JP2006132479A - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の各気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができる内燃機関の制御装置および制御方法を提供すること。
【解決手段】複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する内燃機関の制御方法において、排気ガスの吸気経路への還流を判断し(ステップST101)、還流排気ガス量を取得し(ステップST102)、取得した還流排気ガス量に応じて、各EGR側気筒のバルブオーバーラップ期間T1よりも、各反EGR側気筒のバルブオーバーラップ期間T2を長くする(ステップST103,104,105)。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する内燃機関の制御方法において、排気ガスの吸気経路への還流を判断し(ステップST101)、還流排気ガス量を取得し(ステップST102)、取得した還流排気ガス量に応じて、各EGR側気筒のバルブオーバーラップ期間T1よりも、各反EGR側気筒のバルブオーバーラップ期間T2を長くする(ステップST103,104,105)。
【選択図】 図2
Description
この発明は、内燃機関の制御装置および制御方法に関し、更に詳しくは、吸気経路に排気ガスを還流する排気還流装置を備える内燃機関の制御装置および制御方法に関する。
一般に、乗用車、トラックなどに搭載されるガソリンエンジンなどの内燃機関では、ポンプ損失の低減による燃費の向上、燃料温度の低下によるNOxの低減などを図るために、内燃機関の複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスを吸気経路に還流する排気還流装置(以下、必要に応じて「EGR装置」と称する)を備えるものがある。内燃機関の各気筒から排気された排気ガスは、排気経路の一部を構成するエキゾーストマニホールドにより1つに集合し、外部に排気されるものである。このような内燃機関においては、EGR装置は、上記エキゾーストマニホールドにより1つに集合された排気ガスの一部を吸気経路に還流するものが一般的である。
ここで、特許文献1に示すように、複数のバンクにそれぞれ気筒群を有するV型の内燃機関などにおいては、各気筒群に対応してそれぞれ排気経路が形成されているものがある。この特許文献1に示すような内燃機関では、各気筒群から排気された排気ガスは、各気筒群にそれぞれ対応する各排気経路の一部を構成するエキゾーストマニホールドによりそれぞれ1つに集合され、外部に排気される。特許文献1に示すような従来の内燃機関においては、EGR装置は、複数の気筒群のうちいずれかの気筒群に対応する排気経路の一部を構成するエキゾーストマニホールドにより1つに集合された排気ガスの一部を吸気経路に還流する。
しかしながら、上記特許文献1に示すような従来の内燃機関では、内燃機関の運転状態に応じて、EGR装置による排気ガスの還流が行われる。この還流が行われた際における各気筒群の背圧、すなわち排気圧は、この還流が行われない排気経路に対応する気筒群(以下、必要に応じて「反EGR側気筒群」と称する)よりも、還流が行われる排気経路に対応する気筒群(以下、必要に応じて「EGR側気筒群」と称する)の方が低くなる。従って、内燃機関の気筒から排気ガスが排気経路に排気される際における各気筒内に残留する残留ガス量は、反EGR側気筒群の各気筒よりも、EGR側気筒群の各気筒の方が少なくなる。つまり、EGR側気筒群と反EGR側気筒群とでは、各気筒内の残留ガス量が異なり、各気筒間の燃焼にばらつきが生じ、特に、反EGR側気筒群の各気筒の燃焼は、残留ガス量が多くなるため悪化するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内燃機関の各気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができる内燃機関の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、前記複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する排気還流装置と、前記吸気経路と前記各気筒との連通を行う吸気バルブと当該各気筒と排気経路との連通を行う排気バルブとがともに開弁しているバルブオーバーラップ期間を調整するバルブ調整手段と、を備え、前記バルブ調整手段は、前記排気還流装置により前記吸気経路に排気ガスが還流される際に、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間と、当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間とを異ならせることを特徴とする。
また、この発明では、上記内燃機関の制御装置において、前記排気還流装置により前記吸気経路に還流される排気ガスの還流排気ガス量を取得する還流排気ガス量取得手段をさらに備え、前記バルブ調整手段は、前記取得された還流排気ガス量の増加に伴い、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間よりも、当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間を長くすることを特徴とする。
また、この発明では、複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、前記複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する内燃機関の制御方法において、前記排気ガスの吸気経路への還流を判断する排気還流判断手順と、前記排気ガスが吸気経路へ還流していると判断すると、前記吸気経路と前記各気筒との連通を行う吸気バルブと当該各気筒と排気経路との連通を行う排気バルブとがともに開弁しているバルブオーバーラップ期間を、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間と当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間とで異ならせるバルブ調整手順と、を含むことを特徴とする。
