JP4856060B2 - 内視鏡システム - Google Patents

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Description

本発明は、挿入部側を流体供給装置へ着脱し得る内視鏡システムに関する。
内視鏡は、医療や工業などの各種分野において、管腔内等の直接目視することができない部位を観察するために広く用いられるようになっており、一般に、被検体内へ挿入するための細長の挿入部を備えて構成されている。この挿入部の先端部には、被検部位を照明するための照明手段や、この照明手段により照明された被検部位の像を結像するための対物光学系などが設けられている。そして、対物光学系の結像位置に、光学内視鏡であればイメージガイドの先端面が、電子内視鏡であればCCD等の撮像素子が、それぞれ配置されている。
上述したような各種分野の内の、特に医療用の内視鏡は、体腔内へ挿入して用いられるもであり、体液等が対物光学系に付着する場合があるために、該対物光学系へ送気や送水を行って洗浄するための送気・送水管路が設けられている。さらに、医療用の内視鏡の中には、必要に応じて各種の処置具を挿通することができる処置具チャンネルを備えているものがあり、この処置具チャンネルは、処置具を用いて切除した組織片等を吸引するための吸引チャンネルとして兼用されることがある。
このように内視鏡は、照明用の信号線や撮像素子の信号線、あるいは送気・送水管路や、吸引管路等が、挿入部内に配設されるようになっている。
ところで、近年、挿入部側を操作部側に着脱自在とし、例えば、挿入部側をディスポーザブルなものとして、使用後の洗滌の手間を省くとともに、より安全性を高めた内視鏡が提案されている。このような内視鏡には種々のタイプのものがあるが、一例を挙げれば、経肛門により大腸内へ挿入を行うようになされた内視鏡において、挿入部の外周側に、螺旋形状部を備えた軸周りに回動可能な回転筒体を設けて、該回転筒体を回転させることにより、体腔内への挿入を自動的に行うことができるようにし、該挿入部側をディスポーザブルなタイプにした回転自走式内視鏡がある。
こうした回転自走式内視鏡の挿入部は、外周側の回転筒体を回転駆動部を備えたモータボックス等に接続し、内周側の管路や信号線などを、別途、操作部を備えた流体供給装置側へ接続する必要がある。
このとき、複数の接続部分が離れた箇所に分散していると接続作業が煩雑になることから、信号線の接続部と、送気・送水管路あるいは吸引管路と、を近接して配設することが考えられる。しかし、このときに何らの工夫を施さないと、送気・送水管路あるいは吸引管路から漏れ出た液体等が信号線の接続部を濡らしてしまう可能性があるために、対策が必要となっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、信号線の接続部に対する防滴を行うことができる内視鏡システムを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明による内視鏡システムは、第1の流体系管路と、撮像素子と、前記撮像素子への駆動信号を供給するための第1の電気接続部と前記第1の流体系管路に連通する第1の流体系接続部と前記第1の電気接続部と前記第1の流体系接続部との間となる表面から突出して設けられた第1の仕切とを有する挿入部側用コネクタと、を含む内視鏡挿入部と、前記撮像素子に対する駆動信号を伝送するための信号線と、前記内視鏡挿入部との流体の流通を行い得る第2の流体系管路と、前記信号線が接続されていて前記第1の電気接続部と接続するための第2の電気接続部と前記第2の流体系管路に連通し前記第1の流体系接続部と接続するための第2の流体系接続部と前記第2の電気接続部と前記第2の流体系接続部との間となる表面から突出して設けられた第2の仕切とを有する流体供給装置用コネクタと、を含む流体供給装置と、を具備し、前記第1の仕切および前記第2の仕切は、前記挿入部側用コネクタと前記流体供給装置用コネクタとが接続されたときに、前記第1の電気接続部および前記第2の電気接続部と、前記第1の流体系接続部および前記第2の流体系接続部と、の間を結ぶ全ての線を遮るように設けられ、前記第1の仕切と前記第2の仕切との少なくとも一方は、複数設けられたものであって、該第1の仕切と該第2の仕切とは互いに嵌合し得るように構成されたものである。
