JP2006070849A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノックの発生および燃料の燃焼の悪化を抑制することができる内燃機関を提供すること。
【解決手段】 燃焼室A内の残留ガスを掃気する内燃機関1において、吸気弁36aおよび排気弁36bがともに開弁するバルブオーバーラップを判断するバルブオーバーラップ判断部74と、バルブオーバーラップ判断部74により判断されたバルブオーバーラップ時に吸気経路4側から燃焼室A内に空気を導入する空気導入装置6と、内燃機関1に供給される燃料の性状を判断する燃料性状判断部76と、内燃機関1のノックの発生を取得するノック発生取得部75と、を備え、空気導入装置6は、ノック発生取得部75により内燃機関1のノックの発生が取得された場合に燃料性状判断部76により判断された燃料の性状に基づいて、燃焼室A内に導入する空気の導入量を調整する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、内燃機関に関し、更に詳しくは、吸気弁および排気弁がともに開弁するバルブオーバーラップ時に燃焼室内の残留ガスを掃気する内燃機関に関する。
一般に、乗用車、トラックなどの車両に搭載されるガソリンエンジンなどの内燃機関では、圧縮端温度、すなわち着火直前の燃焼室内の空気と燃料との混合ガスのガス温度が上昇するとノックが発生する虞がある。この圧縮端温度が上昇する原因としては、内燃機関の排気行程において燃焼室内から排気されずにこの燃焼室内に残留する排気ガス、すなわち残留ガスがある。この燃焼室内の残留ガスの残留ガス量が増加すると圧縮端温度が上昇し、内燃機関にノックが発生する虞が生じる。
そこで、従来の内燃機関では、この内燃機関の排気行程と吸気行程との間に、バルブオーバーラップ期間が設けられている。このバルブオーバーラップ期間においては、内燃機関の吸気経路と燃焼室との連通を行う吸気弁および内燃機関の排気経路と燃焼室との連通を行う排気弁がともに開弁する。これにより、このバルブオーバーラップ期間では、吸気経路の空気が燃焼室内に導入され、この燃焼室内の残留ガスが排気経路に掃気され、燃焼室内の残留ガス量が低下する。
しかし、このバルブオーバーラップ期間のみでは、燃焼室内の残留ガスが排気経路に十分に掃気することができない。図5−1は、残留ガス量と空気の導入量との関係を示す図である。同図に示すように、内燃機関内に導入される空気の導入量Iの増加に伴い、燃焼室内の残留ガスの残留ガス量Vが減少する。つまり、空気の導入量Iの増加に伴い、燃焼室内の残留ガスを排気経路に多く掃気することができる。そこで、特許文献1に示すように、バルブオーバーラップ時に吸気経路から加圧された空気を燃焼室内に導入する技術が提案されている。この特許文献1に示す従来の内燃機関は、バルブオーバーラップ期間において加圧された空気を吸気経路の吸気ポートと吸気弁とにより形成される開口部の排気経路の排気ポートに対して最も遠い位置から導入する。これにより、燃焼室内の残留ガスの掃気をより効率的に行うものである。
特開平1−92522号公報
ところで、内燃機関に用いられる燃料は、種々の有機化合物により構成されており、揮発性を有するものである。この燃料には、沸点の低い燃料を多く含む軽質燃料と、沸点の高い燃料を多く含む重質燃料とが存在する。ここで、重質燃料は、軽質燃料と比較して揮発性が悪いため、微粒子化が困難である。また、重質燃料は、軽質燃料と比較して燃焼室内の空気との混合し難いものである。これらにより、内燃機関に供給される燃料が重質燃料である場合は、燃焼室内の混合ガスが点火プラグにより着火されて燃焼する際に後燃えが発生する。これは、重質燃料に含まれる沸点の高い燃料が混合ガスの燃焼過程の前半ではなく後半において燃焼するためである。従って、この後燃えのために混合ガスの燃料過程の後半において、燃焼室内のガス温度が上昇する。つまり、内燃機関に供給される燃料が重質燃料であると、排気行程において排気経路に排気される燃焼室内の排気ガスの温度が高くなる。
図5−2は、圧縮端温度と残留ガス量との関係を示す図である。同図に示すように、燃焼室内に残留する残留ガスの残留ガス量Vが一定量V1であると、内燃機関に供給される燃料が重質燃料HFである場合の圧縮端温度TはT1となり、内燃機関に供給される燃料が軽質燃料LFである場合の圧縮端温度TはT2となる。ここで、T1>T2であるため、残留ガス量Vに対して内燃機関に供給される燃料が重質燃料HFである場合は、燃焼室内の排気ガスの温度が重質燃料HFにより高くなるので、軽質燃料LFである場合よりも圧縮端温度Tが高くなる。
ここで、上述のように、内燃機関に供給される燃料が重質燃料である場合は、圧縮端温度が上昇し、圧縮端温度が極端に高くなり、内燃機関にノックが軽質燃料の場合よりもさらに発生する虞がある。従って、内燃機関に供給される燃料が軽質燃料である場合よりも、燃焼室内に導入される空気の導入量を増やす必要がある。しかしながら、内燃機関に供給される燃料が重質燃料であるとして空気の導入量を増やした場合は、実際に内燃機関に供給される燃料が軽質燃料であると、圧縮端温度が下降し、圧縮端温度が極端に低くなる虞がある。