JP2004252152A - 道路情報推測装置 - Google Patents

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Nobuaki Miki
修昭 三木
Takashi Naito
貴 内藤
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Abstract

【課題】地図データ、メッシュ標高データ、及び、あらかじめ把握することのできる道路設計基準データに基づいて、道路の勾(こう)配及び標高を推測することによって、高い精度で道路の勾配及び標高を得ることができるようにする。
【解決手段】道路設計基準データを読み込む道路設計基準読込部16と、地図データ、標高データ及び道路設計基準データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測する道路情報推測部13とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路情報推測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両に搭載され、GPS(Global Positioning System)と呼ばれる位置測定装置や各種センサを使用して、前記車両の運転者等の使用者に対して、車両の現在位置を表示したり、目的地までの経路を探索して表示したりするナビゲーション装置が知られている。
【0003】
また、該ナビゲーション装置が搭載された車両において、前記ナビゲーション装置が提供する道路状況データに対応させて駆動力制御を行うことができるようにした車両の駆動力制御装置も提供されている。この場合、例えば、車両がコーナ(カーブ)に差し掛かることが検出され、かつ、運転者の動作に基づく所定の条件が満たされると、駆動力制御としてシフトダウン等の車両を減速させるためのコーナ制御が行われる。そして、上限の変速段が決定され、該上限の変速段より上の変速段(高速側の変速段、変速比の小さい変速段等)が選択されないようになっている。
【0004】
この場合、前記車両の駆動力制御装置は、前記ナビゲーション装置が提供する道路状況データ、車両の速度、アクセル開度等の種々のデータに基づいて演算を行い、制御用データを作成し、該制御用データに基づいて道路形状に合わせた制御を行うようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−123292号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、地図データに道路の標高、勾(こう)配等の正確なデータが含まれていない。もっとも、国土地理院によって提供される地図に含まれる等高線を利用したナビゲーション装置も提供されているが、等高線のように道路の有無に関わらず設定された標高は、必ずしも実際の道路上の標高を正確に表していないので、そのまま利用することができない。すなわち、等高線は、特定の測定点における標高を測定したデータであるので、前記測定点が道路上に位置する場合には、道路上の標高を正確に把握することができるが、そうでない場合には、かなりの誤差が生じてしまう。例えば、道路が盛り土されて建設されていて前記測定点が周囲の平坦(たん)な箇所に位置する場合には、道路上の標高が等高線の示す標高よりも高くなり、道路が崖(がけ)を切り崩して建設されていて前記測定点が周囲の平坦な箇所に位置する場合には、道路上の標高が等高線の示す標高よりも低くなってしまう。また、道路の勾配を前記等高線をそのまま利用して求めることもできない。さらに、国土地理院によって公開されている50〔m〕メッシュのメッシュ標高データを利用して地図データを補正することが考えられる。しかしながら、前記メッシュ標高データも、道路の有無に関わらず設定されているので、必ずしも実際の道路上の標高を正確に表していない。
【0007】
しかし、車両の駆動力やサスペンションをより勾配に合わせて適切に制御したり、ハイブリッド車においてエネルギーを効率的に制御したり、標高に即してエンジンを制御したりする場合、道路の標高、勾配等に関するデータが必要になる。すなわち、坂道に直面してから行っていた制御をあらかじめ行うことによって、効率が良い走行や滑らかな走行を行うことができる。
【0008】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、地図データ、メッシュ標高データ、及び、あらかじめ把握することのできる道路設計基準データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測することによって、高い精度で道路の勾配及び標高を得ることができる道路情報推測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の道路情報推測装置においては、道路設計基準データを読み込む道路設計基準読込部と、地図データ、標高データ及び道路設計基準データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測する道路情報推測部とを有する。
【0010】
本発明の他の道路情報推測装置においては、さらに、経路を分割して推測範囲を設定する推測範囲設定部を有し、前記道路情報推測部は、設定された各推測範囲における道路の勾配及び標高を推測し、各推測範囲における道路の勾配及び標高を接続して全経路における道路の勾配及び標高を推測する。
【0011】
本発明の更に他の道路情報推測装置においては、さらに、前記道路情報推測部は、設定された各推測範囲における近似曲線を算出し、各推測範囲における道路の勾配及び標高を接続する。
【0012】
本発明の更に他の道路情報推測装置においては、さらに、前記道路情報推測部は、隣接する推測範囲を接続する接続区間を設定し、該接続区間内における仮の特定点を通る接続曲線を算出して前記隣接する推測範囲における近似曲線を接続する。
【0013】
本発明の更に他の道路情報推測装置においては、さらに、前記仮の特定点における道路の勾配及び標高は、前記隣接する推測範囲における近似曲線上の前記接続区間の中点に対応する点における道路の勾配及び標高の平均値である。
【0014】
本発明の更に他の道路情報推測装置においては、さらに、前記道路情報推測部は、地図データ、標高データ、道路設計基準データ、及び、道路上の標高を明確に特定することができる特定点データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測する。
【0015】
本発明の更に他の道路情報推測装置においては、さらに、前記標高データは、メッシュ標高データである。
【0016】
本発明の道路情報推測プログラムにおいては、コンピュータを、道路設計基準データを読み込む道路設計基準読込部、及び、地図データ、標高データ及び道路設計基準データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測する道路情報推測部として機能させる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態における道路情報推測装置の構成を機能の観点から示すブロック図、図2は本発明の第1の実施の形態における道路情報推測装置の詳細な構成を示す図である。
【0019】
図2において、20は演算手段、記憶手段等を有する一種のコンピュータシステムとしての道路情報推測装置であり、道路を走行する乗用車、トラック、バス、オートバイ、作業車等の車両に配設されている。また、41は地球の周囲の軌道上を周回してGPS情報を発信するGPS衛星である。ここで、該GPS衛星は、実際には複数(例えば、6軌道上に24個)であるが、図2においては、単一のGPS衛星41がすべてのGPS衛星を代表するものとして示されている。
【0020】
そして、前記道路情報推測装置20において、21は、地図の表示、車両の現在位置の認識、経路案内等のナビゲーション装置としての基本処理を実行するナビ制御装置である。また、22は、道路の標高、勾配等の道路情報を推測するための処理を実行する道路情報推測制御装置であり、前記ナビ制御装置21と各種情報の送受信を行うようになっている。そして、23は、橋やトンネルのように道路に付随する構造物等であり実際の道路の標高、勾配等のデータが判明している箇所、すなわち、特定点データを格納する特定点データベースである。
【0021】
また、24は、前記GPS衛星41からのGPS情報を受信して、ナビ制御装置21に送信するGPS受信装置であり、通常のナビゲーション装置において使用されるものと同様の構成を有する。そして、25は、国土地理院によって公開されている等高線、50〔m〕メッシュのメッシュ標高データ、10〔m〕メッシュのメッシュ標高データ等の標高データを格納する標高データベースである。また、26は、車両のエンジン制御装置、変速比を制御する駆動力制御装置等の車両の各部を制御する車両制御装置と通信するための車両制御装置インターフェイスである。さらに、27は、CRT、液晶ディスプレイ、LED(LightEmitting Diode)ディスプレイ、ホログラフィ装置等を備え、前記道路情報推測制御装置22の指令に応じて道路の標高、勾配等の道路情報等を表示する表示装置である。なお、該表示装置27は、ナビ制御装置21の出力する、地図、経路、検索された施設等の情報も表示する。
【0022】
そして、28は、車両の状態を示す各種車両状態情報を各種センサから受信して、前記道路情報推測制御装置22に送信するセンサ情報受信装置である。なお、前記各種車両状態情報は、道路情報推測制御装置22を経由して、ナビ制御装置21にも送信される。この場合、前記各種センサには、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、運転者が操作するブレーキペダルの動きを検出するブレーキスイッチ、運転者が操作するステアリングの舵(だ)角を検出するステアリングセンサ、運転者が操作するウィンカースイッチの動きを検出するウィンカーセンサ、運転者が操作する変速機のシフトレバーの動きを検出するシフトレバーセンサ、車両の走行速度、すなわち、車速を検出する車速センサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、車両の向いている方位の変化を示すヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ等が含まれる。なお、前記各種車両状態情報は、アクセル開度、運転者が操作するブレーキペダルの動き、運転者が操作するステアリングの舵角、運転者が操作するウィンカースイッチの動き、運転者が操作する変速機のシフトレバーの動き、車両の走行速度、すなわち、車速、車両の加速度、車両の向いている方位の変化を示すヨーレイト等を含んでいる。
【0023】
