JP4852901B2 - 電子装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、消費電力の異なる複数のモードを備えた電子装置に関し、特に電池残量等の電源の状態に従ってモードを設定する電子装置に関する。
昨今の携帯電話は、通話機能の他に、カメラや、ゲームその他のアプリケーション・プログラムなど、多くの機能を搭載しており、通話以外の用途が増加している。そのため、消費電力の増加が著しく、実際に使用可能な時間は短くなっている。また、表示の高精細化も電力の消費を増大させ、使用可能時間を減少させる要因となっており、使用可能時間は今後もますます短くなると予想される。
ユーザによる使用可能時間の延長対策として、表示の明るさの設定を調整したり、マナーモードに設定して音を鳴動させないように設定する方法がある。しかし、毎度の設定操作は面倒であり、設定する前に電池残量が不足し機能が停止してしまう可能性もある。
従来の技術では、電池の残量が少なくなってきた場合に、段階的に機能を制限する携帯端末装置がある。この携帯端末装置は、電池残量が少なくなったときに、まずグラフィック表示機能を停止し、さらに電池残量が少なくなったときには、映像表示を停止し音声信号の出力のみ可能とするものである。(例えば、特許文献1参照。)。
また、装置が備える機能ごとにモードを設定することができる携帯電話も記載されている(例えば、特許文献2参照。)。この携帯電話では、携帯電話機が備える複数の機能の動作モードを一括して設定することができる。従って、消費電力の抑制などのために各機能の動作モードの設定を行う場合、その設定を一括して行うことができる。
特開2004−336330号公報 (第7頁、図3) 特開2003−258978号公報 (第5頁、図3)
上記の各公知技術にはそれぞれ問題がある。
特許文献1の技術では、電池残量が少なくなったときに制限される機能や制限される順序が固定されている。前述のように、現在の携帯端末装置は機能が豊富であり、それらの機能の中には、使用する場面によって制限が可能な機能と制限が不可能な機能が存在する。例えば、ゲームを楽しむ場面では、通話やメール送受信関係の機能は制限してもよいが、グラフィック表示機能を制限し通話機能を維持しても意味を成さない。
従って、電池残量が少なくなったときに制限する機能は、ユーザが指定できることが望ましいが、特許文献1の技術ではそれに対応することができない。
さらに、機能を制限する場合でも、その機能を完全に停止するのではなく、設定するパラメータを制限し使い勝手を犠牲にするだけで機能の動作自体は維持し、消費電力を低下させることも有効である。特許文献1の技術はこの要請にも応えることができない。
一方、特許文献2記載の技術では、設定するモードを機能ごとに指定することができる。しかし、指定したモードは無条件に設定されるものであり、何らかの条件に応じて自動的に設定されたり、変更されたりするものではない。
従って、電池残量に応じてモード設定を変更することによって消費電力を低減する、という動作を実現することはできない。
このように、従来の技術では、電池残量等、電源の状態に応じて、機能の一部をユーザの指定に従い制限することにより消費電力を低減し、使用可能時間を延長するという効果を得ることはできない。
(発明の目的)
本発明は上記のような技術的課題に鑑みて行われたもので、ユーザの指定に従い、機能の一部を電源の状態に基づき自動的に制限し、消費電力を低減することができる電子装置を提供することを目的とする。
本発明の電子装置は、複数の機能を実行する手段と、複数の機能のうちの一部の機能の実行を制限する省電力モードに設定する手段と、電源の状態(電源状態)を監視する電源監視手段と、実行を制限する機能を指定する省電力指定情報を作成する手段と、電源状態の監視結果及び省電力指定情報に基づき省電力モードの設定を行う手段と、電源の電圧(電源電圧)と所定の判定基準電圧との比較結果に基づき電源状態を監視する電源監視手段と、電源電圧と、値が異なる複数の判定基準電圧との比較結果に基づき電源状態を複数の状態に判別する電源監視手段と、実行が制限される機能が段階的に設定された、複数の省電力指定情報と、状態の判別結果に基づいて、複数の省電力指定情報のうちの1つに従って実行を制限する、複数の省電力モードのうちの1つの省電力モードに設定する手段を備える。
