JP4848084B2 - オレフイン変換のための触媒の製造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術】
本発明は、オレフィンの接触分解、特に流出液において軽質オレフィンに向けて選択性を有する分解法のための触媒の製造法に関する。特に、そのような触媒を使用することにより、精油所または石油化学プラントからのオレフィン供給原料を、生成した流出液中の供給原料のオレフィン含量が再配分されるように、選択的に変換することができる。
【0002】
【従来の技術】
例えば石油原料の接触脱蝋において、長鎖パラフィン類をより軽質の生成物に変換するためにゼオライトを使用することは当該技術分野では公知である。脱蝋が目的ではなくても、パラフィン系炭化水素の少なくとも一部がオレフィン類に変換する。そのような工程では、例えばMFI型(3文字表示「MFI」は、国際ゼオライト学会の構造委員会により定められたような特定の結晶性シリケートを表す)の結晶性シリケートを使用することが知られている。MFI型の結晶性シリケートの例は、合成ゼオライトZSM−5およびシリカライトSilicalite)であり、そして他のMFI型の結晶性シリケートが当該技術分野で公知である。
【0003】
英国特許出願公開第1323710号明細書は、結晶性シリケート触媒、特にZSM−5を使用して炭化水素原料から直鎖パラフィン類およびわずかに分枝鎖パラフィン類を除去すための脱蝋法を開示する。米国特許第4247388号明細書も、ZSM−5型の結晶性シリケートを使用して、石油および合成炭化水素原料の接触水素化脱蝋法を開示する。同様な脱蝋工程は、米国特許第4284529号および同第5614079号明細書にも開示されている。その触媒は結晶性アルミノ−シリケート類であり、そして上記に示した従来技術文献では、開示された脱蝋工程に広い範囲のSi/Al比および種々の反応条件を開示している。
【0004】
英国特許出願公開第2185753号明細書は、シリカライト触媒を使用した炭化水素原料の脱蝋法を開示する。米国特許第4394251号明細書は、アルミニウム−含有外殻を有する結晶性シリケート粒子を用いた炭化水素変換を開示する。
【0005】
当該技術分野では、直鎖および/またはわずかな分枝鎖炭化水素、特にパラフィン類を含む炭化水素原料を、有意な量のオレフィンを含有するより低分子量生成物混合物へ選択的に変換を行うことが知られている。この変換は、英国特許出願公開第2075045号明細書、米国特許第4401555号および同第4309276号明細書に開示されているように、供給原料をシリカライトとして知られている結晶性シリケートと接触させることにより行われる。
【0006】
種々のケイ素/アルミニウム原子比および種々の結晶形態を有するシリカライト触媒が存在する。コスデン テクノロジー社(Cosden Technolog,Inc.)の名前で発効された欧州特許出願公開第0146524号および同第0146525は、単斜対称を有するシリカライト型の結晶性シリカ類およびそれらの製造法を開示する。これらのシリケートは、80より大きいアルミニウムに対するケイ素の原子比を有する。
【0007】
国際公開第97/04871号明細書は、接触分解において、ゼオライトのブテン選択性を改良するために、中型孔質ゼオライトを蒸気を用いて処理し、その後に酸性溶液を用いた処理を開示する。
【0008】
エルセビア サイエンス B.V.(Elsevier Science B.V.)により報告された「HZSM-5ゼオライトの脱-アルミナ化:酸性度および芳香族化活性に及ぼす蒸気の効果(De-alumination of HZSM-5 zeolites:Effect of steaming on acidity and aromatization activity)」、という表題のLucasらの文献では、そのような脱アルミナ化されたゼロライトで、アセトン/n-ブタノール混合物を炭化水素に変換させることを開示する。
【0009】
米国特許第5043307号明細書は、改質された結晶性アルミノ−シリケートゼオライト触媒、および高粘度指数の潤滑油の製造におけるその使用を開示する。触媒は、有機テンプレート材料を含有する合成された結晶性アルミノシリケートを蒸熱処理して少なくともテンプレート材料の一部を分解し、そしてゼオライトからアルミニウムを抽出する方法を使用することにより改質される。次にゼオライトは、アルミニウムと水溶性の錯体を形成して、さらなる量のゼオライト性アルミニウムをゼオライトから取り出す脱アルミニウム剤と接触させる。ゼオライトは有機テンプレートを含むので、ゼオライトの表面のみがそのように改質される。この表面が改質されたゼオライト(ZSM-5のような)は、最高108のシリカ/アルミナ比を有する。特にプロピレンを製造するためのオレフィンの接触分解に利用性を有するような触媒は開示されていない。
【0010】
さらに、例えば米国特許第4171257号明細書から、ZSM-5のような結晶性シリケート触媒を使用して石油溜分を脱蝋して、例えばC3からC4オレフィン溜分のような軽質オレフィン溜分を製造することが知られている。典型的には、反応槽温度は500℃付近に達し、そして反応槽には石油溜分をプロピレンに優先的に変換する低い炭化水素分圧を採用する。脱蝋は、パラフィン鎖を分解して供給原料の粘度の低下を導くが、わずかに分解したパラフィンからのオレフィンの生成も生じる。
【0011】
欧州特許出願公開第0305720号明細書は、炭化水素の接触変換による気体状オレフィン類の製造を開示する。欧州特許第0347003号明細書は、炭化水素系含有原料を軽質オレフィンへ変換する方法を開示する。国際公開第90/11338号明細書は、C2からC12パラフィン系炭化水素を石油化学原料、特にC2からC4オレフィンへ変換するための方法を開示する。米国特許第5043522号明細書および欧州特許出願公開第0395345号明細書は、4個以上の炭素原子数のパラフィン類からオレフィン類の製造を開示する。欧州特許出願公開第0511013号明細書は、リンおよびH-ZSM-5を含有する蒸気活性化触媒を使用して、炭化水素からオレフィンの製造を開示する。米国特許第4810356号明細書は、シリカライト触媒での脱蝋によるガスオイルの処理法を開示する。英国特許出願第2156845号明細書は、プロピレンまたはプロピレンを含有する炭化水素の混合物からイソブチレンの製造を開示する。英国特許出願第2159833号明細書は、軽質溜分の接触分解によるイソブチレンの製造を開示する。
【0012】
当該技術分野では、上記に例示した結晶性シリケートを用いると、長鎖オレフィンが対応する長鎖パラフィンよりも大変高い速度で分解する傾向にあることが知られている。
【0013】
さらに、パラフィン類をオレフィン類に変換するための触媒として結晶性シリケートを使用する時、そのような変換は時間に対して安定ではないことが知られている。変換率は稼働時間が長くなると低下し、これは触媒上に分解で生じたコークス(炭素)が付着することによるものである。
【0014】
これら周知方法は、重質パラフィン系分子を、より軽質分子に分解するために採用されている。しかし、プロピレンの製造を所望する場合、収率が低いだけでなく、結晶性シリケート触媒の安定性も低い。例えばFCC装置では、典型的なプロピレン製造量は3.5重量%である。このプロピレン製造量は、既知のZSM-5触媒をFCC装置に導入して、分解される流入炭化水素給原料からプロピレンを絞り出して、最高約7−8重量%のプロピレン製造量に増加させることができる。この収率における増加は極めて少ないだけでなく、ZSM-5もFCC装置中では安定性が低い。
【0015】
【発明が解決する課題】
特にポリプロピレンの製造において、プロピレンの需要が増大している。
【0016】
石油化学工業は現在、プロピレン誘導体、特にポリプロピレン需要の増大の結果、プロピレンの入手性において大きな苦境に立っている。プロピレンの製造量を増すための伝統的方法は、必ずしも完全に満足のいくものではない。例えば、プロピレンのおよそ2倍のエチレンを製造する付加的ナフサ蒸気分解装置は、原料が高価であり、しかも資本投資が大変高いために、プロピレンを生成するには経費が高い方法である。ナフサは精油所においてガソリンを製造するための基本材料であるので、蒸気分解用の原料としては競合する。プロパンの脱水素化反応は、高収率でプロピレンを生じるが、原料(プロパン)が費用効率的であるのは年度の限られた期間だけなので、その方法は高価であり、しかもプロピレンの製造は限定あれる。プロピレンはFCC装置から得られるが、比較的低収率であり、そして収率を高めるのは高価であり、かつ限界があることが証明された。複分解または不均化として知られている別の経路は、エチレンおよびブテンからプロピレンの製造を可能にする。しばしば、この技法は蒸気分解と組み合わせて用いられ、エチレンが供給原料として使用されているが、エチレンは少なくともプロピレンと同じくらい貴重なのでこの技法は高価である。
【0017】
このように、市場ではそれほど価値がはない原料(市場で代わりの用途をほとんどもたない)の利点を生かし、精油所または石油化学プラントに直ちに取り入れることができる高収率のプロピレン製造法が求められている。
【0018】
他方、オレフィンのオリゴマー化にMFI型の結晶性シリケートは周知な触媒である。例えば欧州特許出願公開第0031675号明細書は、ZSM−5のような触媒で、オレフィン含有混合物のガソリンへの変換を開示する。当業者には明らかなように、オリゴマー化反応に関する操作条件は、分解に使用する条件とはかなり異なる。典型的には、オリゴマー化反応槽では、温度は約400℃を越えず、そして高圧がオリゴマー化反応に好ましい。
【0019】
英国特許出願第2156844号明細書は、触媒としてシリカライトを用いてオレフィン類の異性化法を開示する。米国特許第4579989号明細書は、シリカライト触媒を用いてオレフィン類のより高分子量炭化水素への変換を開示する。米国特許第4746762号明細書は、結晶性シリケート触媒を用いて軽質オレフィン類をより高級化することにより、C5+液が豊富な炭化水素の製造を開示する。米国特許第5004852号明細書は、オレフィン類の高オクタンガソリンへの変換のための2段階法を開示し、ここで第1段階ではオレフィン類がC5+オレフィン類にオリゴマー化される。米国特許第5171331号明細書は、シリカライト、ハロゲンで安定化されたシリカライトまたはゼオライトのような中程度の孔サイズの結晶性ケイ素含有レキュラーシーブ触媒を用いて、C2−C6オレフィンを含有する原料のオリゴマー化を含んで成るガソリンの製造法を開示する。米国特許第4414423号明細書は、通常の気体状炭化水素から高沸点の炭化水素の多段階製造法を開示し、第1段階は、通常の気体状オレフィンを中間的な孔サイズの結晶性ケイ素含有モレキュラーシーブ触媒に供給することを含んで成る。米国特許第4417088号明細書は、シリカライトで高炭素(high carbon)オレフィン類の二量体化および三量体化を開示する。米国特許第A417086号明細書は、シリカライトでオレフィン類のオリゴマー化法を開示する。英国特許出願公開第2106131号および同第2106132号明細書は、ゼオライトまたはシリカライトのような触媒でオレフィン類をオリゴマー化して、高沸点の炭化水素の製造を開示する。英国特許出願公開第2106533号明細書は、ゼオライトまたはシリカライトを用いた気体状オレフィン類のオリゴマー化を開示する。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、上記の従来方法とは対称的に、オレフィンを軽質オレフィン類、そして特にプロピレンに接触変換する分解法の供給原料として、精油所および石油化学プラントにおいて存在する、あまり価値がないオレフィン類を採用するための分解法に使用する触媒の製造法を提供する。
