JP2007198202A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の排気浄化触媒の暖機を促進する。
【解決手段】制御装置100は、吸気バルブ208及び排気バルブ209の動弁特性を変更可能な動弁装置10と、燃料の噴射を行うインジェクタ207と、排気ガスを浄化する触媒243とを備えたエンジン200の動作状態を制御する。これは、エンジン200の始動直後に、少なくとも一つの気筒2aにおける燃料の噴射を行わないように、インジェクタ207を制御する燃料噴射制御部110と、少なくとも一つの気筒2a内で圧縮された空気の温度が、第1所定温度以上となるタイミングで排気バルブ209を開くことで、排気ガスに代えて圧縮された空気を触媒243に向けて排気するように、動弁装置10を制御する弁制御部120とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車のエンジン等である内燃機関の制御装置の技術分野に関する。
内燃機関の排気ガスを浄化する触媒(以下、適宜「排気浄化触媒」ともいう)を早期に活性化する技術として、例えば特許文献1では、複数気筒のうち一部の気筒をモータリング状態にして二次空気を供給するエアポンプとして作動させる技術が提案されている。特許文献2では、吸気バルブや排気バルブを圧縮工程で開弁させ、圧縮仕事量を低下させることにより、始動性を向上させる技術が開示されている。特許文献3では、噴射停止気筒の排気バルブを1サイクル中に複数回噴射して、排気マニホールド内で未燃空気と高温排気ガスを混合させて、後燃えを発生させることにより、触媒を暖機する技術が開示されている。特許文献4では、排気弁の開弁時期を遅らせて、燃焼ガスを気筒内で再圧縮することにより、触媒の暖機を促進する技術が開示されている。特許文献5では、低温時に排気弁の閉タイミングを遅角して排ガス中の未燃炭化水素(以下、適宜「未燃HC」ともいう)を再燃焼させる技術が開示されている。
特開2004−132188号公報 特開2004−36429号公報 特開2001−182601号公報 特開2000−130194号公報 特開2003−120348号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、圧縮加熱するタイミングが十分に考慮されておらず、触媒の暖機の促進を必ずしも十分に行うことはできないという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、排気浄化触媒の暖機を促進する内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
本発明の内燃機関の制御装置は上記課題を解決するために、吸気弁及び排気弁の動弁特性を変更可能な可変動弁機構と、燃料の噴射を行う燃料噴射手段と、排気ガスを浄化する触媒とを備えた内燃機関の動作状態を制御する内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の始動直後に、少なくとも一つの気筒における前記燃料の噴射を行わないように、前記燃料噴射手段を制御する燃料噴射制御手段と、前記少なくとも一つの気筒内で圧縮された空気の温度が、第1所定温度以上となるタイミングで、前記排気弁を開くことで前記排気ガスに代えて前記圧縮された空気を前記触媒に向けて排気するように、前記可変動弁機構を制御する弁制御手段とを備える。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、その動作時には、内燃機関の始動直後に、少なくとも一つの気筒における燃料の噴射を行わないように、燃料噴射制御手段によって燃料噴射手段が制御される。ここに「始動直後」とは、始動後であって当該少なくとも一つの気筒についてのファイアリング運転が行われる前までの期間を意味する。即ち、例えば複数の気筒のうち少なくとも一つの気筒は、燃料の噴射が行われず、例えば電動モータ等によって駆動されるモータリング運転が行われる。尚、他の気筒は、通常の燃料の噴射が行われ、気筒内の爆発によって駆動されるファイアリング運転が行われる。この際、弁制御手段によって、少なくとも一つの気筒内で圧縮された空気の温度が、第1所定温度以上となるタイミングで、排気弁を開くように可変動弁機構が制御される。即ち、弁制御手段によって、モータリング運転された気筒内の空気が圧縮加熱され第1所定温度以上となるまで、吸気弁及び排気弁を閉じるように制御された後に、排気弁を開くように可変動弁機構が制御される。排気弁が開かれると、圧縮されたこと即ち圧縮加熱されたことで、モータリング運転された気筒内の第1所定温度以上となった空気は、気筒内と排気弁を介して連通状態となった例えば排気通路へ排出される。よって、例えば排気通路に設けられた、排気ガスを浄化する触媒を、第1所定温度以上に圧縮加熱された空気により暖機することができる。ここで、「第1所定温度」としては、例えば、触媒を暖機するのに必要な温度を設定すればよく、固定値であってもよいし、動作条件や動作環境に応じて可変である可変値でもよい。また、空気の温度は、厳密に第1所定温度と温度比較される必要はなく、基本的には、排気された空気の熱によって触媒の暖機を大なり小なり行える程度に温度が高ければ足りる趣旨である。従って、第1所定温度以上に圧縮加熱された空気によって、触媒の暖機速度を高めることができる、即ち、始動時の触媒の暖機を早期に完了することができる。更に、モータリング運転された気筒内で圧縮加熱された空気によって暖機されるので、排気ガスにより暖機する場合と比較して、大気中に有害なCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(酸化窒素)等を殆ど排出することなく、触媒を暖機することができる。
尚、本発明に係る「内燃機関」は、典型的には、複数の気筒に分かれているが、一つの気筒からなっていてもよい。この場合には、モータリング運転としてのクランキング動作中に上述の如く、弁制御手段によって可変動弁機構を制御することによって、本発明に係る効果を得ることができる。
本発明の内燃機関の制御装置の一態様では、前記弁制御手段は、前記少なくとも一つの気筒におけるピストンが上死点付近に位置するタイミングで前記排気弁を開くように、前記可変動弁機構を制御する。
この態様によれば、ピストンが上死点付近に位置するまでに気筒内の空気が圧縮加熱された後に、排気弁が開かれるので、極めて効率的に高温の空気を排出させることができ、第1所定温度以上に十分に加熱された空気によって、触媒を暖機することができる。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記少なくとも一つの気筒内の圧力を取得する圧力取得手段を更に備え、前記弁制御手段は、前記取得された圧力が所定圧力以上となるタイミングで前記排気弁を開くように、前記可変動弁機構を制御する。
