JP4859698B2 - 金属材表面の模様成形装置および模様成形方法 - Google Patents

金属材表面の模様成形装置および模様成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、ステンレス鋼、鉄、チタン、銅、真鍮、アルミニュウム等の各種の金属材表面の模様成形装置および模様成形方法の技術分野に属するものである。
一般に、ステンレス鋼、鉄、チタン、銅、真鍮、アルミニウム等の各種金属の量産型表面仕上げの殆んどは、表面をバフで研磨した鏡面仕上げ、表面を一方向に研磨材(ヤスリ等)で研磨したヘアーライン仕上げ、回転している研磨材で表面を研磨したバイブレーション仕上げ、圧延ロールで表面に模様を施したロールエンボス仕上げ(例えば特許文献1)が知られている。
特許第3479907号公報
ところでこのように金属材料の量産型表面仕上げは多様化しているが、一旦、表面に傷がつくと、これを補修するのは大変に難しいという問題がある。そしてロールエンボス仕上げのものにおいて傷を補修するには、同一模様の研磨ホイールを正確に位置合わせをした状態で同一力で転動させないと隣接する模様同志のあいだが不揃いになったり模様欠損部分が生じたりするだけでなく、模様の深さが変わってしまうという問題があるうえ、補修時に金属表面に研磨ホイールで模様を施すだけの力をかけるのはできないという問題もあり、補修は事実上できないものであった。
これに対し、前三者の仕上げ方法のものは補修ができるといわれているが、特殊技術を習得した熟練でないとできないという問題がある。つまり、研磨材を使用するヘアーライン仕上げとバイブレーション仕上げとは、研磨材による研磨方向を既存のものに一致させることに熟練を要して難しいという問題があり、また鏡面仕上げの場合、既存の鏡面は経時な変化をしているところもあるため、補修をしたところが異様に輝いたり、逆に輝きを失ったりしてしまうことになって同一の鏡面状態にすることが難しいだけでなく、これらの補修においては入り角のように狭くて仕上げが難しいところでは補修が事実上できないという問題がある。
これに対し、ハンマートーン仕上げがあるが、このものは1本のタガネをハンマーで打撃を与えて表面仕上げをしていくものであるため、小面積のものには適しているものの、大面積のものには時間と手間が掛かり、量産化には適していないという問題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ワーク表面に打刻模様を連続的に成形するための模様成形装置であって、該装置は、筒状のケーシング、該ケーシングに設けたホルダに抜け止めされる状態で遊嵌状に貫通する複数のニードル、前記ケーシングに移動自在に内嵌され、ニードルを連続的に打撃する打撃体を備え、ニードル先端をワーク表面に押付けた状態で前記連続的に打撃されるニードル先端によってワーク表面に打刻模様を成形する打刻模様成形手段と、該打刻模様成形手段をワークに対して傾斜する偏芯軸を支軸として旋回させる旋回手段とを備えて構成されていることを特徴とする金属表面の模様成形装置である。
請求項2の発明は、模様成形装置には、ワークを所定方向に移動させるワーク移動手段と、打刻模様成形手段をワーク移動方向と交差する方向に移動させる打刻模様成形手段の移動手段とがさらに設けられることを特徴とする請求項1記載の金属表面の模様成形装置である。
請求項3の発明は、金属材から構成されるワーク表面に打刻模様を連続的に成形するための模様成形方法であって、該方法は、筒状のケーシング、該ケーシングに設けたホルダに抜け止めされる状態で遊嵌状に貫通する複数のニードル、前記ケーシングに移動自在に内嵌され、ニードルを連続的に打撃する打撃体を備え、ニードル先端をワーク表面に押付けた状態で前記連続的に打撃されるニードル先端によってワーク表面に打刻模様を成形する打刻模様成形手段と、ワークを所定方向に移動させるワーク移動手段と、前記打刻模様成形手段をワーク表面に対して傾斜する偏芯軸を支軸として旋回移動させる移動手段とを備え、ワーク表面に押付け状態で当接されたニードルの傾斜方向を旋回移動により変化させるようにしたことを特徴とする金属表面の模様成形方法である。
請求項1または3の発明とすることで、ワーク表面に施す打刻模様について変化性を持たせたものを連続的に成形できることになって生産性が向上する。