【0021】
本発明の別の目的は、高いプロピレン収率および純度を有するプロピレンの製造法で使用するための触媒を提供する。
【0022】
さらに本発明の別の目的は、少なくとも化学グレード品質内のオレフィン流出液を製造できるような方法において使用するための触媒を提供する。
【0023】
さらに本発明の別の目的は、経時的に安定なオレフィン変換および安定な生成物配分を有するオレフィンの製造法で使用する触媒を提供する。
【0024】
さらに本発明の別の目的は、オレフィン原料の変換をこのオレフィン原料の起源および組成にかかわらず、プロピレンに向かう高いオレフィンに基準収率( yield on an olefin basis)でもたらす方法を提供する。
【0025】
さらに本発明の一層の目的は、例えば典型的には数日間といったかなり長期間にわたって、安定化され選択されたオレフィン収率を与えることができる、高い安定性を有するオレフィン分解用の触媒の製造法を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、数回再生できるそのような触媒を提供することである。
さらに本発明の一層別の目的は、種々の異なる供給原料で操作できるように、高い柔軟性を有し、純品または混合物でもよい触媒を提供することである。
【0027】
本発明は、オレフィン分解用の触媒の製造法を提供し、この方法は、MFI型の結晶性シリケート触媒を提供し、触媒を蒸気中で加熱して結晶性シリケート骨格からアルミニウムを除去し、そして蒸熱工程中に中に堆積したアルミニウムを骨格の孔から除去するために、触媒とアルミニウムの錯化剤との接触させることにより触媒からアルミニウムを抽出し、これにより触媒のケイ素/アルミニウム原子比が増加し;そして触媒を高温でか焼する工程を含んで成る。
【0028】
本発明はさらに、流出液において軽質オレフィンに向けて選択性を有する、炭化水素の供給原料中のオレフィンの接触分解法を提供し、この方法は1種以上のオレフィン系成分の第1組成を有するオレフィンを含有する炭化水素原料を、本発明の方法に従い得られた触媒と接触させて、1種以上のオレフィン系成分の第2組成を有する流出液を生成する工程を含んで成り、供給原料および流出液はその重量で実質的に同じオレフィン含量を有する。
【0029】
本発明は、さらに本発明の方法に従い製造されたMFI型の結晶性シリケート触媒の、オレフィンが豊富な炭化水素原料を分解するための使用を提供し、この分解は流出液中のプロピレンに対して選択的である。
【0030】
このように本発明は、精油所および石油化学プラントからのオレフィンが豊富な炭化水素流(生成物)を、軽質オレフィンだけでなく、特にプロピレンにも選択的に分解する方法を提供する。このオレフィンが豊富な炭化水素供給原料は、蒸気/脱アルミナ化処理後に得た少なくとも180の特定のSi/Al原子比をもつ結晶性シリケート 触媒上に通してもよい。供給原料は、約500−600℃の間の温度範囲、0.1−2バールのオレフィンの分圧および10−30h-1のLHSVで触媒を通過し、供給原料中のオレフィン含量に基づき、少なくとも30−50%のプロピレンを得ることができる。
【0031】
本明細書中、用語「ケイ素/アルミニウム原子比」とは、化学分析により測定できる全材料のSi/Al原子比を意味することを意図する。特に、結晶性シリケート材料に関して、言及したSi/Al比は結晶性シリケートのSi/Al骨格だけに適用されるのではなく、全材料に適用される。
【0032】
ケイ素/アルミニウム原子比は、好ましくは約180より大きい。たとえケイ素/アルミニウム原子比が約180より低くても、オレフィンが豊富な原料の接触分解の結果としての軽質オレフィン、特にプロピレンの収率は、従来技術の方法よりも大きくなり得る。供給原料は希釈せずに、または窒素のような不活性ガスを用いて希釈して供給され得る。後者の場合では、供給原料の絶対圧は、不活性ガス中の炭化水素供給原料の分圧を構成する。
【0033】
本発明の種々の観点をこれからより詳細に記載するが、添付の図面を単に例として参照にする。
【0034】
本発明の側面に従い、オレフィン類の分解は、炭化水素流中のオレフィン類をより軽質オレフィン類、そして選択的にプロピレンに分解する意味で行う。原料および流出液は、好ましくは実質的に同じオレフィン含量(重量で)を有する。典型的には、流出液のオレフィン含量は、供給原料のオレフィン含量の±15%内、より好ましくは±10%内である。供給原料は、任意の種類のオレフィン−含有炭化水素流を含んで成るものでよい。供給原料は典型的には10から100重量%のオレフィン類を含んで成ることができ、そして希釈せずに、または希釈剤により希釈して供給することができ、この希釈剤は場合によっては非−オレフィン系炭化水素を含んでもよい。特に、オレフィン−含有原料は、炭素数範囲がC4からC10の、より好ましくは炭素数範囲がC4からC6のノルマルおよび分枝オレフィンを含む炭化水素混合物でよく、場合によっては混合物に炭素数範囲がC4からC10のノルマルおよび分枝パラフィンおよび/または芳香族との混合物状でもよい。典型的には、オレフィン−含有流は、約-15〜約180℃の沸点を有する。
【0035】
本発明の特に好適な態様では、炭化水素原料は、精油所および蒸気分解装置からのC4混合物を含んで成る。そのような蒸気分解装置は、エタン、プロパン、ブタン、ナフサ、ガスオイル、燃料油等を含め、広い種々の供給原料を分解する。最も特別には、炭化水素原料は、重油をガソリンおよびより軽質な製品に転換するための、原油精油所の流動床接触分解(FCC)装置からのC4溜分を含んで成ることができる。典型的には、そのようなFCC装置からのC4溜分は、約50重量%のオレフィンを含んで成る。あるいは、炭化水素原料は、メタノールおよびイソプテンから製造されるメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を製造するために、原油精油所内の装置に由来するC4溜分を含んで成ることができる。ここでもそのようなMTBE装置からのC4溜分は、典型的には約50重量%のオレフィンを含んで成る。これらのC4溜分は、それぞれのFCCおよびMTBE装置の出口で分溜される。炭化水素原料は、さらに石油化学プラントにおけるナフサ蒸気分解装置からのC4溜分を含んで成ることができ、そのナフサは約15〜180℃の沸点範囲を有するC5からC9種を含んで成るが、蒸気分解されて、とりわけC4溜分を生成する。そのようなC4溜分は典型的には重量で、40〜50%の1,3-ブタジエン、約25%のイソブチレン、約15%のブテン(ブテ-1-エンおよび/またはブテ-2-エンの状態で)、および約10%のn-ブテンおよび/またはイソブテンを含んで成る。このオレフィン−含有の炭化水素原料はまた、ブタジエン抽出後(ラフィネート1)、またはブタジエン水素化後に蒸気分解装置からのC4溜分を含んで成ってもよい。
【0036】
さらにこの原料は場合によっては、水素化されたブタジエンが豊富なC4溜分、典型的には50重量%より多くのC4をオレフィンとして含んで成ることができる。あるいは炭化水素原料は、石油化学プラントで製造された高純度なオレフィン原料を含んで成ることもできる。
【0037】
さらにこのオレフィン−含有原料は、場合によっては、軽質分解ナフサ(LCN)(あるいは、軽質接触分解スピリット:LCCSとしても知られている)、または蒸気分解物または軽質分解ナフサからのC5を含んでもよく、この軽質分解ナフサはこれまでに検討したように、原油精油所においてFCC装置の流出液から分溜される。そのような原料は両方ともオレフィン類を含む。このオレフィン−含有供給原料は、さらに場合によっては、そのようなFCC装置からの中質(medium)分解ナフサ、または原油精油所内において真空蒸留装置の残渣を処理するためのビスブレーキング(visbreaking)装置から得たビスブレーキングされたナフサを含んで成ることもできる。
【0038】
オレフィンを含有する供給原料は、1種以上の上記供給原料の混合物を含んで成るものでもよい。
【0039】
本発明の好適な方法に従い、オレフィンを含有する炭化水素供給原料としてのC4溜分の使用は、精油所により生成されたガソリンにからどうしてもC5種を除去する必要性があることから特に有利である。これはガソリン中のC5の存在がオゾンの可能性、そしてすなわち生成したガソリンの光化学活性の可能性を増すからである。オレフィンを含有する供給原料として軽質分解ナフサを使用する場合、残るガソリン溜分中のオレフィン含量は減少し、これにより蒸気圧を低下させ、そしてまたガソリンの光化学活性を低下させる。
軽質分解ナフサを変換する時、本発明の方法に従いC2からC4オレフィンを製造できる。このC4溜分はオレフィン濃度、特にMTBE装置用の原料として興味深いイソブテンが大変高い。C4溜分を変換する時、C2からC3オレフィンが生成される一方、他方では主にイソ−オレフィンを含むC5からC6オレフィンが生成される。残りのC4溜分はブテン、特に精油所のアルキル化装置用として興味深い供給原料であるイソブテンが豊富であり、ここでガソリンに使用するためのアルキレートが、C3およびC5供給原料の混合物から生成される。主にイソ−オレフィンを含有するC3からC6溜分は、第三アミルメチルエーテル(TAME)の製造に興味深い原料である。
【0040】
驚くべきことには、本発明者は本発明の側面に従い、生成した流出液において供給原料のオレフィン系含量を再配分するように、オレフィン供給原料を選択的に変換できることを見いだした。触媒、その製造法および分解工程の条件を選択することにより、この分解法は供給原料中の特定のオレフィンに関して、オレフィン基準で特定の収率を有する。典型的には触媒および工程条件を選択することにより、例えばFCC装置からのC4溜分、MTBE装置からのC4溜分、軽質分解ナフサまたは軽質分解ナフサからのC5溜分等のようなオレフィン類供給原料の起源にかかわらず、プロピレンに対してオレフィン基準で、同じ高い収率を有する。これは従来技術に基づいては全く予想されるものではない。オレフィン基準のプロピレン収率は、供給原料のオレフィン含量に基づき典型的には30−50%である。オレフィン基準で特定のオレフィン収率は、流出液中のオレフィン重量を初期の総オレフィン含量(重量)で除算することにより定められる。例えば、50重量%のオレフィンを含む供給原料について、もし流出液が20重量%のプロピレンを含むならば、オレフィン基準のプロピレン収率は40%である。これは製造された生成物の重量を原料の重量で除算することにより定められる生成物の実際の収率と対比することができる。供給原料中に含まれるパラフィン類および芳香族類は、本発明の方法の観点に従えば、わずかに変換されるだけである。