この態様によれば、気筒内に設けられた例えば圧力センサ等によって検知された気筒内の空気の圧力が所定圧力以上となった後に、排気弁が開かれるので、より一層確実に、圧縮加熱された空気によって触媒を暖機することができる。尚、圧力取得手段により「取得する」とは、狭義には、直接的に即ち圧力センサにより検出する或いは測定する場合の他に、広義には、圧力に関連する他の一又は複数のパラメータに基づいて、間接的に検出する、算出する、推定する、予測する、予想する、特定する等々の場合を含んでよい。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記弁制御手段は、前記排気弁を閉じてから前記吸気弁を開くように、且つ、前記少なくとも一つの気筒のピストンが下死点付近に位置するタイミングで前記吸気弁を閉じるように、前記可変動弁機構を制御する。
この態様によれば、吸気弁を介して連通状態とされた例えば吸気通路から、より多くの空気を吸気することができ、気筒内で効率よく空気を圧縮でき、これにより十分に圧縮加熱することができる。よって、触媒の暖機を一層促進することができる。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記弁制御手段は、前記排気弁を閉じる際の前記少なくとも一つの気筒内の圧力と前記吸気弁が閉じられた際の前記少なくとも一つの気筒内の圧力との圧力差が所定圧力差より小さくなるタイミングで前記排気弁を閉じるように、前記可変動弁機構を制御する。
この態様によれば、典型的には、圧縮された気筒内の圧力が、排気弁が開けられることにより、吸気弁が閉じられた際の圧力と同程度まで低下した時点で排気弁が閉じられるので、次に吸気弁が開けられた際に、気筒内の空気が吸気弁を介して連通状態とされた例えば吸気通路に流出することを抑制或いは防止できる。ここで、「所定圧力差」は、気筒内から例えば吸気通路等の吸気側への空気の流出が、殆ど或いは実践上完全に生じない圧力差として設定すればよい。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記排気ガスの排気温度を取得する排気温度取得手段を更に備え、前記弁制御手段は、前記排気温度取得手段によって取得された前記排気温度が、第2所定温度よりも低い場合には、前記吸気弁を閉じたままとするように前記可変動弁機構を制御する。
この態様によれば、第2所定温度よりも低い場合には、吸気弁を閉じたままとされるので、排気弁が開けられた際に、排気弁を介して連通状態とされた例えば排気通路から空気或いは他の気筒から排出された排気ガスが流入する。よって、排気側からの空気或いは排気ガスを再び圧縮加熱し排気することにより、吸気弁を介して2次空気を吸気することなく、触媒の暖機を促進することができる。更に、触媒の暖機のために排出することとなる有害な排気ガスの量を低減することができる。ここで、「第2所定温度」としては、例えば、触媒の暖機を促進するのに必要な温度を設定すればよい。尚、排気温度取得手段により「取得する」とは、狭義には、直接的に即ち温度センサにより検出する或いは測定する場合の他に、広義には、排気温度に関連する他の一又は複数のパラメータに基づいて、間接的に検出する、算出する、推定する、予測する、予想する、特定する等々の場合を含んでよい。
本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記排気ガスの排気温度を取得する排気温度取得手段を更に備え、前記弁制御手段は、前記排気温度取得手段によって取得された前記排気温度が低いほど、前記吸気弁と前記排気弁とが共に開くバルブオーバラップ量を増加させるように、前記可変動弁機構を制御する。
この態様によれば、バルブオーバラップ量を増加させることにより、排気温度の低い排気ガスを再び圧縮加熱し排気することにより、触媒の暖機を促進することができる。よって、触媒の暖機のために排出することとなる有害な排気ガスの量を低減することができる。尚、排気温度取得手段により「取得する」とは、狭義には、直接的に即ち温度センサにより検出する或いは測定する場合の他に、広義には、排気温度に関連する他の一又は複数のパラメータに基づいて、間接的に検出する、算出する、推定する、予測する、予想する、特定する等々の場合を含んでよい。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る制御装置について、図1から図5を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る制御装置及び該制御装置を搭載した車両の構成について、それらの基本動作と共に、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る制御装置及び該制御装置を搭載した車両の要部を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る制御装置を備えたエンジンの構成を示す模式図である。
図1において、車両1は、エンジン200、伝達機構21、車輪22及び制御装置100を備えている。ここで、制御装置100は、本発明に係る「内燃機関の制御装置」の一例であり、エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例である。
車両1は、内燃機関であるエンジン200を走行用の駆動源として搭載した車両として構成されている。エンジン200と車輪22とは、伝達機構21を介して互いに接続されている。
エンジン200は、4つの気筒2(即ち、気筒2a〜2d)を有しており、いわゆる4気筒エンジンとして構成されている。
図2に示すように、各気筒2は、シリンダ201内において点火プラグ202により、空気と燃料(ガソリン)とが混合された混合気を爆発させると共に、爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクションロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成されている。この回転運動が、図1を参照して上述した伝達機構21を介して車輪22に伝達されることにより、車両1の運動が可能となっている。