つまり、バルブオーバーラップ時における燃焼室内に空気を導入することで、圧縮端温度が極端に低くなり、燃料の燃焼が悪化する虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ノックの発生および燃料の燃焼の悪化を抑制することができる内燃機関を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、燃焼室内の残留ガスを掃気する内燃機関において、前記内燃機関の吸気経路と当該燃焼室との連通を行う吸気弁および当該内燃機関の排気経路と当該燃焼室との連通を行う排気弁がともに開弁するバルブオーバーラップを判断するバルブオーバーラップ判断手段と、前記バルブオーバーラップ判断手段により判断されたバルブオーバーラップ時に前記吸気経路側から前記燃焼室内に空気を導入する空気導入手段と、前記内燃機関に供給される燃料の性状を判断する燃料性状判断手段と、を備え、前記空気導入手段は、前記燃料性状判断手段により判断された燃料の性状に基づいて、前記燃焼室内に導入する空気の導入量を調整することを特徴とする。
また、この発明では、上記内燃機関において、前記空気導入手段は、前記燃料性状判断手段により前記内燃機関に供給される燃料の性状を重質燃料であると判断された場合は、当該内燃機関に供給される燃料の性状が軽質燃料であると判断された場合よりも前記燃焼室内に導入する空気の導入量を多くすることを特徴とする。
これらの発明によれば、燃料性状判断手段により判断された内燃機関に供給される燃料の性状に基づいて、燃焼室内に導入する空気の導入量を調整し、燃焼室内の残留ガスの残留ガス量をこの内燃機関に供給される燃料の性状に対応した残留ガス量とすることができる。例えば、燃料性状判断手段により内燃機関に供給される燃料の性状が軽質燃料であると判断された場合は、重質燃料であると判断された場合よりも、燃焼室内に導入する空気の導入量を少なくする。従って、燃焼室内の残留ガスの残留ガス量は、重質燃料であると判断された場合よりも多くなり、圧縮端温度の極端な下降が抑制され、圧縮端温度が極端に低くなることが抑制される。これにより、内燃機関に供給された燃料の燃焼の悪化を抑制することができる。また、燃料性状判断手段により内燃機関に供給される燃料の性状が重質燃料であると判断された場合は、軽質燃料であると判断された場合よりも、燃焼室内に導入する空気の導入量を多くする。従って、燃焼室内の残留ガスの残留ガス量は、軽質燃料であると判断された場合よりも少なくなり、圧縮端温度の上昇が抑制され、圧縮端温度が極端に高くなることが抑制される。これにより、ノックの発生を抑制することができる。
また、この発明では、上記内燃機関において、前記内燃機関のノックの発生を取得するノック発生取得手段をさらに備え、前記燃料性状判断手段は、前記ノック発生取得手段により前記内燃機関のノックの発生が取得された場合に、当該内燃機関に供給される燃料の性状を判断することを特徴とする。
また、この発明では、上記内燃機関において、前記内燃機関の運転領域が当該内燃機関にノックが発生する領域であることを判断するノック発生領域判断手段をさらに備え、前記燃料性状判断手段は、前記ノック発生領域判断手段により前記内燃機関の運転領域が当該内燃機関にノックが発生する領域であると判断された場合に、当該内燃機関に供給される燃料の性状を判断することを特徴とする。
これらの発明によれば、ノック発生検出手段により内燃機関のノックの発生を取得、あるいはノック発生領域判断手段により内燃機関の運転領域がこの内燃機関にノックが発生する領域であると判断しなければ、燃料性状判断手段により内燃機関に供給される燃料の性状を判断せず、空気導入手段は燃焼室内に空気を導入しない。つまり、バルブオーバーラップ時であっても、内燃機関のノックの発生を取得、あるいは内燃機関の運転領域がこの内燃機関にノックが発生する領域であると判断しなければ、燃焼室内に空気は導入されない。従って、圧縮端温度が内燃機関にノックが発生する、あるいは発生するおそれがある温度まで上昇していない場合に、燃焼室内に空気を導入しないので、圧縮端温度の下降が抑制され、圧縮端温度が極端に低くなることを抑制することができる。これにより、内燃機関に供給された燃料の燃焼の悪化をさらに抑制することができる。
この発明にかかる内燃機関は、燃料性状判断手段により判断される内燃機関に供給される燃料の性状に基づいて燃焼室内に導入される空気の導入量を調整することで、ノックの発生および燃料の燃焼の悪化を抑制することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、実施例1にかかる内燃機関の構成例を示す図である。図1に示すように、この実施例1にかかる内燃機関1−1は、図1に示すように、内燃機関1−1に燃料を供給する燃料供給手段である燃料供給装置2と、複数の気筒(例えば、4気筒)により構成される内燃機関本体3と、内燃機関本体3に接続される吸気経路4と、この内燃機関本体3に接続される排気経路5と、空気導入手段である空気導入装置6と、内燃機関1−1の運転を制御する運転制御装置であるECU(Engine Control Unit)7とにより構成されている。なお、8は、図示しないアクセルペダルのアクセル開度を検出するアクセルペダルセンサである。