本発明の電子装置は、複数の機能を実行する手段と、複数の機能のうちの一部の機能の実行を制限する省電力モードに設定する手段を備えた電子装置であって、電源の状態(電源状態)を監視する電源監視手段と、実行を制限する機能を指定する省電力指定情報を作成する手段と、電源状態の監視結果及び省電力指定情報に基づき省電力モードの設定を行う手段と、電源の電圧(電源電圧)と所定の判定基準電圧との比較結果に基づき電源状態を監視する電源監視手段と、電源電圧と、実行が制限される機能ごとに設定された判定基準電圧との比較結果に基づき電源状態を監視する電源監視手段と、機能の実行を制限する制限範囲の選択肢を、電源状態に基づき表示する手段を備える。
本発明の電子装置は、複数の機能を実行する手段と、複数の機能のうちの一部の機能の実行を制限する省電力モードに設定する手段を備えた電子装置であって、電源の状態(電源状態)を監視する電源監視手段と、実行を制限する機能を指定する省電力指定情報を作成する手段と、電源状態の監視結果及び省電力指定情報に基づき省電力モードの設定を行う手段と、電源の電圧(電源電圧)と所定の判定基準電圧との比較結果に基づき電源状態を監視する電源監視手段と、電源電圧が判定基準電圧を下回ったとき電源状態が所定の状態に移行したと判定し、電源電圧が判定基準電圧よりも所定の電圧だけ高い第2の判定基準電圧を上回ったとき電源状態が所定の状態から脱したと判定する電源監視手段を備える。
本発明の電子装置は、装置が備える機能のうち、ユーザが指定した機能を、電源の状態に基づき自動的に制限することによって消費電力を低減し、装置の使用可能時間を延長することができるという効果がある。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明を実施するための最良の形態を示すブロック図である。図2は省電力モード時の機能の制限内容を指定する省電力指定情報の一例を示す図である。図3は省電力指定情報の設定画面の一例である。図4は電池の電圧の時間的変化を示すグラフである。図5は最良の実施形態の動作を示すフローチャートである。
図1から図5を用いて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。本実施形態は一般的なカメラ付き携帯電話への本発明の適用例で、図1はその携帯電話のブロック図である。本携帯電話は、電波を送受信するアンテナ1、無線送受信回路を有する無線部2、無線部2が送受信する信号を処理する信号処理部3を備える。受信した通話音声はスピーカ4から出力される。マイク5から入力された音声信号は、信号処理部3で処理され、無線部2から送信される。スピーカ4はキー操作を確認するボタン確認音、着信メロディなど、通話音声以外の音も出力する。また、各種操作を行うためのキー操作部6、着信中であることなどをイルミネーションで知らせるためのランプ7、着信を知らせるためのバイブレータ8、各種情報を表示するLCD表示部9を備える。LCD表示部9はバックライト10からの光により輝度を変えることができる。さらに、画像撮影用の受光素子、光学系などを含むカメラ部11を備えている。装置全体の動作の制御及び各種の一般的な情報の記憶等は制御部12が制御する。
上記の機能は一例であり、すべてを備える必要はない。また、同じ機能を別の方法で実現してもよい。例えば、LCD表示部9は他の構造のディスプレイであってもよい。さらに上記の機能以外に、別の機能を加えてもよい。
電池電圧測定部13は、本携帯電話全体の駆動源である電池14の電源電圧(以降、「電池電圧」という。)を測定し、電池電圧情報15として制御部12へ出力する。
制御部12は、電池電圧情報15に基づき、電池電圧が低くなったときに本携帯電話を「省電力モード」に設定する。「省電力モード」とは、本携帯電話が備える機能の一部を制限するモードである。「機能」とは、装置が備える入出力や処理等の働きである。例えば、イルミネーションの点灯、LCD表示部による表示、バックライトの点灯などが「機能」に該当する。