シリンダ201内における燃料の燃焼に際し、外部から吸入された空気(即ち、吸入空気)は吸気管206を通過し、本発明に係る「燃料噴射手段」の一例としてのインジェクタ207から噴射された燃料と混合されて混合気となる。インジェクタ207には、燃料が燃料タンク221(図1参照)から燃料ポンプ222(図1参照)によって供給されている。即ち、燃料ポンプ222は、燃料タンク221から燃料パイプ223(図1参照)を介して、燃料を吸い出し、燃料パイプ224(図1参照)を介して、燃料をインジェクタ207へと送り込むことが可能に構成されている。図2に示すようにインジェクタ207は、分岐後の吸気管206に気筒別に設けられており、これらにより気筒別の噴射量制御や失火制御が可能とされているが、各気筒内に設けられてもよい。
シリンダ201内部と吸気管206とは、吸気バルブ(或いは、「吸気弁」とも呼ぶ)208の開閉によって連通状態が制御されている。シリンダ201内部で燃焼した混合気は排気ガスとなり、開閉する排気バルブ(或いは、「排気弁」とも呼ぶ)209を通過して排気管210を介して排気される。
吸気バルブ208及び排気バルブ209は、可変動弁機構としての動弁装置10によって、例えばバルブ開閉時期やバルブリフト量等の動弁特性を変更可能に構成されている。尚、可変動弁機構は、吸気バルブ208及び排気バルブ209のバルブ開閉時期を制御できるものであればよく、カムバイワイヤ、電磁駆動弁等を用いることができる。
再び図1に示すように、外部からの空気は、エアクリーナ231及び吸気管234を介して、各気筒2の吸気管206へ供給される。エアクリーナ231は、外部からの空気に含まれる異物を除去する、或いは空気を清浄するために設けられており、例えば、濾紙、合成繊維等のフィルターを含んで構成されている。吸気管234は、途中で4つに分岐して、4つの吸気管206(図2参照)に夫々接続されている。また、吸気管234の途中には、スロットル232及びエアフローメータ233が設けられている。スロットル232は、スロットル開度の大小を電子制御することにより、エアクリーナ231によって清浄された空気の量を制御可能に構成されている。エアフローメータ233は、吸気管234においてスロットル232の手前(即ち、スロットル232に対して気筒2とは反対側)に設けられており、吸入された空気の量を計測する。
図2に示すように、クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の回転角(即ち、クランク角)を検出するクランクポジションセンサ218が設置されている。クランク角は、シリンダ201内部におけるピストン203の位置と相関するため、インジェクタ207から噴射される燃料の噴射タイミングは、係るクランク角に基づいて制御される構成となっている。また、制御装置100は、クランクポジションセンサ218の出力値に基づいて、エンジン200のエンジン回転数Neを算出することが可能に構成されている。
図1及び図2に示すように、各気筒2の排気管210からの排気ガスは、排気管241及び触媒243を介して外部へ排気される。排気管241は、各排気管210と接続されており、各排気管210からの排気ガスを集めて、触媒243へ送り込むように形成されている。
図2に示すように、触媒243は、排気管210に沿って排気口側へと下って前段の三元触媒装置243a及び後段の三元触媒装置243bとから構成されている。触媒243は、いわゆる三元触媒であり、排気ガス中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)及びNOx(酸化窒素)を低減する機能を有している。触媒243は、例えば、白金及びロジウムを含んでいる。排気管241の途中には、A/Fセンサ242及び温度センサ244が設けられている。A/Fセンサ242は、排気ガスの空燃比を検出することが可能であり、これにより吸気ガスの、即ち噴射される混合燃料と吸入空気とについての空燃比が検出可能となっている。温度センサ244は、排気ガスの排気温度を検出することが可能である。
尚、後述するように、本実施形態では特に、エンジン200の始動直後には、4つの気筒2のうち1つの気筒2aは、モータリング運転が行なわれ、圧縮加熱された空気が排気管210へ排気される。よって、通常のファイアリング運転が行なわれる気筒2b〜2dから排気される排気ガスに加えて、この圧縮加熱された空気により触媒243を活性化するための暖機が行なわれる。
図1において、制御装置100は、燃料噴射制御部110、弁制御部120、排気温度取得部130及び点火制御部140を備えており、エンジン200の動作全体を制御する。これらは、好適には、周知の電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、制御プログラムを格納した読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、各種データを格納する随時書き込み読み出しメモリ(Random Access Memory:RAM)等を中心とした論理演算回路として構成されている。更に、A/Fセンサ242、温度センサ244等の各種センサからの入力信号を受ける入力ポート及び、スロットル232等の各種アクチュエータに制御信号を送る出力ポートに対して、図示しないバスを介して接続されている。
本発明の「燃料噴射制御手段」の一例としての燃料噴射制御部110は、インジェクタ207が噴射する燃料の噴射量や噴射タイミングを制御することが可能に構成されている。本実施形態では特に、エンジン200の始動直後に、4つの気筒2のうち一つの気筒4aにおける燃料の噴射を行わないように、インジェクタ207を制御するように構成されている。即ち、エンジン200の始動直後は、気筒2aでは、燃料の噴射が行われず、電動モータによって駆動されるモータリング運転が行われる。一方、気筒2b〜2dでは、通常通り、燃料の噴射が行われ、シリンダ201内の爆発によって駆動されるファイアリング運転が行われる。
本発明に係る「弁制御手段」の一例としての弁制御部120は、動弁装置10を制御することが可能に構成されている。即ち、弁制御部120は、吸気バルブ208及び排気バルブ209の例えばバルブ開閉時期やバルブリフト量等の動弁特性を変更することが可能に構成されている。更に、本実施形態では特に、気筒2a内で圧縮された空気の温度が、所定温度以上となるタイミングで排気バルブ209を開くことで排気ガスに代えて空気を触媒243に向けて排気するように、動弁装置10を制御することが可能に構成されている。即ち、弁制御部120は、モータリング運転された気筒2a内の空気が圧縮加熱され所定温度以上となるまで、吸気バルブ208及び排気バルブ209を閉じるように制御された後に、排気バルブ209を開くように動弁装置10を制御することが可能に構成されている。