燃料供給装置2は、燃料タンク22内に貯留されている燃料であるガソリンを内燃機関1−1に供給するものである。この燃料供給装置2は、燃料噴射弁21と、燃料タンク22と、燃料ポンプ23と、タンク内温度センサ24と、ベーパ濃度センサ25と、図示しない燃料配管とにより構成されている。燃料タンク22内に貯留されているガソリンは、ECU7からの燃料ポンプ駆動信号により駆動する燃料ポンプ23により加圧され、図示しない燃料配管を介して燃料噴射弁21に圧送される。燃料噴射弁21は、後述する内燃機関本体3の図示しない各気筒の吸気ポート32aにそれぞれ配置されており、燃料ポンプ23から圧送されたガソリンを後述する内燃機関本体3の吸気ポート32a内に噴射するものである。燃料噴射弁21の燃料噴射量や噴射タイミングなどの制御、すなわち噴射制御は、後述するECU7により行われる。
ここで、タンク内温度センサ24は、燃料タンク22内に設けられており、燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度を検出するものであり、後述するECU7に出力するものである。なお、タンク内温度センサ24は、燃料の温度を検出するものに限られず、タンク内の蒸発燃料の温度を検出するものであっても良い。また、ベーパ濃度センサ25は、燃料タンク22内に設けられており、燃料タンク22内に貯留されている燃料が蒸発することで、この燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度を検出するものであり、後述するECU7に出力するものである。なお、ベーパ濃度センサ25は、燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度を検出するものに限られず、燃料タンク22と吸気経路4とを連通する図示しない蒸発燃料供給通路に設けられるチャコールキャニスタ内に充満する蒸発燃料の濃度を検出するものであっても良い。
内燃機関本体3は、シリンダブロック31と、このシリンダブロック31に固定されたシリンダヘッド32と、気筒ごとに設けられるピストン33およびコンロッド34と、クランクシャフト35と、バルブ装置36と、気筒ごとに設けられる点火プラグ37とにより構成されている。ここで、内燃機関本体3の各気筒には、各気筒のピストン33と、シリンダブロック31と、シリンダヘッド32とにより燃焼室Aが形成されている。シリンダヘッド32には、吸気ポート32aおよび排気ポート32bが気筒ごとに形成されており、それぞれ吸気経路4および排気経路5に接続されている。ピストン33は、コンロッド34に回転自在に支持されており、このコンロッド34は、クランクシャフト35に回転自在に支持されている。つまり、クランクシャフト35は、ピストン33が燃焼室A内の空気と燃料の混合ガスが燃焼することにより、シリンダブロック31内を往復運動することで回転するものである。
バルブ装置36は、気筒ごとに設けられる吸気弁36aおよび排気弁36bと、インテークカムシャフト36cと、エキゾーストカムシャフト36dとにより構成されている。吸気弁36aは、吸気ポート32aと燃焼室Aとの間に配置され、インテークカムシャフト36cが回転することにより往復運動を行う。また、排気ポート32bは、排気ポート32bと燃焼室Aとの間に配置され、エキゾーストカムシャフト36dが回転することにより往復運動を行う。インテークカムシャフト36cおよびエキゾーストカムシャフト36dは、図示しないタイミングチェーンを介してクランクシャフト35に連結されており、このクランクシャフト35の回転力が伝達され回転するものである。なお、内燃機関1−1は、上記バルブ装置36の代わりに、インテークカムシャフト36cが回転する際の位相を変化させることができる連続可変バルブタイミング装置などを備えていても良い。これにより、内燃機関1−1の運転領域に基づいてバルブオーバーラップ期間を変化させることができる。
点火プラグ37は、気筒ごとに設けられており、ECU7からの点火信号により、点火し、各気筒の燃焼室A内の混合ガスを着火させるものである。点火プラグ37の点火タイミングなどの制御、すなわち点火制御は、後述するECU7により行われる。なお、38は、ノック発生検出手段であるノックセンサである。このノックセンサ38は、内燃機関1−1のノックの発生を例えばシリンダブロック31の振動により電圧が変化する圧電素子に基づいて検出し、ECU7に出力するものである。また、39は、クランクシャフト35の角度を検出し、ECU7に出力するクランク角度センサである。
吸気経路4は、外部から空気を吸気し、この導入された空気を内燃機関本体3の各気筒の燃焼室Aに導入するものである。この吸気経路4は、エアクリーナー41と、エアフロメータ42と、スロットルバルブ43と、エアクリーナー41から内燃機関本体3の吸気ポート32aまでを連通する吸気通路44とにより構成されている。エアクリーナー41により粉塵が除去された空気は、吸気通路44および吸気ポート32aを介して、内燃機関本体3の燃焼室Aに導入される。エアフロメータ42は、この内燃機関本体3に導入、すなわち吸入される空気の吸入空気量を検出し、ECU7に出力するものである。スロットルバルブ43は、ステッピングモータなどのアクチュエータ43aにより駆動され、内燃機関本体3の各気筒の燃焼室Aに吸気される吸入空気量を調整するものである。このスロットルバルブ43の開度の制御、すなわちスロットルバルブ開度制御は、後述するECU7により行われる。