本発明の実施形態1における回転自走式内視鏡装置の構成を示す図。 上記実施形態1において、先端部および挿入部先端側の構成を示す挿入軸方向に沿った断面図。 上記実施形態1におけるコネクタの構成を示す正面図。 上記実施形態1におけるコネクタの構成を示す側面図。 上記実施形態1において、斜め下を向くように配設したコネクタの構成を示す側面図。 上記実施形態1において、斜め上を向くように配設したコネクタの構成を示す側面図。 上記実施形態1において、異なる構成の操作・回転駆動部にコネクタを配設した例を示す斜視図。 本発明の実施形態2において、操作・回転駆動部に配設したコネクタと、挿入部に配設したコネクタと、を示す斜視図。 上記実施形態2において、操作・回転駆動部に設けられたコネクタの構成を示す斜視図。 上記実施形態2において、挿入部に設けられたコネクタの構成を示す斜視図。 上記実施形態2における送気送水接続部同士または吸引接続部同士の接続構造を示す断面図。 上記実施形態2において、操作・回転駆動部側のコネクタと挿入部側のコネクタとを連結する構成を示す断面図。 本発明の実施形態3における一方のコネクタの形状を示す正面図。 上記実施形態3における一方のコネクタの形状を示す側断面図。 上記実施形態3における他方のコネクタの形状を示す正面図。 上記実施形態3における他方のコネクタの形状を示す側断面図。 上記実施形態3において、コネクタ同士を組み合わせて接続した状態を示す側断面図。 上記実施形態3において、コネクタ同士を外す途中の状態を示す側断面図。 上記実施形態3において、一方のコネクタに排水切欠を設けた変形例を示す正面図。 上記実施形態3において、他方のコネクタに排水切欠を設けた変形例を示す正面図。 上記実施形態3において、各コネクタに複数層の仕切を設けた例を示す側断面図。 上記実施形態3において、一方のコネクタのみから仕切を突出させた例を示す側断面図。 上記実施形態3において、両方のコネクタから突設させた仕切の先端面が接続時に当接する様子を示す側断面図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1から図7は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は回転自走式内視鏡装置の構成を示す図である。
この回転自走式内視鏡装置(以下、適宜「内視鏡装置」と省略する)1は、体腔内に挿入される細長の挿入部2と、この挿入部2の基端側に設けられた回転駆動部3および操作部4と、この操作部4から延出されるユニバーサルコード5と、このユニバーサルコード5の先端側に設けられたユニバーサルコネクタ6と、このユニバーサルコネクタ6から延出される制御用ケーブル7と、この制御用ケーブル7が例えば着脱自在に接続される制御装置8と、この制御装置8に着脱自在に接続されるフットスイッチ9と、を備えている。
挿入部2は、先端部11と、この先端部11の基端側に連設される回転筒体12と、この回転筒体12の基端側に設けられた接続部13と、を含んでいる。
この先端部11を含む挿入部2の構成について、図2を参照して、より詳細に説明する。ここに、図2は、先端部11および挿入部2先端側の構成を示す挿入軸方向に沿った断面図である。
先端部11の先端面には、対物光学系21が配設されており、この対物光学系21の結像面に例えばCCDやCMOS等で構成される撮像素子22が配設されている。さらに、先端部11の先端面には、対物光学系21および撮像素子22による撮影の対象となる被検体を照明するための照明用光源たるLED23が設けられている。撮像素子22から延出される信号伝送手段たる信号線22aと、LED23から延出される電力線であり信号伝送手段たる信号線23aとは、途中で一本にまとめられて、信号ケーブル26として基端側へ延長されている。
また、先端部11の先端面には、対物光学系21を洗浄するための送水を行ったり、該対物光学系21に付着した水滴等を払拭する送気を行ったりするための送気送水ノズル24aが配設されている。この送気送水ノズル24aは、流体系管路であり流体流通手段たる送気送水チューブ24に接続されていて、該送気送水チューブ24は基端側へ延長されている。
さらに、先端部11の先端面には、例えば吸引等に用いられる流体系管路であり流体流通手段たるチャンネル25の開口25aが露呈しており、このチャンネル25は、基端側へ延長されている。
また先端部11の基端側には、回転筒体12の先端側を突き当てるための突当部11aが設けられている。
回転筒体12は、外周面に螺旋状凸部(あるいは、螺旋状凹部、さらにあるいは、螺旋に沿って連設されるように突設される凸部、など)が形成された部材であり、挿入方向の軸周りに回動可能となるように構成されている。そして、この回転筒体12が回転すると、外周面の螺旋状凸部が被検体の体腔内壁と当接して推力が発生し、該回転筒体12自体が挿入方向へ進行しようとする。このとき、回転筒体12の先端面が、前記突当部11aに当接して先端部11を押圧し、先端部11を含めた挿入部2が挿入されるようになっている。
また、回転筒体12の内周面側にはチューブ27が配設されている。このチューブ27は、上述したような送気送水チューブ24、チャンネル25、および信号ケーブル26が内部に挿通されるものであって、これらを保護する機能を有するとともに、その外周面側において回転筒体12の回転を妨げることがないように構成されている。