本発明に係る「排気温度取得手段」の一例としての排気温度取得部130は、温度センサ244によって検出された排気温度を取得することが可能に構成されている。尚、排気温度取得部130は、排気温度に関連する他のパラメータ、例えばエンジン200の始動開始後の時間やエンジン回転数Ne、外気温等に基づいて間接的に推定するようにしてもよい。
点火制御部140は、点火プラグ202による点火時期を制御することが可能に構成されている。更に、エンジン200の運転状況に応じての失火制御等も可能である。
次に、本実施形態に係る制御装置の動作処理について、図1及び図2に加えて、図3から図5を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る制御装置の動作処理を示すフローチャートである。尚、図3では、触媒243の暖機を促進するためにモータリング運転及びファイアリング運転が切り換えられる気筒2aの吸気バルブ208及び排気バルブ209の動弁特性を決定する動作処理を主として示している。
図3において、先ず、排気温度が排気温度取得部130によって読み込まれる(ステップS11)。即ち、温度センサ244によって検出された排気管241内の排気温度が、排気温度取得部130によって取得される。取得された温度は、排気温度取得部130のメモリに記憶される。
次に、排気温度が目標温度よりも低いか否かが、制御装置100によって判定される(ステップS12)。ここで、目標温度は、触媒243の暖機に必要な温度が設定されている。尚、目標温度は、動作条件や動作環境に応じて可変としてもよい。
排気温度が目標温度以上である場合には(ステップS12:NO)、即ち、エンジン200の始動後であって、排気温度が目標温度に達する程度に時間が経過している場合には、気筒2aは通常のファイアリング運転とされる(ステップS20)。つまり、全ての気筒2がファイアリング運転をする通常制御とされる。一方、排気温度が目標温度よりも低い場合には(ステップS12:NO)、即ち、エンジン200の始動後であって、排気温度が目標温度に達する程度に時間が経過していない場合には、気筒2aをモータリング運転とする制御が開始される(ステップS13)。
次に、エンジン回転数Neが読み込まれる(ステップS14)。即ち、クランクポジションセンサ218の出力値に基づいて、エンジン200のエンジン回転数Neが、制御装置100によって算出される。算出されたエンジン回転数Neは、制御装置100のメモリに記憶される。
次に、気筒2aの吸気バルブ208及び排気バルブ209を開閉するタイミング(即ち、バルブ開閉時期)が弁制御部120によって決定される(ステップS15〜ステップS18)。即ち、先ず、気筒2aの排気バルブ209を開くタイミング(即ち、排気弁開タイミング)が弁制御部120によって決定される(ステップS15)。続いて、気筒2aの排気バルブ209を閉じるタイミング(即ち、排気弁閉タイミング)が弁制御部120によって決定される(ステップS16)。続いて、気筒2aの吸気バルブ208を開くタイミング(即ち、吸気弁開タイミング)が弁制御部120によって決定される(ステップS17)。続いて、気筒2aの吸気バルブ208を閉じるタイミング(即ち、吸気弁閉タイミング)が弁制御部120によって決定される(ステップS18)。
ここで、バルブ開閉時期の決定に係る動作処理について、図4を参照して説明する。ここに図4は、モータリング運転する気筒のバルブ開閉時期とエンジン回転数との関係を示すグラフである。
先ず、図4の直線EXOPEN1に示すように、排気弁開タイミングは、エンジン回転数Neにかかわらず、気筒2aにおけるピストン203が上死点TDC付近に位置するタイミングに決定される(ステップS15)。尚、排気弁開タイミングは、気筒2aにおけるピストン203が上死点TDC付近に位置するタイミングであれば、エンジン回転数Neに応じて可変とするようにしてもよい。
次に、図4の直線EXCLOSE1に示すように、排気弁閉タイミングは、排気弁開タイミング(図4中、直線EXOPEN1参照)より、気筒2aにおけるピストン203が下死点BDCに近い位置となるタイミングに決定される(ステップS16)。排気弁閉タイミングは、エンジン回転数Neに比例して、より下死点BDCに近い位置となるタイミングに決定される。
次に、図4の直線INOPEN1に示すように、吸気弁開タイミングは、排気弁閉タイミング(図4中、直線EXCLOSE1参照)より、気筒2aにおけるピストン203が下死点BDCに近い位置となるタイミングに決定される(ステップS17)。吸気弁開タイミングは、排気弁閉タイミングと同様に、エンジン回転数Neに比例して、より下死点BDCに近い位置となるタイミングに決定される。
次に、吸気弁閉タイミングは、吸気弁開タイミング(図4中、直線INOPEN1参照)より、気筒2aにおけるピストン203が下死点BDCに近い位置となるタイミングに決定される(ステップS18)。即ち、吸気弁閉タイミングは、通常のファイアリング運転がされている気筒(即ち、ファイアリング気筒)と同様のタイミング、つまり、ピストン203が下死点BDC付近に位置するタイミングに決定される。
再び図3において、気筒2aのバルブ開閉時期の決定に係る動作処理(ステップS15〜ステップS18)の後に、気筒2aのモータリング制御が行われる(ステップS19)。この際、決定されたバルブ開閉時期に基づいて、弁制御部120によって動弁装置10を介して吸気弁208及び排気弁209が制御される。尚、このとき、他の気筒2b〜2dは、ファイアリング運転とされている。
次に、再び、排気温度が読み込まれ(ステップS11)、続いて排気温度が目標温度よりも低いか否かが制御装置100によって判定される(ステップS12)。即ち、上述したステップS13からステップS19までに係る一連の動作処理は、排気温度が目標温度以上となるまで繰り返される。
次に、モータリング運転が行われる気筒による触媒の暖機について、図2に加えて、図5を参照して説明する。ここに図5は、バルブ開閉時期とバルブリフト量との関係を示す説明図であり、図5(a)はモータリング気筒について、図5(b)はファイアリング気筒について夫々示している。
図3を参照して上述したように、本実施形態では特に、エンジン200の始動直後に、排気温度が目標温度よりも低い場合には(ステップS12)、気筒2aにおける燃料の噴射を行わないように、燃料噴射制御部110によってインジェクタ207が制御される。即ち、4つの気筒2のうち気筒2aは、燃料の噴射が行われず、電動モータによって駆動されるモータリング運転が行われる。一方、気筒2b〜2cは、上述したようにインジェクタ207による通常の燃料の噴射が行われ、気筒2b〜2c内の爆発によって駆動されるファイアリング運転が行なわれる。この際、気筒2aの吸気バルブ208及び排気バルブ209は、図3及び図4を参照して上述したバルブ開閉時期となるように、弁制御部120によって動弁装置10を介して制御される。
