JP4856071B2 - 20(S)−ジンセノサイドRh2の合成方法 - Google Patents
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Description
サポニン−グルコシダーゼまたは−アラビノシダーゼなどのサポニン酵素を採用し、トチバニンジン属のすべての種類のニンジンのジンセノサイドに対し、加水分解処理を行い、サポニン分子のアグリコン部の糖鎖を加水分解することにより、Rh2を得る。
a.中国特許:CN1091448C、2002年
プロトパナキサジオール系サポニンの水溶液をアルカリ金属低級アルコラートまたは金属水酸化物のアルコール溶液と混合し、若しくはプロトパナキサジオール系サポニンの低級アルコール溶液とアルカリ金属アルコラートの低級アルコール溶液を混合し、高温、高圧の下で反応させた後、低級アルコールを用いて抽出し、さらに低圧シリカゲルカラムクロマトグラフィーで純化し、溶出物を収集し、メチルアルコール/水から再結晶し、20(S)−ジンセノサイドRh2を得る。
a.日本特許:特開平8−208688、1996年
この方法の合成プロセスの流れは6工程あり、かつグリコシル化反応において当量の炭酸銀を触媒として使用しており、価格の高さから、この方法のコストを比較的高くしており、かつ該触媒の反応生成物の立体選択性は良好ではない。そのため、コストと収率の2つの面から考慮し、大規模な生産には不利である。
プロトパナキサジオールとアセトブロモグルコースを、酸化銀の作用の下で縮合し、20(S)−ジンセノサイドRh2を製造する。
2、有機溶剤の不活性ガスの保護の下、構造式を
プロトパナキサジオール(A1)[中国発明特許(特許番号:200410018038.8)の方法により製造]40g(0.087モル)をピリジン(600ml)に溶かし、0℃の下で塩化ベンゾイル44.51g(0.261モル)を加え、25℃で攪拌し、1晩置き、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させ、メチルアルコールを添加して反応を終らせ、濃縮後、酢酸エチルを用いて溶解し、さらに飽和NaCl水液で中性になるまで洗い、乾燥させる。濾過後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー[勾配溶出:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は6:1から3:1まで]で純化し、化合物(A2−1)41.07gを得る。収率は84.3%、HPLC測定純度は93.63%である。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ7.99−7.37(m,5H),5.2(m,1H),5.13(t,1H),3.9(dd,1H),3.15(m,1H),2.0(m,2H),1.96−1.47(m,16H),1.44−1.24(m,8H),1.16−1.11(m,12H)
プロトパナキサジオール(A1)[中国発明特許(特許番号:200410018038.8)の方法により製造]40g(0.087モル)をピリジン(600ml)に溶かし、0℃の下でMBzCl59.35g(0.348モル)を加え、20℃で攪拌し、1晩置き、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させ、メチルアルコールを添加して反応を終らせ、濃縮後、酢酸エチルを用いて溶解し、さらに飽和NaCl水液で中性になるまで洗い、乾燥させる。濾過後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー[勾配溶出:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は8:1から3:1まで]で純化し、化合物(A2−2)44.6gを得る。収率は88.6%、HPLC測定純度は92.26%である。
1H NMR300 MHz,CDCl3):δ8.1−7.86(m,4H),6.85(m,4H),5.13(t,1H),3.84(t,6H),3.2(s,1H),2.15−1.72(m,12H),1.64−1.22(m,14H),1.05(s,4H),1.01(d,4H),0.81(s,6H), 0.78(s,2H)
