JP4852197B2 - 高所作業車のバケット取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、起伏駆動自在な伸縮ブームの先端部に水平旋回駆動自在にバケットを取り付けてなる高所作業車のバケット取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の高所作業車のバケット取付構造は、図3および図4に示すように、伸縮ブーム1の先端部に当該伸縮ブーム1の起伏駆動に関わらず鉛直姿勢を維持するよう立設したポスト軸2、その基端部に配置したベアリング部3aを前記ポスト軸2に上方から外嵌することでポスト軸2に水平旋回自在に取り付けられたバケット取り付け枠3、および、バケット取り付け枠3とポスト軸2との間に介装されモータ5により回転駆動されてこれら両者2,3を相対的に水平旋回駆動する減速機構4とで構成している。
6は、バケット取付枠4に取り付けたバケットである。
図3および図4の例では、前記ベアリング部3aは、所定の上下間隔をおいてバケット取付枠3の基端部に配置した上部ベアリング部3a1と下部ベアリング部3a2で構成されている。
【0003】
前記減速機構4は、バケット取付枠3のベアリング部3aと上下に重合するようにしてポスト軸2に回転不能に外嵌したウオームホイール4aと、ウオームホイール4aに噛合するようにしてバケット取付枠3に取り外し自在に取り付けられ油圧または電動モータ5で回転駆動されるウォームギヤー4bとで構成されている。
ポスト軸2に対するウオームホイール4aの回転不能な取り付けは、両者を貫通する取り外し可能な固定ピン7によりなされている。
【0004】
ポスト軸2にバケット取付枠3および減速機構4を組み付けた図3および図4の状態において、モータ5によりウオームギヤー4bを回転駆動すると、当該ウオームギヤー4bがウオームホイール4aの回りを周回する。ウオームホイール4aはポスト軸2に回転不能に外嵌されており、ウオームギヤー4bはバケット取付枠3に取り付けられているので、ポスト軸2に対してバケット取付枠3を水平旋回駆動できるのである。
【0005】
ところで、このように構成した従来のバケット取付構造は、ポスト軸2に対するバケット取付枠3および減速機構4を組み付けは、次のように行っている。
【0006】
先ず、ウオームギヤー4bを取り外したバケット取付枠3のベアリング部3aと、ウオームホイール4aを上下に重合状態(図2のものでは上部ベアリング部3a1と下部ベアリング3a2の間にウオームホイールを位置させた状態)でポスト軸2に上側から外嵌する。そして、ウオームホイール4aを固定ピン7でもってポスト軸2に回転不能なよう固定する。
ベアリング部3a(3a1および3a2)は、ポスト軸2に対して回転自在となっている。したがって、バケット取付枠3は、ポスト軸2を中心に水平旋回自在となっている。
【0007】
次に、ウオームホイール4aに噛合するようにしてバケット取付枠3にウオームギヤー4bを回転自在に取り付ける。この取り付けは、バケット取付枠3の左右の側壁に取り外し自在に取り付けられる軸受フランジにより行われる。
【0008】
次いで、バケット取付枠3に回転自在に取り付けたウオームホイール4aを回転駆動するための油圧または電動モータ5をバケット取付枠3に取り付ける。
【0009】
ポスト軸2にバケット取付枠3および減速機構3を組み付けた図2の状態から、これを分解しようとするときは、上記の逆手順で行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の高所作業車のバケット取付構造は、その分解および組み付け時に、減速機構4のウオームホイール4aとをウオームギヤー4bを分解および組み付ける必要があった。このため、組み付け時において、ウオームホイール4とウオームギヤー4aの組み立て(噛合精度を確保しての組み立て)が煩雑であるという問題がある。
【0011】
