JP4847752B2 - 化粧建築板及びその補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット塗装が施された化粧建築板及びその補修方法に関するものである。
外壁材、屋根材、塀材などの建築用外装材には、セメント系の建築板が広く用いられている。このような建築板は、建物の外観の形成を担うため、各種の意匠を実現する表面化粧について技術的な検討が加えられている。たとえばセメント系成形材料を抄造、押出成形、注型成形等により成形して得られる湿潤シートを養生硬化させ、得られる無機質基材に塗装を施すことが一般的に行われている。
塗装の一方式として、最近、コンベア上で搬送される無機質基材の表面に向けて、この無機質基材の搬送速度と同期させてインクジェットノズルヘッドより塗料を噴射するインクジェット塗装が考えられている。このようなインクジェット塗装は、これまで一般的に用いられてきた塗装ロール等に比べ、局所的なしかも位置制御された塗装が可能である。したがって、濃淡表現などにより自然な風合いの高意匠塗装された建築板が製造可能であるという利点がある(特許文献1参照)。
特開2004−17007号公報
しかし、上記のようなインクジェット塗装後の建築板の表面が擦れたり施工作業中に損傷が発生するなどして意匠模様に欠陥が生じた場合、その補修は困難なものである。すなわち、ロール塗装等による塗装の場合は、刷毛塗り等により補修すれば補修した箇所が目立つことがないが、インクジェット塗装の場合は複数色のドットの点在により発現される意匠模様は上記のようにロール塗装等では表現し得ない独特の風合いを有することから、欠陥箇所を刷毛塗り等により補修しようとしても補修した箇所の風合いが他の箇所と全く異なったものとなって、補修した箇所が目立ってしまうという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、インクジェット塗装により形成された意匠模様に欠陥が生じてもこの欠陥箇所を目立たず容易に補修することが可能な化粧建築板、及びこのような化粧建築板の塗装欠陥箇所の補修方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る化粧建築板は、建築板にインクジェット塗装を施して形成される化粧建築板であって、インクジェット塗装が施された面に、単色の着色塗膜2,3を部分的に形成して、塗装欠陥箇所4を含む領域に単色の着色塗膜3を設けて補修して成ることを特徴とするものである。
上記着色塗膜2が、インクジェット塗装にて発現される意匠模様を構成する色のうちの一色と同色のものであれば、着色塗膜2を形成した領域が意匠模様全体において浮き上がった印象を与えることがなく、自然な意匠模様を発現させることができる。
また、上記着色塗膜2は、ロールコータにより塗装されたものであると、インクジェット塗装が施された面における部分的な着色塗膜2の形成を容易に行うことができる。
また、上記着色塗膜2は隠蔽率が70%以下であると、着色塗膜2を透かしてインクジェット塗装による意匠模様の存在を十分に視認することができ、深みのある高い意匠性を付与することができる。
本発明に係る化粧建築板の補修方法は、上記のような化粧建築板における、塗装欠陥箇所4を含む領域に、単色の着色塗膜3を部分的に設けることを特徴とするものである。
本発明によれば、インクジェット塗装が施された塗装面に部分的に着色塗膜を重ね塗りしてその箇所に着色塗膜の色合いを付与すると共にこの箇所におけるインクジェット塗装による意匠模様の鮮明性を意図的に低減してインクジェット塗装のみでは発現し得ない独特な意匠模様を発現することができ、しかもインクジェット塗装に欠陥が生じてもこの塗装欠陥箇所に着色塗膜を設ければ、塗装欠陥箇所における意匠模様を不鮮明化して目立たなくすると共に補修を行ったことを看者が認識することは著しく困難となり、塗装欠陥箇所の補修を容易に行うことができるようになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1,2を示して説明する。
建築板1の作製には、セメントと補強繊維を主成分とするセメント系成形材料を成形した湿潤シート(グリーンシート)を用いることができる。この湿潤シートは、セメント系の水性スラリーをセメント系成形材料として用いて、長網式、丸網式の各種の抄造法により抄造したり、押出成形したりするなどして得られるものである。セメント系成形材料としては、例えば水硬性のセメント成分が30〜95質量%、シリカ、珪石粉、フライアッシュ等の充填材が2〜60質量%、パルプ等の補強繊維が3〜10質量%を占める固形分からなるものとし、この固形分100質量部に対し、水40〜100質量部程度の割合としたスラリーを用いることができる。なお、セメント成分は、普通ポルトランドセメントをはじめ、高炉セメント等の、適宜に組成調整されたものを用いることができる。補強繊維のパルプは、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、あるいはその混合物等を用いることができる。この湿潤シートを養生硬化することにより、建築板1を得ることができる。