請求項2の発明とすることで、変化性がある打刻模様を幅広に形成できることになる。
本発明を実施するにあたり、打刻模様を刻設するワークとしては金属であり、このような金属としては、ステンレス、鉄、チタン、銅、真鍮、アルミニウム等の各種の金属を対象とすることができ、製品としては、鋼板、鋼管、帯鋼、C型鋼、H型鋼等の各種の鋼材、さらにはドア、建具、内外装パネル、天井パネル、屋根パネル、幕板、手摺り、ドアハンドル、蝶番、錠等の各種の建材および建築構築材料、またさらには、メイルボックス、銘板、ネームプレート、什器、流し台、風呂桶等の金属製品、家電製品、金属製食器、文具、バス・電車あるいは客船等の化粧パネルや手摺りに実施することができる。そしてこれらワークに打刻模様を施す場合、全体に設けることは勿論、部分的に設けることもできる。また、打刻模様を施す模様成形装置は、駆動源を圧縮空気としたものや電動モータとしたものを採用することができる。
次ぎに、本発明の実施の形態について具体的に図面に基づいて説明する。図中、1は据置き(卓上であってもよい)タイプ(連続成形タイプ)の模様成形装置であって、該模様成形装置1は、基板2の一側に立設される基台3に設けた案内レール4を備えて構成されている。案内レール4は、ブラケット5を後述するように左右方向(この方向は本実施の形態を説明するため便宜状に定義するものであって、左右方向に限定されるものでないことは言うまでもない。後述する上下、前後の方向についても同じである)に案内移動するものである。そしてこのブラケット5に後述する打刻模様形成手段6が設けられているが、案内レール4は、後述する駆動軸17ともども基台3に上下動自在に設けた昇降台3aに取付けられ、これによって打刻模様形成手段6は、後述するように打刻模様を刻設するためのチップ先端(チップがないものにおいてはニードル先端)がワークWの上方に待機していて打刻模様を刻設できない待機姿勢と、下方に移動してワークWに打刻模様を刻設することができる動作姿勢とに上下移動できるようになっている。
前記打刻模様形成手段6の構成部材であるケーシング6aには、上側からピストン8、ハンマー9、ホルダ10が順次配されているが、ピストン8およびハンマー9はケーシング6a内を上下移動自在に、ホルダ10はケーシング6aの下端部に螺子嵌めすることで着脱自在な状態で一体的に取り付けられている。ホルダ10は有天円筒状に形成され、天井部10aには下半部が小径で上半部が大径になった貫通孔10bが複数穿設され、該貫通孔10bに、頭部11a付きのニードル11が遊嵌状に貫通支持されている。つまりニードル11は、長棒状のニードル本体11bが貫通孔10bの小径部位よりも小径になっていて該小径部位に遊嵌状に貫通するが、頭部11aは貫通孔10bの大径部位よりも小径であるが、小径部位よりは大径になっていて貫通孔10bから抜け止めされるようになっている。尚、ニードル11は本実施の形態では鋼材を用いて構成されたニードル本体11bだけでも良いが、効果的な打刻模様の形成とニードルの長寿命化のためには、該ニードル本体11bの先端部(下端部)にチップ12を設けて構成することが好ましく、この場合に、該チップ12は焼結体からなる超硬合金のようにニードル本体11aよりも硬い素材を採用することが好ましい。
ニードル本体11aの先端部(下端部)11cにはチップ12が取付けられるが、該チップ12は焼結体からなる超硬合金のようにニードル本体11aよりも硬い素材を採用することが好ましい。そしてチップ12とニードル本体11aとの取付けは、図4(A)に示すように螺子嵌合により取付けることができる。つまりこのものは、チップ12の上端面側から有底状の取付け孔12aを形成するが、該取付け孔12aの内周面全体をメネジ12bとし、ニードル本体先端部11cに形成したオネジ11dを取付け孔12a入り口部位までか、少しはみ出る状態で螺合するようにしたもので、このようにした場合には、後述するランダムな打刻作業時に取付け孔12aの入り口部位のオネジ(螺子溝)に打刻負荷が集中して働き、これによってニードル本体11aが曲がったり折れたりしやすく、寿命が短いものとなるが、それまでのあいだは打刻模様を形成することはできる。
