JP4856207B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関し、特に、フラッシュEEPROM(Electrically Erasable and Programable Read Only Memory)に使用される不揮発性半導体記憶装置に関する。
一般的に、不揮発性半導体記憶装置の信頼性を低下させる要因として、IPD(Inter−Poly Dielectric)破壊の問題がある。
従来のNAND型フラッシュメモリは、データを書き込むときにメモリセルアレイの端部に形成されたダミーセルがフローティング状態になるように構成されている(特許文献1を参照)。
しかしながら、メモリセルアレイ内のメモリセルに対するデータの書込及び消去が繰り返されると、ダミーセルの電荷が増加するので、ダミーセルの閾値が低下してしまう。その結果、ダミーセルのIPDの電荷が増加するので、ダミーセルのIPD破壊が発生してしまう。
特開2008−60421号公報
本発明の目的は、ダミーセルのIPD破壊を防ぐための不揮発性半導体記憶装置を提供することである。
本発明によれば、
第1方向に延びる複数のアクティブ領域と、
前記第1方向に延びるダミーアクティブ領域と、
前記アクティブ領域上に形成されたメモリセルと、
前記ダミーアクティブ領域上に形成された第1ダミーセルと、
前記メモリセル及び前記第1ダミーセルに接続された拡散層領域と、
前記アクティブ領域に形成された第1コンタクトと、
前記ダミーアクティブ領域に形成された第2コンタクトと、を有するメモリセルアレイと、
前記メモリセルを書込状態にするための第1電圧、又は、前記メモリセルを書込禁止状態にするための第2電圧を前記第1コンタクトに印加し、前記ダミーセルの閾値を変化させるための第3電圧を前記第2コンタクトに印加する電圧印加部を有する周辺回路と、
を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置が提供される。
本発明によれば、ダミーセルのIPD破壊を防ぐことができ、ひいては、不揮発性半導体記憶装置の信頼性を改善することができる。
本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10と周辺回路20との関係を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を説明する論理回路図である。 本発明の実施形態に係るデータの消去の回数に基づく電圧制御処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るダミーセル14の閾値VDthに基づく電圧制御処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の第1変形例に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10の構造を示す平面図である。 本発明の実施形態の第2変形例に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10の構造を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構造について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10の構造を示す平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10と周辺回路20との関係を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10には、第1方向(図1のY方向)に延びる複数のアクティブ領域AAと、第1方向に延びるダミーアクティブ領域DAAと、第1方向と交差する第2方向(図1のX方向)に延びる複数のワード線WLと、第2方向に延びる拡散層領域11と、第2方向に延びる一対の選択ゲート線SGDと、が形成されている。アクティブ領域AA上には、ワード線WLと交差する領域にメモリセル12が形成されている。また、アクティブ領域AA上には、選択ゲート線SGDと交差する領域に選択ゲートトランジスタSTが形成されている。ダミーアクティブ領域DAA上には、ワード線WLと交差する領域にダミーセル14が形成されている。また、ダミーアクティブ領域DAA上には、選択ゲート線SGDと交差する領域にダミー選択ゲートトランジスタDSTが形成されている。