JP4862230B2 - ゲーム装置、ゲーム制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。詳しくは、ロールプレイングゲームの戦闘場面において、戦闘に参加するキャラクタの行動順を制御する手法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロールプレイングゲームの戦闘場面では、ゲームのプレイヤが制御可能なプレイヤ・キャラクタと、ゲームのプレイヤが制御できない敵キャラクタとが表示画面上に表示され、プレイヤが所定の入力装置で制御信号を入力してプレイヤ・キャラクタの行動を制御することによってゲームが進行する。この際、敵キャラクタに対して仕掛けた攻撃が有効か否か、あるいは敵キャラクタから受けた攻撃によるダメージが致命傷となるか否かは、キャラクタの行動順によって大きく変化する。すなわち、キャラクタの行動順の制御方法によって、そのゲームの進行ひいてはゲームの面白さが決まるといっても過言ではない。
【0003】
近年、この行動順の制御方法の主流となっているのは、株式会社スクウェアが提案したアクティブタイムバトル(ATB)である。ATBは、各キャラクタにそれぞれ固有の設定時間を持たせ、その設定時間が経過したときに、そのキャラクタに行動順が巡ってくるようにする制御方法である。通常は、キャラクタのレベルあるいは所定の能力パラメータ(例えばすばやさ)の値が高いほど設定時間が早く経過するように制御を行っている。よって、結果的にレベルが高い、あるいは機敏性に優れたキャラクタほど行動回数が多くなり、より現実感のある戦闘場面を実現することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、レベルの高いキャラクタほど行動回数が多いというのは、現実的ではあるものの、ある意味において面白みに欠ける。例えば現実の世界のスポーツでは、常にベテランの選手のみが起用されるとは限らず、ときに大切な場面で新人選手や足の遅い選手が起用されることもある。また、そのような者が意外にも大活躍する場合があるからこそ、観戦していて面白く、また応援する楽しみが増すというものである。ロールプレイングゲームの戦闘場面もまた、同じである。
【0005】
戦闘可能なすべてのキャラクタについて常に一律な方法を適用するATBの場合、各キャラクタは同じ時間間隔で行動を繰り返すことになる。キャラクタごとに時間の流れを速める「ヘイスト」あるいは遅らせる「スロー」などのコマンドにより行動間隔を若干変化させることができるゲームもあるが、意外性を楽しめるまでには至らないのが現状である。
【0006】
そこで、本発明は、戦闘場面におけるキャラクタの行動順に、より多彩なバリエーションを設ける。これにより、プレイヤが、レベルの低いキャラクタの活躍を期待、応援したり、レベルの低いキャラクタが突如奮起して活躍する意外性を楽しんだりすることができる、真の意味で現実感のある戦闘場面を実現することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、キャラクタの行動順を決定する際に、すべてのキャラクタを一律に同じように扱って行動順を決定するのではなく、一部のキャラクタとそれ以外のキャラクタとで異なる扱いをする。
【0008】
本発明のゲーム装置は、プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタを表示画面に表示し、入力装置から入力された制御信号に基づいて各キャラクタの行動を制御することによって、プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとの戦闘場面を進行させるゲームを実現するゲーム装置であって、
キャラクタごとに設定された制御パラメータの値に基づいて、戦闘可能なキャラクタの中から一部のキャラクタを抽出するキャラクタ抽出手段と、
キャラクタ抽出手段において抽出されたキャラクタの行動を、入力装置から入力された制御信号に基づいて制御することによって、1つの戦闘ターンを進行させる戦闘ターン制御手段と、
1つの戦闘ターンの終了後に戦闘可能なキャラクタについて、キャラクタ抽出手段により抽出されたキャラクタと抽出されなかったキャラクタとで異なるパラメータ設定規則を用いて、キャラクタごとに制御パラメータの値を設定しなおすパラメータ設定手段とを備え、
キャラクタ抽出手段が、キャラクタごとに設定された制御パラメータの値として、パラメータ設定手段により設定された制御パラメータの値を使用することを特徴とする。
【0009】
このゲーム装置は、さらに、入力装置から入力された制御信号に基づいて、戦闘ターン制御手段に対して割込信号を送り、戦闘ターンで行動を終えたプレイヤ・キャラクタあるいはキャラクタ抽出手段により抽出されなかったプレイヤ・キャラクタの中のいずれかのキャラクタを、その戦闘ターンで行動するキャラクタとして追加する割込制御手段を備えていてもよい。
【0010】
この際、キャラクタ抽出手段およびパラメータ設定手段は、戦闘可能なプレイヤ・キャラクタと戦闘可能な敵キャラクタの両方を戦闘可能なキャラクタとして扱う手段とすることが好ましい。
【0011】
戦闘ターン制御手段は、キャラクタ抽出手段により抽出されたキャラクタが、キャラクタごとに設定された制御パラメータの値の昇順または降順に行動するように、キャラクタを制御する手段とすることが好ましい。
【0012】
また、パラメータ設定手段が用いる2つの異なるパラメータ設定規則のうち、少なくとも一方は、キャラクタの所定の特性値に基づいて制御パラメータの値を設定する規則とすることが好ましい。この際、この特性値は、キャラクタのすばやさを表す特性値とすることが好ましい。
【0013】