また、29は、道路を設計する場合の基準である道路設計基準に含まれる各種データ、すなわち、道路設計基準データを格納する道路設計基準データベースである。国内において、高速道路や国道などの主要道路をはじめとする道路は、道路設計基準に基づいて建設されている。ここで、該道路設計基準は、登坂路から降坂路に変化する道路区間や降坂路から登坂路に変化する道路区間において車両が滑らかに走行することができるようにするための設計基準を含んでいる。この場合、登坂路と降坂路とを結ぶ区間を所定の距離や曲率半径を有する形状の道路としたり、車両の運転者が所定の視界を確保したりすることが規定されている。これにより、車両が安全に走行することができ、車両の運転者が精神的な圧迫や負担を感じることのない道路を建設することができる。
【0024】
そして、前記各種データには、例えば、道路の縦断曲線に関するデータとしての縦断曲線データ、道路の縦断勾配に関するデータとしての縦断勾配データ等が含まれる。通常、道路設計基準データは、道路種別(国道、県道、主要地方道、一般道、高速道路等)、道路の等級、設計速度等に応じて数値が定められている。前記縦断曲線データの場合、縦断曲線の半径や長さの数値が、道路種別、道路の等級、設計速度、縦断曲線の曲線形(凸形曲線、凹形曲線等の区別)等に応じて定められている。また、前記縦断勾配データの場合、縦断勾配の数値は、道路種別、道路の等級、設計速度等に応じて定められている。
【0025】
ここで、前記ナビ制御装置21は、図示されないCPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える。そして、前記記憶手段には、地図データベース21aが格納されている。該地図データベース21aは、各種の地図データから成るデータベースであり、例えば、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、及び、各地域のホテル、ガソリンスタンド等の施設の情報が記録された施設情報データファイルを含むものである。そして、前記記憶手段には、経路を探索するためのデータの他、前記表示装置27の画面に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種データが記録される。なお、前記記憶手段には、所定の情報を音声出力するための各種データも記録される。また、前記記憶手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。
【0026】
そして、前記地図データベース21aにおける交差点データファイルには交差点データが、ノードデータファイルにはノードデータが、道路データファイルには道路データが、それぞれ、記録され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が前記表示装置27の画面に表示される。なお、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通信号灯器の設置されていない交差点であるかが含まれる。また、前記ノードデータは、前記地図データベース21aに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び、各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。さらに、前記ノード点は、少なくとも道路の屈曲点の位置を示す。
【0027】
また、前記道路データには、道路自体について、幅員、カント、バンク、道路の車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等のデータが含まれる。なお、高速道路や幹線道路の場合、対向方向の車線のそれぞれが別個の道路データとして格納され、二条化道路として処理される。例えば、片側二車線以上の幹線道路の場合、二条化道路として処理され、上り方向の車線と下り方向の車線は、それぞれ、独立した道路として道路データに格納される。また、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等のデータが含まれる。さらに、道路属性については、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、道路種別等のデータが含まれる。
【0028】
さらに、前記ナビ制御装置21の通信インターフェイスは、道路情報推測制御装置22との間で通信を行うとともに、FM送信装置、電話回線網、インターネット、携帯電話網等との間で各種データの送受信を行うことができるものであることが望ましい。例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPSセンサの検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種データを受信するようになっていることが望ましい。
【0029】
そして、前記ナビ制御装置21は、GPS受信装置24及びセンサ情報受信装置28から受信した情報に基づいて、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、地点、施設等の検索等の各種処理を実行し、地図を表示装置27の画面に表示し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する。なお、該案内情報は、発音手段によって音声出力されるようにしてもよい。
【0030】
また、前記道路情報推測制御装置22は、図示されないCPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える。ここで、前記記憶手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。
【0031】
そして、前記道路情報推測制御装置22は、前記記憶手段に格納された制御プログラムに従って、前記ナビ制御装置21の地図データベース21aから取得した地図データ、特定点データベース23から取得した特定点データ、及び、標高データベース25から取得したメッシュ標高データに基づいて、特定点間の道路の標高を推測する処理を行う。さらに、本実施の形態においては、前記特定点間の道路の勾配を推測する処理も行うようになっている。
【0032】
この場合、メッシュ標高データとしては、主として、国土地理院から公開されている50〔m〕メッシュ標高データを使用し、地図データとしてはナビ制御装置21の地図データベース21aに格納されているデータを使用するが、等高線や10〔m〕メッシュ標高データを使用することもできる。なお、本実施の形態においては、前記50〔m〕メッシュ標高データと地図データとから道路の標高、勾配を推測する場合について説明する。
【0033】
また、本実施の形態において、特定点は標高を明確に特定することができる道路上の点であり、特定点データは道路上の前記特定点の実際の標高である。具体的には、前記特定点は標高を明確に特定することができる道路上の構造物の少なくとも一部である。該構造物は、例えば、トンネルや橋などの構造物であり、標高に関する設計データ、実測データ等が入手可能なもの、すなわち、標高を明確に特定することができるものである。なお、前記構造物の長さ方向に亘(わた)るすべての箇所において、標高を特定することができる場合には、前記構造物の全体を特定点の集合として取り扱う。また、前記構造物の一部の箇所、例えば、トンネルの両端の出入口、橋の両端部等だけにおいて標高を特定することができる場合には、標高を特定することができる箇所だけを特定点として取り扱う。なお、前記特定点データは、勾配を含む場合もある。前記構造物の標高だけでなく、形状を特定することができる場合には、実際の勾配を正確に算出することができるので、勾配を前記特定点データに含ませることができる。そして、前記特定点の標高、及び、勾配が特定点データに含まれる場合には、勾配を道路の標高及び勾配を推測する上での固定値、すなわち、特定点データとして使用する。このように、固定値である特定点データを使用することによって、特定点データに合わせるように道路の他の箇所の標高及び勾配を補正すればよいので、精度が高い標高推測及び勾配推測を行うことができる。
【0034】
本実施の形態において、道路情報推測装置20は、図1に示されるように、機能の観点から、道路の標高を明確に特定することができる特定点を設定する特定点設定部12、地図データ、標高データ、道路設計基準データ等のデータに基づいて道路の勾配及び標高を推測する道路情報推測部13、推測範囲を設定する推測範囲設定部14、各ノード点の標高データをメッシュ標高データに基づいて算出するノード点標高算出処理部15、及び、道路設計基準データを読み込む道路設計基準読込部16を有するものである。
【0035】
そして、道路情報推測装置20の機能を具体的に説明すると、前記特定点設定部12は道路上の特定点を設定する。また、前記道路情報推測部13は、地図データ、標高データ、道路設計基準データ等に基づいて、道路の勾配及び標高を推測する。なお、前記推測範囲設定部14が全経路を分割して推測範囲を設定した場合、前記道路情報推測部13は、設定された各推測範囲における道路の勾配及び標高を推測し、各推測範囲における道路の勾配及び標高を接続して全経路における道路の勾配及び標高を推測する。そして、前記ノード点標高算出処理部15は、地図データに含まれる道路上のノード点に関する情報を取得し、各ノード点の標高データをメッシュ標高データに基づいて算出する。また、前記道路設計基準読込部16は道路設計基準データを読み込む。
【0036】
なお、本実施の形態における道路情報推測装置20は、随時、道路勾配推測データ及び道路標高推測データを作成して、記憶手段に格納するようになっている。例えば、車両の運転者等の操作者が、図示されない入力装置を操作してナビ制御装置21を作動させ、目的地を設定し、該目的地までの経路を探索させた場合、探索された経路に対応する道路について、道路勾配推測データ及び道路標高推測データを作成するようにしてもよい。また、車両の走行中に、車両の前方の所定距離範囲内の経路に対応する道路について、道路勾配推測データ及び道路標高推測データを作成するようにしてもよい。
【0037】
さらに、各ノード点における前記道路勾配推測データ及び道路標高推測データをナビ制御装置21の地図データベース21aに記録することもできる。この場合、道路情報推測装置20が道路勾配・標高推測処理を実行した経路に関しては、前記道路勾配推測データ及び道路標高推測データが記録され蓄積されていくので、道路勾配・標高推測処理を繰り返し実行する必要がない。
【0038】
次に、前記構成の道路情報推測装置20の動作について説明する。まず、特定点設定部12が隣り合う二つの特定点を設定し、道路情報推測部13が、前記二つの特定点間の道路上の各ノード点の標高データを取得し、該標高データを、前記二つの特定点の特定点データによって補正して、道路標高推測データを作成する場合の動作について説明する。
【0039】
図3は本発明の第1の実施の形態における道路情報推測装置の動作を示すフローチャートである。
【0040】
ここでは、道路情報推測装置20の動作の全体的な流れについて説明する。まず、道路情報推測装置20はナビゲーション基本処理を実行する。この場合、車両の現在位置の検出、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等を行い、地図を表示装置27の画面に表示し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する。
