JP4849043B2 - 電子ペン及びスキャナ並びにそれらに用いられるプログラム - Google Patents

電子ペン及びスキャナ並びにそれらに用いられるプログラム Download PDF

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Description

本発明は、電子ペンにより電子ペン用媒体等に印刷された地図上の距離情報を提供する技術に関する。
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto 社が開発した「アノトペン(Anoto pen )」が知られている(特許文献1参照)。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙と共に使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある(例えば、特許文献2)。
本出願人は、Anoto 社の技術に見られるような電子ペンを用い、地図が印刷されている上記専用紙上で、利用者が上記電子ペンで出発地と目的地とを指定すると、出発地から目的地までの経路と、当該経路の距離情報を提供する地理的情報提供システムを提案している(特許文献3参照)。本出願人の提案以前においても、建設現場や測量会社、地図会社において、図面から長さ等を求める場面が多くあるため、デジタイザによる座標入力装置を用い、スタイラスペンによってパネルをヒットして座標値を入力することで、例えば建築図面における長さを求める技術が提案されている(特許文献4参照)。また、特開平7−121698号公報(特許文献5)には、手書きデータのサンプリングを、データと最大離間距離があらかじめ設定されたしきい値を越えないようにスプライン曲線で近似する方法が開示されている。すなわち、スプライン補間した曲線とデータの最大距離がしきい値以上になっていれば、その距離を与えたデータを節点として新たに加え、スプライン補間する手法である。
特表2003−511761号公報 特開2004−153612号公報 特開2004−46424号公報 特公平3−50283号公報 特許第2969189号公報
しかし、上記の地理的情報提供システムでは、出発地の緯度経度情報と目的地の緯度経度情報とに基づいて、出発地から目的地までの最短直線経路を算出している。従って、この地理的情報提供システムは、最短直線経路以外の経路の距離情報を算出しないため、必ずしも利用者の所望の経路に関する距離情報を提供することができないという問題点があった。上記のデジタイザによる座標入力装置も同様に、単にスタイラスペンによってパネルをヒットして入力された座標値間の長さを求めるにとどまるものであった。
また、地図上に描いた経路の距離を算出するに際して、特許文献5のように、腕時計に取り付けたローラを地図上で回転させて道のりを求めるようにしたものもあるが、この方法ではローラという機械的な機構を必要とする。
そこで本発明は、利用者の所望する経路の正確な距離情報を提供する電子ペン及びスキャナ並びにそれらに用いられるプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る電子ペンは、コード化パターンが印刷された媒体を読み取る電子ペンであって、前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段と、前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段と、前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する距離演算手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、利用者が電子ペンにより媒体に記入すると、接触検出手段が電子ペン自身による媒体への接触状態を検出する。位置座標演算手段は、接触検出手段によって接触状態が検出されている間、媒体に印刷されているコード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する。さらに、距離演算手段は、高さ情報を加味するため、位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する。したがって、利用者が電子ペンで媒体に記入すると、電子ペン自体が、その記入された筆跡下に印刷されているコード化パターンを局所的に撮像して位置座標を演算し、その電子ペンで取得した離散的な位置座標から近似ラインを求め、近似ラインが通る複数の微小領域を抽出し、それらの微小領域の中心点を結ぶ直線に高さ情報により補正をかけたうえで積算することで、筆跡に応じた距離を演算することから、利用者の所望する筆跡に応じた距離を電子的に正確に求めることができる。
または、本発明に係る電子ペンは、地図エリアとコード化パターンとが重ねて印刷された媒体を読み取る電子ペンであって、前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段と、前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段と、前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する距離演算手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、利用者が電子ペンにより媒体の地図エリアに記入すると、接触検出手段が電子ペン自身による媒体への接触状態を検出する。位置座標演算手段は、接触検出手段によって接触状態が検出されている間、媒体に印刷されているコード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する。さらに、距離演算手段は、高さ情報を加味するため、位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する。したがって、利用者が電子ペンで媒体に記入すると、電子ペン自体が、その記入された筆跡下に印刷されているコード化パターンを局所的に撮像して位置座標を演算し、その電子ペンで取得した離散的な位置座標から近似ラインを求め、近似ラインが通る複数の微小領域を抽出し、それらの微小領域の中心点を結ぶ直線に高さ情報により補正をかけたうえで積算することで、地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算することから、利用者の所望する筆跡に応じた距離を電子的に正確に求めることができる。
