JP4845419B2 - 摺動部材用セラミックスとその製造方法及びこれを用いたメカニカルシールリング - Google Patents

摺動部材用セラミックスとその製造方法及びこれを用いたメカニカルシールリング Download PDF

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Description

本発明は主に自動車冷却水ポンプ、冷凍機等の軸封装置として用いられるメカニカルシールにおけるシールリング等を形成する摺動部材用セラミックス及びその製造方法に関するものである。
摺動部材用セラミックスの一例として、メカニカルシールに用いられるシールリングが用いられている。
メカニカルシールとは、各種機械の回転部の流体完全密封を目的とした流体機器の軸封装置の一つであり、摺動面の摩耗に従い軸方向に動くことができる従動リングと動かないシートリングからなり、振動を緩衝する機構を有し、相対的に回転する軸にほぼ垂直な密摺動面密封端面において、流体の漏れを制限する働きをするものである。
図1にその基本構造を示すように、シールリングは、回転軸1とケーシング2との間に取り付けられ、シール作用のおよぶ摺動面3は静止部材であるシートリング5と回転部材である従動リング6との対接面で回転軸1に対して垂直面を形成してシール作用をしている。従動リング6はパッキング7によって緩衝的に支持されており、回転軸1には接触していない。
カラー9は回転軸1にはめられ、セットスクリュー10によって回転軸1に固定される
。カラー9とパッキング7との間には回転軸1を巻回するようにコイルスプリング8が介在している。従動リング6とカラー9はコイルスプリング8の弾発力により、互いの相対的な回転が防止され、従動リング6は軸方向のみ動かすことができる。
シートリング5の側端面と従動リング6の側端面とはいずれも回転軸1の軸線に対して、ほぼ垂直なものとし、これらの面はラップによって表面粗さや平面度を小さくした摺動面3を形成している。
密封流体は外部より供給され、その一部は互いの摺動面3によって形成される微少空間に浸入し、潤滑剤として作用する。それぞれの摺動面3はコイルスプリング8の弾発力によって互いに摺接するように構成されている。緩衝ゴム4はケーシング2の内側からシートリング5を緩衝的に支持しており、微少空間に浸入した潤滑剤が回転軸1の回転中もシールリング内周に漏れるのも防いでいる。回転軸1が回転すると、カラー9は回転し、コイルスプリング8、パッキング7を介して、従動リング6も回転する。回転に伴って発生する摩擦によって摺動面3は摩耗するが、従動リング6がシートリング5に圧接された状態は維持され、摺動面3の密着は保たれる。摺動面3に対する回転軸1の振動は、緩衝ゴム4とパッキング7によって緩和され、伝わりにくくされている。
以上の構造によりメカニカルシールが成り立っているが、一般的にシートリング5と従動リング6がシールリングと呼ばれている。
ここで使用されているシールリング用部材としては、カーボン材、超硬合金、炭化珪素質セラミックス、アルミナ質セラミックスが主として用いられ、近年では高硬度で高耐食性を有し、摺動時の摩擦係数が小さく平滑性も優れた炭化珪素質セラミックスを用いるケースが増加している。
また、この炭化珪素質セラミックスの中でも更に摺動特性を向上させる目的で、炭化珪素質セラミックスの製造工程中に造孔剤を用いて気孔を形成させた炭化珪素質セラミックスが注目されている。
例えば、特許文献1では、造孔剤として乳化重合させたポリスチレンビーズを用いて、平均気孔径10〜40μmの独立気孔を気孔率3〜13体積%含有した炭化珪素質のシールリングが提案されている。
また特許文献2では、造孔剤として架橋性ポリスチレンビーズ、架橋性ポリメチルメタクリレートビーズ、架橋性ポリエチレンビーズ等を用いて、気孔率2〜12体積%の範囲で平均気孔径50〜500μmの独立気孔を形成した炭化珪素質セラミックスのシールリングが提案されている。
また特許文献3では、セラミック製摺動部材の摺接面に平均気孔径が5〜30μmの独立した開気孔を有するとともに、任意に10箇所選んだ上記摺接面の実体摺動面積率が40〜90%で、かつ上記10ヶ所の領域の実体摺動面積率の標準偏差値が4〜10%であり、アルキメデス法で測定した気孔率が4%以下である多孔質セラミックスにより形成したセラミック製摺動装置が提案されている。
特公平05−69066号公報 米国特許第5395807号公報 特許第3481774号公報
しかしながら、特許文献1、2で提案されたシールリングには独立気孔の平均気孔径は示されているものの、上述のように造孔剤として真球状の架橋性ポリスチレンビーズや乳化重合させたポリスチレンビーズを用いた場合、これら造孔剤は圧縮強度が高いため、加圧、成形後に弾性回復することで、独立気孔は球状体をなし、その孔径のばらつきも制御することができないため、十分な強度を得ることができず、摺動部材として用いた際に長期間の使用によってクラックが生じやすいという問題があった。
また、このような造孔剤を用いたシールリングでは、成形後の弾性回復時や脱脂時に独立気孔を起点としたマイクロクラックが発生しやすく、十分な耐熱衝撃温度が得られにくいため、長時間の使用によって温度が上昇した際にクラックが生じやすいという問題があった。
さらに、これら造孔剤は圧縮強度が高いため、独立気孔の平均孔径もばらつきやすく、例えば摺動面に対し平行な面内における独立気孔の孔径の累積分布曲線を作成した場合、累積分布曲線における累積25体積%の位置に対する累積75体積%の位置の比が1.9を超える大きなものとなっていたため、強度の高い摺動部材用セラミックスを得ることができなかった。
またさらに、通常、シールリングは図1に示すように回転軸方向で厚みが薄い構造をとるため、独立気孔が球状体であると、摺動面3に対し垂直な断面上で、空隙部分の比率が高くなり、この方向の強度が不足し、特に摺動部材として負荷が生じる部分の強度が不足するため、長期間使用することができないという問題もあった。
また、特許文献3では気孔の均一分散について示されているが気孔率が4%以下と小さいのに実体摺動面積率が41〜62%(実施例に記載の値)、すなわち気孔面積率が38%〜59%と大きくなっている。