【0041】
次に、前記道路情報推測装置20は道路勾配・標高推測処理を実行する。この場合、ナビゲーション基本処理において算出された車両の現在位置、又は、出発地から目的地までの経路に対応する道路上の各ノード点の標高を、標高データベース25から取得した50〔m〕メッシュ標高データに基づいて算出する。そして、算出された各ノード点の標高データに基づき、特定点データ及び道路設計基準データを使用して、各ノード点における道路の勾配を推測する。また、推定された道路の勾配に基づいて、各ノード点における道路の標高を推測する。この場合も、特定点の標高を特定点データとして使用する。
【0042】
最後に、前記道路情報推測装置20は表示処理及び車両制御処理を実行する。ここで、表示処理においては、推測された道路の標高や勾配を表示装置27の画面に表示させるための処理を行う。例えば、道路の標高の変化を表す線を表示装置27の画面に表示したり、経路を鳥瞰(かん)図(バードビュー)的に表示装置27の画面に表示する場合に、道路に起伏を付けて表示したりすることができる。
【0043】
また、車両制御処理においては、推測された道路の標高や勾配に適するエンジン出力としたり、変速比としたりするように、エンジン制御装置、駆動力制御装置等の車両制御装置を動作させるための制御信号を車両制御装置インターフェイス26から出力させる。さらに、道路の標高や勾配の変化を予測した制御動作を行わせることもできる。また、車両がEV(Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)である場合には、バッテリエネルギーを効率的に使用するように、車両制御装置を動作させるための制御信号を車両制御装置インターフェイス26から出力させることもできる。
【0044】
なお、前記ナビゲーション基本処理、道路勾配・標高推測処理、並びに、表示処理及び車両制御処理は、所定の周期(例えば、16〔msec〕)で繰り返し実行される。
【0045】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 ナビゲーション基本処理を実行する。
ステップS2 道路勾配・標高推測処理を実行する。
ステップS3 表示処理及び車両制御処理を実行し、処理を終了する。
【0046】
次に、道路勾配・標高推測処理について詳細に説明する。
【0047】
図4は本発明の第1の実施の形態における道路勾配・標高推測処理の動作を示すフローチャートである。
【0048】
まず、道路情報推測装置20は、ナビゲーション基本処理によって探索された経路の経路情報を読み込む。この場合、前記経路は、車両の現在位置から目的地までの経路であってもよいし、出発地から目的地までの経路であってもよいし、通過地点までの経路であってもよいし、また、走行中の車両の前方の所定距離範囲(例えば、車両の前方10〔km〕までの範囲)内の経路であってもよい。そして、前記経路情報には前記経路に該当する道路上の各ノード点に関する情報としてのノードデータが含まれる。なお、該ノードデータは、ナビ制御装置21の地図データベース21aに地図データとして格納されている。
【0049】
ここで、前記経路が長い場合、一度にすべての経路の経路情報を読み込むと膨大なデータ量となり、メモリ資源が不足するので、前記経路を所定の距離、例えば、約5〔km〕毎に分割して、分割された経路に対応する経路情報を順次読み込むようにすることもできる。
【0050】
続いて、経路に対応する道路上の各ノード点の標高としての標高データを、標高データベース25から取得した50〔m〕メッシュ標高データに基づいて算出するノード点標高算出処理を実行する。この場合、メッシュ標高データは、メッシュの節点における標高を測定したデータであるが、前記道路上の各ノード点は、必ずしもメッシュの節点に対応する位置に存在しないので、50〔m〕メッシュ標高データをそのまま使用することはできない。そこで、前記道路上の各ノード点における標高データを50〔m〕メッシュ標高データに基づいて算出する必要がある。すなわち、地図データに含まれる道路上のノード点における地図上の位置情報と、各ノード点の地図上の位置における標高データをメッシュ標高データとする。
【0051】
続いて、各ノード点における標高データを、特定点の特定点データによって補正し、近似曲線によって算出し、道路設計基準データに基づいて、勾配を推測して道路勾配推測データを作成するとともに、該道路勾配推測データから道路標高推測データを作成する勾配・標高推測処理を実行する。
【0052】
ここで、前記ノード点標高算出処理によって算出された各ノード点の標高データには、かなりの誤差が含まれる可能性がある。例えば、道路が盛り土されて建設されていて前記メッシュの節点が周囲の平坦な箇所に位置する場合には、道路上の標高が前記メッシュの節点の標高よりも高くなり、道路が崖を切り崩して建設されていて前記メッシュの節点が周囲の平坦な箇所に位置する場合には、道路上の標高が前記メッシュの節点の標高よりも低くなってしまう。このように、道路上の各ノード点と周囲に存在するメッシュの節点との標高に大きな差がある場合、前記ノード点標高算出処理によって算出された各ノード点の標高データには、かなりの誤差が含まれる。
【0053】
ところで、実際の道路は、通常、道路設計基準に従って設計され、建設されている。そのため、道路の勾配を表す縦断勾配の数値や、道路の山と谷における道路形状を表す縦断曲線の半径や長さの数値を、道路設計基準データに含まれる縦断曲線データや縦断勾配データから定めることができる。この場合、特定点の標高や勾配は明確な値なので、前記ノード点標高算出処理によって算出された各ノード点の標高を結ぶ曲線を、前記特定点の特定点データ、道路の山と谷の位置、並びに、縦断曲線データ及び縦断勾配データによって置き換えて補正することによって、高い精度で道路の勾配を示す曲線を得ることができる。これにより、各ノード点における勾配を推測することができる。
【0054】
そして、前記推定された勾配に基づいて各ノード点の標高を算出することができる。この場合、あるノード点の標高が与えられると、隣接するノード点との水平方向の距離と勾配に基づいて、隣接するノード点の標高を算出することができる。
【0055】
最後に、推測された道路の勾配及び標高が所定の基準を満たしているか否かを確認し、満たしていない場合には修正を加えて、処理を終了する。
【0056】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−1 経路情報を読み込む。
ステップS2−2 ノード点標高算出処理を実行する。
ステップS2−3 勾配・標高推測処理を実行し、処理を終了する。
【0057】
次に、ノード点標高算出処理について説明する。
【0058】
図5は本発明の第1の実施の形態におけるメッシュの節点とノード点との位置関係をを示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における二つの節点からノード点の標高を求める方法を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における四つの節点からノード点の標高を求める方法を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるノード点標高算出処理の動作を示すフローチャートである。
【0059】
まず、道路情報推測装置20は、読み込んだ経路情報に含まれる経路に対応する道路上の各ノード点と、標高データベース25から取得した50〔m〕メッシュ標高データにおけるメッシュの節点との地図上の位置関係を判断する。この場合、図5に示されるように、水平面としてのx−y平面上におけるそれぞれのノード点(図5に示される例におけるノード点1〜5)とメッシュの節点との地図上の位置関係を判断する。そして、ノード点の座標が、メッシュの節点の座標上にあるか否かを判断する。すなわち、それぞれのノード点について、そのx座標及びy座標がメッシュの節点のx座標及びy座標と一致するか否かを判断する。
【0060】
そして、一致する場合、道路情報推測装置20は第1標高算出処理を実行する。この場合、メッシュの節点の標高(z座標)がそのまま該当するノード点の標高を表していると言えるので、道路情報推測装置20は、メッシュの節点の標高を前記ノード点の標高として採用する。例えば、図5に示される例においては、ノード点2がメッシュの節点である点Aと一致しているので、該点Aの標高をノード点2の標高とする。そして、道路情報推測装置20は、前記ノード点(図5に示される例におけるノード点2)に関する第1標高算出処理を終了し、次のノード点(図5に示される例におけるノード点3)について、ノード点標高算出処理を開始する。
【0061】
一方、ノード点のx座標及びy座標がメッシュの節点のx座標及びy座標と一致しない場合、道路情報推測装置20は、前記ノード点をx−y平面に投影した点が、互いに隣り合う節点を結ぶ線分をx−y平面に投影した線分上にあるか否かを判断する。例えば、図5に示される例においては、ノード点3はメッシュの節点を結ぶ線分上にないが、ノード点4がメッシュの節点である点Bと点Cとを結ぶ線分上にある。
【0062】
そして、ノード点をx−y平面に投影した点が、互いに隣り合う節点を結ぶ線分をx−y平面に投影した線分上にあると判断した場合、道路情報推測装置20は第2標高算出処理を実行する。該第2標高算出処理においては、互いに隣り合う節点の間では、標高がリニア(直線的)に変化するものであるとの仮定に基づいて、前記ノード点の標高を算出する。すなわち、三次元空間において、互いに隣り合う節点を結ぶ線分上に前記ノード点を投影した点のz座標、すなわち、標高を算出する。この場合、前記線分の両端のx座標、y座標及びz座標から前記線分を表す式を決定することができるので、前記線分上におけるノード点の位置を示すx座標及びy座標の数値を前記式に代入することによって、ノード点の標高を算出する。
【0063】
例えば、図5に示される例におけるノード点4は、三次元空間において、図6に示されるように、メッシュの節点である点Bと点Cとを結ぶ線分BC上にある。そして、点B及び点Cのx座標、y座標及びz座標から、線分BCの両端(点B及び点C)の標高と線分BCの傾斜とを算出することができ、また、ノード点4のx座標及びy座標から線分BC上におけるノード点4の位置も算出することができる。したがって、ノード点4のz座標、すなわち、標高も算出することができる。
【0064】
また、ノード点をx−y平面に投影した点が、互いに隣り合う節点を結ぶ線分をx−y平面に投影した線分上にないと判断した場合、道路情報推測装置20は第3標高算出処理を実行する。該第3標高算出処理においては、前記ノード点の周囲に存在する四つの節点を使用する。まず、三次元空間において、前記四つの節点の中から三つの節点を頂点とする三角形状の平面を二つ設定する。この場合、各頂点のx座標、y座標及びz座標から前記平面を表す式を決定することができる。続いて、前記ノード点を前記二つの平面に投影した点の位置を示すx座標及びy座標の数値を前記式に代入することによって、前記二つの平面に投影した点のz座標、すなわち、標高を、それぞれ、算出する。最後に、前記二つの平面に投影した点の標高の平均値を算出して、前記ノード点の標高とする。