即ち、図5(a)に示すように、弁制御部120によって、気筒2a内で圧縮された空気の温度が、所定温度以上となるタイミングt1に排気バルブが開くように制御される。つまり、図5(b)に示すようなファイアリング運転が行われている気筒2b〜2dの吸気バルブ208及び排気バルブ209の動弁特性とは異なり、図5(a)に示すように、弁制御部120によって、モータリング運転された気筒2a内の空気が圧縮加熱され所定温度以上となるまで、吸気バルブ208及び排気バルブ209を閉じるように制御された後に、排気バルブ209を開くように動弁装置10が制御される。排気バルブ209が開かれると、モータリング運転された気筒2a内の所定温度以上となった空気は、シリンダ210と排気バルブ209を介して連通状態となった排気管210へ排出される。よって、排気管210に沿って排気口側に設けられた触媒243を、所定温度以上に圧縮加熱された空気により暖機することができる。ここで、所定温度は、触媒を暖機するのに必要な温度が設定されている。言い換えれば、触媒243を暖機するのに必要な温度になる程度に圧縮可能な位置にピストン203が位置するタイミングで排気バルブ209が開かれるように排気弁開タイミングが決定されている。従って、所定温度以上に圧縮加熱された空気によって、触媒243の暖機速度を高めることができる、即ち、始動時の触媒243の暖機を早期に完了することができる。更に、モータリング運転された気筒2a内で圧縮加熱された空気によって暖機されるので、排気ガスにより暖機する場合と比較して、大気中に有害なCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(酸化窒素)等を殆ど排出することなく、触媒243を暖機することができる。
尚、図5(b)に示すように、ファイアリング運転が行われている気筒2b〜2dでは、吸気バルブ208及び排気バルブ209は通常の制御が行われている。即ち、気筒2b〜2dは、通常の4サイクルエンジンとして、ピストン203の2往復の動きによって吸気、圧縮、膨張、排気の各工程を行うように、吸気バルブ208及び排気バルブ209が制御される。より具体的には、図5(b)において、吸気バルブ208は、ピストン203が吸気行程の上死点TDC(図5(b)中、「吸気TDC」と示す)付近に位置するタイミングから開かれ、次の下死点BDC付近に位置するタイミングで閉じるように制御される。この際、排気バルブ209は閉じられたままであり、シリンダ201内には、吸気管206から混合気が吸気される。続いて、ピストン203が、次の上死点、即ち圧縮工程の上死点TDC(図5(b)中、「圧縮TDC」と示す)の次の下死点BDC付近に位置するタイミングまでは、吸気バルブ208及び排気バルブ209はいずれも閉じたままとなるように制御される。この際、ピストン203が圧縮TDC付近に位置するタイミングにおいて、点火プラグ202によりシリンダ201内の混合気が爆発される。排気バルブ209は、ピストン203が圧縮行程の上死点TDCの次の下死点BDC付近に位置するタイミングから開かれ、吸気行程の上死点TDC付近に位置するタイミングに閉じるように制御される。この際、吸気バルブ208は閉じられたままであり、シリンダ201内の排気ガスは、排気管210へ排気される。
図5(a)に示すように、本実施形態では特に、気筒2aにおけるピストン203が上死点TDC付近に位置するタイミングt1に排気バルブ209を開くように、動弁装置10が弁制御部120によって制御される。よって、ピストン203が上死点TDC付近に位置するまでに気筒2a内の空気が圧縮加熱された後に、排気バルブ209が開かれるので、極めて効率的に高温の空気を排出させることができる。所定温度以上に十分に加熱された空気によって、触媒243を暖機することができる。
図5(a)に示すように、本実施形態では特に、排気バルブ209を閉じたタイミングt2の直後に吸気バルブ208を開くように、且つ、気筒2aのピストン203が下死点BDC付近に位置するタイミングt3に吸気バルブ208を閉じるように、動弁装置10が弁制御部120によって制御される。よって、吸気バルブ208を介して連通状態とされた吸気管206から、より多くの空気を吸気することができ、気筒2a内で効率よく空気を圧縮でき、これにより十分に圧縮加熱することができる。よって、触媒243の暖機を一層促進することができる。
気筒2aにおける、上述したバルブ開閉時期での制御は、図4を参照して上述したように、排気温度が目標温度以上となるまで繰り返される。
尚、本実施形態では、エンジンの始動直後に、4つの気筒2のうち1つの気筒2aにおいて圧縮加熱された空気を排気しているが、2つ又はそれ以上の気筒2において圧縮加熱された空気を排気してもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る制御装置について、図6を参照して説明する。ここに図6は、第2実施形態における図5と同趣旨の説明図である。尚、図6において、図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
本実施形態では特に、弁制御部120は、図6に示す如く、モータリング運転が行われている気筒2aの吸気バルブ208及び排気バルブ209を開閉するように動弁装置10を制御する。