さらに、上記電子ペンにおいて、距離演算手段によって演算された距離を報知する報知手段を備えるとよい。これにより、利用者は、距離演算手段によって演算された距離を認識することができる。
さらに、上記電子ペンにおいて、前記地図エリアを識別するコード化パターンアドレスと、前記地図エリアの縮尺値とを対応付けた縮尺情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記距離演算手段は、筆跡に応じた距離と、前記記憶手段から読み取られた、前記地図エリアにおけるコード化パターンアドレスに対応付けられた縮尺値とに基づいて、地表上の距離を演算することを特徴とする。この場合、電子ペンは、記憶手段に記憶された縮尺情報を参照して、地表上の距離を演算することができる。
また、本発明に係るプログラムは、コード化パターンが印刷された媒体を読み取る電子ペンにより実行されるプログラムであって、前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段、前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段、前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する距離演算手段として前記電子ペンを機能させることを特徴とする。
あるいは、本発明に係るプログラムは、地図エリアとコード化パターンとが重ねて印刷された媒体を読み取る電子ペンにより実行されるプログラムであって、前記媒体の接触状態を検出する接触検出手段、前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段、前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する距離演算手段として前記電子ペンを機能させることを特徴とする。
また、本発明に係るスキャナは、コード化パターンが印刷された媒体を読み取るスキャナであって、前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段と、前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段と、前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する距離演算手段ととを備えることを特徴とする。
本スキャナの構成によれば、利用者がスキャナを媒体上で移動させると、接触検出手段がスキャナ自身による媒体への接触状態を検出する。位置座標演算手段は、接触検出手段によって接触状態が検出されている間、媒体に印刷されているコード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する。さらに、距離演算手段は、高さ情報を加味するため、位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する。したがって、利用者がスキャナを媒体上で移動させると、スキャナ自体が、その移動軌跡下に印刷されているコード化パターンを局所的に撮像して位置座標を演算し、そのスキャナで取得した離散的な位置座標から近似ラインを求め、近似ラインが通る複数の微小領域を抽出し、それらの微小領域の中心点を結ぶ直線に高さ情報により補正をかけたうえで積算することで、移動した軌跡の距離を演算することから、利用者の所望する経路の距離を電子的に正確に求めることができる。
また、本発明に係るスキャナは、地図エリアとコード化パターンとが重ねて印刷された媒体を読み取るスキャナであって、前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段と、前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段と、前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する距離演算手段とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、利用者がスキャナを媒体の地図エリア上で移動させると、接触検出手段がスキャナ自身による媒体への接触状態を検出する。位置座標演算手段は、接触検出手段によって接触状態が検出されている間、媒体に印刷されているコード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する。さらに、距離演算手段は、高さ情報を加味するため、位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する。したがって、利用者が実際の距離を知りたい経路の地図エリア上でスキャナを移動させると、スキャナ自体が、その移動経路下に印刷されているコード化パターンを局所的に撮像して位置座標を演算し、そのスキャナで取得した離散的な位置座標から近似ラインを求め、近似ラインが通る複数の微小領域を抽出し、それらの微小領域の中心点を結ぶ直線に高さ情報により補正をかけたうえで積算することで、移動による軌跡で表される経路に対応する地表上の距離を演算することから、利用者の所望する経路の距離を電子的に正確に求めることができる。
また、本発明に係るプログラムは、コード化パターンが印刷された媒体を読み取るスキャナにより実行されるプログラムであって、前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段、前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段、前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する距離演算手段として前記スキャナを機能させることを特徴とする。
または、本発明に係るプログラムは、地図エリアとコード化パターンとが重ねて印刷された媒体を読み取るスキャナにより実行されるプログラムであって、前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段、前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段、前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する距離演算手段として前記スキャナを機能させることを特徴とする。