次に、本発明のゲーム制御プログラムは、プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタを表示画面に表示し、入力装置から入力された制御信号に基づいて各キャラクタの行動を制御することによって、プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとの戦闘場面を進行させるゲームの制御プログラムであって、コンピュータに、
キャラクタごとに設定された制御パラメータの値に基づいて、戦闘可能なキャラクタの中から一部のキャラクタを抽出するキャラクタ抽出処理と、
キャラクタ抽出処理において抽出されたキャラクタの行動を、入力装置から入力された制御信号に基づいて制御することによって、1つの戦闘ターンを進行させる戦闘ターン制御処理と、
1つの戦闘ターンの終了後に戦闘可能なキャラクタについて、キャラクタ抽出処理において抽出されたキャラクタと抽出されなかったキャラクタとで異なるパラメータ設定規則を用いて、キャラクタごとに制御パラメータの値を設定しなおすパラメータ設定処理とを実行させ、さらに、パラメータ設定処理により設定された制御パラメータの値に基づいてキャラクタ抽出処理、戦闘ターン制御処理、パラメータ設定処理とを繰り返し実行させることを特徴とする。
【0014】
さらに、入力装置から入力された制御信号に基づいて、戦闘ターン制御処理を実行中のコンピュータに割り込みをかけ、戦闘ターンで行動を終えたプレイヤ・キャラクタあるいはキャラクタ抽出処理において抽出されなかったプレイヤ・キャラクタの中のいずれかのキャラクタを、その戦闘ターンで行動するキャラクタとして追加する割込制御処理を、コンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0015】
キャラクタの抽出は、戦闘可能なプレイヤ・キャラクタと戦闘可能な敵キャラクタの両方を対象とすることが好ましい。
【0016】
戦闘ターン制御処理においては、キャラクタ抽出処理において抽出されたキャラクタが、キャラクタごとに設定された制御パラメータの値の昇順または降順に行動するように、キャラクタを制御することが好ましい。
【0017】
パラメータ設定処理においては、異なるパラメータ設定規則のうち、少なくとも一方が、キャラクタの所定の特性値に基づいて制御パラメータの値を設定する規則であることが好ましい。この際、所定の特性値は、キャラクタのすばやさを表す特性値とすることが好ましい。
【0018】
また、前述の本発明のゲーム制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することにより広く頒布することが可能となる。この記録媒体が本発明の記録媒体である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を示すにあたり、はじめに、本発明のゲーム装置あるいはプログラムが実現するゲームの制御方法の概要を説明する。この制御方法の第1の特徴は、戦闘可能なキャラクタの中から一部のキャラクタを抽出して、その行動制御を行うという点にある。「戦闘可能なキャラクタ」は、プレイヤ・キャラクタだけを対象としてもよいが、プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタの両方を対象とすることが望ましい。また、「戦闘可能」であるか否かの定義は自由に定めることができる。登場するすべてのキャラクタを戦闘可能なキャラクタと定義してもよいし、プレイヤの設定あるいはゲームストーリーに基づいて一部のキャラクタを戦闘可能なキャラクタと定義してもよい。例えば、多くのゲームでは、プレイヤが、主人公の仲間になったキャラクタの中から戦闘に参加させるキャラクタを選択できるようにしている。この場合、プレイヤが選択したキャラクタを「戦闘可能なキャラクタ」と定義する方法が考えられる。また、ゲームのストーリー中、対戦相手の攻撃により動けなくなったり、毒におかされたりしてキャラクタが戦闘不能になる場合がある。よって、そのようなキャラクタを除く他のキャラクタを戦闘可能なキャラクタと定義する方法も考えられる。
【0020】
図1(a)から(d)は、キャラクタ抽出の概念を表す概念図である。図1(a)において、P1、xp1などの文字を含むボックスは各キャラクタを意味するものとする。ボックス上段は各キャラクタを区別するための記号で、Pnはプレイヤ・キャラクタ、Enは敵キャラクタを表す。ボックス下段は、各キャラクタが保有する制御パラメータの値を表すものとする。制御パラメータはキャラクタ抽出の際に使用されるパラメータであり、1回の抽出ごとに異なる値が再設定される。例えば、図1(a)の状態では、キャラクタP1のパラメータ値はxp1、キャラクタP2のパラメータ値はxp2(以下キャラクタP3〜P5、E1〜E4について同様)である。
【0021】
また、図1(a)は、5人のプレイヤ・キャラクタP1〜P5の中から、プレイヤが3人のプレイヤ・キャラクタP1〜P3を戦闘可能なキャラクタとして選択し、さらに登場する4体の敵キャラクタE1〜E4のうち、戦闘不能状態にある敵キャラクタE4を戦闘可能なキャラクタから除外した例が示されている。
【0022】
次に、キャラクタ抽出の概念について説明する。図1(b)は、図1(a)の戦闘可能なキャラクタの中から、一部のキャラクタP1、P3、E2を抽出した状態を示している。抽出する人数の定め方は、種々考えられる。例えば「3人」というように予め固定的に定めておいてもよいし、戦闘可能なキャラクタの数に基づいて、戦闘可能なキャラクタの数の例えば1/2と定めてもよい。
【0023】
キャラクタの抽出は制御パラメータの値xに基づいて行う。抽出方法は任意であり、単純に制御パラメータの値xが大きい順に何体、というように抽出してもよいし、より複雑な抽出方法を適用してもよい。
【0024】
図1(b)の抽出処理を行った直後の戦闘ターンでは、キャラクタP1,P3、E2のみ行動することができる。行動順は、各キャラクタの制御パラメータの値に基づいて、例えば値の昇順あるいは降順などとしてもよいし、制御パラメータの値にかかわらず、例えば人間キャラクタ、魔法系キャラクタ、機械系キャラクタの順などとしてもよい。