また、組み付け時において、減速機構4のウオームホイール4aとウオームギヤー4bが外部に露出しているので、塵埃が付着し易く、磨耗が早いという問題がある。
【0012】
更に、ウオームホイール4aおよびウオームギヤー4bの外部露出は、潤滑油が蒸散しやすいため、潤滑油脂を頻繁に補給しなければならないという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、従来技術が持つこのような問題を解決した高所作業車のバケット取付構造を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る高所作業車のバケット取付構造は、以下の如く構成している。
起伏駆動自在な伸縮ブーム1の先端部に水平旋回駆動自在にバケット6を取り付けてなる高所作業車のバケット取付構造であって、伸縮ブーム1の先端部に当該伸縮ブーム1の起伏駆動に関わらず鉛直姿勢を維持するよう立設したポスト軸2、その基端部に配置したベアリング部3aを前記ポスト軸2に上方から外嵌することでポスト軸2に水平旋回自在に取り付けられたバケット取付枠3、および、バケット取付枠3とポスト軸2との間に介装されモータ5により回転駆動されてこれら両者3,2を相対的に水平旋回駆動する減速機構4とを備えたものにおいて、
前記減速機構4を、減速機ケース、減速機ケースの上下側壁に回転自在に支持されて減速機ケースを上下に貫通する出力軸であってその軸心に前記ポスト軸2を受容するポスト受容穴を有する中空の出力軸、減速機ケース内で前記出力軸に固定配置したウォームホイール4a、および、ウオームホイール4aに噛合して減速機ケース内に配置されモータで回転駆動されるウォームギヤー4bとで構成すると共に、この減速機構は、その出力軸をバケット取付枠の前記ベアリング部と上下方向に重合するようにしてポスト軸に回転不能に外嵌しており、且つ、その減速機ケースをバケット取付枠に相対回転不能に連結してあることを特徴とする高所作業車のバケット取付構造。
【0015】
【作用】
本発明は、図3および図4に示し上述した従来のバケット取付構造における減速機構4の構成を変更したものである。
即ち、前記減速機構4を、減速機ケース、減速機ケースの上下側壁に回転自在に支持されて減速機ケースを上下に貫通する出力軸であってその軸心に前記ポスト軸を受容するポスト受容穴を有する中空の出力軸、減速機ケース内で前記出力軸に固定して軸支したウォームホイール4a、および、ウオームホイール4aに噛合して減速機ケース内に配置されモータ5で回転駆動されるウォームギヤー4bとで構成すると共に、この減速機構4は、その出力軸をバケット取付枠3の前記ベアリング部3aと上下方向に重合するようにしてポスト軸2に回転不能に外嵌しており、且つ、その減速機ケースをバケット取付枠3に相対回転不能なよう連結したのである。
【0016】
このような構成を持つ本発明に係る高所作業車のバケット取付構造によれば、ポスト軸2に対するバケット取付枠3および減速機構4を組み付けは次のように行われる。
先ず、バケット取付枠3のベアリング部3aと減速機4の出力軸を上下に重合状態でポスト軸2に上側から外嵌する。減速機構4の主要構成要素たるウオームホイール4aとウオームギヤー4bとは減速機ケース内に噛合精度を維持して組み立てられている。
減速機構4の出力軸は、ポスト軸2に外嵌した状態で当該ポスト軸2に回転不能に固定される。バケット取付枠3は、ポスト軸2を中心に水平旋回自在となっている。
【0017】
この状態において、減速機ケースとバケット取付枠3は、両者がポスト軸2回りで相対回転しないよう連結する。
【0018】
次に、減速機ケースに、ウォームギヤーを回転駆動するモータを取り付ける。勿論、このモータ5は、減速機4の出力軸をポスト軸2に外嵌するに先だって予め減速機ケースに取り付けておいても良い。
【0019】
ポスト軸2からバケット取付枠3および減速機構4を分解しようとするときは、上記の逆手順で行う。
【0020】
【効果】