即ち、図6(a)に示すように、排気温度取得部130によって取得された排気温度が、目標温度よりも低い場合には(ステップS12:YES、図3参照)、弁制御部120は、気筒2aの吸気バルブ208を閉じたままとするように動弁装置10を制御する。つまり、図6(b)に示すようなファイアリング運転が行われている気筒2b〜2dの吸気バルブ208及び排気バルブ209の動弁特性とは異なり、図6(a)に示すように、弁制御部120によって、モータリング運転された気筒2a内の空気が圧縮加熱され所定温度以上となるタイミングt5まで、吸気バルブ208及び排気バルブ209を閉じるように制御された後に、吸気バルブ208は閉じたままで、排気バルブ209を開くように動弁装置10が制御される。開かれた排気バルブ209は、ピストン203が下死点BDC付近に位置するタイミングt7まで開かれているように、弁制御部120によって動弁装置10が制御される。上述したように、排気温度が目標温度よりも低い場合には、気筒2aの吸気バルブ208は閉じたままとされるので、ピストン203が上死点TDC付近に位置するタイミングt5に排気バルブ209が開けられると、先ず、ピストン203がタイミングt5から下死点BDC方向に移動されたタイミングt6まで(即ち、期間T1中)は、気筒2a内で圧縮加熱され所定温度以上となった空気は、シリンダ201と排気バルブ209を介して連通状態となった排気管210へ排出される。よって、排気管210に沿って排気口側に設けられた触媒243を、所定温度以上に圧縮加熱された空気により暖機することができる。続いて、気筒2a内の圧縮加熱された空気が排気管210へ排出されることにより、気筒2a内の圧力が排気管210内の空気或いは気筒2b〜2dから排気された排気ガスの圧力以下となったタイミングt6からピストン203が下死点BDC付近に位置するタイミングt7まで(即ち、期間T2中)は、排気バルブ209を介して連通状態とされた排気管210から空気或いは気筒2b〜2dから排出された排気ガスが流入する。よって、排気側からの空気或いは排気ガスを再び圧縮加熱し排気することにより、吸気バルブ208を介して2次空気を吸気することなく、触媒243の暖機を促進することができる。更に、触媒243の暖機のために排出することとなる有害な排気ガスの量を低減することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る制御装置について、図7及び図8を参照して説明する。ここに図7は、第3実施形態における図4と同趣旨のグラフである。図8は、第3実施形態における図5と同趣旨の説明図である。尚、図7及び図8において、図4及び図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
本実施形態では特に、図3を参照して上述した気筒2aのバルブ開閉時期が弁制御部120によって決定される動作処理において(ステップS15〜ステップS18)、図7に示す如くバルブ開閉時期が弁制御部120によって決定される。これにより、弁制御部120は、図8に示す如く、モータリング運転が行われている気筒2aの吸気バルブ208及び排気バルブ209を開閉するように動弁装置10を制御する。
即ち、気筒2aのバルブ開閉時期の決定に係る動作処理において(ステップS15〜ステップS18)、先ず、図7の直線EXOPEN3に示すように、排気弁開タイミングは、エンジン回転数Neにかかわらず、気筒2aにおけるピストン203が上死点TDC付近に位置するタイミングに決定される(ステップS15)。尚、排気弁開タイミングは、気筒2aにおけるピストン203が上死点TDC付近に位置するタイミングであれば、エンジン回転数Neに応じて可変とするようにしてもよい。
次に、図7の直線EXCLOSE3に示すように、排気弁閉タイミングは、排気弁開タイミング(図7中、直線EXOPEN3参照)より、気筒2aにおけるピストン203が下死点BDCに近い位置となるタイミングに決定される(ステップS16)。排気弁閉タイミングは、エンジン回転数Neに比例して、より上死点TDCに近い位置となるタイミングに決定される。
次に、図7の直線INOPEN3に示すように、吸気弁開タイミングは、排気弁開タイミング(図7中、直線EXOPEN3参照)よりピストン203が下死点BDCに近く、且つ、排気閉タイミング(図7中、直線EXCLOSE3参照)よりピストン203が上死点TDCに近い位置となるタイミングに決定される(ステップS17)。即ち、吸気弁開タイミングは、排気弁開タイミングと排気閉タイミングとの間に決定される。吸気弁開タイミングは、排気弁開タイミングと排気閉タイミングとの間で、後述するように、排気温度に応じて可変となっている。尚、吸気弁開タイミングは、排気弁開タイミングと排気閉タイミングとの間であれば、エンジン回転数Neに応じて可変とするようにしてもよい。
次に、吸気弁閉タイミングは、排気弁閉タイミング(図7中、直線EXCLOSE3参照)より、気筒2aにおけるピストン203が下死点BDCに近い位置となるタイミングに決定される(ステップS18)。即ち、吸気弁閉タイミングは、通常のファイアリング気筒と同様のタイミング、つまり、ピストン203が下死点BDC付近に位置するタイミングに決定される。尚、吸気弁閉タイミングは、気筒2aにおけるピストン203が下死点BDC付近に位置するタイミングであれば、エンジン回転数Neに応じて可変とするようにしてもよい。
図8において、弁制御部120は、上述のように決定されたバルブ開閉タイミングで、モータリング運転が行われている気筒2aの吸気バルブ208及び排気バルブ209を開閉するように動弁装置10を制御する。
即ち、図8(a)に示すように、弁制御部120によって、気筒2a内で圧縮された空気の温度が、所定温度以上となるタイミングt8で排気バルブ209を開くように制御される。つまり、図8(b)に示すようなファイアリング運転が行われている気筒2b〜2dの吸気バルブ208及び排気バルブ209の動弁特性とは異なり、図8(a)に示すように、弁制御部120によって、モータリング運転された気筒2a内の空気が圧縮加熱され所定温度以上となるタイミングt8まで、吸気バルブ208及び排気バルブ209を閉じるように制御された後に、吸気バルブ208を閉じたままで、排気バルブ209を開くように動弁装置10が制御される。開かれた排気バルブ209は、ピストン203が次の下死点BDCに位置するタイミングよりも前のタイミングt11に閉じるように、弁制御部120によって動弁装置10が制御される。一方、吸気バルブ208は、タイミングt8とタイミングt11との間のタイミングt10に開くように、且つ、ピストン203が次の下死点BDC付近に位置するタイミングt12に閉じるように、弁制御部120によって動弁装置10が制御される。