上記建築板1の養生硬化は適宜の手法で行うことができるが、オートクレーブ養生をすることが望ましく、その際の温度としては140℃以上とすることが好適である。また、実際的には、養生は、オートクレーブ養生と、これに先行しての促進前養生、つまり加温のために水蒸気が投入される前養生との二段階での養生であることが望ましい。これによって、建築板1の強度が向上し、組織と性能の均一化が図られることになる。
この養生時には、養生前の湿潤シートの表面にシーラーを塗布することが望ましい。このシーラーを塗布することにより、養生時にエフロレッセンスが発生することを防止することができ、更にシーラーの塗膜が耐透水性を発揮することで、建築板1の耐透水性を向上することができる。
シーラーは特に制限されないが、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、エポキシ系、塩化ゴム系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系等の水性樹脂エマルションを用いることができる。
また、このようなシーラー中には、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、顔林、ベントナイト、セリサイト、ドロマイト、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、珪藻土等の無機粒子を混合することができる。
そして、このようなシーラーを湿潤シートの表面に塗布し、加熱成膜することでシーラーの塗膜を形成することができる。
このようなシーラーの塗装は、養生前に行うものであるが、上記のように促進前養生を行う場合には促進前養生後にシーラーを塗布し、次いでオートクレーブ養生を行うことが好ましく、これにより建築板1の耐凍害性や寸法安定性を向上することができる。
このような養生硬化により得られた建築板1には、必要に応じて乾燥処理や切削加工が施される。
このようにして得られた建築板1におけるシーラーの塗膜の表面に、必要に応じてインク受理層(インク受容層)を形成する。インク受理層はインクジェット塗装時に塗布されるインクを滲みなく定着させる機能を有し、インクを吸収する性質を有するもの、例えば吸水性を有する多孔質の層を形成するものであるが、このようなインク受理層を形成するための組成物(受理層形成組成物)としては、水性のものを用いることが好ましい。
上記受理層形成組成物としては、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料や、アクリルシリコン系エマルションをベースにしたアクリルシリコン樹脂塗料を用いることができる。受理層形成組成物には、体質顔料と吸湿性樹脂のうちの少なくとも一方を配合しておくのが好ましい。これにより、インクの定着性を向上させることができる上に、後で水性塗料でクリアー層を形成する際に滲みを防止することができると共に、発色性も向上させることができるものである。ここで、体質顔料としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、多孔質シリカ、珪藻土等を用いることができ、吸湿性樹脂としては、酢酸ビニル、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール等のインキ吸収性ポリマー等を用いることができる。また、インク受理層を受理層形成組成物で形成するにあたっては、建築板1の表面に受理層形成組成物を塗布量30〜200g/m・wetで塗布するのが好ましい。なお、受理層形成組成物の塗布は、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。
また、受理層形成組成物中の顔料は、上述した体質顔料のほか、着色顔料も意味する。着色顔料としては、酸化チタン、弁柄、オーカー、炭酸カルシウム、複合金属酸化物等の無機顔料や、カーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー、群青等の有機顔料を用いることができる。顔料は1種のみを用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。化粧建築板の耐候性を向上させることができることから、顔料の中でも無機顔料を用いるのが好ましい。顔料の粒径は、特に限定されるものではないが、平均粒径で0.01〜4μm程度が好ましい。また、顔料の分散は通常の方法で行うことができ、また、その際に分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等を使用することが可能である。
このような水性の受理層形成組成物を用いると、インクジェット塗装において水性インクを用いる場合の塗装模様の発色性が高くなる。
上記のような受理層形成組成物を、シーラーが設けられた建築板1の表面に例えばスプレーコート、カーテンコート、浸漬、ワイヤーバーコート、アプリケーターコート、スピンコート、ロールコート、電着コート、刷毛塗り等の適宜の手法にて塗布し、加熱硬化することでインク受理層を形成することができる。