ここで、メモリセル領域(メモリセルストリング)は、第1方向に直列接続された複数のメモリセル12と、これら複数のメモリセル12を挟むように形成された選択ゲートトランジスタSTで構成されている。また、ダミーメモリセル領域は、第1方向に直列接続された複数のダミーセル14と、これら複数のダミーセル14を挟むように形成されたダミー選択ゲートトランジスタDSTで構成されている。すなわち、ダミーセル14は、メモリセルアレイ10の端部に形成されている。各拡散層領域11は、メモリセル12及びダミーセル14に接続されている。選択ゲートトランジスタST間のアクティブ領域AAには、ビット線(図示せず)と接続される第1コンタクト16が形成されている。ダミー選択ゲートトランジスタDST間のダミーアクティブ領域DAAには、ビット線と接続される第2コンタクト18が形成されている。なお、アクティブ領域AAは、幅WAAを有し、ダミーアクティブ領域DAAは、幅WDAAを有している。
図2に示すように、本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10には、周辺回路20が接続されている。周辺回路20は、電圧印加部22と、電圧制御部24と、を備えている。
図2に示す電圧印加部22は、電圧制御部24から送信された制御信号(後述する)に基づいて動作するように構成されている。電圧印加部22は、データの書込時に、メモリセル12を書込状態にするための第1電圧V、又は、メモリセル12を書込禁止状態にするための第2電圧Vを第1コンタクト16に印加し、ダミーセル14を書戻状態にする(ダミーセル14の閾値VDthを変化させる)ための第3電圧Vを第2コンタクト18に印加するように構成されている。このとき、電圧印加部22は、第1電圧V≦第3電圧V<第2電圧V(電源電圧=Vdd)という条件を具備するように第3電圧Vの値を決定する。
図2に示す電圧制御部24は、カウンタ24a及び閾値測定部24bを備えている。カウンタ24aは、メモリセル12に対するデータの消去が行われた回数を格納するように構成されている。ここで、メモリセル12に記憶されたデータはブロック単位で一括消去される。メモリセル12に対するデータの消去が行われた回数とは、メモリセル12が配置されたブロックに対して消去が行われた回数ということができる。閾値測定部24bは、ダミーセル14の閾値VDthを測定するように構成されている。電圧制御部24は、カウンタ24aの値nが所定の値Xに達したときに、所定の第3電圧Vを第2コンタクト18に印加するための制御信号を電圧印加部22に送信するように構成されている。また、電圧制御部24は、閾値測定部24bによって測定された値VDthが所定の値Xより小さいときに、閾値測定部24bによって測定された値VDthに基づいて定められる第3電圧V(例えば、Vdd/2)を第2コンタクト18に印加するための制御信号を電圧印加部22に送信するように構成されている。
第2コンタクト18は、ポリシリコンやその他の金属を用いたダマシンプロセスによって形成される。第2コンタクト18は、第1コンタクト16と同時に形成されてもよいし、周辺回路20のコンタクトと同時に形成されてもよい。
本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を説明する論理回路図である。
図3は、ビット線BLm−1及びBLとワード線WL乃至WL31とが交差するメモリセルアレイ10の一部の領域と、ビット線DBLとワード線WL乃至WL31と、が交差するダミーセル14を示している。ビット線BLm−1及びBLは、第1コンタクト16を介して、アクティブ領域AAと接続されている。一方、ビット線DBLは、第2コンタクト18を介して、ダミーアクティブ領域DAAと接続されている。X方向に隣接するそれぞれのメモリセル12及びダミーメモリセル14のゲート電極は、共に、ワード線WLに接続されている。X方向に隣接するそれぞれの選択ゲートトランジスタST及びダミー選択ゲートトランジスタDSTのゲート電極は、共に、選択ゲート線SGDに接続されている。