再び図1の説明に戻って、接続部13は、回転駆動部3に設けられた回転筒体接続部14に接続されるようになっていて、この接続により、回転駆動部3内に設けられている図示しないモータの駆動力が回転筒体12に伝達されて、該回転筒体12の回転が行われるようになっている。また、回転駆動部3の下面には、該回転駆動部3を載置する際に用いる設置方向規定手段であり設置手段たる脚部15が複数設けられていて、この回転駆動部3は、該脚部15が設けられた下面を重力方向下側にして載置するようになっている。従って、脚部15は、重力方向下側を示す指標としても機能するものとなっている。
さらに、挿入部2内に挿通されている送気送水チューブ24、チャンネル25、および信号ケーブル26は、回転駆動部3内を挿通された後に、再びこの回転駆動部3から外部に延出される。
送気送水チューブ24の端部には送気送水接続部24bが、チャンネル25の端部には吸引接続部25bが、信号ケーブル26の端部には信号接続部26bが、それぞれ設けられていて、これらは、操作部4の側面に設けられたコネクタ手段であり流体供給装置用コネクタたるコネクタ31に対して接続されるようになっている。このコネクタ31の構成については、後で詳しく説明する。
操作部4には、手で把持するための把持部4aが設けられており、さらに、送気送水チューブ24を介しての送気や送水を操作するための送気送水ボタン4bや、チャンネル25を介しての吸引を操作するための吸引ボタン4cなどの、各種の操作ボタンが設けられている。
操作部4から延出されるユニバーサルケーブル5内には、送気送水チューブ24に接続される流体系管路であり流体流通手段たる送気送水管路や、チャンネル25に接続される流体系管路であり流体流通手段たる吸引管路、あるいは信号ケーブル26に接続される信号伝送手段たる信号線などが配設されている。
ユニバーサルケーブル5の先端側に設けられたユニバーサルコネクタ6は、送気装置への接続部や、送水タンクへの接続部、吸引ポンプへの接続部、撮像素子22からの画像信号を処理するためのビデオプロセッサへの接続部などを備えている。
このユニバーサルコネクタ6から延出される制御用ケーブル7内には、回転駆動部3への信号線と、先端部11内に配設されているLED23への信号線と、が配設されている。
制御用ケーブル7が接続される制御装置8は、回転駆動部3内に配設されているモータを制御したり、あるいはLED23の発光状態を制御したりするためのものであり、電源スイッチや各種のボリュームダイアル等が設けられたものとなっている。
フットスイッチ9は、回転駆動部3のモータを制御するためのものである。ただし、このフットスイッチ9を、LED23の発光状態を制御するのに用い得るようにしても構わない。
なお、上述したような構成において、挿入部2以外の部分、つまり、回転駆動部3、操作部4、ユニバーサルケーブル5、ユニバーサルコネクタ6、制御用ケーブル7、制御装置8、およびフットスイッチ9は、流体供給装置を構成するものである。さらに、流体供給装置としては、送気装置、送水タンク、吸引ポンプなどを含んでも良いし、加えてビデオプロセッサを含んでも構わない。従って、この内視鏡装置1は、流体供給装置の少なくとも一部と、挿入部2と、を含んで構成されている。また、内視鏡システムは、内視鏡装置1と、送気装置と、送水タンクと、吸引ポンプと、を含むものであるとする。
次に、図3はコネクタ31の構成を示す正面図、図4はコネクタ31の構成を示す側面図である。
コネクタ31は、送気送水チューブ24、チャンネル25、および信号ケーブル26を接続するための構成を、1つの流体供給装置用コネクタとしてまとめたものとなっている。
すなわち、コネクタ31は、基台32上に、流体系接続部であり流体系接続手段たる送気送水接続部34と、流体系接続部であり流体系接続手段たる吸引接続部35と、複数の電気接点を有する電気接続手段たる電気接続部36と、を設けたものとなっている。ここに、基台32は、具体的な一例としては、例えば35mm程度の直径を有する略短円柱状の台座となっている。
コネクタ31は、上述したように、操作部4の側面に設けられているために、基台32は、その表面に立てた垂線が、重力方向に略直交する方向となっている。そして、このような基台32において、電気接続部36が重力方向上側に、送気送水接続部34および吸引接続部35が該電気接続部36に比して重力方向下側に、それぞれ位置するように、各配設されている。
また、電気接続部36と、送気送水接続部34および吸引接続部35と、の間には、基台32の表面から突出するように、例えば矩形板状でなる突出部(突出手段)である仕切33が設けられている。この仕切33の基台32の表面からの突出長さは、送気送水接続部34および吸引接続部35の基台32の表面からの突出長さよりも長く、かつ、電気接続部36の基台32の表面からの突出長さよりも長くなるように構成されている。そして、この仕切33の図3における左右方向の幅は、電気接続部36の左右方向の幅よりも長く、かつ、送気送水接続部34の左端から吸引接続部35の右端までの長さよりも長くなるように構成されている。
