32 エアダクト
33 エアクリーナ
34 エアフロメータ
35 インタークーラ
36 スロットル弁
37 吸気通路
38 吸気マニホールド
38a 共鳴室
38b ブランチ通路
40 排気マニホールド
41 第1排気通路
42 第2排気通路
43 排気管
44 排気浄化触媒
51,52,53,54 燃料噴射装置
60 ターボ過給機
62 コンプレッサ
62a コンプレッサハウジング
62c コンプレッサホイール
64 タービン
64a タービンハウジング
64c タービンホイール
67 可動翼
70 排気ガス再循環装置(EGR装置)
72 EGR通路
74 EGR弁
80内燃機関用の電子制御装置(ECU)

Claims (5)

  1. 複数の気筒とターボ過給機とEGR装置を備え、各気筒に連通する吸気通路と、各気筒とターボ過給機を連通させる複数の排気通路と、少なくとも1つの排気通路と吸気通路を連通させて排気ガスの一部を吸気通路に流すEGR通路が設けられている内燃機関の制御装置であって、
    各気筒は、EGR通路に連通する排気通路に排気ガスを排出するEGR気筒群と、EGR通路に連通していない排気通路に排気ガスを排出する非EGR気筒群とのいずれかに区分されるものであり、
    EGR気筒群の燃料の燃焼に係るパラメータである噴射タイミングに比べて、非EGR気筒群の噴射タイミングを遅角させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項に記載の内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関は、筒内直噴式のディーゼル機関であり、
    非EGR気筒群のパイロット噴射量を、EGR気筒群のパイロット噴射量に比べて減少させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項に記載の内燃機関の制御装置であって、
    非EGR気筒群の総噴射量を、EGR気筒群の総噴射量に比べて減少させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置であって、
    EGR気筒群の燃料の燃焼に係るパラメータである点火タイミングを、非EGR気筒群の点火タイミングに比べて遅角させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置であって、
    吸入空気量に基づき算出される実EGR率が小さくなるに従って、非EGR気筒群とEGR気筒群の間における燃料の燃焼に係るパラメータの差分が小さくなるよう制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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