ビット線BLとワード線WLとが交差する位置に形成されたメモリセル12m(WL1)が書込状態であり、ビット線BLm−1とワード線WLとが交差する位置に形成されたメモリセル12m−1(WL1)が書込禁止状態であり、ビット線BLm+1とワード線WLとが交差する位置に形成されたダミーセル14m+1(WL1)が書戻状態であるとする。また、選択されたワード線はワード線WLであるとする。このとき、アクティブ領域AAには、第1コンタクト16を介して第1電圧Vが印加されている。第1電圧Vは、例えば、0[V]である。アクティブ領域AAm−1には、第1コンタクト16を介して第2電圧Vが印加されている。第2電圧Vは、1.5乃至3.5[V]である。また、選択されたワード線WLにはVpgm(約20V)が印加され、それ以外のワード線WL、WL〜WL31にはパス電圧Vpass(約6V)が印加される。ダミーアクティブ領域DAAには、第2コンタクト18を介して第3電圧Vが印加されている。第3電圧Vは、例えば、本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の電源電圧Vddと同一の値である。
第3電圧Vは、第1電圧Vより大きいので、書戻状態のダミーセル14m+1(WL1)を含むビット線BLm+1の電位は、書戻状態のダミーセル14m+1(1)を含むビット線DBLの電位は、書込状態のメモリセル12m(1)を含むビット線BLm+1以上になる。また、書戻状態のダミーセル14m+1(1)を含むビット線DBLの電位は、書込禁止状態のメモリセル12m−1(1)を含むビット線BLm−1の電位よりも小さくなる。従って、メモリセルアレイ10内のメモリセル12に対するデータの書込及び消去が繰り返されても、書戻状態のダミーセル14m+1(1)の閾値VDthが、IPD破壊を引き起こさない値(例えば、−10[V])と電源電圧Vddとの間に含まれる。
データの消去の回数に基づいて、ダミーセル14に第3電圧Vを印加する電圧制御処理について説明する。図4は、本発明の実施形態に係るデータの消去の回数に基づく電圧制御処理の手順を示すフローチャートである。
<書込要求(S401)> 例えばメモリセルコントローラ(図示せず)から、メモリセル12にデータを書き込むための制御信号(以下、「書込要求」という)が送信される。その後、電圧制御部24が、電圧印加部22に対して、後述する書込工程(S402)において、第1電圧V及び第2電圧Vをメモリセルアレイ10に印加するための制御信号を送信する。
<書込工程(S402)> 書込工程(S402)は、メモリセル12にデータを書き込む工程である。電圧印加部22が、電圧制御部24から送信された制御信号を受け取る。電圧印加部22が、書込状態にするメモリセル12に接続されている第1コンタクト16に第1電圧Vを印加し、且つ、書込禁止状態にするメモリセル12に接続されている第1コンタクト16に第2電圧Vを印加する。このとき、選択されたワード線(以下、「選択ワード線」という)には、書込電圧Vpgm(約20V)が印加され、選択されなかったワード線(以下、「非選択ワード線」という)には、パス電圧Vpass(約6V)が印加される。ここで、パス電圧Vpassとは、メモリセル12の閾値VMthにかかわらずにメモリセル12のトランジスタがオンになる電圧である。なお、書込工程(S402)では、第2コンタクト18に第3電圧Vが印加されず、フローティング状態となっている。すなわち、書込工程(S402)では、ダミーセル14には電荷が蓄積されず、ダミーセル14の閾値VDthは上昇しない。
<消去要求(S403)> 例えばメモリセルコントローラから、メモリセル12に記憶されたデータを消去するための制御信号(以下、「消去信号」という)が送信される。その後、電圧制御部24が、電圧印加部22に対して、後述する消去工程(S404)において、ブロック単位のワード線WLに0Vを印加し、且つ、メモリセル12が配置されているウエル(図示せず)に消去電圧Veraを印加するための制御信号を送信する。
<消去工程(S404)> 消去工程(S404)は、メモリセル12に書き込まれたデータを消去する工程である。電圧印加部22が、電圧制御部24から送信された制御信号を受け取る。電圧印加部22が、メモリセル12に書き込まれたデータの消去単位であるブロック単位のワード線WLに0Vを印加し、且つ、メモリセル12が配置されているウエルに消去電圧Vera(約20V)を印加する。このワード線WLとウエルとの間の電位差により、メモリセル12に蓄えられている電荷がウエルへ放出される。この際、メモリセル12とダミーセル14のゲート電極はワード線WLを共有しているため、データが消去されるメモリセル12と同じブロックに配置されたダミーセル14に蓄積された電荷もウエルへ放出される。その結果、ダミーセル14の閾値が低下する。
<S405> カウンタ24aの値nに1を加える。すなわち、カウンタ24aの値nが、ブロック単位のデータの消去の回数を示す。