送気送水接続部34および吸引接続部35は、電気接続部36よりも5mm以上(好ましくは10mm程度)基台32の表面からの突出長さが短くなるように構成されている。
また、送気送水接続部34は、送気送水チューブ24の送気送水接続部24bが例えば3mm程度嵌合するために、基台32の表面からの突出長さがこの嵌合長さ以上(つまり、例えば3mm以上)確保されたものとなっている。
同様に、吸引接続部35も、チャンネル25の吸引接続部25bが例えば3mm程度嵌合するために、基台32の表面からの突出長さがこの嵌合長さ以上(つまり、例えば3mm以上)確保されたものとなっている。
上述した送気送水接続部34と吸引接続部35とは、図3の左右方向において、例えば2mm以上の間隔を隔てて配設されており、送気送水接続部34に接続される送気送水チューブ24と吸引接続部35に接続されるチャンネル25とが互いに干渉し合うことのないように構成されている。
なお、図4に示した例では、表面に立てた法線がほぼ水平方向を向くような基台32において、重力方向上側に電気接続部36を配設し、重力方向下側に送気送水接続部34および吸引接続部35を配設していた。
これに対して、図5は、基台32が斜め下を向くように、つまり、基台32の表面に立てた法線が水平方向よりも重力方向やや下側を向くような斜め下方向となるように、構成した場合の例を示している。ここに図5は、斜め下を向くように配設したコネクタの構成を示す側面図である。このような場合においても、水平線を図5において点線で示すように、電気接続部36における電気接点部分が、送気送水接続部34の開口および吸引接続部35の開口よりも重力方向上側にあれば、該電気接続部36の防滴に寄与することが可能である。
一方、図6は、斜め上を向くように配設したコネクタの構成を示す側面図である。この図6は、基台32がやや上方向を向くように、つまり、基台32の表面に立てた法線が水平方向よりも重力方向やや上側を向くような斜め上方向となるように、構成した場合の例を示している。このような場合においても、水平線を図6において点線で示すように、電気接続部36における電気接点部分が、送気送水接続部34の開口および吸引接続部35の開口よりも重力方向上側にあれば、該電気接続部36の防滴に寄与することが可能である。
図7は、異なる構成の操作・回転駆動部3Aにコネクタ31を配設した例を示す斜視図である。ここに、操作・回転駆動部3Aは、上述した回転駆動部3と操作部4とを兼用した機能を有するものとなっている。このような構成の操作・回転駆動部3Aにおいても、コネクタ31を同様に配設して、上述と同様の機能を果たすことが可能である。
なお、上述では、仕切33を用いて電気接続部36の防滴を行っているが、これに限るものではなく、仕切33に代えて、あるいは仕切33に加えて、図示しない水密構造により電気接続部36と信号ケーブル26の信号接続部26bとの接続を行うようにしても構わない。
また、操作部4や操作・回転駆動部3A側を洗滌する際において、挿入部2と接続されていないときには、電気接続部36に図示しない防水キャップ等を取り付けるようになっている。これにより、洗滌時においても電気接続部36を防水して、水滴から保護することが可能となっている。
そして、上述ではコネクタ31を操作部4または操作・回転駆動部3Aに対して一体に設けた例を説明したが、これに限らず、コネクタ31をアダプタとして構成して、操作部4または操作・回転駆動部3Aに対して着脱自在となるようにしても構わない。この場合には、アダプタとしてのコネクタ31に、電気接続部36や送気送水接続部34、吸引接続部35が設けられることになる。
さらに、上述では、基台32を操作部4の表面から凸状に突設したものとしているが、これに限らず、操作部4の表面に対して凹状に設けられたものであっても構わない(こうした凹状のものも、「基台」の概念に含めるものとする)。
このような実施形態1によれば、操作部4側または操作・回転駆動部3A側における複数の接続部を1つの流体供給装置用コネクタとしてまとめて配設したために、各接続部を同時に視認することができ、接続し忘れを防止することができる。
また、電気接続部よりも、送気送水接続部の開口および吸引接続部の開口が重力方向下側となるようにしたために、これら送気送水接続部や吸引接続部などの流体系経路から漏水したとしても、電気接続部に水滴を届き難くすることができ、電気接続部に水滴によるショート等が発生するのを防止することができる。
さらに、電気接続部と、送気送水接続部および吸引接続部と、の間に、これらよりも突出高さの高い仕切を設けたために、より防滴の効果を高めることが可能となる。
[実施形態2]
図8から図12は本発明の実施形態2を示したものであり、図8は操作・回転駆動部に配設したコネクタと、挿入部に配設したコネクタと、を示す斜視図である。
