しかしながら、上記特許文献1,2に開示のものは、いずれも遊技機の前方かつ遊技領域の外側から遊技領域に向けて斜め方向に直接照明光を照射するものであり、遊技領域の周縁にまで充分に照明するのは難しい。
一般に、遊技領域の周囲はレール飾りと呼ばれる周囲部材で略円形に囲まれ、弾球発射された弾が遊技領域外に飛び出さないように構成されている。このレール飾りは、遊技領域を囲むように立設して遊技領域の周縁を構成する内側面を有して遊技盤面より前方に膨出するように配置される。したがって、遊技機の前方であって遊技領域の外側から遊技領域に向けて斜め内側方向に直接照明光を照射しても、遊技領域周縁近傍においてはレール飾りによって遮光されてしまい、光が充分に行き届かない。
更に、照明光源と遊技領域との距離が近いと照明光が充分に拡散されず、照明領域を充分に広く確保することが難しいという問題もある。一方、照明光源を遊技領域から遠ざけるためには、遊技領域に対して照明光源をより前方に配置する必要がある。そうすると遊技機が前方に大きく突出して不格好となり、デザイン上・構造上好ましくないばかりでなく、パチンコホール天井からの照明光を一層遮光することとなり、遊技領域内の視認性確保という本来の趣旨を没却してしまうこととなる。
また、上記特許文献3に開示のものは、遊技盤面上の非遊技領域に照明光源を配して遊技領域を照明するものであり、照明光源の配置や配線が困難である。すなわち、遊技盤面上には、多数の入賞口とその入賞球センサ、図柄表示装置、各種ランプ等が既に配置されており、それに加えて新たな照明光源を配置するのはスペース上好ましくない。
その照明光源が遊技盤上に配置されているので、遊技盤を交換して遊技形態を新規更新する際には、寿命が残っていても照明光源も併せて交換されてしまう。そして、照明光源を交換する際には照明光源用の配線の交換やコネクタの着脱作業が必要になったりするので、部品の交換コストの上昇や交換作業性の悪化を招いてしまうという問題がある。
このものにおいても、照明光を拡散して照明領域を広く確保するためには、照明光源と遊技領域とはある程度離れている方が好ましい。その照明光源と遊技領域との距離を確保するためには遊技盤を大面積化するか又は遊技領域を小面積化する必要がある。
しかし、遊技盤の大面積化は遊技機の大型化・コスト増大・重量化を招いて好ましくない。一方、遊技領域の小面積化は遊技領域内への多数のゲージ・入賞口・役物等の配置を困難にする。一定面積の遊技盤上で照明光源を遊技領域から遠ざけることには限界があり、充分な光路長を確保できない虞がある。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたもので、遊技機のデザイン性を損なうことなく簡単な構成で遊技領域、特に遊技領域の周縁近傍を有効に照明することができ、遊技領域内における遊技媒体の視認性を向上することができる遊技機用照明構造、遊技機及び周囲部材を提供することを例示的課題とする。
また、併せて遊技盤の交換時における部品コスト向上や交換作業性悪化を抑制することや、照明光源から遊技領域までの光路長を長く確保することにより遊技領域内における充分な広さの照明領域を確保することを他の例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての遊技機用照明構造は、遊技媒体の流下による遊技を実現するための遊技領域が前面に形成された遊技装置体とその遊技装置体を保持する機枠とを含む機枠ユニットと、遊技領域の周囲を装飾するための装飾部材とその装飾部材を保持して機枠ユニットの前方に配置される装飾枠とを含む装飾枠ユニットとを有する遊技機に用いられる遊技機用の照明構造であって、装飾枠ユニット側に配置されて機枠ユニットに向けて光を照射する光源と、機枠ユニット側に配置されて光源からの光を遊技領域へと光路変更する光路変更部とを有することを特徴とする。