また、排気経路5は、浄化触媒51と、図示しない消音装置と、内燃機関本体3の排気ポート32bから浄化触媒51を介して消音装置までを連通する排気通路52とにより構成されている。浄化触媒51は、排気通路52を開始して導入された排気ガスに含まれる有害物質を浄化するものであり、有害物質が浄化された排気ガスは、消音装置を介して外部に排気される。なお、図示は省略するが浄化触媒51の上流側に位置する排気通路52には、この排気通路52に排気される排気ガスの空燃比を検出し、後述するECU7に出力するA/Fセンサ、あるいはこの排気通路52に排気される排気ガスの酸素濃度を検出し、後述するECU7に出力するOセンサが設けられている。
空気導入装置6は、空気導入手段であり、外部の空気を導入用ポンプ61で加圧して、内燃機関本体3の吸気ポート32a内に導入するものである。つまり、空気導入装置6は、バルブオーバーラップ時において、吸気経路4側から内燃機関本体3の各気筒の燃焼室A内に加圧された空気を導入するものである。この空気導入装置6は、導入用ポンプ61と、導入量調整弁62と、導入用ポンプ61から内燃機関本体3の各気筒の吸気ポート32aまでを連通する導入通路63とにより構成されている。導入用ポンプ61は、ECU7からの導入用ポンプ駆動信号により駆動し、外部の空気を吸引し、加圧する。この加圧された空気は、導入通路63を介して吸気ポート32aに圧送される。導入量調整弁62は、ステッピングモータなどのアクチュエータ62aにより駆動され、バルブオーバーラップ時において、内燃機関本体3の各気筒の燃焼室Aに導入される空気の導入量を調整するものである。この導入量調整弁62の開度の制御、すなわち導入量調整弁開度制御は、後述するECU7により行われる。なお、この空気導入装置6は、吸気ポート32aに加圧された空気を導入する場合に限られず、吸気経路4の吸気通路44に加圧された空気を導入しても良い。また、導入用ポンプ61は、例えば、ベルトやチェーンなどの連結手段によりクランクシャフト35に連結することで、クランクシャフト35の回転により回転するように構成しても良い。
ECU7は、内燃機関1−1を運転制御し、この内燃機関1−1を種々の運転領域で運転するものであり、バルブオーバーラップ判断手段、燃料性状判断手段、ノック発生取得手段としての機能を備える。このECU7には、内燃機関1−1が搭載された車両の各所に取り付けられたセンサから、各種入力信号が入力される。具体的には、クランクシャフト35に取り付けられたクランク角度センサ39により検出されたクランク角度、エアフロメータ42により検出された吸入空気量、アクセルペダルセンサ8により検出されたアクセル開度、図示しないA/Fセンサにより検出された空燃比、ノックセンサ38により検出された内燃機関1−1のノックの発生状態などがある。ECU7は、これら入力信号および記憶部73に記憶されている各種マップに基づいて各種出力信号を出力する。具体的には、燃料噴射弁21の噴射制御を行う噴射信号、スロットルバルブ43のスロットルバルブ開度制御を行うスロットルバルブ開度信号、点火プラグ37の点火制御を行う点火信号、導入量調整弁62の導入量調整弁開度制御を行う導入量調整弁開度信号、燃料ポンプ23の駆動制御を行う燃料ポンプ駆動信号、導入用ポンプ61の駆動制御を行う導入用ポンプ駆動信号などの出力信号などがある。
なお、燃料噴射弁21から内燃機関1−1に供給される燃料噴射量は、これら入力信号のうちクランク角度から取得される機関回転数、吸入空気量、アクセル開度などに基づいて算出される。この燃料噴射量の算出は、上記入力信号と記憶部73に記憶されている燃料噴射量マップとに基づいて算出しても良いし、上記入力信号と図示しないA/Fセンサにより検出された空燃比とに基づいて算出しても良い。
具体的に、このECU7は、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力ポート(I/O)71と、処理部72と、上記燃料噴射量マップなどの各種マップなどを格納する記憶部73とにより構成されている。処理部72は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成され、少なくともバルブオーバーラップ判断手段であるバルブオーバーラップ判断部74と、ノック発生取得手段であるノック発生取得部75と、燃料性状判断手段である燃料性状判断部76と、導入量制御部77とにより構成されている。この処理部72は、後述する実施例1にかかる空気導入装置6の導入量調整弁62の導入量調整弁開度制御方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、導入量調整弁62の導入量調整弁開度制御方法などを実現させるものであっても良い。また、記憶部73は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能な揮発性のメモリあるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能な揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。また、この実施例1では、導入量調整弁62の導入量調整弁開度制御方法をECU7により実現させるが、これに限定されるものではなく、このECU7とは個別に形成された制御装置により実現しても良い。