もし仮に気孔が均一に存在している場合、体積気孔率と面積気孔率は一致するため、上記文献では摺動面に凹溝や加工傷を導入しており、それらを含んだ状態で気孔面積率を均一にしていると考えられ、造孔により導入した気孔の分散性について評価された物ではない。加えて長時間の摺動運転の後、摺接面の摩耗が進んだ際に、凹溝や加工傷が消えてしまい、かつ造孔により導入された気孔が少ない面が現れた際に実体摺動面積が増加し、潤滑剤の供給が充分に行われず、摺動トルクが増大するという問題があった。また気孔率が大きい時、気孔の分散が充分でないと貫通気孔になってしまう可能性が高くなる事から従来技術は気孔率を抑える傾向があり、潤滑性を充分に保てなくなる場合があった。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであってその目的は、シールリング等の摺動部材としての強度を確保し、且つ摺動特性に優れ、クラックやカケの無い高品位の摺動部材用セラミックスを容易で安価に提供することにある。
本発明の摺動部材用セラミックスは、炭化珪素質セラミックスからなり、孔径5μm以上の独立気孔を有し、摺動面を備える摺動部材用セラミックスであって、上記独立気孔は、シリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれる真球状の樹脂ビーズを混合した粉末原料を用いて成形したのち焼成することによって形成されてなり、上記摺動面に対し垂直な断面において、上記独立気孔は、摺動面に対し垂直な方向に短軸を、平行な方向に長軸を有する扁平体であり、上記断面における上記独立気孔の断面積(S1)が、上記独立気孔の長軸を直径とした場合の円の面積(S2)の95%以下であるとともに、上記摺動面に対し平行な面内における上記独立気孔の孔径の累積分布曲線において、累積2
5体積%の孔径(P25)に対する累積75体積%の孔径(P75)の比(P75/P25)が1.9以下であることを特徴とする。
また、本発明の摺動部材用セラミックスは、4点曲げ強度が200MPa以上であることを特徴とする。
さらに、本発明の摺動部材用セラミックスは、耐熱衝撃温度が300℃以上であることを特徴とする。
またさらに、本発明の摺動部材用セラミックスは、上記独立気孔の一部が上記摺動面上に形成された開気孔であって、この開気孔の孔径が100μm以下であることを特徴とする。
さらにまた、上記摺動面上に1mm間隔で任意に10箇所選ばれた1.8mm×1.3mmの領域における気孔率が13〜18%であり、上記摺動面上に形成された開気孔の気孔面積率の標準偏差が2%以下であることを特徴とする。
また、上記10箇所の領域における気孔数の合計が220〜330個、気孔数の標準偏差が55個以下であることを特徴とする。
さらに、80μm以上の気孔径を有する気孔数が、全気孔数の5%以下であることを特徴とする。
また、本発明の摺動部材用セラミックスは、上記開気孔内に遊離炭素を含有することを特徴とする。
さらに、本発明の摺動部材用セラミックスの製造方法は、造孔剤である、シリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれる真球状の樹脂ビーズと、該樹脂ビーズと同体積となる造粒粉の一部とを混合、撹拌して混合原料を得る工程と、該混合原料と造粒粉の残部とを交互に容器へ投入して、一軸回転混合機を用いて粉末原料を得る工程と、該粉末原料を加圧、成形することにより上記造孔剤を加圧方向に塑性変形させて所望形状の成形体を得る工程と、該成形体を加熱焼結させることにより焼結体を得る工程と、該焼結体に加工を施して摺動面を形成する工程とを具備したことを特徴とする。
また、本発明のメカニカルシールリングは、本発明の摺動部材用セラミックスからなることを特徴とする。
本発明の摺動部材用セラミックスによれば、炭化珪素質セラミックスからなり、孔径5μm以上の独立気孔を有し、摺動面を備える摺動部材用セラミックスであって、上記独立気孔は、シリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれる真球状の樹脂ビーズを混合した粉末原料を用いて成形したのち焼成することによって形成されてなり、上記摺動面に対し垂直な断面において、上記独立気孔は、上記摺動面に対し垂直な方向に短軸を、平行な方向に長軸を有する扁平体であり、上記断面における上記独立気孔の断面積(S1)が、上記独立気孔の長軸を直径とした場合の円の面積(S2)の95%以下であるとともに、上記摺動面に対し平行な面内における上記独立気孔の孔径の累積分布曲線において、累積25体積%の孔径(P25)に対する累積75体積%の孔径(P75)の比(P75/P25)が1.9以下であることから、平均孔径のばらつきが低減された独立気孔
が得られるとともに、強度の高い摺動部材用セラミックスが得ることができる。
また、本発明の摺動部材用セラミックスによれば、4点曲げ強度を200MPa以上とすることで、使用環境や使用条件に拘束されないため、過酷な条件下でも使用することができ、適用範囲を拡げることができる。
さらに、本発明の摺動部材用セラミックスによれば、耐熱衝撃温度を300℃以上とすることで、メカニカルシール等のように、起動時に摩擦熱を発生して、熱衝撃を受け、ヒートクラックが発生しやすいようなものであっても、ヒートクラックを防止することができる。
またさらに、本発明の摺動部材用セラミックスによれば、上記独立気孔の一部が上記摺動面上に形成された開気孔の孔径を100μm以下とすることから、開気孔と摺動面によって形成されるエッジの全長が短くなり、本発明に係る摺動部材と摺接する相手部材がカーボン等の軟質材であっても、上記エッジによる相手部材への損傷という危険性を回避することができる。
さらにまた、本発明の摺動部材用セラミックスによれば、上記摺動面上に1mm間隔で任意に10箇所選ばれた1.8mm×1.3mmの領域における気孔率が13〜18%であり、上記摺動面上に形成された開気孔の気孔面積率の標準偏差が2%以下であることから、気孔率が大きくて摺動特性が向上すると共に、気孔の分散状態が均一にされるため気孔が貫通気孔となる事を防ぎ、例えば流体密封を目的としたメカニカルシールなどに使用する場合、密封対象である流体の漏れを極力抑えることができる。
また、本発明の摺動部材用セラミックスによれば、上記10箇所の領域における気孔数の合計が220〜330個、気孔数の標準偏差が55個以下であることによって、凝集気孔または集中して存在する気孔がなくなり、一般におろし金現象と呼ばれる相手材の異常摩耗を抑えることができる。その結果、相手材がカーボンのような軟質材でもその摩耗程度を軽減することができる。
特に相手材の異常磨耗を引き起こすおろし金現象は、開気孔と摺接面で作られるエッジの全長が長い気孔が多いとその磨耗程度が顕著であるため、80μm以上の気孔径を有する気孔数が、全気孔数の5%以下である場合は、摩耗の促進をさらに抑えることができる。