<S406> カウンタ24aの値nが所定の値Xに達した場合には(S406−YES)、書込・書戻要求(S407)に進む。すなわち、電圧制御部24が、例えばメモリセルコントローラから、メモリセル12にデータを書き込み、且つ、ダミーセル14を書き戻すための制御信号が送信されるのを待つ状態になる。一方、カウンタ24aの値nが所定の値Xに達していない場合には(S406−NO)、書込要求(S401)に戻る。すなわち、電圧制御部24が、例えばメモリセルコントローラから、メモリセル12にデータを書き込むための制御信号が送信されるのを待つ状態になる。
<書込・書戻要求(S407)> 例えばメモリセルコントローラから、書込要求及びダミーセル14を書戻状態にするための制御信号(以下、「書戻要求」という)が送信される。その後、電圧制御部24が、電圧印加部22に対して、後述する書込・書戻工程(S408)において、第1電圧V、第2電圧V、及び第3電圧Vをメモリセルアレイ10に印加するための制御信号を送信する。すなわち、書込・書戻要求(S407)では、書込要求(S401)と同様の処理に加えて、メモリセルコントローラからダミーセル14を書戻状態にするための制御信号が送信される。
<書込・書戻工程(S408)> 書込・書戻工程(S408)は、メモリセル12にデータを書き込む工程と、ダミーセル14にデータを書き戻す工程と、を同時に行う工程である。電圧印加部22が、電圧制御部24から送信された制御信号を受け取る。電圧印加部22が、書込状態にするメモリセル12に接続されている第1コンタクト16に第1電圧Vを印加し、書込禁止状態にするメモリセル12に接続されている第1コンタクト16に第2電圧Vを印加し、且つ、書戻状態にするダミーセル14に接続されている第2コンタクト18に第3電圧Vを印加する。その結果、メモリセル12とワード線WLを共有するダミーセル14に電荷が蓄積され、ダミーセル14の閾値VDthが上昇する。すなわち、消去工程(S404)でダミーセル14から放出された電荷が書込・書戻工程(S408)でダミーセル14に戻るので、ダミーセル14のIPD破壊が発生する前に、ダミーセル14の閾値VDthが増加する。その結果、ダミーセル14のIPD破壊を防止することができる。
<リセット工程(S408)> カウンタ24aの値nがリセットされる。その後、書込要求(S401)に戻る。すなわち、電圧制御部24が、例えばメモリセルコントローラから、メモリセル12にデータを書き込むための制御信号が送信されるのを待つ状態になる。
図4に示す本発明の実施形態に係るデータの消去の回数に基づく電圧制御処理では、所定回数の消去工程(S404)が行われた後に書込・書戻工程(S408)が行われる。すなわち、ダミーセル14のIPD破壊が発生するほどにダミーセル14の閾値VDthが低下した場合に、ダミーセル14の書き戻しが行われる。これは、1回の消去工程(S404)では、ダミーセル14のIPD破壊が発生するほど閾値は極端に低下しないからである。すなわち、1回の消去工程(S404)毎にダミーセル14を書き戻す必要はない。
図4に示す本発明の実施形態に係るデータの消去の回数に基づく電圧制御処理では、ダミーセル14VDthが、IPD破壊が発生する程に低下した場合に、ダミーセル14の書き戻しが行われるので、ダミーセル14の書き戻しの回数が最小限に抑えられる。すなわち、ダミーセル14のIPD破壊を防止するときに、第3電圧Vを生成するための時間及び電力、並びに、第3電圧Vが印加されることに起因するダミーセル14への書込ストレスが最小限に抑えられる。
また、図4に示す本発明の実施形態に係るデータの消去の回数に基づく電圧制御処理では、書込・書戻工程(S408)において、データを書き込むメモリセル12とワード線WLを共有するダミーセル14にデータを書き戻す工程が、メモリセル12にデータを書き込む工程と同時に行われるので、電圧制御処理における不揮発性半導体記憶装置の回路動作を高速化することができる。
ダミーセル14の閾値VDthに基づいて、ダミーセル14に第3電圧Vを印加する電圧制御処理について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るダミーセル14の閾値VDthに基づく電圧制御処理の手順を示すフローチャートである。
<書込要求(S501)> 図4に示す書込要求(S401)と同様である。
<書込工程(S502)> 図4に示す書込工程(S402)と同様である。
<閾値測定工程(S503)> 閾値測定部24bが、ダミーセル14の閾値VDthを測定する。