装飾枠ユニット側に光源が配置されているので、遊技盤の交換時にも光源やその配線を交換したり光源用の配線コネクタの着脱を行う必要がないので、部品コストの低減や交換作業性の向上に寄与することができる。また、機枠ユニット側に光路変更部が配置されているので、光源からの光を光路変更することによって遊技領域へと導くことが可能である。したがって、遊技領域の周囲を囲むレール飾りに遮られることなく充分な光を遊技領域の周縁に導くことができ、遊技領域内における遊技媒体の視認性を向上させることができる。
光路変更部で光路変更することによって光源からの光を遊技領域へと導くので、光源からの光を直接遊技領域へと導くよりも光路長を長くすることができる。したがって、遊技機を前方へと大きく突出させてデザイン性を悪化させたり、遊技盤の大型化・遊技領域の小型化を招くことなく、充分に光を拡散させて照明領域を大きく確保することができる。
なお、本願においては、遊技機から遊技者に向かう方向が「前方」・「前側」であり、前方を向く面が「前面」である。逆に遊技者から遊技機に向かう方向が「後方」・「後側」であり、後方を向く面が「後面(背面、裏面ともいう。)」である。
装飾部材の機枠ユニット側が少なくとも部分的に光透過可能とされ、光源が装飾部材の内部に配置されていてもよい。光源が装飾部材の内部に配置されているので、光源を配置するスペースを装飾枠ユニット側に別途確保する必要がない。また、装飾部材を不透明とすることにより光源を遊技者から不可視とすることもできるので、遊技機のデザイン性を損なわずに済む。
装飾部材の内部にこの光源とは別の装飾光源が配置されていれば、両者の配線を取り纏めて配置することができるので、配線作業の効率化に寄与することができる。更に、両光源を纏めて基板上に配置すれば、基板や配線コネクタ等の個数を削減することもでき、部品コストの低減や一層の配線効率化に寄与することができる。
その装飾部材の機枠ユニット側、すなわち後面が少なくとも部分的に光透過可能とされているので、光源からの光を確実に機枠ユニット側へと導くことができる。もちろん、装飾部材が中空構造とされていれば、簡単な作業でその中空内部に光源を配置することができる。
遊技装置体の前面に遊技領域を囲むレール飾り部が配置され、レール飾り部の装飾枠ユニット側と遊技領域の周縁を構成する内側面とがともに少なくとも部分的に光透過可能とされ、光路変更部が、レール飾り部の内部に配置されて光源からの光を遊技領域の周縁近傍に導いてもよい。
光路変更部がレール飾り部の内部に配置されているので、光路変更部を配置するスペースを機枠ユニット側に別途確保する必要がない。また、レール飾り部を不透明とすることにより光路変更部を遊技者から不可視とすることもできるので、遊技機のデザイン性を損なわずに済む。
そのレール飾り部の装飾枠ユニット側、すなわち前面が少なくとも部分的に光透過可能とされているので、装飾枠ユニット側の光源からの光を確実に光路変更部へと導くことができる。更に、レール飾り部の内側面が少なくとも部分的に光透過可能とされているので、光路変更部によって光路変更された光を確実に遊技領域へと導くことができる。
レール飾り内部の光路変更部からの光を、内側面を通して遊技領域へと導くので、遊技領域の周縁近傍、すなわち内側面近傍を効果的に照明することができる。したがって、周縁近傍における遊技媒体の視認性を格段に向上させることができる。もちろん、レール飾り部が中空構造とされていれば、簡単な作業でその中空内部に光路変更部を配置することができる。
レール飾り部が中空構造とされて光路変更部がその中空内部に配置され、内側面における光透過可能部が内側面を貫通する透光孔であってもよい。
光透過可能部が内側面を貫通する透光孔であるので、簡単に光透過可能部を形成することができる上に、内側面透過による照明光の輝度損失を極めて小さく抑えることができる。
遊技装置体の前面側に遊技媒体の流下空間を形成するために一定距離以上離間して前面透明板が配置されるとともに、内側面において、少なくとも遊技領域から前方へ遊技媒体の半径に相当する寸法未満の位置から、前面透明板から後方へ半径に相当する寸法未満の位置までの間に、内側面を保護する保護部材が配置されていてもよい。