プロトパナキサジオール(A1)[中国発明特許(特許番号:200410018038.8)の方法により製造]40g(0.087モル)をジクロロメタン(700ml)、トリエチルアミン(85ml)の混合溶剤に溶かし、塩化ピバロイル36.5g(0.298モル)を加え、−10〜5℃まで冷やし、1.5h反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。メチルアルコールを添加して反応を終らせ、飽和NaCl水液で洗浄し、この水液をジクロロメタンを用いて抽出し、有機相を合わせ、さらに飽和NaCl水液で中性になるまで洗い、乾燥させる。濾過後、濃縮し、化合物(A2−3)42.5gを得る。収率は89.7%、HPLC測定純度は99.48%である。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ5.28(d,1H),3.6(m,1H),3.2(s,1H),2.2−1.8(m,6H),1.72−1.38(m,14H),1.28−1.14(m,22H),1.1(s,3H),0.98−0.72(m,9H)
プロトパナキサジオール(A1)[中国発明特許(特許番号:200410018038.8)の方法により製造]40g(0.087モル)をトリクロロメタン(700ml)、トリエチルアミン(70ml)の混合溶剤に溶かし、TBSCl52.5g(0.348モル)およびイミダゾール39.7(0.58モル)を加え、20〜25℃で攪拌し、5h反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。飽和NaCl水液で洗浄し、この水液をジクロロメタンを用いて抽出し、有機相を合わせ、乾燥させる。濾過後、濃縮し、化合物(A2−4)41.2gを得る。収率は84.5%、HPLC測定純度は99.21%である。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ5.13(t,1H),3.65(m,1H),3.16(m,1H),2.15−1.72(m,6H),1.67−1.58(d,8H),1.55−1.15(m,12H),1.08(s,3H),0.96(d,6H),0.89(s,9H),0.81(s,7H),0.76(s,3H),0.08(s,6H)
プロトパナキサジオール(A1)[中国発明特許(特許番号:200410018038.8)の方法により製造]4g(0.0087モル)を85mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶かし、TBDPSCl11.96g(0.0435モル)およびイミダゾール3.97g(0.058モル)を加え、20〜25℃で攪拌し、5h反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。飽和NaCl水液で洗浄し、この水液をジクロロメタンを用いて抽出し、有機相を合わせ、乾燥させる。濾過後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー[勾配溶出:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は8:1から3:1まで]で純化し、化合物(A2−5)4.9gを得る。収率は82.3%、HPLC測定純度は99.12%である。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ7.54−7.36(m,10H),5.2(s,1H),3.2(s,1H),3.19(s,1H),1.96−1.71(m,8H),1.56−1.40(m,14H),1.31−1.21(m,9H),1.16−1.11(m,9H),0.86(t,9H)
D−グルコース(150g、0.833モル)を1650mlの無水ピリジンに溶かし、0℃の下で塩化ベンゾイル532.5g(4.575モル)を加え、室温で攪拌し、1晩置き、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させた後、それを大量の水の中に入れ、固化するまで浸し、水で洗い、乾燥させて白色の固体、即ち、化合物(B2−1)552.3gを得る。収率は94.9%、HPLC測定純度は97.21%である。その物理化学データは、文献値:Eagle,Andrew J.;et al,J.Chem.Res.,1993,10,2663−2679と合致している。(合成方法は、R.K.Ness,et al,J.Amer.Chem.Soc.,1951,296−299を参照)。
D−グルコース(50g、28ミリモル)を無水酢酸ナトリウム(25g)に溶かし、無水酢酸(350ml)を加え、150〜160℃まで加熱し、固体を溶解させ、それを冷たい水の中に入れ、固体を析出し、固体を水で洗い、エチルアルコールから再結晶し、化合物(B2−2)86gを得る。収率は79%、HPLC測定純度は98%である。その物理化学データは、文献値:Johnson,Carl R.;et al,J.Amer.Chem.Soc.1992,114(24)9414−9418と合致している。(合成方法は、Wolfrom,M.L.;Thompson,A.Methods Carbohydr.Chem.1963,2,211を参照)。