<S504> 閾値測定部24bによって測定されたダミーセル14の閾値VDthが、所定の値Xより小さい場合には(S504−YES)、書戻工程(S505)に進む。一方、閾値測定部24bによって測定されたダミーセル14の閾値VDthが、所定の値X以上である場合には(S504−NO)、消去要求(S511)に進む。すなわち、電圧制御部24が、例えばメモリセルコントローラから、ブロック単位でデータを消去する制御信号を待つ状態になる。
<書戻工程(S505)> 書戻工程(S505)は、ダミーセル14を書き戻す工程である。電圧印加部22が、書戻状態にするダミーセル14に接続されている第2コンタクト18に第3電圧Vを印加する。その結果、ダミーセル14に電荷が蓄積され、ダミーセル14の閾値VDthが上昇する。ただし、第1電圧V及び第2電圧Vはコンタクト16に印加されず、フローティング状態となる。すなわち、メモリセル12には電荷変動が起こらず、例えばコントローラからの指示通りにデータが書き込まれた状態が維持される。書戻工程(S505)の後は、閾値測定工程(S503)に戻る。
<消去要求(S511)> 図4に示す消去要求(S403)と同様である。
<消去工程(S512)> 図4に示す消去工程(S404)と同様である。消去工程(S512)の後は、書込要求(S501)に戻る。すなわち、電圧制御部24が、例えばメモリセルコントローラから、メモリセル12にデータを書き込むための制御信号が送信されるのを待つ状態になる。
なお、書戻工程(S505)において、第3電圧Vは、いわゆるベリファイ書き込みのように、徐々に増加するように設定されても良い。その結果、ダミーセル14の閾値VDthが、所定の値Xにより早く到達することになり、不揮発性半導体記憶装置の動作速度を向上させることができる。
図5に示すダミーセル14の閾値VDthに基づく電圧制御処理では、ダミーセル14の閾値VDthに基づいてダミーセル14を書き戻すかどうかを判断している。ここで、メモリセル12に書き込まれるデータはランダムである。従って、書込工程(S502)において、第2コンタクト18がフローティング状態になっていたとしても、メモリセル12とワード線WLを共有しているため、ダミーセル14の閾値VDthにはばらつきが生じる。そのとき、ダミーセル14のVDthを測定することにより、ダミーセル14の閾値VDthの制御精度を改善することができる。
例えば、ダミーセル14の閾値VDthが−10V以下になると、ダミーセル14のIPD破壊が発生する可能性が高くなる。すなわち、ダミーセル14の閾値VDthが所定の値(ダミーセル14のIPD破壊を引き起こす程に低い場合には、ダミーセル14をより大きく書き戻す必要がある。一方、ダミーセル14の閾値VDthがIPD破壊を引き起こす程に低くない場合には、大きく書き戻す必要はない。この場合には、ダミーセル14を大きく書き戻すことによって、かえって、ダミーセル14に過度の書込ストレスを加えてしまう。そこで、電圧制御部24は、ダミーセル14の閾値VDthがダミーセル14のIPD破壊を引き起こす程に低い(約−10Vである)場合には、第3電圧Vに0Vを印加し、ダミーセル14の閾値VDthがIPD破壊を引き起こす程に低くない(例えば、±3V程度である)場合には、第2電圧V=Vddとほぼ同じ電圧を印加するように、電圧印加部22を制御する。
また、図5に示すダミーセル14の閾値VDthに基づく電圧制御処理では、IPD破壊を引き起こす程に閾値VDthが低下しているダミーセル14のみが書き戻される。その結果、図4に示すデータの消去の回数に基づく電圧制御処理に比べて、不揮発性半導体記憶装置の消費電力が低減し、且つ、動作速度が向上する。
本発明の実施形態によれば、不揮発性半導体記憶装置は、メモリセル12を書込状態にするための第1電圧V、又は、メモリセル12を書込禁止状態にするための第2電圧Vを第1コンタクト16に印加し、ダミーセル14の閾値VDthを変化させるための第3電圧Vを第2コンタクト18に印加する電圧印加部22を有する周辺回路20を備えている。すなわち、図3に示すように、書戻状態のダミーセル14m+1(1)を含むビット線DBLの電位は、書込状態のメモリセル12m(1)を含むビット線BLm+1以上になる。また、書戻状態のダミーセル14m+1(1)を含むビット線DBLの電位は、書込禁止状態のメモリセル12m−1(1)を含むビット線BLm−1の電位よりも小さくなる。従って、メモリセルアレイ10内のメモリセル12に対するデータの書込及び消去が繰り返されても、ダミーセル14m+1(1)の電荷が必要以上に増加せず、且つ、ダミーセル14m+1(1)の閾値VDthが低下することもない。その結果、ダミーセル14m+1(1)の電荷の増加が抑えられることにより、不揮発性半導体記憶装置の信頼性を改善するとともに、ダミーセル14m+1(WL1)のIPD破壊を防止することができる。