次に、実施例1にかかる内燃機関1−1の空気導入装置6の導入量調整弁62の動作、すなわち導入量調整弁62の導入量調整弁開度制御方法について説明する。図2は、実施例1にかかる導入量調整弁の動作フローを示す図である。まず、同図に示すように、ECU7の処理部72のバルブオーバーラップ判断部74は、この内燃機関本体3のバルブ装置36の吸気弁36aおよび排気弁36bがともに開弁するバルブオーバーラップ時であるか否かを判断する(ステップST101)。具体的には、クランク角度センサにより検出されたクランクシャフト35のクランク角度に基づいて判断する。ここで、バルブ装置36の吸気弁36aおよび排気弁36bは、上述のようにクランクシャフト35の回転に対応して開閉弁を行う。つまり、クランクシャフト35のクランク角度に基づいて吸気弁36aおよび排気弁36bの開閉状態を取得することができる。従って、バルブオーバーラップ判断部74は、検出されたクランクシャフト35のクランク角度に基づいて吸気弁36aおよび排気弁36bがともに開弁しているか否かを判断する。
なお、バルブ装置36が連続可変バルブタイミング装置である場合は、内燃機関本体3に図示しないカムポジションセンサが備えられており、このカムポジションセンサは、インテークカムシャフト36cの位置を検出し、ECU7に出力する。従って、バルブオーバーラップ判断部74は、このカムポジションセンサにより検出されたインテークカムシャフト36cの位置に基づいて吸気弁36aが開弁しているか否かを判断し、検出されたクランクシャフト35のクランク角度に基づいて排気弁36bが開弁しているか否かを判断するようにしても良い。なお、バルブオーバーラップ判断部74は、バルブオーバーラップ時でない場合は、バルブオーバーラップ時であると判断するまで、このステップST101を繰り返す。
次に、処理部72のノック発生取得部75は、バルブオーバーラップ判断部74によりバルブオーバーラップ時であると判断された場合、この実施例1にかかる内燃機関1−1のノックの発生を取得したか否かを判断する(ステップST102)。具体的には、ノックセンサ38が、内燃機関1−1のシリンダブロック31の振動を検出し、ECU7に出力する。そして、ノック発生取得部75は、このノックセンサ38から出力されるノック発生信号の特定周波数の強度に基づいて、内燃機関1−1にノックが発生したか否かを判断する。なお、ノック発生取得部75は、内燃機関1−1のノックの発生を検出するまで、上記ステップST101およびステップST102を繰り返す。
次に、処理部72のノック発生取得部75により内燃機関1−1のノックの発生が取得された場合、燃料性状判断部76は、内燃機関1−1に供給される燃料の性状が軽質燃料であるか否かを判断する(ステップST103)。具体的には、燃料性状判断部76は、タンク内温度センサ24により検出された燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度およびベーパ濃度センサ25により検出された燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度に基づいて、内燃機関1−1に供給される燃料が軽質燃料であるかを判断する。ここで、燃料タンク22内に貯留されている燃料が重質燃料あるいは軽質燃料であるかにより、燃料の温度および蒸発燃料の濃度が変化する。例えば、燃料が重質燃料である場合は、燃料の温度が高くなり、蒸発燃料の濃度が低くなる。一方、燃料が軽質燃料である場合は、燃料の温度が低くなり、蒸発燃料の濃度が高くなる。従って、燃料性状判断部76は、入力された燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度が所定温度以上であるか否かおよび入力された燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度が所定濃度未満であるか否かにより、内燃機関に供給される燃料の性状を判断する。つまり、処理部72の燃料性状判断部76は、燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度が所定温度未満で、かつ燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度が所定濃度以上である場合に内燃機関1−1に供給される燃料が軽質燃料であると判断し、燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度が所定温度以上で、かつ燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度が所定濃度未満である場合に内燃機関1−1に供給される燃料が重質燃料であると判断する。
次に、処理部72の導入量制御部77は、燃料性状判断部76が内燃機関に供給される燃料が軽質燃料であると判断された場合、バルブオーバーラップ時に燃焼室A内に通常の導入量の空気を導入するために、この通常の導入量に対応する導入量調整弁62の開度を算出し、導入量調整弁62に導入量調整弁開度信号を出力する。この導入量調整弁開度信号に基づきアクチュエータ62aが駆動し、導入量調整弁62は開弁され、導入用ポンプ61により加圧された空気が吸気ポート32aを介して燃焼室Aに導入される(ステップST104)。この燃焼室Aに導入される通常の導入量の空気により、燃焼室A内に残留する残留ガスは、排気ポート32bを介して排気経路5に掃気される。ここで、通常の導入量とは、重質燃料であると判断された場合に燃焼室A内に導入される空気の導入量よりも少ない量をいい、かつ燃焼室A内に空気が導入された後の圧縮端温度の極端な下降を抑制できる量である。