そこで寿命を長くするため、次のような形態にすることで実施することができる。まず、図4(B)に示す実施の形態のものは、チップ12の上端面側から有底状の取付け孔12aを形成するが、該孔底面12cを上端側ほど先鋭になった錐形状の突起形状とし、そしてニードル本体先端部11cを孔底面12cに突当てた状態で両者を軸方向からプレス(加圧)することで、ニードル本体先端部11cは突起12cによって外径方向に押し広げられることになってその外周面が取付け孔12aの内周面に圧接し、これによってチップ12は抜け止め状態で取付けられて一体化されることになり、このようにすることで、長寿命化を図ることができる。尚、図面では、ニードル本体先端が押し広げられた状態を判りやすくするためニードル本体の太さを取付け孔12aの内径よりも小さくて隙間があるものになっているが、実際には軽圧入する程度の寸法に設定して隙間がないものであることが好ましい(後述する図5(C)の実施の形態のものも同様)。
さらにまた図4(C)に示す実施の形態のものは、取付け孔12aに形成されるメネジ12dを、取付け孔12aの入り口位置よりも下側までとして、取付け孔12aの入り口から少し下位置まではメネジのない円筒面12e形状にする一方、ニードル本体先端部11cについてはメネジ12dと円筒面12eに対応させたオネジ11e、円柱面11fとして両者11、12を螺子結合して取り付けたものであり、このようにしたものでは、オネジ11eの上端が取付け孔12の入り口位置になく、孔内部に位置するため、打刻時の負荷を受けてオネジ11eが曲がったりしてしまうことを回避でき、長寿命化が図れることになる。
またさらに図5(A)に示す実施の形態のものは、チップ12を上下二分割したものであって、下側チップ12fについては前記図4(A)に示すもののように取付け孔12gの入り口までメネジ12hが形成されたものとして加工性を維持しておく一方、上側チップ12iについては下半部にネメジ12jが形成され、上半部については円筒面12kが形成されたものとして貫通出口端までメネジを形成して加工性を維持したものとし、そして前記図4(C)で用いたと同様のニードル本体11aを用い、上側チップ12iをニードル本体先端部11cに貫通状に螺合取付した状態で下側チップ12fをニードル本体先端部11cの貫通部に螺合取付したもので、このようにすることで、加工性(生産性)の向上と共に螺子取付けによる簡単な取付ができながら、ニードル11の長寿命化が図れたものとなるが、これらの取付け構成は、必要において適宜のものを採用できることはいうまでもない。
さらに次のようにしてもチップ12をニードル本体先端部に取り付けることができる。つまり図5(B)に示すものは、チップ12に有底状の取付け孔12l(本実施の形態では円筒孔)を穿設したものとし、該筒孔12lに変形促進材として球材12mを充填しておき、この状態でニードル本体先端部11cを取付け孔12lに嵌入して先端を球材12mに押し当てた状態でニードル本体11aとチップ12とを軸方向からプレス(加圧)することで、ニードル本体先端部11cは球材12mによって外径方向に押し広げられることになってその外周面が取付け孔12lの底部内周面に圧接し、これによってチップ12は抜け止め状態で取付けられて一体化されることになり、このようにすることで、長寿命化を図ることができる。そしてこのようにすることで、チップ12の加工が容易となる。この場合において、変形促進材はニードル本体先端部を押し広げる機能を有していればよく、このため形状としては球体に限定されることなく、半球体、多角形体、錘体等、適宜のものを用いることができる。
また図5(C)に示すものは、ニードル本体11aとチップ12とを同径にしたものであって、チップ12側に取付け孔12lが形成されたものとする一方、ニードル本体11aについては先端部を、取付け孔12lに嵌入するべく細径にした取付け部11gが突出形成されたものでる。そして取付け孔12n内に変形促進材12mを充填した状態で前記取付け部11gを挿入し、図5(B)の場合と同様、ニードル本体11aとチップ12とを軸方向からプレス(加圧)すればよく、このようにした場合、前者のものは取付け部11gが押し広げられる方向の変形をして抜け止めがなされる方向の変形をして抜け止めがなされがることになってその外周面が取付け孔12lの底部内周面に圧接し、これによってチップ12は抜け止め状態で取付けられて一体化されることになり、このようにすることで、チップ12とニードル本体11aとが同径になりながら長寿命化を図ることができる。