JP4860586B2 - 急結性セメントコンクリートと吹付け方法 - Google Patents

急結性セメントコンクリートと吹付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、急結性セメントコンクリートとその吹付け方法に関する。
従来、トンネル掘削工事における地山の補強や、掘削面の安定化のために、コンクリートの吹付け方法が行われている。例えば、ピストンポンプ等により送られるコンクリートを輸送する輸送管内に、コンプレッサーから送られる圧縮空気を供給し、コンクリートを空気輸送するとともに、合流管の枝管に急結剤供給設備より空気輸送される粉体急結剤を供給してコンクリートと急結剤を混合した後、ノズルよりコンクリートを吹付ける湿式方法が一般的に行われている。
また、ドライミックスコンクリートを空気圧送する途中で水を添加し、合流管の枝管に急結剤供給設備より空気輸送される粉体急結剤を供給し、コンクリートと急結剤を混合した後、ノズルよりコンクリートを吹付ける乾式方法が提案されている。
これらの吹付け方法は、空気輸送されたコンクリートを吹付ける時に多量に粉じんが発生するおそれがある。対策として、コンクリートを練り混ぜする前に水溶性セルロース及びポリエチレンオキサイドをコンクリートに添加する方法が提案されている。ピストンポンプ等により送られるコンクリートを輸送する輸送管内にコンプレッサーから送られる圧縮空気を供給し、コンクリートを空気輸送するとともに、合流管の枝管に急結剤供給設備より空気輸送される粉体急結剤を供給してコンクリートと急結剤を混合した後、ノズルよりコンクリートを吹付けて粉じんを低減する方法が提案されている(引用文献1、引用文献2)。
しかし、この吹付け方法では粉じん低減効果が得るべく、溶解性を高めるために、ポリエチレンオキサイドを適正な粒度に調整する必要があった。コンクリートを練混ぜる際に空気を連行するために消泡剤も併用していた。また、これまでの粉じん低減剤はコンクリートの骨材表面水に溶解するため、骨材ホッパーに付着しやすく、練混ぜ時に粉じん防止剤が玉状になりやすかった。そのため、粉じん防止剤が均一に分散しないので十分な粉じん防止効果が得られなかった。特に、骨材の表面水が高い場合は顕著であった。このため、十分な粉じん防止効果が得られる粉じん防止剤が望まれていた。また、吸湿性が高いため添加装置からの排出時に固結し、添加率が変動する等の課題があり、取扱いに注意を要していた。
細骨材をセメントで被覆した被覆細骨材を使用したセメント組成物を吹付けて粉じんを低減する方法が提案されている(引用文献3)。しかし、引用文献3は、ポリエチレンオキサイドと、タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末とを使用することについて記載がない。
特開昭58−15056号公報 特開2004−189529号公報 特開2000−72503号公報
本発明が解決しようとする課題は、粉じん防止効果の向上である。
本発明は、(1)と(2)を含有してなる急結性セメントコンクリートであり、
(1)(1−1)と(1−2)を含有してなるセメントコンクリート
(1−1)セメント
(1−2)(1−2−1)ポリエチレンオキサイド100質量部と(1−2−2)タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末10〜300質量部を含有してなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して0.01〜0.2質量部
(2)急結剤
ポリエチレンオキサイドの重量平均分子量が100万〜500万である該急結性セメントコンクリートであり、タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末の粒度が45μm以下である該急結性セメントコンクリートであり、粉体急結剤がカルシウムアルミネートを含有してなる該急結性セメントコンクリートであり、セメントコンクリートの細骨材率が50〜80体積%である該急結性セメントコンクリートであり、セメントコンクリートの細骨材の表面水率が10質量%以下である該急結性セメントコンクリートであり、セメントコンクリートの粗骨材の表面水率が2質量%以下である該急結性セメントコンクリートであり、(1)表面水率が10質量%以下の細骨材中に、(1−2−1)ポリエチレンオキサイド100質量部と(1−2−2)タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末10〜300質量部を含有してなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して0.01〜0.2質量