【0025】
この際、戦闘ターンにおいてプレイヤが制御できるのは、一般にはプレイヤ・キャラクタP1、P3のみである。しかし、図1(b)の抽出処理で抽出されなかったプレイヤ・キャラクタP2をも制御できるようにして、戦闘への割り込み参加を可能にする制御方法も考えられる。
【0026】
キャラクタP1,P3,E2による1つの戦闘ターンを終了したら、図1(c)に示すように、抽出状態を解除し、全キャラクタの制御パラメータの値を所定のパラメータ設定規則に基づいて設定しなおす。ここで、このゲーム制御方法の第2の特徴とも言うべき点は、制御パラメータの値の再設定規則が2種類あり、キャラクタによって適用されるパラメータ設定規則が異なるということである。
図1(c)は、再設定された制御パラメータを表す図である。キャラクタP1,P2の制御パラメータの値は、もとの値を関数Fで処理した値に再設定されている。一方、他のキャラクタP2,E1,E3,E4の制御パラメータの値は、もとの値を関数Gで処理した値に再設定されている。すなわち、前回の戦闘ターンで行動したキャラクタと、行動しなかったキャラクタとで、異なるパラメータ設定規則により制御パラメータの値を設定しなおす。
【0027】
それぞれどのようなパラメータ設定規則(関数)を適用するかは自由である。例えば、レベルの高いキャラクタが比較的多く行動するという従来のパターンを維持して、そこそこの現実感を保ちつつ、しかしときどき番狂わせが起きるようにしたければ、一方のパラメータ設定規則を、レベルあるいはすばやさの重み付けが小さいパラメータ設定規則とし、他方をレベルあるいはすばやさの重み付けの大きいパラメータ設定規則とする方法が考えられる。あるいは一方にのみレベルやすばやさを反映させ、他方については一切反映させないという方法も考えられる。さらに、当然のことながら、両方とも、すばやさなどのキャラクタ特性値を一切考慮にいれないパラメータ設定規則とすることも可能である。この他、前記キャラクタ抽出の方法と関連付けて、様々なパラメータ設定規則が適用できることは言うまでもない。
【0028】
次の戦闘ターンのためのキャラクタ抽出は、制御パラメータの再設定後の値に基づいて行う。この際、キャラクタ抽出の母体となる「戦闘可能なキャラクタ」を、入れ替えてもよい。例えば前回の戦闘ターンにおいて、プレイヤ・キャラクタP1,P3が敵キャラクタE2を倒していれば、敵キャラクタE2は戦闘可能なキャラクタから除外する手法が考えられる。一方、前回のキャラクタ抽出時に戦闘不能状態にあった敵キャラクタE4が、例えば睡眠状態から目覚めたなどの理由により戦闘可能となった場合には、敵キャラクタE4を戦闘可能なキャラクタに含めるという手法も考えられる。また、言うまでもなく、このような途中入れ替えは一切行わず、常に同じキャラクタの中から抽出するという手法も考えられる。
【0029】
このように、抽出方法は前回と同じでも、各キャラクタの制御パラメータの値は異なっており、また抽出の母体となる「戦闘可能なキャラクタ」を入れ替えるという手法も考えられるので、当然のことながら、図1(d)に示すように、前回と異なるキャラクタが抽出される可能性がある。但し、これは前回と同じキャラクタが抽出されないということではなく、全く同じキャラクタが抽出される可能性もある。
【0030】
以上、ゲームの制御方法を概念的に説明したが、次に、具体的な実施の形態を示すことにより、本発明の実現方法を明らかにする。
【0031】
以下に示す実施の形態は、本発明のゲーム制御プログラムによって、前述のゲーム制御方法に基づく処理をコンピュータ(汎用ゲーム装置およびその周辺機器)に実行させる形態である。この場合、汎用ゲーム装置を含むハードウェア全体が本発明のゲーム装置に相当し、またゲーム制御プログラムが記録され、ゲーム装置にセットすることが可能なDVD(Digital Versatile Disk)が本発明の記録媒体に相当する。但し、例えば専用のゲーム装置として実現する、あるいは記録媒体として他のメディアを使用することなどは当然に可能であり、他にも様々な実施の形態が考えられることは、技術的知識を有する当業者のみならずゲームユーザにとっても明らかである。そのような実施の形態はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【0032】
図2は、本実施の形態におけるゲーム装置1と、そのゲーム装置1に接続された周辺機器を表す図である。ゲーム装置1は、ケーブル10により表示出力装置7に接続されている。本実施の形態では、表示出力装置7は、ゲーム画面を表示するための表示画面8と、ゲームの音声を出力するためのスピーカ9とを備えた家庭用テレビである。
【0033】
また、ゲーム装置1には、ケーブル25により、プレイヤがゲームを制御するための制御信号を入力する入力機器11(以下、コントローラ11と称する)が接続されている。本実施の形態において使用されるコントローラは、方向指示ボタン14、SELECTボタン12、STARTボタン13、△ボタン19、○ボタン20、□ボタン21、×ボタン22、L1ボタン23a、L2ボタン23b、R1ボタン24aおよびR2ボタン24bを備えている。
【0034】
本実施の形態ではゲーム装置1は汎用ゲーム装置であるため、各ボタンによりどのような操作が可能であるかは、ゲーム制御プログラムが各ボタンをどのような制御に割り当てるかによって決まる。このため、必ずしも一律ではないが、概ね次のような操作が可能である。
【0035】
方向指示ボタン14は、設定画面におけるカーソル位置の制御や、ゲーム進行中プレイヤ・キャラクタの移動方向制御に使用するボタンである。方向指示ボタン14の上部15が画面の上方向、左部16が画面の左方向、下部17が画面の下方向、右部18が画面の右方向にそれぞれ割り当てられており、各部を押すことによりカーソルやプレイヤ・キャラクタを制御することができる。
【0036】