本発明に係る電子ペン及びスキャナ並びにそれらに用いられるプログラムによれば、利用者の操作に応じて、地図エリア等の媒体上に記入等をした際に、当該記入等による軌跡の位置座標を演算しつつ軌跡の距離を演算する。この際、電子ペンやスキャナで取得した離散的な位置座標から近似ラインを求め、近似ラインが通る複数の微小領域を抽出し、それらの微小領域の中心点を結ぶ直線に高さ情報により補正をかけたうえで積算することによって、実際に描いた軌跡に近づけるとともに地形の高さ情報を加味することで、より正確な道のりを求めることができる。これにより、電子ペンやスキャナは、利用者の所望の経路に関する距離を精度よく演算することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は電子ペン1の使用形態を示す説明図である。専用紙20には、ドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。電子ペン1は、通常のインクペンと同様のペン先部6を備えており、利用者が通常のインクペンと同様にペン先部6によって専用紙20に文字や絵柄などを書くと、電子ペン1は、ペン先部6の移動した軌跡(筆跡)に沿って、専用紙20に印刷されたドットパターンを局所的、連続的に読み取り、専用紙20におけるその局所位置の座標を演算し、その座標データとともに、電子ペン1を識別する電子ペン識別ID、筆記された時刻情報(タイムスタンプ)等を関連付ける。
[専用紙]
まず、専用紙20について説明する。専用紙20は、用紙にドットパターンが印刷され、さらにその上に罫線や記入枠、地図などの図案や項目、文言、イラスト等が印刷されたものである。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、図案等は、カーボンを含まない通常のインキにより印刷される。これらのドットパターンと図案等とは用紙に対して同時に印刷してもよいし、どちらかを先に印刷してもよい。
図2に本実施形態で使用する地図等が印刷された専用紙20の例を示す。図2に示す専用紙20は、地図を表示する地図エリア100を有する。ドットパターンは、専用紙20のほぼ全面に印刷されており、その上に地図の図柄、建物名称等の文字、地図記号等がカーボンを含まない通常のインキにより印刷されている。利用者はドットパターンを意識することなく、電子ペン1を用いてこの地図エリア100に出発地から目的地までの所望の経路を記入する。
[ドットパターン]
続いて、ドットパターンについて説明する。電子ペン1によって読み取られるドットパターンは、上述のアノト技術を採用している。図3は、専用紙20に印刷されるドットパターンのドットの位置とそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点:格子点)から上下左右のどの方向にシフトされているかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換される。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、ドットパターンは、専用紙20における位置座標が決定されるよう構成されている。
図4(a)は、専用紙20における、ある局所部のドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、専用紙20上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36(=6×6)個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがその専用紙20上のどの位置にあるのか)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン1によって行われる。
[電子ペン]
次に、電子ペン1について説明する。図5に示すように、電子ペン1は、その筐体7の内部に、プロセッサ8、メモリ9、スピーカ10、データ通信ユニット11、バッテリー12、LED13、CMOSカメラ14、クロック15、圧力センサ16、及びインクカートリッジ17を備える。インクカートリッジ17の先端は、ペン先部6となっており、利用者は、電子ペン1のペン先部6を専用紙20に当接させながら経路や文字、絵柄を描くことができる。
LED13とCMOSカメラ14は、電子ペン1のペン先部6付近に取り付けられており、筐体7におけるLED13及びCMOSカメラ14と対向する部分には、開口部18が形成されている。LED13は、専用紙20上のペン先部6近傍(領域19:図1参照)に向けて赤外線を照明する。領域19は、ペン先部6が専用紙20に接触する位置とはわずかにずれている。カメラ14は、LED13によって照明された領域19内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ8に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED13によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。したがって、カメラ14の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。したがって、たとえ撮影領域に罫線や枠などが印刷されてあったとしても、罫線や枠などのインクには、カーボンが含まれていないため、ドットパターンを認識することができる。なお、カメラ14による撮影領域は、図4(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、カメラ14の撮影は毎秒75回行われる。
バッテリー12は電子ペン1内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン1のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン1自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。圧力センサ16は、利用者が電子ペン1により専用紙20上に文字などを書く際にペン先部6に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ8へ供給する。