D−グルコース(1.8g、0.01モル)、4−ジメチルアミンピリジンを18mlのピリジンに溶解し、0℃の下で塩化ピバロイル9ml(0.08モル)を加え、70℃で8時間反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させ、所定の処理を行い、白色の固体、即ち、化合物(B2−3)5.53gを得る。収率は92.13%、HPLC測定純度は97.62%である。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ6.66(d,1H),5.25(t,2H),4.78(dd,1H),4.65(dd,1H),4.34(d,1H),4.09(d,1H),4.09(d,1H),1.24(5×s,45H,5C(CH3)3CO)。
(合成方法は、Bing Li,et al,Carbohydrate Research,2001,331,1−7を参照)。
D−グルコース(1.8g、0.01モル)を25mlの無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、それぞれ水素化ナトリウム(0.088g)を加え、加えた後30分攪拌してから、臭化ベンジル(0.5ml)を加え、室温の下で攪拌し、1晩置き、薄層クロマトグラフィーで検査し、メチルアルコールを加えて反応をクエンチし、カラムクロマトグラフィー[勾配溶出:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は5:1から3:1まで]で純化し、白色の固体、即ち、化合物(B2−4)5.44gを得る。収率は86.32%、HPLC測定純度は96.82%である。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ7.19(5×s,25H, 5C6H5),5.27(m,1H),4.63(d,10H),4.24(dd,1H),3.63(m,1H),3.59(m,2H),3.26(s,1H)。
a.化合物(B2−1)120g(0.146モル)を600mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶かし、室温で攪拌し、氷酢酸20.6ml(0.36モル)を加え、0℃の下でヒドラジン20.16ml(0.36モル)を加え、室温で攪拌する。薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させ、カラムクロマトグラフィー[勾配溶出:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は5:1から3:1まで]で純化し、構造式を
とする]を含む濾液を、次のグリコシル化反応に直接用いる。(合成方法は、Fukase,K.,et al,S.Chem.Express,1993,8,409を参照)。
a.化合物(B2−2)3.9g(10ミリモル)を、アンモニア飽和させたTHF/MeOH溶液(7:3)20mlに溶かし、室温で3時間攪拌する。薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させ、カラムクロマトグラフィー[勾配溶出:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は5:1から4:1まで]で純化し、構造式を
とする白色の固体3.0gを得る。収率は86.17%、HPLC測定純度は99%である。その物理化学データは、文献値:Fernandez−Lorente;Tetrahedron,2003,59(30),5715−5712と合致している。
化合物(B2−2)7.74g(19.8ミリモル)を47mlの無水ジクロロメタンに溶かし、エチルメルカプタン1.76ml(23.8ミリモル)を加え、0℃の下で無水SnCl40.35ml(2.99ミリモル)を加え、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させ、所定の後処理を行い、エチルアルコールで再結晶し、構造式を
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ5.22(t,1H),5.08(t,1H),5.03(t,1H),4.49(d,1H),4.24(dd,1H),4.13(dd,1H),3.71(ddd,1H),2.70(m,2H),2.09,2.07,2.04,2.03(4×s,12H,4CH3CO),1.28(t,3H)
(合成方法は、Contour,M.O.,et al,Carbohydr.Res.,1989,193,283を参照)。
