JP4857628B2 - 磁気センサモジュールの検査方法 - Google Patents
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Description
一方、特許文献2には、コイルプローバを有する検査装置によりウェハ状態の磁気センサを検査する方法が開示されている。この検査方法では、磁気センサにコイルプローバの先端部分を近接させて磁気センサに磁界を印加しながら磁気センサの出力信号を測定することにより、ウェハ状態の磁気センサを検査する。
磁気センサモジュールに接触させたプローブカードを磁気センサモジュールから離間させることなく、すなわちプローブカードの磁気センサモジュールへの1回の接続で、ウェハに形成されている磁気センサモジュールのディジタル信号処理部の検査と磁気センサの検査の両方を行うことができるため、磁気センサモジュールの検査工程を簡素化でき、磁気センサモジュールの製造コストを低減することができる。
ウェハに規則的に繰り返し形成されている基準パターンを基準にしてコイルを有するプローブカードと磁気センサモジュールとを位置合わせすることにより、ダイシング後の磁気センサモジュールに付されたアライメントマークを基準にしてプローブカードとチップ状態の磁気センサモジュールとを位置合わせしたり、パッケージ封入後の磁気センサモジュールをソケットに装着してコイルと位置合わせする場合と比較して、プローブカードと磁気センサモジュールとの正確な位置合わせが可能になる。例えば基準パターンは、ウェハに形成された電子デバイスのパットや配線パターン、スクラブライン、樹脂で覆われた後に露出する端子等である。この結果、プローブカードのコイルにより正確な方向の磁界を印加しながら磁気センサを検査できるため、磁気センサの検査精度を高めることができる。尚、基準パターンは、一方向に伸びるパターンでなく、X方向とY方向の両方向に伸びるパターンであることが望ましい。また基準パターンは、長いパターンであることが望ましい。複数方向に伸びる長いパターンを基準パターンとして用いることにより、プローブカードと磁気センサモジュールとの位置合わせの精度を高めることができる。
前記磁気センサの検査時に、前記コイルへの電流供給により生じる磁界を複数の前記磁気センサモジュールの前記磁気センサに印加してもよい。
複数の磁気センサモジュールにプローブカードを一度に接触させ、コイルへの電流供給により生じる磁界を複数の磁気センサモジュールに印加することにより、プローブカードの磁気センサモジュールへの1回の接続で複数の磁気センサモジュールのディジタル信号処理部及び磁気センサの検査を行うことができる。この結果、磁気センサモジュールを検査するために必要な磁気センサモジュール当たりのプローブカードの磁気センサモジュールへの接続回数を削減できるため、磁気センサモジュール当たりの検査時間を短縮することができる。
磁気センサの補正値をプローブカードを介して磁気センサモジュールに入力するため、プローブカードの磁気センサモジュールへの1回の接続で、ディジタル信号処理部の検査と磁気センサの検査に加えて、磁気センサモジュールの記憶部に磁気センサの補正値を格納することができる。
(第一実施例)
図2は本発明の第一実施例による検査システムを示す模式図である。
本発明の第一実施例による検査システム1は、プローバ100、テスタ200等から構成され、ウェハ30に形成されている磁気センサモジュールの検査を行う。
磁気センサモジュール300は、磁気センサ302、磁気センサ304、アナログ・ディジタル変換器(以下A/D変換器という。)320、メモリ330、ディジタル信号処理部340、電源部350等から構成されている。
磁気センサ302と磁気センサ304は、外部磁界に応じたアナログ信号を出力し、それらの感度方向は互いに直交している。尚、磁気センサモジュール300は、1つの磁気センサを備えてもよいし、3つ以上の磁気センサを備えてもよい。以下、磁気センサ302と磁気センサ304の両方を示す場合は「磁気センサ」という。
記憶部としてのメモリ330は、磁気センサの補正値、温度補償値などの各種データが格納される不揮発性のメモリである。
電源部350は、端子364に印加される電圧を入力として、磁気センサモジュール300の各部に電源を供給する。以下、端子360から端子364以外の端子を含む全ての端子を示す場合は、「端子」という。
図4に示すように、プローバ100は、ウェハ30がプローブカード130に接近する方向とウェハ30がプローブカード130から離間する方向とにテストステーション220に対して相対移動する。以下、テストステーション220に対して、プローバ100のテストステージが上下方向(矢印Z参照)に昇降するものとして説明する。
プリント配線板150は、テストステーション220に固定され、テストステーション220を介してテスタ本体210と電気的に接続されている。
プローブヘッド140は、基部142と複数のプローブ144を有し、プリント配線板150に固定されている。プローブ144は、基部142の中央近傍に配置されており、基部142から突出している。磁気センサモジュール300の検査時、プローブ144の先端は磁気センサモジュール300の端子に接触する。尚、プローブ144は基部142の中央近傍からずれて配置されてもよい。