「機能の制限」とは、機能を使用禁止にして停止させたり、機能の動作時間の上限を設定したり、間欠的に動作させたりすることなどを意味する。一般に、ある機能を停止、あるいは動作時間を短くするとその機能の消費電力は低下する。上記の「機能」の例では、バックライトの間欠的な点灯、輝度の低下などにより省電力化が可能となる。このように、何らかの制限によって本携帯電話の消費電力が低下するような効果が得られる制限はすべて、本発明における「機能の制限」に該当する。停止させても消費電力が低下しない機能や停止させるとその後復帰できなくなるような機能は、本発明における「機能の制限」の対象とはしない。
省電力指定部16は、省電力モードにおける、機能の制限内容を指定する省電力指定情報を記憶している。省電力指定情報の例を図2に示す。ここでは、携帯電話の一般的な機能のうち、機能の制限により省電力化可能なもの9種類について、制限内容を指定している。機能制限は、9種類すべての機能について行う必要はなく、選択した機能のみ制限すればよい。図2の例では、着信イルミネーション、バックライト照明時間、着信メロディ、カメラについては制限機能としては非選択なので、「通常モード」時と同じ機能を動作させることができる。

なお、電池残量が十分で機能を制限する必要がない状態である「通常モード」においても機能の制限をすることは省電力化のために有効である。「通常モード」での機能制限は一般的な携帯電話に備えられている機能である。本発明においても、「通常モード」での機能制限を行ってよい。
図3は省電力指定情報の設定画面例である。機能ごとに左端にチェック欄17が設けられており、制限対象として選択する機能にはチェックする。ここでは、バイブレータ、バックライト輝度、LCD表示時間、ボタン確認音、ゲームソフトが、制限対象となっている。制限時、又は非制限時の機能の状態は、右端の設定状態欄18に表示される。例えば、バイブレータのチェック欄17はチェックされているので、設定状態欄18は「OFF」の表示となっている。着信イルミネーションのチェック欄17はチェックされていないので、設定状態欄18は「ON」の表示となっている。このような表示方法により、ユーザは各機能の設定状態を一覧で確認することができる。
なお、設定状態欄18には、省電力モード時における機能の制限状態を表示するようにしてもよい。このときは、ユーザは機能制限した場合の制限内容を確認することができるので、チェックするかどうかの判断を容易にすることができる。
本実施形態の動作について、図4、図5を用いて説明する。図4は本携帯電話の電池14の電池電圧の時間的変化を示すグラフである。携帯電話が動作し電力を消費すると電池残量は減少し、電池電圧は低下する。電池14を充電すると電池残量が回復し、電池電圧は上昇する。
なお、電池14は二次電池を想定しているが、一次電池、燃料電池、太陽電池等、その他の種類の電池であってもよい。携帯電話を使用することによるエネルギーの消費、あるいは高負荷時の電力供給能力の不足、電池の劣化などによる、継続的、又は一時的な電池電圧の低下を起こす電池すべてが本発明の対象となる。
本携帯電話の電池残量の判定は、制御部12が電池電圧情報15と所定の判定基準電圧とを比較することによって行う。すなわち、電池電圧が判定基準電圧VH以上のときは電池残量は十分に多いと判断する。このとき、制御部12は本携帯電話を「通常モード」に設定する。VHより低い判定基準電圧VL以上のときは電池残量がやや減少していると判断し、「省電力モード」に設定する。VLより低いときは電池残量が非常に少なく、携帯電話は安定した動作ができないと判断し、「停止モード」に設定する。
「通常モード」は携帯電話の全機能が制限なく使用できるモードである。「停止モード」ではすべての機能は停止する。「省電力モード」では、省電力指定情報に基づき、各機能は制限される。
なお、VH、VLの値をユーザが変更できるようにしてもよい。
以上は電池電圧が単調に低下していく場合の説明である。電池14が充電され電池電圧が回復していくときや、充電を中断するなどして途中で電池電圧が上下した場合も、上記の電池電圧範囲に基づき、動作モードを選択する。