遊技媒体が、例えば直径11mmの球である場合において、保護部材が上記の位置(すなわち、遊技領域から前方へ5.5mm未満の位置から、前面透明板から後方へ5.5mm未満の位置まで。)に配置されていれば、遊技媒体と内側面との接触摺動による内側面の摩耗や損傷を防止することができる。しかも、保護部材が配置されていない内側面部分を光透過可能部とすることにより、遊技領域の充分な照明と内側面の保護との両立を実現することができる。例えば、この光透過可能部が透光孔とされていても、球が透光孔に接触することはなく、透光孔が球の挙動に影響を与えることが殆どない。
光源がLEDであり、光路変更部が反射ミラーであってもよい。光源にLEDを用いることにより、省電力でかつ高輝度の照明を行うことができる。LEDの光は指向性が高くて拡散性が低いが、光路変更部によって光路長を長くすることにより、光の拡散性を高めて広い照明領域を確保することができる。
また、光路変更部に反射ミラーを用いることにより、急峻な角度(例えば、直角。)に光路変更することができる。したがって、光源から後方に向けて発せられた光を容易に略直角に光路変更して遊技領域側へと導くことができる。
本発明の他の例示的側面としての遊技機は、遊技機の周囲を囲む筐体枠と、筐体枠に対して前面開閉可能に揺動支持された機枠ユニットと、機枠ユニットに対して前面開閉可能に揺動支持された装飾枠ユニットと、遊技装置体に対して一定距離離間して配置された前面透明板と、遊技媒体を遊技装置体に向けて発射するための発射装置と、遊技媒体を発射装置に導くべく貯留する球皿と、発射装置の駆動及び発射強度調整を行うための発射ハンドルと、上記の遊技機用照明構造とを有することを特徴とする。
この遊技機は上記の遊技機用照明構造を有しているので、遊技場の照明が遊技領域に充分届かない場合や照明が暗い場合でも、遊技領域を明るくすることができて、遊技領域内における視認性を向上させることができる。特に、遊技領域の周縁近傍を充分に明るくすることができるので、遊技者は周縁近傍における遊技媒体の動きを容易に把握することができる。したがって、遊技者は遊技媒体の動きが見え難かったり目が疲れたりということが殆どなく、快適に遊技を楽しむことができる。
本発明の更に他の例示的側面としての周囲部材は、遊技媒体の流下による遊技を実現するための遊技領域が前面に形成された遊技装置体とその遊技装置体を保持する機枠とを含む機枠ユニットと、遊技領域の周囲を装飾するための装飾部材とその装飾部材を保持して機枠ユニットの前方に配置される装飾枠とを含む装飾枠ユニットとを有する遊技機に用いられ、遊技装置体の前面に遊技領域を囲むように配置される周囲部材であって、機枠ユニット側又は装飾枠ユニット側のいずれかに配置された光源からの光を遊技領域へと光路変更する光路変更部を内部に有し、遊技領域の周縁を構成する内側面が少なくとも部分的に光透過可能とされていることを特徴とする。
周囲部材が内部に光路変更部を有しているので、光路変更部を配置するスペースを機枠ユニット側に別途確保する必要なく、光源からの光を遊技領域に向けて導くことができる。周囲部材を不透明とすることにより光路変更部を遊技者から不可視とすることもできるので、遊技機のデザイン性を損なわずに済む。
その周囲部材の内側面が少なくとも部分的に光透過可能とされているので、光路変更部によって光路変更された光を確実に遊技領域へと導くことができる。
周囲部材内部の光路変更部からの光を、内側面を通して遊技領域へと導くので、遊技領域の周縁近傍、すなわち内側面近傍を効果的に照明することができる。したがって、周縁近傍における遊技媒体の視認性を格段に向上させることができる。もちろん、周囲部材が中空構造とされていれば、簡単な作業でその中空内部に光路変更部を配置することができる。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、遊技機のデザイン性を損なうことなく簡単な構成で遊技領域、特に遊技領域の周縁近傍を有効に照明することができ、遊技領域内における遊技媒体の視認性を向上することができる。結果として、本発明を適用した遊技機で遊技を行う者は、遊技領域内での遊技媒体の動きを容易に把握することができ、疲労を余り感じることなく快適に遊技を楽しむことができる。