I2=aSINθ ・・・(2)
図7は、ステップS104の検査の流れを示すフローチャートである。
まず、テスタ200はオープン・ショートテストを行う(ステップS200参照)。オープン・ショートテストでは、テスタ200は、既存の検査方法により磁気センサモジュール300に開放又は短絡した配線があるか否かを検査する。既存の検査方法とは、例えば所定端子(入出力用端子以外の検査用端子を含む)に電流を供給することによりその端子間の導通を判定する方法やバンダリスキャン等の検査方法である。
具体的には例えば、ファンクションテストは以下のように行われる。検査システム1は、複数パターンの検査信号と、正常なディジタル信号処理部340にそれらの検査信号を入力した際に出力される応答信号(以下、正常時応答信号)とを上述した記憶装置に記憶させている。テスタ200はプローブカード130を介して磁気センサモジュール300の端子364に電源電圧を印加し、端子360にクロック信号を入力し、端子362に検査信号を入力する。この結果、ディジタル信号処理部340は検査信号に応じた応答信号を端子362に出力する。テスタ200はプローブカード130を介してこの応答信号を読み取る。そしてテスタ200は、ディジタル信号処理部340が出力した応答信号と正常時応答信号とを比較することにより、ディジタル信号処理部340の正常、異常を判定する。テスタ200は、記憶装置に記憶されている複数パターンの検査信号とそれに対応する正常時応答信号とを用いて、上述した一連の処理を繰り返すことにより、ディジタル信号処理部340の複数機能を検査する。尚、ステップS104の検査工程では、テスタ200は磁気センサモジュール300に合成磁界CF1を印加することなく行うことができるディジタル信号処理部340の検査を行えばよく、例示したオープン・ショートテスト、リーク電流テスト及びファンクションテストを必ずしも行う必要はない。
ステップS300からステップS302では、テスタ200は感度テストを行う。具体的には例えば、テスタ200は磁気センサに感度範囲下限の大きさの外部磁界を印加する(ステップS300参照)。より具体的には、テスタ200は、ゼロ磁場補正値を加味した電流をコイル161からコイル164に供給することにより、磁気センサに感度範囲下限の大きさの外部磁界が印加されるような合成磁界CF1を発生させる。次に、テスタ200は、プローブカード130を介して磁気センサモジュール300の応答信号を読み取り、読み取った応答信号が印加中の外部磁界に応じた応答信号であるか否かを判別することにより、磁気センサの感度を検査する。そしてテスタ200は、検査システム1の記憶装置に感度テストの検査結果を格納する(ステップS302参照)。
はじめに、テスタ200は未測定の方向の外部磁界を磁気センサモジュール300に印加する(ステップS310参照)。例えばテスタ200は、22.5度の間隔で360度の範囲の外部磁界に対する応答信号を測定する場合、0度、22.5度、45.0度、・・・、337.5度の外部磁界をこの順番で発生させる。
次に、テスタ200は、磁気センサモジュール300から応答信号が出力されたか否かを判定する(ステップS314参照)。磁気センサモジュール300からの出力があった場合、テスタ200はステップS316の検査工程に進む。磁気センサモジュール300からの出力がなかった場合、テスタ200は磁気センサモジュール300が故障しているとみなす。その場合、テスタ200は、未測定の方向の外部磁界があったとしても、磁気センサモジュール300の測定を中止する。尚、テスタ200は、磁気センサモジュール300からの出力がなくても、測定を継続してもよい。
次に、テスタ200は全方向の外部磁界に対する応答信号を測定したか否かを判断する(ステップS318参照)。未測定の方向の外部磁界があると判断した場合、テスタ200はステップS310の検査工程に戻る。全方向の外部磁界に対して測定済みであると判断した場合、テスタ200は、コイル161からコイル164への電流供給を停止することにより、合成磁界CF1を取り除く(ステップS320参照)。尚、合成磁界CF1を取り除くタイミングは、全方向の外部磁界に対する応答信号を測定した後であればいつでもよい。
ステップS108では、テスタ200は、各種テストの検査結果に応じた磁気センサの補正値を磁気センサモジュール300のメモリ330に書き込む。
ステップS110では、テスタ200は電源電流を検査する。具体的には例えば、テスタ200は所定動作時の磁気センサモジュール300の消費電流を測定する。所定動作時とは、例えば磁気センサモジュール300の未作動時、角度信号読み取り時などである。テスタ200は、測定された消費電流と正常な磁気センサモジュール300の消費電流とを比較することにより、電源電流の正常、異常を判定する。
ステップS112では、プローバ100は、プローブカード130から磁気センサモジュール300を離間させる。具体的にはプローバ100は、テストステージを降下させることにより、磁気センサモジュール300の端子360から端子364からプローブカード130のプローブ144を離間させる。
また、テスタ200は、テスト毎に検査結果を判定しなくてもよい。
