JP4846428B2 - 積層剥離ボトル - Google Patents

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Description

本発明は積層剥離ボトルに関するものである。
この種の積層剥離ボトルとして、例えば下記特許文献1および2に示されるような、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外層の内側に、内容物を収容し、かつ内圧の減少によりしぼみ変形する可撓性に富む内層を剥離可能に積層して、壜体状にブロー成形された容器本体と、該容器本体の口部に着脱自在に螺着された封止キャップとから構成され、外層における前記口部の形成部分に、封止キャップの周壁部の内面に形成された雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、外層と内層との間に外気を吸入する空気孔とが形成された構成が知られている。
そして、需要者において内容物を使用する際、封止キャップに替えて、内容物の注出口を有する注出キャップを螺着し、外層をスクイズして内層を押圧することにより内層内の内容物を注出口から注出する。このように内容物を注出する過程で内層のしぼみ変形が進行する。そして、外層のスクイズを解除すると、外層は元の形状に復元する一方、内層は外層の復元変形に追従せず、これにより外層と内層との間に負圧が発生し、空気孔から外層と内層との間に空気が吸引されて内層が外層から剥離する。
特開2001−114328号公報 特開2001−146260号公報
ところで、前記従来の積層剥離ボトルでは、内容物の不使用期間中に、内層内に収容された内容物やこれに含有された成分の蒸発等による気化ガスが内層を透過して空気孔から外部に漏出するおそれがあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、内層内の内容物やこれに含有された成分の蒸発等による気化ガスが外部に漏出するのを防ぐことができる積層剥離ボトルを提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の積層剥離ボトルは、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外層の内側に、内容物を収容し、かつ内圧の減少によりしぼみ変形する可撓性に富む内層を剥離可能に積層して、壜体状にブロー成形された容器本体と、該容器本体の口部に着脱自在に螺着された封止キャップとから構成され、外層における前記口部の形成部分に、封止キャップの周壁部の内面に形成された雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、外層と内層との間に外気を吸入する空気孔とが形成され、内容物の使用に際し、前記封止キャップに替えて、内容物の注出口が形成された注出キャップが前記容器本体の口部に螺着される積層剥離ボトルであって、前記空気孔は、外層における前記口部の形成部分において、前記雄ねじ部よりもこの積層剥離ボトルの中心軸線方向の上方に形成され、外層における前記口部の形成部分の外面、および封止キャップの周壁部の内面のいずれか一方において、空気孔と雄ねじ部との間に位置する部分に、その全周にわたって、他方に密接するシール凸部が形成されていることを特徴とする。
この発明では、外層における前記口部の形成部分の外面、および封止キャップの周壁部の内面のいずれか一方において、空気孔と雄ねじ部との間に位置する部分に、その全周にわたって、他方に密接するシール凸部が形成されているので、内層内の内容物やこれに含有された成分の蒸発等による気化ガスが、内層を透過して空気孔を通過し前記中心軸線方向の下方に向けて流れ、封止キャップの開放端から外部に漏出しようとしても、この流れを前記シール凸部によって堰き止めることが可能になり、このガスが外部に漏出するのを防ぐことができる。また、外部からのガス侵入を防止することもできる。さらに、空気孔を通過したガスを、雄ねじ部および雌ねじ部が螺合した位置に到達する前に、前記シール凸部により堰き止めることが可能になり、これらの雄ねじ部および雌ねじ部が密着するのを防ぐことができる。
ここで、前記シール凸部は封止キャップの周壁部の内面に形成され、外層における前記口部の形成部分において、前記シール凸部が密接するシール面よりも前記中心軸線方向の上方に位置する部分の外径は、このシール面の外径よりも小さく、かつ前記シール凸部の内径よりも小さくされてもよい。
これに代えて、前記シール凸部は、外層における前記口部の形成部分の外面に形成され、封止キャップの周壁部において、前記シール凸部が密接するシール面よりも前記中心軸線方向の下方に位置する部分の内径は、このシール面の内径よりも大きく、かつ前記シール凸部の外径よりも大きくされてもよい。
また、これらの場合、封止キャップを容器本体の口部に着脱する際に、シール凸部が、封止キャップの周壁部の内面または外層における前記口部の形成部分の外面に引っかかるのを抑制することが可能になり、前記シール凸部を形成したことによって、封止キャップを容器本体の口部に着脱し難くなるのを防ぐことができる。
この発明に係る積層剥離ボトルによれば、内層内の内容物やこれに含有された成分の蒸発等による気化ガスが外部に漏出するのを防ぐことが可能になり、内容物の変質、および重量減少を抑制することができる。また、酸素等の外気の侵入も防ぐことができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。この実施形態に係る積層剥離ボトル10は、スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外層11の内側に、内容物を収容し、かつ内圧の減少によりしぼみ変形する可撓性に富む内層12を剥離可能に積層して、壜体状にブロー成形された容器本体13と、該容器本体13の口部13aに着脱自在に螺着された封止キャップ14とを備えている。
そして、外層11における前記口部13aの形成部分(以下、「外層口部」という)11aに、封止キャップ14の周壁部14bの内面に形成された雌ねじ部14cに螺合する雄ねじ部11bと、外層11と内層12との間に外気を吸入する空気孔15とが形成されている。