SELECTボタン12は、例えばゲーム中にデータセーブ画面を呼び出す場合など、画面を切り換える際に用いられる。また、STARTボタン13は、主としてゲームの開始あるいは一時停止の指示に用いられる。△ボタン19、○ボタン20、□ボタン21、×ボタン22、L1ボタン23a、L2ボタン23b、R1ボタン24aおよびR2ボタン24bは、主としてゲーム進行中のプレイヤ・キャラクタの制御に用いられる。8つのボタンの組み合わせ操作により、多種多様な制御が実現される。
【0037】
なお、近年コントローラ11として、方向指示のためにジョイスティックを備えたもの、シート型のものなど、様々な形状のコントローラが提供されているが、本発明はコントローラの形状を問わず、実現可能である。
【0038】
ゲーム装置1は、電源ボタン2のほか、DVDやCD−ROMをセットするディスクトレイが収納されたディスクトレイ収納部3、ディスクトレイ収納部3からディスクトレイを搬出させるためのオープンボタン4、ゲームの経過、成績などをセーブするメモリ・カードを差し込むスロット5、各種コントローラを接続するための接続端子(図中の接続端子6aは接続状態を示し、接続端子6bは非接続状態を示す)、画面、音声などの出力装置を接続するための接続端子およびネットワーク接続のための接続端子(いずれも図示せず)を備えている。
【0039】
図3は、ゲーム装置1の内部構造を表すブロック図である。ゲーム装置1は、内部的には、CPU27、ROM28、RAM29、VRAM30、音声合成部32、入出力制御部33、入力制御部36および通信制御部37が、システムバス26に接続され、システムバス26を介して信号をやりとりできるように構成されている。
【0040】
ゲーム装置1の電源が入ると、まずROM28に記憶されている初期化データによって内部回路などが初期化され、DVD34に記憶されているゲーム制御プログラムや、メモリ・カード35に記憶されているセーブデータなどが入出力制御部33を介してRAM29に読み込まれる。一方、プレイヤが入力機器11から入力する制御信号は、入力制御部36を介してCPUに提供される。CPU27は、RAM29に記憶されたプログラムおよびデータを、入力制御部36から提供される制御信号に基づいて順次処理する。CPUによる処理の結果出力される画像は、一画面ごとに一旦VRAM30に蓄えられ、画像制御部31を介してテレビの表示画面などの画像表示部8に送られる。同様にプログラムの実行により出力される音声は音声合成部32を介してテレビのスピーカなどの音声出力部9に送られる。また、ネットワーク上に接続された複数のプレイヤによってゲームを進行させる場合には、通信制御部37を介してネットワーク38に接続されている他のゲーム装置との間のデータ交換が行われる。
【0041】
以上、本実施の形態におけるハードウェアの構成および機能について説明したが、次に、ゲーム制御プログラム、すなわち、DVDなどの記憶メディア34から入力出力制御部33を介してゲーム装置1に読み込まれ、ゲーム装置1のCPU27により実行されるプログラムについて説明する。但し、以下の説明は、プログラムがコンピュータに実行させる処理のうち、戦闘場面の制御に関係する処理のみを対象とする。戦闘場面とは、例えばゲーム進行中にプレイヤ・キャラクタが敵キャラクタと遭遇あるいは接触したときから、敵キャラクタを全滅させるなどして戦闘を終了したときまでをいう。戦闘場面以外の処理については、特に限定しない。
【0042】
図4は、本実施の形態におけるゲーム制御プログラムの戦闘場面制御処理を示すフローチャートである。まず、ステップS101において、その時点で戦闘可能な状態にあるプレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタの制御パラメータの値がそれぞれ初期化される。初期値は次式
初期値=(20−A)×9+(B×9) ・・・(1)
により与えられる。ここで、A、Bはキャラクタの特性値であり、キャラクタのレベルや装備によって値が決まる。このうちAは、「すばやさ」を表す特性値で、3〜17の範囲の値をとる。式(1)によれば、すばやさの特性値の高いキャラクタ、すなわち機敏なキャラクタほど制御パラメータの初期値は小さくなる。
【0043】
次に、ステップ102において、戦闘可能な状態にあるプレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタの中から、次の戦闘ターンで行動するキャラクタを抽出する。抽出するキャラクタの数Mは、次式
M =戦闘可能なキャラクタ数/2 ・・・(2)
により与えられる。但し、戦闘可能なキャラクタ数が奇数であり2で割り切れないときには、切り上げとする。
【0044】
次に図5を参照して、M体のキャラクタの抽出処理について説明する。本実施の形態では、キャラクタ抽出処理を簡素化するために、カウンタ型の制御パラメータを用い、制御パラメータの減算を複数回繰り返すことによって、抽出するキャラクタを決定する。但し、以下に示す処理はあくまでも一例にすぎず、他にも、例えば制御パラメータを公知のソートアルゴリズムによりソートしてから上位M体のキャラクタを抽出するなど種々の処理方法が考えられることはいうまでもない。すなわち、以下は設計事項の1つにすぎない。
【0045】
図5において、上記カウンタ型の制御パラメータをCn(キャラクタnのパラメータである。ここでキャラクタは、プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタの両方を含む。)と表すものとする。まず、ステップS201において、戦闘可能なキャラクタ全員について、制御パラメータの値Cnを1減ずる。
【0046】
次にステップ202において、乱数要素を取り入れた(Random関数を用いた)演算を行って、さらに制御パラメータの値Cnを1減ずる。この処理は、Random関数を利用して0〜100までの数字の中からいずれか1つの数字を発生させ、その数字が30より小さければ制御パラメータの値を1減ずるというものである。ステップS202では、ステップS201と異なり、一部のキャラクタのみ制御パラメータ値が減ることになる。