【0041】
本発明に従い、オレフィンの分解用の触媒は、MFI族の結晶性シリケートを含んで成り、これはゼオライト、シリカライトまたはこの族の任意の他のシリケートであることができる。
【0042】
好適な結晶性シリケートは、10個の酸素環により定められる孔または流路、および高いケイ素/アルミニウム原子比を有する。
結晶性シリケートは、酸素イオンを共有することにより互いに連結したXO4四面体の骨格に基づく結晶性無機ポリマーであり、式中、Xは三価(例えばAl、B・・・)または四価(例えばGe、Si・・・)でよい。結晶性シリケートの結晶構造は、四面体単位のネットワークが互いに連結する特別な次元により定められる。結晶性シリケート孔の開口のサイズは、四面体単位の数、あるいは孔を形成するために必要な酸素原子の数、および孔に存在するカチオンの性質により定められる。これらは以下の特性の独特な組み合わせを有する:高い内面積;1つ以上の個別サイズを有する均一な孔;イオン交換能;良好な熱安定性;および有機化合物を吸着する能力。これらの結晶性シリケートの孔サイズは、実際に興味深い多くの有機分子サイズと同様であるので、反応物および生成物の出入を制御して、触媒反応における特定の選択性を生じる。MFI構造を有する結晶性シリケートは、以下の孔直径をもつ二方向交差孔系を有する;[010]に沿った直線流路:0.53−0.56nmおよび[100]に沿ったシヌソイド流路:0.51−0.55nm。
【0043】
結晶性シリケート触媒は、構造的および化学的特性を有し、そして特定の反応条件下で使用することにより、接触分解が直ちに進行する。異なる反応経路が、触媒に関しては起こり得る。約500−600℃、より好ましくは520−600℃、さらに好ましくは540−580℃の流入温度、そして0.1−2バール、最も好ましくは大気圧付近のオレフィン分圧を有する好適な方法の条件下で、供給原料中のオレフィンの二重結合のシフトが容易に行われ、二重結合異性化を導く。さらにそのような異性化は、熱力学的平衡に到達する傾向がある。プロピレンは、例えばヘキセンまたはより重質オレフィン供給原料の接触分解により直接製造することができる。オレフィンの接触分解は、結合の分解を介してより短い分子を生じる工程を含んで成ると考えられる。
【0044】
触媒は、好ましくは例えば少なくとも約180、好ましくは約200より大きい、より好ましくは約300より大きい、高いケイ素/アルミニウム原子比を有し、これにより触媒は比較的低い酸性度を有する。水素移動反応は、触媒の酸性部位の強さおよび密度に直接関連し、そしてそのような反応は好ましくはオレフィン変換工程中のコークスの形成を回避するように抑制され、これはそうしなければ触媒の経時的安定性が下がる。そのような水素移動反応は、パラフィン、中間の不安定なジエンおよびシクロ−オレフィン、ならびに芳香族のような飽和物を生成する傾向があり、これらのいずれもが好ましく軽質オレフィンに分解されることはない。シクロ−オレフィンは、特に固体酸、すなわち酸性の固体触媒の存在中では、芳香族およびコークス様分子の前駆体である。触媒の酸性度は、触媒を、触媒上の酸性部位に吸着するアンモニアと接触させ、続いて高温でアンモニアを脱着した後に、示差熱重量分析により測定される、触媒上に残存するアンモニアの量により定めることができる。好ましくはケイ素/アルミニウム比は180−1000、最も好ましくは300−500の範囲である。
【0045】
本発明の1つの特徴は、結晶性シリケート触媒中のそのような高いケイ素/アルミニウム比により、オレフィン供給原料の起源および組成にかかわらず、オレフィン基準で30−50%の高いプロピレン収率で安定なオレフィン変換を達成することができることである。そのような高い比率は触媒の酸性度を下げ、これにより触媒の安定性を上げる。
【0046】
本発明の接触分解法で使用する高いケイ素/アルミニウム比を有する触媒は、市販されているMFI型の結晶性シリケートからアルミニウムを除去することにより製造される。典型的な市販されているシリケートは、約120のケイ素/アルミニウム原子比を有する。本発明に従い、市販されている結晶性シリケートを、結晶性シリケート骨格中の四面体アルミニウムを減らし、そしてアルミニウム原子を非晶質アルミナ状の八面体アルミニウムに転換する蒸熱法により改質する。蒸熱工程では、アルミニウム原子が化学的に結晶性シリケート骨格構造から取り出されて、アルミナ粒子を形成するが、この粒子は骨格中の孔または流路の部分的妨害を引き起こす。これは本発明のオレフィン分解工程を阻害する。したがって、蒸熱工程後、結晶性シリケートを抽出工程に供し、ここで非晶質アルミナが孔から除かれ、そして孔および微孔容積が、少なくとも一部は回復する。浸出工程により、水溶性のアルミニウム錯体を形成することにより、孔から非晶質アルミナを物理的に除去すると、結晶性シリケートの全体的な脱アルミナ化効果をもたらす。このように、結晶性シリケート骨格からアルミニウムを除去し、そして次にそこから形成したアルミナを孔から除去することにより、この方法は触媒の全孔表面にわたって実質的に均質な脱−アルミナ化を達成することを目的とする。これは触媒の酸性度を下げ、そしてこれにより接触分解における水素移動反応の発生を減らす。酸性度の減少は、理想的には結晶性シリケート骨格で規定される孔全体に実質的に均一に生じる。これはオレフィン接触分解工程において、炭化水素種が孔の奥深くへと入ることができるからである。したがって酸性度の減少、そしてこのような触媒の安定性を下げる水素移動反応の減少は、骨格中の全孔構造を通して成される。好適な態様では、骨格のケイ素/アルミニウム比はこの方法により約180、好ましくは約180−1000、より好ましくは少なくとも200、さらに一層好ましくは少なくとも300,そして最も好ましくは約480に上昇する。
【0047】
結晶性シリケート、好ましくはシリカライトである触媒を結合剤、好ましくは無機結合剤と混合し、そして所望の形(例えばペレット)に成形する。結合剤は、触媒製造工程およびその後のオレフィン接触分解法に使用される温度および他の条件に耐性となるように選択される。結合剤は、クレー、シリカ、ZrO2のような金属酸化物および/または金属、またはシリカおよび金属酸化物の混合物を含むゲルから選択される無機材料である。結合剤は好ましくは、アルミナを含まない。結晶性シリケートと一緒に使用する結合剤が、それ自体で触媒的に活性ならば、これは触媒の変換および/または選択性を改変するかもしれない。結合剤用の不活性材料は、反応速度を制御するために他の手段を採用せずに、生成物が経済的かつ順序正しく得られるように、変換量を制御するための希釈剤として適切に役立つ。良好な粉砕強度を有する触媒を提供することが望ましい。これは工業的な使用において、触媒が粉末−様の材料に分解されることを防止することが望ましいからである。そのようなクレーまたは酸化物結合剤は、通常は触媒の粉砕強度を改良する目的でのみ採用されてきた。本発明の触媒に特に好適な結合剤は、シリカを含んで成る。
【0048】
細かく分割された結晶性シリケート材料および結合剤の無機酸化物マトリックスの相対比は、大変広く変動できる。典型的には、結合剤含量は複合触媒の重量に基づき、5−95重量%であり、より典型的には20−50重量%である。そのような結晶性シリケートおよび無機酸化物結合剤の混合物は、製剤化結晶性シリケート(formulated crystalline silicate)と呼ばれる。
【0049】
触媒を結合剤と混合する場合、触媒はペレット、他の形状への押出し、または噴霧−乾燥粉末に製剤できる。
【0050】
典型的には、結合剤および結晶性シリケート触媒を押出し法により一緒に混合する。そのような方法では、ゲル状の結合剤(例えばシリカ)を、結晶性シリケート触媒材料と混合し、そして生成した混合物を望ましい形状(例えばペレット)に押出す。その後に、製剤された結晶性シリケートを空気または不活性ガス中で、典型的には200−900℃の温度で、1−48時間か焼する。
【0051】
結合剤は好ましくは、いかなるアルミニウム化合物(アルミナのような)も含まない。これは上記のように、本発明で使用するために好適な触媒は脱アルミナ化されて、結晶性シリケートのケイ素/アルミニウム比を上げているからである。結合剤中にアルミナが存在すると、結合工程がアルミニウム抽出工程前に行われるならば、さらに過剰なアルミナを生じる。アルミニウム−含有結合剤が、アルミニウム抽出後に結晶性シリケート触媒と混合されるならば、これは触媒を再アルミナ化する。結合剤中のアルミニウムの存在は、触媒のオレフィン選択性を下げ、そして経時的な触媒の安定性を下げる傾向がある。
【0052】
加えて、触媒と結合剤との混合は、蒸熱および抽出工程の前、または後のいずれでも行うことができる。
【0053】
蒸熱処理は、高温で、好ましくは425−870℃の範囲、より好ましくは540−815℃の範囲で、かつ大気圧で、かつ13−200kPaの水分圧で行う。好ましくは蒸熱処理は、5−100%蒸気を含んで成る大気圧中で行われる。この蒸熱処理は、好ましくは1−200時間、より好ましくは20時間−100時間行う。上で述べたように、蒸熱処理はアルミナを形成することにより結晶性シリケート骨格中の四面体アルミニウムの量を減らす傾向がある。
【0054】
蒸熱処理後、浸出により触媒を脱アルミナ化するために抽出工程を行う。アルミニウムは好ましくは、アルミナと可溶性の錯体を形成する傾向がある錯化剤により結晶性シリケートから抽出される。この錯化剤は好ましくはそれらの水溶液状である。錯化剤はクエン酸、ギ酸、蓚酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸のような有機酸、またはそのような酸の塩(例えば、ナトリウム塩)または1種以上のそのような酸または塩の混合物を含んで成ってもよい。アルミニウムの錯化剤は好ましくは、アルミニウムと水溶性の錯体を形成し、そして特に蒸熱処理工程中に形成されたアルミナを結晶性シリケートから除去する。特に好適な錯化剤は、アミン、好ましくはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)またはそれらの塩、特にそれらのナトリウム塩を含んで成ることができる。
【0055】
脱−アルミナ工程後、触媒をその後に400−800℃の温度で、そして大気圧で1−10時間、か焼する。
【0056】