モードを選択する基準となる上記の判定基準電圧VH、VLの取り扱い方は限定されない。例えば、「VH以上」は「VHより高い」でもよい。また、電池電圧を複数回測定し、その結果に基づき判定することによってノイズ等による変動の影響を取り除くような処理を備えてもよい。例えば、電池電圧を複数回測定し、所定の回数だけ連続して電圧が所定範囲に入ったことを確認し、モードを選択する等の方法がある。
図5は本実施形態の動作を示すフローチャートである。まず初めに、電池残量を判定するために、電池電圧がVH以下かどうかを確認する(S1)。電池電圧がVH以下のときは、さらにVL以下かどうかを確認する(S2)。電池電圧がVL以下のときは、電池残量が非常に少ないと判断し、「停止モード」への移行を選択する。「停止モード」に移行し全機能を停止する直前には、LCD表示部9に電池14を充電するようにアラーム表示を行う(S3)。電池14が1次電池等、交換が必要な電池の場合には交換を要求するアラーム表示を行えばよい。アラーム表示を行った後、すべての機能は停止する(S4)。
S2で電池電圧がVLより高いときは、「省電力モード」へ移行する。このとき、省電力指定部16の省電力設定情報に基づき、各機能の動作状態、パラメータを設定する。前述のように、機能制限が非選択になっている機能は、「通常モード」のときの設定のまま維持する。
以上の説明では、電池残量の測定方法は電池電圧に基づき判定することとしたが、電池残量の測定方法は特に限定されない。上記のように電池電圧を用いてもよいし、消費電流に基づき測定してもよい。消費電流に基づく方法は、例えば、電流値を時間で積分した値や、所定の間隔で測定した電流値の累積値を用いる方法がある。
(最良の実施形態の効果)
以上のような実施形態により、本携帯電話は、電池残量が少なくなったときに省電力モードに設定され、予め選択した機能が制限される。それにより、携帯電話としての消費電力が小さくなるので、携帯電話を使用できる時間が長くなるという効果がある。
最良の実施形態における「省電力モード」は、「通常モード」と「停止モード」の中間のモードとして設定されるモードである。さらに、「省電力モード」は、電池残量により、複数の段階に分けることができる。
図6は電池電圧の時間的変化の例である。図4と異なり、判定基準電圧VH、VLに加え、VHとVLの中間の電圧である判定基準電圧VMを用いている。そして、電池電圧がVH以上のときは携帯電話は「通常モード」となり、VHより低くVM以上のときは「省電力モード1」、VMより低くVL以上のときは「省電力モード2」、VLより低いときは「停止モード」となる。「通常モード」、「停止モード」の状態は最良の実施形態で記載した状態と同じである。
「省電力モード1」及び「省電力モード2」では、各々に対応した省電力指定情報に基づき、各機能を制限する。複数段階の「省電力モード」を備える場合、各「省電力モード」で制限する機能を段階的に設定することができる。例えば、バックライト10の点灯時間を、「省電力モード1」では「通常モード」時より1段階短くし、「省電力モード2」ではさらに短くするといった設定方法が可能である。このように、「省電力モード2」では「省電力モード1」よりも動作できる機能、又は設定できるパラメータの範囲を制限する。実際に設定する値は同じであってもよいが、選択の幅は「省電力モード2」の方を狭くするのが望ましい。
電池残量の表示が3段階となっている携帯電話では、フル充電状態を「通常モード」、1つ低下した段階では「省電力モード1」、2つ低下し電池残量が残り少ない状態では「省電力モード2」とすればよい。もちろん、電池残量の表示とは別個に判定基準電圧を定めてモードを選択してもよい。さらに、機能ごとに異なる判定基準電圧を設定してもよい。「省電力モード」の段階は、2段階に限定されるものではなく、任意の数の段階に分けてよい。
図7は本発明の第1の実施例の省電力設定情報の例を示すもので、「省電力モード1」、「省電力モード2」に対応している。「省電力モード許可」という欄は、「省電力モード1」、「省電力モード2」のそれぞれを適用するかどうかのチェック欄である。図7の例では「省電力モード1」のみがチェックされているので、「省電力モード2」は設定されない。つまり、電池電圧がVHを下回ったときに「省電力モード1」に設定されるが、さらに電池電圧が低下しVMを下回っても「省電力モード2」は設定されない。電池電圧がVLを下回るまで低下すると「停止モード」に設定される。