【0047】
なお、本実施の形態では、例えばヘイストの状態にあるキャラクタについては、ステップS202の判定条件が緩和され、「30より小さければ」という条件の代わりに「50より小さければ」という条件が適用される。これにより、抽出のバリエーションが増加する。
【0048】
次にステップS203において、前記ステップS201およびS202の結果、制御パラメータの値Cnが0となったキャラクタが存在するか否か判定する。そのようなキャラクタが存在しなければ、ステップS201に戻り制御パラメータの値Cnの減算を繰り返す。
【0049】
一方、そのようなキャラクタが存在すれば、ステップS204において、そのキャラクタを抽出するキャラクタとして決定する。その後、ステップS205において、M体のキャラクタを抽出し終えたか否かを判定する。まだ抽出し終えていない場合には、ステップS201に戻り、ステップS201〜S204までの処理を、M体のキャラクタを抽出し終えるまで繰り返す。
【0050】
なお、図5に示す演算処理が終了した時点における各キャラクタの制御パラメータの値は、図4のステップS102の処理終了後、図3のRAM29に一旦保存される。これは、後述するステップS105の制御パラメータ再設定処理で必要となるからである。
【0051】
図6は、図5の処理を実行した場合の、カウンタ型制御パラメータの値Cnの変化の一例を示す図である。ステップS201およびS202の減算処理により、まず敵キャラクタE2の制御パラメータが0となり、ステップS204において一体目のキャラクタとして抽出される。一体目抽出時までに、キャラクタP1の制御パラメータの値は100から65に減少し、キャラクタE1は80から50まで減少し、それぞれ減少の度合いに差があるが、これはステップS202の演算に含まれている乱数要素の影響である。さらに、減算処理を繰り返すことにより、プレイヤ・キャラクタP3の制御パラメータの値が0となり、ついで敵キャラクタE3の制御パラメータが0となり、それぞれステップS204において2体目、3体目の抽出キャラクタに決定される。3体目抽出の時点で、抽出されなかったキャラクタの制御パラメータの値は、それぞれP1は30、P2は10、E1は18である。この値は、前述のように図3のRAM29に保存される。
【0052】
ここで、本実施の形態では、基本的には、戦闘ターン開始時すなわちキャラクタ抽出処理の開始時点において制御パラメータの値が小さいほど行動順は早くなる。上述のようなカウントダウン方式を採用した場合、ステップS202における乱数要素があるため、若干の逆転はあるものの、通常は、抽出処理の開始時点において制御パラメータの値が小さいほうが先に抽出されることになる。そこで、本実施の形態では、計算の便宜上、戦闘ターンにおけるキャラクタの行動順は、抽出の早い順とする。この場合、図6の例では、キャラクタE2,P3,E3の順に行動することになる。
【0053】
本実施の形態では、戦闘場面に突入して最初の戦闘ターンでは、式(1)により制御パラメータが初期設定され、かつ、この場合すばやさ特性値の高いキャラクタほど制御パラメータの値は小さく設定されるため、ステップS202の乱数要素の影響はあるものの、基本的にはすばやさ特性の高いキャラクタほど先に抽出されやすい。しかし、制御パラメータの値は後述するように戦闘ターン終了後に書き換えられるため、2回目以降の戦闘ターン(キャラクタ抽出処理)では、すばやさ特性の影響が抽出結果に反映されるとは限らない。
【0054】
図5の演算の結果、図4のステップS102のキャラクタ抽出処理が完了すると、画面には、図7のような戦闘場面が表示される。図7の戦闘場面には、4体の敵キャラクタ40a〜40dと3体のプレイヤ・キャラクタ39a〜30cの、計7体の戦闘可能なキャラクタが表示されている。この場合、ステップS102において抽出されるキャラクタの数Mは、式(2)により4体となる。画面右下には、この4体のキャラクタの顔の絵が、左から行動順に表示される(以下、行動順表示リスト42と称する)。なお、画面上部には、各プレイヤ・キャラクタの顔とともに、そのキャラクタが保有する主要なパラメータの値が表示されている。また行動順表示リスト42の上下に配置されているマップ41には、プレイヤ・キャラクタおよび敵キャラクタの立ち位置が△あるいは▽マークで示されている。
【0055】
次に、図4のステップS103において、1つの戦闘ターンの制御処理を実行する。具体的には、図2に示したコントローラ11の各ボタンから送られてきた制御信号に基づいて、抽出されたキャラクタの中のプレイヤ・キャラクタの行動を制御する。キャラクタの行動の制御は、いくつかの行動パターンをメニュー表示して、プレイヤが方向指示キー14の操作によりメニュー上の所望の行動パターンにカーソルを合わせて選択できるようにする。あるいは、例えば攻撃パターンAは△ボタン19と○ボタン20を連続操作する、というように、プレイヤが△ボタン19、○ボタン20、□ボタン21、×ボタン22、L1ボタン23a、L2ボタン23b、R1ボタン24aおよびR2ボタン24bの組み合わせにより攻撃を指示できるようにしてもよい。なお、本実施の形態では、プレイヤが一定時間何の操作も行わなかった場合には、制御対象は次のキャラクタへと自動的に移行するようになっている。また、ステップS103においては敵キャラクタの行動制御も行う。敵キャラクタの行動は制御プログラムにより決定されるが、プレイヤ・キャラクタの行動内容に応じて決定される場合もあれば、プレイヤ・キャラクタの行動とは無関係に決定される場合もある。
【0056】