また、本発明の実施形態によれば、電圧印加部22は、メモリセル12に対するデータの消去が所定回数行われたときに、第3電圧Vを第2コンタクト18に印加するように構成されている。すなわち、図4に示すように、電圧印加部22は、ダミーセル14を書戻状態にする必要が生じた場合に限り、第3電圧Vを第2コンタクト18に印加するように構成されている。その結果、電圧制御処理の処理効率を向上させ、且つ、ダミーセル14に対する書込ストレスを低減することができる。
また、本発明の実施形態によれば、電圧印加部22は、ダミーセル14の閾値VDthが所定の値より小さいときに、第3電圧Vを第2コンタクト18に印加するように構成されている。すなわち、図5に示すように、電圧印加部22は、ダミーセル14を書戻状態にする必要が生じたときに、第3電圧Vを第2コンタクト18に印加するように構成されている。その結果、電圧制御処理の処理効率を向上させ、且つ、ダミーセル14に対する書込ストレスを低減するとともに、ダミーセル14の閾値VDthの制御精度を向上させることができる。
本発明の実施形態の第1変形例について説明する。本発明の実施形態の第1変形例は、それぞれが異なる幅を有する複数のダミーアクティブ領域が形成されている場合の例である。図6は、本発明の実施形態の第1変形例に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10の構造を示す平面図である。なお、本発明の実施形態と同様の説明は省略する。
図6に示すように、本発明の実施形態の第1変形例に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10には、第1方向(図6のY方向)に延びる複数のアクティブ領域AAと、第1方向に延び、且つ、第1方向と交差する第2方向(図6のX方向)に所定間隔を隔てて形成された複数のダミーアクティブ領域DAA(1)及びDAA(2)と、第2方向に延びる複数のワード線WLと、第2方向に延びる拡散層領域11と、ワード線WLに隣接する一対の選択ゲート線SGDと、が形成されている。アクティブ領域AA上には、メモリセル領域にメモリセル12が形成されている。ダミーアクティブ領域DAA(1)及びDAA(2)上には、ダミーセル領域にダミーセル14(1)及び14(2)が形成されている。すなわち、ダミーセル14(1)及び14(2)は、メモリセルアレイ10の端部に形成されている。各拡散層領域11は、メモリセル12、並びに、ダミーセル14(1)及び14(2)に接続されている。アクティブ領域AAには、ビット線(図示せず)と接続される第1コンタクト16が形成されている。ダミーアクティブ領域DAA(1)及びDAA(2)には、ビット線と接続される第2コンタクト18(1)及び18(2)が形成されている。なお、アクティブ領域AAは、幅WAAを有し、ダミーアクティブ領域DAA(1)は、幅WDAA(1)を有し、ダミーアクティブ領域DAA(2)は、ダミーアクティブ領域DAA(1)より小さい幅WDAA(2)を有している。
本発明の実施形態の第1変形例に係る周辺回路20の構成は、図2に示すとおりである。本発明の実施形態の第1変形例に係る電圧印加部22は、ダミーアクティブ領域DAAの幅WDAAに基づいて、第3電圧Vを決定するように構成されている。例えば、電圧印加部22は、ダミーセル14の閾値状態に基づいて、ダミーアクティブ領域DAAの幅WDAAと比例関係にある第3電圧Vを決定する。ここで、ダミーアクティブ領域DAA(1)に接続される第2コンタクト18(1)に印可される電圧を第3電圧V3DAA(1)とし、ダミーアクティブ領域DAA(2)に接続される第2コンタクト18(2)に印可される電圧を第3電圧V3DAA(2)とする。X方向に隣接するそれぞれのメモリセル12及びダミーメモリセル14(1)及び14(2)のゲート電極は、共に、ワード線WLに接続されている。X方向に隣接するそれぞれの選択ゲートトランジスタST及びダミー選択ゲートトランジスタDSTのゲート電極は、共に、選択ゲート線SGDに接続されている。
ここで、ダミーアクティブ領域DAA(1)は、ダミーアクティブ領域DAA(2)より太い幅WDAA(1)を有しているので、ダミーセル14(2)よりもダミーセル14(1)の方がカップリング容量は低くなり、IPDにストレスがかかりやすい。そのため、ダミーメモリセル14(1)のIPDのストレス緩和するため、第3電圧V3DAA(1)を第3電圧V3DAA(2)よりも大きくする。すなわち、関係式(0≦V3DAA(2)<V3DAA(1)<V=Vdd)が成り立つ。