なお、「省電力モード1」、「省電力モード2」ともに選択、あるいは非選択としてもよい。あるいは、「省電力モード許可」の欄を設けずに、常に「省電力モード1」、「省電力モード2」とも設定されるように固定してもよい。
図7の省電力設定画面の例では、機能ごと、「省電力モード」ごとに、選択肢が表示されている。「省電力モード2」では選択肢が狭まっており、例えば、バックライト照明時間では60秒の設定はできない。「省電力モード2」では1種類の制限状態となる機能も存在し、例えば、バイブレータ機能は「OFF」のみとなっており、選択の変更はできない。このように選択の余地がない項目は括弧で囲んで表示している。
ユーザが指定した内容にはアンダーラインが表示され、指定内容が確認できるようになっている。例えば、「省電力モード」1での着信イルミネーションは、「ON」が選択されている。
(第1の実施例の効果)
第1の実施例によると、「省電力モード」を複数段階備えることにより、電池残量の減少に伴って、順に機能を制限していくことができる。そして、省電力モード設定画面では、各「省電力モード」で選択可能な制限内容を表示する。これにより、段階的な機能制限の設定が容易となる。このように、第1の実施例では、使用性を保ったまま、効率的に使用可能時間を延長することができる。
前述のように、「通常モード」、「省電力モード」、「停止モード」を区別する基準の電池電圧VH、VLを機能ごとに変えることもできる。その場合、消費電力の大きい機能を早めに「省電力モード」に移行させ、消費電力の小さい機能は「停止モード」直前まで「通常モード」を保つ、といった制御が可能となる。機能ごとにVH、VLを設定した場合は、ある時点において、機能Aは「省電力モード」に設定されているが、機能Bは「通常モード」のままというような状態も起きることになる。
そこで、ある時点において各機能に設定されている制限内容を表示したり、「省電力モード」に設定したときの各機能の制限範囲を表示することが有効となる。第2の実施例では、その時点の電池電圧に基づき、省電力モード設定画面における選択肢のリストの表示内容を変更している。
図8は電池電圧の時間的変化を示すグラフで、「通常モード」と「省電力モード」間の移行を行う電圧の判定基準電圧VHを、機能Aと機能Bで、VHa、VHbのように区別している。電池電圧がVHaを下回ると機能Aは「省電力モード」に設定され、VHbを下回ると機能Bが「省電力モード」に設定される。従って、図8のT1及びT2の期間では、機能Aは「省電力モード」に設定されるが(機能Aは「省電力モード」が有効に設定されているものとする。)、機能Bは「通常モード」のままである。
図9は第2の実施例における、省電力指定情報の設定画面の例である。より高い電池電圧で「省電力モード」に設定される機能Aには、バックライト輝度、LCD表示時間、カメラが割り当てられている。設定画面上では、機能の名称の後に「(A)」を追加して表示している。その他はすべて機能Bに割り当てられているものとする。
このとき、「通常モード」時は、図9(a)のように、全機能は機能制限を受けていないので、設定できる選択肢は最大の範囲になっている。しかし、図8のT1又はT2の期間では、機能Aのみ「省電力モード」に設定されるので、図9(b)のような表示となる。このように、機能Aに割り当てられている機能では、選択肢の数が減少している。例えば、バックライト輝度は「省電力モード」時には自動的にレベル2となり、ユーザが選択する余地はなくなっている。LCD表示時間については、5分又は1分のみが選択可能で、10分は選択できない。
このように、設定可能な「省電力モード」時の制限内容を、そのときの電池残量に応じて表示することができる。
なお、機能A及び機能Bの個数及び選定する機能、VHa、VHbの値及び上下関係は任意である。
(第2の実施例の効果)
第2の実施例によると、「省電力モード」を選択する基準の電池残量を機能ごとに変えることができるので、各機能の消費電力の大小に基づき「省電力モード」への移行時期を緻密に制御することができる。この制御により、使用性を保ったまま、効率的に使用可能時間を延長することができる。