以上の積層剥離ボトル10は、封止キャップ14が容器本体13の口部13aに螺着されて販売され、需要者は内容物を使用する際、この封止キャップ14に替えて、内容物の注出口を有する図示されない注出キャップを螺着し、外層11をスクイズして内層12を押圧することにより、内層12内の内容物を注出口から注出する。このように内容物を注出する過程で内層12のしぼみ変形が進行する。そして、外層11のスクイズを解除すると、外層11は元の形状に復元する一方、内層12は外層11の復元変形に追従せず、これにより外層11と内層12との間に負圧が発生し、空気孔15から外層11と内層12との間に空気が吸引されて内層12が外層11から剥離するようになっている。
なお、積層剥離ボトル10は、共押出し成形した二層構造のパリソンを壜体状にブロー成形して形成され、例えば、外層11はポリエチレン樹脂製とされるとともに、内層12はポリエチレン樹脂に対して相溶性のないナイロン樹脂製とされている。また、封止キャップ14はポリプロピレン樹脂製とされている。さらに、封止キャップ14の天板部14aの内面には、その略全域にわたって例えば熱可塑性樹脂からなるシール材18が設けられ、封止キャップ14は、このシール材18を容器本体13の上端開口部に密接させた状態で口部13aに螺着している。
なお、積層剥離ボトル10の中心軸線Oは、口部13aに螺着された封止キャップ14、および容器本体13それぞれの径方向に直交し、かつこの径方向の中央部を通る直線とされている。
そして、本実施形態では、空気孔15は、外層口部11aにおいて雄ねじ部11bよりも前記中心軸線O方向の上方に形成され、封止キャップ14の周壁部14bの内面において、空気孔15と雄ねじ部11bとの間に位置する部分に、その全周にわたって、外層口部11aの外面に密接するシール凸部16が形成されている。なお、シール凸部16は、この積層剥離ボトル10の径方向に弾性変形域内で圧縮変形させられて、外層口部11aの後述するシール面17に密接している。
図示の例では、シール凸部16は封止キャップ14の周壁部14bの内面の全周にわたって条状に延在している。また、外層口部11aにおいて、シール凸部16が密接するシール面17よりも前記中心軸線O方向の上方に位置する部分の外径は、このシール面17の外径よりも小さく、かつシール凸部16の内径よりも小さくされている。さらに、シール凸部16の前記中心軸線O方向における大きさは、外層口部11aにおいて空気孔15の前記中心軸線O方向の下端から雄ねじ部11bの前記中心軸線O方向の上端までの距離以下とされている。
なお、シール面17の外径は雌ねじ部14cのねじ山部分における内径よりも小さくされている。また、シール凸部16の内径は雌ねじ部14cのねじ山部分における内径よりも大きくなっている。
以上説明したように本実施形態に係る積層剥離ボトル10によれば、外層口部11aの外面、および封止キャップ14の周壁部14bの内面のいずれか一方において、空気孔15と雄ねじ部11bとの間に位置する部分に、その全周にわたって、他方に密接するシール凸部16が形成されているので、内層12内の内容物やこれに含有された成分の蒸発等による気化ガスが、内層12を透過して空気孔15を通過し前記中心軸線O方向の下方に向けて流れ、封止キャップ14の開放端部14fから外部に漏出しようとしても、この流れをシール凸部16とシール面17との密接によって堰き止めることが可能になり、このガスが外部に漏出するのを防ぐことができる。また、外部からのガス侵入を防止することもできる。さらに、空気孔15を通過したガスを、雄ねじ部11bおよび雌ねじ部14cが螺合した位置に到達する前に、シール凸部16により堰き止めることが可能になり、これらの雄ねじ部11bおよび雌ねじ部14cが密着するのを防ぐことができる。
また、外層口部11aにおいて、シール面17よりも前記中心軸線O方向の上方に位置する部分の外径が、このシール面17の外径よりも小さく、かつシール凸部16の内径よりも小さくされているので、封止キャップ14を容器本体13の口部13aに着脱する際に、シール凸部16が外層口部11aの外面に引っかかるのを抑制することが可能になり、シール凸部16を形成したことによって、封止キャップ14を容器本体13の口部13aに着脱し難くなるのを防ぐことができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、外層11、内層12、封止キャップ14およびシール材18を形成する各材質は前記実施形態のものに限られない。また、空気孔15の個数および形成位置は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、空気孔15を外層口部11aに2つ形成し、これらの空気孔15を、外層口部11aにおいてこの積層剥離ボトル10の中心軸線Oを挟んで径方向に対向する位置にそれぞれ形成してもよい。そして、外層11および内層12が互いに対向する面において、各空気孔15、15が位置する周方向位置を回避した部分同士、特に周方向における各空気孔15、15間の中間位置を、前記中心軸線O方向の全域にわたって接着するのが好ましい。さらに、空気孔15の平面視形状は円形に限らず、例えば多角形状であってもよい。
また、前記実施形態に代えて、シール凸部16を外層口部11aの外面に形成する一方、シール面17を封止キャップ14の周壁部14bに形成してもよい。この場合、封止キャップ14の周壁部14bにおいて、シール面17よりも前記中心軸線O方向の下方に位置する部分の内径は、このシール面17の内径よりも大きく、かつシール凸部16の外径よりも大きくされるのが好ましい。このような構成においても、前記実施形態と同様の作用効果が奏される。
内層内の内容物やこれに含有された成分の蒸発等による気化ガスが外部に漏出するのを防ぐことができる。
本発明に係る一実施形態として示した積層剥離ボトルの容器本体を示す一部断面図である。 図1に示す容器本体に封止キャップが螺着された積層剥離ボトルの一部拡大断面図である。
符号の説明
10 積層剥離ボトル
11 外層
11a 外層口部(外層における口部の形成部分)
11b 雄ねじ部
12 内層
13 容器本体
13a 口部
14 封止キャップ
14b 周壁部
14c 雌ねじ部
15 空気孔
16 シール凸部
17 シール面