プロセッサ8は、圧力センサ16から与えられる筆圧データに基づいて、LED13及びカメラ14のスイッチのオン/オフを切換える。即ち、利用者が電子ペン1で専用紙20上に文字などを書くと、ペン先部6には筆圧がかかり、圧力センサ16によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ8は、利用者が記入を開始したと判定して、LED13及びカメラ14を作動させる。
プロセッサ8は、利用者の記入が行われる間、カメラ14によって供給される画像データのドットパターンから、利用者が記入するストローク(筆跡)の専用紙20上におけるX,Y座標(単に「座標データ」とも呼ぶ)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ8は、カメラ14によって供給される、図4(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図4(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データを演算する。そしてプロセッサ8は、クロック15から発信される現在時刻(タイムスタンプ)、筆圧データ及びX,Y座標データとを関連付ける。なお、専用紙20における6×6のドットパターンは、その専用紙20内で重複することはないため、利用者が電子ペン1で必要事項を記入すると、記入された位置が専用紙20のどの位置に当たるかを、プロセッサ8による座標演算により特定することができる。また、プロセッサ8は、地図エリア100が印刷された専用紙20の頁ごと或いは種類ごとに設定されているドットパターンアドレスをドットパターンの配列から演算する。座標データには、利用者が電子ペン1を用いて記入した時刻情報(タイムスタンプ)が関連付けられており、座標データは、経時的な情報を有し、時系列順に配列される。
メモリ9には、電子ペン1を識別するための電子ペン識別IDが記憶されており、また、プロセッサ11によって演算される座標データが時刻情報(タイムスタンプ)と共に時系列順に配列されて記憶されていく。スピーカ10は、プロセッサ8によって指示された内容を音声で出力する。
ここで、電子ペン1が有する機能について図6を参照して説明する。図6は、電子ペン1の主要な構成を示す機能ブロック図である。電子ペン1は、取得したX,Y座標データに基づいて、専用アプリケーションを実行することで所定の処理を行う。
図6に示すように、電子ペン1は、機能的には、情報記憶手段58、接触検出手段60、位置座標演算手段61、アドレス取得手段62、距離演算手段63、データ通信手段64、及び報知手段65を備える。情報記憶手段58は、物理的には、ROMやRAMといったメモリ9によって構成され、接触検出手段60は、ペン先部6が専用紙20に接触していることを検出するための圧力センサ16、プロセッサ8等によって構成される。また、位置座標演算手段61及びアドレス取得手段62は、カメラ14、メモリ9及びプロセッサ8等によって構成される。距離演算手段63は、プロセッサ8等によって構成される。そして、データ通信手段64は、データ通信ユニット11によって構成され、報知手段65は、プロセッサ8及びスピーカ10によって構成される。
情報記憶手段58は、ドットパターンアドレス(コード化パターンアドレス)で特定される地図エリア100に印刷された地図の縮尺値を、そのドットパターンアドレスに対応付けた縮尺情報として記憶している。また、情報記憶手段58は、地図エリア100を格子状に細かく分割するように設定された複数の微小領域と、微小領域ごとに、縮尺値cにより標高が縮尺された高さ情報を記憶している。さらに、情報記憶手段58は、位置座標演算手段61が演算した座標データや、距離演算手段63によって演算された距離等を記憶する。
ここで、微小領域と高さ情報について説明すると、図10に示すように、地図エリア100に標高を反映する高さ情報を持たせるために、地図エリア100は格子状に微小領域に分割されており、各微小領域は、その中心点を代表点として、縮尺値cにより標高が縮尺された高さ情報を有している。そして、情報記憶手段58は、地図エリア100を構成する各微小領域の位置座標、その中心点の位置座標、及び高さ情報を関連付けて記憶している。
接触検出手段60は、圧力センサ16で検出された筆圧が所定値以上であることを条件として、電子ペン1のペン先部6が専用紙20に接触した状態であることを検出し、位置座標演算手段61及びアドレス取得手段62に伝送する。位置座標演算手段61は、接触検出手段60によってペン先部6が専用紙20に接触している状態であると検出されている間、すなわち、電子ペン1が専用紙20の地図エリア100に接触を開始して経路等が記入され、地図エリア100から離れるまでの間、カメラ14によって局所的にペン先部6付近のドットパターンを撮像し続け(1秒間に75回)、その画像データに基づいて専用紙20上でのX,Y座標データを連続的に演算し続け、距離演算手段63に伝送するほか、情報記憶手段58に記憶する。
アドレス取得手段62は、電子ペン1が地図エリア100へ接触したことを接触検出手段60が検出した際に、ドットパターンの画像データに基づいて、専用紙20の種類毎ないし頁毎に設定されるドットパターンアドレスを求め、距離演算手段63に伝送するほか、情報記憶手段58に記憶させる。
距離演算手段63は、ペン先部6の専用紙20への接触状態が接触検出手段60によって検出されている間、ペン先部6が地図エリア100に接触した位置(ペン・ダウン位置)から離脱する位置(ペン・アップ位置)までの、電子ペン1で専用紙20の地図エリア100になぞられる経路に沿って演算された複数の座標データに基づいて、経路(筆跡)の長さを演算し、さらに、その長さから地表上の距離(道のり)を演算し、情報記憶手段58に記憶させる。すなわち、距離演算手段63は、位置座標演算手段61によって連続的に演算される複数の位置座標を用いて、ペン・ダウン位置からペン・アップ位置までの間に記入された筆跡の長さLを演算する。
より具体的には、距離演算手段63は、位置座標演算手段61によって演算された、時系列的な順位を有する複数の離散的な位置座標データの座標点に基づいて、電子ペン1がなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、専用紙20の地図エリア100を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出する。そして、距離演算手段63は、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることで地形の高さ情報を加味して精度よく筆跡の長さLを求める。なお、近似ラインは、スプライン関数ないしラグランジュ関数等の補間関数により座標データの位置座標間が補間された曲線であってもよく、あるいは隣接する座標データの位置座標点間を直線で結んだ補間直線であってもよい。