本発明の別の好適な態様では、触媒は単斜晶構造を有する結晶であり、これは80未満のケイ素/アルミニウム原子比を有するMFI型の結晶性シリケートを提供し;この結晶性シリケートを蒸気を用いて処理し、そしてその後に抽出剤水溶液と接触させることによりゼオライトからアルミニウムを抽出して、少なくとも80のケイ素/アルミニウム原子比を触媒中に提供し、これにより触媒は単斜晶系構造を有する。
【0057】
好ましくは蒸熱処理工程では、温度は425−870℃であり、より好ましくは540−815℃、かつ13−200kPaの水分圧である。
【0058】
好ましくはアルミニウムは、ゼオライトを、アルミナと溶解性の錯体を形成する傾向があるアルミニウムの錯化剤の水溶液と接触させることにより、浸出により除去されて水溶性化合物を形成する。
【0059】
単斜晶系結晶性シリケートを調製するために、本発明の好適な方法に従い、出発のMFI型の結晶性シリケートは、いかなる有機テンプレート分子がなくても合成できた斜方対称および比較的低いケイ素/アルミニウム原子比を有し、そして連続的な蒸熱処理およびアルミニウム除去の結果、最終的な結晶性シリケート触媒は、比較的高いケイ素/アルミニウム原子比および単斜対称を有する。アルミニウム除去工程の後、結晶性シリケートはアンモニウムイオンを用いてイオン交換することができる。
【0060】
斜方対称を表すそのようなMFI型の結晶性シリケートは、スペース基Pnmaにある。そのような斜方晶構造のx−線示差ダイアグラムは、d=約0.365nm、d=約0.305nmおよびd=約0.300nmで1つのピークを有する(欧州特許出願公開第0146524号明細書を参照にされたい)。
【0061】
出発の結晶性シリケートは、80未満のケイ素/アルミニウム原子比を有する。典型的なZSM−5触媒は、3.08重量%のAl2O3、0.062重量%のNa2Oおよび100%の斜方晶を有する。そのような触媒は、26.9のケイ素/アルミニウム原子比を有する。
【0062】
蒸熱処理工程では、温度は好ましくは420−870℃、より好ましくは540−815℃である。典型的な温度は、約550℃である。圧力は好ましくは大気圧であり、そして水分圧は13−200kPaの範囲でよい。蒸気雰囲気は、好ましくは0−95容量%の不活性ガス、好ましくは窒素を含む5−100容量%の蒸気を含む。より好適な雰囲気は、72容量%の蒸気および28容量%の窒素を含んで成り、すなわち1気圧で72kPaの蒸気である。蒸熱処理は、好ましくは1−200時間、より好ましくは20−100時間行う。典型的な蒸熱時間は、約48時間である。蒸熱処理は、アルミナを形成することにより、結晶性シリケート骨格中の四面体アルミニウム量を減少させる傾向がある。
【0063】
アルミニウム浸出または抽出工程では、アルミニウム用の錯化剤が、クエン酸、ギ酸、蓚酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸のような有機酸、またはそれらの塩または1種以上のそのような酸または塩の混合物から選択される。このアルミニウム用の錯化剤は、好ましくは水溶性(ポリデンデート)の錯体をアルミニウムと形成し、そして特にアルミナを除去する有機酸を含んで成り、この錯体は蒸熱処理工程中に、結晶性シリケートから錯化剤とアルミナとの反応により形成されて、水溶性のアルミニウム錯体を含む水溶液を形成する。
【0064】
特に好適な錯化剤はアミンであり、そして最も好ましくはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)またはそれらの塩、特にそれらのナトリウム塩を含んで成る。
好ましくは、錯化剤は、配位結合により1つの原子と結合してキレート錯体またはキレートと呼ばれる環状構造を形成できるドナー原子を含むキレート剤またはリガンドである。
【0065】
アルミニウム浸出工程では、結晶性シリケートは酸性溶液または錯化剤を含有する溶液に浸漬され、そして次に好ましくは例えば加熱還流により、例えば18時間という長時間加熱される。
【0066】
アルミニウム浸出工程の後、結晶性シリケートは、続いて例えば蒸留水を用いて洗浄され、そして次に好ましくは例えば約110℃の高温で乾燥される。
【0067】
場合によっては、結晶性シリケートを例えばNH4Cl水溶液中に浸漬することにより、結晶性シリケートはアンモニウムイオンとのイオン交換に供される。そのようなイオン交換工程は、結晶性シリケート中に存在するナトリウムイオンが非常に高くて、単斜結晶形態の形成が妨害される場合に望ましい。
【0068】
最後に、触媒を例えば少なくとも400℃の温度の高温でか焼する。このか焼時間は、典型的には約3時間である。
【0069】
生成した結晶性シリケートは、単斜対称を有し、スペース基P21/n中に存在する。単斜晶構造のx−線示差ダイアグラムは、3つの二重項をd=約0.36、0.31および0.19nmに有する。そのような二重項の存在は、単斜対称に独自である。より特別には、d=約0.36の二重項は、2つのピークを含んで成り、1つはd=0.362nmで、そしてもう1つはd=0.365nmである。対称的に、斜方晶構造は、d=0.365nmに1つのピークを有する。
【0070】
単斜晶構造の存在は、d=約0.36nmでのx-線示差線強度を比較することにより定量することができる。純粋な斜方晶および純粋な単斜晶構造を含むMFI結晶性シリケートの混合物が調製された時、混合物の組成は単斜晶度指数(monoclinicity index)として表すことができる(%で)。このx-線示差パターンは記録され、そして単斜晶に関してd=0.362nmでのピーク高、および斜方晶に関してd=0.365nmでのピーク高が測定され、そしてそれぞれImおよびIoとして表される。単斜晶度指数とIm/Ioとの間の直線的回帰線は、未知試料の単斜晶度を測定するために必要な関係を与える。すなわち、単斜晶度指数%=(axIm/Io-b)×100、式中、aおよびbは回帰パラメータである。
【0071】
有機テンプレートモジュールを使用せずに、少なくとも80、好ましくは約200より大きい比較的高いケイ素/アルミニウム原子比を有する単斜晶系結晶性シリケートを製造することができる。さらに、単斜晶系結晶性シリケートの結晶サイズは、出発の結晶性シリケートが後の処理により増大しない低い結晶サイズを有するので、比較的低く、典型的には1ミクロン未満、より典型的には約0.5ミクロンに維持することができる。したがって、結晶サイズを比較的小さく維持することができるので、これは対応して触媒活性の増大をもたらすことができる。これは多くの結晶サイズが1ミクロンより大きい既知の単斜晶系結晶性シリケート触媒よりも有利である。
【0072】
本発明の種々の好適な触媒が、特に数日間(例えば最高10日間)にわたり安定なプロピレン収率を与えることができる高い安定性を表すことを見いだした。これは、オレフィン分解法が連続して2つの平行する「スイング」反応槽中で行なわれることを可能とし、ここで1つの反応槽が作動している時、もう1つの反応槽では触媒が再生されている。また本発明の触媒は、数回再生されることができる。触媒は、純粋または混合物のいずれかの、精油所または石油化学プラントにおける様々な供給源に由来し、しかも異なる組成を有する種々の供給原料を分解するために使用できるような柔軟性も備えている。
【0073】
本発明のオレフィンの接触分解法において、本発明者は、ジエンがオレフィンを含有する供給原料中に存在する時、これは触媒の急激な不活化を誘発することができることが見いだされた。これは稼働時間が増すとともに、触媒がオレフィン基準で所望のオレフィン、例えばプロピレンを製造する収率を大きく下げる。本発明者は、接触分解された供給原料中にジエンが存在する時、これはジエンから派生したガムが触媒上に形成され、これが触媒活性を低下することを見いだした。本発明の方法に従い、触媒は経時的に、典型的には少なくとも10日間安定な活性を有することが望ましい。
【0074】
本発明の観点に従い、オレフィンの接触分解前に、オレフィンを含有する供給原料がジエンを含むならば、この供給原料はジエンを除去するための選択的水素化工程に供する。水素化工程は、モノ−オレフィンの飽和を回避するために、制御されることが必要である。水素化工程は好ましくは、ニッケル系もしくはパラジウム系触媒、または典型的には第1工程の熱分解ガソリン(Pygas)の水素化に使用される他の触媒を含んで成る。そのようなニッケル系触媒がC4溜分と共に使用される時、水素化によるモノ−オレフィン類のパラフィン類への有意な変換は回避できない。したがって、ジエン水素化に対してより選択性があるパラジウム系触媒が、C4溜分との使用にはより適している。
【0075】
特に好適な触媒は、例えばアルミナ上に支持され、そして触媒重量に基づき0.2−0.8重量%のパラジウムを含有するパラジウム系触媒である。水素化工程は、好ましくは5−50バール、好ましくは10−30バールの絶対圧、そして40−200℃の流入温度で行われる。典型的には水素/ジエン重量比は少なくとも1、より好ましくは1−5、最も好ましくは約3である。好ましくは液体の1時間的空間速度(liquid hourly space velocity:LHSV)は、少なくとも2時間当り、より好ましくは2−5時間当りである。
【0076】
供給原料中のジエンは好ましくは、供給原料中、最大約0.1重量%、好ましくは約0.05重量%、より好ましくは0.03重量%のジエン含量を提供するように除去される。
【0077】
接触分解法では、工程条件はプロピレンに対する高い選択性、経時的に安定なオレフィン変換、および流出液中の安定なオレフィン生成物の再配分を提供するように選択される。そのような目的は、触媒中の低酸密度(すなわち高いSi/Al原子比)を、低圧、高流入温度および短い接触時間と組み合わせて使用することが好ましく、その工程パラメータのすべてが全体的な累積効果(例えば、高圧を補うか、あるいはより高い流入温度により補充される)を提供する。この工程条件は、パラフィン、芳香族およびコークス前駆体の形成を導く水素移動反応を避けるように選択される。工程操作条件は、このように高い空間速度、低圧および高い反応温度を使用する。好ましくはLHSVは10−30時間当りの範囲である。オレフィン分圧は好ましくは、0.1−2バール、より好ましくは0.5−1.5バールの範囲である。特に好適なオレフィン分圧は、大気圧(すなわち1バール)である。炭化水素供給原料は、好ましくは供給原料を反応槽全体に運ぶために十分な全流入圧で供給される。炭化水素供給原料は、希釈せずに、または不活性ガス、例えば窒素により希釈して供給され得る。好ましくは反応槽中の全絶対圧は、0.5−10バールの範囲である。本発明者は、低オレフィン分圧(例えば大気圧)の使用は分解工程中で水素移動反応の発生を下げる傾向があり、これは次に触媒安定性を下げるコークスの形成の可能性を下げる。オレフィンの分解は、好ましくは500−600℃、より好ましくは520−600℃、一層好ましくは540−580℃、典型的には約560℃−570℃の供給原料の流入温度で行われる。