また、各機能の制限内容をそのときの電池残量に応じてリアルタイムに表示するので、その時点での制限の有無及び制限内容を知ることができる。そのため、その時点で設定可能な制限内容をユーザが容易に認識することができる。
図4、図6の電池電圧の時間的変化のグラフでは、電池電圧は単調に低下、又は上昇するものとして表示している。携帯電話が動作することによるエネルギー消費に伴う電池電圧の低下、充電による上昇のように、分、時間のオーダーの長期的な電池電圧の変動については単調であると考えてよい。
しかし、実際には、電池電圧は、マイクロ秒、ミリ秒のオーダーという短期的視点で見ると、各機能の動作状態、処理状態による負荷電流の変化やノイズ等の影響のために激しく変動する。従って、電池電圧と判定基準電圧とを比較する際に、電池電圧の短期的変動を考慮することが有効である。特に、「停止モード」ではすべての機能を停止させるので、短時間だけ「停止モード」に入り、すぐに「省電力モード」に復帰するというような不安定な動作が生じないように対策する必要がある。
第3の実施例は、制御部12の電池残量判定方法を、電池電圧に生じる短期的変動に対応することができるようにしたものである。図10は電池電圧に短期的変動が含まれるときの、電池電圧の時間的変化のグラフである。
第3の実施例では、制御部12内の電池電圧の比較はヒステリシスを持って行う。そのために、「省電力モード」への設定と「停止モード」への設定を区別するための電池電圧の判定基準電圧は、VL1に加え、第2の判定基準電圧VL2も備えている。制御部12は、電池電圧がVL1を下回れば「停止モード」へ設定し、次にVL2を上回るまで、「省電力モード」には復帰しないようにする。これにより、ヒステリシス幅(VL2とVL1の電圧差)より小さな電圧変動が電池電圧に生じても、安定して判定を行うことができる。
ヒステリシス幅は、短期的変動では生じないノイズの電圧幅より大きく設定する必要がある。さもなければ、電池電圧がVH2よりわずかに高いときにノイズが発生すると、短期間だけ、VH1より下回ったものと判断され、ヒステリシスを持った比較を行う効果が生じない。
ヒステリシス幅の決定方法は本発明の趣旨に関係しないので、方法は特に限定しない。例えば、ノイズの電圧幅を実験的に求め、ノイズ電圧幅に適当な余裕を持つような値に設定すればよい。
また、上記で時間の長短を示すために用いた「長期的」、「短期的」という表現は、具体的に時間を限定するものではない。携帯電話のモード変更が安定して行われるように、ノイズとみなす時間幅を規定し、それに基づきヒステリシス幅を設定すればよい。
なお、ヒステリシスを持った比較は、「省電力モード」と「停止モード」の判定のみでなく、「通常モード」と「省電力モード」の判定にも適用してよい。
(第3の実施例の効果)
第3の実施例では、電池電圧と判定基準電圧との比較にヒステリシスを持たせているので、電池電圧がノイズ等により短期間的に変動しても、比較結果はそれに影響されることがない。それにより、短時間のうちにモード変更が頻繁に起こるといった不安定な動作を防ぐことができる。
省電力指定情報は省電力モード時の制限機能を指定するものであるが、その指定内容を携帯電話の使用場面によって変えられるようにしてもよい。
図11は、省電力モード時の制限機能を、使用場面に応じて切り換えられるようにした省電力指定情報の表示画面の例である。この例では、主にカメラによる撮影を行う場面を想定した省電力設定Aと、主に通常の携帯電話として使用する場面を想定した省電力設定Bの、2組の省電力指定情報を備えている。省電力設定Aでは、カメラとして使用するために、カメラは起動可とし、イルミネーション、バイブレータ動作などを禁止している。逆に、省電力設定Bでは、通話、メール送受信のみを行うものとし、カメラ機能は起動不可としている。
図11の省電力設定A、Bの設定内容は一例である。通話専用、カメラ専用以外に、その他の場面を想定した設定を行うことももちろん可能である。
ユーザは、本携帯電話の使用場面に応じて、省電力モード設定画面で、省電力設定A又は省電力設定Bを選択する。