これらの発明によれば、吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒(以下、必要に応じて「EGR側気筒」と称する)におけるバルブオーバーラップ期間と、吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒(以下、必要に応じて「反EGR側気筒」と称する)におけるバルブオーバーラップ期間とをバルブ調整手段により異ならせる。例えば、還流排気ガス量の増加に伴い、EGR側気筒におけるバルブオーバーラップ期間よりも、反EGR側気筒におけるバルブオーバーラップ期間を長くする。従って、バルブオーバーラップ期間において吸気経路から各気筒内に吸気される空気の量は、反EGR側気筒の方がEGR側気筒よりも多くなる。つまり、EGR側気筒よりも背圧が高いため、気筒内に残留ガスが残留しやすい反EGR側気筒内に残留しようとする残留ガスを排気経路に排気しやすくなる。これにより、反EGR側気筒の燃焼の悪化を抑制でき、各気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができる。
また、この発明では、複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、前記複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する排気還流装置と、前記複数の気筒のそれぞれに設けられた点火プラグの点火時期を調整する点火時期調整手段と、を備え、前記点火時期調整手段は、前記排気還流装置により前記吸気経路に排気ガスが還流される際に、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒における点火時期と、当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒における点火時期とを異ならせることを特徴とする。
また、この発明では、上記内燃機関の制御装置において、前記排気還流装置により前記吸気経路に還流される排気ガスの還流排気ガス量を取得する還流排気ガス量取得手段をさらに備え、前記点火時期調整手段は、前記取得された還流排気ガス量の増加に伴い、少なくとも前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒における点火時期に対して、前記吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒における点火時期を進角側に調整することを特徴とする。
また、この発明では、複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、前記複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する内燃機関の制御方法において、前記排気ガスの吸気経路への還流を判断する排気還流判断手順と、前記排気ガスが吸気経路へ還流していると判断すると、複数の気筒のそれぞれに設けられた点火プラグの点火時期を調整する点火時期を、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒における点火時期と当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒における点火時期とで異ならせる点火時期調整手順と、を含むことを特徴とする。
これらの発明によれば、EGR側気筒における点火プラグの点火時期と、反EGR側気筒における点火プラグの点火時期とを点火時期調整手段により異ならせる。例えば、還流排気ガス量の増加に伴い、EGR側気筒における点火プラグの点火時期よりも、反EGR側気筒における点火プラグの点火時期を進角側に調整する。従って、EGR側気筒よりも背圧が高いため、気筒内に残留する残留ガス量が多い反EGR側気筒の点火プラグの点火時期を進角側、すなわち点火プラグを早期に点火することで、EGR側気筒および反EGR側気筒の燃焼変動が大きくなく、ほぼ同じとなる時期に点火プラグを点火する。これにより、各気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができる。また、EGR側気筒および反EGR側気筒において最も燃焼効率が良い時期に点火プラグを点火することできるので、吸気経路に排気ガスを還流する排気還流装置を備える内燃機関の燃費の向上を図ることができる。
また、この発明では、上記内燃機関の制御装置において、前記複数の気筒は、複数の気筒群を形成し、前記排気経路は、前記各気筒群にそれぞれに設けられ、前記排気還流装置は、複数の気筒群のいずれかの気筒群から排気される排気ガスを吸気経路に還流することを特徴とする。
この発明によれば、EGR側気筒に対応する排気経路と反EGR側気筒に対応する排気経路とが連通しておらず、EGR装置により吸気経路に排気ガスを還流している際にEGR側気筒と反EGR側気筒との背圧の差が大きい内燃機関においても、反EGR側気筒の燃焼の悪化を抑制でき、各気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができる。
この発明にかかる内燃機関の制御装置および制御方法は、還流排気ガス量に応じて、EGR側気筒におけるバルブオーバーラップ期間と、反EGR側気筒におけるバルブオーバーラップ期間とを異ならせることで、内燃機関の各気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施例では、左右にバンクを有し、2つの気筒群を有し、各気筒群にそれぞれ対応する排気経路を有するV型エンジンの内燃機関にこの発明を適用する場合について説明する。この発明は、上記内燃機関のみならず、複数の気筒から排気された排気ガスが排気経路において1つに集合する内燃機関(例えば、L型エンジンや上記V型エンジンにおいて各気筒群にそれぞれ対応する排気経路が1つに集合するエンジン)であっても、排気ガスが1つに集合する前の排気経路を通過する排気ガスの一部を吸気経路に還流させるEGR装置を備える内燃機関であれば適用することができる。