【0078】
接触分解法は、固定床反応層、移動床反応層または流動床反応層中で行うことができる。典型的な流動床反応層は、精油所における流動床接触分解に使用されるFCC型の1つである。典型的な移動床反応槽は、連続的な接触改質型である。上記のように、この方法は一対の平行する「スイング」反応槽を使用して連続的に行うことができる。
【0079】
触媒は、長い期間、典型的には少なくとも約10日間、オレフィン変換に関して高い安定性を表すので、触媒の再生頻度は低い。したがってより特別には、触媒は1年を越える寿命を有する。
【0080】
本発明のオレフィン接触分解法は、一般的に吸熱反応である。典型的には、C4供給原料からのプロピレンの製造は、C5または軽質分解ナフサ供給原料からよりも吸熱が少ない傾向にある。例えば、約18.4%のプロピレン収率を有する軽質分解ナフサについては(実施例1を参照にされたい)、流入エルタルピーは429.9Kcal/kgであり、そして流出エンタルピーは346.9Kcal/kgであった。C5-exLCN供給原料の相当する値は(実施例2を参照にされたい)、収率16.8%、流入エルタルピーは437.9Kcal/kgであり、そして流出エンタルピーは358.3Kcal/kgであり、そしてC4-exMTBE供給原料の相当する値は(実施例3を参照にされたい)、収率15.2%、流入エルタルピーは439.7Kcal/kgであり、そして流出エンタルピーは413.7Kcal/kgであった。典型的には、反応槽は断熱的条件下で操作され、そして最も典型的な条件は、約570℃の供給原料の流入温度、大気圧でのオレフィン分圧および約25時間当り1LHSVの供給原料である。使用する特定の供給原料に関する接触分解法は吸熱的であるので、出て行く流出液の温度は対応して低くなる。例えば、上記の液体分解ナフサ、C5-exLCNおよびC4-exMTBE供給原料については、吸熱工程の結果として、典型的な断熱的ΔTは、それぞれ109.3、98.5および31.1℃である。
【0081】
このように、C4オレフィン流について、3O℃付近での温度低下が断熱的反応槽中で生じるが、LCNおよびC5-exLCN流については、温度の低下は有意に高く、すなわちそれぞれ109および98℃である。もし2つのそのような供給原料が組み合わされ、そして反応槽に一緒に供給されるならば、選択的な接触分解法の全体的な熱効率の低下を導き得る。したがって、C4溜分をC5溜分または軽質分解ナフサとブレンドすることにより、工程の全体的な熱効率を下げることができる。すなわち、もし例えばMTBE装置からのC4溜分を軽質分解ナフサと混合して複合供給原料を生成すれば、これにより工程の熱効率が減少し、そして同量のプロピレンを製造するために必要なエネルギーの低下を導く。
【0082】
接触分解法の後、反応槽流出液を分溜器に送り、そして所望のオレフィンを流出液から分離する。プロピレンを製造するために、接触分解法を使用する時、少なくとも95%のプロピレンを含有するC3溜分を分溜し、そしてその後に硫黄種、アルシン等のようなすべての混入物を除去するために精製する。C3より大きな、より重質なオレフィンは再使用することができる。
【0083】
本発明者は、本発明に従い、蒸熱され、そして抽出されたシリカライト触媒の使用が、特に供給原料中に典型的に存在する硫黄-、窒素-および酸素−含有化合物による触媒活性の減少(すなわち弱化)に対する特別な耐性を有することを見いだした。
【0084】
工業的な供給原料は、分解に使用する触媒に影響を及ぼし得る数種の不純物、例えばC4流中のメタノール、メルカプタンおよびニトリルならびに軽質分解ナフサ中のメルカプタン、チオフェン、ニトリルおよびアミンを含む。
【0085】
ある試験を、触媒毒を含有する供給原料を模するために行い、この試験では、1-ヘキセンの供給原料を、n-プロピルアミンまたはプロピオニトリルで処理して、それぞれ重量部で100ppmのNを生成し;2-プロピルメルカプタンまたはチオフェンで処理して、それぞれ重量部で100ppmのSを生成し;そしてメタノールで処理して重量部で100または2000ppmのOを生成した。これらのドーパントは、経時的な触媒活性に関して触媒の性能に影響を与えなかった。
本発明の種々の観点に従えば、種々のオレフィン供給原料を接触分解法に使用できるだけでなく、適当な工程条件および使用する特定の触媒を選択することにより、オレフィンの変換工程は、生成する流出液中に選択的に特定のオレフィンを再分配するように制御することができる。
【0086】
例えば、精油所または石油化学プラントからのオレフィンが豊富な流れは、軽質オレフィン、特にプロピレンに分解される。流出液の軽質溜分、すなわちC2およびC3溜分は、95%より多くのオレフィンを含むことができる。そのような溜分は、化学品等級のオレフィン供給原料を構成するのに十分な純度である。本発明者はそのような方法でオレフィン基準に基づくプロピレン収率は、1種以上のC4より大きなオレフィンを含む供給材料のオレフィン含量に基づき、30−50%の範囲となり得ることが分かった。この方法において、流出液は供給原料と比べて異なるオレフィンの再配分を有するが、総オレフィン含量は実質的に同じである。
【0087】
さらなる態様では、本発明の方法は、C2からC3オレフィンをC5オレフィン類供給原料から製造する。触媒は少なくとも180、より好ましくは少なくとも300のケイ素/アルミニウム比を有する結晶性シリケートであり、そして500−600℃の流入温度、0.1−2バールのオレフィン分圧、そして10−30時間当り1LHSVの操作条件で、C2からC3オレフィンとして存在する少なくとも40%のオレフィン含量を有する流出液を生じる。
【0088】
本発明の別の好適な態様は、軽質分解ナフサからC2ないしC3オレフィンを製造するための方法を提供する。軽質分解ナフサを、少なくとも180、好ましくは少なくとも300のケイ素/アルミニウム比を有する結晶性シリケートの触媒と接触させて、オレフィン流出液を分解することにより製造し、ここで少なくとも40%のオレフィン含量がC2からC3オレフィンとして存在する。この方法では、工程条件は、500−600℃の流入温度、0.1−2バールのオレフィン分圧、および10−30時間当り1LHSVから成る。
【0089】
本発明の種々の観点を、以下の非限定的な実施例を参照にしてこれから説明する。
【0090】
【実施例】
実施例1
この実施例では、軽質分解ナフサ(LCN)を、結晶性シリケートにより分解した。触媒は、結合剤で製剤されたシリカライトであり、これを加熱(蒸気中)することによる前処理に供し(以下に記載する)、アルミニウムの錯体を用いる脱−アルミナ処理に供し、これによりアルミニウムをそこから抽出し、そして最後にか焼した。その後、触媒は炭化水素供給原料中のオレフィンを分解するために使用し、接触分解法により供給原料と実質的に同じオレフィン含量を有する流出液を製造した。
【0091】
触媒の前処理では、S115という商標名で、郵便番号11486、米国、アラバマ州36611、チカソー、リンドドライブのUOP モレキュラーシーブプラント(Molecular Sieve Plant)から市販されているシリカライトを、沈殿したシリカを含んで成る結合剤を用いてペレットに押出し、結合剤は生成したシリカライト/結合剤混合物の50重量%を含んで成っていた。より詳細には、538gの沈殿したシリカ(商標名FK500で、独国、フランクフルトのデガッサ社(Degussa AG)から市販されている)を1000mlの蒸留水と混合した。生成したスラリーを硝酸でpH1とし、そして30分間混合した。続いて、520gのシリカライトS115、15gのグリセロールおよび45gのチロースをスラリーに加えた。このスラリーをペーストが得られるまで蒸発させた。ペーストを直径2.5mmの円筒状の押出し物に押出した。押出し物を110℃で16時間乾燥し、そして次に600℃の温度で10時間、か焼した。その後、結合剤を用いて製剤した生成したシリカライト触媒を、550℃の温度および大気圧で蒸熱した。雰囲気は窒素中、72容量%の蒸気を含んで成り、そして蒸熱処理は48時間行った。その後、145.5gの蒸熱処理した触媒は、エチレンジアミノテトラ-酢酸(EDTA)を溶液(611ml)中に含んで成るアルミニウムの錯化化合物をそのナトリウム塩で用いて、約0.05M Na2EDTA濃度で処理した。溶液を16時間還流した。次にこのスラリーを水で完全に洗浄した。触媒は還流条件下でNH4Cl(100gの触媒に0.1Nを480ml)を用いてイオン交換し、そして最後に洗浄し、110℃で乾燥し、400℃で3時間か焼した。脱−アルミナ化法は、シリカライトのSi/Al比を初期の約220値から約280値へと上昇させた。
【0092】
生成したシリカライトは、単斜晶の結晶構造を有した。
【0093】
次にこの触媒を、35−45メッシュの粒子サイズに粉砕した。
【0094】
次に触媒を軽質分解ナフサの分解に使用した。10mlの粉砕した触媒を、反応槽管に置き、そして約560−570℃の温度まで加熱した。軽質分解ナフサの供給材料を、反応槽管に流入温度約547℃、1バールの流出炭化水素圧(すなわち、大気圧)、および約10h-10のLHSV速度で注入した。
【0095】
実施例1および以下の実施例では、流出炭化水素圧を特定する。これは流出液中のオレフィン分圧と任意の非オレフィン炭化水素の分圧の和から成る。任意に与える流出炭化水素圧に関して、オレフィン分圧は、流出液中のオレフィンのモル含量に基づき容易に算出でき、例えば溶液の炭化水素が50モル%のオレフィンを含めば、流出オレフィン分圧は、流出炭化水素圧の半分である。
【0096】
軽質分解ナフサの供給材料は、その中からジエンを除去するために事前に水素化工程に供する。水素化工程では、軽質分解ナフサおよび水素を、アルミナ担体上に0.6重量%のパラジウムを含んで成る触媒上に、約130℃の流入温度、約30バールの絶対圧および約2h-1のLHSVで、水素/ジエンモル比率が約3である水素の存在中で通す。
【0097】
表1は、初期LCN供給材料を、続いてジエン水素化工程後に、水素化処理した供給材料と一緒に、C1からC8化合物に関する組成を示す。初期LCNは、以下に示す蒸留曲線を有した(ASTM D1160により測定):
表1では、文字Pはパラフィン種を表し、文字Oはオレフィン種を表し、文字Dはジエン種を表し、そして文字Aは芳香族種を表す。表1はまた、接触分解法後の流出液の組成も示す。
【0098】
表1から、接触分解法の後に、供給原料および流出液は、実質的に同じオレフィン含量を中に有したことがわかる。換言すると、LCNは約45重量%のオレフィンを含んで成り、そして流出液は約46重量%のオレフィンを含んで成っていた。しかし本発明に従い、流出液中のオレフィン組成は、接触分解法により実質的に改変され、そして流出液中のプロピレン量が最初の0値から流出液中の18.3805重量%値まで増加したことが分かる。これは接触分解法により、オレフィン基準で40.6%のプロピレン収率が提供された。これにより本発明の方法がオレフィンの他のオレフィンへの、この実施例では高度なプロピレン製造への接触分解を提供することを実証している。