また、本発明の摺動部材用セラミックスによれば、開気孔内に遊離炭素を含有することで、開気孔から潤滑剤とともに遊離炭素は摺動面上に供給され、この遊離炭素の潤滑作用により、摺動初期に異音やリンキングが発生するような摺動部材であっても、異音やリンキングの発生を防ぐことができる。
さらに、本発明の摺動部材用セラミックスの製造方法によれば、造孔剤である、シリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれる真球状の樹脂ビーズと、該樹脂ビーズと同体積となる造粒粉の一部とを混合、撹拌して混合原料を得る工程と、該混合原料と造粒粉の残部とを交互に容器へ投入して、一軸回転混合機を用いて粉末原料を得る工程と、該粉末原料を加圧、成形することにより上記造孔剤を加圧方向に塑性変形させて所望形状の成形体を得る工程と、該成形体を加熱焼結させることにより焼結体を得る工程と
該焼結体に加工を施して摺動面を形成する工程を具備したことにより、開気孔から摺動面に潤滑剤を適切に供給することができるとともに、摺動部材として十分な強度を確保することができる。
記樹脂ビーズがシリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれるものであることにより、その圧縮強度が1.2MPa以下と低く、通常セラミック成形体を形成するのに使用される圧力下、例えば98MPaで容易に塑性変形し、扁平体の独立気孔ることができる。
また、本発明の摺動部材用セラミックスを用いたメカニカルシールによれば、特に自動車冷却水ポンプ用シールリングに用いることで、高信頼性、長寿命の摺動部材となる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は各種機械の回転部の流体完全密封を目的とした流体機器の軸封装置の一つであるメカニカルシールの基本構造を示したものであり、このメカニカルシールの心臓部は、従来技術で説明したシートリング5と従動リング6とで構成されるシールリングである。
本発明は、上記シールリング等の各種摺動部材における上記課題を解決すべく、これら摺動部材を成す摺動部材用セラミックスを種々検討したものである。
本発明の摺動部材用セラミックスは、図2及び図3に示すように、孔径5μm以上の独立気孔11が摺動面3に対し垂直な方向に短軸を、平行な方向に長軸を有する扁平体であり、摺動面に対し垂直な断面における独立気孔11の断面積(S1)が、独立気孔11の断面の長軸を直径とした場合の円の面積(S2)の95%以下であるとともに、摺動面3に対し平行な面内の任意の部分において、独立気孔11の孔径の累積分布曲線における累積25体積%の孔径(P25)に対する累積75体積%の孔径(P75)の比(P75/P25)が1.9以下とすることが重要であることを見出した。
ここで、累積25体積%の孔径(P25)に対する累積75体積%の孔径(P75)の比(P75/P25)を規定したのは、独立気孔の種々の径の全体分布の特徴が最も顕著に示されるからである。
なお、本発明における独立気孔11とは、シートリング5の断面を模式的に示した図2の断面図のように、他の気孔と連通しない独立した気孔を示し、摺動部材用セラミックス内部に存在する孔径5μm以上の閉気孔と、摺動面3等の摺動部材用セラミックスの表面に存在する孔径5μm以上の開気孔とから構成されものである。なお、強度を維持する点から独立気孔11の孔径は120μm以下とすることが好ましい。
また、独立気孔は、成形圧力等の諸条件により成形体に元々含まれる独立気孔と、塑性変形する樹脂ビーズによって形成される独立気孔11とが存在するが、独立気孔11の孔径を5μm以上とすることで、本願において独立気孔11とは、塑性変形する樹脂ビーズによって形成される独立気孔11ことを指す
さらに、独立気孔11が摺動面3に対し垂直な方向に圧縮された扁平体とは、例えば図2(b)、(c)、図3に示すような回転楕円体11aや回転楕円体と近似した形状の構造体11bであり、圧縮方向の軸aより、この軸と直交する軸bのほうが長い構造体をいう。
なお、独立気孔11の孔径は、独立気孔11が摺動面3に対し垂直な方向圧縮された扁平体であって、しかも回転楕円体11aである場合には、摺動面3と平行であって、回
転中心を含む断面における直径を独立気孔11の孔径とする。また、独立気孔11が摺動面3に対し垂直な方向から圧縮された扁平体でありながら、部分的に切断されていたり、形状が部分的に歪んだ回転楕円体と近似した形状の構造体11bの場合、近似した仮想回転楕円体を作成し、摺動面3と平行であって、回転中心を含む断面における直径を独立気孔11の孔径とし、顕微鏡を用い、例えば倍率を200倍として測定することができる。
ここで、独立気孔11が図2(a)に示すように摺動面3に対し垂直な方向に圧縮された扁平体とすることにより、独立気孔11が真球の場合に比べ、摺動面3に対し垂直な断面での空隙部分の比率を低減させることができ、この方向に必要な強度を確保できる。特に、その形状は摺動面3に対し平行な面内では円形であって、摺動面3に対し垂直な面内では楕円形である回転楕円体、あるいはその近似体であることが好適である。
また、独立気孔11の断面積(S1)をこの独立気孔11の断面が真円であるとした場合の面積(S2)の95%以下とすることにより、摺動面3に対し垂直な断面での空隙部分、即ち、摺動時に高強度が要求される方向での空隙部分の比率を小さくすることができるため、摺動部材用セラミックスの強度をより高いものとすることができる。
一方、面積比(S1/S2)が95%を超えると摺動面3に対し垂直な断面で、空隙部分の比率高くなり、この方向の強度が不足する。特に、上記面積比(S1/S2)は、91%以下であることが好適である。
なお、面積比(S1/S2)については、上記図に示すようなシールリングでは、例えば、摺動面3に対し垂直な断面を鏡面加工し、その断面を顕微鏡により倍率200倍で写真撮影して求めることができる。また、独立気孔11の孔径の累積分布曲線については摺動面3を鏡面加工し、顕微鏡により倍率200倍で写真撮影し、写真内における視野面積が0.146mm2となるように範囲を設定し、この範囲内にある孔径5μm以上の独立気孔の孔径をすべて計測した後、階級の幅を5μmとして累積分布曲線を作成すればよい。なお、上記断面や摺動面3を得るには、先ず平面研削盤で平面とし、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を用いてアルミナ製のラップ盤で粗加工した後、算術平均粗さRaが0.62〜1.47μmとなるように錫製のラップ盤で鏡面加工すればよい。