また、第3電圧V3DAA(1)と第3電圧V3DAA(2)とは、断面における膜の構成(トンネル絶縁膜、電荷蓄積層、IPD等)が同じであれば、比例関係にある。
本発明の実施形態に係る第1変形例によれば、ダミーアクティブ領域DAAは、第1方向と交差する第2方向に所定間隔を隔てて複数個が形成され、且つ、ダミーアクティブ領域DAAの少なくとも2つは異なる幅WDAA(1)及びWDAA(2)を有し、電圧印加部22は、ダミーアクティブ領域DAAの幅WDAAに基づいて、第3電圧Vを決定するように構成されている。すなわち、ダミーアクティブ領域DAA(1)の幅WDAA(1)は、ダミーアクティブ領域DAA(2)の幅WDAA(2)より太いので、ダミーセル14(2)よりもダミーセル14(1)の方がカップリング容量は低くなり、IPDにストレスがかかりやすい。そのため、ダミーセル14(1)のIPDに対するストレスを緩和するために、第3電圧V3DAA(1)を第3電圧V3DAA(2)よりも大きくする必要がある。その結果、複数のダミーセル14についてIPD破壊を防止し、且つ、ダミーアクティブ領域DAAの幅WDAAに応じた第3電圧Vを印加することにより、ダミーセル14(1)、14(2)に対する書込ストレスを適正に低減するとともに、ダミーセル14の閾値VDthの制御精度を向上させることができる。
本発明の実施形態の第2変形例について説明する。本発明の実施形態の第2変形例は、ダミーワード線を備える不揮発性半導体記憶装置の例である。図7は、本発明の実施形態の第2変形例に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10の構造を示す平面図である。なお、本発明の実施形態と同様の説明は省略する。
図7に示すように、本発明の実施形態の第2変形例に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ10には、第1方向(図7のY方向)に延びる複数のアクティブ領域AAと、第1方向に延びるダミーアクティブ領域DAAと、第1方向と交差する第2方向(図7のX方向)に延びる複数のワード線WLと、第2方向に延びる拡散層領域11と、第2方向に延びる一対の選択ゲート線SGDと、第2方向に延び、選択ゲート線SGD及びワード線WLに隣接するダミーワード線DWLと、が形成されている。アクティブ領域AA上には、メモリセル領域にメモリセル12が形成されている。ダミーアクティブ領域DAA上には、ダミーセル領域に第1ダミーセル14(1)が形成されている。ダミーワード線DWLとアクティブ領域AAの交差する領域に第2ダミーセル14(2)が、ダミーワード線DLとダミーアクティブ領域DAAの交差する領域に第3ダミーセル14(3)が形成されている。すなわち、第1ダミーセル14(1)及び第3ダミーセル14(3)は、メモリセルアレイ10の端部に形成されている。第2ダミーセル14(2)は、ワード線WLの端部に形成されている。各拡散層領域11は、メモリセル12及びダミーセル14に接続されている。アクティブ領域AAには、ビット線(図示せず)と接続される第1コンタクト16が形成されている。ダミーアクティブ領域DAAには、ビット線と接続される第2コンタクト18が形成されている。なお、アクティブ領域AAは、幅WAAを有し、ダミーアクティブ領域DAAは、幅WDAAを有している。
メモリセル12及び第1ダミーセル14(1)のゲート電極は、共に、ワード線WLに接続されている。また、X方向に隣接する第2ダミーセル14(2)及び第3ダミーセル14(3)のゲート電極は、共に、ダミーワード線DWLのゲート電極に接続されている。
本発明の実施形態の第2変形例に係る周辺回路20の構成は、図2に示すとおりである。本発明の実施形態の第2変形例に係る電圧印加部22は、メモリセル12の閾値VMthにかかわらずにパス電圧Vpassより小さい第4電圧Vを、ダミーワード線DWLに印加するように構成されている。
本発明の実施形態の第2変形例によれば、複数のダミーアクティブ領域DAAが存在しても、全てのダミーアクティブ領域DAA上に形成されたダミーセル14のIPD破壊を防止することができる。また、ダミーアクティブ領域DAAの幅に応じた第3電圧Vを印加する。その結果、ダミーセル14に対する書込ストレスを低減するとともに、ダミーセル14の閾値VDthの制御精度を向上させることができる。