それと合わせて、距離演算手段63は、アドレス取得手段62によって求められたドットパターンアドレスに基づいて、情報記憶手段58に記憶された縮尺情報を参照して、そのドットパターンアドレスに対応した縮尺値cを読み取る。そして、距離演算手段63は、上述のように演算した筆跡の長さLと縮尺値cとから、ペン・ダウン位置からペン・アップ位置に至るまでの地表上の距離(道のり)Dを演算する。なお、情報記憶手段58に記憶された縮尺情報は、地図における単位長さ当たりの地表上の距離(地図1cmは、地表の○kmに相当)であってもよいし、縮尺割合(1:25000、1/25000)であってもよい。
ここで、地表上の距離(道のり)Dを求めるために、地図上の長さに対して、縮尺情報に基づいて掛けるべき倍率をsとすれば、
D = L × s
となり、例えば、縮尺値c=1/25000とすれば、
D = L × s = L × 1/c
となる。
すなわち、距離演算手段63は、接触検出手段60の検出情報、位置座標演算手段61による座標データ及びアドレス取得手段62によるドットパターンアドレス情報によって、ペン先部6の離脱が認識された時点で、ペン・ダウン位置からペン・アップ位置まで電子ペン1で地図エリア100がなぞられた筆跡に応じた地表上の距離(道のり)Dを演算し、報知手段65(スピーカ10)に伝送するほか、情報記憶手段58に記憶する。
距離演算手段63は、演算した地表上の距離(道のり)Dを、報知手段65(スピーカ10)に音声で報知させる。報知手段65による案内メッセージ例としては「出発地から目的地までの道のりは、○○kmです。」である。
なお、報知手段65は、距離演算手段63によって演算された地表上の距離(道のり)Dを別の端末装置で表示させるために、距離Dの情報をデータ通信手段64によって端末装置へ送信するように構成してもよい。
電子ペン1は、ストローク処理用の専用アプリケーションがインストールされることにより、上述の各手段が構成される。
[専用アプリケーション]
次に、専用アプリケーション(プログラム)55について図7を参照して説明する。図7は、専用アプリケーション55のモジュール構成を示す。専用アプリケーション55は、電子ペン1で専用紙20になぞられる経路に沿って演算される座標データに基づいて所定の処理を実行するものであって、ダウンロード等により予め電子ペン1にインストールされている。
図7に示すように、専用アプリケーション55は、接触検出モジュール300、情報記憶モジュール301、位置座標演算モジュール302、アドレス取得モジュール303、距離演算モジュール304、報知モジュール305、及びデータ通信モジュール306を有する。
接触検出モジュール300は、電子ペン1のペン先部6が専用紙20に対して接触状態であることを、圧力センサ16で検出された筆圧が所定値以上であることを条件として検出し、位置座標演算手段61及びアドレス取得手段62に伝送する機能を有し、電子ペン1に接触検出手段60を構成させるモジュールである。
情報記憶モジュール301は、地図エリア100を特定するためのドットパターンアドレスとその地図エリア100の縮尺値とを対応付けた縮尺情報をメモリ9に記憶させる機能、地図エリア100を格子状に細かく分割するように設定された複数の微小領域と、微小領域ごとに、縮尺値cにより標高が縮尺された高さ情報をメモリ9に記憶させる機能を有するほか、位置座標演算手段61が演算した座標データや、距離演算手段63によって演算された筆跡の長さや地表上の距離(道のり)等をメモリ9に記憶させる機能を有し、電子ペン1に情報記憶手段58を構成させるモジュールである。
位置座標演算モジュール302は、接触検出手段60によってペン先部6が専用紙20に接触している状態であると検出されている間、カメラ14によって局所的にペン先部6付近のドットパターンを撮像し続け、それで得られた画像データに基づいてX,Y座標データを連続的に演算し続け、距離演算手段63に伝送するほか、情報記憶手段58に記憶する機能を有しており、電子ペン1に位置座標演算手段61を構成させるモジュールである。
アドレス取得モジュール303は、電子ペン1が地図エリア100へ接触したことを接触検出手段60が検出した際に、ドットパターンの画像データに基づいて、専用紙20の地図エリア100が印刷された頁毎ないし種類毎に設定されるドットパターンアドレスを求め、距離演算手段63に伝送するほか、情報記憶手段58に記憶する機能を有し、電子ペン1にアドレス取得手段62を構成させるモジュールである。
距離演算モジュール304は、ペン先部6が地図エリア100に接触した位置(ペン・ダウン位置)から離脱する位置(ペン・アップ位置)まで電子ペン1で地図エリア100になぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、専用紙20の地図エリア100を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることで地形の高さ情報を加味した筆跡の長さLを演算し、さらに、縮尺値cを参照して地表上の距離(道のり)Dを演算し、報知手段65に伝送するほか、情報記憶手段58に記憶させる機能を有し、電子ペン1に距離演算手段63を構成させるモジュールである。
報知モジュール305は、距離演算手段63によって演算された地表上の距離(道のり)Dをスピーカ10に音声で報知させる機能を有し、電子ペン1に報知手段65を構成させるモジュールである。なお、報知モジュール305を設ける代わりに、距離演算手段63によって演算された地表上の距離(道のり)Dを別の端末装置で表示させるために、距離Dの情報をデータ通信手段64によって端末装置へ送信させてもよい。
データ通信モジュール306は、端末装置等を介して専用アプリケーション55をダウンロードしたり、距離演算手段63によって演算された地表上の距離Dを別の端末装置で表示したりする等のために、端末装置とデータの送受信を行う機能を有し、電子ペン1にデータ通信手段64を構成させるモジュールである。
[距離演算システムによる距離演算フロー]
次に、本実施形態の距離演算システムにより行われる距離演算フローについて図8〜図11を参照して説明する。図8は、電子ペン1でなぞられた筆跡のある専用紙20を示す図である。図9は、電子ペン1における距離演算のフローチャートである。図10及び図11は、微小領域の抽出を説明する図である。