なお、省電力設定A、省電力設定Bの両方にチェック欄を設け、一方を選択し他方を非選択とするのみでなく、両方を非選択とすることができるようにしてもよい。両方を非選択にした場合は、省電力モードは無効となる。
(第4の実施例の効果)
第4の実施例の省電力モードの指定方法によると、携帯電話の使用場面に応じて、必要な機能は動作制限を行わず、不要な機能は必要に応じて省電力動作を行うという指定を行うことができる。さらに、その設定を一括して行うことができるので、非常に効率的に省電力モード時の設定を行うことができる。特に、使用場面が変わり、「省電力モード」時の設定を全面的に変更したいときに効果的である。
「省電力モード」では、機能が制限され、起動自体が禁止されているときに、その機能を誤って起動しようとしてしまうことが考えられる。そのようなときのために、アラーム表示を行う第5の実施例を示す。
図12は、「省電力モード」中に起動が制限されているゲームソフトを起動しようとした場合のアラーム表示の例である。この例では、ゲームソフトが起動できないこと、起動のためには機能制限を解除すべきことを表示している。もちろん、表示内容はこれに限定されない。例えば、省電力モード設定画面へジャンプすることができ、設定の変更を容易にするようなリンクを設けてもよい。
(第5の実施例の効果)
第5の実施例によると、「省電力モード」中に、誤って制限されている機能を起動しようとした場合に、起動できないこととその原因、対応方法などが表示されるので、ユーザは適切な対応策をとることができるという効果がある。
第6の実施例では、少なくとも一つの機能が「省電力モード」への移行を許可されているとき、そのことを表示しユーザに知らせる。図13は、電池残量のアイコン表示の一例を示す図である。
「省電力モード」による機能制限は、電池残量が一定以下になった場合に実行される。そのため、「通常モード」にあるときなどは、「省電力モード」への移行が許可されていること(少なくとも1つの機能に「省電力モード」が設定されていること)が認識できない。
そこで、「省」の文字を追加した電池のアイコンをLCD表示部9に表示する。「省」の文字により、「省電力モード」が許可されていることが容易に認識できる。
(第6の実施例の効果)
第6の実施例によると、いずれかの機能が「省電力モード」での機能制限対象として設定されていることを常に確認することができる。そのため、誤って制限されている機能を起動しようとすることを防ぐことができる。あるいは、ある機能が使用できないとき、その原因が「省電力モード」中であることなどを知ることができる。
また、「省電力モード」に移行していることあるいは「省電力モード」が許可されていることが不適当な場面であれば、「省電力モード」を解除(全ての機能制限を解除)するといった、対応をとることができるという効果がある。
本発明の最良の実施形態を示すブロック図である。 本発明の最良の実施形態における省電力指定情報の一例を示す図である。 本発明の最良の実施形態における省電力指定情報の設定画面の一例を示す図である。 本発明の最良の実施形態における電池電圧の時間的変化を示すグラフである。 本発明の最良の実施形態の動作を示すフローチャートである。 第1の実施例における電池電圧の時間的変化を示すグラフである。 第1の実施例における省電力指定情報の設定画面の一例を示す図である。 第2の実施例における電池電圧の時間的変化を示すグラフである。 第2の実施例における省電力指定情報の設定画面の一例を示す図である。 第3の実施例における電池電圧の時間的変化を示すグラフである。 第4の実施例における省電力指定情報の設定画面の一例を示す図である。 第5の実施例におけるアラーム画面表示の一例を示す図である。 第6の実施例における電池残量のアイコン表示の一例を示す図である。
符号の説明
1 アンテナ
2 無線部
3 信号処理部
4 スピーカ
5 マイク
6 キー操作部
7 ランプ
8 バイブレータ
9 LCD表示部
10 バックライト
11 カメラ部
12 制御部
13 電池電圧測定部
14 電池

Claims (14)

  1. 電池電圧の測定を行う電池電圧測定部と
