JPH08208688A - ジンセノサイドRh2の製造方法 - Google Patents
ジンセノサイドRh2の製造方法Info
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Abstract
イドRh2を製造する方法を提供する。 【構成】 一般式(1): 【化1】 (式中、Aは、3αーOH、または3βーOHを示す。)
で表されるテルペンをアルミニウムトリアルコキシドの
存在下、一般式(3): 【化2】 で表されるカルボニル化合物を用いて酸化し、次いで、
無水酢酸と反応させ、12-アセチル-ケト-ベツラフォリ
エントリオールを得、次いで、水酸化ホウ酸ナトリウム
で還元し、次いで、銀酸化物、または銀塩の存在下、α
ーグルコピラノシルハライドテトラアルキレートと反応
させ、12-アセチルージンセノサイドRh2ーテトラアルキ
レートを得、次いで、アルカリ金属アルコキシドと反応
させることにより式(9): 【化3】 で表されるジンセノサイドRh2を得る製造方法。
Description
の製造法、及び中間体である3-ケト-ベツラフォリエン
トリオール、及び12-アセチル-ジンセノサイドRh2-テ
トラアルキレートの製造方法に関する。
には特有成分として、式(9)で表さ
れた抗腫瘍活性が認められており、制癌剤をはじめとす
る医薬品、香粧品原料として有効である。このジンセノ
サイドRh2を関連テルペン化合物から合成する方法と
しては、式(1a)
トリオールを原料とし、順次、式(4)、(5)、
(6)の化合物、及び、式(10)で表される12-アセ
チル−ジンセノサイドRh2−テトラアセテートを経る
5段階の合成反応で製造する方法(Chem.Nat.
Compd.,25,690(1989)参照)が知ら
れている。
フォリエントリオールの2ヶ所の2級水酸基の一方のみ
を酸化する必要があるが、酸化剤としてクロム酸を用い
てい、おり、この酸化剤では充分位置選択性が出ないた
め、両方の水酸基とも酸化された副生成物が多量に生成
するという問題がある。さらに6価のクロムは、高い毒
性を持つので、作業の安全上、なるべく使用は避けた
い。
ウ素 ナトリウムによる還元反応においては、12位の
アセチル基が脱落した成績体が副成するという問題点が
ある。
は、糖導入反応にα−グルコピラノシルブロマイドテト
ラアセテートを用いているので、この糖等価体の2’位
の保護基であるアセチル基が反応に関与した成績体であ
るオルトエステルが副成するという問題点があり、これ
らの問題点は、トータル収率を低下させる原因となって
いる。
来技術にない、安全に、又収率よくジンセノサイドRh
2を製造する方法を提供する。
な問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、一般式
(1):
ように、各段階で副生成物を抑制できる反応試薬、反応
条件を適用することにより、従来にない高いトータル収
率で、式(9)で表されるジンセノサイドRh2を製造
する方法を見い出し、本発明を完成した。
般式(1):
表されるテルペンを、芳香族系溶媒中、一般式(2): Al(OR)3 (2) (式中、R1は、炭素数1〜10の直鎖、又は分岐鎖を
有するアルキル基を示す。)で表されるアルミニウムト
リアルコキシドの存在下、一般式(3):
鎖を有するアルキル基、シクロアルキル基、アルキルア
リール基を示し、R2とR3は、同時に同じであっても異
なっていてもよい。またR2とR3は、カルボニル基と環
を構成する要素であってよい。)で表されるカルボニル
化合物を用いて、酸化して、式(4):
る。
の3-ケトーベツラフォリエントリオールを、ピリジン
中、無水酢酸と反応させて、式(5):
オールを得る。
の12-アセチル-3-ケト-ベツラフォリエントリオールを
含水テトラヒドロフラン中、水素化ホウ素ナトリウムで
還元して、式(6):
る。
の12-アセチループロトパナクサジオールを、非プロトン
系溶媒中、銀化合物の存在下、一般式(7):
有するアルキル基を示す。Xは、Cl、Br又はIを示
す。)で表されるα−グルコピラノシルハライドテトラ
アルキレートと反応させ、一般式(8):
表される12-アセチル-ジンセノサイドRh2-テトラアル
キレートを得る。
の12-アセチル-ジンセノサイドRh2-テトラアルキレー