【0099】
LCNはC4からC8炭化水素を含んで成り、そして流出液中には40%以上、例えば約51%のオレフィン含量がC2からC3オレフィンとして存在した。これは、本発明の接触分解法が軽質分解ナフサ供給原料から高収率の低級オレフィンを製造することを示している。流出液のオレフィンは、約39重量%のプロピレンを含んで成っていた。
【0100】
接触分解法は、LCN供給原料に比べて流出液中のC2からC4オレフィンを有意に増加させ、したがって流出液中のC5+炭化水素種の量は、LCN供給原料と比べて有意に減少する。これは表2により明らかに示されており、表2からは流出液中のC5+種の量が、LCN供給原料中の初期の96重量%の値に比べて約63重量%値へと有意に減少していることが分かる。表2はまた、初期のLCN供給原料中のC5+種;水素化処理されたLCN供給原料;および流出液中の組成も示す。流出液中のC2からC4種の増加により、流出液からこれらの種は、より軽質なオレフィンとして容易な分溜をもたらす。これは次に、初期のLCN供給原料に比べてLCN中のオレフィン含量が有意に減少した表2に示す組成を有するC5+液状産物を生じる。これは初期のLCN供給原料中のC5+オレフィンがC2からC4のより軽質オレフィンに変換された結果である。
【0101】
表3を参照にすると、これは初期のLCN供給原料、水素化処理したLCN供給原料および流出液中のC2からC4種の炭化水素数を示す。流出液中のC3種から、LCN供給原料中にはC3種が無く、すなわち実際にすべてのC3がプロピレンとして存在することが分かる。これはもしC3種が流出液から分溜されるならば、C3溜分に関してプロピレン純度が十分に高いので、ポリプロピレン製造用のポリマー出発材料として使用することができる。
【0102】
実施例2
実施例1を繰り返したが、軽質分解ナフサではなく、軽質分解ナフサから分溜したC5溜分を含んで成る異なる供給原料を使用した。さらに、接触分解法において、流入温度は548℃であった。炭化水素の流出圧は、約1バール(すなわち大気圧)であった。
【0103】
表4は、LCNからのC5溜分の供給材料中、実施例1のようにジエン水素化工程に供した水素化処理した供給材料中、および分解法後の流出液中の炭化水素種の分布を示す。供給材料は、実質的に最初はC5種を含んで成り、そして接触分解法の後に、そのオレフィン含量は実質的に同じままであったが、流出液中のC5種の量は、最初の供給原料中のその種の量と比べて有意に減少していることが分かる。ここでも、C2からC4のより軽質なオレフィンが流出液から直ちに分溜でき、表5に示す組成を有するC5+液状態産物を生じる。表6は、C2からC4炭化水素種の組成を示す。ここでも、接触触媒法はオレフィン基準で約34%の高いプロピレン収率を有することが分かる。流出液中には約49.5%のオレフィンがC2からC3オレフィンとして存在し、そして流出液中の35%より多くのオレフィンは、プロピレンを含んで成る。さらに、95%より多くのC2からC3化合物がC2からC3オレフィンとして存在する。
【0104】
流出液は、約49.5%のオレフィン含量がC2からC3オレフィンとして存在するオレフィン含量を有する。この実施例では、C2からC3オレフィンがC5オレフィン供給原料から製造できることを示している。
【0105】
実施例3
実施例1を繰り返したが、供給原料として軽質分解ナフサの代わりに、精油所におけるMTBE装置からのC4ラフィネート(ラフィネートII)を使用した。さらに、供給材料の流入温度は約560℃であった。炭化水素の流出圧は、約1バール(大気圧)であった。
【0106】
表7−9から、C2および主にC3オレフィンがC4オレフィンの供給原料から本発明に従い製造されることがわかる。流出液中に、約34.5%のオレフィン含量が、C2および/またはC3オレフィンとして存在する。このC2および/またはC3オレフィンは、流出液から直ちに分溜できる。オレフィン基準のプロピレン収率は29%であった。
【0107】
実施例4
この実施例では、蒸熱および脱−アルミナ工程、およびか焼に供したシリカライトを用いて、1-ヘキセンを含んで成るオレフィン供給原料の接触分解を説明し、この接触分解法は反応管中への供給材料に関して種々の流入温度で行った。
【0108】
シリカライト触媒は、4−6ミクロンの結晶サイズおよび399m2/gの表面積(BET)を有する約120のケイ素/アルミニウム比を有するシリカライトを含んで成っていた。このシリカライトを圧縮し、洗浄し、そして35−45メッシュ画分を残した。このシリカライトを、72容量%の流れ、および28容量%の窒素雰囲気中で、550℃の温度で大気圧にて48時間、蒸熱処理した。次に11gの蒸熱処理したシリカライトをEDTA溶液(100ml、0.0225MのNa2EDTAを含む)を用いて処理し、これにより還流下で6時間、シリカライトを脱−アルミナ化した。次にスラリーを水で洗浄した。次に触媒を還流下、塩化アンモニウム(10gの触媒あたり0.05N、100ml)を用いてイオン交換し、洗浄し、110℃で乾燥し、そして最後に400℃で3時間、実施例1に記載した様式に準じてか焼した。触媒は、脱−アルミナ化処理後に、約180のケイ素/アルミニウム原子比を有した。
【0109】
シリカライトは、単斜晶の結晶形態であった。
【0110】
粉砕した触媒を、次に反応槽管中に置き、そして約580℃の温度まで加熱した。1-ヘキセン供給材料を、表10に特定したような種々の流入温度、1バール(大気圧)の流出炭化水素圧、および約25h-1のLHSVで注入した。表10は、約507−580℃で変動する流入温度を有する種々の実験1−5において製造された流出液のC1からC6+種の組成を示す。表10で述べた収率は、供給材料が100%のオレフィンを有するので、オレフィン基準のプロピレン収率、およびプロピレンの量/供給材料の量×100%として定めた実際のプロピレン収率の両方を表す。
【0111】
オレフィン基準のプロピレン収率は、流入温度の上昇に伴い増加し、そして約507℃での約28から流入温度約580℃での47へと変動することが分かる。
【0112】
流出液は元の1-ヘキセン供給原料よりも軽質のオレフィン含量を有する多数のオレフィン類を含んでいたことがわかる。
【0113】
実施例5
この実施例では、供給原料は精油所におけるMTBE装置からのラフィネートII流を含んで成るC4流を含んで成るものであった。このC4供給材料は、初期に表11に特定する組成を有した。
【0114】
接触分解法では、触媒は実施例4に記載の条件に従い調製したシリカライト触媒を含んで成っていた。
【0115】
したがってシリカライト触媒は、単斜晶の結晶構造であり、そして約180のケイ素/アルミニウム原子比を有していた。
【0116】
触媒を反応槽管中に置き、そして約550℃の温度まで加熱した。その後にC4ラフィネートII供給材料を、表11に特定したように、実験1および2について特定するような約30時間当り1LHSV供給材料を有する速度、および種々の流入温度、流出炭化水素圧で反応槽管に注入した。実験1については、流出炭化水素圧は1.2baraであり、そして実験2については流出炭化水素圧は3baraであった。生成した流出液の組成を表11に示す。これは、プロピレン収率およびパラフィン形成に及ぼす圧力の効果を示す(すなわちオレフィンの損失)。
【0117】
実験1および2の両方から、流出液には有意な量のプロピレンが含まれ、オレフィン基準のプロピレン量およびプロピレンの収率は、3バールの流出炭化水素圧で行った実験2に対して、1.2バールの流出炭化水素圧で行った実験1の方がより高いことが分かった。
実験1では、オレフィン基準のプロピレン収率は34.6%であり、そして実験2では、オレフィン基準のプロピレン収率は23.5%であった。
【0118】
実験1の接触分解で、もとのC4オレフィン供給原料からC2および/またはC3オレフィンが製造されたことが分かる。実験1では、少なくとも約95%のC2および/またはC3化合物が、C2および/またはC3オレフィンとして存在することが分かる。
【0119】
実験2では、より高圧で、実験1よりも多くのパラフィン類(プロパン、P5's)およびより重質の化合物(C6+)が製造された。
【0120】
実施例6
この実施例では、結晶性シリケート、特にシリカライト、高いケイ素/アルミニウム原子比を有する触媒を、結合剤を用いて製剤することによりシリカライト粉末を製造した。
【0121】
結合剤はシリカを含んで成っていた。結合剤を形成するために、538gの沈殿したシリカ(商標名FK500で、独国、フランクフルト、D-600、GBACのデガッサ社(Degussa AG)から市販されている)を1000mlの蒸留水と混合した。生成したスラリーを硝酸でpH1に下げ、そして約30分間混合した。その後、商標名S115として郵便番号11486、米国、アラバマ州36611、チカソー、リンドドライブのUOP モレキュラーシーブプラント社から市販されている520gのシリカライトを、15gのグリセロールおよび45gのチロースと共にスラリーに加えることによりシリカライト触媒およびシリカ結合剤を合わせた。このスラリーをペーストが得られるまで蒸発させた。ペーストを直径2.5mmの円筒状の押出し物に押出した。押出し物を約110℃で約16時間乾燥した。その後、乾燥したペレットを約600℃の温度で約10時間、か焼した。結合剤は、50重量%の複合触媒を含んで成っていた。
【0122】
結合剤としてシリカを用いて製剤されたシリカライトを、次に蒸気中で触媒を加熱する工程に供し、そしてその後に触媒からアルミニウムを抽出し、これにより触媒のSi/Al原子比を上昇させる。初期のシリカライト触媒は220のSi/Al原子比を有した。シリカ結合剤を用いて、押出し形状に製剤されたシリカを、約550℃の温度で、72容量%の蒸気および28容量%の窒素を含んで成る蒸気雰囲気中で、大気圧で48時間処理した。水分圧は72kPaであった。その後、145.5gの蒸熱処理した触媒を、0.05MのNa2EDTAを含んで成る611mlの水溶液に浸漬し、そして溶液を16時間還流した。生成したスラリーを、次に水で完全に洗浄した。次に触媒を塩化アンモニウムを用いて、100gの触媒あたり480mlの0.1N NH4Cl中で、還流条件下にてイオン交換した。最後に触媒を洗浄し、約110℃の温度で乾燥し、そして約400℃の温度で約3時間か焼した。
【0123】
生成した触媒は、280より高いSi/Al原子比および単斜晶の結晶構造を有した。
【0124】
実施例7
この実施例では、高いケイ素/アルミニウム原子比を有し、そしてシリカライトに基づく結晶性シリケート触媒を、実施例6に記載した工程とは異なる順序の工程を使用して製造した。実施例7では、シリカライトを触媒の蒸熱処理および脱−アルミナ化後に結合剤を用いて製剤した。
【0125】