そしてこのようにした場合、チップ12はホルダ10の貫通孔10bよりも小径になるため、チップ12が消耗する等して交換が必要である場合、ホルダ10を外した状態で、該ホルダ10からニードル本体11aをチップ12と共に交換することができることになってメンテナンス性が向上する。このように交換を考慮した場合、チップ12の径がホルダ貫通孔10bの径よりも大径であると、チップ12が抜けないため、全てのチップ付きニードル11を、ホルダ10ともども交換しなければならないが、ホルダ貫通孔10bの径よりも小さい場合には、交換したいニードル11のみの交換ができることになってメンテナンス性に優れたものになる。尚、ニードル11をホルダ10に対して交換可能にするには、ニードル本体11aおよびチップ12の外径が何れも貫通孔10bよりも小径であればよいが、打刻作業時、ニードル11の先端部が必要以上に暴れることを避けるため、ニードル先端部の周囲にリング状の広がり規制部材を設けることもあり、このような場合に、ニードル本体11aとチップ12とが異径であって接合部に段差があると、該段差部が規制部材に接触してニードル本体11aが曲がったりする惧れがあり、このようなことを考慮すると、接合部に段差がないものを用いることが好ましいといえる。
因みに、チップ12とニードル本体11aとを一体化する場合に、これらの接触面、例えば図5(C)の実施の形態のものでは、チップ上面とニードル大径部下面とのあいだの接触面12pのように一部または全部を接着剤で固着してもよいことはいうまでもない。
次に、打刻模様成形手段6の作動について図2を用いて説明する。尚、図2は後述する偏芯軸のないものとして説明する。打刻模様成形手段6は、図示しない操作レバー(操作スイッチ)を操作すると、配管Pを介して圧縮空気がケーシング6a内に供給されるが、図2(A)に示すように、昇降台3aが上動した待機姿勢になっていてニードル11の下端(先端)がワークWの表面に接触していない状態では、ピストン8、ハンマー9、ニードル11が自重で下動した下端姿勢に位置しており、この状態で圧縮空気を供給しても、該圧縮空気は通気孔8a、9a、そして貫通孔10bを経由してケーシング6外に排出され(漏れ)、これによってピストン8は動くことがない。この状態から昇降台3aを下動させて動作姿勢にすると、図2(B)に示すようにニードル11の下端をワークWに押し当てた状態になり、これによってニードル11が上動し、これに伴ってハンマー9、ピストン8が上動する。この状態では、ピストン通気孔8aは閉止弁13で塞がれており、この状態で圧縮空気をケーシング6内に供給すると、ピストン通気孔8aからの空気排出が規制されるため、ピストン8は、ハンマー9、ニードル11と共に下動しようとするが、ニードル11の下端がワークWに押し当てられているため、図2(C)に示すように、ケーシング6aがブラケット4天部とのあいだに介装した弾機7の付勢力に抗して瞬間的に上動する相対移動をすることになり、そしてこのときの瞬間的な反発力が打撃力となってニードル11の下端がワークWの表面に点状の模様を打刻するようになっている。このようにケーシング6aが上動する相対移動がなされると、ピストン通気孔8aは閉止弁13による閉塞が解除されて圧縮空気は外に逃げ、これによってケーシング6は弾機7の付勢力によって下動してピストン通気孔8aが閉塞された状態(図2(B)の状態)になり、このようなケーシング6aの相対的な上下移動の繰り返しによってワークWの表面に連続的に打刻模様を刻設するようになっている。
そしてこの場合に、ニードル11は貫通孔10bに遊嵌状に貫通しているため、図2(B)(C)に示すように傾斜するものがあり、この傾斜したニードル11の頭部11aは、図2(D)に示すように傾斜していないニードル11の頭部11aよりも僅かではあるが高位置に位置し、この結果、強い打刻力を受けて深い打刻模様が形成され、このようになることでランダム模様になることが助長される。因みにこのようなことは、頭部11aの大きさ、ニードル11の傾斜角度等によって様々に変化するものであり、場合によっては垂直のものの方が高位置に位置する場合もあり、このような様々な変化があることによって打刻模様のランダム化がさらに助長される。