ここで、本実施形態における距離演算とは、利用者が電子ペン1を専用紙20の地図エリア100に接触させてから離脱させるまでの間に、なぞった経路における地表上の距離(道のり)Dを算出し、その結果を通知する処理である。また、前述のように、図10及び図11に示すように、地図エリア100は格子状に分割されており、分割された各微小領域ΔxΔyは、その位置座標、中心点の位置座標、縮尺値cにより標高が縮尺された高さ情報を有しており、情報記憶手段58は、地図エリア100を構成する各微小領域ΔxΔyの位置座標、その中心点の位置座標、及び高さ情報を関連付けて記憶している。
図8に示すように、利用者は、電子ペン1のペン先部6により、専用紙20の地図エリア100上の出発地(接触開始点)701を指定する(ペン・ダウン)。すると、接触検出手段60は、圧力センサ16で検出された筆圧が所定値以上となったことで、電子ペン1のペン先部6が専用紙20に接触したことを検出し、位置座標演算手段61及びアドレス取得手段62に伝送する(ステップS101)。そして、利用者が地図エリア100上の通過点702A,702B,702C,702D,…(位置座標演算手段61が演算した通過座標点:図8では分かりやすく大きく表示)を通って目的地(離脱点)703まで電子ペン1でなぞり、離脱点703で電子ペン1を専用紙20から離す(ペン・アップ)まで(ステップS102:ノー)、接触検出手段60は、電子ペン1の接触を検出し続け、位置座標演算手段61及びアドレス取得手段62に伝送し続けることとなる。
そして、ペン・ダウンからペン・アップまでの間、位置座標演算手段61は、カメラ14によって接触開始点701からドットパターンの撮像を開始し、専用紙20上での局所的なX,Y座標データ(位置座標)の演算を撮像のサンプリング周期ごとに行い続け、距離演算手段63に伝送する(ステップS103)。それとともに、アドレス取得手段62は、ドットパターンの画像データからドットパターンアドレスを求め、距離演算手段63に伝送する。
接触検出手段60によって電子ペン1のペン・アップが検知されると(ステップS102:イエス)、位置座標演算手段61によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペン1がなぞったときの線分に対応する近似ラインをスプライン関数ないしラグランジュ関数等の補間関数により求める(ステップS104)。このとき、離散的な座標データを補間できるようにするため、少なくともX座標が単調増加又は単調減少するよう座標データ列を区間分けし、各区間ごとに、補間関数を適用する。
続いて、距離演算手段63は、情報記憶手段58から、地図エリア100を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報(縮尺値cにより縮尺された標高データ情報)を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域とその高さ情報を抽出し(ステップS105)、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより、高さ情報により補正された筆跡の長さLを求める。さらに距離演算手段63は、ドットパターンアドレスに基づいて、情報記憶手段58に記憶された縮尺情報を参照してそのドットパターンアドレスに対応した縮尺値cを読み取り、筆跡の長さLと縮尺値cとから、地表上の距離(道のり)Dを演算する(ステップS106)。なお、近似ラインは、隣接する座標データの位置座標点間を直線で結んだ補間直線であってよい。
なお、通常、ドットパターンアドレスは専用紙20の種類ないし頁毎に同一であり、ステップS101でアドレス取得手段62により求められるドットパターンアドレスは変わらないため、ドットパターンアドレスを求めるのは最初の1回のみでもよいし、繰り返しドットパターンアドレスを求めて、何らかの原因によりドットパターンアドレスが変わった場合は距離演算手段63に伝送することとしてもよい。また、ドットパターンアドレスが変わらない限り、距離演算手段63が縮尺情報を参照して縮尺値を取得するのは、最初の1回のみでよい。
最後に、報知手段65は、距離演算手段63が演算して確定した接触開始点701から離脱点703までの地表上の距離(道のり)Dをスピーカ10に音声で通知させる(ステップS105)。これにより、距離演算を終了する。
ここで、図10及び図11を参照して、ステップS105、106の処理における距離演算手段63による道のり演算のアルゴリズムをより詳細に説明する。なお、これらの例は、便宜上始点から終点までごく短いものを示しており、電子ペン1で地図エリア上の始点(Xs,Ys) から終点(Xe,Ye) までをなぞったときに得られた座標データを示す位置座標を黒丸印で示し、なぞったときの線分に対して、スプライン補間ないしラグランジュ補間により補間された近似ラインを、それぞれA,Bとする。また、各微小領域の中心点を白丸印で示す。
得られた座標データの始点から終点にかけて、複数の微小領域ΔxΔyのうち近似ラインA,Bが通る微小領域を抽出する。このとき、対角に位置する微小領域は選ばないこととする。図10の例では、近似ラインAは、微小領域の格子点を通らないため、6個(i=0〜5)の微小領域が抽出されている。図11の例では、始点(Xs,Ys) から最初の3つの座標データを通過する近似ラインBは、微小領域の格子点を通過しているが、抽出する微小領域は、微小領域i=0から対角にある微小領域i=2を直接抽出せずに、微小領域i=0から、変位量のより大きいX方向に隣接した微小領域i=1を経て、微小領域i=2を抽出するようにする。そして、結果として、近似ラインBにより、図示された6個(i=0〜5)の微小領域が抽出されている。
次に、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正する。隣り合う2つの微小領域の中心点の座標を(Xi,Yi),(Xi+1,Yi+1)とすると、高さ情報はそれぞれZi、Zi+1 と一義的に決まり、二点の三次元座標は、(Xi,Yi,Zi),(Xi+1,Yi+1,Zi+1)となる。したがって、隣り合う2つの微小領域の中心点の距離をΔc(=Δx=Δy)とすると、ピタゴラスの定理により、高さ情報を加味して補正した直線の長さは、次のようになる。
Figure 0004849043
そして、補正した各直線の長さを足し合わせることにより、高さ情報により補正された筆跡の長さLは、次式で表される。ただし、始点における微小領域をi=0とし、終点における微小領域をi=imaxとする。