このようにインク受理層を形成した後、このインク受理層の表面にインクジェット塗装を施す。
インクジェット塗装に用いるインクとしては水性インクを用いることが好ましい。水性インクとしては従来から知られている顔料を分散剤で分散した顔料インクも使用可能であるが、インクジェット塗装では顔料濃度を高めることが困難で、かつバインダー樹脂量も少ないことから印刷物の色合いが暗くなりやすく、内装装飾材としての品位が著しく減少しやすい。このような観点からは、少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂によって顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子水性分散体からなる水性顔料タイプのインクが、優れた耐候性と共に色再現範囲が広く、高い印刷品位を得ることが可能なことから好適である。
上述した水性インクに用いる顔料は特に限定されるものはなく、例えばカーボンブラック、チタンブラック、チタンホワイト、硫化亜鉛、ベンガラ等の無機顔料や、フタロシアニン顔料、モノアゾ系、ジスアゾ系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料がある。かかる顔料の使用量(含有量)は、特に規定されないが、最終的に得られるインク中で0.5〜10重量%となるような量が好ましい。
インクジェット塗装を行うために用いる塗装装置としては、図2に示す例を挙げることができる。この塗装装置は、噴射ノズル10を設けた塗装ノズルヘッド8、塗装ノズルヘッド8の噴射ノズル10に塗料を供給する塗料供給タンク9、塗装ノズルヘッド8の噴射ノズル10からの塗料の噴射を制御する塗装制御システム11などを設けたインクジェット式塗装機12と、建築板1を搬送する搬送手段7とを備えて形成されるものである。
塗装ノズルヘッド8はインクジェット式塗装機12の下端に設けられているものであり、建築板1の送り方向と垂直な方向に長いラインヘッドとして形成してある。
塗装ノズルヘッド8はイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の塗料を噴出する4種類の塗装ノズルヘッド8y,8c,8m,8kから形成してあり、フルカラー印刷による塗装を行なうことができるようにしてあるが、この塗装ノズルヘッド8の個数はこれに限られず、使用するインクの種類に応じて設けられる。塗料供給タンク9も同様に4種類のものからなるものであり、イエローの塗料を供給する塗料供給タンク9yは塗装ノズルヘッド8yに、シアンの塗料を供給する塗料供給タンク9cは塗装ノズルヘッド8cに、マゼンタの塗料を供給する塗料供給タンク9mは塗装ノズルヘッド8mに、ブラックの塗料を供給する塗料供給タンク9kは塗装ノズルヘッド8kにそれぞれ接続してある。そして各塗装ノズルヘッド8y,8c,8m,8kは建築板1の搬送方向に沿って配列してある。
塗装制御システム11は、各種のCPU、ROM、RAM等から構成されるものであり、塗装データ作成部、塗装制御部、噴射ノズル制御部等を備えて形成してある。塗装データ作成部は、原画をスキャナ等して得た色柄パターンのデータを入力して保存するものであり、塗装制御部は、塗装を行なう建築板1に応じた色柄パターンのデータを塗装データ作成部から取り出し、この色柄パターンのデータに基づいて、噴射ノズル制御部に制御信号を出力するものである。また噴射ノズル制御部は塗装ノズルヘッド8y,8c,8m,8kの各噴射ノズル10に接続してあり、噴射ノズル制御部から入力される制御信号に基づいて各噴射ノズル10を制御するものである。各噴射ノズル10は例えばピエゾ制御方式や光熱交換素子にレーザ光を照射する制御方式により噴射を制御されるようになっており、噴射ノズル制御部で各噴射ノズル10を制御することによって、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各塗料の噴射と停止を個別に制御して、色柄パターンに対応したフルカラー印刷による塗装を行なうことができるものである。
搬送手段7は建築板1が載置された状態で塗装ノズルヘッド10の下方を通過する搬送面6を有する。この搬送手段7はタイミングベルトなどの無限帯状のベルト13をプーリ14間に懸架したベルトコンベア7aで形成することができ、インクジェット式塗装機12の下側に配置されるものである。
インクジェット塗装を行うにあたっては、まず搬送手段7に建築板1を供給する。このとき、複数の建築板1を順次間隔をあけて搬送することができる。
このように搬送手段7にて搬送される建築板1は、塗装ノズルヘッド8の下方を通過する。このとき塗装ノズルヘッド8から建築板1上のインク受理層に向けてインクがインクジェット方式で噴射されて塗装が施される。
次に、この建築板1におけるインクジェット塗装が施された面(塗装面5)の複数箇所に、単色の着色塗膜2を部分的に形成する。この着色塗膜2は適宜のパターン形状に形成することができる。着色塗膜2は光透過性を有するものであることが好ましく、特に隠蔽率が70%以下であることが好ましい。ここで、隠蔽率は、JIS K5600−4−1方法B(隠蔽率試験紙)による測定にて測定されるものである。