本実施の形態では、図1に示すように図示しない移動装置(ローラ移動や引っ張り移動等、通常知られた各種の移動手段を採用して構成できる)で矢印X方向に移動する平板状のワークWの表面に前記打刻模様を施すことになるが、ワークWが薄板であると、前述したように模様成形装置1で表面(一面)のみに打刻模様を形成した場合、ワークWは表面側の延びによって撓んでしまう(反ってしまう)ことになる。そこでこの撓み変形を矯正(解消)するため、ワークWを、模様が刻設される表面側が盛り上がり、裏面側が弧内になるよう変形させる矯正装置14が設けられている。この矯正装置14は、平薄板長尺状のワークWの長手方向(移動方向)前後二箇所の上面を従動ローラ15で支持すると共に、該従動ローラ15間に配せられ、図示しない駆動手段によって回転駆動してワークWを前記X方向に移動する駆動ローラ16を備えて構成されている。そしてワークWは、上面を従動ローラ15に支持される状態で駆動ローラ16の上面に沿うことで半円状に矯正され、前述したように駆動ローラ16の上方に配した模様成形装置1でワークWの表面に連続的な模様刻設ができるようになっている。
次に、前記打刻模様成形手段6をワークWの移動方向に交差する方向に移動するための移動手段について説明する。この移動手段を構成する駆動軸(螺軸)17が前記案内レール4と平行状に設けられており、該駆動軸17がブラケット5に螺合している。そして駆動軸17を基台3側に設けた図示しない駆動手段によって正逆回転駆動することで打刻模様成形手段6はブラケット5と共に左右方向に往復移動するように構成されている。
また次に、前記打刻模様成形手段6をワークWの表面に対して傾斜した偏芯軸を支軸として旋回させる旋回手段18について説明する。前記ブラケット5には、その上端部に支持片5aが突設され、該支持片5aにワークWの移動方向と同方向を向く横軸19aを介してウオームギア19が軸支されているが、該ウオームギア19はブラケット5に内装する図示しない駆動手段によって回転駆動する(前記駆動軸17から動力伝動してもよい)よう軸支されている。さらにブラケット5には、支持片5aの下側に位置する状態で、前記ウオームギア19に噛合するウオームホイール20を回動自在に支持するための支持プレート21が延設されている。そしてウオームギア19が回転駆動することでウオームホイール20はワークWの表面に対して直交する縦軸回りに回転するようになっている。尚、21aはウオームホイール20の浮き上がりを防止するための浮き上がり防止体、21bは支持プレート21にウオームホイール20を回転支持する軸受けである。
前記ウオームホイール20のリブ20aにはウオームホイール20の回転軸心から径方向に偏芯した位置にボス孔20bが形成され、該ボス孔20bに球面軸受け22を介して支持ロッド23が貫通支持されている。該支持ロッド23の貫通上端部はナット23aによって下側への抜け止めが規制される状態で支持されている。尚、打刻模様成形手段6を構成している前記弾機7の一端は球面軸受け22に支持されている。
一方、前記ブラケット5の下部には下側ブラケット5bが突出形成され、該下側ブラケット5bに、揺動ブラケット24がワークWの移動方向を向いた支軸24aによってワーク幅方向に揺動自在に軸支されているが、該揺動ブラケット24は、ワークWの移動方向に長い長円形状になっていて前記打刻模様成形手段6を遊嵌状に内装している。さらに揺動ブラケット24には、ワークW移動方向中央部に位置して上下方向に長い長溝(長孔であっても良い)24bが形成され、該長溝24bにケーシング6aからワークW幅方向に突出した支持ピン6bが上下方向の移動が許容される状態で内嵌している。そして前述したようにウオームギア19が回転駆動してウオームホイール20が回転した場合、ケーシング6aの天面から上方に突設した前記支持ロッド23がワーク表面に対して傾斜する偏芯軸となり、これによって打刻模様成形手段6は、球面軸受け22の中心を頂点とする円錐周面に沿った偏芯回動をするようになっている。
さらに本実施の形態では、円錐表面に沿う状態での偏芯回動を安定させかつ円滑にするため次のような配慮がなされている。つまりこのものでは、揺動ブラケット24のワーク幅方向両面板には下方に向けて延長ブラケット24cが延設され、その下端部に揺動ブラケット24と同様ワーク移動方向に長い長円状の補助ブラケット24dが設けられ、該補助ブラケット24dにケーシング6aの下部が内嵌していて前記打刻模様成形手段6の揺動ブラケット24に対するワーク幅方向の揺動を規制することになって、円錐表面に沿う方向の偏芯回動の安定化を図るように設定されている。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、前述したようにニードル11の先端をワークWに押圧状に当てがった状態で圧縮空気を供給すると共にウオームギア19を回転駆動させると、打刻模様成形手段6は、円錐表面に沿う方向の偏芯回動をしながらワークWの表面に打刻模様を刻設することになる。この結果、打刻模様成形手段6は、ニードル11およびチップ12のワークW表面に対する方向が偏芯した分、傾斜した状態で変化することになって打刻方向がさまざまに変化して打刻模様がランダムな意匠性にも優れたものになり、偏芯させないで打刻した場合のように打刻方向が規則的なものになってしまうことがない。