部を添加した後に、セメントを添加したセメントコンクリートに、(2)急結剤を添加して急結性セメントコンクリートとし、急結性セメントコンクリートを吹付けることを特徴とする吹付け方法であり、(1)表面水率が10質量%以下の細骨材中に、(1−2−1)ポリエチレンオキサイド100質量部と(1−2−2)タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末10〜300質量部を含有してなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して0.01〜0.2質量部を添加した後に、セメントと表面水率が2質量%以下の粗骨材を添加したセメントコンクリートに、(2)急結剤を添加して急結性セメントコンクリートとし、急結性セメントコンクリートを吹き付けることを特徴とする吹付け方法であり、ポリエチレンオキサイドの重量平均分子量が100万〜500万であることを特徴とする該吹付け方法であり、タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末の粒度が45μm以下であることを特徴とする該吹付け方法であり、急結剤がカルシウムアルミネートを含有してなることを特徴とする該吹付け方法である。
本発明によれば、粉じん防止効果が向上するものである。
本発明では、ペースト、モルタル、コンクリートを総称してセメントコンクリートというものである。
セメントコンクリート中のセメント量は、セメント単位量で300〜500kg/mが好ましく、350〜450kg/mがより好ましい。予め水を練混ぜたセメントコンクリート中の水/セメント比は45〜65質量%が好ましく、50〜60質量%がより好ましい。
本発明で使用するポリアルキレンオキサイド(以下、PAOという)は、セメントコンクリートに粘性を与え、吹付け直後の吹付け面からの粉じんを防止するものである。ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、及びポリプチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中では、セメントコンクリートに粘性を与え、吹付け時の粉じんを防止する効果が大きい点で、ポリエチレンオキサイドが好ましい。
PAOの重量平均分子量は、100万〜500万が好ましく、150万〜250万がより好ましい。PAOの重量平均分子量が小さいとセメントコンクリートの粘性が小さく、吹付け時の粉じんを防止する効果が期待できない場合があり、PAOの重量平均分子量が多いと強度発現性を阻害し、急結剤とセメントコンクリートを混合した急結性セメントコンクリートの圧送性が低下する場合がある。
本発明で使用する無機微粉末は、タルク及び/又はパイロフィライトからなるものである。PAOが大気中の水分や直接骨材の表面水と接して玉状になることを防止し、添加機のホッパーからの切り出しも容易にするものである。タルク、パイロフィライトは滑性に富んでおり、吸湿性が低い点で、好ましい。タルクやパイロフィライト以外の無機微粉末を使用すると、添加機のホッパーからの切り出しが悪く、無機微粉末がブリッジ状になって安定した排出ができない場合がある。
PAOと無機微粉末を予め混合しておくことは、無機微粉末がPAOの表面を覆い、吸湿性の低下を防止し、添加機のホッパーからの切り出しも容易になる点で、好ましい。また、セメントコンクリートの骨材の表面水と接して玉状になることを防止する点でも、好ましい。
無機微粉末の粒度は、45μm以下が好ましく、平均粒度は10〜15μmが好ましい。
無機微粉末の使用量は、PAO100質量部に対して10〜300質量部が好ましく、50〜200質量部がより好ましい。無機微粉末の使用量が少ないと無機微粉末が骨材の表面水と接してPAOが玉状になりやすく、セメントコンクリートを練り混ぜる時に均一に溶解しないため、粉じん防止効果が低下しやすい場合があり、無機微粉末の使用量が多いとセメントコンクリートを練り混ぜる時に溶解しにくく、粉じん防止効果が低下しやすい場合がある。粒度の測定は、堀場製作所社製、レーザ回折/散乱式粒度分布計により測定したものである。
PAOと無機微粉末を混合した粉じん防止剤の使用量は、セメント100質量部に対して、0.01〜0.2質量部が好ましく、0.03〜0.1質量部がより好ましい。粉じん防止剤の使用量が少ないと急結性セメントコンクリートの粘性が小さく、粉じん量が多い場合があり、粉じん防止剤の使用量が多いとセメントコンクリートの粘性が大きく、急結剤とセメントコンクリートを混合した急結性セメントコンクリートの圧送性が低下する場合がある。