【0065】
例えば、図5に示される例におけるノード点3の周囲に存在する四つの節点である点A、点B、点C及び点Dを使用する。この場合、ノード点3と点A、点B、点C及び点Dとの位置関係は、三次元空間において、図7に示されるようになる。そして、点A、点B及び点Cを頂点とする三角形状の平面△ABC、並びに、点A、点B及び点Dを頂点とする三角形状の平面△ABDを設定する。なお、三角形状の平面を設定する場合、二つの節点を結ぶ線分の中で、ノード点に最も近接する線分を辺に含むようにすることが望ましい。そのため、図7に示される例においては、ノード点3に最も近接する線分ABを辺に含む平面△ABC及び平面△ABDが設定されている。
【0066】
この場合、点A、点B、点C及び点Dのx座標、y座標及びz座標から、平面△ABC及び平面△ABDにおけるすべての点のz座標、すなわち、標高を算出することができる。そのため、ノード点3を平面△ABCに投影した点の標高、及び、ノード点3を平面△ABDに投影した点の標高を算出し、二つの点の標高の平均値をノード点3の標高とすることができる。
【0067】
このようにして、道路情報推測装置20は、前記ノード点(図5に示される例におけるノード点3及びノード点4)に関する第2標高算出処理及び第3標高算出処理を終了し、次のノード点(図5に示される例におけるノード点5)について、ノード点標高算出処理を開始する。
【0068】
なお、道路情報推測装置20は、算出された各ノード点の標高を記憶手段に一時的に格納することができる。この場合、読み込んだ経路情報に対応付けて格納することもできる。
【0069】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−2−1 ノード点の座標が50〔m〕メッシュ標高データのメッシュを構成する節点上に存在するか否かを判断する。存在する場合はステップS2−2−2に進み、存在しない場合はステップS2−2−3に進む。
ステップS2−2−2 第1標高算出処理を実行してノード点の地図上の位置である座標を算出し、処理を終了する。
ステップS2−2−3 ノード点をx−y平面に投影した点が互いに隣り合う節点を結ぶ線分をx−y平面に投影した線分上にあるか否かを判断する。線分上にある場合はステップS2−2−4に進み、線分上にない場合はステップS2−2−5に進む。
ステップS2−2−4 第2標高算出処理を実行してノード点の地図上の位置である座標を算出し、処理を終了する。
ステップS2−2−5 第3標高算出処理を実行してノード点の地図上の位置である座標を算出し、処理を終了する。
【0070】
次に、勾配・標高推測処理について説明する。
【0071】
図9は本発明の第1の実施の形態におけるノード点の標高を結ぶ曲線を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態における疑似標高データの曲線を示す図、図11は本発明の第1の実施の形態における勾配・標高推測処理の動作を示すフローチャートである。なお、図9及び10においては、横軸に距離を、縦軸に標高を採っている。
【0072】
ここでは、勾配を推測して道路勾配推測データを作成するとともに、該道路勾配推測データから道路標高推測データを作成する勾配・標高推測処理について説明する。
【0073】
まず、道路情報推測装置20は、ノード点標高算出処理によって算出された各ノード点の標高を読み込む。なお、一度にすべての経路のノード点の標高を読み込むと膨大なデータ量となり、メモリ資源が不足する場合には、経路を所定の距離、例えば、約5〔km〕毎に分割して、分割された経路に対応するノード点の標高を順次読み込むようにすることもできる。
【0074】
そして、道路情報推測装置20は、読み込んだ各ノード点の標高に基づいて、各ノード点を結ぶ曲線を作成すると、図9に示されるようになる。なお、図9に示される例において、前記曲線を作成する範囲は、約5〔km〕の範囲である。そして、図9において、曲線(a)は実際の道路の標高を示す曲線であり、曲線(b)はノード点標高算出処理によって算出された各ノード点の標高を結ぶ曲線(●は各ノード点の標高を示している。)である。なお、■は道路上の標高を特定することができる特定点としての橋、及び、トンネルにおけるノード点の標高を示している。
【0075】
図9に示されるように、橋の上やトンネル内のように道路上における各ノード点と周囲に存在するメッシュの節点との標高に大きな差がある場合(通常、橋は谷や川の上に架けられているので、周囲に存在するメッシュの節点は、橋の上の道路上におけるノード点よりもかなり低い位置にある。また、トンネルの周囲は丘や山なので、周囲に存在するメッシュの節点は、トンネル内の道路上におけるノード点よりもかなり高い位置にある。)、前記ノード点標高算出処理によって算出された各ノード点の標高には、かなりの誤差が含まれることが分かる。
【0076】
そこで、道路情報推測装置20は、特定点データベース23から、特定点データとして特定点の標高を読み込んで、曲線(b)に組み込む。すなわち、曲線の地図上の位置に対応する特定点データに置き換える。ここでは、特定点としての橋及びトンネルについて、長さ方向に亘るすべての箇所において標高を特定することができる場合について説明する。そして、特定点データに合致するように、前記曲線(b)を修正する。この場合、固定値である特定点データを挿入することによって、特定点データに合わせるように道路の他の箇所の標高が補正される。
【0077】
これにより、図10における曲線(b)で示されるような修正された標高データとしての第1の補正標高データである疑似標高データ(●は各ノード点の標高を示し、■は特定点としての橋及びトンネルにおけるノード点の標高を示している。)を得ることができる。そして、該疑似標高データは、記憶手段に一時的に格納される。なお、曲線(a)は実際の道路の標高を示す曲線である。
【0078】
続いて、道路情報推測装置20は、道路情報推測処理を実行して、道路の勾配及び標高を推測する。さらに、道路情報推測装置20は、道路設計基準データベース29から取得した道路設計基準データに含まれる縦断曲線データ、縦断勾配データ及び特定点データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測する道路設計適応処理を実行する。これにより、勾配データである道路勾配推測データ及び第2の補正標高データである道路標高推測データを得ることができる。
【0079】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−3−1 ノード点の標高を読み込む。
ステップS2−3−2 特定点データを組み込む。
ステップS2−3−3 道路情報推測処理を実行する。
ステップS2−3−4 道路設計適応処理を実行し、処理を終了する。
【0080】
次に、道路情報推測処理について説明する。
【0081】
図12は本発明の第1の実施の形態における近似曲線を示す図、図13は本発明の第1の実施の形態における道路情報推測処理の動作を示すフローチャートである。なお、図12においては、横軸に距離を、縦軸に標高を採っている。
【0082】
ここでは、道路情報推測処理の全体的な流れについて説明する。まず、道路情報推測装置20は推測範囲設定処理を実行する。出発地又は現在位置から目的地までの経路が長い場合、全経路上の標高及び勾配を推測すると道路情報推測装置20の処理負担が大きくなってしまう。そこで、推測範囲設定処理を実行することによって、経路を複数の処理区間に分割し、各処理区間を推測範囲として設定するようになっている。近似曲線による標高推測処理を実行する場合、処理区間としての推測範囲をある程度の長さの範囲に分割したほうが、処理負担が低下するだけでなく、処理精度が高くなる。なお、他の方法、例えば、フィルタ処理法、移動平均法、補完技術であるCIP法(Cubic Interporated Pseudoparticle Method)等を使用した標高推測処理の場合には、必ずしも複数の処理区間に分割する必要はない。
【0083】
続いて、前記道路情報推測装置20は、近似曲線による推測処理を実行して各推測範囲における近似曲線を取得する。該近似曲線は、道路上の標高及び勾配を近似的に表わす曲線である。この場合、道路情報推測装置20は、前記推測範囲における第1の補正標高データである前記疑似標高データを読み込む。ここでは、前記推測範囲が、図12に示されるように、前記特定点設定部12において設定された隣り合う二つの特定点間の範囲であるとする。この場合、推測範囲の両端における標高が特定されるので、精度の高い近似曲線を得ることができる。なお、図12に示される例において、前記二つの特定点間は、約2〔km〕の距離である。
【0084】
ここで、前記疑似標高データは、道路の標高を正確に示してはいないが、実際の道路と同様の傾向で登ったり下ったりしている。そのため、擬似標高データに基づいて、実際の道路における山と谷の位置を特定することができる。
【0085】
そして、道路情報推測装置20は、図12に示されるように、前記疑似標高データを距離−標高平面上に展開し、最小二乗法によって近似する近似処理を実行する。ここで、近似に使用する関数としては、例えば、5次の多項式を使用するが、多項式の次数はいくらであってもよいが、前記近似範囲が広くなるほど次数を増加させてもよいし、前記メッシュ標高データ等に基づいて地形の特性を判定することによって次数を増減させてもよい。
【0086】
ここで、5次の多項式を使用して近似曲線を求める方法について説明する。
【0087】
まず、求める近似曲線を表す式(1)を次のように設定する。
【0088】
【数1】
Figure 2004252152
【0089】
ただし、xは距離−標高平面における距離、f(x)で表されるyは距離−標高平面における標高である。
【0090】
そして、各ノード点の疑似標高データを示す点■の座標を(x、y)とすると、前記点■と近似曲線との標高に関する差dは次の式(2)のように表される。
【0091】
【数2】
Figure 2004252152
【0092】
なお、差dの値は正になる場合と負になる場合とがあるので、前記差dの絶対値に対応する値を得るために、前記差dを二乗する。そして、前記近似範囲におけるすべての点■に関する差dを二乗した数値の合計をSeとすると、Seは次の式(3)のように表される。
【0093】
【数3】
Figure 2004252152
【0094】
次に、前記Seが最小となるような係数a〜aの数値を求めるために連立方程式をたてる。この場合、まず、式(3)を係数a〜aでそれぞれ偏微分して、次の式(4)〜(9)を得る。
【0095】
【数4】
Figure 2004252152
【0096】
【数5】
Figure 2004252152
【0097】
【数6】
Figure 2004252152
【0098】
【数7】
Figure 2004252152
【0099】
【数8】
Figure 2004252152
