JP4725219B2 - 検査用ソケット及び磁気センサの検査方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1に記載の検査方法では、磁界発生装置と測定装置の2つの検査装置を用いるため、磁気センサの検査工程は複雑化し、検査システムは大型化する。この結果、磁気センサの製造コストが増大するという問題がある。
コイルに電流を供給することにより磁気センサに磁界を印加することができ、また磁気センサに接触している接触子を介して磁気センサの出力を検出することができる。すなわち、検査用ソケットに磁気センサを取付けるだけで、磁気センサを検査することができる。この結果、磁気センサの検査工程を簡素化でき、検査システムを小型化できるため、磁気センサの製造コストを低減することができる。
(2)前記磁気センサに磁界を方向可変に印加するための複数の前記コイルを備えてもよい。
複数のコイルに供給する電流を制御することにより磁気センサに外部磁界を方向可変に印加することができる。この結果、複数方向の外部磁界に対する磁気センサの出力を簡素な工程で検査することができる。
接触子を間に挟んだ複数組のコイルが互いに平行に配列されているため、複数組のコイルにより互いに平行な磁界を接触子近傍に発生させることができる。この結果、検査用ソケットに取付けた磁気センサに均一な外部磁界を印加することができるため、磁気センサの検査精度を高めることができる。
接触子を非磁性化することにより、コイルにより発生させた磁界で接触子が磁化されることを防止できる。
検査用ソケットに設けられたコイルに電流を供給することにより磁気センサに磁界を印加し、磁気センサの出力端子に接触させた接触子を介して磁気センサの出力信号を検出することにより、磁気センサの検査を行うことができる。検査用ソケットに磁気センサを取付けるだけで、磁気センサを検査できるため、磁気センサの検査工程を簡素化でき、検査システムを小型化することができる。
検査用ソケットに設けられた複数のコイルに供給する電流を変化させることにより磁気センサに印加する磁界の方向を変化させ、磁界の方向毎に接触子を介して前記磁気センサの出力信号を検出することにより、複数方向の外部磁界に対する磁気センサの出力を簡素な工程で検査することができる。
(第一実施例)
図2は本発明の第一実施例による検査システムを示す模式図である。
本発明の第一実施例による検査システム1は、検査用ソケット100、サブ基板200、メイン基板210、テストステーション220、テスタ本体230等から構成され、パッケージ封入後の磁気センサの検査、いわゆる出荷検査を行う。以下、検査システム1は、磁気センサが搭載された磁気センサモジュールを検査対象とするものとして説明する。しかし検査システム1の検査対象である電子デバイスは、磁気センサを少なくとも1つ有していればよい。
磁気センサモジュール300は、磁気センサ302、磁気センサ304、アナログ・ディジタル変換器(以下A/D変換器という。)320、メモリ330、ディジタル信号処理部340、電源部350等から構成されている。
磁気センサ302と磁気センサ304は、外部磁界の方向に応じたアナログ信号を出力し、それらの感度方向は互いに直交している。以下、磁気センサ302と磁気センサ304の両方を示す場合は「磁気センサ」という。
ディジタル信号処理部340は、端子361に入力されるクロック信号に同期して各種の信号処理を行う。例えばディジタル信号処理部340は、磁気センサの出力、メモリ330に格納されている補正値、温度補償値等から外部磁界の方向を示す信号(以下、角度信号という。)を生成し、端子362に角度信号を出力したり、メモリ330に各種データを書き込んだり、メモリ330から各種データを読み出す。
電源部350は、端子363に印加される電圧を入力として、磁気センサモジュール300の各部に電源電圧を供給する。以下、端子361から端子363以外の端子を含む全ての端子を示す場合は、端子360という。
検査用ソケット100は、アダプタソケット110、ソケット本体120、コイル161からコイル164(図4参照)等から構成されている。
I2=aSINθ ・・・(2)
まず、テスタ本体230は、ゼロ磁場調整を行う(ステップS100参照)。具体的にはテスタ本体230は、磁界SF1及び磁界SF2により磁気センサモジュール300に印加されているノイズ磁界を打ち消すために必要なコイルへの供給電流値(以下、ゼロ磁場補正値という。)を取得する。ここでノイズ磁界とは、地磁気や電気機器が発生させている磁界のことである。
まず、テスタ本体230はオープン・ショートテストを行う(ステップS200参照)。オープン・ショートテストでは、テスタ本体230は、既存の検査方法により磁気センサモジュール300に開放又は短絡した配線があるか否かを検査する。既存の検査方法とは、例えば所定端子360に電流を供給することによりその端子360間の導通を判定する方法やバンダリスキャン等の検査方法のことである。
具体的には例えば、ファンクションテストは以下のように行われる。検査システム1は、複数パターンの検査信号と、正常なディジタル信号処理部340にそれらの検査信号を入力した際に出力される応答信号(以下、正常時応答信号)とを上述した記憶装置に記憶させている。テスタ本体230は、検査用ソケット100の入出力端子150を介して磁気センサモジュール300の端子363に電源電圧を印加し、端子361にクロック信号を入力し、端子362に検査信号を入力する。この結果、ディジタル信号処理部340は検査信号に応じた応答信号を端子362に出力する。テスタ本体230は、検査用ソケット100の入出力端子150を介してこの応答信号を読み取る。そしてテスタ本体230は、ディジタル信号処理部340が出力した応答信号と正常時応答信号とを比較することにより、ディジタル信号処理部340の正常、異常を判定する。テスタ本体230は、記憶装置に記憶されている複数パターンの検査信号とそれに対応する正常時応答信号とを用いて、上述した一連の処理を繰り返すことにより、ディジタル信号処理部340の複数機能を検査する。