さらに、摺動面3に対し平行な面内における独立気孔11の孔径の累積分布曲線において、累積25体積%の孔径(P25)に対する累積75体積%の孔径(P75)の比(P75/P25)を1.9以下とすることにより、孔径のばらつきを抑え、摺動部材として十分な強度を確保することができる。
一方、比(P75/P25)が1.9を超えると、孔径のばらつきが大きく、摺動部材として十分な強度を確保することができなくなる。さらには、比(P75/P25)は1.7以下であることが好適である。
ここで、上記独立気孔11の孔径の累積分布曲線とは、2次元のグラフにおける横軸を独立気孔11の孔径、縦軸を孔径の累積比率とした場合、孔径の累積分布を示す曲線をいい、独立気孔11の孔径の分布範囲を示すものである。
この累積分布曲線は図4のようX軸に独立気孔の孔径、Y軸に独立気孔の累積体積をとった座標で示され、上述の方法で測定した径を有する累積体積をとった場合の各孔径をとって算出されるものであり、図4(a)では比(P75/P25)が1.9、図4(b)では比(P75/P25)が1.7の累積分布曲線である。
また、上述のように摺動部材用セラミックスの4点曲げ強度を200MPa以上、耐熱
衝撃温度を300℃以上とするには、独立気孔11の気孔率を18%以下とすることが必要である。
また、上記摺動部材用セラミックスの4点曲げ強度は200MPa以上であることが好適である。
4点曲げ強度が200MPa未満では使用環境や使用条件が拘束され、広範な分野で用いることができないからであり、4点曲げ強度を200MPa以上とすることで過酷な条件下でも使用することができ、適用範囲を拡げることができるからである。さらに、4点
曲げ強度を200MPa以上とするには、上述のように摺動面3に対し垂直な断面で、空隙部分の比率を低くすることができるとともに、孔径のばらつきを抑えられ、摺動部材用セラミックスの4点曲げ強度を200MPa以上とすることができ、230MPa以上とすることがより好ましい。
なお、上記4点曲げ強度については、摺動部材用セラミックスをJIS C 2141−1992に準拠する抗折試験片と同一形状になるように作製し、このJIS規格に準拠して4点曲げ強度を測定すればよい。
さらに、摺動部材用セラミックスの耐熱衝撃温度を300℃以上とすることが好ましく、例えばメカニカルシールのように、起動時に摩擦熱を発生して熱衝撃を受け、ヒートクラックが発生しやすいようなものに用いた場合にも、ヒートクラックを防止することができる。
なお、耐熱衝撃温度を300℃以上とするには、焼結助剤としてアルミナ、イットリアを用いることで達成でき、これら焼結助剤を用いることで、粒界相の破壊靱性を向上でき、摺動面3に対し垂直な断面で空隙部分の比率を低くして孔径のばらつきを抑えるため、耐熱衝撃温度を高いものとすることができる。
また、独立気孔11の一部が摺動面3上に形成された開気孔であって、この開気孔の孔径が100μm以下であることが好ましく、これにより、開気孔と摺動面3によって形成されるエッジの全長が短くなり、本発明の摺動部材用セラミックスによって形成された摺動部材と摺接する相手部材がカーボン等の軟質材であっても、上記エッジによる相手部材への損傷を防止することができる。
一方、開気孔の孔径が100μmを超えると、開気孔と摺動面によって形成されるエッジの全長が長くなり、相手部材が軟質材である場合、上記エッジで相手部材を損傷する危険性が増加する。特に、上記開気孔の孔径は80μm以下であることが好適である。また、摺動面3上に形成された開気孔は、すべての気孔に対し7体積%以上であることが好適である。
なお、独立気孔11の一部を摺動面3上に形成された開気孔とし、この開気孔の孔径を100μm以下にするためには、造孔剤となる樹脂ビーズの最大粒径を125μm以下にし、混合原料を作製する段階で樹脂ビーズが造粒粉に均一に分散させればよい。
また、開気孔の形状は、仮想回転楕円体またはその近似体であって、仮想回転楕円体の回転中心を通る断面は摺動面と略一致することが好ましい。仮想回転楕円体の回転中心を通る断面を摺動面と略一致させることで、開口部の面積、開気孔の容積ともに大きくすることができ、その結果、外部からの潤滑剤を開気孔内部に貯溜しやすくなると同時に、開気孔から潤滑剤を適切に供給しやすくなるからである。
さらにまた、本発明の摺動部材用セラミックスによれば、上記摺動面上に1mm間隔で任意に10箇所選ばれた1.8mm×1.3mmの領域における気孔率が13〜18%であり、上記摺動面上に形成された開気孔の気孔面積率の標準偏差が2%以下であることが好適である。
分散状態を上述のように良好とすることにより、摩耗が進んで運転初期の摺接面の状態が変化しても、セラミックス中にある閉気孔が新たな開気孔となり潤滑剤の供給源として機能し、摺接面に安定して潤滑剤を供給することができ、運転初期と長時間運転後の摺動特性が変化なく一定にすることができる。加えて、気孔率が高く潤滑性が優れた状態でありながら貫通気孔が存在せず、密封対象となる流体がセラミックス中を通過して漏れ出ない。
一方、気孔面積率の標準偏差が2.0%を超えてしまうと、摺動部材用セラミックスの気孔の分散が悪い状態となり閉気孔同士が凝集し貫通気孔を形成してしまうため密封対象となる流体が摺動部材用セラミックスを通過して漏れてしまう。また、摩耗によって気孔の少ない面が出されると、摺接面に適切に潤滑剤を供給できなくなり、摩擦熱による摺動部材周辺の温度の上昇、摺動時の鳴きの発生、リンキングの原因となり摺動特性が低下してしまう。さらには気孔面積率の標準偏差は1.5%以下であることがより好適である。
なお、気孔面積率については、対象となる摺動部材用セラミックスを鏡面加工し、その鏡面を顕微鏡により倍率50倍で写真撮影した後、画像解析装置を用いて求めることができる。また、鏡面を得るには、先ず平面研削盤で平面とし、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を用いてアルミナ製のラップ盤で粗加工した後、算術平均粗さRaが0.62〜1.47μmとなるように錫製のラップ盤で鏡面加工すればよい。またここで言う鏡面とは、造孔剤によって作られた気孔以外の緻密質部分に加工傷がない状態を言う。なお、表面粗さRaは触針式表面粗さ計を用いて測定した。
さらに、摺動部材用セラミックスは、摺接面上から任意に1mm間隔で1.8mm×1.3mmの領域を10ヶ所選び、その各々の領域における気孔数の合計が220〜330個であり、且つ標準偏差が55個以下であることが好適である。