また、ステップS103では、キャラクタの行動順の表示制御も行う。図8は、図7の戦闘場面右下の行動順表示リスト42の変化を表す図である。敵キャラクタも含め1体のキャラクタが行動し終えるごとに、そのキャラクタの顔を、行動順表示リスト42から削除し、次に行動するキャラクタの顔を順次左にずらして表示する。行動順表示リスト42に表示されていたキャラクタの顔がすべて消えたときに、その戦闘ターンが終了する。あるいは、抽出したすべてのキャラクタの行動が終了する前であっても、プレイヤ・キャラクタまたは敵キャラクタのいずれかが全滅すれば、その戦闘ターンは終了する。
【0057】
1つの戦闘ターンを制御し終えたら、次に図4のステップS104において、戦闘場面の制御を続行するか否か判定する。プレイヤ・キャラクタまたは敵キャラクタのいずれかの全滅によりその戦闘ターンが終わったのであれば、戦闘場面制御処理を終了する。それ以外の場合には、ステップS105に進み、各キャラクタの制御パラメータを再設定する。
【0058】
ステップ105においては、2つの異なるパラメータ設定規則を用いて、制御パラメータの値を設定しなおす。ステップS102において抽出されたキャラクタの制御パラメータの値の設定には、次式
Cn = (20−A)×9+(B×9) ・・・(3)
を適用する。これは、制御パラメータを初期値にリセットすることにほかならない。一方、ステップS102において抽出されなかったキャラクタについては、次式
Cn = キャラクタ抽出処理後の制御パラメータ値・・・(4)
を適用する。これらの式に基づいて戦闘可能なキャラクタの制御パラメータを再設定した場合、図6の例では丸で囲まれた値がそれぞれ新たな制御パラメータの値となる。制御パラメータを再設定した後、再びステップS102に戻り、再設定された制御パラメータに基づいて次の戦闘ターンで行動するキャラクタの抽出を行う。
【0059】
上述の(3)(4)式によれば、制御パラメータの値を初期値にリセットされてしまったキャラクタよりは、カウントダウン後の値をセットされたキャラクタのほうが、次回のキャラクタ抽出処理において選ばれ易いという傾向が生じる。しかし、式(3)により得られる値がキャラクタのすばやさ特性に応じて決定された値である以上は、すばやさ特性の高いキャラクタの制御パラメータ値はリセットされたといってもそれほど大きくはない。したがって、必ず前回選ばれなかったものが有利になるとも言えない。
【0060】
ここで、パラメータ設定規則に、すばやさの要素を全く取り入れないという方法も、もちろん考えられる。しかしながら、現実の世界において機敏なものほど行動回数が多いことは確かなので、すばやさの要素を取り入れておいたほうが現実味が増すことは確かである。なお、上記(3)(4)式は、前回の戦闘ターンで行動したキャラクタの制御パラメータの設定規則においてのみ、すばやさの要素を取り入れているが、前回の戦闘ターンで行動しなかったキャラクタのパラメータ設定規則にもすばやさの要素を取り入れてもよいことはいうまでもない。例えば、抽出処理時のカウントダウンの結果得られた値から、すばやさ特性値を減算した値を新たな値として設定するなどの方法が考えられる。
【0061】
このように、2つの異なるパラメータ設定規則を使い分けることで、一方ですばやさ特性に優れたキャラクタほど行動回数が多いという構造を維持しつつ、一方ですばやさ特性の低いキャラクタにもある程度均等に活躍の機会を与えることができ、キャラクタの行動順に多彩なバリエーションが生まれる。
【0062】
以上、図4のフローチャートを参照してプログラムの戦闘場面制御処理を説明した。ここで、本実施の形態のゲーム制御プログラムは、さらに、プレイヤからの割り込み指示に従って画面中に表示されていないプレイヤ・キャラクタを戦闘に割り込ませる機能を備えているので、以下この割り込みの機能について説明する。
【0063】
図9(a)の図は、ある戦闘ターンにおいて行動するキャラクタとして敵キャラクタ2体とプレイヤ・キャラクタ1体が抽出され、プレイヤ・キャラクタの行動順が最後になってしまった場合の、行動順表示リスト42の表示を示している。この場合、プレイヤ・キャラクタP1は圧倒的に不利な状態にあり、もし2体の敵キャラクタから2回連続で攻撃を受けると、大きなダメージを受けることが予想される。
【0064】
本実施の形態では、このような場合、その戦闘ターンにおいて抽出されなかったプレイヤ・キャラクタあるいは既に行動を終えたプレイヤ・キャラクタを、2体目の敵キャラクタE2の行動前に割り込ませることができる。各プレイヤ・キャラクタが割込み可能か否かは、図7の画面上部のゲージ43および割込可能回数44として表示される。ゲージ43は時間の経過とともに目盛りが増加し、目盛りが一杯になると割込み可能回数44の数値が1つ増えるしくみになっている。つまり、割込可能回数44の数値が1以上のプレイヤ・キャラクタは割込み行動を起すことができる。割込みは、図2のR2ボタン24bを押しながら△ボタン19、○ボタン20、□ボタン21、×ボタン22のいずれかを押す操作を行うことにより実行される。△ボタン19、○ボタン20、□ボタン21、×ボタン22には、それぞれいずれかのプレイヤ・キャラクタが割り当てられており、押したボタンの種類によって割り込むプレイヤ・キャラクタが決まる。また、割り込みのタイミングは、割り込み操作を行った際に行動中のキャラクタの次となる。例えば上記例の場合、敵キャラクタE1の行動中に割込み操作を行えば、敵キャラクタE2が行動する前に、プレイヤ・キャラクタを割り込ませることができる。割込み操作を行った場合には、行動順表示リスト42の表示は、図9(c)のようになる。一方割り込み操作をしなかった場合には、行動順表示リスト42の表示は図9(b)のようになる。
【0065】