最初の蒸熱処理工程では、商標名S115として郵便番号11486、米国、アラバマ州36611、チカソー、リンドドライブのUOP モレキュラーシーブプラント社から市販されており、そして220のSi/Al原子比を有するシリカライトを、約550℃の温度で、72容量%の蒸気および28容量%の窒素を含んで成る雰囲気中で、大気圧で48時間、蒸熱処理した。水分圧は72kPaであった。その後、2kgの蒸熱処理した触媒を、0.05MのNa2EDTAを含んで成る8.4リットルの水溶液に浸漬し、そして約16時間還流した。生成したスラリーを水で完全に洗浄した。続いて触媒を塩化アンモニウム(1kgの触媒あたり4.2リットルの0.1N NH4Cl)で、還流条件下にてイオン交換した。最後に触媒を洗浄し、約110℃の温度で乾燥し、そして約400℃で約3時間か焼した。
【0126】
生成したシリカライト触媒は、約280のSi/Al原子比および単斜晶の結晶構造を有した。
【0127】
シリカライトをその後に、シリカの無機結合剤を用いて製剤した。シリカは商標名FK500で、独国、フランクフルト、D-6000、GBACのデガッサ社(Degussa AG)から市販されている沈殿した状態のシリカであった。このシリカ215gを850mlの蒸留水と混合し、そしてスラリーを硝酸でpH1に下げ、そして約1時間混合した。続いて、850gの上記の処理したシリカライト、15gのグリセロールおよび45gのチロースをスラリーに加えた。このスラリーをペーストが得られるまで蒸発させた。ペーストを直径1.6mmの円筒状の押出し物に押出した。押出し物を約110℃の温度で約16時間乾燥し、その後、約600℃の温度で約10時間、か焼した。
【0128】
結合剤は、20重量%の複合触媒を含んで成っていた。
【0129】
実施例8および比較例1および2
実施例8では、蒸熱処理および抽出による脱−アルミナ化工程に供したシリカライト触媒を、ブテンを含んで成る供給原料の接触分解に使用した。触媒は蒸熱処理され、そして脱−アルミナ化シリカライト触媒が実施例4に従い調製され、そして180のケイ素/アルミニウム原子比を有した。
【0130】
接触分解工程では、ブテン-含有供給原料は、表12aに特定する組成を有した。
【0131】
接触分解工程は、545℃の流入温度、大気圧の流出炭化水素圧および30h-1のLSHVで行われた。
【0132】
表12aは、プロピレン、イソ−ブテンおよびn−ブテンの分解物量が流出液中に存在することを示している。プロピレン量が比較的高いことがわかる。またシリカライトは経時的な安定性を接触分解工程で示し、プロピレン選択性は20時間および164時間の稼働時間(TOS)の後も、同じであることがわかる。このように、本発明に従い製造した触媒の使用は、経時的に安定なオレフィン変換を提供し、そしてパラフィン類、特にプロパン類の形成が低い。
【0133】
対称的に、比較例1および2は実質的に同じ供給原料および分解条件を使用したが、比較例1では触媒は実施例4のような蒸熱および抽出工程にかけなかった同じ出発シリカライトを含んで成り、そして比較例2では触媒は実施例4と同じ蒸熱工程に供したが、抽出工程にかけなかった同じ出発シリカライトを含んで成っていた。結果を表12bおよび12cにそれぞれ示す。各々の比較例1および2では、シリカライトの骨格からアルミニウムを除去する抽出工程を省くと、実施例8の触媒に関して有意に低いケイ素/アルミニウム原子比の触媒を生じる。
【0134】
比較例1および比較例2について、触媒は安定性を示さなかったことが分かる。換言すると、触媒は接触分解を触媒する時間に伴い、その能力が減少した。これは触媒上でコークスが形成されるからであり、そしてこれは触媒中の低いケイ素/アルミニウム原子比の使用から生じ、触媒の比較的高い酸性度を導く。
【0135】
比較例1については、パラフィン類、例えばプロパンの有意な形成も生じた。
実施例9および10
実施例9および10は、オレフィン類の接触分解法に使用するシリカライト触媒に高いケイ素/アルミニウム原子比を提供することにより、触媒の安定性が向上することを説明する。
【0136】
図1は、最初のケイ素/アルミニウム原子比が約220であるが、実施例1に記載した蒸熱および脱−アルミナ化工程を使用することにより、その比を上げた実施例1で使用したものと同じシリカライト触媒に関し、収率と時間の間の変動を説明する。プロピレンの収率は、時間が経過しても有意に減少しないことが分かる。これは、触媒の高い安定性を説明している。供給原料はジエンが少ないC4供給材料を含んで成っていた。
【0137】
図2は、実施例10に関し、低いケイ素/アルミニウム原子比を有するシリカライト触媒がどのように触媒の安定性の減少(これは時間経過に伴い接触分解工程におけるプロピレン収率の減少により表される)を導くかを示している。実施例10において、触媒は約220のシリカライト中のケイ素/アルミニウム原子比を有する実施例9の出発触媒を含んで成っていた。
【0138】
実施例11−13および比較例3
実施例11−13において、実施例11については、ジエンが少ないC4を含んで成るオレフィン供給原料に関して、接触分解工程中で時間経過に伴うプロピレン収率の変動を調査した。触媒は、シリカを含んで成る結合剤を用いて押出し工程に供され、押出された触媒/結合剤複合体中に50重量%のシリカ含量を生じた、220の初期のケイ素/アルミニウム原子比を有するシリカライト触媒を含んで成っていた。そのような押出し工程は、実施例6に関して開示された工程と同じである。その後、結合剤を用いて製剤されたシリカライトを、実施例6に関して開示された方法と同様な蒸熱および抽出工程に供した。図3は、接触分解法において、時間経過に伴うプロピレン収率の変動を説明している。プロピレン収率は、最高500時間もの稼働時間(TOS)にわたり、わずかに減少しただけであることが分かる。
【0139】
実施例12については、同じ触媒を使用したが、実施例7と同様な様式で、押出し工程の前に蒸熱およびアルミニウム抽出工程を行い、ここでシリカライト触媒は、複合触媒中に50重量%のシリカを含んで成る結合剤を用いて製剤された。図4から、実施例12に関して、プロピレン収率は時間経過に伴い、実施例11よりも有意に減少したことが分かる。これは、製剤されたシリカライト触媒中の約50%の結合剤の量について、押出し工程が、蒸熱および抽出工程の前に好ましくは行われることを説明している。
【0140】
実施例13は、実施例12と同様であるが、接触分解工程における時間経過に伴うプロピレン収率に関し、実施例11と同様であるが結合剤を含むシリカライトの製剤された触媒の重量に基づき、わずか20重量%のシリカ結合剤を含んで成る触媒を使用して実験した。図5から、プロピレンの収率は、触媒中により多い量の結合剤を有する実施例1ほどには、時間経過に伴う減少が大きくはないことが分かる。これは、低い結合剤量については、蒸熱および抽出工程を押出し工程前に行うことができ、ここで触媒は、オレフィン供給原料に関して、接触分解法における時間経過に伴い、プロピレン収率に有意な減少を生じることなく結合剤上に堆積することが分かる。
比較例3では、シリカライト触媒を実施例12と同様な様式で形成したが、結合剤はシリカではなくアルミナを含んで成り、アルミナ結合剤はシリカライト/結合剤複合触媒の50重量%を含んで成る。生成した触媒をC4(ジエンが少ない)オレフィン供給原料の接触分解に使用し、そして結果を図6に示す。アルミニウム−含有結合剤、特にアルミナを使用する時、接触分解工程からのプロピレン収率は、時間経過に伴い有意に減少することが分かる。アルミニウム−含有結合剤の高い酸性度が、触媒上でコークス形成を導き、これは次にオレフィンに関する接触分解法において、時間経過に伴う触媒の活性低下を導くと思われる。
【0141】
実施例14
この実施例は、蒸熱処理した触媒からアルミナを除去するために、錯化剤として有機酸を使用する本発明に従い、結晶性シリケート触媒の蒸熱および脱−アルミナ化を説明する。
【0142】
CBV 5020という商標名で、郵便番号840、米国のペンシルバニア州19482−0840、バレイ ホージ、サウスポイントのPQ社(PQ Corporation)から販売されている、26.9のケイ素/アルミニウム原子比を有すZSM-5型触媒を、550℃で、72容量%の蒸気および28容量%の窒素を含有する蒸気雰囲気を用いて、大気圧(すなわち720ミリバールの蒸気圧)下にて処理した。処理時間は48時間であった。その後に、100gの蒸熱処理した触媒を、420mlの0.44M クエン酸水溶液に浸漬した。生成した懸濁液を還流下で約18時間加熱した。クエン酸は触媒からアルミニウムを除去するように作用した。アルミニウム除去工程の後、触媒を5000mlの蒸留水で洗浄し、110℃で乾燥し、そして約400℃の温度にて約3時間、か焼した。この触媒は、120の全Si/Al原子比を有した。クエン酸を用いたアルミニウム除去処理を再度、繰り返した。最終的な触媒は、204のケイ素/アルミニウム原子比を有し、そして100の単斜晶指数(monoclinicity index)を有した。
【0143】
比較例4
実施例14を繰り返したが、(a)1回のアルミニウム除去工程のみを使用し、そして(b)蒸熱処理した結晶性シリケートを0.44Mのクエン酸を含有する水溶液に浸し、加熱還流する代わりに、結晶性シリケートを1MのHClを含有する水溶液に浸し、そして18時間撹拌した。実施例14と同様に洗浄、乾燥およびか焼工程の後、生成した触媒はわずか53の全Si/Al原子比と116の単斜晶指数とを有した。
【0144】
この比較例では、蒸熱処理した結晶性シリケート触媒中に存在するアルミナと水溶性の錯体を形成しない塩酸のような鉱酸は、本発明に従う錯化剤の使用ほど多くはSi/Al原子比を増加させない。いずれかの理論により拘束されることを望まないが、アルミナとの錯化剤を形成しない鉱酸の使用は、触媒の孔に存在するアルミナを残し、これは少なくとも約180の値にケイ素/アルミニウム原子比を増加させないと考えられる。
【0145】
比較例5、6および7
比較例4を繰り返したが、1M HClの代わりに、0.1M HClおよび0.22M HClを、それぞれ比較例5および6で使用した。これは33.9および46.5の全Si/Al原子比を、それぞれ比較例5および6の最終的な触媒にもたらした。また比較例4も繰り返したが、比較例7ではHClおよび撹拌の代わりに、0.22Mの2,4ペンタンジオンを使用し、そして加熱還流した。これによりZSM-5型触媒にわずか27.6の全Si/Al原子比を生じた。これらの比較例に関して、アルミナの錯化剤ではない化合物を脱−アルミナ工程に使用する時、Si/Al原子比は本発明の触媒において好ましい値である、少なくとも約180の値までは増加しないことが分かる。
【0146】
実施例15