次に、処理部72の導入量制御部77は、燃料性状判断部76が内燃機関に供給される燃料が重質燃料であると判断された場合、バルブオーバーラップ時に燃焼室A内に通常の導入量よりも多い導入量の空気を導入するために、この通常の導入量より多い導入量に対応する導入量調整弁62の開度を算出し、導入量調整弁62に導入量調整弁開度信号を出力する。この導入量調整弁開度信号に基づきアクチュエータ62aが駆動し、導入量調整弁62は開弁され、導入用ポンプ61により加圧された空気が吸気ポート32aを介して燃焼室Aに導入される(ステップST105)。この燃焼室Aに導入される通常の導入量よりも多い導入量の空気により、燃焼室A内に残留する残留ガスは、排気ポート32bを介して排気経路5に掃気される。ここで、通常の導入量よりも多い導入量とは、軽質燃料であると判断された場合に燃焼室A内に導入される空気の導入量よりも多い量をいい、かつ燃焼室A内に空気が導入された後の圧縮端温度の上昇を抑制できる量である。なお、導入量調整弁62は、導入量制御部77により算出された導入量の空気を燃焼室A内に導入すると閉弁される。つまり、この実施例1にかかる内燃機関1−1の空気導入装置6の導入量調整弁62は、この内燃機関1−1にノックが発生している場合は、バルブオーバーラップ時ごとに燃焼室A内へ空気を導入することを繰り返す。
以上のように、上記実施例1にかかる内燃機関1−1では、処理部72の燃料性状判断部76により判断された内燃機関に供給される燃料の性状(軽質燃料、重質燃料)に基づいて、燃焼室A内に導入する空気の導入量を調整することができる。従って、燃焼室A内の残留ガスの残留ガス量をこの内燃機関1−1に供給される燃料の性状に対応した残留ガス量とすることができる。例えば、内燃機関に供給される燃料の性状が軽質燃料であると判断された場合、燃焼室A内の残留ガスの残留ガス量は、重質燃料であると判断された場合よりも多くなる。従って、圧縮端温度の極端な下降が抑制され、圧縮端温度が極端に低くなることを抑制することができる。また、内燃機関1−1に供給される燃料の性状が重質燃料であると判断された場合、燃焼室内の残留ガスの残留ガス量は、軽質燃料であると判断された場合よりも少なくなる。従って、圧縮端温度の上昇が抑制され、圧縮端温度が極端に高くなることを抑制することができる。これらにより、内燃機関1−1に供給された燃料の燃焼の悪化を抑制することができ、ノックの発生を抑制することができる。
また、上記実施例1にかかる内燃機関1−1では、ノック発生取得部75により内燃機関1−1のノックの発生を取得しなければ、燃料性状判断部76による内燃機関に供給される燃料の性状の判断を行わず、空気導入装置6は燃焼室A内に空気を導入しない。従って、バルブオーバーラップ時であっても、内燃機関1−1のノックの発生を取得しなければ、燃焼室A内に空気は導入されないので、圧縮端温度が内燃機関1−1にノックが発生する温度まで上昇していない場合には、燃焼室A内に空気を導入しないので、圧縮端温度の極端な下降が抑制され、圧縮端温度が極端に低くなることが抑制される。これにより、内燃機関に供給された燃料の燃焼の悪化を抑制することができる。また、ノック発生取得部75により内燃機関1−1のノックの発生を取得しなければ、すなわち内燃機関1−1にノックが発生していない場合は、空気導入装置6の導入用ポンプ61を駆動する必要がないため、燃費の向上を図ることができる。
なお、上記実施例1では、ノック発生取得手段であるノック発生取得部75は、内燃機関本体3に取り付けられたノックセンサ38から出力されるノック発生信号が入力されたか否かにより内燃機関1−1のノックの発生を取得するがこの発明はこれに限定されるものではない。例えば、このノックセンサ38の代わりに内燃機関本体3の各気筒のすべてあるいは任意の燃焼室A内のCO濃度を検出する図示しないCO濃度センサを設け、この燃焼室A内のCO濃度に基づいて内燃機関1−1のノックの発生を取得しても良い。具体的には、内燃機関1−1のノックの発生は、燃焼室A内に残留する残留ガスの残留ガス量の増加が原因である。そこで、燃焼室A内のCO濃度が所定濃度以上である場合に、内燃機関1−1に実際にノックが発生していなくても、ノックが発生したと判断し、燃料性状判断部76による内燃機関に供給される燃料の性状の判断を行い、燃料の性状に基づいた導入量の空気を空気導入装置6から燃焼室A内に導入しても良い。
図3は、実施例2にかかる内燃機関の構成例を示す図である。図3に示す内燃機関1−2が図1に示す内燃機関1−1との異なる点は、ノックセンサ38を備えず、ECU7の処理部72がノック発生取得部75の代わりにノック発生領域判断部78を有する点である。なお、図3に示す内燃機関1−2の基本的構成は、図1に示す内燃機関1−1の基本的構成と同様であるため、その説明は省略する。
ここで、実施例2にかかる内燃機関1−2の空気導入装置6の導入量調整弁62の動作、すなわち導入量調整弁62の導入量調整弁開度制御方法について説明する。図4は、実施例2にかかる導入量調整弁の動作フローを示す図である。なお、同図に示す内燃機関1−2の空気導入装置6の導入量調整弁62の動作において、図2に示す内燃機関1−1の空気導入装置6の導入量調整弁62の動作と同一部分は簡略化して説明する。まず、同図に示すように、ECU7の処理部72のバルブオーバーラップ判断部74は、この内燃機関本体3のバルブ装置36の吸気弁36aおよび排気弁36bがともに開弁するバルブオーバーラップ時であるか否かを判断する(ステップST201)。