本発明では、粉じん防止剤を、例えば、セメントコンクリートの骨材に添加する。粉じん防止剤を細骨材中に予め添加することが好ましい。細骨材中に予め添加することにより、タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末が、ポリアルキレンオキサイドや骨材の表面水と直接接触し、ポリアルキレンオキサイドが玉状となることなくセメントコンクリート中を均一に分散し、粉じん防止効果を向上するものである。例えば、粉じん防止剤を細骨材の計量時に添加することが好ましい。例えば、骨材ビンから計量ホッパーに投入するベルトコンベアー上に粉じん防止剤を添加し、セメント、骨材、粉じん防止剤、水を市販のミキサーにより60〜90秒間練り混ぜた後、アジテータ車に落とし、坑内に搬入する。セメントコンクリートをアジテータ車からピストンポンプに供給し、途中で空気を挿入し、輸送管内を空気輸送し、粉体急結剤を混合させる合流管まで輸送する。
本発明で使用するセメントコンクリートの細骨材率は50〜80体積%が好ましく、55〜70体積%がより好ましい。細骨材率が小さいと粉じん防止効果が低下する場合があり、細骨材率が大きいと急結性セメントコンクリートの圧送性が低下する場合がある。
細骨材の表面水率は10質量%以下が好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜5質量%が最も好ましい。表面水率が小さいとコストが高くなる場合があり、表面水率が大きいと粉じん防止剤が溶解して玉状になり、粉じん防止効果が低下する場合がある。
粗骨材の表面水率は2質量%以下が好ましく、0.3〜2質量%がより好ましく、0.5〜1質量%が最も好ましい。表面水率が小さいとコストが高くなる場合があり、表面水率が大きいと粉じん防止剤が溶解して玉状になり、粉じん防止効果が低下する場合がある。
本発明で使用するセメントコンクリートは、通常の吹付けセメントコンクリートが使用可能であり、特に限定されるものではない。また、鋼繊維を含有した吹付けセメントコンクリートも使用可能である。
本発明で使用する急結剤は、粉体急結剤が好ましい。粉体急結剤は、急結剤供給装置により、急結剤輸送配管を介し合流管の枝管まで圧送される。急結剤輸送配管としては、例えば、内口径が3/4B(20mm)又は1B(25mm)のホースを用いることが可能である。
粉体急結剤は、カルシウムアルミネートを含有することが好ましく、カルシウムアルミネート、石膏、アルカリ金属アルミン酸塩を含有することがより好ましい。
カルシウムアルミネートとは、カルシア原料とアルミナ原料を混合して、キルンでの焼成或いは電気炉での溶融等の熱処理をして得られるCaOとAlとを主成分とする水和活性を有する物質の総称である。CaOをC、AlをAと略記すると、CA、C12、C11・CaF、C11・CaCl、CA・SiO、CA、及びCA等が挙げられ、さらにCaOやAlの一部が、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等と置換した化合物、或いは、CaOとAlとを主成分とするものに、これらが少量固溶した化合物も含まれる。
カルシウムアルミネートの形態としては、結晶質、非晶質いずれであっても使用可能である。これらの中では、反応活性の点で、非晶質のカルシウムアルミネート類が好ましく、C12組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートがより好ましい。
カルシウムアルミネートの粒度は、急結性や初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積(以下、ブレーン値という)3000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。ブレーン値が小さいと、急結性セメントコンクリートの急結性や初期強度発現性が低下する場合がある。
石膏としては、例えば、無水石膏、半水石膏、及び二水石膏が使用可能である。これらの中では、凝結性や強度発現性の点で、無水石膏の使用が好ましい。
石膏の粒度は、通常、セメント等に使用される程度でよいが、急結性セメントコンクリートの急結性や初期強度発現性の点で、ブレーン3000cm/g以上が好ましい。ブレーン値が小さいと、急結性セメントコンクリートの凝結性や強度発現性が低下する場合がある。
石膏の使用量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、20〜150質量部が好ましく、25〜100質量部がより好ましい。石膏の使用量が少ないと、急結性セメントコンクリートの凝結性が低下し、長期強度発現性を促進しにくい場合があり、石膏の使用量が多いと、初期凝結が遅れ、初期強度発現性が低下する場合がある。