化合物(B2−3)5.5g(9.16ミリモル)を35mlの無水ジクロロメタンに溶かし、エチルメルカプタン0.81ml(10.99ミリモル)を加え、0℃の下で無水SnCl40.16ml(1.38ミリモル)を加え、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させ、所定の後処理を行い、構造式を
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ5.25−5.23(m,2H),4.93(t 1H),4.78(t,1H),4.65(t,1H), 4.34−4.09(m,2H),2.48(dd,2H),2.48(dd,2H), 1.24(4×s,36H,4C(CH3) 3CO),1.2(m,3H)。
(1)Rをベンゾイル基とし、R´ をp−メトキシベンゾイル基とし、XをOC(NH)CCl3とする
(a)グリコシル化反応
化合物(A2−2、即ち12−p−メトキシベンゾイル−プロトパナキサジオール)3.84g(6.24ミリモル)と化合物(B3−1)約24.7g(29.95ミリモル、実施例3で得られる濾液)を75mlの無水ジクロロメタンに溶かし、4Å型分子篩26.3gと、窒素の保護の下、0.5時間攪拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル0.06ml(0.312ミリモル)を加え、0℃で攪拌し、0.5時間反応させる。反応終了後、トリエチルアミンを加え、反応をクエンチする。濾過し、濾液を濃縮した後で、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶出剤:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は6:1]で純化し、構造式を
化合物(C1−1)4.66g(0.004モル、HPLC:92.8%)を13.5mlのジクロロメタンと27mlのエチルアルコールの混合溶剤に溶かし、攪拌しながら4.32g(50%、0.04モル)のナトリウムメトキシドの10mlエチルアルコール溶液を加え、80℃で10時間反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。反応液を濃縮して白色の固体を得て、エチルアルコールと酢酸エチルの混合溶液を用いて再結晶させ、化合物(C2)2.13gを得る。収率は85.4%、HPLC測定純度は99.16%である。その物理化学データは、文献値:Chen Yingjie et al,Journal of Shengyang College of Pharmacy,1987,11(33),282−289と合致している。
1H NMR(300 MHz,C5D5N):δ0.89−1.58(24H, 18−C,19−C,21−C,26−C,27−C,28−C,29−C, 30−C×CH3),5.24(d,1H),4.83(d,1H),3.98(d,1H),3.36(dd,3H);
13CNMR(300 MHz,C5D5N):130.68,126.3,106.87,88.75,78.7,78.26,75.73,72.91,71.87,70.95,63.07,56.37,54.75,51.68,50.38,48.56,40.0,39.64,39.12,36.95, 35.85,35.14,32.03,31.32,28.13,27.07,26.82,26.81,25.76,23.0,18.43,17.64,17.02,16.75,16.32,15.82;
ESI−MS(m/z),645.3(M+Na)。
(a)グリコシル化反応
化合物(A2−2、即ち12−p−メトキシベンゾイル−プロトパナキサジオール)3.84g(6.24ミリモル)と化合物(B3−3)約6.19g(12.48ミリモル)を37.5mlの無水ジクロロメタンに溶かし、5Å分子篩19.2gと、アルゴンの保護の下、室温で0.5時間攪拌する。−20℃まで冷却し、N−ヨードコハク酸イミド固体0.28g(1.24ミリモル)を加え、トリフルオロメタンスルホン酸0.45ml(5ミリモル)を加え、10℃で攪拌し、3時間反応させる。反応終了後、Na2S2O3を加え、反応をクエンチする。濾過し、所定の後処理を行い、ジクロロメタンとメチルアルコールの混合溶剤で再結晶させ純化し、構造式を
化合物(C1−2)3.92g(3.83ミリモル)を12.8mlのテトラヒドロフランと25.6mlのエチルアルコールの混合溶剤に溶かし、攪拌しながら0.92g(96%、23ミリモル)の水酸化ナトリウムの1.3ml水溶液を加え、50℃で10時間反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。反応液を濃縮して白色の固体を得て、アセトンを用いて再結晶させ、化合物(C2)1.86gを得る。収率は77.1%、HPLC測定純度は99.43%である。その物理化学データは、実施例4(1)と合致している。