ステップS300からステップS302では、テスタ本体230は感度テストを行う。具体的には例えば、テスタ本体230は磁気センサに感度範囲下限の大きさの外部磁界を印加する(ステップS300参照)。より具体的には、テスタ本体230は、ゼロ磁場補正値を加味した電流をコイルに供給することにより、磁気センサに感度範囲下限の大きさの外部磁界が印加されるような合成磁界CF1を発生させる。次に、テスタ本体230は、検査用ソケット100の入出力端子150を介して磁気センサモジュール300の応答信号を読み取り、読み取った応答信号が印加中の外部磁界に応じた応答信号であるか否かを判別することにより、磁気センサの感度を検査する。そしてテスタ本体230は、検査システム1の記憶装置に感度テストの検査結果を格納する(ステップS302参照)。
はじめに、テスタ本体230は未測定の方向の外部磁界を磁気センサモジュール300に印加する(ステップS310参照)。例えばテスタ本体230は、22.5度の間隔で360度の範囲の外部磁界に対する応答信号を測定する場合、0度、22.5度、45.0度、・・・、337.5度の外部磁界をこの順番で発生させる。
次に、テスタ本体230は、磁気センサモジュール300から応答信号が出力されたか否かを判定する(ステップS314参照)。磁気センサモジュール300からの出力があった場合、テスタ本体230はステップS316の検査工程に進む。磁気センサモジュール300からの出力がなかった場合、テスタ本体230は磁気センサモジュール300が故障しているとみなす。その場合、テスタ本体230は、未測定の方向の外部磁界があったとしても、磁気センサモジュール300の測定を中止する。尚、テスタ本体230は、磁気センサモジュール300からの出力がなくても、測定を継続してもよい。
次に、テスタ本体230は全方向の外部磁界に対する応答信号を測定したか否かを判断する(ステップS318参照)。未測定の方向の外部磁界があると判断した場合、テスタ本体230はステップS310の検査工程に戻る。全方向の外部磁界に対して測定済みであると判断した場合、テスタ本体230は、コイルへの電流供給を停止することにより、合成磁界CF1を取り除く(ステップS320参照)。尚、合成磁界CF1を取り除くタイミングは、全方向の外部磁界に対する応答信号を測定した後であればいつでもよい。
ステップS108では、テスタ本体230は、各種テストの検査結果に応じた磁気センサの補正値を磁気センサモジュール300のメモリ330に書き込む。
ステップS110では、テスタ本体230は電源電流を検査する。具体的には例えば、テスタ本体230は所定動作時の磁気センサモジュール300の消費電流を測定する。所定動作時とは、例えば磁気センサモジュール300の未作動時、角度信号読み取り時などである。テスタ本体230は、測定された消費電流と正常な磁気センサモジュール300の消費電流とを比較することにより、電源電流の正常、異常を判定する。
ステップS112では、磁気センサモジュール300を検査用ソケット100から取り外す。
また、テスタ本体200は、テスト毎に検査結果を判定しなくてもよい。
第二実施例による検査システムの構成要素は、検査用ソケットを除いて第一実施例による検査システム1の対応する構成要素と実質的に同一である。
図10は、第二実施例に係る検査用ソケットの平面図である。
第二実施例に係る検査用ソケット400の構成要素は、コイル461から468を除き、第一実施例に係る検査用ソケット100の対応する構成要素と実質的に同一である。
コイル461とコイル462は、検査用ソケット400の入出力端子150を挟んで両側に配置され、第一実施例に係るコイル161とコイル162の接続と同様に接続されている。コイル461とコイル462は、電流供給により検査用ソケット400の入出力端子150近傍に磁界MF1を発生させる。コイル463とコイル464は、磁界MF1と同一方向の磁界MF2を入出力端子150近傍に発生するように、入出力端子150を挟んで両側に配置され接続されている。
第三実施例による検査システムの構成要素は、検査用ソケット除いて第一実施例による検査システム1の対応する構成要素と実質的に同一である。
図11は、第三実施例に係る検査用ソケットの平面図である。図12は、第三実施例に係る検査システムの検査用ソケット近傍の拡大図である。
第三実施例に係る検査用ソケット500は、第二実施例に係る検査用ソケット400の構成要素に加えて、コイル561を備える。コイル561はアダプタソケットに固定されている。コイル561に電流を供給することにより、検査用ソケット500の入出力端子150近傍にZ3方向(図12の矢印Z3参照)の磁界MF5を発生させることができる。
尚、図13に示す検査用ソケット600のように、検査ソケットは、第一実施例に係る検査用ソケット500(図5参照)の構成要素に加えて、コイル561を備えてもよい。
Claims (2)
- 蓋部を有するソケットと、前記ソケット内に配置される磁気センサの周囲において全ての軸が互いに平行な姿勢で配列されるとともに前記ソケット内に固定された複数のコイルと、前記磁気センサに接触し前記磁気センサの出力を検出するための接触子と、を備える検査用ソケットの前記ソケット内に前記磁気センサを配置するとともに前記接触子に前記磁気センサの出力端子を接触させ、
前記磁気センサを間において互いに反対側に配置された前記コイルの軸に互いに逆向きの磁界を発生させることによって、前記軸と直交するとともに前記蓋部と平行な方向の磁界を前記磁気センサに印加し、
複数組の前記コイルに供給する電流を変化させることにより前記磁界の方向を変化させ合成磁界とし、
前記接触子近傍に発生した前記合成磁界の方向毎に前記接触子を介して前記磁気センサの出力信号を検出する、
磁気センサの検査方法。 - 前記接触子および前記蓋部が非磁性化されている、請求項1に記載の磁気センサの検査方法。
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