上述したように、排気温度が目標温度よりも低い場合には、気筒2aの吸気バルブ208は閉じたままとされるので、ピストン203が上死点TDC付近に位置するタイミングt8に排気バルブ209が開けられると、先ず、ピストン203がタイミングt8から下死点BDC方向に移動されたタイミングt9まで(即ち、期間T3中)は、気筒2a内で圧縮加熱され所定温度以上となった空気は、シリンダ210と排気バルブ209を介して連通状態となった排気管210へ排出される。よって、排気管210に沿って排気口側に設けられた触媒243を、所定温度以上に圧縮加熱された空気により暖機することができる。続いて、気筒2a内の圧縮加熱された空気が排気管210へ排出されることにより、気筒2a内の圧力が排気管210内の空気或いは気筒2b〜2dから排気された排気ガスの圧力以下となったタイミングt9から吸気バルブ208が開かれるタイミングt10まで(即ち、期間T4中)は、排気バルブ209を介して連通状態とされた排気管210から空気或いは気筒2b〜2dから排出された排気ガスが流入する。続いて、吸気バルブ208が開かれたタイミングt10から排気バルブ209が閉じられるタイミングt11まで(即ち、期間T5中)は、排気管210からの空気或いは排気ガスの流入に加えて、吸気管206から空気が吸気される。続いて、排気バルブ209が閉じられたタイミングt11から吸気バルブが閉じられるタイミングt12まで(即ち、期間T6中)は、排気管210からの空気或いは排気ガスの流入はなく、吸気管206から空気が吸気される。よって、期間T4及び期間T5において、排気側からの空気或いは排気ガスを再び圧縮加熱し排気することにより、触媒243の暖機を促進することができる。このように排気ガスを再び圧縮加熱し排気することにより、効率的に触媒243を暖機することができるので、触媒243の暖機のために排出することとなる有害な排気ガスの量を低減することができる。更に、期間T5及び期間T6において、吸気バルブ208を開くことで、吸気管206からより多くの空気を吸気することができ、気筒2a内で効率よく空気を圧縮でき、これにより十分に圧縮加熱することができる。よって、触媒243の暖機を一層促進することができる。
更に、本実施形態では特に、弁制御部120は、排気温度取得部130によって取得された排気温度が低いほど、吸気バルブ208と排気バルブ209とが共に開くバルブオーバラップ量を増加させるように、動弁装置10を制御する。即ち、図8(a)において、気筒2aのバルブ開閉時期は、排気温度が低いほど、期間T5が長くなるように、弁制御部120によって決定される。よって、排気温度が低いほど、より多くの排気ガスを再び圧縮加熱し排気することにより、一層効率的に触媒の暖機を促進することができる。従って、触媒の暖機のために排出することとなる有害な排気ガスの量を一層確実に低減することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る制御装置について、図9から図11を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る制御装置の構成について、図9を参照して説明する。ここに図9は、第4実施形態における図2と同趣旨の模式図である。尚、図9において、図2に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図9において、本実施形態に係る気筒2には、圧力センサ211が設けられている点で、第1実施形態に係る気筒と異なる。更に、本実施形態に係る制御装置100は、圧力取得部150を備えている点で、第1実施形態に係る制御装置と異なる。本実施形態に係る制御装置100のその他の構成は第1実施形態に係る制御装置と概ね同様である。
図9において、圧力センサ211は、気筒2のシリンダ201内に設けられ、シリンダ201内の圧力(即ち、筒内圧)を検出することが可能である。尚、圧力センサ211は、少なくともモータリング運転をさせる気筒である気筒2aに設けられていればよく、気筒2b〜2dには設けられていなくてもよい。
本発明の「圧力取得手段」の一例としての圧力取得部150は、圧力センサ211によって検出された筒内圧を取得することが可能に構成されている。尚、圧力取得部150は、筒内圧に関連する他のパラメータ、例えばクランク角、吸入空気量、気筒内の温度等に基づいて間接的に推定するようにしてもよい。
次に、モータリング運転が行われる気筒による触媒の暖機について、図5に加えて、図10及び図11を参照して説明する。ここに図10は、排気バルブの開閉に係る動作処理を示すフローチャートである。図11は、エンジンの負荷、回転数及び目標圧力の関係を示すグラフである。
図10に示すように、本実施形態に係る弁制御部120は、排気バルブ209の開閉に係る動弁装置10の制御を、筒内圧に基づいて行う(ステップS41〜ステップS46)点で第1実施形態に係る弁制御部と異なる。その他の点では、本実施形態に係る弁制御部120の吸気バルブ208及び排気バルブ209の開閉に係る動弁装置10の制御は、図5を参照して上述した第1実施形態に係る弁制御部による制御と概ね同様である。
図10に示すように、排気バルブ(即ち、排気弁)209を開くように動弁装置10が弁制御部120によって制御される前において、先ず、気筒2aの筒内圧が読み込まれる(ステップS41)。即ち、圧力センサ211によって検出された筒内圧が圧力取得部150によって取得される。取得された筒内圧は、圧力取得部150のメモリに記憶される。
次に、筒内圧が目標圧力P1よりも大きいか否かが判定される(ステップS42)。即ち、圧力取得部150によって取得された筒内圧が、目標圧力P1よりも大きいか否かが、制御装置100によって判定される。
ここで、目標圧力P1は、シリンダ201内の空気が、触媒243の暖機することができる程度に圧縮加熱される圧力に設定されている。即ち、大気圧に比較的近い排気ポート或いは排気管210内の圧力よりも十分に高い圧力に設定される。更に、図11に示すように、エンジン200の負荷及びエンジン回転数Neが大きいほど、目標圧力P1は大きく或いは高くなるように設定されている。
筒内圧が目標圧力P1以下である場合には(ステップS42:NO)、再び気筒2aの筒内圧が読み込まれる(ステップS41)。一方、筒内圧が目標圧力P1より大きい場合には(ステップS42:YES)、排気バルブ209が開かれる(ステップS43)。即ち、ステップS41からステップS43に係る一連の動作処理によって、気筒2aの空気が圧縮されて筒内圧が目標圧力P1よりも大きくなるまで、排気バルブ209は閉じたままとされ、気筒2aの空気が圧縮されて筒内圧が目標圧力P1よりも大きくなったタイミングで排気バルブ209が開かれる。よって、排気バルブ209が開かれた際に、気筒2aのシリンダ201内の圧縮加熱された空気を排気管210へ確実に流出させることができる。即ち、排気管210から気筒2aのシリンダ201内へ空気或いは排気ガスが流入することを抑制することができる。従って、気筒2aのシリンダ201内の圧縮加熱された空気によって、触媒243の暖機を確実に促進することができる。
再び図10において、排気バルブ209が開かれた後には、ステップS41に係る動作処理と同様に、気筒2aの筒内圧が読み込まれる(ステップS44)。