(a)グリコシル化反応
化合物(A2−2、即ち12−p−メトキシベンゾイル−プロトパナキサジオール)3.84g(6.24ミリモル)と化合物(B3−3)約3.7g(7.488ミリモル)を50mlの無水ジクロロメタンに溶かし、3Å分子篩8gと、ヘリウムの保護の下、室温で0.5時間攪拌する。−20℃まで冷却し、N−ヨードコハク酸イミド固体0.1gを加え、トリフルオロメタンスルホン酸0.222ml(2.5ミリモル)を加え、反応終了後、Na2S2O3を加え、反応をクエンチする。濾過し、所定の後処理を行い、酸化アルミニウムカラムクロマトグラフィー[勾配溶出:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は8:1から5:1まで]で純化し、構造式を
化合物(C1−3)0.92g(0.9ミリモル)を3mlのテトラヒドロフランと6mlのメチルアルコールの混合溶剤に溶かし、攪拌しながら0.584g(50%、5.4ミリモル)のナトリウムメトキシドの0.3ml水溶液を加え、50℃で18時間反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。反応液を濃縮して白色の固体を得て、エチルアルコールと酢酸エチルの混合溶液を用いて再結晶させ、化合物(C2)0.46gを得る。収率は81.2%、HPLC測定純度は99.34%である。その物理化学データは、実施例4(1)と合致している。
(a)グリコシル化反応
化合物(A2−3、即ち12−ピバロイル−プロトパナキサジオール)42.5g(0.0777モル、HPLC:99.48%)と化合物(B3−1)約83.3g(0.101モル、実施例3で得られる濾液)を850mlの無水ジクロロメタンに溶かし、4Å型分子篩80gを加え、アルゴンの保護の下、0.5時間攪拌し、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル1.43ml(0.0078モル)を加え、室温で攪拌し、0.5時間反応させる。反応終了後、トリメチルアミン1.2ml(0.0086モル)を加え、反応をクエンチする。濾過し、濾液を濃縮した後で、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶出剤:石油エーテルと酢酸エチルの体積比は6:1]で純化し、構造式を
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ8.1−7.2(m,20H, 4C6H5),5.92(t,1H),4.86(d,1H),5.53(dd,2H),5.14(s,1H),4.82(d,2H),4.48−4.67(m, 2H),3.0−3.12(dd,1H),2.32,−1.8(m,8H), 1.58−1.0(m,30H),0.98−0.72(m,9H),0.65 (d,6H)
化合物(C1−4)78.3g(0.064モル、HPLC:91.94%)を200mlのジクロロメタンと700mlのエチルアルコールの混合溶剤に溶かし、攪拌しながら21g(96%、0.504モル)の水酸化ナトリウムの45ml水溶液を加え、40℃で16時間反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。反応液を乾燥するまで濃縮して白色の固体を得て、エチルアルコールと酢酸エチルの混合溶液を用いて再結晶させ、化合物(C2)31.95gを得る。収率は80%、HPLC測定純度は99.67%である。その物理化学データは、実施例4(1)と合致している。
(a)グリコシル化反応
化合物(A2−3、即ち12−ピバロイル−プロトパナキサジオール)3.4g(6.24ミリモル)と化合物(B3−2)約3.4g(6.86ミリモル、実施例3で得られる濾液)を50mlの無水ジクロロメタンに溶かし、5Å分子篩8gと、アルゴンの保護の下、三フッ化ホウ素−エチルエーテル錯体0.08mlを加え、室温で攪拌し、1.5時間反応させる。反応終了後、トリメチルアミンを加え、反応をクエンチする。濾過し、濾液を濃縮した後で、5.9gの薄黄色の固体を得る。シリカゲルカラムクロマトグラフィー[勾配溶出:トリクロロメタンとメチルアルコールの体積比は10:1から7:1まで]で純化し、構造式を
とする白色の固体、即ち化合物(C1−5)3.98gを得る。収率は72.6%、HPLC測定純度は99.8%である。