なお、割り込みの制御は次のように行う。各プレイヤ・キャラクタは、それぞれ割込行動タイマーと割込回数カウンタを保有している。割込み行動タイマーにより一定時間が経過したことが検出されると割込回数カウンタが1つカウントアップされる。すなわち、割込行動タイマーが表示画面上のゲージ43に、また割込回数カウンタが表示画面上の割込可能回数44に、それぞれ対応する。割込回数カウンタが1以上のプレイヤ・キャラクタについては、割込み操作が受け付けられる。割込回数カウンタが0のプレイヤ・キャラクタについて行われた割込み操作は無効とされる。プレイヤが有効な割込み操作を行った場合には、コントローラ11からCPUに割込信号が送られる。図10は、CPUが割込み信号を受信した際の処理を示した図である。割込信号を受信したCPUは、実行中のステップS301、すなわち敵キャラクタE1の行動制御、表示を終えた後に、プレイヤが指定したプレイヤ・キャラクタP3の行動制御、表示を行い、終了後またもとの処理ステップS302に戻って敵キャラクタE2の制御を、さらにはステップ303においてプレイヤ・キャラクタP1の制御を行う。
【0066】
本実施の形態によれば、すばやさ特性に優れたキャラクタほど行動回数が多いという従来からの基本構造を多少は残しつつ、一方で、すばやさ特性の低いキャラクタにも、ある程度均等に参戦の機会が与えられるので、多彩な戦闘場面が展開されるゲームを実現することができる。また、ゲームのプレイヤは、すばやさ特性の低いキャラクタの活躍を期待することができ、しかしそのようなキャラクタが行動できるか否かは一律には決まらないため、ある程度の意外性を楽しむこともできる。
【0067】
なお、本実施の形態の説明として図5に示した演算処理や式(1)〜(4)などは、あくまでも一例に過ぎず、他の様々な演算方法あるいは演算式によっても、本実施の形態と同様の効果を得ることは可能である。すなわち、上記実施の形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0068】
例えば、レベルの低いキャラクタの活躍の機会を増やしたいと思えば、抽出方法やパラメータ設定規則におけるレベルやすばやさの重み付けを低くして、どのキャラクタにもできるだけ均等に参戦の機会が与えられるようにすればよい。あるいは、レベルの低いキャラクタはレベルアップしない限り戦闘場面において行動できない「根性もの」ゲームにしたいと思えば、抽出方法やパラメータ設定規則におけるレベルやすばやさの重み付けを高くすればよい。あるいは、何が起きるか全くわからない博打性の高いゲームにしたい場合には、乱数要素を多く取り入れたパラメータ設定規則を適用すればよい。このように、本発明により、ユーザニーズや製作者の意図に沿って、多彩なバリエーションを展開することができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明のゲーム装置、ゲーム制御プログラムおよびその記録媒体では、次の戦闘ターンで行動できるキャラクタを、戦闘ターンごとに再設定される制御パラメータに基づいて決定し、しかもその制御パラメータを、前回の戦闘ターンで行動したキャラクタと行動しなかったキャラクタとで異なるパラメータ設定規則にしたがって設定する。このため、すべてのキャラクタを一律な規則で制御する場合と異なり、行動順を決定するにあたり種々の要素が複雑に絡み合うこととなり、多彩なバリエーションが生まれる。これにより、ゲームのプレイヤは、真の意味で(ときとして全く予想外のことが起こるということも含めて)現実的な戦闘場面を楽しむことができる。また、ゲーム製作者にとっては、2通りの制御パラメータ値の設定規則の組み合わせ方によって、ゲームの性格を変えることができるので、個性豊かなゲームを製作して他社との差別化を図ることができる。
【0070】
なお、プレイヤの中には、意外性を楽しむばかりでなく、より積極的に戦闘に関与したいと考える者も多い。そこで、割込制御機能を追加して、行動しないことになっているプレイヤ・キャラクタを戦闘に割り込ませることができるようにすれば、そのようなプレイヤをも満足させることができる。
【0071】
また、キャラクタの抽出をプレイヤ・キャラクタのみを対象に行った場合には、各戦闘ターンにおいて必ずプレイヤ・キャラクタが行動できることになるが、敵キャラクタも含めて全戦闘可能なキャラクタの中からキャラクタの抽出を行うようにすれば、ある戦闘ターンでは一方的に敵を攻撃することができ、また他の戦闘ターンでは、敵から一方的に攻撃されるかもしれず、よりシビアかつスリルのある戦闘を楽しむことができる。
【0072】
抽出されたキャラクタの行動順は、単純に制御パラメータの値の昇順あるいは降順としておけば、制御が簡単になる。
【0073】
また、制御パラメータを再設定する際に、異なるパラメータ設定規則のうちの一方あるいは両方を、キャラクタのレベル、すばやさ、やる気などの特性が反映される規則としておけば、すばやいキャラクタほど行動順が多いという一般常識を一応維持することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゲーム装置およびプログラムが実現する制御方法の概念図
【図2】 本発明の一実施の形態におけるゲーム装置およびその周辺機器を示す図
【図3】 図2のゲーム装置の内部構造を示すブロック図
【図4】 本発明の一実施の形態におけるゲーム制御プログラムの戦闘場面制御処理を示すフローチャート
【図5】 図4のキャラクタ抽出処理の詳細を示すフローチャート
【図6】 キャラクタ抽出処理のパラメータ値の変化の一例を示す図
【図7】 図4のプログラムが出力する戦闘画面の一例を示す図
【図8】 キャラクタの行動終了時の表示画面の変化を表す図
【図9】 割込み処理実行時の表示画面の変化を表す図
【図10】 割込制御信号受信時の処理を示すフローチャート
【符号の説明】
1 ゲーム装置、 2 電源ボタン、 3 ディスクトレイ収納部、 4 オープンボタン、 5 スロット、 6a、6b 接続端子、 7 表示出力装置、 8 画像表示部、 9 音声出力部、 10,25 ケーブル、 11 入力機器(コントローラ)、 12〜14,19〜24b 各種操作ボタン、 26 システムバス、 34 記憶メディア、 35 メモリ・カード、 39 プレイヤ・キャラクタ、 40 敵キャラクタ、 41 マップ、 42 行動順表示リスト、 43 ゲージ、 44 割込可能回数。