まず、実施例1として、吸気経路に排気ガスが還流される際に、吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間と、吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間を異ならせる場合について説明する。図1は、この発明にかかる内燃機関の構成例を示す図である。同図に示すように、この発明にかかる内燃機関1−1は、燃料供給装置10と、複数の気筒群であるEGR側気筒群21a、反EGR側気筒群21bとを有する内燃機関本体20と、吸気経路30、EGR側気筒群21aの各EGR側気筒22a、反EGR側気筒群21bの各反EGR側気筒22bにそれぞれ対応する排気経路40a,40bと、EGR装置50と、この内燃機関1−1の運転制御を行うECU(Engine Control Unit)60とにより構成されている。なお、70はアクセルペダル、71はこのアクセルペダル70のアクセル開度を検出するアクセルペダルセンサである。
燃料供給装置10は、燃料タンク12内に貯留されている燃料であるガソリンを内燃機関1−1に供給するものである。この燃料供給装置10は、燃料噴射弁11と、燃料タンク12と、燃料ポンプ13と、高圧ポンプ14と、図示しない燃料配管とにより構成されている。燃料タンク12内に貯留されているガソリンは、ECU60からの燃料ポンプ駆動信号により駆動する燃料ポンプ13により加圧され、図示しない燃料配管を介して高圧ポンプ14に圧送される。高圧ポンプ14は、例えば同図に示すように、反EGR側気筒群21bに配置される後述するエキゾーストカムシャフト84bの回転力により駆動するものである。従って、高圧ポンプ14に圧送された燃料は、この高圧ポンプ14によりさらに加圧され、燃料噴射弁11に圧送される。
燃料噴射弁11は、各EGR側気筒22a、反EGR側気筒22bのそれぞれの燃焼室Aに対応して配置されており、高圧ポンプ14から圧送されたガソリンを気筒ごとの燃焼室A内に直接噴射、すなわち直接供給する直噴用燃料噴射弁である。燃料噴射弁11の燃料噴射量や噴射タイミングなどの制御、すなわち燃料噴射制御は、後述するECU60により行われる。なお、上記燃料噴射弁11は、気筒ごとの燃焼室A内に直接噴射するものに限られず、各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bにそれぞれ対応する各吸気ポート26a,26bに噴射、すなわちポート噴射するものであっても良い。
内燃機関本体20は、図示しない左右のバンクにそれぞれ複数の気筒である各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bから構成されるEGR側気筒群21a、反EGR側気筒群21bを有する。各気筒EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bには、それぞれピストン23a,23bおよびコンロッド24a,24bと、点火プラグ25a,25bと、バルブ装置80a,80bと、により構成されている。ここで、上述のように、内燃機関本体20の各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bには、それぞれ燃焼室Aが形成されている。気筒ごとの燃焼室Aは、それぞれ吸気ポート26a,26bに接続されており、この吸気ポート26a,26bが吸気経路30に接続されている。また、気筒ごとの燃焼室Aは、それぞれ排気ポート27a,27bに接続されており、この排気ポート27a,27bがそれぞれ排気通路40a,40bに接続されている。
ピストン23a,23bは、それぞれコンロッド24a,24bに回転自在に支持されている。このコンロッド24a,24bは、図示しない1つのクランクシャフトに回転自在に支持されている。つまり、図示しないクランクシャフトは、ピストン23a,23bが気筒ごとの燃焼室A内の吸入空気と燃料の混合ガスが燃焼することにより、各EGR側気筒22a内、各反EGR側気筒22b内を往復運動することで回転するものである。なお、28は、図示しないクランクシャフトのクランク角度を検出するクランク角度センサである。
バルブ装置80a,80bは、それぞれ後述する吸気バルブ81a,81bおよび排気バルブ82a,82bの開閉を行うものである。このバルブ装置80a,80bは、各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bにそれぞれ設けられる吸気バルブ81a,81bと、排気バルブ82a,82bと、インテークカムシャフト83a,83bと、エキゾーストカムシャフト84a,84bと、バルブタイミング機構85a,85bとにより構成されている。吸気バルブ81a,81bは、吸気ポート26a,26bと気筒ごとの燃焼室Aとの間に配置され、インテークカムシャフト83a,83bが回転することにより、吸気ポート26a,26bと気筒ごとの燃焼室Aとの連通を繰り返し行うものである。つまり、吸気バルブ81a,81bは、吸気経路30と各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bとの連通を行うものである。また、排気バルブ82a,82bは、気筒ごとの燃焼室Aと排気ポート27a,27bとの間に配置され、エキゾーストカムシャフト84a,84bが回転することにより、気筒ごとの燃焼室Aと排気ポート27a,27bとの連通を繰り返し行うものである。つまり、排気バルブ82a,82bは、各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bと排気経路40a,40bとの連通を行うものである。
インテークカムシャフト83a,83bおよびエキゾーストカムシャフト84a,84bは、タイミングチェーンを介して図示しないクランクシャフトに連結されており、このクランクシャフトの回転力が伝達され回転するものである。ここで、インテークカムシャフト83a,83bと図示しないクランクシャフトとのそれぞれの間には、バルブ調整手段であるバルブタイミング機構85a,85bが介在されている。バルブタイミング機構85a,85bは、連続可変バルブタイミング機構であり、インテークカムシャフト83a,83bの位相を連続的に変化させるものである。