1H NMR(300 MHz,CDCl3):δ5.21(t,1H),5.14(m,3H),4.81(dd,1H),4.48(d,1H),4.23−4.16(m,2H),3.08(m,1H),2.67−2.44(m,3H),2.12−2.02(4×s,12H,4CH3CO),1.73−1.1.54(m,15H),1.35−1.0(m,24H),0.98−0.72(m,9H),0.65(d,6H)
化合物(C1−5)0.8g(0.9ミリモル)を3mlのジクロロメタンと6mlのメチルアルコールの混合溶剤に溶かし、攪拌しながら0.449g(90%、7.2ミリモル)の水酸化カリウムの0.4ml水溶液を加え、50℃で18時間反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。反応液を濃縮して白色の固体を得て、メチルアルコールと酢酸エチルの混合溶液を用いて再結晶させ、化合物(C2)0.45gを得る。収率は80%、HPLC測定純度は99.55%である。その物理化学データは、実施例4(1)と合致している。
(a)グリコシル化反応
化合物(A2−3、即ち12−ピバロイル−プロトパナキサジオール)3.4g(6.24ミリモル)と化合物(B3−2)約2.47g(4.992ミリモル、実施例3で得られる濾液)を25mlの無水ジクロロメタンに溶かし、窒素の保護の下、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル11.4ml(0.0624ミリモル)を加え、35℃で攪拌し、4.5時間反応させる。反応終了後、トリエチルアミンを加え、反応をクエンチする。濾過し、濾液を大孔径樹脂カラムを用いて吸着させ、メチルアルコールを用いて溶出してから、シクロヘキサンを用いて溶出し、溶出液を得て、構造式を
とする白色の固体、即ち化合物(C1−6)2.84gを得る。収率は71.2%、HPLC測定純度は99.2%である。
化合物(C1−6)2.84g(3.19ミリモル)を32mlのテトラヒドロフランと64mlのメチルアルコールの混合溶剤に溶かし、攪拌しながら0.866g(56%、12.76ミリモル)の水酸化リチウムの1.1ml水溶液を加え、50℃で12時間反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。反応液を濃縮して白色の固体を得て、トリクロロメタンとアセトンの混合溶液を用いて再結晶させ、化合物(C2)1.64gを得る。収率は82.3%、HPLC測定純度は99.24%である。その物理化学データは、実施例4(1)と合致している。
(a)グリコシル化反応
化合物(A2−3、即ち12−ピバロイル−プロトパナキサジオール)5.11g(9.375ミリモル)と化合物(B3−4)約4.2g(7.5ミリモル)を40mlの無水ジクロロメタンに溶かし、ヘリウムの保護の下、室温で0.5時間攪拌する。−20℃まで冷却し、N−ヨードコハク酸イミド固体0.15gを加え、AgOTf0.964g(0.75ミリモル)のトルエン溶液(28ml)を加え、10℃で攪拌し、2.5時間反応させる。反応終了後、Na2S2O3を加え、反応をクエンチする。濾過し、所定の後処理を行い、ジクロロメタンとメチルアルコールの混合溶剤で再結晶させ純化し、構造式を
化合物(C1−2)5.9g(5.66ミリモル)を19.2mlのテトラヒドロフランと38.4mlのエチルアルコールの混合溶剤に溶かし、攪拌しながら2.12g(90%、33.96ミリモル)の水酸化カリウムの2ml水溶液を加え、55℃で12時間反応させ、薄層クロマトグラフィーで検査し、完全に反応させる。反応液を濃縮して白色の固体を得て、メチルアルコールと酢酸エチルの混合溶液を用いて再結晶させ、化合物(C2)2.9gを得る。収率は82.34%、HPLC測定純度は99.12%である。その物理化学データは、実施例4(1)と合致している。
Claims (11)
- プロトパナキサジオール(A1)を原料とし、次の(a)から(c)の工程を経て20(S)−ジンセノサイドRh2を合成する方法であって、
(a)プロトパナキサジオール(A1)を選択的に保護する工程、
即ち、構造式を
ここで、当該構造式における保護基R´は、芳香族炭化水素アシル基またはパラフィン置換の芳香族炭化水素アシル基、基全体としてC 5 〜C6 であるアルキル基置換アシル基、基全体としてC 6 〜C9 であるアルキル基置換シリル基、基全体としてC9〜C16 であるアリール基置換シリル基からなる群から選択されるものであり、
この選択的保護のための反応中の、化合物(A1)と保護基(R´)を含む反応物のモル比は、1:3.0〜5.0であり、反応温度は−10〜25℃であり、反応時間は1.5〜12時間であり、反応有機溶剤はC2〜C4の塩素化パラフィン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミドのうちの1種またはそれらの混合物であり、用量は1モルの化合物(A1)に6.5〜10リットルの有機溶剤を用いること、