Figure 0004849043
この長さLを、次式のように縮尺値cで補正することにより、地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離Dが得られる。
D=L/c
電子ペン1は、1秒間に75回ドットパターンを撮像し、座標データ(Xi,Yi) を求めるため、得られる座標は、なぞった軌跡に沿って連続しているが、電子ペン1の移動速度が速いときは、サンプリング点間の距離が長くなるため、サンプリング点間を直線補間するよりも滑らかな曲線補間の方が電子ペン1の軌跡を再現するうえで好ましい。
このように、利用者が電子ペン1を所望の経路に沿って地図エリア100上でなぞると、それに応じて、電子ペン1は、なぞられた経路に沿って複数の位置座標を演算し、当該位置座標に基づいて、地図上の経路における地表上の距離(道のり)Dを、スピーカ10を介して出力することができる。
[本実施形態の作用効果]
この電子ペン1を利用したシステムによれば、利用者が電子ペン1で、地図エリア100をなぞると、電子ペン1は、電子ペン1で地図エリア100をなぞった経路に沿ってドットパターンをカメラ14によって撮像していき、その都度、位置座標演算手段61によって、時系列順に離散的な位置座標データを連続して演算していく。そして、電子ペン1は、距離演算手段63によって、位置座標演算手段61によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペン1がなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリア100を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより、地図エリア100上の筆跡に対応する地表上の距離(道のり)Dを算出する。そのうえで、距離演算手段63は、スピーカ10に距離Dを音声で報知させる。このように、電子ペン1は、利用者の所望する経路に関する距離を高さにより補正しつつ演算して、その結果得られた距離を音声等により利用者に報知することができる。これにより出発地から目的地までに高低差がある場合にも、利用者はこの電子ペン1を利用したシステムによって、簡単に経路毎の距離を知ることができ、また複数の経路がある場合にも、経路の選択に役立てられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られない。
上記実施形態では、地図エリア100上に経路をなぞる装置として電子ペン1を適用したが、インクカートリッジの付いていないペン型スキャナを電子ペンの代わりに適用しても良い。ペン型スキャナは通常、ペン先やインクカートリッジを有さないが、上記実施形態の接触検出手段60と同等の機能を実現する、上記実施形態の電子ペン1のペン先部6と同様の物理的機構を設ければよい。或いは、ペン型スキャナに電源オン・オフによってカメラによる撮像を開始・終了させることとして、上記実施形態の位置座標演算手段61と同様の位置座標演算により、有意な座標データが得られた時点の位置座標を接触開始点701、所定時間以上、有意なデータが得られなくなった直前の時点の位置座標を離脱点703とするよう、上記実施形態を変形させてもよい。また、上記実施形態と同様に各種の変形が可能である。
上記実施形態では、ドットパターンアドレスに縮尺値を対応付けて縮尺情報としているが、その代わりに例えば、地図エリア100のエリアIDと、ドットパターン上における地図エリア100の位置座標を示す座標データと、その地図エリア100の縮尺値とを対応付けて縮尺情報としてもよい。この場合、距離演算手段63は、アドレス取得手段62により求められたドットパターンアドレスに代え、位置座標演算手段61が演算した座標データに基づいて、情報記憶手段58に記憶された縮尺情報を参照して、その座標データに対応した縮尺値を取得する。これにより座標データからエリアIDを特定して縮尺値を取得することができるため、同じ専用紙20上に縮尺値の異なる複数の地図エリアが印刷されている場合にも、地図エリアごとに地表上の距離Dを演算することができる。
また、上記実施形態の図11の例では、近似ラインが微小領域の格子点を通過する場合、対角上にある微小領域を直接抽出しないようにしたが、そのような微小領域を直接選択する場合には、上式のΔcを√2*Δcと置き換えて演算するとよい。
また、上記実施形態では、微小領域に関連付けられた高さ情報は、標高を縮尺値cで縮尺したデータとしたが、これに限らず、微小領域に関連付ける高さ情報を標高とし、Lを求める際に、Δcを地表上の距離に換算して計算を行い、直接、地表上の距離(道のり)を求めるようにしてもよい(このとき、D=Lとなる)。
上記実施形態では、位置座標演算手段61が、所定の間隔で通過点位置座標を演算し、メモリ9に保持していたが、位置座標演算手段61が通過点位置座標を演算した結果、直前の通過点位置座標等と同一座標値である場合は、取得した通過点位置座標をメモリ9に保持しないようにしても良い。この場合、電子ペン1が軌跡の距離を算出するために、不要な座標値を保存してしまうことを回避することができる。
本発明は、電子ペン用媒体から構成される、登山用の地図、タウンマップ等の地図アプリケーション、建築見取り図、設計図面等の建築アプリケーション、ゴールまでに辿った経路の最短距離を競う迷路クイズ等に適用することができる。
電子ペンの使用形態を模式的に示す説明図である。 実施形態で使用する専用紙の一例を示す平面図である。 専用紙に印刷されたドットパターンによる情報の表現方法の説明図である。 (a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す説明図である。 図1に示す電子ペンの構成を示すブロック図である。 電子ペンの主要な構成を示す機能ブロック図である。 実施形態における専用アプリケーションのモジュール構成図である。 電子ペンでなぞられた筆跡のある専用紙を示す図である。 実施形態における電子ペンの距離演算のフローチャートである。 図9のフローチャートにおけるステップS105,106の処理における距離演算手段による道のり演算アルゴリズムの説明図である。 図10とは別の距離演算手段による道のり演算アルゴリズムの説明図である。
符号の説明