具体的には、バルブタイミング機構85a,85bには、その内部に形成された図示しない進角室および遅角室がそれぞれ形成されている。この進角室あるいは遅角室のいずれか一方には、このバルブ装置80a,80bの図示しないオイルコントロールバルブからオイルが供給される。インテークカムシャフト83a,83bは、進角室にオイルが供給されると進角側に、遅角室にオイルが供給されると遅角側にそれぞれの位相が変化する。バルブ装置80a,80bは、インテークカムシャフト83a,83bの位相が変化することで、吸気バルブ81a,81bの開閉時期を調整する。従って、吸気バルブ81a,81bと排気バルブ82a,82bとがともに開弁しているバルブオーバーラップ期間を調整することができる。
なお、バルブタイミング機構85a,85bに対応する図示しないオイルコントロールバルブは、その内部に設けられたスプール弁の位置が移動することで、バルブタイミング機構85a,85bの進角室あるいは遅角室のいずれか一方にオイルを供給する。このスプール弁の位置の制御、すなわち吸気バルブ81a,81bの開閉時期の制御である吸気バルブタイミング制御は、後述するECU60により行われる。また、バルブ装置80a,80bには、カムポジションセンサ86a、86bが備えられている。このカムポジションセンサ86a,86bは、インテークカムシャフト83a,83bの位置を検出し、ECU60に出力するものである。
点火プラグ25a,25bは、各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bにそれぞれ設けられており、ECU60からの点火信号により、点火し気筒ごとの燃焼室A内の混合ガスを着火させるものである。点火プラグ25a,26bの点火時期の制御、すなわち点火制御は、後述するECU60により行われる。
吸気経路30は、外部から空気を吸気し、この導入された空気を各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bの燃焼室Aに導入するものである。この吸気経路30は、エアクリーナー31と、エアフロメータ32と、スロットルバルブ33と、可変吸気装置34と、集合吸気通路35と、分岐吸気通路36a,36bとにより構成されている。エアクリーナー31により粉塵が除去された空気は、集合吸気通路35と通り、分岐吸気通路36a,36bに流入する。分岐吸気通路36a,36bに流入した空気は、それぞれ吸気ポート26a,26bを介して、各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bの燃焼室Aに吸気される。
エアフロメータ32は、この内燃機関1−1に導入、すなわち吸入される空気の吸入空気量を検出し、ECU60に出力するものである。スロットルバルブ33は、ステッピングモータなどのアクチュエータ33aにより駆動され、気筒ごとの燃焼室Aに吸気される吸入空気量を調整するものである。このスロットルバルブ33の開度の制御、すなわちスロットルバルブ開度制御は、後述するECU60により行われる。また、可変吸気装置34は、ソレノイドなどのアクチュエータ34aにより駆動され、内燃機関の運転状態に応じて、吸気経路30の吸気経路長さを切り替えるものである。この可変吸気装置34の駆動の制御、すなわち可変吸気装置駆動制御は、後述するECU60により行われる。
排気経路40a,40bは、各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bの燃焼室A内から排気された排気ガスを浄化し、外部に排気するものである。各排気経路40a,40bは、それぞれ排気通路41a,41bと、浄化装置42a,42bと、消音装置43a,43bとにより構成されている。各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bの燃焼室A内から排気された排気ガスは、排気通路41a,41bを通過し、浄化装置42a,42bに流入する。この浄化装置に42a,42bに流入した排気ガスは、この浄化装置42a,42bにより有害物質が浄化された後、それぞれ浄化装置42a,42bの下流側の排気通路41a,41bに流出する。浄化装置42a,42bにより有害物質が浄化された排気ガスは、それぞれ消音装置43a,43bに流入し、消音された後、外部に排気される。なお、排気通路41a,41bには、この排気通路41a,41bに排気される排気ガスの空燃比を検出し、後述するECU60に出力するA/Fセンサ44a,44bがそれぞれ設けられている。
排気還流装置であるEGR装置50は、排気還流通路51と、流量調整弁52とにより構成されている。排気還流通路51は、一方の端部がEGR側気筒群21aに対応する、すなわち各EGR側気筒22aに対応する排気経路40aの排気通路41aに接続され、他方の端部が吸気経路30の集合吸気通路35と接続されている。つまり、EGR装置50は、複数の気筒である各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bから排気通路排気経路40a,40bに排気される排気ガスのうち、複数の気筒の一部である各EGR側気筒22a、すなわちEGR側気筒群21aから排気される排気ガスを吸気経路30に還流する。
流量調整弁52は、排気ガスを吸気経路30に還流、すなわち再度内燃機関本体20の各EGR側気筒22a、各反EGR側気筒22bに導入する量である還流排気ガス量を調整するものである。この流量調整弁52の流量調整弁の開度の制御、すなわち流量調整弁開度制御は、後述するECU60により行われる。
ECU60は、この発明にかかる内燃機関1−1の運転制御装置であり、この内燃機関1−1を運転制御するものである。このECU60は、内燃機関1−1が搭載された図示しない車両の各所に取り付けられたセンサから、各種入力信号が入力される。具体的には、クランク角度センサ28により検出されたクランク角度(このクランク角度に基づく機関回転数)、エアフロメータ32により検出された吸入空気量、図示しないスロットルバルブ弁開度センサにより検出されたスロットルバルブ33のスロットルバルブ弁開度、A/Fセンサ44a,44bにより検出された排気ガスの空燃比、アクセルペダルセンサ71により検出されたアクセル開度などがある。ECU60は、これら入力信号および記憶部63に記憶されている各種マップに基づいて各種出力信号を出力する。具体的には、スロットルバルブ33のスロットルバルブ開弁制御を行うスロットルバルブ開度信号、各燃料噴射弁11の噴射制御を行う噴射信号、各点火プラグ25a,25bの点火制御を行う点火信号、バルブ装置80a,80bのバルブタイミング機構85a,85bの吸気バルブタイミング制御、流量調整弁52の流量調整弁開度制御を行う流量調整弁開度信号などの出力信号などがある。