このような着色塗膜2を形成するための塗料(着色塗料)としては、着色されたクリアー塗料を用いることができる。着色塗料としては、例えば顔料が含有されたアクリルシリコン系塗料や、アクリルエマルション系塗料等を用いることができる。着色塗料中の顔料は適宜のものが用いられるが、上記インクジェット塗料に用いるインクに含有されるものと同様のものを用いることができ、例えばカーボンブラック、チタンブラック、チタンホワイト、硫化亜鉛、ベンガラ等の無機顔料や、フタロシアニン顔料、モノアゾ系、ジスアゾ系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料を用いることができる。このような顔料の含有量は、着色塗膜2が所望の隠蔽率を有することとなるように適宜調整されるが、着色塗料中の顔料の含有量が0.01〜10質量%の範囲であることが好ましい。
また、着色塗膜2は、好ましくはインクジェット塗装により発現される意匠模様を構成する色のうちの一色と同色となるようにする。ここで同色とは、着色塗膜2の色と、インクジェット塗装により発現される意匠模様を構成する色のうちの一色における、マンセル値表示による色相、明度、彩度の相違が0.5以内の範囲に収まる状態をいうものとする。例えばインクジェット塗装により発現される意匠模様を構成する色のうちの一色が、マンセル値表示(色相 明度/彩度)で7.5YR 8.0/2.0の場合には、着色塗膜2の色は色相が7〜8YR、明度が7.5〜8.5、彩度が1.5〜2.5の範囲となるようにする。またこのとき好ましくは、前記意匠模様を構成する色のうち、この意匠模様の最大の領域を占める色と同一色となるようにする。そのため、着色塗料中には、上記のような顔料を、着色塗膜2の色が前記同一色となるように適宜組み合わせて含有させる。
着色塗膜2の形成にあたっては、建築板1における塗装面5の複数箇所に着色塗料を塗布し、必要に応じて加熱処理を施して成膜する。着色塗料の塗布は適宜の手法で為すことができるが、ロールコータにより塗布することが好ましい。すなわち塗布ロールの外周面の複数箇所に着色塗料を塗布し、この塗布ロール上の着色塗料を建築板1の塗装面5に転写することで、この塗装面5における複数箇所に所望の形状に着色塗料を塗布することができる。
着色塗膜2の厚みは、この着色塗膜2が所望の隠蔽率を有することとなるように適宜調整されるが、好ましくは8〜200μm、更に好ましくは10〜120μmの範囲となるようにする。
このようにして得られる化粧建築板には、塗装面5における着色塗膜2が形成された領域では、インクジェット塗装により発現する意匠模様に着色塗膜2による色合いが付与され、且つこの領域における意匠模様の鮮明度が着色塗膜2により意図的に低減されることとなり、インクジェット塗装のみでは発現し得ない複雑な意匠模様を発現させることができる。
また、この化粧建築板における塗装面5に、擦れや施工作業中での損傷等によりインクジェット塗装が部分的に剥げ落ちたり損傷するなどして塗装欠陥が生じた場合は、塗装面5におけるこの塗装欠陥箇所4を含む領域に、単色の着色塗膜3(補修用着色塗膜3)を部分的に設けることで補修することができる。この補修用着色塗膜3としては、化粧建築板に予め形成されている上記の着色塗膜2と同一のものを形成することができる。
補修用着色塗膜3を形成するにあたり、着色塗料の塗布は適宜の手法で行うことができるが、塗装欠陥箇所4を含む所望の領域に塗布するためには、刷毛塗りにより塗布することが好ましい。そして、着色塗料の塗布後、必要に応じて加熱処理を施すことで成膜し、補修用着色塗膜3を形成することができる。
このようにして化粧建築板の補修を行うと、塗装面5における塗装欠陥箇所4が存在する領域の鮮明性が補修用着色塗膜3により低減されて、塗装欠陥箇所4が目立たなくなる。またこの補修用着色塗膜3は、化粧建築板に予め形成されている着色塗膜2と区別が付かなくなり、塗装欠陥箇所4の補修をしたことを看者が識別することは、著しく困難なものとなる。
また、上記化粧建築板には、必要に応じてその塗装面5に表面保護用のクリアー層を形成することができる。クリアー層は適宜のクリアー塗料を塗布成膜することにより形成することができ、例えばアクリルシリコン系塗料や、アクリルエマルション系塗料等を用い、これを建築板1のインクジェット塗装が施された面にスプレー等して塗布した後、80〜150℃で焼き付け乾燥等することにより成膜することにより、クリアー層を形成することができる。このクリアー層の厚みは特に制限されないが、1〜10μmの範囲であることが好ましい。