次に、処理部72のノック発生領域判断部78は、バルブオーバーラップ判断部74によりバルブオーバーラップ時であると判断された場合、この実施例1にかかる内燃機関1−2の運転領域がこの内燃機関1−2にノックが発生する領域であるか否かを判断する(ステップST202)。一般に、内燃機関1−2の運転領域が高負荷領域であるとこの内燃機関1−2にノックが発生する虞がある。従って、ノック発生領域判断部78は、内燃機関1−2の運転領域が高負荷領域であるか否かを判断することで、この内燃機関1−2にノックが発生する領域であるか否かを判断する。具体的には、ノック発生領域判断部78は、クランク角度センサ39により検出されたクランク角度から取得される機関回転数、アクセルペダルセンサ8により検出されたアクセル開度、エアフロメータ42により検出された吸入空気量などと、ECU7の記憶部73に予め記憶されている内燃機関1−2の運転領域マップとに基づいて内燃機関1−2の運転領域が高負荷領域であるか否かを判断する。なお、ノック発生領域判断部78は、内燃機関1−2の運転領域がこの内燃機関1−2にノックが発生する領域であると判断するまで、上記ステップST201およびステップST202を繰り返す。
次に、処理部72のノック発生領域判断部78により内燃機関1−2の運転領域がこの内燃機関1−2にノックが発生する領域であると判断された場合、燃料性状判断部76は、内燃機関1−2に供給される燃料の性状が軽質燃料であるか否かを判断する(ステップST203)。
次に、処理部72の導入量制御部77は、燃料性状判断部76が内燃機関に供給される燃料が軽質燃料であると判断された場合、導入量調整弁62が通常の導入量に対応する開度で開弁し、通常の導入量の加圧された空気が燃焼室Aに導入される(ステップST204)。一方、処理部72の導入量制御部77は、燃料性状判断部76が内燃機関に供給される燃料が重質燃料であると判断された場合、導入量調整弁62が通常の導入量より多い導入量に対応する開度で開弁し、通常の導入量より多い導入量の加圧された空気が燃焼室Aに導入される(ステップST205)。
以上のように、上記実施例2にかかる内燃機関1−2では、上記実施例1にかかる内燃機関1−2と同様に、処理部72の燃料性状判断部76により判断された内燃機関に供給される燃料の性状(軽質燃料、重質燃料)に基づいて、燃焼室A内に導入する空気の導入量を調整することができる。従って、燃焼室A内の残留ガスの残留ガス量をこの内燃機関1−2に供給される燃料の性状に対応した残留ガス量とすることができる。これらにより、内燃機関1−2に供給された燃料の燃焼の悪化を抑制することができ、ノックの発生を抑制することができる。
また、上記実施例2にかかる内燃機関1−2では、ノック発生領域判断部78により、内燃機関1−2の運転領域がこの内燃機関1−2にノックが発生する領域であるか否かを判断し、実際に内燃機関1−2にノックが発生したか否かを判断しないため、ノックセンサなどを用いる必要がない。従って、部品点数を削減することができ、内燃機関1−2の製造コストを削減することができる。
なお、上記実施例では、燃料性状判断手段である燃料性状判断部76は、燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度および燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度に基づいて、内燃機関1−1,1−2に供給される燃料の性状を判断するがこの発明はこれに限定されるものではない。例えば、内燃機関1−1,1−2の機関回転数に基づいて燃料の性状を判断しても良い。これは、内燃機関1−1,1−2に供給される燃料の性状が異なると内燃機関1−1,1−2の始動時における機関回転数が変化することを利用するものである。具体的には、特開2003−214243号公報に示すように、燃料性状判断手段76は、機関回転数に対する判定閾値を2値有し、検出されたクランク角度から取得される機関回転数がいずれの閾値よりも低い場合およびこの機関回転数が両閾値の間であり、かつ機関回転数変動が所定の閾値より大きい場合以外の場合に軽質燃料と判断しても良い。
また、上記実施例では、燃料性状判断手段である燃料性状判断部76は、軽質燃料あるいは重質燃料であるか否かを判断するがこの発明はこれに限定されるものではない。例えば軽質燃料および重質燃料以外に、この軽質燃料と重質燃料との間となる標準燃料をも判断するようにしても良い。具体的には、燃料性状判断部76は、燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度が所定温度未満で、かつ燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度が所定濃度未満である場合、燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度が所定温度以上で、かつ燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度が所定濃度以上である場合に標準燃料であると判断する。そして、導入量制御部77は、燃料性状判断部76が標準燃料であると判断する場合における燃焼室Aに導入される空気の導入量を基準として、軽質燃料と判断される場合は少なく、重質燃料と判断される場合は多く燃焼室Aに空気を導入するように空気導入装置6の導入量調整弁62の開度を制御しても良い。