Claims (13)
- プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタを表示画面に表示し、入力装置から入力された制御信号に基づいて各キャラクタの行動を制御することによって、前記プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとの戦闘場面を進行させるゲームを実現するゲーム装置であって、
キャラクタごとに設定された制御パラメータの値に基づいて、戦闘可能なキャラクタの中から一部のキャラクタを抽出するキャラクタ抽出手段と、
前記キャラクタ抽出手段において抽出されたキャラクタの行動を、入力装置から入力された制御信号に基づいて制御することによって、1つの戦闘ターンを進行させる戦闘ターン制御手段と、
前記1つの戦闘ターンの終了後に戦闘可能なキャラクタについて、前記キャラクタ抽出手段により抽出されたキャラクタと抽出されなかったキャラクタとで異なるパラメータ設定規則を用いて、キャラクタごとに前記制御パラメータの値を設定しなおすパラメータ設定手段とを備え、
前記キャラクタ抽出手段が、前記キャラクタごとに設定された制御パラメータの値として、前記パラメータ設定手段により設定された制御パラメータの値を使用することを特徴とするゲーム装置。 - 入力装置から入力された制御信号に基づいて、前記戦闘ターン制御手段に対して割込信号を送り、戦闘ターンで行動を終えたプレイヤ・キャラクタおよび/または前記キャラクタ抽出手段により抽出されなかったプレイヤ・キャラクタの中のいずれかのキャラクタを、当該戦闘ターンで行動するキャラクタとして追加する割込制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
- 前記キャラクタ抽出手段および前記パラメータ設定手段が、戦闘可能なプレイヤ・キャラクタと戦闘可能な敵キャラクタの両方を前記戦闘可能なキャラクタとして扱う手段であることを特徴とする請求項1または2記載のゲーム装置。
- 前記戦闘ターン制御手段は、前記キャラクタ抽出手段により抽出されたキャラクタが、当該キャラクタごとに設定された前記制御パラメータの値の昇順または降順に行動するように、当該キャラクタを制御する手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゲーム装置。
- 前記パラメータ設定手段が用いる前記異なるパラメータ設定規則のうち、少なくとも一方が、キャラクタの所定の特性値に基づいて制御パラメータの値を設定する規則であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のゲーム装置。
- 前記所定の特性値が、キャラクタのすばやさを表す特性値であることを特徴とする請求項5記載のゲーム装置。
- プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタを表示画面に表示し、入力装置から入力された制御信号に基づいて各キャラクタの行動を制御することによって、前記プレイヤ・キャラクタと敵キャラクタとの戦闘場面を進行させるゲームの制御プログラムであって、コンピュータに、
キャラクタごとに設定された制御パラメータの値に基づいて、戦闘可能なキャラクタの中から一部のキャラクタを抽出するキャラクタ抽出処理と、
前記キャラクタ抽出処理において抽出されたキャラクタの行動を、入力装置から入力された制御信号に基づいて制御することによって、1つの戦闘ターンを進行させる戦闘ターン制御処理と、
前記1つの戦闘ターンの終了後に戦闘可能なキャラクタについて、前記キャラクタ抽出処理において抽出されたキャラクタと抽出されなかったキャラクタとで異なるパラメータ設定規則を用いて、キャラクタごとに前記制御パラメータの値を設定しなおすパラメータ設定処理とを実行させ、さらに、
前記キャラクタ抽出処理において、前記キャラクタごとに設定された制御パラメータの値として、前記パラメータ設定処理により設定された制御パラメータの値を使用させることを特徴とするゲーム制御プログラム。 - 入力装置から入力された制御信号に基づいて、前記戦闘ターン制御処理を実行中のコンピュータに割り込みをかけ、戦闘ターンで行動を終えたプレイヤ・キャラクタおよび/または前記キャラクタ抽出処理において抽出されなかったプレイヤ・キャラクタの中のいずれかのキャラクタを、当該戦闘ターンで行動するキャラクタとして追加する割込制御処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする請求項8記載のゲーム制御プログラム。
- 前記戦闘可能なキャラクタが、戦闘可能なプレイヤ・キャラクタと戦闘可能な敵キャラクタの両方を含むことを特徴とする請求項7または8記載のゲーム制御プログラム。
- 前記戦闘ターン制御処理において、前記キャラクタ抽出処理において抽出されたキャラクタが、当該キャラクタごとに設定された前記制御パラメータの値の昇順または降順に行動するように、当該キャラクタを制御することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
- 前記パラメータ設定処理において、前記異なるパラメータ設定規則のうち、少なくとも一方が、キャラクタの所定の特性値に基づいて制御パラメータの値を設定する規則であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
- 前記所定の特性値が、キャラクタのすばやさを表す特性値であることを特徴とする請求項11記載のゲーム制御プログラム。
- 請求項7から12のいずれかに記載のゲーム制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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