標準偏差が55個を越えるような場合、気孔の数が220個より小さい又は330個より大きな部分ができてしまい、貫通気孔を形成し密封対象となる流体が漏れだしてしまう可能性がある。また、凝集気孔や気孔が集中した部分が、一般におろし金現象と呼ばれる相手材の異常摩耗を引き起こす原因となってしまい、特に相手材がカーボンのような軟質材の場合、その摩耗程度が顕著に出てしまう。そのため、相手材として硬質材を選択せざるをえなくなり、設計上の制約を受けてしまうことになる。さらには気孔の数の標準偏差は30個以下であることがより好適である。
なお、気孔の数については、上述と同じく対象となるセラミックスを鏡面加工し、その鏡面を顕微鏡により倍率50倍で写真撮影した後、画像解析装置を用いて求めることができる。
さらに摺動部材用セラミックスは、上記観察領域において、80μm以上の気孔径を有する気孔数が、全気孔数の5%以下であることが好適である。
気孔径が80μm以上の気孔数の割合が5%よりも大きいときは、開気孔と摺接面で作られるエッジの全長が長い気孔が多く存在する部分があるためおろし金現象がより顕著に現れ、摩耗を促進してしまう可能性が高い。さらには気孔数の割合4%以下であることがより好適である。
またさらに、上記独立気孔11のうち開気孔内に遊離炭素を含有することで、開気孔から潤滑剤とともに遊離炭素は摺動面上に供給され、この遊離炭素の潤滑作用により、摺動初期に異音やリンキングが発生するような摺動部材であっても、異音やリンキングの発生を防ぐことができる。
開気孔内に遊離炭素を含有させるには、後で詳述するように、焼結助剤として炭素粉末を用いればよく、焼結時に開気孔に残留した炭素が、摺動時には遊離炭素として潤滑作用を施すのである。
次に、本発明の摺動部材用セラミックスの製造方法の一例について説明する。
先ず、炭化珪素粉末にアルミナ粉末、イットリア等の稀土類酸化物粉末、分散剤及び水を加え、ボールミルで混合してスラリー化し、このスラリーに成形助剤を添加、混合した後、噴霧乾燥して造粒粉とし、造孔剤となる、シリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれる真球状の樹脂ビーズをこの造粒粉と混合して混合原料とする。アルミナ粉末や稀土類酸化物粉末は焼結助剤として作用し、耐熱衝撃温度300℃以上が要求される摺動部材にはアルミナ粉末や稀土類酸化物粉末を用いることが好適である。
また、アルミナ粉末や稀土類酸化物粉末以外の焼結助剤としては炭素粉末や硼素粉末を組み合わせてもよく、炭素粉末を焼結助剤に用いた場合、開気孔内に容易に遊離炭素を含有させられ、この遊離炭素が摺動面3上に流出することで摺動特性を向上させられるため、摺動初期に異音やリンキングが発生しやすい摺動部材には好適である。
さらに、独立気孔11の孔径を5μm以上にするには、樹脂ビーズの最小粒径を10μm以上とすることが好ましく、また孔径を120μm以下とするには、樹脂ビーズの最大粒径を150μm以下とすることが好ましい。また、摺動面3上に形成された開気孔の孔径を100μm以下にするには、樹脂ビーズの最大粒径を125μm以下、平均粒径を50μm以下とすることが好ましい。
また、扁平形状をした独立気孔の分散状態を、気孔率が13〜18%の摺動部材用セラミックスにおいて、摺接面上から任意に1mm間隔で1.8mm×1.3mmの領域を10ヶ所選び、その10箇所の領域における気孔面積率の標準偏差が2%以下、そして該観察領域における気孔の数が220〜330であり、かつ10箇所の領域における気孔の数の標準偏差が55以下とするには、造孔剤である真球状の平均粒径が25〜50μmである樹脂ビーズを全セラミック造粒粉に対して14〜15ol%と、全セラミックス造粒粉の15ol%とを混合、撹拌し、残りの造粒粉と該混合原料を交互に容器に投入して、一軸回転混合機を用いて粉末原料を得る工程と、該粉末原料を加圧、成形することにより上記造孔剤を加圧方向に塑性変形させて所望形状のセラミック成形体を得る工程と、該セラミック成形体を加熱焼結させることによりセラミックスを得る工程とを具備することから、開気孔から摺動面に潤滑剤を適切に供給することができるとともに、摺動部材として十分な強度を確保することができる。
また造孔は、真球状でありながら、セラミックス原料の成形圧力で加圧方向に塑性変形する造孔を使用することが重要である。あらかじめ扁平形状にした造孔剤を用いた場合、造孔の流動性が落ちるため、均一に分散するために混合時間が長くなってしまいコスト増の原因となってしまう。また造孔をスラリーに添加するのではなく、セラミックス顆粒と混合する場合には、混合時間の長期化によりセラミックス顆粒が壊れてしまい、セラミックス原料の流動性が落ち、成形時の充填不良などを起こしてしまい、製品の歩留
まりを下げてしまう。
次に、樹脂ビーズが加圧方向に塑性変形する圧力、例えば98MPa以上で上記混合原料を加圧、成形して所望形状のセラミック成形体とした後、セラミック成形体を窒素雰囲気中、10〜40時間で昇温し、450〜650℃で2〜10時間保持後、自然冷却して脱脂すればよい。
ここで、上記樹脂ビーズが加圧方向に塑性変形する圧力で加圧、成形することが重要であり、樹脂ビーズが加圧方向に塑性変形することで、焼成後に摺動面3上に存在する開気孔から、開気孔内部に貯溜していた潤滑剤を摺動面3上に適切に供給することができるとともに、摺動部材として十分な強度を確保することができる。
そして、炭化珪素質セラミックスからなることで、耐摩耗性の優れた摺動部材用セラミックスを得ることができる。
これは、炭化珪素質セラミックス自体高い硬度を有するとともに、炭化珪素を構成する炭素が優れた吸着活性を示すため、低摩擦が実現可能となるからである。
また、樹脂ビーズが、シリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれるものであることにより、その圧縮強度が1.2MPa以下と低、通常セラミック成形体を形成するのに使用される圧力下、例えば98MPaで容易に塑性変形し、扁平体の独立気孔11ることができる。
一方、加圧方向に弾性変形する、あるいは加圧しても変形しない樹脂ビーズ、例えばアクリルや架橋性のポリスチレンからなる樹脂ビーズを用いると、独立気孔が球状体となり、摺動面に対し垂直な断面での空隙部分の比率を十分低減させることができず、摺動部材として十分な強度を確保することができない。
そして、脱脂されたセラミック成形体をアルゴン等の不活性ガス雰囲気中、1800〜1900℃で、3〜5時間保持して焼結させることで、焼結体を得ることができる。