トをアルコール中、アルカリ金属アルコキシドで処理す
ることを特徴とする、式(9)で表されるジンセノサイ
ドRh2を得る製造方法である。
は、シラカバの葉部等に含有される式(1a)で示され
るベツラフォリエントリオール、または、オタネニンジ
ン等に含有される式(1b)で示されるプロトパナクサ
ジオールが挙げられる。
の製法は、生薬,Vol.18,P.27(1964)
に、また、式(1b)の化合物の製法は、Chem.P
harm.Bull.,Vol.20、P.1212
(1972)に記載されている。
香族溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、等が
挙げられる。
アルコキシドのR1は 、炭素数1〜10の直鎖、又は分
岐鎖を有するアルキル基を示す。例を挙げると、アルミ
ニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ-t-ブ
トキシド等が挙げられる。
化合物のR2、R3は、炭素数2〜10の直鎖、又は分岐
鎖を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アル
キルアリール基を示し、R2とR3は、同時に同じであっ
てもよい。また、R2とR3は、カルボニル基と環を構成
する要素であってもよい。例示すると、3−ペンタノ
ン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、ベンゾフェノ
ン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシ
クロヘキサノン、9−ヘプタデカノン等を挙げることが
できる。就中、3ーペンタノン、ベンゾフェノンが好ま
しい。
120〜130℃である。この反応は、通常80%以上
の収率で行うことができ、12位まで酸化された成績体
の収率及び、原料回収率は、通常各々10%以下であ
る。これらの生成物、及び回収された原料は、ヘキサ
ン、ベンゼン、エーテル、メタノール等の混合溶媒を用
いて展開するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り相互分離できる。
られた式(4)で示される3-ケトベツラフォリエントリ
オールと無水酢酸を、ピリジン中、室温〜70℃、好ま
しくは50〜60℃で反応させ、式(5)で示される12
-アセチル-3-ケト-ベツラフォリエントリオールを得る
工程である。この反応は、通常定量的に行うことができ
る。
(5)の12-アセチル-3-ケト-ベツラフォリエントリオ
ールを含水テトラヒドロフラン中、水素化ホウ酸ナトリ
ウムで還元する工程であり、テトラヒドロフランの含水
率は、1〜50容量%が好ましい。 この反応は、通常
90%以上の収率で行うことができる。
行われ、非プロトン系溶媒としては、例えば、ジエチル
エーテル、塩化メチレン等を挙げることができる。
えば、酸化銀、炭酸銀、サリチル酸銀等を挙げることが
できる。
シルハライドテトラアルキレートの式中のR4は、炭素
数2〜10の直鎖、又は分岐鎖を有するアルキル基を示
す。具体的に例示すると、プロピル基、ブチル基、イソ
プロピル基、t-ブチル基等を挙げることができる。
は、一般に室温で行われる。
ば硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウ
ム、モレキュラーシーブス等を添加してもよい。この反
応は、通常85%以上の収率で行うことができる。
ン、エーテル、メタノール等の混合溶媒で展開するシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー、及び、水、メタノー
ル等の混合溶媒で展開する、ODS(オクタデシル基を
付加させたシリカゲル)等を用いた逆相カラムクロマト
グラフィーを併用することにより、精製することができ
る。
(8)の12-アセチル-ジンセノサイドRh2-テトラアル
キレートとアルカリ金属アルコラートを、室温〜70℃
で反応させる工程である。溶媒のアルコールとしては、
例えば、メタノール、エタノール等を挙げることができ
る。
ば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウム−t−ブトキシド等を挙げることができる。この