この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
上述した実施形態1は、操作部4側あるいは操作・回転駆動部3A側における複数の接続部をまとめて1つの流体供給装置用コネクタとしたものであったが、実施形態は、これに加えてさらに、挿入部2側における複数の接続部をまとめて1つの挿入部側用コネクタとしたものとなっている。
すなわち、挿入部2内に配設されている送気送水チューブ24、チャンネル25、および信号ケーブル26は、接続部13から延出される際に1本の接続チューブ40としてまとめられていて、この接続チューブ40の端部にコネクタ手段であり挿入部側用コネクタたるコネクタ41が設けられている。
一方、操作・回転駆動部3Bには、このコネクタ41に接続するためのコネクタ手段であり流体供給装置用コネクタたるコネクタ31Bが設けられている。
まず、図9は、操作・回転駆動部3Bに設けられたコネクタ31Bの構成を示す斜視図である。
このコネクタ31Bは、基台32上に、送気送水接続部34と、吸引接続部35と、電気接続部36Bと、を設けたものとなっている。ここに、基台32は、具体的な一例としては、例えば40mm程度の直径を有する略短円柱状の台座となっている。この基台32の周縁には、送気送水接続部34、吸引接続部35、および電気接続部36Bを取り囲むように、筒状壁部32aが形成されている。また、電気接続部36Bは、上述した実施形態1と異なり、基台32の表面に対する凹部として構成された電気接続手段である。一方、送気送水接続部34および吸引接続部35は、実施形態1と同様に、基台32の表面から突出して設けられている。そして、電気接続部36Bが重力方向上側に設けられ、送気送水接続部34および吸引接続部35がこの電気接続部36Bに比して重力方向下側に設けられているのは上述した実施形態1と同様である。
また、筒状壁部32aに囲まれた基台32の表面の、電気接続部36Bと、送気送水接続部34および吸引接続部35と、の間には、仕切受凹部33Bが形成されている。この仕切受凹部33Bは、円形をなす基台32の表面の一端から他端にまたがる全幅となるように設けられた凹部であり、挿入部2側のコネクタ41の後述する仕切43と嵌合するように構成されたものである。
次に、図10は、挿入部2に設けられたコネクタ41の構成を示す斜視図である。
このコネクタ41は、基台42上に、送気送水接続部44と、吸引接続部45と、電気接続部46と、を設けたものとなっている。ここに、基台42は、上述したコネクタ31Bの基台32の筒状壁部32aの内周面に嵌合する直径を有する略短円柱状の台座となっている。また、電気接続部46は、凹部をなす電気接続部36Bに嵌合する凸形状の接続部として構成された電気接続手段であり、複数の電気接点を備えたものとなっている。そして、送気送水接続部44は、突出して設けられた送気送水接続部34が嵌合し得る凹部44aを備えて形成されており、この凹部44aの底部には、流水圧による液漏れを防止するためのOリング状をなすパッキン44bが設けられている。同様に、吸引接続部45は、突出して設けられた吸引接続部35が嵌合し得る凹部45aを備えて形成されており、この凹部45aの底部には、流水圧による液漏れを防止するためのOリング状をなすパッキン45bが設けられている。
なお、ここでは、挿入部側の送気送水接続部44および吸引接続部45にパッキンを設けているが、これに代えて、あるいはこれに加えて、操作・回転駆動部3B側の送気送水接続部34および吸引接続部35にパッキンを設けるようにしても構わない。
そして、電気接続部46と、送気送水接続部44および吸引接続部45と、の間には、基台42の表面から突出するように、例えば矩形板状でなる仕切43が設けられている。この仕切43は、円形をなす基台42の表面の一端から他端にまたがる全幅となるように設けられており、上述したコネクタ31Bの仕切受凹部33Bに嵌合するように構成されている。このように、仕切43を基台42の周面の一端と他端とを結ぶ全幅に形成することにより、コネクタ41とコネクタ31Bとを接続したときには、仕切43が筒状壁部32aの内部を2室に分割することになる。これにより、電気的な接続を行う室と、液体や気体などの流体に関する接続を行う室と、が分離され、電気接続部36Bおよび電気接続部46を水密に保持することが可能となっている。
図11は送気送水接続部同士または吸引接続部同士の接続構造を示す断面図、図12は操作・回転駆動部側のコネクタと挿入部側のコネクタとを連結する構成を示す断面図である。