【0100】
【数9】
Figure 2004252152
【0101】
続いて、前記式(4)〜(9)を0とおくと、係数a〜aを未知数とする6元の連立方程式となるので、該連立方程式を解いて、係数a〜aを求める。そして、求められた係数a〜aの値を代入した前記式(1)が近似曲線を表す式となる。
【0102】
これにより、図12における曲線(d)で示されるような近似曲線を得ることができる。なお、図12において、曲線(a)は実際の道路の勾配及び標高を示す曲線であり、曲線(b)は疑似標高データを結ぶ曲線(■は各ノード点の疑似標高データを示している。)であり、(c)は特定点としての橋の存在する区間を示している。
【0103】
続いて、前記道路情報推測装置20は、前述されたようにして取得された近似曲線と隣接する推測範囲における近似曲線との接続処理が必要か否かを判断し、必要な場合には、接続処理を実行する。そして、前記道路情報推測装置20は、目的地までの全経路における近似曲線による推測処理が終了したか否かを判断し、終了した場合には、道路情報推測処理を終了し、終了していない場合には、繰り返し実行する。
【0104】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−3−3−1 推測範囲設定処理を実行する。
ステップS2−3−3−2 近似曲線による推測処理を実行する。
ステップS2−3−3−3 近似曲線の接続処理が必要か否かを判断する。必要な場合はステップS2−3−3−4に進み、必要でない場合はステップS2−3−3−5に進む。
ステップS2−3−3−4 近似曲線の接続処理を実行する。
ステップS2−3−3−5 目的地までの全経路における近似曲線による推測処理が終了したか否かを判断する。終了した場合は道路情報推測処理を終了し、終了していない場合は繰り返し実行を行う。
【0105】
次に、推測範囲設定処理について説明する。
【0106】
図14は本発明の第1の実施の形態における推測範囲の第1の設定方法を示す図、図15は本発明の第1の実施の形態における推測範囲の設定基準の例を示す表、図16は本発明の第1の実施の形態における推測範囲の第2の設定方法を示す図、図17は本発明の第1の実施の形態における推測範囲設定処理の動作を示すフローチャートである。
【0107】
まず、道路情報推測装置20は、設定する推測範囲が出発地又は現在位置を始点とするか否かを判断する。ここで、出発地又は現在位置を始点としない場合には、さらに、設定する推測範囲が特定点を始点とするか否かを判断する。そして、前記道路情報推測装置20は、推測範囲が出発地又は現在位置を始点とする場合には第1の推測範囲を設定し、推測範囲が特定点を始点とする場合には第2の推測範囲を設定し、推測範囲が出発地、現在位置及び特定点のいずれをも始点としない場合には第3の推測範囲を設定する。
【0108】
ここで、前記道路情報推測装置20は、図14に示されるような方法によって推測範囲を設定する。まず、出発地又は現在位置を始点とする第1の推測範囲としての1回目の処理区間を設定する。該1回目の処理区間は、出発地又は現在位置から所定距離x〔km〕の範囲を設定する。なお、該所定距離x〔km〕は、例えば、3〔km〕であるが、任意に設定することができる。
【0109】
続いて、2回目の処理区間を設定する。なお、該2回目の処理区間は、出発地、現在位置及び特定点のいずれをも始点としないので、第3の推測範囲に該当する。この場合、前記1回目の処理区間の終点から接続区間に相当する距離だけ出発地又は現在位置方向に戻った地点を始点とする。前記接続区間は、1回目の処理区間における近似曲線と2回目の処理区間における近似曲線との接続処理を行うために必要な区間である。なお、前記接続区間は、例えば、所定距離x〔km〕の20〜40〔%〕であるが、任意に設定することができる。前記接続区間は、接続処理の方法に応じて、適切な距離に設定することが望ましい。また、前記2回目の処理区間の距離は、前記1回目の処理区間と同様に、所定距離x〔km〕であるが、該所定距離x〔km〕の範囲内に特定点が存在する場合には、図14に示されるように、前記特定点を終点とする。
【0110】
続いて、3回目の処理区間を設定する。この場合、前記2回目の処理区間の終点が特定点なので、接続区間を設定することなく、前記特定点を始点とする。なお、前記3回目の処理区間は、特定点を始点とするので、第2の推測範囲に該当する。また、前記3回目の処理区間の距離は、前記1回目の処理区間と同様に、所定距離x〔km〕であるが、該所定距離x〔km〕の範囲内に特定点が存在する場合には、図14に示されるように、前記特定点を終点とする。
【0111】
続いて、4回目の処理区間を設定する。この場合、前記3回目の処理区間の終点が特定点なので、接続区間を設定することなく、前記特定点を始点とする。なお、前記4回目の処理区間は、特定点を始点とするので、第2の推測範囲に該当する。また、前記4回目の処理区間の距離は、前記1回目の処理区間と同様に、所定距離x〔km〕であるが、該所定距離x〔km〕の範囲内に目的地が存在する場合には、図14に示されるように、前記目的地を終点とする。なお、図14に示される距離y〔km〕は、所定距離x〔km〕よりも短い。
【0112】
ところで、推測範囲は、前述されたように、近似曲線による標高推測処理を実行する場合に、処理負担を低下させたり、処理精度を向上させたりするために設定されるものである。そのため、前記所定距離x〔km〕は、道路種別、地形(起伏が多い、平坦である等)、特定点の密度(特定点の間隔)、ノード点の密度(ノード点の間隔)等に基づいて、設定することが望ましい。例えば、図15に示される表のように設定することができる。この場合、高速道路のような自動車専用道路の場合、比較的平坦であり起伏が少ないと考えることができるので、所定距離x〔km〕は比較的長めに設定され、市町村道の場合、比較的起伏が多いと考えることができるので、所定距離x〔km〕は比較的短めに設定される。なお、標高データベース25には、国土地理院から公開されている50〔m〕メッシュ標高データ、の他に等高線や10〔m〕メッシュ標高データが格納されているが、図15に示される表の数値は、50〔m〕メッシュ標高データを使用してノード点標高データを算出した場合に適した数値の例である。また、標高推測処理に使用する方法に応じて、適切な数値を設定することもできる。
【0113】
ここで、所定距離x〔km〕を図15に示される表に基づいて設定すると、目的地までの経路が平坦な地域における自動車専用道路であって、目的地までの距離が3〔km〕以上である場合、前記所定距離x〔km〕を3000〔m〕、すなわち、3〔km〕に設定する。また、前記経路が起伏地域における自動車専用道路である場合、前記所定距離x〔km〕を1500〔m〕、すなわち、1.5〔km〕に設定する。さらに、目的地までの経路における区間毎に所定距離x〔km〕を変更することもできる。例えば、平坦な地域に存在する区間では、所定距離x〔km〕を3〔km〕に設定し、起伏地域に存在する区間では、所定距離x〔km〕を1.5〔km〕に設定することができる。
【0114】
なお、前記推測範囲は、特定点の有無に関わらず、全経路を一定距離毎に分割することによって設定するようにしてもよい。この場合、推測範囲としての処理区間は、図16に示されるように設定される。また、全経路を一定ノード数毎に分割することによって設定するようにしてもよい。さらに、全経路を一定数の区間に分割することによって設定するようにしてもよい。なお、全経路長、すなわち、出発地から目的地までの距離が短い場合には、推測範囲を設定しなくてもよい。
【0115】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−3−3−1−1 推測範囲が出発地又は現在位置を始点とするか否かを判断する。出発地又は現在位置を始点としない場合はステップS2−3−3−1−2に進み、出発地又は現在位置を始点とする場合はステップS2−3−3−1−3に進む。
ステップS2−3−3−1−2 推測範囲が特定点を始点とするか否かを判断する。推測範囲が特定点を始点とする場合はステップS2−3−3−1−4に進み、推測範囲が出発地、現在位置及び特定点のいずれをも始点としない場合はステップS2−3−3−1−5に進む。
ステップS2−3−3−1−3 第1の推測範囲を設定し、処理を終了する。
ステップS2−3−3−1−4 第2の推測範囲を設定し、処理を終了する。
ステップS2−3−3−1−5 第3の推測範囲を設定し、処理を終了する。
【0116】
次に、近似曲線による推測処理について説明する。
【0117】
図18は本発明の第1の実施の形態における近似曲線の次数の設定基準の例を示す表、図19は本発明の第1の実施の形態における近似曲線の算出方法を示す図、図20は本発明の第1の実施の形態における近似曲線による推測処理の動作を示すフローチャートである。
【0118】
まず、道路情報推測装置20は、前記推測範囲設定処理によって設定された推測範囲の両端、すなわち、推測範囲の始点及び終点が特定点であるか否かを判断する。ここで、両端が特定点でない場合には、さらに、いずれか一端が特定点であるか否かを判断する。そして、前記道路情報推測装置20は、推測範囲の両端が特定点である場合、すなわち、推測範囲の始点も終点も特定点である場合には第1の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測し、推測範囲のいずれか一端が特定点である場合には第2の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測し、推測範囲の両端ともに特定点でない場合、すなわち、推測範囲の始点も特定点でなく終点も特定点でない場合には第3の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測する。
【0119】
ここで、道路情報推測装置20は、推測範囲における疑似標高データを距離−標高平面上に展開し、最小二乗法によって近似するが、近似に使用する関数としての多項式の次数を、前記推測範囲の距離、前記推測範囲における道路種別、地形、特定点の密度、ノード点の密度等に基づいて、設定することが望ましい。例えば、図18に示される表のように設定することができる。この場合、推測範囲の距離が短ければ標高の変化が激しくなく、実際の道路の標高を示す曲線の形状も比較的単純になると考えることができるので、低次の多項式とするために多項式の次数を低く設定する。また、推測範囲の距離が長ければ標高の変化が激しく、実際の道路の標高を示す曲線の形状も比較的複雑になると考えることができるので、高次の多項式とするために多項式の次数を高く設定するようになっている。また、平坦地域においては、標高の変化が激しくなく、実際の道路の標高を示す曲線の形状も比較的単純になると考えることができるので、低次の多項式とするために多項式の次数を低く設定する。また、起伏地域においては、標高の変化が激しく、実際の道路の標高を示す曲線の形状も比較的複雑になると考えることができるので、高次の多項式とするために多項式の次数を高く設定するようになっている。
【0120】