更に、遊技盤の交換時における部品コスト向上や交換作業性悪化を抑制することもでき、照明光源から遊技領域までの光路長を長く確保することにより遊技領域内における充分な広さの照明領域を確保することもできる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技機としてのパチンコ機2の外観を示す外観斜視図である。パチンコ機2は、筐体枠4、機枠ユニット15、装飾枠ユニット16、前面ガラス(前面透明板)10、発射装置(図示せず。)、上皿(球皿)14、発射ハンドル17を有している。
パチンコ機2は、組合せ式パチンコ機、封入循環式パチンコ機、雀球機等を含む。また、遊技機としては、パチンコ機の他に各種ゲーム機やアーケードマシン等、各種遊技媒体を用いて遊技領域内でその遊技媒体の流下による遊技を実現する様々な遊技機を概念することができる。
筐体枠4は、このパチンコ機2の周囲を囲むための枠体であり、平面視略長方形に構成されている。材料としては、木材が用いられることが多いが、他に樹脂やアルミ等の金属が用いられることもある。筐体枠4は、パチンコ機2の上下面及び左右側面を囲い、前面(すなわち、遊技者側。)から見て左側面側には機枠ユニット15及び装飾枠ユニット16を揺動支持するためのヒンジ部(揺動支持部)18が設けられている。
機枠ユニット15は、遊技盤(遊技装置体)6及びその遊技盤6を保持する機枠8を含んで構成され、筐体枠4の前方に配置されている。
遊技盤6は、このパチンコ機2において、遊技媒体としての球20の流下による遊技を実現するための遊技装置体である。遊技盤6の前面である遊技盤面6aには、略円形状に周囲を囲むようにレール飾り部26が取り付けられ、このレール飾り部26の内側面26aが遊技盤面6aに対して立設配置されて遊技領域6bを画定している。このパチンコ機2において使用される球20の直径は約11mmである。
図2は、遊技盤6にレール飾り部26が取り付けられた状態を示す分解斜視図である。レール飾り部26は、例えば樹脂等により形成された板状部品であり、遊技盤6の遊技盤面6a側に取り付けられている。その内部が略円形状の開口26bとされ、その開口26b内部に遊技領域6bが構成されるようになっている。そして遊技領域6bに対して立設される内側面26aが遊技領域6bの周縁を構成して周囲を囲んでいる。
レール飾り部26は所定の厚さW1を有しており、その内部が中空構造とされている。そしてその中空内部には、光路変更部としての反射ミラー19が配置されている。この反射ミラー19は、後述する光源21からの照明光を反射(光路変更)して遊技領域6bへと導くためのものである。この反射ミラー19及び後述する光源21を有して遊技機用照明構造が構成される。
レール飾り部26の前面26cは、例えば塗装によって不透明とされている。したがって、前方からレール飾り部26を見ても内部の反射ミラー19は殆ど見えず、パチンコ機2のデザイン性を損なわないようになっている。一方、前面26cには、光源21の配置位置に対応するように部分的に透明部26dが形成されている。したがって、光源21からの照明光が、この透明部26dを通してレール飾り部26内部の反射ミラー19へと透過可能となっている。この透明部26dは、例えば平板状の透明樹脂部品であってもよいし、前面26cを貫通する透光孔であってもよい。
レール飾り部26の内側面26aは、全体が透明とされている。したがって、反射ミラー19からの照明光が内側面26aを通して遊技領域6bへと導かれるようになっている。内側面26a全体が透明とされていれば、反射ミラー19によって反射されて充分に拡散された照明光が、充分に広い照明領域を照明することができる。また、レール飾り部26の内部から遊技領域6bへと照明光を導くので、遊技領域6bの内側面26a近傍、すなわち遊技領域6bの周縁部を充分に照明することができる。もちろん、必要に応じて、内側面26aを部分的に不透明として、照明光の透過性と内部の不可視性とを両立させてもよい。