ここで、燃料噴射弁11から内燃機関1−1に供給される燃料噴射量は、これら入力信号のうち、例えば機関回転数および吸入空気量に基づいて算出される。この発明にかかる内燃機関1−1が例えばストイキ(λ=1)で運転される場合は、気筒ごとの燃焼室A内の空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量が算出される。この燃料噴射量の算出は、上記入力信号と記憶部43に記憶されている燃料噴射量マップとに基づいて算出しても良いし、上記入力信号とA/Fセンサ44a,44bにより検出された排気ガスの空燃比とに基づいて算出しても良い。
具体的に、このECU60は、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力ポート(I/O)61と、処理部62と、上記燃料噴射量マップや後述する還流排気ガス量マップなどの各種マップなどを格納する記憶部63とにより構成されている。この処理部62は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成され、後述する内燃機関1−1の制御方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、内燃機関1−1の制御方法などを実現させるものであっても良い。また、記憶部63は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能な揮発性のメモリあるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能な揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。また、この実施例1にかかる内燃機関1−1の制御方法をECU60により実現させるが、これに限定されるものではなく、このECU60とは個別に形成された制御装置により実現しても良い。
次に、実施例1にかかる内燃機関1−1の制御装置であるECU60の動作について説明する。図2は、実施例1にかかる内燃機関の制御装置の動作フローを示す図である。図3は、吸排気バルブのリフト量とクランク角度との関係を示す図である。まず、同図に示すように、ECU60の処理部62は、吸気経路30に排気ガスが還流されているか否かを判断する(ステップST101)。ECU60の処理部62は、内燃機関1−1の運転制御において吸気経路30に排気ガスを還流する際には、内燃機関1−1の運転状態に応じて還流排気ガス量を算出する。具体的には、内燃機関1−1の運転状態であるこの内燃機関1−1の負荷および機関回転数と、記憶部63に記憶されている負荷と機関回転数とに基づく還流排気ガス量マップとに基づいて還流排気ガス量を算出する。そして、処理部62は、この算出された還流排気ガス量に基づいて、流量調整弁51の流量調整弁開度制御を行う。つまり、ECU60は、流量調整弁52を算出された還流排気ガス量の排気ガスを吸気経路30に還流することができる流量調整弁開度とする。従って、ステップST101における吸気経路30へ排気ガスが還流されているか否かの判断は、具体的には、流量調整弁52に取り付けられた図示しない流量調整弁開度センサにより検出された流量調整弁の実弁開度に基づいて判断しても良いし、上記内燃機関の運転状態に基づいて算出された還流排気ガス量に基づいて判断しても良い。
次に、処理部62は、吸気経路30に排気ガスが還流されていると判断すると、この吸気経路30に還流される排気ガスの還流排気ガス量を取得する(ステップST102)。具体的に還流排気ガス量の取得は、この流量調整弁の実弁開度に基づいて還流排気ガスを算出し、取得しても良いし、上記内燃機関の運転状態に基づいて算出された還流排気ガス量を還流排気ガス量として取得しても良い。
次に、ECU60の処理部62は、EGR側気筒群21aである各EGR側気筒22aのバルブオーバーラップ期間T1を決定する(ステップST103)。バルブオーバーラップ期間は、内燃機関の運転状態に応じて変化するものであり、主に上記内燃機関1−1の負荷と機関回転数とに基づいて決定される。ここで、各EGR側気筒22a、反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間は、この実施例ではそれぞれ吸気バルブ81a,81bの開閉時期が変化することにより調整される。従って、各EGR側気筒22aのバルブオーバーラップ期間T1の決定は、上記内燃機関1−1の負荷と、機関回転数と、予め記憶部63に記憶されている内燃機関1−1の負荷と機関回転数とに基づく吸気バルブタイミングマップとに基づいて決定される。
次に、ECU60の処理部62は、還流排気ガス量に応じた反EGR側気筒群21bである各反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間T2を決定する(ステップST104)。具体的には、上記ステップST103と同様に、各反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間T2の決定は、内燃機関1−1の負荷と、機関回転数と、予め記憶部63に記憶されている内燃機関1−1の負荷と機関回転数とに基づく反EGR用吸気バルブタイミングマップとに基づいて決定される。この反EGR用吸気バルブタイミングマップは、内燃機関1−1の負荷および機関回転数以外に還元排気ガス量に基づいて設定されている。具体的には、上記吸気バルブタイミングマップと比較して、同一条件でおいて還元排気ガス量が多いほど反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間T2がEGR側気筒22aのバルブオーバーラップ期間T1よりも長くなるように設定されている。従って、決定される各反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間T2とEGR側気筒22aのバルブオーバーラップ期間T1との関係は、T2>T1となる。