また、モリセル12の閾値VMthにかかわらずに、パス電圧Vpassより小さい第4電圧Vをダミーワード線DWLに印加することにより、第2ダミーセル14(2)の閾値上昇を防ぐと共に、第3ダミーセル14(3)のIPD間に加わる電界が小さくなり、第3ダミーセル14(3)のIPD破壊を防止することができる。
上述した実施形態は、いずれも一例であって限定的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、ダミーワード線DWLが形成されている場合には、ダミーアクティブ領域DAA上のダミーセル14のみならず、ゲート電極が、ダミーワード線DWLに接続された第3ダミーセル14(3)のIPD破壊を防止することができる。
10 メモリセルアレイ
12 メモリセル
14 ダミーセル
16 第1コンタクト
18 第2コンタクト
20 周辺回路
22 電圧印加部
24 電圧制御部
24a カウンタ
24b 閾値測定部
AA アクティブ領域
DAA ダミーアクティブ領域
WL ワード線
DWL ダミーワード線
SGD 選択ゲート線

Claims (4)

  1. 第1方向に延びる複数のアクティブ領域と、
    前記第1方向に延びるダミーアクティブ領域と、
    前記アクティブ領域上に形成されたメモリセルと、
    前記ダミーアクティブ領域上に形成された第1ダミーセルと、
    前記メモリセル及び前記第1ダミーセルに接続された拡散層領域と、
    前記アクティブ領域に形成された第1コンタクトと、
    前記ダミーアクティブ領域に形成された第2コンタクトと、を有するメモリセルアレイと、
    前記メモリセルを書込状態にするための第1電圧、又は、前記メモリセルを書込禁止状態にするための第2電圧を前記第1コンタクトに印加し、前記ダミーセルの閾値を書き戻すための第3電圧を前記第2コンタクトに印加し、前記メモリセルに対するデータの消去が所定回数行われたときに、前記第3電圧を前記第2コンタクトに印加する電圧印加部を有する周辺回路と、
    を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 第1方向に延びる複数のアクティブ領域と、
    前記第1方向に延びるダミーアクティブ領域と、
    前記アクティブ領域上に形成されたメモリセルと、
    前記ダミーアクティブ領域上に形成された第1ダミーセルと、
    前記メモリセル及び前記第1ダミーセルに接続された拡散層領域と、
    前記アクティブ領域に形成された第1コンタクトと、
    前記ダミーアクティブ領域に形成された第2コンタクトと、を有するメモリセルアレイと、
    前記メモリセルを書込状態にするための第1電圧、又は、前記メモリセルを書込禁止状態にするための第2電圧を前記第1コンタクトに印加し、前記ダミーセルの閾値を書き戻すための第3電圧を前記第2コンタクトに印加する電圧印加部と、前記第1ダミーセルの閾値を測定する閾値測定部と、を有する周辺回路と、を備え
    前記電圧印加部は、前記閾値測定部の測定結果が所定の値より小さいときに、前記第3電圧を前記第2コンタクトに印加することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記ダミーアクティブ領域は、前記第1方向と交差する第2方向に所定間隔を隔てて複数個が形成され、且つ、前記ダミーアクティブ領域の少なくとも2つは異なる幅を有し、 前記電圧印加部は、前記ダミーアクティブ領域の幅に基づいて、前記第3電圧を決定する請求項1又は2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記アクティブ領域上に形成された第2ダミーセルをさらに有し、
    前記第2方向に延びるワード線と、
    前記第2方向に延び、前記ワード線に隣接するダミーワード線と、をさらに備え、
    前記第2方向に隣接する前記第1ダミーセルと前記第2ダミーセルのゲート電極は、共に、前記ダミーワード線に接続され、
    前記電圧印加部は、前記メモリセルの閾値にかかわらずに前記メモリセルのトランジスタがオンになるパス電圧より小さい第4電圧を、前記ダミーワード線に印加する請求項1乃至の何れか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
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