図12に示すように、コネクタ31Bの外周先端側には、該コネクタ31Bに対して回動自在に設けられた固定用ナット部37が設けられていて、この固定用ナット部37の先端内周面側には雌ねじ37aが螺刻されている。一方、コネクタ41の外周側には雄ねじ41aが螺刻されている。そして、コネクタ41の雄ねじ41aを固定用ナット部37の雌ねじ37aに螺合することにより、電気接続部36Bと電気接続部46との接続、送気送水接続部34と送気送水接続部44との接続、および吸引接続部35と吸引接続部45との接続、が行われるようになっている。このときには、送気送水接続部44の凹部44aに嵌入された送気送水接続部34の先端部は、パッキン44bに適度な力を持って押圧される。同様に、吸引接続部45の凹部45aに嵌入された吸引接続部35の先端部は、パッキン45bに適度な力を持って押圧される。これにより、各接続部同士の水密が保たれるようになっている。
なお、送気送水接続部34や吸引接続部35などの流体系経路が、電気接続部46と異なる接続方向位置において接続されており、かつ、仕切43の当接位置と異なる接続方向位置において接続されていて、防滴あるいは防水効果をより高めるようになっているのは、上述した実施形態1と同様である。
なお、図9および図10に示す構成においては、操作・回転駆動部3B側の電気接続部36Bを凹にし、挿入部2側の電気接続部46を凸にしているが、凹凸関係はこの逆であっても構わない。ただし、送気送水接続部や吸引接続部などの流体系経路の接続位置および仕切43の当接位置とは、軸方向の位置が異なることが望ましい。同様に、流体系経路の接続部の凹凸関係も、図9および図10に示した構成と逆であっても構わず、このときにも電気接続部36B,46の接続位置および仕切43の当接位置と軸方向位置が異なれば良い。
なお、上述では、仕切43および仕切受凹部33Bを用いて防滴あるいは防水を行うようにしているが、これに代えて、あるいはこれに加えて、接続時に電気接続部36B,46同士が水密構造となるような図示しない構成を採用しても良い。
また、操作・回転駆動部3B側を洗滌する際において、挿入部2と接続されていないときには、電気接続部36Bに図示しない防水キャップ等を取り付けるようになっている。これにより、洗滌時においても電気接続部36Bを防水して、水滴から保護することが可能となっている。そして、挿入部2が繰り返して使用可能なタイプのものである場合に、該挿入部2を洗滌する際には、電気接続部46に図示しない防水キャップ等を取り付けるようにすることは同様である。
さらに、図9、図10においては、仕切43を基台42の幅一杯に設けるとともに仕切受凹部33Bを基台32の幅一杯に設けて防水効果を奏するように構成しているが、幅一杯に設けない場合であっても、ある程度の防滴効果を奏することは可能である。
加えて、上述では操作・回転駆動部3Bにコネクタ31Bを設けたが、図1に示したような構成において送気送水チューブ24、チャンネル25、および信号ケーブル26をまとめて1本の接続チューブ40とする場合には、同様のコネクタ31Bを操作部4に設けるようにすれば良いことはもちろんである。
このような実施形態2によれば、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏するとともに、電気接続部および流体系接続部を含む複数の接続部を、1アクションで接続することができるために、接続時の煩雑さを低減して、接続し忘れをより確実に防止することが可能となる。
そして、仕切および仕切受凹部を基台の幅一杯に設けて、嵌合時に、電気接続部側と流体系接続部とが水密に隔離されるようにしたために、より確実に、防滴および防水効果を奏することが可能となる。
加えて、固定用ナット部を用いて操作・回転駆動部(または操作部)側のコネクタと挿入部側のコネクタとを結合するようにしているために、流体系管路同士をより確実に連結することが可能となる。このとき、流体系管路同士の接続部分にパッキンを設けているために、該パッキンが圧接されることになり、水密な結合を確実に行うことができる。
[実施形態3]
図13から図23は本発明の実施形態3を示したものであり、図13は一方のコネクタの形状を示す正面図、図14は一方のコネクタの形状を示す側断面図、図15は他方のコネクタの形状を示す正面図、図16は他方のコネクタの形状を示す側断面図、図17はコネクタ同士を組み合わせて接続した状態を示す側断面図、図18はコネクタ同士を外す途中の状態を示す側断面図、図19は一方のコネクタに排水切欠を設けた変形例を示す正面図、図20は他方のコネクタに排水切欠を設けた変形例を示す正面図、図21は各コネクタに複数層の仕切を設けた例を示す側断面図、図22は一方のコネクタのみから仕切を突出させた例を示す側断面図、図23は両方のコネクタから突設させた仕切の先端面が接続時に当接する様子を示す側断面図である。
この実施形態3において、上述の実施形態1,2と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
コネクタ51は、基台52上に、送気送水接続部54と、吸引接続部55と、電気接続部56と、を設けたものとなっている。