そして、推測範囲の両端ともに特定点でない場合、前記道路情報推測装置20は、第3の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測する。なお、前記多項式の次数は、5次であるとする。この場合、前記道路標高推測処理において説明したように、前記式(4)〜(9)を0とおくと、係数a〜aを未知数とする6元の連立方程式となる。そして、該6元の連立方程式を解いて求めた係数a〜aの値を代入した前記式(1)が近似曲線を表す式となる。
【0121】
これにより、図19(a)における曲線(a)で示されるような近似曲線を得ることができる。なお、図19(a)において、曲線(b)は疑似標高データを結ぶ曲線(●は各ノード点の疑似標高データを示している。)である。
【0122】
また、推測範囲のいずれか一端が特定点である場合、前記道路情報推測装置20は、第2の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測する。この場合、推測範囲の始点又は終点が特定点であるから、前記始点又は終点の位置、標高及び勾配の値を特定点データベース23から取得することができる。そして、前記始点又は終点の位置、標高及び勾配を、それぞれ、x、y及びy’とすると、標高yは、前記式(1)に基づいて、次の式(10)のように表される。
【0123】
【数10】
Figure 2004252152
【0124】
また、勾配y’は、前記式(1)をxで微分することによって、次の式(11)のように表される。
【0125】
【数11】
Figure 2004252152
【0126】
次に、前記式(4)〜(7)を0とおき、かつ、前記式(10)及び(11)のx、y及びy’に値を代入することによって、係数a〜aを未知数とする6元の連立方程式を得ることができる。そして、該6元の連立方程式を解いて求めた係数a〜aの値を代入した前記式(1)が近似曲線を表す式となる。
【0127】
これにより、図19(b)における曲線(a)で示されるような近似曲線を得ることができる。なお、図19(b)において、曲線(b)は疑似標高データを結ぶ曲線(●は各ノード点の疑似標高データを示し、■は特定点の標高データを示している。)である。
【0128】
さらに、推測範囲の両端が特定点である場合、前記道路情報推測装置20は、第1の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測する。この場合、推測範囲の始点及び終点が特定点であるから、前記始点及び終点の位置、標高及び勾配の値を特定点データベース23から取得することができる。そして、前記始点の位置、標高及び勾配を、それぞれ、x、y及びy’とし、前記終点の位置、標高及び勾配を、それぞれ、x、y及びy’とすると、標高y及び勾配y’は前記式(10)及び(11)のように表される。また、標高y及び勾配y’は、前記標高y及び勾配y’の場合と同様にして、次の式(12)及び(13)のように表される。
【0129】
【数12】
Figure 2004252152
【0130】
【数13】
Figure 2004252152
【0131】
次に、前記式(4)及び(5)を0とおき、かつ、前記式(10)及び(11)のx、y及びy’に値を代入し、前記式(12)及び(13)のx、y及びy’に値を代入することによって、係数a〜aを未知数とする6元の連立方程式を得ることができる。そして、該6元の連立方程式を解いて求めた係数a〜aの値を代入した前記式(1)が近似曲線を表す式となる。
【0132】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−3−3−2−1 推測範囲設定処理によって設定された推測範囲の両端、すなわち、推測範囲の始点及び終点が特定点であるか否かを判断する。両端が特定点でない場合はステップS2−3−3−2−2に進み、推測範囲の両端が特定点である場合はステップS2−3−3−2−3に進む。
ステップS2−3−3−2−2 推測範囲のいずれか一端が特定点であるか否かを判断する。推測範囲のいずれか一端が特定点である場合はステップS2−3−3−2−4に進み、推測範囲の両端ともに特定点でない場合はステップS2−3−3−2−5に進む。
ステップS2−3−3−2−3 第1の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測し、処理を終了する。
ステップS2−3−3−2−4 第2の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測し、処理を終了する。
ステップS2−3−3−2−5 第3の近似曲線推測方法によって近似曲線を推測し、処理を終了する。
【0133】
次に、近似曲線の接続処理について説明する。
【0134】
図21は本発明の第1の実施の形態における近似曲線の接続処理の方法を示す図である。
【0135】
ここで、道路情報推測装置20は、前記近似曲線による推測処理によって取得した各推測範囲における近似曲線を順次接続する。この場合、第n(nは自然数)の推測範囲としてのn回目の処理区間における近似曲線を取得した後に、隣接するn+1回目の処理区間における近似曲線を取得し、n回目の処理区間とn+1回目の処理区間との接続区間における接続処理を実行するようになっている。すなわち、推測範囲としての処理区間における近似曲線を取得すると、既に近似曲線を取得済みの隣接する処理区間との接続区間における接続処理を行うようになっている。
【0136】
図21に示されるように、n回目の処理区間における近似曲線(a1)とn+1回目の処理区間における近似曲線(a2)とは、接続区間において一致していない、すなわち、ずれているので、そのままでは接続することができない。仮に接続区間内に近似曲線(a1)と近似曲線(a2)との交点が存在しても、該交点において、近似曲線(a1)の勾配と近似曲線(a2)の勾配とが一致してなければ、接続することができない。そのため、前記道路情報推測装置20は、近似曲線(a1)と近似曲線(a2)とを滑らかに接続する接続曲線(a3)を算出する。この場合、該接続曲線(a3)は、n+1回目の処理区間の始点に対応する近似曲線(a1)上の点A1において近似曲線(a1)に滑らかに接続し、n回目の処理区間の終点に対応する近似曲線(a2)上の点B3と滑らかに接続する必要がある。
【0137】
まず、前記道路情報推測装置20は、前記接続区間の中点に対応する近似曲線(a1)上の点A2における標高及び勾配の値と、前記接続区間の中点に対応する近似曲線(a2)上の点B2における標高及び勾配の値との平均値を算出する。続いて、前記道路情報推測装置20は、前記平均値を標高及び勾配の値として備える点C1を仮の特定点として設定する。そして、前記接続曲線(a3)は、仮の特定点C1を通るものと考え、接続曲線(a3)を表す多項式として、前記仮の特定点C1を通る曲線を表す多項式を求める。なお、該多項式の次数はいくらであってもよいが、接続区間は推測範囲としての処理区間よりも短いので、前記道路情報推測装置20の処理負担等の観点から、接続曲線(a3)を表す多項式の次数を前記近似曲線を表す多項式よりも低い次数とすることが望ましい。ここでは、前記接続曲線(a3)を表す多項式の次数を3次とした場合について説明する。
【0138】
この場合、前記接続区間を半分に分けて考えることとし、点A1と仮の特定点C1とを結ぶ区間の接続曲線(a3)を表す3次式と、仮の特定点C1と点B3とを結ぶ区間の接続曲線(a3)を表す3次式とを立てる。まず、点A1と仮の特定点C1とを結ぶ区間の接続曲線(a3)を表す3次式について考えると、n回目の処理区間における点A1までの範囲の近似曲線(a1)は、既に取得され、固定されていると考えるので、前記点A1を標高及び勾配の値が与えられた特定点のように取り扱うことができる。
【0139】
そして、前記点A1の位置、標高及び勾配を、それぞれ、x、y及びy’とすると、標高yは、次の式(14)のように表される。
【0140】
【数14】
Figure 2004252152
【0141】
また、勾配y’は、前記式(14)をxxで微分することによって、次の式(15)のように表される。
【0142】
【数15】
Figure 2004252152
【0143】
また、仮の特定点C1の位置、標高及び勾配を、それぞれ、x、y及びy’とすると、標高y及び勾配y’は、前記標高y及び勾配y’の場合と同様にして、次の式(16)及び(17)のように表される。
【0144】
【数16】
Figure 2004252152
【0145】
【数17】
Figure 2004252152
【0146】
続いて、前記式(14)及び(15)のx、y及びy’に値を代入し、前記式(16)及び(17)のx、y及びy’に値を代入することによって、係数a〜aを未知数とする4元の連立方程式を得ることができる。そして、該4元の連立方程式を解いて求めた係数a〜aの値を代入した多項式が点A1と仮の特定点C1とを結ぶ区間の接続曲線(a3)を表す式となる。
【0147】
次に、仮の特定点C1と点B3とを結ぶ区間の接続曲線(a3)を表す3次式についても、同様にして、係数a〜aの値を求めることができる。これにより、n回目の処理区間における近似曲線(a1)と、n+1回目の処理区間における近似曲線(a2)とを滑らかに接続する接続区間における接続曲線(a3)を取得することができる。
【0148】
なお、該接続曲線(a3)は他の方法によって取得することもできる。例えば、仮の特定点C1を設定することなく、点A1と点B3とを結ぶ接続曲線(a3)を表す式を取得することができる。この場合、前記接続曲線(a3)は、前記仮の特定点C1を通過しなくてもよい。また、接続曲線(a3)を表す多項式の次数を2次としてもよいし、4次以上としてもよい。さらに、フィルタ処理法、移動平均法、CIP法等を使用することもできる。
【0149】
次に、道路設計適応処理について説明する。
【0150】
図22は本発明の第1の実施の形態における縦断曲線を示す図、図23は本発明の第1の実施の形態における勾配データである道路勾配推測データを示す図、図24は本発明の第1の実施の形態における第2の補正標高データである道路標高推測データを示す図、図25は本発明の第1の実施の形態における道路設計適応処理の動作を示すフローチャートである。なお、図22及び24においては、横軸に距離を、縦軸に標高を採り、図23においては横軸に距離を、縦軸に勾配を採っている。
【0151】
まず、道路情報推測装置20は、既に読み込んだ経路情報とともに道路データに含まれている道路種別に基づいて、経路に対応する道路が国道、県道、主要地方道、一般道、高速道路等の道路種別のいずれに該当するかを特定する、すなわち、道路種別を特定する。この場合、道路の等級、設計速度等も特定する。前述されたように、縦断曲線データの場合、縦断曲線の半径や長さの数値が、道路種別、道路の等級、設計速度、縦断曲線の曲線形(凸形曲線、凹形曲線等の区別)等に応じて定められ、また、縦断勾配データの場合、縦断勾配の数値は、道路種別、道路の等級、設計速度等に応じて定められている。そのため、経路に対応する道路の道路種別、道路の等級、設計速度等を特定することによって、道路設計基準データベース29から、縦断曲線データ及び縦断勾配データを取得することが可能となる。本実施の形態においては、道路が高速道路であり、設計速度が80〔km/h〕で設計されているものとする。