本発明のアルカリ金属アルミン酸塩(以下、アルミン酸塩という)とは、水酸化アルミニウムとアルカリ金属水酸化物を混合溶解し、乾燥し、粉末状として得られるものである。
アルミン酸塩としては、例えば、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、及びアルミン酸リチウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することが可能である。これらの中では、急結性セメントコンクリートの凝結性や初期強度発現性の点で、アルミン酸ナトリウムの使用が好ましい。
アルミン酸塩の使用量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、10〜50質量部が好ましく、15〜45質量部がより好ましい。アルミン酸塩の使用量が少ないと、初期凝結が遅れ、初期強度発現性が低下する場合があり、アルミン酸塩の使用量が多いと、急結性セメントコンクリートの長期強度発現性が低下する場合がある。
粉体急結剤としては、さらに、アルカリ金属炭酸塩を含有することが好ましい。
本発明のアルカリ金属炭酸塩(以下、炭酸アルカリという)としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウム等が挙げられる。これらの中では、初期凝結促進の面で、炭酸ナトリウムが好ましい。
炭酸アルカリの使用量は、カルシウムアルミネート類100質量部に対して、15〜45質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。炭酸アルカリの使用量が少ないと、初期凝結が遅れ、初期強度発現性が低下する場合があり、炭酸アルカリの使用量が多いと、急結性セメントコンクリートの長期強度発現性が低下する場合がある。
急結剤の使用量はセメントコンクリート中のセメント100質量部に対し、3〜15質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。粉体急結剤の使用量が少ないと効果が得られない場合があり、粉体急結剤の使用量が多くても、その添加効果が得られない場合がある。
急結剤が添加された急結性セメントコンクリートは、輸送管内を圧縮空気の膨張とその流れにより粉体急結剤と混合されながら圧送され、ノズルより排出され、吹付け面である地山等へ吹付けられる。
本発明においては、ノズルまで急結性セメントコンクリートを空気輸送する圧縮空気の総量は、大気圧換算値で5〜30m/分が好ましく、10〜20m/分がより好ましい。圧縮空気の総量が少ないと空気量が不足し、吹付け面に対する急結性セメントコンクリートの圧密が不足し、強度発現性が得にくい場合があり、また、急結性セメントコンクリートの圧送性が悪く、配管内で急結性セメントコンクリートが閉塞する場合がある。圧縮空気の総量が多いと圧送空気量が過剰なため、粉じん量が多くなる場合がある。
本発明においては、セメントコンクリートの吹付け圧力は0.2〜0.5MPaが好ましい。 急結剤を圧送する圧送空気の圧力は、急結剤がセメントコンクリートの合流管内や輸送管内に混入した時に閉塞しない点で、セメントコンクリートの圧送圧力より0.01〜0.3MPa程度大きいことが好ましい。
吹付け設備は吹付けが十分に行われれば、特に限定されるものではなく、例えば、吹付けセメントコンクリートの圧送にはシンテック社商品名「MKW−25SMT」等が、本急結剤の圧送には急結剤圧送装置「ナトムクリート」等が、それぞれ使用可能である。
本発明によれば、粉じん防止効果が向上し、また、急結剤とセメントコンクリートの混合性が向上するという効果を奏する。吹付け時の閉塞によるトラブルを低減するといった効果を奏する。
以下、実験例により本発明を詳細に説明する。
実験例1
PAOイ100質量部と表1に示す質量部の無機微粉末を混合した粉じん防止剤を調製し、吸湿量、3日後の粉体状態、排出状態を評価した。結果を表1に併記した。
<使用材料>
PAOイ:ポリエチレンオキサイド、重量平均分子量200万、市販品
無機微粉末イ:タルク、平均粒径10μm、市販品
無機微粉末ロ:パイロフィライト、平均粒径12μm、市販品
無機微粉末ハ:石膏、無水石膏、平均粒径15μm、市販品
<評価方法>
吸湿量:粉じん防止剤100gをバットに入れて、温度35℃、相対湿度90質量%の恒温恒湿室で所定の期間放置した。吸湿量は、恒温恒湿室に入れる前の質量を測定した後、3日後の質量を測定し、増量した質量を恒温恒湿室に入れる前の質量で割り、百分率して算出した。
3日後の粉体状態:粉じん防止剤100gをバットに入れて、温度35℃、相対湿度90質量%の恒温恒湿室で3日間放置し、その後の粉体状態を評価した。粉体状態であって流動性がある場合を○、玉状であって少し団子状態である場合を△、ブロック状態であって団子状態である場合を×とした。