(b)単置換のプロトパナキサジオール(A2)をグリコシル化する工程、
即ち、構造式を
構造式を
ルイス酸触媒と、分子篩とを、不活性ガスの保護の下、有機溶剤の中でグリコシル化反応を行い、構造式を
ここで、このグリコシル化反応において、化合物(A2)、化合物(B3)、ルイス酸触媒のモル比は、1:0.8〜5.0:0.01〜1.0であり、化合物(A2)と分子篩の重量比は1:0〜7.0であり、反応温度は−20〜40℃であり、反応時間は0.5〜4.5時間であり、反応溶剤の用量は1モルの化合物(A2)に4〜12リットルの有機溶剤を用い、反応終了時に、クエンチャーを加え、反応をクエンチし、生成物をカラムクロマトグラフィーまたは再結晶により純化し、
上記構造式のうち、R´は、芳香族炭化水素アシル基またはパラフィン置換の芳香族炭化水素アシル基、基全体としてC 5 〜C6 であるアルキル基置換アシル基、基全体としてC 6 〜C9 であるアルキル基置換シリル基、基全体としてC9〜C16 であるアリール基置換シリル基からなる群から選択されるものであり、
Rは、基全体としてC2〜C6 であるアルキル基置換アシル基、ベンゾイル基またはベンジル基であり、Xは、OC(NH)CCl3またはSEtであること、
(c)保護基を離脱させる工程、
即ち、化合物(C1)と一価アルカリ金属化合物とを極性溶剤の中で脱保護基反応を行い、20(S)−ジンセノサイドRh2(C2)を生成すること、
ここで、脱保護基反応中の、化合物(C1)と一価アルカリ金属化合物のモル比は1:4〜10とし、反応温度は40〜100℃であり、反応時間は10〜18時間であり、極性溶剤の用量は1モルの化合物(C1)に10〜30リットルの溶剤を用い、生成された生成物を、再結晶を経て純化すること、
を特徴とする20(S)−ジンセノサイドRh2の合成方法。 - 上記グリコシル化反応において用いるルイス酸触媒が、C3〜C9のハロゲン化アミド、C1〜C6のフルオロアルキルスルホン酸、C2〜C8のシリルフルオロアルキルスルホン酸エステル、C1〜C6のフルオロアルキルスルホン酸銀、三フッ化ホウ素−エチルエーテル錯体またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記グリコシル化反応における上記不活性保護ガスが、窒素、アルゴンまたはヘリウムであることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記グリコシル化反応における上記有機溶剤が、C2〜C4の塩素化パラフィンまたはトルエンであることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記グリコシル化反応において加えるクエンチャーが、トリメチルアミン、トリエチルアミンまたはチオ硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記グリコシル化反応において用いる分子篩が、3Å〜5Å型のシリコアルミン酸塩分子篩またはそれらの粉末であることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記グリコシル化反応におけるカラムクロマトグラフィーで用いる充填剤が、シリカゲル、酸化アルミニウムまたは大孔径樹脂であることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記グリコシル化反応における上記カラムクロマトグラフィー純化で用いる溶出用の溶剤が、石油エーテル、ジクロロメタン、酢酸エチル、トリクロロメタン、メチルアルコールまたはシクロヘキサンのうちの1種またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記脱保護基反応における上記一価アルカリ金属化合物が、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムであることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記脱保護基反応における上記極性溶剤が、テトラヒドロフラン、メチルアルコール、ジクロロメタン、エチルアルコール、水のうちの1種またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
- 上記脱保護基反応後の再結晶純化に用いる溶剤が、トリクロロメタン、C1〜C4のアルキルアルコール、酢酸エチル、アセトン、水のうちの1種またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の合成方法。
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