反応は、通常定量的に行うことができる。
る。 実施例1 a)第一工程 塩化カルシウム管で防湿下、式(1a)のベツラフォリ
エントリオール(30.0mg、65μmol)、3−ペン
タノン(280mg、3.25mmol)のトルエン(4ml)
溶液を還流しながら、アルミニウムトリイソプロポキシ
ド(26.6mg、130μmol)のトルエン(1ml)溶
液を1時間かけて滴下し、引き続き1時間還流した。放
冷後反応溶液にエーテルを加え、シリカゲルを用いてろ
過し、ろ液を留去した。得られた反応混合物は、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、26.6mg
の式(4)の3-ケト-ベツラフォリエントリオールを得
た。収率は、89%。選択率99%。融点198〜19
9℃。NMRとIRのデータを表.1に示した。
0mg、0.654mmol)のピリジン(3ml)溶液に、無
水酢酸(3.00g、29.4mmol)を加え、50℃で
5時間攪拌した。放冷後反応溶液に5%酢酸水溶液を加
え、エーテルで抽出、、5%炭酸水素ナトリウム水溶
液、食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、留去し
て、308.3mgの式(5)の12-アセチル-3-ケト-ベ
ツラフォリエントリオールを得た。収率は、94%であ
った。NMRとIRのデータを表.2に示した。
オール(227.3mg、0.454mmol)のテトラヒド
ロフラン(4.75ml)溶液に水(0.25ml)、水素
化ホウ素ナトリウム(NaBH4)(8.6mg、0.23mmo
l)を加え、室温で2時間攪拌した。放冷後反応溶液に
水を加え、エーテルで抽出、食塩水で洗浄、硫酸マグネ
シウムで乾燥後、留去した。得られた反応混合物は、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、20
5.9mgの式(6)の12-アセチル−プロトパナクサジ
オールを得た。収率は、90%であった。NMRとIR
のデータを表.3に示した。
サジオール(205.9mg、0.410mmol)の塩化メ
チレン(20ml)溶液に、α−グルコピラノシルブロマ
イドテトラピバレート(711.9mg、1.23mmo
l)、酸化銀(284.8mg、1.23mmol)、硫酸カ
ルシウム(1.00g)を加え、黒布で遮光しながら、
室温で攪拌した。4時間ごとに、酸化銀(94.9mg、
0.410mmol)、硫酸カルシウム(0.50g)を加
えることを3度繰り返し、さらに12時間攪拌した。反
応溶液をろ過し、留去して得られた反応混合物は、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー及びODS(オクタデ
シル基を付与させたシリカゲル)逆相カラムクロマトグ
ラフィーの併用により精製して365.7mgの式(1
0)の12-アセチル-ジンセノサイドRh2-テトラアセテ
ートを得た。収率89%。
アセテート(94.0mg、93.9μmol)のメタノー
ル(5ml)溶液に、ナトリウムメトキシドの28%メタ
ノール溶液(90.5mg、0.47mmol)を加え、2時
間還流した。放冷後、反応溶液に希水酸化ナトリウム水
溶液を加え、0℃で2時間、続いて室温で1日静置し
た。析出した固体を水洗しながら吸引ろ取し、70℃で
2時間乾燥した。これを70%メタノール水から再結晶
して、53.9mgの式(9)のジンセノサイドRh2の
1水和物を得た。収率89%。出発物質からのトータル
収率52%。NMRとIRのデータを表.5に示した。
ェノン(592mg、3.25mmol)を用いる以外は、実
施例1と全く同様の方法を行い、24.8mgの式(4)
の3-ケト-ベツラフォリエントリオールを得た。収率8
3%。選択率89%。引き続き第2〜5工程も実施例1
と同様に行ったところ、各々相当する収率で進行した。
プロトパナクサジオールを用いる以外は、実施例1と全
く同様の方法を行い、21.8mgの式(4)の3-ケト-
ベツラフォリエントリオールを得た。収率73%。選択
率95%。引き続き工程2〜5も実施例1と同様に行っ
たところ、各々相当する収率で進行した。
ータル収率で、式(1a)で表されるシラカンバ含有テ
ルペン、ベツラフォリエントリオール、又は式(1b)