次に、ECU60の処理部62は、上記決定された各EGR側気筒22aのバルブオーバーラップ期間T1および各反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間T2に応じて、各EGR側気筒22aに対応する吸気バルブ81aの開閉時期および各反EGR側気筒22bに対応する吸気バルブ81bの開閉時期をそれぞれ吸気バルブタイミング機構85a,85bにより調整する(ステップST105)。具体的には、図3に示すように、各反EGR側気筒22bの吸気バルブ81bの開閉時期を各EGR側気筒22aの吸気バルブ81aの開閉時期よりも進角側に調整、すなわち吸気バルブ81bの開弁時期を吸気バルブ81aの開弁時期よりも早める。これにより、各EGR側気筒22aのバルブオーバーラップ期間T1よりも各反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間T2が長くなる。
一方、ECU60の処理部62は、吸気経路30に排気ガスが還流されていないと判断すると、全気筒のバルブオーバーラップ期間T3を決定する(ステップST106)。具体的には、EGR側気筒群21aの各EGR側気筒22aおよび反EGR側気筒群21bの各反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間T3は、内燃機関1−1の負荷と、機関回転数と、上記ステップST103で用いた吸気バルブタイミングマップとに基づいて決定される。つまり、1つの吸気バルブタイミングマップにより全気筒のバルブオーバーラップ期間が同じとなるオーバーラップ期間T3を決定する。
そして、ECU60の処理部62は、上記決定された全気筒のバルブオーバーラップ期間T3に応じて、各EGR側気筒22aに対応する吸気バルブ81aの開閉時期および各反EGR側気筒22bに対応する吸気バルブ81bの開閉時期をそれぞれ吸気バルブタイミング機構85a,85bにより調整する(ステップST107)。
以上のように、吸気経路30に還流される排気ガスを排気する気筒であるEGR側気筒22aにおけるバルブオーバーラップ期間T1と、吸気経路30に還流されない排気ガスを排気する気筒である反EGR側気筒22bにおけるバルブオーバーラップ期間T2とをバルブ調整手段である吸気バルブタイミング機構85a,85bにより異ならせる。具体的には、還流排気ガス量の増加に伴い、EGR側気筒22aにおけるバルブオーバーラップ期間T1よりも、反EGR側気筒22bにおけるバルブオーバーラップ期間T2を長くする。従って、バルブオーバーラップ期間において吸気経路30から気筒内に吸気される空気の量は、各反EGR側気筒22bの方が各EGR側気筒22aよりも多くなる。つまり、EGR側気筒22aよりも背圧が高いため、気筒内に残留ガスが残留しやすい反EGR側気筒22b内に残留しようとする残留ガスを排気経路40bに排気しやすくなる。これにより、反EGR側気筒22bの燃焼の悪化を抑制でき、各気筒間、すなわちEGR側気筒群21aと反EGR側気筒群21bとの燃焼のばらつきを抑制することができる。
また、EGR装置50により、吸気通路30に排気ガスが還流されている場合には、吸気経路30から排気ガスが気筒ごとの燃焼室A内に導入されるため、各気筒の燃焼が悪化しやすくなっている。この状態において、さらに反EGR側気筒群21bである各反EGR側気筒22bは、上述のように残留ガスが残留しやすいため、燃焼がさらに悪化しやすい虞がある。しかしながら、還流排気ガス量の増加に伴い、EGR側気筒22aにおけるバルブオーバーラップ期間T1よりも、反EGR側気筒22bにおけるバルブオーバーラップ期間T2を長くすることで、反EGR側気筒21bである各反EGR側気筒22bの燃焼の悪化を抑制することができる。
次に、実施例2として、吸気経路に排気ガスが還流される際に、吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒の点火時期と、吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒の点火時期を異ならせる場合について説明する。実施例2にかかる内燃機関1−2の基本的構成は、図1に示す実施例1にかかる内燃機関1−1の基本的構成と同様であるため、その説明は省略する。なお、ECU60は、各点火プラグ25a,25bの点火時期を調整する点火時期調整手段としての機能を有する。
次に、実施例2にかかる内燃機関1−2の制御方法について説明する。図4は、実施例2にかかる内燃機関の制御方法の動作フローを示す図である。図5は、燃焼変動と熱効率と点火時期との関係を示す図である。なお、図5に示す実施例2にかかる内燃機関1−1の制御方法において、図2に示す実施例1にかかる内燃機関1−1の制御方法と同一部分は簡略化して説明する。
まず、同図に示すように、ECU60の処理部62は、吸気経路30に排気ガスが還流されているか否かを判断する(ステップST201)。次に、ECU60の処理部62は、吸気経路30に排気ガスが還流されていると判断すると、この吸気経路30に還流される排気ガスの還流排気ガス量を取得する(ステップST202)。
次に、ECU60の処理部62は、EGR側気筒群21aである各EGR側気筒22aの各点火プラグ25aの点火時期S1を決定する(ステップST203)。点火プラグの点火時期は、内燃機関1−2の運転状態に応じて変化するものであり、主に上記内燃機関1−2の負荷と機関回転数とに基づいて決定される。従って、各EGR側気筒22aの各点火プラグ25aの点火時期S1の決定は、上記内燃機関1−2の負荷と、機関回転数と、予め記憶部63に記憶されている内燃機関1−2の負荷と機関回転数とに基づいて設定された点火時期マップとに基づいて決定される。なお、この点火時期マップは、図5に示すように、各EGR側気筒22aの各点火プラグ25aの点火時期が、内燃機関1−2の運転状態に応じて、各EGR側気筒22aにおける燃焼変動が小さく、熱効率が良くなるように設定されている。