しかもこのものでは、打刻模様成形手段6がワークWの幅方向に移動するようになっているため、前記ランダムな打刻模様の刻設を、幅広なワークW表面に連続して施すことができる。
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものでないことは勿論であって、打刻模様成形手段6が打刻するワークとしては平面に限定されず、湾曲面や折曲面の内外面に形成することができ、またワークが幅狭である場合には打刻模様成形手段6を幅方向に移動させないものであっても実施することができる。
模様形成装置の斜視図である。 (A)はワークにニードルを押付ける前の状態を示す打刻模様成形手段の一部切欠き正面図、(B)はワークにニードルを押付けときの状態を示す打刻模様成形手段の一部切欠き正面図、(C)はケーシングが相対移動して打刻しているときの状態を示す打刻模様成形手段の一部切欠き正面図、(D)は一部のニードルが傾斜している状態のニードル頭部の拡大正面図である。 (A)ホルダの斜視図、(B)はニードルの斜視図、(C)はニードルをホルダに取付けた状態を示す斜視図である。 (A)〜(C)は、第一から第三の実施の形態を示すニードル先端部にチップを取付ける前と取付けた後の状態を示す断面図である。 (A)〜(C)は、第四から第六の実施の形態を示すニードル先端部にチップを取付ける前と取付けた後の状態を示す断面図である。 (A)は打刻模様成形手段の斜視図、(B)は打刻模様成形手段の偏芯回動の状態を示す模式図である。 打刻模様成形手段の要部を断面した拡大側面図である。 打刻模様成形手段の要部を断面した拡大正面図である。
符号の説明
1 模様形成装置
6 打刻模様成形手段
7 弾機
8 ピストン
9 ハンマー
10 ホルダ
10b 貫通孔
11 ニードル
12 チップ
23 偏芯軸

Claims (3)

  1. ワーク表面に打刻模様を連続的に成形するための模様成形装置であって、該装置は、
    筒状のケーシング、該ケーシングに設けたホルダに抜け止めされる状態で遊嵌状に貫通する複数のニードル、前記ケーシングに移動自在に内嵌され、ニードルを連続的に打撃する打撃体を備え、ニードル先端をワーク表面に押付けた状態で前記連続的に打撃されるニードル先端によってワーク表面に打刻模様を成形する打刻模様成形手段と、
    該打刻模様成形手段をワークに対して傾斜する偏芯軸を支軸として旋回させる旋回手段とを備えて構成されていることを特徴とする金属表面の模様成形装置。
  2. 模様成形装置には、ワークを所定方向に移動させるワーク移動手段と、
    打刻模様成形手段をワーク移動方向と交差する方向に移動させる打刻模様成形手段の移動手段とがさらに設けられることを特徴とする請求項1記載の金属表面の模様成形装置。
  3. 金属材から構成されるワーク表面に打刻模様を連続的に成形するための模様成形方法であって、該方法は、
    筒状のケーシング、該ケーシングに設けたホルダに抜け止めされる状態で遊嵌状に貫通する複数のニードル、前記ケーシングに移動自在に内嵌され、ニードルを連続的に打撃する打撃体を備え、ニードル先端をワーク表面に押付けた状態で前記連続的に打撃されるニードル先端によってワーク表面に打刻模様を成形する打刻模様成形手段と、
    ワークを所定方向に移動させるワーク移動手段と、
    前記打刻模様成形手段をワーク表面に対して傾斜する偏芯軸を支軸として旋回移動させる移動手段とを備え、
    ワーク表面に押付け状態で当接されたニードルの傾斜方向を旋回移動により変化させるようにしたことを特徴とする金属表面の模様成形方法。
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