なお、内側面26aが全体として透明とされているのでなく、その遊技盤面6aから厚さW1方向において5mm以下の位置に貫通孔としての透光孔が形成されていてもよい。直径11mmの球20が遊技媒体として使用される場合に、球20の挙動に影響を与えることなく、光の損失を低減して遊技領域6bを明るく照明することができる。
遊技領域6b内の略中央部には図柄表示装置9が配置され、その周囲に多数のゲージ27、入賞口28、始動入賞口29、アウト口30、その他の各種役物が配置されている。図示しない発射装置により球20が発射されると、球20が図示しない発射レールからレール飾り部26の内側面26aに沿って遊技領域6b内の上部へと至り、ゲージ27に衝突してその流下方向を変えつつ遊技領域6b内を流下するようになっている。その流下の途中で、あるものは入賞口28に入賞して景品球払出しの契機となり、あるものは始動入賞口29に入賞して図柄表示装置9による図柄変動遊技開始の契機となり、また、あるものはいずれの入賞口28,29にも入賞せずにアウト口30からパチンコ機2の外部へと排出される。このように、遊技盤6上を球20が流下する際に、様々な遊技が実現されるようになっている。
遊技盤6の裏面側には入賞口28,29に入賞した入賞球やアウト口30に流入したアウト球を排出するための球経路、図柄表示装置9の図柄表示制御を行う図柄表示制御基板(図示せず。)、各種役物の動作制御を行う役物制御基板(図示せず。)等が配置されるが詳細は省略する。
機枠8は、遊技盤6を保持する枠体であり、その中央近傍に遊技盤6を取り付けるための取付け開口が形成されている。取付け開口の周囲に遊技盤6を着脱可能に取り付けるための取付け部を有し、機枠8は遊技盤6の周囲を囲むように構成されている。その機枠8は、筐体枠4の前方に配置されてヒンジ部18において筐体枠4に揺動支持され、筐体枠4に対して前面開閉可能とされている。
機枠8には施錠装置1が設けられ、この施錠装置1によって筐体枠4及び装飾枠12とともに施錠閉鎖可能とされている。機枠8は、樹脂又は金属によって形成され、その裏面側には裏機構盤(図示せず。)が配置される。その裏機構盤には、入賞球を計数して排出処理する入賞球処理装置(図示せず。)、景品球を計数して払い出す景品球払出装置(図示せず。)等が配置されている。
装飾枠ユニット16は、装飾部材32及びその装飾部材32を保持する装飾枠12を含んで構成され、機枠ユニット15の前方に配置されている。図3は、装飾枠ユニット16を後面側、すなわち機枠ユニット15側から見た後面斜視図である。
装飾部材32は、例えば樹脂等により形成された膨出状の部材であって、装飾枠12の前面側、すなわち遊技者に対面する側に取り付けられている。その装飾部材32は、遊技領域6bを装飾するために、その周囲を囲むように配置され(図1参照)、表面に色彩・模様・造形等が施されたり電飾が配置されることにより遊技者に対して装飾的な遊技演出を行っている。
装飾部材32は厚さW2を有してその内部が中空構造とされている。そしてその中空内部には光源21が配置されている。この光源21は、遊技領域6bを照明するための照明光を照射するためのものであり、例えばLEDで構成されている。
後述する装飾枠12には、前面ガラス10を通して遊技領域6bを視認可能とするためにガラス開口12aが形成されている。そして、装飾部材32の食み出し部32aが、ガラス開口12aよりも内側まで食み出るように配置されている。
図3に示すように、光源21は装飾部材32内部であってその食み出し部32aに、機枠ユニット15側に向けて光を照射するように配置されている。そして、装飾部材32の機枠ユニット15側、すなわち食み出し部32aの後面32d側には、光源21の配置位置に対応するように部分的に透明部32cが形成されている。したがって、光源21からの照明光が、この透明部32c及び前面ガラス10を通して機枠ユニット15側へと導かれるようになっている。この透明部32cも透明部26dと同様に、例えば平板状の透明樹脂部品であってもよいし、後面32dを貫通する透光孔であってもよい。