【0152】
続いて、道路情報推測装置20は、道路設計基準データベース29から、設計速度が80〔km/h〕の高速道路の縦断曲線データを取得する。なお、縦断曲線は、道路の勾配としての縦断勾配が変移する場所、例えば、山や谷、尾根などにおいて、運動量の変化によって車両が受ける衝撃を緩和するために、衝撃緩和曲線として使用されるものである。そのため、縦断曲線は特定された山と谷の位置に挿入される。
【0153】
道路構造令によると、設計速度が80〔km/h〕の道路の場合の縦断曲線半径は凸形(山)ではR=3000〔m〕以上の曲線、凹形(谷)ではR=2000〔m〕以上の曲線を用いる。そして、推奨は、凸形でR=4500〔m〕以上、凹形でR=3000〔m〕以上、また、それぞれの適応距離は240〔m〕以上、160〔m〕以上となっている。そこで、本実施の形態においては、凸形でR=4500〔m〕を240〔m〕、凹形でR=3000〔m〕を160〔m〕の縦断曲線を挿入する。
【0154】
続いて、道路情報推測装置20は、経路に対応する道路の勾配を推測する。なお、特定点としての橋及びトンネルの標高及び勾配、並びに、縦断曲線挿入地点での勾配は特定されているので、それ以外の箇所の勾配の変化を推測する。この場合、道路情報推測装置20は、特定点から縦断曲線まで、縦断曲線から次の縦断曲線まで、縦断曲線から特定点まで、又は、特定点から次の特定点までの範囲を推測範囲として、推測範囲毎に勾配を推測するようになっている。
【0155】
例えば、特定点である橋から凸形(山)に挿入された縦断曲線までの範囲の場合、図22に示されるように、道路が登っていることが凸形の縦断曲線から判断することができる。なお、図において曲線(a)は実際の道路の標高を示す曲線であり、□は特定点としての橋における標高、■は各ノード点の標高を示している。そこで、特定点での勾配を縦断曲線に向かう間に縦断曲線の勾配に合うように変化させる。なお、勾配の変化は、道路の設計速度が80〔km/h〕なので最大勾配は4〔%〕である。そのため、登りの場合は、勾配を4〔%〕まで変化させることができる。この場合、勾配の値が急激に変化することはないので、特定点の直後においては勾配の値を低い値(例えば、2.42〔%〕)から徐々に上昇させ、次第に勾配の値が4〔%〕になるようにし、続いて、縦断曲線に近くなると勾配の値を徐々に低下させて、最終的に縦断曲線の勾配に近い値(例えば、1.74〔%〕)になるように変化させる。
【0156】
そして、勾配の変化のさせ方は、一般的に、長い登り勾配の区間において、下に緩勾配、上に急勾配を設置するようになっている。これにより、登り勾配における車両の走行速度の低下を緩和することができる。
【0157】
このようにして、道路情報推測装置20は、一つの推測範囲において、道路の勾配を推測した後、他のすべての次の推測範囲において同様の動作を繰り返して、経路に対応する道路のすべての範囲において勾配を推測する。
【0158】
続いて、道路情報推測装置20は、推測された勾配に基づいて、経路に対応する道路の標高を推測する。この場合、各ノード点における標高は、道路上の標高を特定することができる特定点データを用いて、次の式(18)によって求めることができる。
ノード点の標高=特定点データ+勾配×特定点データからの水平方向の距離・・・式(18)
このようにして、道路情報推測装置20は、一つの推測範囲において、道路の標高を推測した後、他のすべての次の推測範囲において同様の動作を繰り返して、経路に対応する道路のすべての範囲において標高を推測する。
【0159】
続いて、道路情報推測装置20は、推測された勾配及び標高の数値、すなわち、推測結果を確認する。
【0160】
ここで、推測範囲が縦断曲線から特定点、特定点から特定点のような場合、特定点データとしての特定点における標高を特定することができるので、推測した標高と特定点での標高とのつながりが適当であるか否かを判断することができる、すなわち、標高を特定することができるある位置における標高とその他の位置における標高の値を比較して、登り又は下りとなっているかを判断することによって推測結果を確認する。
【0161】
例えば、登り坂であるのに、あるノード点における標高より次のノード点である特定点の標高が低い場合は、推測した勾配の変化が適切でないと判断することができる。また、下り坂であるのに、あるノード点における標高より次のノード点である特定点の標高が高い場合は、推測した勾配の変化が適切でないと判断することができる。さらに、あるノード点における標高と次のノード点である特定点の標高との差が5〔m〕以上ある場合は、推測した勾配の変化が適切でないと判断することができる。
【0162】
このような場合は、推測した勾配の変化が適切でない、すなわち、推測結果が不適切であると判断することができるので、道路の勾配及び標高を推測し直すようになっている。そして、道路の勾配を推測する際に使用した勾配の値を変更して、推測した標高と特定点での標高とのつながりが適当になるように、勾配を推測し直すようになっている。例えば、前述されたように、設計速度が80〔km/h〕の高速道路の場合、道路の最大勾配が4〔%〕であるが、道路の勾配を推測する際に、勾配の最大値を4〔%〕ではなく3〔%〕として、勾配を推測し直すことによって、推測された標高が適切になるようにすることができる。
【0163】
また、道路設計基準においては、特例として勾配を7〔%〕まで使用することができるので、必要な場合、勾配の最大値として特例で認められる7〔%〕までの値を使用してもよい。しかし、特例の場合には、勾配が5〔%〕の区間の距離は600〔m〕、勾配が6〔%〕の区間の距離は500〔m〕、勾配が7〔%〕の区間の距離は400〔m〕までと制限があるので、勾配の最大値が4〔%〕を超える区間の長さが、前記の数値以上にならないようにする。なお、この前記区間の制限距離は車両(特にトラック等)が登る場合に、高速道路における許容下限速度に低下するまでの距離である(設計速度が80〔km/h〕の道路では、許容下限速度は40〔km/h〕)。つまり、縦断曲線を挿入するとは、道路設計基準で規定される道路種別等に応じた勾配の長さや勾配などを推測した勾配や標高に適用させ、推測した曲線を補正することである。
【0164】
そして、道路の勾配及び標高を推測し直す場合、道路情報推測装置20は、道路設計基準データに基づいて勾配及び標高の推測を行うが、特定点における特定点データは実際の道路の構造を示しているので、特定点データを優先して、特定点周辺の道路の勾配及び標高を変化させるようになっている。すなわち、この場合、特定点データを道路設計基準に基づいて補正するのではなく特定点の周辺の道路の勾配及び標高の値を、他の標高を特定することができる箇所との関係が道路設計基準を満たすように変化させる。
【0165】
このようにして、推測結果を確認して、図23に示されるような第1の補正標高データである擬似標高データの変化と、特定点データと道路設計基準データに基づいて推測した勾配データである道路勾配推測データを得ることができる。なお、図23において、●で示される点(a)は各ノード点における実際の道路の勾配を示す点であり、■で示される点(b)は各ノード点における実際の道路勾配推測データを示す点である。また、同様に、図24に示されるように勾配データと特定点データとから第2の補正標高データである道路標高推測データを得ることができる。なお、図24において、曲線(a)は各ノード点における実際の道路の標高を示す曲線であり、■で示される点(b)は第2の補正標高データである各ノード点における道路標高推測データを示す点であり、□は特定点としての橋及びトンネルにおける標高を示す点である。
【0166】
そして、前記道路勾配推測データ及び道路標高推測データは、記憶手段に格納されるようになっている。このようにノード点標高データと特定点データで補正することで第1の補正標高データを推測し、推測した第1の補正標高データの変化と、特定点データ及び道路設計基準データに基づいて勾配データを推測し、推測した勾配データと特定点データに基づいて、第2の補正標高データである道路標高推測データを得ることで道路の標高を推測する。また、本実施の形態においては、設計速度が80〔km/h〕の高速道路を例にして勾配及び標高の推測について説明したが、道路の種別や設計速度によって設計基準が異なるので、他の道路の場合、それぞれの種別や設計速度に合わせた道路設計基準データを使用して、勾配及び標高の推測を行う。
【0167】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−3−4−1 道路種別を特定する。
ステップS2−3−4−2 縦断曲線を挿入する。
ステップS2−3−4−3 道路の勾配を推測する。
ステップS2−3−4−4 道路の標高を推測する。
ステップS2−3−4−5 推測結果を確認し、処理を終了する。
【0168】
このように、本実施の形態において、道路情報推測装置20は、地図データに基づくナビゲーション基本処理によって設定された経路に対応する道路上の各ノード点の標高を、メッシュ標高データに基づいて算出し、算出した標高を地図上の位置に対する特定点の標高に置き換えることで補正して組み込み、推測範囲における道路上の標高及び勾配を近似的に表わす近似曲線を取得し、道路設計基準データである縦断曲線データ及び縦断勾配データに基づいて補正、すなわち、道路設計基準データで規定される勾配や勾配の長さに適合するように変化させて置き換えて道路の勾配を推測し、続いて、道路の標高を推測する。そして、実際の道路の標高を特定することができる位置での標高と勾配の変化の関係が実際の道路と同じ傾向であるかによって、推測結果を確認し、該推測結果が不適切である場合には、道路の勾配及び標高を推測し直すようになっている。
【0169】
そのため、道路上の各ノード点の勾配を高い精度で推測することができ、各ノード点における信頼性の高い勾配データを道路勾配推測データとして得ることができる。
【0170】
また、道路情報推測装置20は、経路における道路上の各ノード点の標高を前記道路勾配推測データに基づいて算出することによって、高い精度で道路の標高を示す道路標高推測データ曲線を得ることができる。
【0171】
さらに、各ノード点における前記道路勾配推測データ及び道路標高推測データをナビ制御装置21の地図データベース21aに記録することもできる。この場合、道路情報推測装置20が道路勾配・標高推測処理を実行した経路に関しては、前記道路標高推測データ及び道路標高勾配データが記録され蓄積されていくので、道路勾配・標高推測処理を繰り返し実行する必要がない。
【0172】
さらに、出発地又は現在位置から目的地までの経路が長い場合、該経路を複数の推測範囲に分割して各推測範囲における近似曲線を取得し、各推測範囲における近似曲線を接続して、経路全体の近似曲線を取得する。そのため、道路情報推測装置20の処理負担が低下し、かつ、処理精度が高くなるので、高精度の近似曲線を短時間で取得することができる。
【0173】
これにより、ナビ制御装置21が出力する経路情報に、道路の勾配や標高を含ませることができるので、各種の用途に利用することができる。