このように構成し作用する本発明の高所作業車のバケット取付構造は、その分解および組み付け時に、減速機構4の基本的構成要素としてのウオームホイール4aおよびウォームギヤー4bを分解する必要がなく、これらウオームホイール4aとウオームギヤー4bは、分解および組み付けの前後にわたり減速機ケース内に噛合精度を維持して組み立てられたままであるので、ウオームホイール4とウオームギヤー4aの組み立て(噛合精度を確保しての組み立て)が煩雑であるという従来技術の問題点は完全に解消される。
【0021】
また、減速機構4のウオームホイール4aとウオームギヤー4bは、組み付けの前後にわたり減速機ケースで覆われているので、塵埃付着による磨耗が防止できる。
【0022】
更に、ウオームホイール4aとウォームギヤー4bが、組み付けの前後にわたり減速機ケースに覆われおり、潤滑油脂の蒸散が押さえられるので、潤滑油脂の補給頻度を大幅に減少させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高所作業車のバケット取付構造の実施例を、図1および図2に基づいて説明する。
本発明に係る高所作業車のバケット取付構造は、起伏駆動自在な伸縮ブーム1の先端部に水平旋回駆動自在にバケット6を取り付けてなる高所作業車のバケット取付構造であって、伸縮ブーム1の先端部に当該伸縮ブーム1の起伏駆動に関わらず鉛直姿勢を維持するよう立設したポスト軸2、その基端部に配置したベアリング部3aを前記ポスト軸2に上方から外嵌することでポスト軸2に水平旋回自在に取り付けられたバケット取付枠3、および、バケット取付枠3とポスト軸2との間に介装されモータ5により回転駆動されてこれら両者3,2を相対的に水平旋回駆動する減速機構4とを備えてなるものである点では、上記した従来の高所作業車のバケット取付構造と同じものである。
【0024】
本発明に係る高所作業車のバケット取付構造は、従来のものに比して、その減速機構4まわりの構成を異にしている。但し、減速機構4が主要構成要素としてウオームホイール4aおよびウオームギヤー4bを備えていることに変わりはない。
このため、以下の説明では、減速機構4まわりの構成について説明し、その他の構成については、図3〜図4に示し上述した従来例のそれを援用する。
【0025】
図1および図2に示すように、減速機構4は、減速機ケース8、減速機ケース8の上下側壁8a,8bに回転自在に支持されて減速機ケース8を上下に貫通する出力軸9、減速機ケース8内で前記出力軸9に固定配置したウォームホイール4a、および、ウオームホイール4aに噛合して減速機ケース8内に回転自在に配置されモータ5により回転駆動されるウオームギヤー4bとで構成されている。前記出力軸9は、その軸心にポスト軸2を密に受容するポスト受容穴9aを備えている。
【0026】
減速機構4は、その出力軸9をバケット取付枠3の前記ベアリング部4aと上下方向に重合するようにしてポスト軸2に回転不能に外嵌されている。出力軸9のポスト軸2に対する回転不能な取り付けは、出力軸9をポスト軸2に上方から外嵌(ポスト軸2が出力軸9のポスト受容穴9aに内挿)した後、当該出力軸9の下端部とポスト軸2を固定ピン7により相対回転不能に固定することで行われる。
【0027】
10は、組み付け状態において減速機ケース8バケット取付枠3がポスト軸2回りで相対回転しないよう連結するための連結手段である。この連結手段10は、組み付け状態にある減速機ケース8の側方に位置するようにしてバケット取付枠3に立設した取り外し自在な回転止めピン10aと、減速機ケース8から側方に延出されその延出端部に平面視U字状の外開切欠を備えた係合片10bとから構成されている。そして、この連結手段10は、組み付け状態において、係合片10bの外開切欠内に回転止めピン10aが入り込んで、減速機ケース8とバケット取付枠3がポスト軸2回りで相対回転しないように連結する。
【0028】
次に、ポスト軸2に対するバケット取付枠3および減速機構4を組み付けについて説明する。