そして、得られた焼結体において、相対する摺動部材に対向する面を必要に応じて研削、研磨等の加工を施せばよく、例えば、この面を両頭研削盤や平面研削盤等で平面とした後、上記セラミックスがシールリングとして用いられる場合には、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を用いてアルミナ製のラップ盤で粗加工し、錫製のラップ盤でシール性が維持できるように算術平均粗さRaが3.00μm以下となるように鏡面加工することにより、本発明の摺動部材用セラミックスを得ることができる
上述の製造方法により作製された摺動部材用セラミックスは、高い強度が得られるだけにとどまらず、ヒートクラックや相手部材への損傷、異音、リンキングの発生を防止できる等高品位、高信頼性のものとなる。
従って、例えば上記摺動部材用セラミックスを高強度で摺動特性に優れることが要求される自動車冷却水ポンプ用シールリングに用いることは、非常に好適である。
さらに、本発明の摺動部材用セラミックスは、シールリング以外、例えば、ベアリング部材、フォーセット部材、ポンプ部材等の摺動部材にも用いても好適である。
以下本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
炭化珪素粉末に、アルミナ粉末、イットリア粉末、分散剤及び水を所定量加えボールミルに投入した後、48時間混合してスラリー化した。このスラリーに成形助剤を添加、混合した後、噴霧乾燥することにより平均粒径18μmの造粒粉を得た。
次に、この造粒粉に対し、表1に示す樹脂ビーズを8量%添加、混合して混合原料を得た後、98MPaの圧力で所定形状に成形し、No.1〜11の試料を得た。
その後、試料No.1〜11を窒素雰囲気中、600℃で5時間保持して脱脂した後、アルゴン雰囲気中、1850℃で3時間保持して焼結させた。ここで、試料No.1〜11は独立気孔の評価用として上面または下面の少なくともいずれかが摺動面となる円盤体各3個、4点曲げ強度の評価用として抗折試験片各10個からそれぞれ構成されるものである。
得られた各試料の独立気孔の面積比(S1/S2)、独立気孔の累積分布曲線の累積75体積%と累積25体積%の位置の孔径の比P75/P25及び4点曲げ強度を評価した。
ここで、独立気孔の面積比(S1/S2)については円盤体各3個を用い、その摺動面に対し垂直な断面を鏡面加工し、各円盤体に対する任意の断面を顕微鏡により倍率200倍で写真撮影して求めた。また、独立気孔の孔径の累積分布曲線については上記円盤体各3個の摺動面を鏡面加工し、顕微鏡により倍率200倍で写真撮影し、写真内における視野面積が0.146mm となるように範囲を設定し、この範囲内にある孔径5μm以上の独立気孔の孔径をすべて計測した後、階級の幅を5μmとして累積分布曲線を作成した。なお、上記断面、摺動面とも平面研削盤で平面とした後、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を用いてアルミナ製のラップ盤で粗加工した後、算術平均粗さRaが0.62〜1.47μmとなるように錫製のラップ盤で鏡面加工したものである。
4点曲げ強度については、上記抗折試験片をJIS C 2141−1992に準拠して測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0004845419
表1より明らかなように、面積比(S1/S2)が95%を超える試料No.1,2は加圧方向の任意の断面で空隙部分の比率が高いため、4点曲げ強度の平均値は198MPa以下と低く、摺動部材に適用することはできなかった。
また、独立気孔の孔径の累積分布の比(P75/P25)が1.9を超える試料No.2,5,8,11は、いずれも孔径のばらつきが大きいため、4点曲げ強度の幅が41.5MPa以上と大きく、信頼性の高い摺動部材にすることはできなかった。
一方、面積比(S1/S2)が95%以下であって、累積分布の比(P75/P25)が1.9以下である試料No.3,4,6,7,9,10は、加圧方向の任意の断面で空隙部分の比率が低く、かつ孔径のばらつきも小さいため、4点曲げ強度の平均値が220MPa以上、また4点曲げ強度の最小値が200MPa以上と高くなっているにもかかわらず、4点曲げ強度の幅も32MPa以下と低く、摺動部材として良好に用いることができる。
炭化珪素粉末に、焼結助剤、分散剤及び水を所定量加えボールミルに投入した後、48時間混合してスラリー化した。このとき、焼結助剤としては表2に示すものを用いた。このスラリーに、成形助剤を添加、混合した後、噴霧乾燥することにより平均粒径18μmの造粒粉を得た。
次に、この造粒粉に対し、造孔剤として懸濁重合された非架橋性ポリスチレンの樹脂ビーズを表2に示す量で添加、混合し、それぞれ混合原料とした。この混合原料を98MPaの圧力で、JIS C 2141−1992に準拠する形状の抗折試験片に成形した。
得られた成形体を窒素雰囲気中、600℃で5時間保持して脱脂した後、アルゴン雰囲気中、1850℃で3時間保持して焼結させて、試料No.12〜14を得た。
得られた試料No.12〜14を用いて耐熱衝撃温度を求めた。ここで、耐熱衝撃温度の求め方はJIS C 2141−1992に準拠した。この結果を表2に示す。
Figure 0004845419
表2に示すように、焼結助剤に炭素粉末と硼素粉末を用いた試料No.14の耐熱衝撃温度は260℃と低かったのに対し、アルミナ粉末とイットリア粉末を用いた試料No.12,13の耐熱衝撃温度はいずれも300℃以上と高いことがわかる。この結果から、試料No.12,13は起動時に高温の摩擦熱を発生して熱衝撃を受けやすい部材にも用いることができる。
炭化珪素粉末に、アルミナ粉末、イットリア粉末、分散剤及び水を所定量加えボールミルに投入後、48時間混合してスラリー化した。このスラリーに成形助剤を添加、混合した後、噴霧乾燥することにより平均粒径18μmの造粒粉を得た。
次に、この造粒粉に対し、造孔剤として平均粒径、最大粒径がそれぞれ表3に示す懸濁重合された非架橋性ポリスチレンの樹脂ビーズを8重量%添加、混合し、混合原料とした後、98MPaの圧力でリング形状に成形した。そして、上記成形体を還元雰囲気中にて脱脂焼成し、試料No.15〜17を得た後、この試料の独立気孔の孔径の測定と摩耗試験を行った。
ここで、独立気孔の孔径については、摺動面を鏡面加工し、顕微鏡により倍率200倍で写真撮影し、写真内における視野面積が0.146mmとなるように範囲を設定し、この範囲内にある最大気孔の孔径を測定した。なお、上記摺動面は平面研削盤で平面とした後、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を用いてアルミナ製のラップ盤で粗加工した後、錫製のラップ盤で算術平均粗さRaが0.62〜1.47μmとなるように鏡面加工したものである。