この実施例では、実施例1で使用したシリカライトを、実施例1に記載したような蒸熱およびアルミニウム抽出を使用する脱−アルミナ法に供して、触媒中に300の最終的なケイ素/アルミニウム原子比を生じた。次に触媒を、実施例1に関して記載した様式でブテン−含有供給原料の分解に供した。供給原料の組成を表13に特定した。ブテン−含有供給原料を、約560℃の流入温度、1バールの流出炭化水素圧、および約22時間当り1LHSVで反応槽に注入した。39時間から303時間の範囲で時間が進行的に増加した後、流出液を分析してその組成を決定した。結果を表13に示す。
【0147】
39時間の稼働時間後、流出液は17.6重量%のプロピレン含量を有したことが分かる。このプロピレン含量は、時間が進行すると減少する傾向がある。279時間の稼働時間の後、プロピレンは流出液の約15.9重量%から成った。この実施例は、本発明の蒸熱および抽出処理した触媒を使用する接触分解法のプロピレン収率は、10日より長い稼働期間後にも、高いままであることを示す。
【0148】
比較例8
この比較例では、触媒は300のケイ素/アルミニウム原子比(実施例15で使用した比率)を有するが、触媒は本発明に従う蒸熱および抽出による脱−アルミナ化法にはかけなかった。触媒を、ブテン−含有供給原料の接触分解法に使用した。反応層条件は実施例15と同様であるが、触媒は代わりに、商標名ZEOCAT P2-2としてスイス国、エチコン 社(Ueticon AG)の CU ケミー社(Company CU Chemie)から市販されている触媒を含んで成っていた。この触媒は、有機テンプレートを使用して結晶化により工業的に製造され、そしてその後に蒸熱または脱−アルミナ工程にはかけられていなかった。この触媒は300のケイ素/アルミニウム原子比を有した。触媒の結晶サイズは2−5ミクロンであり、そしてペレットサイズは35−45メッシュであった。ブテン−含有供給原料の組成は、進行的に増加する40時間から280時間の範囲の稼働時間にわたり、流出液の組成として図14に示す。
【0149】
実施例15と比較して、比較例8の流出液の初期プロピレン含量は、実施例15よりも高く、例えば実施例15について39時間後の17.6重量%プロピレンと比較すると、例えば実施例8については、40時間の稼働時間後は18.3重量%プロピレンである。しかし比較例8については、約10日間まで、プロピレン含量は比較的ゆっくりと減少するする傾向にあるが、10日後は、例えば256時間の稼働後、流出液中のプロピレン量は、実施例15の脱−アルミナ触媒を使用した対応する期間で得られた量と比べて減少した。このように例えば、280時間の稼働後、比較例8により得られた流出液のプロピレン含量は、わずか12.5重量%であり、実施例15で279時間の稼働後に得られた15.9重量%のプロピレン量よりははるかに少ない。
【0150】
このように、実施例15と比較例8との比較により、たとえ触媒のケイ素/アルミニウム比が同じであり、しかも約300の比較的高い値の時にもかかわらず、本発明の触媒を製造するための脱-アルミナ法を使用することにより、特に約10日より長い稼働時間にわたり、触媒安定性を増す傾向があることを示す。
【0151】
【表1】
【0152】
【表2】
【0153】
【表3】
【0154】
【表4】
【0155】
【表5】
【0156】
【表6】
【0157】
【表7】
【0158】
【表8】
【0159】
【表9】
【0160】
【表10】
【0161】
【表11】
【0162】
【表12】
【0163】
【表13】
【0164】
【表14】
【0165】
【表15】
【0166】
【表16】
【0167】
【表17】
【0168】
【表18】
【0169】
【表19】
【0170】
【表20】
【0171】
【表21】
【0172】
【表22】
【0173】
本発明の主な特徴および態様は、次の通りである。
【0174】
1.オレフィン分解用の触媒の製造法であって、MFI型の結晶性シリケート触媒を提供し、触媒を蒸気中で加熱して結晶性シリケート骨格からアルミニウムを除去し、そして蒸熱工程中に中に堆積したアルミニウムを骨格の孔から除去するために、触媒をアルミニウムの錯化剤と接触させることにより触媒からアルミニウムを抽出し、これにより触媒のケイ素/アルミニウム原子比を増加させ;そして高温で触媒をか焼する工程を含んで成る方法。
【0175】
2.触媒がZSM−5またはシリカライト型から選択される、上記1に記載の方法。
【0176】
3.触媒がZSM−5型であり、そして抽出工程前に触媒が約80未満のケイ素/アルミニウム原子比を有する上記2に記載の方法。
【0177】
4.触媒がシリカライト型であり、そして抽出工程前に触媒が約120のケイ素/アルミニウム原子比を有する上記2に記載の方法。
【0178】
5.蒸気中の加熱が、425−870℃の温度で、13−200kPaの水分圧で行われる、上記いずれかに記載の方法。
【0179】
6.蒸気中の加熱が1−200時間の期間行われる、上記5に記載の方法。
【0180】
7.錯化剤が、クエン酸、ギ酸、蓚酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸から選択される有機酸、またはそれらの塩あるいはそのような酸または塩の2種以上の混合物を含んで成る、上記いずれかに記載の方法。
【0181】
8.抽出工程後、触媒が少なくとも約180のケイ素/アルミニウム原子比を有する、上記いずれかに記載の方法。
【0182】
9.流出液において軽質オレフィンに向けて選択性のある、炭化水素原料中のオレフィンの接触分解法であって、該方法が1種以上のオレフィン成分の第1組成を有するオレフィンを含有する炭化水素原料を、上記1ないし8のいずれかに記載した方法に従い製造された触媒と接触させて、1種以上のオレフィン成分の第2組成を有する流出液を生成し、原料および流出液が、それらの中の重量に基づき実質的に同じオレフィン含量を有する上記方法。
【0183】
10.供給原料中および流出液中の重量によるオレフィン含量が、互いの±15%以内である上記9に記載の方法。
【0184】
11.分解が流出液中のプロピレンに対して選択的な、オレフィンが豊富な炭化水素原料の分解のための、上記1ないし10のいずれか1つに従い製造されたMFI型結晶性シリケート触媒の使用。
【0185】
12.触媒が少なくとも約180のケイ素/アルミニウム原子比を有する、上記11に記載の使用。
【0186】
13.分解法において、触媒が供給原料中のオレフィン含量に基づき、30−50%のオレフィン基準プロピレン収率を有する、上記11または12に記載の使用。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロピレンを含む種々の生成物の収率と、およびそれぞれ本発明の実施例および比較例の接触分解法に関する時間との間の関係を示すグラフである。
【図2】プロピレンを含む種々の生成物の収率と、およびそれぞれ本発明の実施例および比較例の接触分解法に関する時間との間の関係を示すグラフである。
【図3】種々の処理工程および種々の結合剤を使用して製造した触媒に関する収率(とりわけプロピレン)と時間の関係を示す。
【図4】種々の処理工程および種々の結合剤を使用して製造した触媒に関する収率(とりわけプロピレン)と時間の関係を示す。
【図5】種々の処理工程および種々の結合剤を使用して製造した触媒に関する収率(とりわけプロピレン)と時間の関係を示す。
【図6】種々の処理工程および種々の結合剤を使用して製造した触媒に関する収率(とりわけプロピレン)と時間の関係を示す。
Claims (15)
- オレフィン分解用の触媒の製造法であって、MFI型の結晶性シリケート触媒を提供し、触媒を蒸気中で加熱して結晶性シリケート骨格からアルミニウムを除去し、そして蒸気処理工程中に堆積したアルミニウムを骨格の孔から除去するために、触媒をアルミニウムの錯化剤と接触させることにより触媒からアルミニウムを抽出し、これにより触媒のケイ素/アルミニウム原子比を増加させ、そして高温で触媒をか焼することにより少なくとも180のケイ素/アルミニウム原子比を有する触媒を得る工程を含んで成る方法。
- 触媒がZSM−5またはシリカライト型から選択される、請求項1に記載の方法。
- 触媒がZSM−5型であり、そして抽出工程前に触媒が80未満のケイ素/アルミニウム原子比を有する請求項2に記載の方法。
- 触媒がシリカライト型であり、そして抽出工程前に触媒が120のケイ素/アルミニウム原子比を有する請求項2に記載の方法。
- 蒸気中の加熱が、425−870℃の温度で、13−200kPaの水分圧で行われる、請求項1なし4のいずれかに記載の方法。
- 蒸気中の加熱が1−200時間の期間行われる、請求項5に記載の方法。
- 錯化剤が、クエン酸、ギ酸、蓚酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸から選択される有機酸、またはそれらの塩あるいはそのような酸または塩の2種以上の混合物を含んで成る、請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
- 抽出工程後、触媒が180〜1000のケイ素/アルミニウム原子比を有する、請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
- 触媒が単斜結晶の形態にある、請求項8記載の方法。
- 流出液において軽質オレフィンに向けて選択性のある、炭化水素原料中のオレフィンの接触分解法であって、1種以上のオレフィン成分の第1組成を有するオレフィンを含有する炭化水素原料を、ケイ素/アルミニウム原子比が少なくとも180を有するMFI型の結晶性シリケート触媒と接触させて、1種以上のオレフィン成分の第2組成を有する流出液を生成し、原料および流出液が、それらの中の重量に基づき実質的に同じオレフィン含量を有し、かつ、該触媒が蒸気中で加熱して結晶性シリケート骨格からアルミニウムを除去し、そして蒸気処理工程中に堆積したアルミニウムを骨格の孔から除去するために、触媒をアルミニウムの錯化剤と接触させることにより触媒からアルミニウムを抽出し、これにより触媒のケイ素/アルミニウム原子比を増加させ、そして高温で触媒をか焼することにより製造されたものである、ことを特徴とする上記方法。
- 供給原料中および流出液中の重量によるオレフィン含量が、互いの±15%以内である請求項10に記載の方法。
- 触媒が180〜1000のケイ素/アルミニウム原子比を有する、請求項10または11に記載の方法。
- 分解が流出液中のプロピレンに対して選択的な、オレフィンが豊富な炭化水素原料の分解のための、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法で製造されたMFI型結晶性シリケート触媒の使用。
- 触媒が180〜1000のケイ素/アルミニウム原子比を有する、請求項13に記載の使用。
- 分解法において、触媒が供給原料中のオレフィン含量に基づき、30−50%のオレフィン基準プロピレン収率を有する、請求項13または14に記載の使用。
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