また、化粧建築板には、更に無機質塗料層を形成することもできる。無機質塗料層はクリアー層の表面に無機質塗料を塗布成膜することで形成することができ、これにより建築板1の耐候性を向上することができる。無機質塗料としては適宜のケイ素アルコキシド系コーティング剤等を用いることができるが、例えばオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液に、ポリオルガノシロキサンや、アルキルチタン酸塩等の縮合反応触媒を加え、或いは更にシリカを加えたケイ素アルコキシド系塗料を用い、これを静電塗装等して塗布した後、60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜することにより、無機質塗料層を形成することができる。この無機質塗料層の厚みは特に制限されないが、1〜10μmの範囲であることが好ましい
また、更に光触媒層を形成することも好ましい。光触媒層は、無機質塗料層の表面に光触媒を含有する無機質塗料を塗布成膜することで形成することができ、これにより建築板1の防汚性を向上することができる。光触媒を含有する無機質塗料としては適宜のものを用いることができるが、例えば上記のようなケイ素アルコキシド系塗料に酸化チタン等の光触媒を加えたものを等を用い、これをスプレー塗装等して塗布した後、60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜することにより、光触媒層を形成することができる。この光触媒層の厚みは特に制限されないが、0.2〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明する。
建築板1として表面に深さ5mm、幅10mmの寸法の凹溝5が形成されたセメント基板を用いた。
また、インク受理層は、受理層形成組成物としてアクリル系エマルション(AcEm)をベースにしたアクリル樹脂塗料を用いて形成した。この塗料は、下記表1にそれぞれ示す顔料成分Aと樹脂成分Bとを含有し、且つその顔料重量濃度(PWC(%)=A/(A+B)×100)が50のものを用いた。そしてこの塗料をスプレー塗装し、110℃、60秒間の条件で加熱成膜することで厚み30μmに形成した。
Figure 0004847752
このようなインク受理層が形成された建築板1の、インク受理層が形成された面に対し、株式会社マスターマインド製のインクジェットプリンタ「MMP13000」を用いてインクジェット塗装を施した。このとき、インクとしてはセイコーエプソン株式会社製の水性顔料系インクであるブラックインク「ICMB25」、イエローインク「ICY25」、マゼンタインク「ICM25」及びシアンインク「ICC25」の4色のインクを用いた。
次に、塗装面5に形成されるインクジェット塗装による意匠模様の一部の色と同色の着色塗料としてコアシェル型アクリルエマルション塗料(関西ペイント株式会社製の品番「IM4100」)を用い、これを建築板1の塗装面5における複数箇所に部分的に塗布し、110℃で20秒間加熱成膜することで、厚み10μmの着色塗膜2を形成した。
この着色塗膜2の、JIS K5600−4−1に準拠して測定される隠蔽率は45%であった。
このようにして形成される化粧建築板の塗装面5を目視で観察すると、着色塗膜2が形成された領域では、インクジェット塗装により発現する意匠模様に着色塗膜2による色合いが付与され、且つこの領域における意匠模様の鮮明度が着色塗膜2により意図的に低減されて複雑な意匠模様を発現したことが認められた。
また、この化粧建築板の塗装面5に擦り傷を付けて意図的に塗装欠陥を形成し、この塗装欠陥箇所4を含む領域に上記の着色塗膜2を刷毛塗りにより塗布した後、常温硬化させて成膜して、厚み20μmの補修用着色塗膜3を形成した。
この補修後の化粧建築板では、目視で観察する限り、補修用着色塗膜3と予め形成されていた着色塗膜2との区別はつかず、また、補修用着色塗膜3が形成されている箇所では塗装欠陥箇所4が目立たなくなって、欠陥の存在は識別できなくなった。
(a)乃至(c)は本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。 インクジェット塗装工程の一例の概略を示す側面図である。
符号の説明
1 建築板
2 着色塗膜
3 着色塗膜
4 塗装欠陥箇所

Claims (5)

  1. 建築板にインクジェット塗装を施して形成される化粧建築板であって、インクジェット塗装が施された面に、単色の着色塗膜を部分的に形成して、塗装欠陥箇所を含む領域に単色の着色塗膜を設けて補修して成ることを特徴とする化粧建築板。
  2. 上記着色塗膜が、インクジェット塗装にて発現される意匠模様を構成する色のうちの一色と同色のものであることを特徴とする請求項1に記載の化粧建築板。
  3. 上記着色塗膜が、ロールコータにより塗装されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧建築板。
  4. 上記着色塗膜の隠蔽率が70%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧建築板。
  5. 請求項1乃至4に記載の化粧建築板における、塗装欠陥箇所を含む領域に、単色の着色塗膜を部分的に設けることを特徴とする化粧建築板の補修方法。
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