次に、筒内圧が目標圧力P2よりも小さいか否かが判定される(ステップS45)。即ち、圧力取得部150によって取得された筒内圧が、目標圧力P2よりも小さいか否かが、制御装置100によって判定される。ここで、目標圧力P2は、排気ポート或いは排気管210内の圧力が設定されている。更に、図11に示すように、目標圧力P1と同様に、エンジン200の負荷及びエンジン回転数Neが大きいほど、目標圧力P2は大きく或いは高くなるように設定されている。尚、目標圧力P2は、例えば大気圧に設定してもよい。筒内圧が目標圧力P2以上である場合には(ステップS45:NO)、再び気筒2aの筒内圧が読み込まれる(ステップS44)。一方、筒内圧が目標圧力P2より小さい場合には(ステップS45:YES)、排気バルブ209が閉じられる(ステップS46)。即ち、ステップS44からステップS46に係る一連の動作処理によって、気筒2aの空気が排気管210へ排出されると共にピストン203の動作により膨張されて筒内圧が目標圧力P2よりも小さくなるまで、排気バルブ209は開いたままとされ、気筒2aの筒内圧が目標圧力P2よりも小さくなったタイミングで排気バルブ209が閉じられる。よって、気筒2aのシリンダ201内の圧縮加熱された空気を排気管210へ効率よく流出させることができる。従って、気筒2aのシリンダ201内の圧縮加熱された空気によって、触媒243を効率よく暖機することができる。
本実施形態では特に、図11を参照して上述したように、エンジン200の負荷及びエンジン回転数Neが大きいほど、目標圧力P2は大きく或いは高くなるように設定されているので、エンジン200の負荷及びエンジン回転数Neが大きく排気管210内の圧力が比較的高くなったとしても、排気管210からシリンダ201内へ空気或いは排気ガスが流入することを抑制或いは防止し、気筒2aのシリンダ201内の圧縮加熱された空気を排気管210へ確実に流出させることができる。
加えて、筒内圧が目標圧力P2よりも小さくなった後に、排気バルブ209が閉じられるので、次に吸気バルブ208が開かれた際(即ち、図5における排気バルブ209が閉じられるタイミングt2の直後)に、気筒2aのシリンダ201内へ吸気管207から空気をシリンダ201へ確実に吸気させることができる。即ち、気筒2aのシリンダ201から吸気管207へ空気の流出を抑制或いは防止することができる。よって、シリンダ201内で効率よく空気を圧縮でき、触媒243の暖機を一層効率よく促進することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係る制御装置及び該制御装置を搭載した車両の要部を示すブロック図である。 第1実施形態に係る制御装置を備えたエンジンの構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る制御装置の動作処理を示すフローチャートである。 モータリング運転する気筒のバルブ開閉時期とエンジン回転数との関係を示すグラフである。 バルブ開閉時期とバルブリフト量との関係を示す説明図である。 第2実施形態における図5と同趣旨の説明図である。 第3実施形態における図4と同趣旨のグラフである。 第3実施形態における図5と同趣旨の説明図である。 第4実施形態における図2と同趣旨の模式図である。 排気バルブの開閉に係る動作処理を示すフローチャートである。 エンジンの負荷、回転数及び目標圧力の関係を示すグラフである。
符号の説明
2、2a、2b、2c、2d…気筒、10…動弁装置、100…制御装置、110…燃料噴射制御部、120…弁制御部、130…排気温度取得部、140…点火制御部、200…エンジン、201…シリンダ、202…点火プラグ、203…ピストン、206…吸気管、207…インジェクタ、208…吸気バルブ、209…排気バルブ、210…排気管、243…触媒

Claims (7)

  1. 吸気弁及び排気弁の動弁特性を変更可能な可変動弁機構と、燃料の噴射を行う燃料噴射手段と、排気ガスを浄化する触媒とを備えた内燃機関の動作状態を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の始動直後に、少なくとも一つの気筒における前記燃料の噴射を行わないように、前記燃料噴射手段を制御する燃料噴射制御手段と、
    前記少なくとも一つの気筒内で圧縮された空気の温度が、第1所定温度以上となるタイミングで前記排気弁を開くことで、前記排気ガスに代えて前記圧縮された空気を前記触媒に向けて排気するように、前記可変動弁機構を制御する弁制御手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記弁制御手段は、前記少なくとも一つの気筒におけるピストンが上死点付近に位置するタイミングで前記排気弁を開くように、前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記少なくとも一つの気筒内の圧力を取得する圧力取得手段を更に備え、
    前記弁制御手段は、前記取得された圧力が所定圧力以上となるタイミングで前記排気弁を開くように、前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記弁制御手段は、前記排気弁を閉じてから前記吸気弁を開くように、且つ、前記少なくとも一つの気筒のピストンが下死点付近に位置するタイミングで前記吸気弁を閉じるように、前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記弁制御手段は、前記排気弁を閉じる際の前記少なくとも一つの気筒内の圧力と前記吸気弁が閉じられた際の前記少なくとも一つの気筒内の圧力との圧力差が所定圧力差より小さくなるタイミングで前記排気弁を閉じるように、前記可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記排気ガスの排気温度を取得する排気温度取得手段を更に備え、
    前記弁制御手段は、前記排気温度取得手段によって取得された前記排気温度が、第2所定温度よりも低い場合には、前記吸気弁を閉じたままとするように前記可変動弁機構を制御する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記排気ガスの排気温度を取得する排気温度取得手段を更に備え、
    前記弁制御手段は、前記排気温度取得手段によって取得された前記排気温度が低いほど、前記吸気弁と前記排気弁とが共に開くバルブオーバラップ量を増加させるように、前記可変動弁機構を制御する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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