また、摩耗試験は得られたセラミックスを湿式摩耗試験機の所定位置に設置し、カーボンからなる相手材を上記セラミックスに当接し、面圧を0.8MPa、潤滑剤として水を用いて24時間稼働させ、相手材の表面の打痕を倍率100倍で顕微鏡により観察した。
最大気孔の孔径の測定結果と湿式摩耗試験の結果を表3に示す。
Figure 0004845419
表3の結果より最大気孔径が150μmと大きい試料No.15の相手材には打痕が観察され、一方、最大気孔径が100μm以下の小さい試料No.16,17の相手材には打痕が観察されなかった。これは、最大気孔径が大きくなると開気孔と摺動面で形成されるエッジの全長が長くなり、相手材がカーボン等の軟質材であるとき、エッジから欠けた粒子が相手材を損傷させる確率が高くなるからである。
逆に、最大気孔径が小さくなると、開気孔と摺動面によって形成されるエッジの全長が短くなり、本発明に係る摺動部材と摺接する相手部材がカーボン等の軟質材であっても、上記エッジによる相手材の損傷を未然に防ぐことができるからである。
炭化珪素粉末に、アルミナ粉末、イットリア粉末、分散剤及び水を所定量加えボールミルに投入した後、48時間混合してスラリー化した。このスラリーに成形助剤を添加、混合した後、噴霧乾燥することにより平均粒径18μmの造粒粉を得た。
次に、この造粒粉に造孔剤として懸濁重合された非架橋性ポリスチレンの樹脂ビーズを造粒粉に添加、混合した。この際、樹脂ビーズを造粒粉に対して8wt%添加した物を試料No.18〜No.21とし、試料No.22〜No.24は表4に示す量を添加した。また試料No.18は、造粒粉の上に造孔剤をそのまま乗せて混合し、試料No.19〜24は造粒粉の25%に造孔剤を添加し、この混合原料と残りの造粒粉を交互に積層し、一軸回転混合機にて混合した。また、各サンプルの混合時間は表4に示すように変化させた。
その後、98MPaの圧力でリング形状に成形し、得られた成形体を窒素雰囲気中、600℃で5時間保持して脱脂した後、アルゴン雰囲気中、1850℃で3時間保持して焼結させた。得られたセラミックス動面となる面を鏡面加工し、気孔面積率の標準偏差の測定と摩耗試験を行った。
ここで、気孔面積率の標準偏差についてはリング形状のセラミックスを鏡面加工し、任意に1mm間隔で1.8mm×1.3mmの領域を10箇所選び、顕微鏡により倍率50倍で写真撮影して画像処理装置を用いて求めた。また、摩耗試験は得られたセラミックスを湿式摩耗試験機の所定位置に設置し、緻密質炭化珪素からなる相手材を上記セラミックスに当接し、面圧を0.8MPa、潤滑剤として水を用いて500時間稼働させ、漏れた水の量と、セラミックスの温度を測定した。ここで漏れた水の量はシールリングの密封性を表す指標として、セラミックスの温度は、摩擦熱による温度上昇すなわち摺動の安定性を表す指標とした。温度測定は相手材に温度測定用のプローブを取り付け、1時間毎にその値をプロットした。結果を表4に示す。
Figure 0004845419
表4から明らかなように気孔面積率の標準偏差が3.7と大きいNo.18は、液漏れ量が大きく、密封性を要求される摺動部材として適用できなかった。同様に気孔率が18.5%と大きいNo.24も液漏れ量が大き結果となった。また、気孔面積率の標準偏差が1.7と小さいが、気孔率が10%と小さいNo.22は最大温度が59℃と大きかった。これは、摩耗試験中に摺接面の潤滑液膜切れが起こり、摺動の状態が変化したため
に摩擦による熱の発生が大きくなったためと考えられる。
一方、気孔面積率の標準偏差が2以下、表面粗さが3μm以下と小さいNo.19〜No.21、およびNo.23は液漏れ量も少なく、また試験中の最大温度も小さかった。
この結果から、気孔面積率の標準偏差が小さい、すなわち気孔の分散が良く、さらに表面粗さを小さくすることによって、セラミックスの気孔率が大きくても貫通気孔が存在せず密封性が高まり、摺動運転時のトルクも安定することがわかった。
炭化珪素粉末に、アルミナ粉末、イットリア粉末、分散剤及び水を所定量加えボールミルに投入した後、48時間混合してスラリー化した。このスラリーに成形助剤を添加、混合した後、噴霧乾燥することにより平均粒径18μmの造粒粉を得た。
次に、この造粒粉に対し、造孔剤として懸濁重合された非架橋性ポリスチレンの樹脂ビーズを8重量%添加、混合して混合原料を得た。この際、造粒粉の上に造孔剤をそのまま乗せて混合した物を試料No.25、造粒粉25%に造孔剤を8重量%添加し、この混合原料と残りの造粒粉を交互に積層し、一軸回転混合機にて混合した物を試料No.26〜28とし、各サンプルの混合時間は表5に示すように変化させた。また、試料No.26に用いた造孔剤は、あらかじめ篩で粒径を調節し、粒径が100μm以上の造孔剤の割合が10%になるようにした。
その後、98MPaの圧力でリング形状に成形し、得られた成形体を窒素雰囲気中、600℃で5時間保持して脱脂した後、アルゴン雰囲気中、1850℃で3時間保持して焼結させて、得られたセラミックスの気孔数の標準偏差の測定と摩耗試験を行った。
ここで、気孔数の標準偏差についてはリング形状のセラミックスを鏡面加工し、任意に1mm間隔で1.8mm×1.3mmの領域を10箇所選び、顕微鏡により倍率50倍で写真撮影して画像処理装置を用いて求めた。また、摩耗試験は得られたセラミックスを湿式摩耗試験機の所定位置に設置し、カーボンからなる相手材を上記セラミックスに当接し、面圧を0.8MPa、潤滑剤として水を用いて500時間稼働させ、試験後のカーボンの摩耗量を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0004845419
表5から気孔数の標準偏差が72と大きかったNo.25は、摩耗試験後のカーボン材の摩耗量が13μmと大きかった。これは分散がうまくいっていないために、気孔が集中した部分、もしくは気孔が凝集した部分が起点となり、相手材のカーボンの摩耗を促進させたのである。また、気孔数の標準偏差がほぼ同じであるNo.26とNo.27の摩耗量に違いが出たのは、気孔径が80μm以上の大きな気孔の割合がNo.26の方が大きいために、開気孔と摺接面で作られるエッジの全長が長い気孔が多く存在し摩耗が促進さ
れたのである。
一方、気孔数の標準偏差が55以下、気孔径80μm以上の気孔の割合が5%以下であるNo.27、No.28はカーボン材の摩耗量が少なかった。これは気孔の分散状態が良いため、摩耗を促進させてしまうような起点部分がなかったためである。