ここに基台52は、上述した各実施形態と同様に、例えば略短円柱状の台座となっていて、その周縁には、筒状壁部52aが形成されている。また、基台52の表面の、電気接続部56と、送気送水接続部54および吸引接続部55と、の間には、突出部(突出手段)である仕切53が形成されている。この仕切53は、円形をなす基台52の表面の一端から他端にまたがる全幅となるように設けられた凸部であり、筒状壁部52aと連続して一体に形成されている。
また、各接続部、すなわち、送気送水接続部54と吸引接続部55と電気接続部56とは、本実施形態においては全て基台52の表面から突出した形状のものとして形成されている。そして、電気接続部56は、仕切53と筒状壁部52aとで囲まれた基台52の表面の一方の側に配設され、送気送水接続部54および吸引接続部55は、仕切53と筒状壁部52aとで囲まれた基台52の表面の他方の側に配設されている。
同様に、コネクタ61は、基台62上に、送気送水接続部64と、吸引接続部65と、電気接続部66と、を設けたものとなっている。
ここに基台62は、上述した基台52と同様に例えば略短円柱状の台座であるが、その径が基台52よりも一回り大径となっている。そして、この基台の62の周縁にも、筒状壁部62aが形成されている。この筒状壁部62aは、内周の径が、上述した筒状壁部52aの外周の径とほぼ同一となっており、つまり、内周側において筒状壁部52aの外周と嵌合するようになっている。また、基台62の表面の、電気接続部66と、送気送水接続部64および吸引接続部65と、の間には、突出部(突出手段)である仕切63が形成されている。この仕切63は、両端が、筒状壁部52aの内周面と嵌合し得るような幅のものとして設けられた凸部である。さらに、仕切63の図15における下側の面は、仕切53の図13における上側の面と嵌合するようになっている。
そして、各接続部、すなわち、送気送水接続部64と吸引接続部65と電気接続部66とは、本実施形態においては全て基台62の表面から突出した形状のものとして形成されている。また、電気接続部66は、仕切63と筒状壁部62aとで略囲まれた基台62の表面の一方の側に配設され、送気送水接続部64および吸引接続部65は、仕切63と筒状壁部62aとで略囲まれた基台62の表面の他方の側に配設されている。
このような第1のコネクタ51と、第2のコネクタ61と、の何れを流体供給装置側に配設して、他の何れを挿入部2側に配設しても構わない。
ただし、コネクタ51が流体供給装置に配設される場合には、電気接続部56が重力方向上側になり、送気送水接続部54および吸引接続部55がこの電気接続部56に比して重力方向下側になるように配置するのは、上述した各実施形態と同様である。
同様に、コネクタ61が流体供給装置に配設される場合には、電気接続部66が重力方向上側になり、送気送水接続部64および吸引接続部65がこの電気接続部66に比して重力方向下側になるように配置することになる。
次に、コネクタ51とコネクタ61とを接続すると、図17に示すようになる。すなわち、筒状壁部52aの外周面と筒状壁部62aの内周面とが嵌合し、電気接続部56と電気接続部66とが接続され、送気送水接続部54と送気送水接続部64とが接続され、吸引接続部55と吸引接続部65とが接続されている。そして、仕切63の先端面は基台52の表面に当接し、仕切53の先端面は基台62の表面に当接している。これにより、電気接続部56,66は、送気送水接続部54,64および吸引接続部55,65とは、仕切53,63を介して、互いに略水密となるように隔離されている。このとき、仕切53,63や基台52,62や筒状壁部52a,62aの少なくとも当接部分を、例えばゴム等の弾性部材により形成して、接続されたときには押圧されるようにすると、より確実に水密を保持することが可能となる。なお、仕切53,63自体を弾性部材により形成しても構わない。
続いて、接続されているコネクタ51とコネクタ61とを外して、引き抜く方向に移動している途中の状態が、図18に示すようになる。このときには、電気接続部56と電気接続部66との接続が解除されてやや隔離した状態になっているとともに、送気送水接続部54と送気送水接続部64との接続および吸引接続部55と吸引接続部65との接続が各解除されてやや隔離した状態となっている。
このときには、流体系管路から例えば水などが漏れ出す可能性があるが、仕切53,63が一部重畳して、防水機能を果たしている状態がまだ継続しているために、漏れ出した水等が電気接続部56,66にかかることはない。
図19、図20は、上述したような筒状壁部52a,62aに排水切欠52b,62bをそれぞれ設けた変形例を示している。これらの排水切欠52b,62bは、筒状壁部52a,62aの互いに対向する部分に設けられており、組み合わされることにより、排水孔を構成するようになっている。このような構成により、液体系管路から水などが漏れ出した場合にも、図18に示したような、仕切53,63がまだ機能している段階で外部に排出されるために、より確実に電気接続部56,66に水等が付着するのを防止することができる。また、排水切欠52b,62bの組み合わせにより構成される排水孔から水等が排出されるのを見れば、液漏れ等が発生しているのに容易に気付くことが可能となる。