先ず、バケット取付枠3のベアリング部3aと減速機4の出力軸9を上下に重合状態でポスト軸2に上側から外嵌する。減速機構4の主要構成要素たるウオームホイール4aとウオームギヤー4bとは減速機ケース内に噛合精度を維持して組み立てられている。
減速機構4の出力軸9は、ポスト軸2に外嵌した状態で当該ポスト軸2に回転不能に固定される(固定ピン7により)。バケット取付枠3は、ポスト軸2を中心に水平旋回自在となっている。
【0029】
この状態において、減速機ケース8とバケット取付枠3を、両者がポスト軸2回りで相対回転しないよう連結する(回転止めピン10aを、当該回転止めピン10aが係合片10bの外開切欠内に入り込むよう、バケット取付枠3に取り付ける)。
【0030】
次に、減速機ケース8に、ウォームギヤー4b回転駆動用のモータ5を取り付ける。勿論、このモータ5は、減速機4の出力軸9をポスト軸2に外嵌するに先だって予め減速機ケース8に取り付けておいても良い。
【0031】
ポスト軸2からバケット取付枠3および減速機構4を分解しようとするときは、上記の逆手順で行う。
【0032】
なお、図1および図2に示した本発明に係る高所作業車のバケット取付構造では、組み付け状態において減速機ケース8とバケット取付枠3の相対回転(ポスト軸2周りでの相対回転)を阻止するための連結手段10を、減速機ケース8のバケット6側に配置しているが、この連結手段10を、図2に仮想線で示すように、減速機ケース8の側方(バケット6側を避けた位置)に設けるようにしても良い。この場合、減速機ケース8とバケット6との間の空間を連結手段10が占領しないので、その分だけバケット6をポスト軸2に近づけて配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業車のバケット取付構成の要部の縦断面図(図2のX−X断面図)である。
【図2】本発明に係る高所作業車のバケット取付構成の要部平面図である。
【図3】従来の高所作業車のバケット取付構成の要部縦断面図(図4のX−X断面図)である。
【図4】従来の高所作業車のバケット取付構成の要部平面図である。
【符号の説明】
1;伸縮ブーム、2;ポスト軸、3;バケット取付枠、
3a;ベアリング部、3a1;上部ベアリング部、3a2;下部ベアリング部、
4;減速機構、4a;ウオームホイール、4b;ウオームギヤー、
5;モータ、6;バケット、7;固定ピン、
8;減速機ケース、8a;:減速機ケース8の上側壁、8b;減速機ケース8の下側壁、
9;出力軸、9a;ポスト受容穴、
10;連結手段、10a;回転止めピン、10b;係合片、
以上

Claims (1)

  1. 起伏駆動自在な伸縮ブーム1の先端部に水平旋回駆動自在にバケット6を取り付けてなる高所作業車のバケット取付構造であって、伸縮ブーム1の先端部に当該伸縮ブーム1の起伏駆動に関わらず鉛直姿勢を維持するよう立設したポスト軸2、その基端部に配置したベアリング部3aを前記ポスト軸2に上方から外嵌することでポスト軸2に水平旋回自在に取り付けられたバケット取付枠3、および、バケット取付枠3とポスト軸2との間に介装されモータ5により回転駆動されてこれら両者を相対的に水平旋回駆動する減速機構4とを備えたものにおいて、
    前記減速機構4を、減速機ケース8、減速機ケース8の上下側壁8a,8bに回転自在に支持されて減速機ケース8を上下に貫通する出力軸9であってその軸心に前記ポスト軸2を受容するポスト受容穴9aを有する中空の出力軸9、減速機ケース8内で前記出力軸に固定配置したウォームホイール4a、および、ウオームホイール4aに噛合して減速機ケース8内に配置されモータ5で回転駆動されるウォームギヤー4bとで構成すると共に、
    この減速機構4は、その出力軸9をバケット取付枠3の前記ベアリング部3aと上下方向に重合するようにしてポスト軸2に回転不能に外嵌しており、且つ、その減速機ケース8をバケット取付枠3に相対回転不能に連結してあることを特徴とする高所作業車のバケット取付構造。
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