    前記電池電圧と判定基準電圧とを比較を行い、前記電池電圧が前記判定基準電圧を下回った場合に少なくとも1つの機能を省電力モードに設定を行う制御部と
    前記省電力モードにおいて、機能の動作内容の制限を行う省電力指定部とを備え、
    前記省電力モードは、前記判定基準電圧に対応して少なくとも2つ設けられ、
    前記省電力指定部は、機能の制限内容を指定する任意に設定可能な複数の省電力指定情報に基づいて各省電力モードごとに所定の動作機能の設定可能なパラメーターの範囲を段階的に制限し、制限された機能は設定できないことを特徴とする電子装置。
  2. 前記制御部は、異なる機能ごとにそれぞれ設定された前記判定基準電圧との比較を行い、
    前記省電力指定部は、異なる機能ごとにそれぞれ動作内容を制限することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記制御部は、前記電池電圧が前記判定基準電圧よりも所定の電圧だけ高い第2の判定基準電圧を上回ったときに、前記省電力モードの設定を解除することを特徴とする請求項1乃至2に記載の電子装置。
  4. 前記動作が制限されている機能を、前記電池電圧に基づいて表示する制限表示部を設けていることを特徴とする請求項1乃至3記載の電子装置。
  5. 前記電池電圧測定部は、電池の残量を前記電池電圧として測定することを特徴とする請求項1又は4のいずれかに記載の電子装置。
  6. 前記制御部は、前記省電力モードにおいて制限された機能が指示されたとき、所定の警告表示を行う警告手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の電子装置。
  7. 前記複数の機能のうち、少なくとも1つの機能が前記省電力モードへの移行を許可されているとき、所定の表示を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子装置。
  8. 電池電圧の測定を行う第1ステップと
    前記電池電圧と判定基準電圧とを比較を行い、前記電池電圧が前記判定基準電圧を下回った場合に少なくとも1つの機能を省電力モードに設定を行う第2ステップと
    省電力モードにおいて、機能の動作内容の制限を行う第3ステップとを備え、
    前記省電力モードは、前記判定基準電圧に対応して少なくとも2つ設けられ、
    前記第3ステップは、機能の制限内容を指定する任意に設定可能な複数の省電力指定情報に基づいて各省電力モードごとに所定の動作機能の設定可能なパラメーターの範囲を段階的に制限し、制限された機能は設定できないことを特徴とする電子装置の制御方法。
  9. 前記第2ステップは、異なる機能ごとにそれぞれ設定された前記判定基準電圧と前記電池電圧との比較を行い、
    前記第3ステップは、異なる機能ごとにそれぞれ機能の動作内容を制限することを特徴とする請求項8に記載の電子装置の制御方法。
  10. 前記電池電圧が前記判定基準電圧よりも所定の電圧だけ高い第2の判定基準電圧を上回ったときに、前記省電力モードの設定を解除する第4ステップを備えていることを特徴とする請求項8乃至9に記載の電子装置の制御方法。
  11. 前記動作が制限されている機能を、前記電池電圧に基づいて表示する第5ステップを設けていることを特徴とする請求項8乃至10に記載の電子装置の制御方法。
  12. 前記第1ステップは、電池の残量を前記電池電圧として測定することを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の電子装置の制御方法。
  13. 前記省電力モードにおいて制限された機能が指示されたとき、所定の警告表示を行う第6ステップを備えていることを特徴とする請求項8乃至12に記載の電子装置の制御方法。
  14. 前記複数の機能のうち、少なくとも1つの機能が前記省電力モードへの移行を許可されているとき、所定の表示を行う第7ステップを備えていることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の電子装置の制御方法。
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