Claims (3)

  1. スクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外層の内側に、内容物を収容し、かつ内圧の減少によりしぼみ変形する可撓性に富む内層を剥離可能に積層して、壜体状にブロー成形された容器本体と、該容器本体の口部に着脱自在に螺着された封止キャップとから構成され、外層における前記口部の形成部分に、封止キャップの周壁部の内面に形成された雌ねじ部に螺合する雄ねじ部と、外層と内層との間に外気を吸入する空気孔とが形成され、内容物の使用に際し、前記封止キャップに替えて、内容物の注出口が形成された注出キャップが前記容器本体の口部に螺着される積層剥離ボトルであって、
    前記空気孔は、外層における前記口部の形成部分において、前記雄ねじ部よりもこの積層剥離ボトルの中心軸線方向の上方に形成され、
    外層における前記口部の形成部分の外面、および封止キャップの周壁部の内面のいずれか一方において、空気孔と雄ねじ部との間に位置する部分に、その全周にわたって、他方に密接するシール凸部が形成されていることを特徴とする積層剥離ボトル。
  2. 請求項1記載の積層剥離ボトルにおいて、
    前記シール凸部は封止キャップの周壁部の内面に形成され、外層における前記口部の形成部分において、前記シール凸部が密接するシール面よりも前記中心軸線方向の上方に位置する部分の外径は、このシール面の外径よりも小さく、かつ前記シール凸部の内径よりも小さくされていることを特徴とする積層剥離ボトル。
  3. 請求項1記載の積層剥離ボトルにおいて、
    前記シール凸部は、外層における前記口部の形成部分の外面に形成され、封止キャップの周壁部において、前記シール凸部が密接するシール面よりも前記中心軸線方向の下方に位置する部分の内径は、このシール面の内径よりも大きく、かつ前記シール凸部の外径よりも大きくされていることを特徴とする積層剥離ボトル。

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