図4は、このパチンコ機2の装飾部材32及びレール飾り部26近傍を水平断面で破断した、ヒンジ部18付近における拡大断面図である。装飾部材32の中空内部には、前方に向けて発光する装飾用ランプ32bとともに光源21が配置されている。その光源21からの照明光は、装飾部材32の透明部32c、前面ガラス10及びレール飾り部26の透明部26dを通して反射ミラー19へと至り、反射ミラー19で光路変更されて内側面26aを通して遊技領域6bへと導かれるようになっている。
図4に示すように、装飾部材32内部に1の基板が配置され、その基板上に装飾用ランプ32bと光源21とが共に実装配置されていれば、基板も基板に接続するための配線コネクタも少なくて済み、また、基板からの配線の取り回しも容易となるので、部品コスト低減、配線作業性向上に貢献する。
光源21からの照明光が反射ミラー19で反射されて遊技領域6bへと至るので、光路長を長く確保することができる。したがって、光源21に指向性の高いLEDを用いた場合であっても、充分に広い照明領域を確保することができ、省電力で広範囲に遊技領域6bの照明を実現することができる。この光源21及び反射ミラー19を有して遊技機用照明構造が構成されている。
レール飾り26の内側面26aには、球20との摺動摩擦や衝突により内側面26aが摩耗したり損傷を受けたりするのを防止するための保護プレート(保護部材)13が取り付けられている。この保護プレート13は、例えばステンレス等の金属プレートであり、遊技領域6bからの距離(すなわち、遊技盤面6aからの距離)t1が5mm以下とされている。同様に、前面ガラス10の後方面(すなわち、遊技盤6と対向する側の面。)との距離t2も5mm以下とされている。
これにより、遊技盤6と前面ガラス10との間に形成される流下空間内で直径11mmの球20がどのように挙動しても、球20が直接内側面26aに接触しないように構成されている。もちろん、光源21からの照明光は、この保護プレート13の周縁から遊技領域6bへと至り、遊技領域6bを充分照明することができるようになっている。
装飾枠12は、その前面に装飾部材32を保持する枠体である。本実施の形態1においては、装飾枠12は、前面ガラス10及び装飾部材32の両方を保持している。その装飾枠12は、機枠8の前方に配置されてヒンジ部18において機枠8とともに筐体枠4に揺動支持され、機枠8に対して前面開閉可能に揺動支持されている。
装飾枠12は樹脂又は金属によって形成された枠体であって、その略中央部には前面ガラス10を取り付けた際に遊技領域6bを視認可能とするためのガラス開口12aが形成されている。ガラス開口12aの周囲には、遊技領域6bを装飾するための装飾部材32が取り付けられ、パチンコ機2の遊技演出に寄与している。
なお、本実施の形態1では、筐体枠4に設けられたヒンジ部18に機枠ユニット15及び装飾枠ユニット16の両方が揺動支持される構成となっている。しかしながら、機枠ユニット15と装飾枠ユニット16とがそれぞれ異なるヒンジ部によって揺動支持されていてももちろんよい。例えば、筐体枠4に機枠ユニット15を揺動支持するヒンジ部が設けられ、機枠8に装飾枠ユニット16を揺動支持する別のヒンジ部が設けられていてももちろんよい。
前面ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離離間して配置された透明板である。前面ガラス10は透明平板ガラスで形成され、遊技盤6との間に球20が流下する流下空間を形成する機能、遊技者が前面ガラス10を通して遊技盤6を視認することができるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
前面透明板としてはガラス素材の前面ガラス10の他に、もちろん透明アクリル等の樹脂材料が使用されてもよい。また、本実施の形態1においては、前面ガラス10が装飾枠12に保持されるが、前面ガラス10が遊技盤6の前面に取り付けられて、遊技盤6とともに機枠8に保持されるように構成されていてもよい。