また、図21は、各コネクタに複数層の仕切を設けた例を示している。この図21に示す例においては、第1のコネクタ51Aから複数の突出部(突出手段)である仕切53Aが突設され、第2のコネクタ61Aから複数の突出部(突出手段)である仕切63Aが突設されていて、コネクタ同士の接続時に、仕切53Aと仕切63Aとが互い違いに嵌合するようになっている。
このような構成を採用すると、より一層、防水性を高めることが可能となり、流体系接続部から高い圧力の水等が噴出したとしても、電気接続部56,66を確実に保護することが可能となる。
さらに、図22は一方のコネクタのみから仕切を突出させた例を示している。すなわち、第1のコネクタ51Bからは仕切は突設されておらず、第2のコネクタ61Bからのみ突出部(突出手段)である仕切63Bが突設されていて、接続時には、この仕切63Bの先端面が基台52の表面に当接するようになっている。このとき、仕切63Bの先端面の基台62の表面からの高さは、電気接続部56,66同士の接続位置よりも高く、かつ、管路系接続部の接続位置よりも高いために、接続状態においてはほぼ防水の機能を果たし、着脱時には防滴の機能を果たすことが可能となっている。なお、電気接続部56,66の接続位置と管路系接続部の接続位置とが異ならせてあるのは、上述した各実施形態と同様である。
そして、図23は両方のコネクタから突設させた仕切の先端面が接続時に当接する様子を示している。すなわち、第1のコネクタ51Cからは突出部(突出手段)である仕切53Cが突設され、第2のコネクタ61Cからは突出部(突出手段)である仕切63Cが突設されていて、接続時には、これらの仕切53C,63Cの先端面同士が当接するようになっている。このときの当接位置は、電気接続部56,66の接続位置とは異なり、かつ、管路系接続部の接続位置とも異なるように構成されている。このような構成によっても、接続状態においてほぼ防水の機能を果たし、着脱時には防滴の機能を果たすことが可能となる。
このような実施形態3によれば、上述した実施形態1,2とほぼ同様の効果を奏するとともに、接続状態において、電気接続部側と流体系接続部側とが隔離されるようにしたために、より確実に、電気接続部の防滴、防水を図ることができる。さらに、両方のコネクタから仕切を突設して、取り外し途中でも互いが重畳して仕切として機能するようにした場合には、着脱の際の防滴、防水がより一層確実となる。また、複数の仕切を積層する場合には、流体の圧力が高い場合にも防水を確保することができる。そして、一方のコネクタのみから仕切を突設する場合や、両方のコネクタから突設した仕切同士の先端が当接する場合においても、必要に応じた防水や防滴の機能を果たすことが可能となる。
なお、上述した各実施形態は、回転自走式内視鏡装置を例に挙げて、信号ケーブルや流体系管路を接続するためのコネクタについて説明しているが、その他の一般的な内視鏡であっても、同様に適用することが可能である。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。

Claims (1)

  1. 第1の流体系管路と、
    撮像素子と、
    前記撮像素子への駆動信号を供給するための第1の電気接続部と、前記第1の流体系管路に連通する第1の流体系接続部と、前記第1の電気接続部と前記第1の流体系接続部との間となる表面から突出して設けられた第1の仕切と、を有する挿入部側用コネクタと、
    を含む内視鏡挿入部と、
    前記撮像素子に対する駆動信号を伝送するための信号線と、
    前記内視鏡挿入部との流体の流通を行い得る第2の流体系管路と、
    前記信号線が接続されていて前記第1の電気接続部と接続するための第2の電気接続部と、前記第2の流体系管路に連通し前記第1の流体系接続部と接続するための第2の流体系接続部と、前記第2の電気接続部と前記第2の流体系接続部との間となる表面から突出して設けられた第2の仕切と、を有する流体供給装置用コネクタと、
    を含む流体供給装置と、
    を具備し、
    前記第1の仕切および前記第2の仕切は、前記挿入部側用コネクタと前記流体供給装置用コネクタとが接続されたときに、前記第1の電気接続部および前記第2の電気接続部と、前記第1の流体系接続部および前記第2の流体系接続部と、の間を結ぶ全ての線を遮るように設けられ、前記第1の仕切と前記第2の仕切との少なくとも一方は、複数設けられたものであって、該第1の仕切と該第2の仕切とは互いに嵌合し得るように構成されたものであることを特徴とする内視鏡システム。
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