次に、ECU60の処理部62は、還流排気ガス量に応じた反EGR側気筒群21bである各反EGR側気筒22bの各点火プラグ25bの点火時期S2を決定する(ステップST204)。具体的には、上記ステップST203と同様に、各反EGR側気筒22bの各点火プラグ25bの点火時期S2の決定は、内燃機関1−2の負荷と、機関回転数と、予め記憶部63に記憶されている内燃機関1−2の負荷と機関回転数とに基づく反EGR用点火時期マップとに基づいて決定される。この反EGR用点火時期マップは、内燃機関1−2の負荷および機関回転数以外に還元排気ガス量に基づいて設定されている。具体的には、上記点火時期マップと比較して、同一条件でおいて還元排気ガス量が多いほど各反EGR側気筒22bの各点火プラグ25bの点火時期S2が各EGR側気筒22aの点火プラグ25aの点火時期S1よりも進角側となるように、すなわち早く点火するように設定されている。従って、決定される各反EGR側気筒22bの各点火プラグ25bの点火時期S2と各EGR側気筒22aの各点火プラグ25aの点火時期S1との関係は、点火時期S2が点火時期S1よりもクランク角度において進角となる。この反EGR用点火時期マップでは、図5に示すように、点火時期S2を点火時期S1よりもクランク角度において進角とし、各反EGR側気筒22bの各点火プラグ25bの点火時期が、内燃機関1−2の運転状態に応じて、各反EGR側気筒22bにおける燃焼変動が小さく、熱効率が良くなるように設定されている。
次に、ECU60の処理部62は、上記決定された点火時期S1および点火時期S2に応じて、各EGR側気筒22aの点火プラグ25aおよび各反EGR側気筒22bの点火プラグ25bにそれぞれ点火信号を出力し、点火する(ステップST205)。これにより、各EGR側気筒22aの各点火プラグ25aよりも各反EGR側気筒22bの各点火プラグ25bが早く点火する。
一方、ECU60の処理部62は、吸気経路30に排気ガスが還流されていないと判断すると、全気筒の各点火プラグ25a,25bの点火時期S3を決定する(ステップST206)。具体的には、EGR側気筒群21aの各EGR側気筒22aおよび反EGR側気筒群21bの各反EGR側気筒22bの点火時期S3は、内燃機関1−2の負荷と、機関回転数と、上記ステップST203で用いた点火時期マップとに基づいて決定される。つまり、1つの点火マップにより全気筒の点火プラグ25a,25bの点火時期が同じとなる点火時期S3を決定する。そして、ECU60の処理部62は、上記決定された全気筒の点火プラグ25a,25bの点火時期S3に応じて、各EGR側気筒22aの各点火プラグ25aおよび各反EGR側気筒22bの点火プラグ25bを点火する(ステップST207)。
以上のように、吸気経路30に還流される排気ガスを排気する気筒であるEGR側気筒22aの点火プラグ25aの点火時期S1と、吸気経路30に還流されない排気ガスを排気する気筒である反EGR側気筒22bの点火プラグ25bの点火時期S2とを点火時期調整手段であるECU60により異ならせる。具体的には、還流排気ガス量の増加に伴い、EGR側気筒22aにおける点火時期S1よりも、反EGR側気筒22bにおける点火時期S2を進角側に調整する。従って、各EGR側気筒22aよりも背圧が高いため、気筒内に残留する残留ガス量が多い各反EGR側気筒22bの点火プラグ25bの点火時期を進角側、すなわち点火プラグ25bを点火プラグ25aよりも早期に点火することで、各EGR側気筒22aおよび反EGR側気筒25bの燃焼変動が大きくなく、ほぼ同じとなる時期に点火プラグ25a,25bをそれぞれ点火する(図5参照)。これにより、各気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができる。また、各EGR側気筒22aおよび各反EGR側気筒22bにおいて最も燃焼効率が良い時期に点火プラグ25a,25bを点火することできるので、吸気経路30に排気ガスを還流するEGR装置50を備える内燃機関1−2の燃費の向上を図ることができる。
なお、上記実施例では、還流排気ガス量に応じて各EGR側気筒22aにおけるバルブオーバーラップ期間T1よりも、各反EGR側気筒22bにおけるバルブオーバーラップ期間T2を長く、あるいは各EGR側気筒22aにおける点火時期S1よりも、各反EGR側気筒22bにおける点火時期S2を進角側にしているが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、ECU60の記憶部63に内燃機関1−1,1−2の運転状態である負荷と機関回転数から反EGR側気筒22bの燃焼室A内の燃焼が悪化する虞がある領域が設定された燃焼悪化領域マップを予め格納する。そして、ECU60の処理部62は、吸気経路30に排気ガスが還流されていると判断すると、内燃機関1−1,1−2の負荷と機関回転数と燃焼悪化領域マップとに基づいて、各反EGR側気筒群21bである各反EGR側気筒22bのバルブオーバーラップ期間T2あるいは点火時期S2を決定しても良い。この場合、燃焼悪化領域マップは、各反EGR側気筒22bの燃焼室A内の燃焼悪化の虞が高ければ高いほど、バルブオーバーラップ期間T2をバルブオーバーラップ期間T1よりも長く、あるいは点火時期S2を点火時期S1よりも進角側となるように設定されている。
以上のように、この発明にかかる内燃機関の制御装置および制御方法は、吸気経路に排気ガスを還流させる排気還流装置を備える内燃機関に有用であり、特に、各気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができる。
1−1,1−2 内燃機関
10 燃焼供給装置
11 燃料噴射弁
20 内燃機関本体
21a,21b 気筒群
22a,22b 気筒
25a,25b 点火プラグ
30 吸気経路
32 エアフロメータ
33 スロットルバルブ
34 可変吸気装置
40a,40b 排気経路
41a,41b 排気通路
50 EGR装置(排気還流装置)
51 排気還流通路
52 流量調整弁
60 ECU
70 アクセルペダル
71 アクセルペダルセンサ
80a,80b バルブ装置
81a,81b 吸気バルブ
82a,82b 排気バルブ
85a,85b バルブタイミング機構
10 燃焼供給装置
11 燃料噴射弁
20 内燃機関本体
21a,21b 気筒群
22a,22b 気筒
25a,25b 点火プラグ