炭化珪素粉末に、焼結助剤、水、および分散剤を加えボールミルに投入した後、48時間混合してスラリー化した。このとき、焼結助剤に硼素粉末と炭素粉末を使用したものと、これとは別にアルミナ粉末とイットリア粉末を使用したものを準備した。上記スラリーに成形助剤を添加、混合した後、噴霧乾燥することにより平均粒径18μmの造粒粉を得た。次に、この造粒粉に対し、造孔剤として懸濁重合された非架橋性ポリスチレンの樹脂ビーズを8重量%添加、混合し、混合原料とした後、この混合原料を98MPaの圧力で所定形状に各々15個ずつ成形した。その後、得られた成形体を窒素雰囲気中、600℃で5時間保持して脱脂した後、アルゴン雰囲気中、1850℃で3時間保持して焼結させて、試料No.29,30を得た。
得られたセラミックス中各5個は、表面の遊離炭素量を測定するために使用した。遊離炭素測定はセラミックスを微粉砕した後、酸素雰囲気中900℃で燃焼させ、発生した二酸化炭素量をガスクロマトグラフを用いて測定した。その結果、焼結助剤が硼素粉末と炭素粉末からなる試料No.29では遊離炭素の存在が認められ、焼結助剤がアルミナ粉末とイットリア粉末からなる試料No.30では遊離炭素の存在が認められなかった。
また、残りの試料No.29−1〜29−10,No.30−1〜30−10については摩耗試験を行った。摩耗試験は上記試料を湿式摩耗試験機の所定位置に設置し、緻密質炭化珪素からなる相手材を上記試料に当接し、面圧を5MPa、潤滑剤として水を用いて0.5時間稼働させ、「鳴き」と呼ばれる異音の発生の有無を確認した。結果を表6に示す。
Figure 0004845419
結助剤に硼素粉末と炭素粉末を使用した試料No.29は今回の摩耗試験で「鳴き」は確認されなかった。しかし焼結助剤にアルミナ粉末とイットリアを使用した試料No.30は、頻度こそ少ないが、「鳴き」が確認されたものがあった。
以上の通り、硬質材同士の摺動時に発生する「鳴き」をさらに低減させるためには、開気孔内に遊離炭素を含有させることが有効であることがわかった。
本発明の摺動部材用セラミックスを用いたメカニカルシールの基本構造を示した断面図である。 (a)は本発明のメカニカルシールの断面図であって、独立気孔を模式的に表した図であり、(b),(c)は独立気孔の拡大図である。 本発明の摺動部材用セラミックスの摺動面側から見たメカニカルシールの断面図であって、独立気孔を模式的に表した図である。 (a),(b)は本発明の摺動部材用セラミックスの独立気孔の孔径の累積分布曲線である。
1:回転軸
2:ケーシング
3:摺動面
4:緩衝ゴム
5:シートリング
6:従動リング
7:パッキング
8:コイルスプリング
9:カラー
10:セットスクリュー
11:独立気孔
11a:回転楕円体
11b:回転楕円体と近似した形状の構造体

Claims (10)

  1. 炭化珪素質セラミックスからなり、孔径5μm以上の独立気孔を有し、摺動面を備える摺動部材用セラミックスであって、上記独立気孔は、シリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれる真球状の樹脂ビーズを混合した粉末原料を用いて成形したのち焼成することによって形成されてなり、上記摺動面に対し垂直な断面において、上記独立気孔は、摺動面に対し垂直な方向に短軸を、平行な方向に長軸を有する扁平体であり、上記断面における上記独立気孔の断面積(S1)が、上記独立気孔の長軸を直径とした場合の円の面積(S2)の95%以下であるとともに、上記摺動面に対し平行な面内における上記独立気孔の孔径の累積分布曲線において、累積25体積%の孔径(P25)に対する累積75体積%の孔径(P75)の比(P75/P25)が1.9以下であることを特徴とする摺動部材用セラミックス。
  2. 4点曲げ強度が200MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材用セラミックス。
  3. 耐熱衝撃温度が300℃以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の摺動部材用セラミックス。
  4. 上記独立気孔の一部が上記摺動面上に形成された開気孔であって、この開気孔の孔径が100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の摺動部材用セラミックス。
  5. 上記摺動面上に1mm間隔で任意に10箇所選ばれた1.8mm×1.3mmの領域における気孔率が13〜18%であり、上記摺動面上に形成された開気孔の気孔面積率の標準偏差が2%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の摺動部材用セラミックス。
  6. 上記10箇所の領域における気孔数の合計が220〜330個であり、且つ標準偏差が55個以下であることを特徴とする請求項5に記載の摺動部材用セラミックス。
  7. 80μm以上の気孔径を有する気孔数が、全気孔数の5%以下であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の摺動部材用セラミックス。
  8. 上記開気孔内に遊離炭素を含有することを特徴とする請求項に記載の摺動部材用セラミックス。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の摺動部材用セラミックスの製造方法であって、
    造孔剤である、シリコーン、懸濁重合された非架橋性のポリスチレンおよび懸濁重合された非架橋性のアクリルースチレン共重合体の少なくとも1種から選ばれる真球状の樹脂ビーズと、該樹脂ビーズと同体積となる造粒粉の一部とを混合、撹拌して混合原料を得る工程と、
    該混合原料と造粒粉の残部とを交互に容器へ投入して、一軸回転混合機を用いて粉末原料を得る工程と、
    該粉末原料を加圧、成形することにより上記造孔剤を加圧方向に塑性変形させて所望形状の成形体を得る工程と、
    該成形体を加熱焼結させることにより焼結体を得る工程と
    該焼結体に加工を施して摺動面を形成する工程とを具備したことを特徴とする摺動部材用セラミックスの製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の摺動部材用セラミックスからなることを特徴とするメカニカルシールリング。
JP2005129165A 2004-06-23 2005-04-27 摺動部材用セラミックスとその製造方法及びこれを用いたメカニカルシールリング Active JP4845419B2 (ja)

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