排出状態:高さ40cm、幅30cm、長さ40cm、角度60度のホッパーの下部にスクリューフィーダを付けた添加装置に、ホッパー容量の8割の容量の粉じん防止剤を投入し、連続して排出した後、ホッパー内の排出状態を評価した。粉じん防止剤のほぼ全量を排出した場合を○、粉じん防止剤が部分的に少量残った場合を△、粉じん防止剤がブリッジ状になり、多く残った場合×とした。
Figure 0004860586
表1の結果は以下の通りである。無機微粉末を適量使用した場合、所定期間放置しても粉じん防止剤の吸湿量が少なく、粉体状態、流動性、排出状態が良好であった。タルクやパイロフィライトといった無機微粉末を使用した場合、粉体状態、排出状態が良好であった。
実験例2
コンクリートと粉体急結剤を混合し、急結性コンクリートを調製した。コンクリートは、各材料の単位量を、セメント360kg/m、水216kg/mとし、細骨材率を表1に示す値とした。PAO100質量部と表2に示す質量部の無機微粉末イからなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して表2に示す質量部を、骨材を供給するベルトコンベアー上の細骨材(表面水率3.0質量%)の上に添加した。粉じん防止剤を添加した細骨材に、粗骨材(表面水率0.8質量%)、セメント、水を混合し、60秒間練混ぜ、コンクリートを調製した。
このコンクリートをコンクリート圧送機「MKW−25SMT」により空気圧送した。圧縮空気の総量を15m/分とし、吹付け圧力を0.4MPaとした。圧送する途中で、コンクリート中のセメント100質量部に対して、7質量部の粉体急結剤を添加した。粉体急結剤は、圧送圧力0.45MPaの条件下で、急結剤添加装置「ナトムクリート」を用いて空気圧送した。得られた急結性コンクリートの吹付けを行った。粉じん量、圧送性、仕上げ面、圧縮強度を評価した。結果を表2に併記した。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント、ブレーン比表面積値3200cm/g、比重3.15
細骨材:新潟県姫川産川砂、比重2.62
粗骨材:新潟県姫川産川砂利、表乾状態、比重2.65、最大寸法13mm
粉体急結剤:カルシウムアルミネート(C12組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネート、ブレーン比表面積6000cm/g)100質量部、石膏(無水石膏、ブレーン比表面積5500cm/g)50質量部、アルカリ金属アルミン酸塩(アルミン酸ナトリウム)20質量部、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム)25質量部を含有
PAOロ:ポリエチレンオキサイド、重量平均分子量100万、市販品
PAOハ:ポリエチレンオキサイド、重量平均分子量500万、市販品
<評価方法>
細骨材の表面水率:JIS A 1111に準拠して測定。
粗骨材の表面水率:JIS A 1110に準拠して測定。
粉じん量:吹付け10分後に吹付け場所より5mの定位置で測定。測定装置は、柴田科学社製デジタル粉じん計P−5Lを使用。
圧送性:急結性コンクリートの輸送状況を観察した。合流管や輸送管が詰まらない場合を○、詰まり気味であり急結性コンクリートが断続的に排出される場合を△、合流管や輸送管が詰まって吹付けができない場合を×とした。
仕上げ面:急結性コンクリートの仕上げ面を観察した。急結性コンクリートの厚さが均一で平滑な場合を○、急結性コンクリートの仕上げ面の一部が凹凸している場合を△、急結性コンクリートの仕上げ面の全体が凸凹している場合を×とした。
圧縮強度:1日強度は、幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠に設置したピンを、プルアウト表面から急結性コンクリートで被覆し、型枠の表面よりピンを引き抜き、その時の引き抜き強度を求め、圧縮強度=(引き抜き強度)×4/(供試体接触面積)の式から算出した。材齢28日の圧縮強度は、幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠に急結性コンクリートを吹付け、採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を20トン耐圧機で測定。
Figure 0004860586
表2の結果は以下の通りである。無機微粉末を適量使用した場合、粉じん低減効果が向上し、初期強度、長期強度が増進した。粉じん防止剤を適量使用した場合、細骨材率が適量の場合、PAOの重量平均分子量が適量の場合、粉じん低減効果、圧送性、仕上げ面が向上し、初期強度、長期強度が増進した。
実験例3