30 吸気経路
32 エアフロメータ
33 スロットルバルブ
34 可変吸気装置
40a,40b 排気経路
41a,41b 排気通路
50 EGR装置(排気還流装置)
51 排気還流通路
52 流量調整弁
60 ECU
70 アクセルペダル
71 アクセルペダルセンサ
80a,80b バルブ装置
81a,81b 吸気バルブ
82a,82b 排気バルブ
85a,85b バルブタイミング機構
Claims (7)
- 複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、前記複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する排気還流装置と、
前記吸気経路と前記各気筒との連通を行う吸気バルブと当該各気筒と排気経路との連通を行う排気バルブとがともに開弁しているバルブオーバーラップ期間を調整するバルブ調整手段と、
を備え、前記バルブ調整手段は、前記排気還流装置により前記吸気経路に排気ガスが還流される際に、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間と、当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間とを異ならせることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記排気還流装置により前記吸気経路に還流される排気ガスの還流排気ガス量を取得する還流排気ガス量取得手段をさらに備え、
前記バルブ調整手段は、前記取得された還流排気ガス量の増加に伴い、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間よりも、当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間を長くすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、前記複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する排気還流装置と、
前記複数の気筒のそれぞれに設けられた点火プラグの点火時期を調整する点火時期調整手段と、
を備え、前記点火時期調整手段は、前記排気還流装置により前記吸気経路に排気ガスが還流される際に、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒における点火時期と、当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒における点火時期とを異ならせることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記排気還流装置により前記吸気経路に還流される排気ガスの還流排気ガス量を取得する還流排気ガス量取得手段をさらに備え、
前記点火時期調整手段は、前記取得された還流排気ガス量の増加に伴い、少なくとも前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒における点火時期に対して、前記吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒における点火時期を進角側に調整することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記複数の気筒は、複数の気筒群を形成し、
前記排気経路は、前記各気筒群にそれぞれに設けられ、
前記排気還流装置は、複数の気筒群のいずれかの気筒群から排気される排気ガスを吸気経路に還流することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。 - 複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、前記複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する内燃機関の制御方法において、
前記排気ガスの吸気経路への還流を判断する排気還流判断手順と、
前記排気ガスが吸気経路へ還流していると判断すると、前記吸気経路と前記各気筒との連通を行う吸気バルブと当該各気筒と排気経路との連通を行う排気バルブとがともに開弁しているバルブオーバーラップ期間を、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間と当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒におけるバルブオーバーラップ期間とで異ならせるバルブ調整手順と、
を含むことを特徴とする内燃機関の制御方法。 - 複数の気筒から排気経路に排気される排気ガスのうち、前記複数の気筒の一部から排気される排気ガスを吸気経路に還流する内燃機関の制御方法において、
前記排気ガスの吸気経路への還流を判断する排気還流判断手順と、
前記排気ガスが吸気経路へ還流していると判断すると、複数の気筒のそれぞれに設けられた点火プラグの点火時期を調整する点火時期を、前記吸気経路に還流される排気ガスを排気する気筒における点火時期と当該吸気経路に還流されない排気ガスを排気する気筒における点火時期とで異ならせる点火時期調整手順と、
を含むことを特徴とする内燃機関の制御方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008128029A (ja) * | 2006-11-17 | 2008-06-05 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
WO2011016124A1 (ja) | 2009-08-06 | 2011-02-10 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関のegr制御システム |
-
2004
- 2004-11-08 JP JP2004324127A patent/JP2006132479A/ja active Pending
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