図示しない発射装置は、発射位置に停止保持される球20を遊技領域6bの上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射装置は、例えば発射位置に供給装置(図示せず。)によって送り出された球20を遊技領域6bに向けて弾球する発射杆、その発射杆を駆動して弾球往復動を行わせる発射モータ、発射杆を付勢して弾球のための力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、機枠8に取り付けられている。
上皿14は、球20を発射装置に導くべく貯留するためのもので、下皿14aとともに遊技者の持ち球を貯留する機能を有する。上皿14は、パチンコ機2の前面であって遊技盤6の下方、すなわち装飾枠12の下方部分に配置され、下皿14aは、その上皿14の更に下方に配置されている。本実施の形態1においては、上皿14と下皿14aとを別々に構成しているが、もちろん上皿14と下皿14aとが一体となって1つの球皿が構成されていてもよい。
上皿14は、景品球としてパチンコ機2から払い出された球20を受け取る機能や、その球20を、供給装置を介して発射装置に導くべく貯留する機能を有している。また、遊技者が遊技を終了する場合には、球排出ボタン14bによって下皿14aへと球20を排出することができるようになっている。
発射ハンドル17は、発射装置による弾球強度を調整するためのハンドルであって、遊技者が手で操作するためのものである。例えば、パチンコ機2の前面下部右側に配置されて略円筒形状を呈しており、円筒周面に沿ってその強度調整杆17aが回転可能となっている。遊技者は、発射ハンドル17を手で保持しつつ、強度調整杆17aを回転させることにより、球20の発射強度を調整することができるようになっている。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係るパチンコ機2の装飾部材32及びレール飾り部26近傍を水平断面で破断した、ヒンジ部18付近における拡大断面図である。この実施の形態2において、実施の形態1と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を省略する。
このレール飾り部26は中空構造でなく中実構造とされている。そして、屈折率の異なる2種類の透明樹脂材料により形成された後部材26eと前部材26fとが接合されて構成されている。そして、本実施の形態2においては、例えば、光源21の照明光波長において後部材26eの屈折率が前部材26fの屈折率よりも高屈折率に設定されている。後部材26eと前部材26fとの接合面26gは図中において斜め45°の平面とされ、装飾部材32内部の光源21からの照明光を反射して遊技領域6bへと導く反射面を構成している。
この実施の形態2によれば、わざわざレール飾り部26を中空構造としてその内部に反射ミラー19を配置しなくても、屈折率の異なる2つの部材26e,26fを接合するだけで照明光を反射(光路変更)することができるので、レール飾り部26の構造を簡単にすることができ、部品点数や組立て工数の削減に寄与することができる。また、屈折率を調整することによって、照明光の波長に応じて接合面26gによる反射率を調整することができるので、遊技領域6bの明るさを自在に設定することも可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。なお、レール飾り部26の前面26c及び内側面26a、装飾部材32の後面32dを部分的に透明とするか全体的に透明とするか、又は光透過性を有する樹脂材料等によりその透明部を構成するか貫通孔とするかは、本発明の要旨の範囲内の事項である。
もちろん、光源としてはLEDの他に白熱光源・蛍光灯光源・半導体レーザ光源等の様々な光源が適用可能であるし、光路変更部は反射ミラーに限られず、レンズ・光拡散板・光ファイバ等の様々な光路変更手段が適用可能である。