細骨材率を60体積%とし、PAOイ100質量部と無機微粉末イ100質量部からなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して0.05質量部添加し、表3に示す表面水率の細骨材を使用したこと以外は、実験例2と同様に評価した。結果を表3に併記した。
Figure 0004860586
表3の結果は以下の通りである。細骨材の表面水率が適量の場合、粉じん低減効果、圧送性、仕上げ面が向上した。
実験例4
細骨材率を60体積%とし、PAOイ100質量部と無機微粉末イ100質量部からなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して0.05質量部添加し、表4に示す表面水率の粗骨材を使用したこと以外は、実験例2と同様に評価した。結果を表4に併記した。
Figure 0004860586
表4の結果は以下の通りである。粗骨材の表面水率が適量の場合、粉じん低減効果、圧送性、仕上げ面が向上した。
実験例によれば、本発明は、以下の効果を奏する。粉じん防止剤が大気中の水分や直接骨材の表面水と接して玉状になることを防止する。粉じん防止剤の添加機のホッパーからの切り出しも容易になる。粉じん低減効果、リバウンド率低減効果、輸送性、仕上げ面が向上する。初期強度、長期強度が増進する。

Claims (13)

  1. (1)と(2)を含有してなる急結性セメントコンクリート。
    (1)(1−1)と(1−2)を含有してなるセメントコンクリート
    (1−1)セメント
    (1−2)(1−2−1)ポリエチレンオキサイド100質量部と(1−2−2)タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末10〜300質量部を含有してなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して0.01〜0.2質量部
    (2)急結剤
  2. ポリエチレンオキサイドの重量平均分子量が100万〜500万である請求項1記載の急結性セメントコンクリート。
  3. タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末の粒度が45μm以下である請求項1記載の急結性セメントコンクリート。
  4. 急結剤がカルシウムアルミネートを含有してなる請求項1記載の急結性セメントコンクリート。
  5. セメントコンクリートの細骨材率が50〜80体積%である請求項1記載の急結性セメントコンクリート。
  6. セメントコンクリートの細骨材の表面水率が10質量%以下である請求項1記載の急結性セメントコンクリート。
  7. セメントコンクリートの粗骨材の表面水率が2質量%以下である請求項1記載の急結性セメントコンクリート。
  8. (1)表面水率が10質量%以下の細骨材中に、(1−2−1)ポリエチレンオキサイド100質量部と(1−2−2)タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末10〜300質量部を含有してなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して0.01〜0.2質量部を添加した後に、セメントを添加したセメントコンクリートに、(2)急結剤を添加して急結性セメントコンクリートとし、急結性セメントコンクリートを吹付けることを特徴とする吹付け方法。
  9. (1)表面水率が10質量%以下の細骨材中に、(1−2−1)ポリエチレンオキサイド100質量部と(1−2−2)タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末10〜300質量部を含有してなる粉じん防止剤を、セメント100質量部に対して0.01〜0.2質量部を添加した後に、セメントと表面水率が2質量%以下の粗骨材を添加したセメントコンクリートに、(2)急結剤を添加して急結性セメントコンクリートとし、急結性セメントコンクリートを吹き付けることを特徴とする吹付け方法。
  10. ポリエチレンオキサイドの重量平均分子量が100万〜500万であることを特徴とする請求項8又は9記載の吹付け方法。
  11. タルク及び/又はパイロフィライトからなる無機微粉末の粒度が45μm以下であることを特徴とする請求項8又は9記載の吹付け方法。
  12. 急結剤がカルシウムアルミネートを含有してなることを特徴とする請求項8又は9記載の吹付け方法。
  13. セメントコンクリートの細骨材率が50〜80体積%であることを特徴とする請求項8又は9記載の吹付け方法。
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