第二実施例による検査システムの構成要素は、プローブカードを除いて第一実施例による検査システム1の対応する構成要素と実質的に同一である。
図9は、第二実施例に係るプローブカードの平面図である。図10は、検査時のプローブカード近傍の拡大図である。
第二実施例に係るプローブカード430は、プローブヘッド440、プリント配線板450、コイル461からコイル468等から構成されている。プリント配線板450は第一実施例に係るプリント配線板150と実質的に同一である。
第二実施例の磁気センサモジュール300のウェハ検査では、プローブカード430の磁気センサモジュール300への1回の接続で複数の磁気センサモジュール300のディジタル信号処理部及び磁気センサの検査を行うことにより、磁気センサモジュール300を検査するために必要な磁気センサモジュール300当たりのプローブカード430の磁気センサモジュール300への接続回数を削減することができる。この結果、磁気センサモジュール300当たりの検査時間を短縮できるため、磁気センサモジュール300の製造コストを低減することができる。
第一実施例に係るウェハ検査では、メモリ330に磁気センサの補正値を電気的に書き込みことにより、プローブカード130の磁気センサモジュール300への1回の接続で、ディジタル信号処理部340及び磁気センサの検査とともに、磁気センサの補正値のメモリ330への書き込みを行う。しかし、磁気センサの補正値を書き込むための電気的に書き込み可能な記憶部(例えば第一実施例に係るメモリ330)を磁気センサモジュールが備えていない場合、第一実施例に係るウェハ検査の検査方法をそのまま適用することはできない。そこで第三実施例において、磁気センサの補正値を格納するための電気的に書き込み可能な記憶部を備えていない磁気センサモジュールの製造コストを低減する検査方法について説明する。
まず、プローバ100は、第一実施例に係るウェハ検査のステップS101と同様にして、ウェハ30に形成された未検査の磁気センサモジュールを、プローブカード130に位置合わせする(ステップS400参照)。
ステップS402では、プローバ100は、ウェハ30に形成された未検査の磁気センサモジュールにプローブカード130を接触させる。
ステップS408では、テスタ200は、ウェハ30に形成された全ての磁気センサモジュールを検査したか否かを判断する。未検査の磁気センサモジュールがあると判断した場合、テスタ200はステップS400の工程に戻り、未検査の磁気センサモジュールの検査を行う。全ての磁気センサモジュールの検査が終了したと判断した場合、テスタ200はステップS410の工程に進む。
尚、第三実施例に係るウェハ検査は、電気的に書き込み可能な記憶部を備えている磁気センサモジュールにも適用可能である。
Claims (4)
- ウェハに複数形成されている、磁気センサとディジタル信号処理部とを有する磁気センサモジュールのいずれかに、前記磁気センサに磁界を印加するためのコイルを有するプローブカードを接触させ、
前記プローブカードを前記磁気センサモジュールから離間させることなく、前記プローブカードを介して検査信号を前記ディジタル信号処理部に入力し前記検査信号に対する前記ディジタル信号処理部の応答信号を前記プローブカードを介して取得することにより、前記ディジタル信号処理部を検査し、前記コイルに電流を供給しながら前記プローブカードを介して前記磁気センサモジュールの応答信号を取得することにより、前記磁気センサを検査し、
前記磁気センサの検査結果に応じた前記磁気センサの補正値を前記プローブカードを介して前記磁気センサモジュールに入力することにより、前記磁気センサモジュールの記憶部に前記補正値を格納する、
磁気センサモジュールの検査方法。 - 前記ウェハに規則的に繰り返し形成されている基準パターンを基準にして、前記プローブカードを前記磁気センサモジュールに対して位置合わせする、請求項1に記載の磁気センサモジュールの検査方法。
- 複数の前記磁気センサモジュールに前記プローブカードを一度に接触させ、
前記磁気センサの検査時に、前記コイルへの電流供給により生じる磁界を複数の前記磁気センサモジュールの前記磁気センサに印加する、請求項1又は2に記載の磁気センサモジュールの検査方法。 - ウェハに複数形成されている、磁気センサとディジタル信号処理部とを有する磁気センサモジュールのいずれかに、前記磁気センサに磁界を印加するためのコイルを有するプローブカードを接触させ、
前記プローブカードを前記磁気センサモジュールから離間させることなく、前記プローブカードを介して検査信号を前記ディジタル信号処理部に入力し前記検査信号に対する前記ディジタル信号処理部の応答信号を前記プローブカードを介して取得することにより、前記ディジタル信号処理部を検査し、前記コイルに電流を供給しながら前記プローブカードを介して前記磁気センサモジュールの応答信号を取得することにより、前記磁気センサを検査し、
前記磁気センサの検査結果に応じた前記磁気センサの補正値を前記プローブカードを介して前記磁気センサモジュールに入力することにより、前記磁気センサモジュールの記憶部に前記補正値を格納する、
磁気センサモジュールの補正方法。
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