1…電子ペン、6…ペン先部、7…筐体、8…プロセッサ、9…メモリ、10…スピーカ、11…データ通信ユニット、12…バッテリー、13…LED、14…CMOSカメラ、15…クロック、16…圧力センサ、17…インクカートリッジ、18…開口部、19…領域、20…専用紙(電子ペン用媒体)、55…専用アプリケーション、58…情報記憶手段、60…接触検出手段、61…位置座標演算手段、62…アドレス取得手段、63…距離演算手段、64…データ通信手段、65…報知手段、100…地図エリア、701…接触開始点、702…通過点、703…離脱点。

Claims (10)

  1. コード化パターンが印刷された媒体を読み取る電子ペンであって、
    前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段と、
    前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段と、
    前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する距離演算手段と
    を備えることを特徴とする電子ペン。
  2. 地図エリアとコード化パターンとが重ねて印刷された媒体を読み取る電子ペンであって、
    前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段と、
    前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段と、
    前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する距離演算手段と
    を備えることを特徴とする電子ペン。
  3. さらに、前記距離演算手段によって演算された前記距離を報知する報知手段と
    を備えることを特徴とする請求項1または2のうちいずれか一項に記載の電子ペン。
  4. 前記地図エリアを識別するコード化パターンアドレスと、前記地図エリアの縮尺値とを対応付けた縮尺情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記距離演算手段は、筆跡に応じた距離と、前記記憶手段から読み取られた、前記地図エリアにおけるコード化パターンアドレスに対応付けられた縮尺値とに基づいて、地表上の距離を演算することを特徴とする請求項2に記載の電子ペン。
  5. コード化パターンが印刷された媒体を読み取る電子ペンにより実行されるプログラムであって、
    前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段、
    前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段、
    前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する距離演算手段
    として前記電子ペンを機能させることを特徴とするプログラム。
  6. 地図エリアとコード化パターンとが重ねて印刷された媒体を読み取る電子ペンにより実行されるプログラムであって、
    前記媒体の接触状態を検出する接触検出手段、
    前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段、
    前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、電子ペンがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する距離演算手段
    として前記電子ペンを機能させることを特徴とするプログラム。
  7. コード化パターンが印刷された媒体を読み取るスキャナであって、
    前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段と、
    前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段と、
    前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する距離演算手段と
    を備えることを特徴とするスキャナ。
  8. 地図エリアとコード化パターンとが重ねて印刷された媒体を読み取るスキャナであって、
    前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段と、
    前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段と、
    前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する距離演算手段と
    を備えることを特徴とするスキャナ。
  9. コード化パターンが印刷された媒体を読み取るスキャナにより実行されるプログラムであって、
    前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段、
    前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段、
    前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、媒体を細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより筆跡に応じた距離を演算する距離演算手段
    として前記スキャナを機能させることを特徴とするプログラム。
  10. 地図エリアとコード化パターンとが重ねて印刷された媒体を読み取るスキャナにより実行されるプログラムであって、
    前記媒体への接触状態を検出する接触検出手段、
    前記接触検出手段によって接触状態が検出されている間、前記コード化パターンを局所的に撮像して、その位置座標を演算する位置座標演算手段、
    前記位置座標演算手段によって演算された複数の位置座標に基づいて、スキャナがなぞったときの線分に対応する近似ラインを求め、地図エリアを細かく分割するように設定されそれぞれが高さ情報を持つ複数の微小領域から近似ラインが通る微小領域を抽出し、抽出した微小領域のうちの隣り合う2つの微小領域の中心点同士を直線で結び、その隣り合う2つの微小領域が有する高さ情報により直線の長さを補正し、補正した各直線の長さを足し合わせることにより前記地図エリア上の筆跡に対応する地表上の距離を演算する距離演算手段
    として前記スキャナを機能させることを特徴とするプログラム。
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