【0174】
例えば、前記道路情報推測装置20は、表示処理において、道路の標高の変化を表す線を表示装置27の画面に表示したり、経路を鳥瞰図的に表示装置27の画面に表示する場合に、道路に起伏を付けて表示したりすることができる。これにより、道路走行中の車両を運転する運転者は、登坂や降坂に差し掛かったり視野に入ったりする前に、あらかじめ坂道の存在や勾配等を知ることができるので、運転中の不安を解消することができる。
【0175】
また、前記道路情報推測装置20は、車両制御処理において、推測された道路の勾配や標高に適するエンジン出力としたり、変速比としたりするように、エンジン制御装置、駆動力制御装置等の車両制御装置を動作させるための制御信号を車両制御装置インターフェイス26から出力させる。さらに、道路の勾配や標高の変化を予測した制御動作を行わせることもできる。また、車両がEVやHEVである場合には、バッテリエネルギーを効率的に使用するように、車両制御装置を動作させるための制御信号を車両制御装置インターフェイス26から出力させることもできる。
【0176】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0177】
図26は本発明の第2の実施の形態における道路標高の近似曲線を示す図、図27は本発明の第2の実施の形態における道路勾配の近似曲線を示す図である。なお、図26においては、横軸に距離を、縦軸に標高を採り、図27においては、横軸に距離を、縦軸に勾配を採っている。
【0178】
前記第1の実施の形態において、道路情報推測装置20は、隣り合う二つの特定点間の範囲における各ノード点の標高を結ぶ曲線をフィルタ処理し、前記曲線の変化を滑らかにして、道路の標高を推定するのに対し、本実施の形態において、道路情報推測装置20は、少なくとも一つの特定点を含む範囲における各ノード点の標高を結ぶ曲線の変化を滑らかにして、道路の標高を推定する。すなわち、本実施の形態において、特定点設定部12は、少なくとも一つの特定点を設定する。ここでは、所定範囲において、少なくとも一つの特定点を設定し、道路の標高を推測する範囲として設定する。道路情報推測部13は、少なくとも一つの特定点を含む範囲の道路上の各ノード点の標高データを取得し、該標高データを、前記特定点の特定点データによって補正して、道路標高推測データを作成する。なお、道路の標高を推定する処理は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0179】
これにより、図26における曲線(d)で示されるような近似曲線を得ることができる。なお、図26において、曲線(a)は実際の道路の標高を示す曲線であり、曲線(b)は疑似標高データ(▲は各ノード点の疑似標高データを示している。)であり、(c)は特定点としての橋の存在する区間を示している。そして、図26に示されるように、橋の上のように道路上における各ノード点と周囲に存在するメッシュ標高データにおけるメッシュの節点との標高に大きな差がある場合、前記経路の標高算出処理によって算出された各ノード点の標高には、かなりの誤差が含まれることが分かる。なお、前記特定点は、道路上の標高を特定することができる特定点であればいかなるものであってもよく、例えば、トンネルであってもよい。
【0180】
また、道路情報推測装置20は、少なくとも一つの特定点を含む範囲において前記近似曲線の勾配に基づいて、道路の勾配を推定する。なお、道路の勾配を推定する処理は、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。これにより、図27における曲線(b)で示されるような近似曲線を形成する近似勾配データを得ることができる。なお、図27において、曲線(a)は実際の道路の勾配を示す曲線である。
【0181】
このように、本実施の形態において、道路情報推測装置20は、少なくとも一つの特定点を含む範囲における道路の標高及び勾配を推定する、すなわち、一つの特定点の前後の範囲をにおける道路の標高及び勾配を推定するようになっている。そのため、通常、特定点として取り扱うことのできる橋やトンネルのような構造物がわずかしか存在しない地域、すなわち、特定点の間隔が広い地域であっても、特定点データに基づいて道路の標高及び勾配を高い精度で推定することができる。
【0182】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0183】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、高い精度で道路の勾配及び標高を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における道路情報推測装置の構成を機能の観点から示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における道路情報推測装置の詳細な構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における道路情報推測装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における道路勾配・標高推測処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるメッシュの節点とノード点との位置関係をを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における二つの節点からノード点の標高を求める方法を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における四つの節点からノード点の標高を求める方法を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるノード点標高算出処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるノード点の標高を結ぶ曲線を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における疑似標高データの曲線を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における勾配・標高推測処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施の形態における近似曲線を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における道路情報推測処理の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1の実施の形態における推測範囲の第1の設定方法を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における推測範囲の設定基準の例を示す表である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における推測範囲の第2の設定方法を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における推測範囲設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第1の実施の形態における近似曲線の次数の設定基準の例を示す表である。
【図19】本発明の第1の実施の形態における近似曲線の算出方法を示す図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態における近似曲線による推測処理の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第1の実施の形態における近似曲線の接続処理の方法を示す図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態における縦断曲線を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態における勾配データである道路勾配推測データを示す図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態における第2の補正標高データである道路標高推測データを示す図である。
【図25】本発明の第1の実施の形態における道路設計適応処理の動作を示すフローチャートである。
【図26】本発明の第2の実施の形態における道路標高の近似曲線を示す図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態における道路勾配の近似曲線を示す図である。
【符号の説明】
13 道路情報推測部
14 推測範囲設定部
16 道路設計基準読込部
20 道路情報推測装置

Claims (8)

  1. (a)道路設計基準データを読み込む道路設計基準読込部と、
    (b)地図データ、標高データ及び道路設計基準データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測する道路情報推測部とを有することを特徴とする道路情報推測装置。
  2. 経路を分割して推測範囲を設定する推測範囲設定部を有し、前記道路情報推測部は、設定された各推測範囲における道路の勾配及び標高を推測し、各推測範囲における道路の勾配及び標高を接続して全経路における道路の勾配及び標高を推測する請求項1に記載の道路情報推測装置。
  3. 前記道路情報推測部は、設定された各推測範囲における近似曲線を算出し、各推測範囲における道路の勾配及び標高を接続する請求項2に記載の道路情報推測装置。
  4. 前記道路情報推測部は、隣接する推測範囲を接続する接続区間を設定し、該接続区間内における仮の特定点を通る接続曲線を算出して前記隣接する推測範囲における近似曲線を接続する請求項3に記載の道路情報推測装置。
  5. 前記仮の特定点における道路の勾配及び標高は、前記隣接する推測範囲における近似曲線上の前記接続区間の中点に対応する点における道路の勾配及び標高の平均値である請求項4に記載の道路情報推測装置。
  6. 前記道路情報推測部は、地図データ、標高データ、道路設計基準データ、及び、道路上の標高を明確に特定することができる特定点データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測する請求項1〜5のいずれか1項に記載の道路情報推測装置。
  7. 前記標高データは、メッシュ標高データである請求項1〜6のいずれか1項に記載の道路情報推測装置。
  8. (a)コンピュータを、
    (b)道路設計基準データを読み込む道路設計基準読込部、及び、
    (c)地図データ、標高データ及び道路設計基準データに基づいて、道路の勾配及び標高を推測する道路情報推測部として機能させるための道路情報推測プログラム。
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