で表されるオタネニンジン等に含まれるサポニンのサポ
ゲニン、プロトパナクサジオール等を原料として、式
(9)で表されるジンセノサイドRh2を製造すること
ができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 第一工程として、一般式(1): 【化1】 (式中、Aは、3αーOH、または3βーOHを示す。)で
表されるテルペンを、芳香族系溶媒中、一般式(2): Al(OR1)3 (2) (式中、R1は、炭素数1〜10の直鎖、又は分岐鎖を
有するアルキル基を示す。)で表されるアルミニウムト
リアルコキシドの存在下、一般式(3): 【化2】 (式中、R2、R3は、炭素数2〜10の直鎖、又は分岐
鎖を有するアルキル基、シクロアルキル基、アルキルア
リール基を示し、R2とR3は、同時に同じであっても異
なっていてもよい。またR2とR3は、カルボニル基と環
を構成する要素であってよい。)で表されるカルボニル
化合物を用いて、酸化して、式(4): 【化3】 で表される3−ケト−ベツラフォリエントリオールを得
る。第二工程として、第一工程で得た式(4)の3−ケ
ト−ベツラフォリエントリオールを、ピリジン中、無水
酢酸と反応させて、式(5): 【化4】 で表される12-アセチル-3-ケト-ベツラフォリエントリ
オールを得る。第三工程として、第二工程で得た式
(5)の12-アセチル-3-ケト-ベツラフォリエントリオ
ールを含水テトラヒドロフラン中、水素化ホウ素ナトリ
ウムで還元して、式(6): 【化5】 で表される12-アセチル−プロトパナクサジオールを得
る。第四工程として、第三工程で得た式(6)の12-ア
セチル-プロトパナクサジオールを、非プロトン系溶媒
中、銀酸化物、又は銀塩の存在下、一般式(7): 【化6】 (式中、R4は、炭素数2〜10の直鎖、又は分岐鎖を
有するアルキル基を示す。XはCl、Br又はIを示
す。)で表されるα−グルコピラノシルハライドテトラ
アルキレートと反応させ、一般式(8): 【化7】 (式中、R4は、一般式(7)で示されるR4と同じ。)
で表される12-アセチル-ジンセノサイドRh2-テトラア
ルキレートを得る。第五工程として、第四工程で得た式
(8)の12-アセチル-ジンセノサイドRh2-テトラアル
キレートをアルコール中、アルカリ金属アルコキシドで
処理することを特徴とする、式(9)で表されるジンセ
ノサイドRh2を得る製造方法。 【化8】 - 【請求項2】 一般式(1): 【化9】 (式中、Aは、3αーOH、又は、3βーOHを示す。)で
表されるテルペンを、一般式(2): Al(OR1)3 (2) (式中、R1は、炭素数1〜10の直鎖、又は分岐鎖を
有するアルキル基を示す。)で表されるアルミニウムト
リアルコキシドの存在下、一般式(3): 【化10】 (式中、R2、R3は、炭素数2〜10の直鎖、又は分岐
鎖を有するアルキル基、シクロアルキル基、アルキルア
リール基を示し、R2とR3は同時に同じであっても異な
っていてもよい。また、R2とR3は、カルボニル基と環
を構成する要素であってよい。)で表されるカルボニル
化合物を用いて、酸化して、式(4): 【化11】 で表される3−ケト−ベツラフォリエントリオールを得
る製造方法。 - 【請求項3】 式(6): 【化12】 で表される12-アセチル-プロトパナクサジオールを、非
プロトン系溶媒中、銀酸化物、又は銀塩の存在下、一般
式(7): 【化13】 (式中、R4は、炭素数2〜10の直鎖、又は分岐鎖を
有するアルキル基を示す。xは、Cl、Br又はIを示
す。)で表されるα−グルコピラノシルハライドテトラ
アルキレートと反応させ、一般式(8): 【化14】 (式中、R4は、一般式(7)で示されるR4と同じ。)
で表される12-アセチル-ジンセノサイドRh2-テトラア
ルキレートを得る製造方法。
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---|---|---|---|
JP30964494A JP3535588B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | ジンセノサイドRh2の製造方法 |
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