また、上記実施例では、燃料性状判断部76は、重質燃料であると判断する場合に、この重質燃料が軽質燃料よりも沸点の高い燃料をどの程度含んでいるかを判断しても良い。この場合は、内燃機関1−1,1−2に供給される燃料の性状が軽質燃料である場合における燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度および燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度に対して、重質燃料である場合における燃料タンク22内に貯留されている燃料の温度の上昇および燃料タンク22内に充満する蒸発燃料の濃度の低下を比として判断する。そして、導入量制御部77は、燃料性状判断部76が軽質燃料であると判断する場合における燃焼室Aに導入される空気の導入量およびこの燃料性状判断部76により判断された比に基づいて燃焼室Aに導入する空気の導入量を増加してさせても良い。
さらに、上記実施例において、内燃機関1−1は、空気導入装置6を備えるが空気導入手段はこれに限定されるものではない。例えば、過給機(ターボチャージャー)を備える内燃機関1−1においては、この過給機を空気導入手段として用いることができる。具体的には、内燃機関1−1,1−2にノックが発生する領域(高負荷領域)において吸気経路4から燃焼室A内に吸気される空気は、過給機により加圧された空気となる。従って、導入量制御部77は、燃料性状判断部76により判断された内燃機関1−1,1−2に供給される燃料の性状に基づいて、スロットルバルブ43の弁解度を調整しても良い。この場合は、燃料性状判断部76により重質燃料であると判断された場合は、軽質燃料であると判断された場合におけるスロットルバルブ43の弁開度よりも大きい弁開度とする。
以上のように、この発明にかかる内燃機関は、バルブオーバーラップ時に燃焼室内に残留する残留ガスの掃気を行う内燃機関に有用であり、特に、ノックの発生および燃料の燃焼の悪化を抑制するのに適している。
実施例1にかかる内燃機関の構成例を示す図である。 実施例1にかかる導入量調整弁の動作フローを示す図である。 実施例2にかかる内燃機関の構成例を示す図である。 実施例2にかかる導入量調整弁の動作フローを示す図である。 残留ガス量と空気の導入量との関係を示す図である。 圧縮端温度と残留ガス量との関係を示す図である。
符号の説明
1−1,1−2 内燃機関
2 燃料供給装置
21 燃料噴射弁
22 燃料タンク
23 燃料ポンプ
24 タンク内温度センサ
25 ベーパ濃度センサ
3 内燃機関本体
31 シリンダブロック
32 シリンダヘッド
32a 吸気ポート
32b 排気ポート
33 ピストン
34 コンロッド
35 クランクシャフト
36 バルブ装置
36a 吸気弁
36b 排気弁
37 点火プラグ
38 ノックセンサ
39 クランク角度センサ
4 吸気経路
41 エアクリーナー
42 エアフロメータ
43 スロットルバルブ
44 吸気通路
5 排気経路
51 浄化触媒
52 排気通路
6 空気導入装置(空気導入手段)
61 導入用ポンプ
62 導入量調整弁
63 導入通路
7 ECU(ノック発生取得手段、燃焼性状判断手段、バルブオーバーラップ判断手段)
71 入出力ポート
72 処理部
73 記憶部
8 アクセルペダルセンサ

Claims (4)

  1. 燃焼室内の残留ガスを掃気する内燃機関において、
    前記内燃機関の吸気経路と当該燃焼室との連通を行う吸気弁および当該内燃機関の排気経路と当該燃焼室との連通を行う排気弁がともに開弁するバルブオーバーラップを判断するバルブオーバーラップ判断手段と、
    前記バルブオーバーラップ判断手段により判断されたバルブオーバーラップ時に前記吸気経路側から前記燃焼室内に空気を導入する空気導入手段と、
    前記内燃機関に供給される燃料の性状を判断する燃料性状判断手段と、
    を備え、前記空気導入手段は、前記燃料性状判断手段により判断された燃料の性状に基づいて、前記燃焼室内に導入する空気の導入量を調整することを特徴とする内燃機関。
  2. 前記空気導入手段は、前記燃料性状判断手段により前記内燃機関に供給される燃料の性状を重質燃料であると判断された場合は、当該内燃機関に供給される燃料の性状が軽質燃料であると判断された場合よりも前記燃焼室内に導入する空気の導入量を多くすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記内燃機関のノックの発生を取得するノック発生取得手段をさらに備え、
    前記燃料性状判断手段は、前記ノック発生取得手段により前記内燃機関のノックの発生が取得された場合に、当該内燃機関に供給される燃料の性状を判断することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記内燃機関の運転領域が当該内燃機関にノックが発生する領域であることを判断するノック発生領域判断手段をさらに備え、
    前記燃料性状判断手段は、前記ノック発生領域判断手段により前記内燃機関の運転領域が当該内燃機関にノックが発生する領域であると判断された場合に、当該内燃機関に供給される燃料の性状を判断することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
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