JP4843852B2 - 塗料用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線遮蔽性に優れた塗膜を形成できる塗料用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
2層、3層等の多層塗膜において、該塗膜のトップ層とその下層が紫外線により劣化することを防ぐために、紫外線吸収剤を用いることは公知である。トップ層にフッ素樹脂塗料を用いた場合、フッ素樹脂自体が紫外線に対し極めて安定なため、トップ層のフッ素樹脂を透過した紫外線が下層に対して影響するので、紫外線吸収剤の使用が特に重要となる。紫外線吸収剤は、その構造に応じて主に吸収する波長域が決まっており、適宜、選択して用いられる。
【0003】
近年、耐候性を短期間に評価する促進試験機として、メタルハライドランプを用いた試験機が多用されている。これらの試験機は、短期間に塗膜の劣化評価を行うという試験機の性格上、自然光では少量しか含まれていない360〜385nm付近の波長域に強い発光エネルギーを持つ光源が用いられる。これらの評価でも良い性能を発揮するためには、該波長域の紫外光を吸収する紫外線吸収剤を、単独使用又は併用することが効果的である。特に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、該波長域の紫外線を効果的に吸収し、かつ、安定性も高く長期にわたって性能を保持するため、高耐候性の塗膜を与える塗料組成物には好ましく用いられる。例えば、特開平4−372668において、ベンゾトリアゾール系とシュウ酸アニリド系の2種類の吸収域の異なる紫外線吸収剤を硬化性樹脂に配合することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
代表的な紫外線吸収剤としては、長波長側に吸収域を有するベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物など(以下、長波長グループと記す。)と、短波長側に吸収域を有するトリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、シュウ酸アニリド系化合物など(以下、短波長グループと記す。)とがある。
【0005】
本発明者の検討によれば、長波長グループと短波長グループを組み合わせることにより、塗膜の紫外線遮蔽性を向上できることが見出された。しかし、ベンゾフェノン系化合物を用いた場合は、下層の保護に充分な量の添加を行うと、塗膜が着色してしまう。また、シアノアクリレート系化合物又はシュウ酸アニリド系化合物を用いた場合は、メタルハライド系促進耐候性試験機(例えば、「ダイプラメタルウェザー:商品名、ダイプラ・ウィンテス社製」又は「アイスーパーUV:商品名、岩崎電気社製」)などを用いた、強い紫外光と60℃以上の高温にさらされる試験において、紫外線吸収能が比較的短時間で失われる。
【0006】
本発明者は、トップ層として用いた場合に、下層保護性を長期にわたって維持できる塗膜を形成できる塗料用組成物を提供すべく、鋭意研究を重ねた結果、長波長グループからベンゾトリアゾール系化合物を選び、短波長グループからトリアジン系化合物を選んで、これらを組み合わせて所定量添加することによって、充分な紫外線遮蔽性を発揮し、屋外曝露試験、促進耐候性試験でも、下層保護機能を長期にわたって維持するトップ層塗膜を形成できる塗料用組成物を見出し、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塗膜形成樹脂(A)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(B)、及びトリアジン系紫外線吸収剤(C)を必須成分として含み、かつ、(A)の100部(質量部、以下同じ。)に対して、(B)の0.1〜30部及び(C)の0.1〜20部を含むことを特徴とする塗料用組成物を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される塗膜形成樹脂(A)は特に限定されない。例えば、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、含フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上の併用で使用できる。この中で、耐候性に優れた塗膜を与え、下層の保護機能を長期にわたって維持する観点から、アクリル樹脂又は含フッ素樹脂が好ましい。特に、塗膜形成樹脂(A)が含フッ素樹脂を含有することが好ましい。
【0009】
含フッ素樹脂としては、フッ素成分を含有し、塗装可能な状態をとりうるものであれば特に限定されないが、フルオロオレフィン単独重合体、2種以上のフルオロオレフィンの共重合体、フルオロオレフィンとフッ素を含有しない単量体の共重合体などが挙げられ、フルオロオレフィンとフッ素を含有しない単量体の共重合体が好ましい。含フッ素樹脂としては、フルオロオレフィンに基づく重合単位(a)を必須成分として含む含フッ素重合体を含有することが特に望ましい。
【0010】
フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン等の炭素数2〜3のフルオロオレフィン類、又は炭素数4以上のフルオロオレフィン類が挙げられる。特に、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンが好ましい。これらのフルオロオレフィンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0011】
フルオロオレフィン単独重合体及び2種以上のフルオロオレフィンの共重合体としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体等が挙げられる。
【0012】
フルオロオレフィンとフッ素を含有しない単量体との共重合体としては、前記のフルオロオレフィン類と下記のフッ素を含有しない単量体を共重合させて得られる含フッ素共重合体が挙げられる。
【0013】
フッ素を含有しない単量体としては、ビニルエーテル、イソプロペニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル等のビニル系単量体が好ましく挙げられる。ビニルエーテルの具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ネオペンチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ナフチルビニルエーテル等の芳香族ビニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、9−ヒドロキシノニルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチル−4−ビニロキシメチルシクロヘキサン、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類が挙げられる。
【0014】
イソプロペニルエーテルの具体例としては、メチルイソプロペニルエーテル、エチルイソプロペニルエーテル、プロピルイソプロペニルエーテル、ブチルイソプロペニルエーテル、シクロヘキシルイソプロペニルエーテル等のイソプロペニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルイソプロペニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルイソプロペニルエーテル、4−ヒドロキシブチルイソプロペニルエーテル、9−ヒドロキシノニルイソプロペニルエーテル、1−ヒドロキシメチル−4−イソプロペニルオキシメチルシクロヘキサン、3−ヒドロキシ−2−クロロプロピルイソプロペニルエーテル等のヒドロキシアルキルイソプロペニルエーテル類が挙げられる。
【0015】
カルボン酸ビニルエステルの具体例としては、分岐状のアルキル基を有するベオバ−10(商品名、シェル化学社製)、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のカルボン酸ビニル類が挙げられる。これらのフッ素を含有しない単量体についても、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
また、フッ素を含有しない他の共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィン類(ただし、フルオロオレフィンを除く。)、ギ酸アリル、酪酸アリル、安息香酸アリル、シクロヘキサンカルボン酸アリル、プロピオン酸アリル等のカルボン酸アリル類、エチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。これらの他の共重合可能な単量体についても、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、テトラフルオロエチレン、エチレン、プロピレンを主成分とする共重合体、又は、この共重合体にアクリル樹脂成分をシード重合等により複合化したもの等が、好ましい例として例示できる。
【0017】
本発明においては、塗膜形成樹脂(A)としての含フッ素樹脂が、フルオロオレフィンに基づく重合単位(a)と、アルキルビニルエーテルに基づく重合単位(b)及び/又はカルボン酸ビニルエステルに基づく重合単位(c)とを含む含フッ素共重合体を含有することが特に望ましい。
【0018】
フルオロオレフィンとフッ素を含有しない単量体との共重合体においては、全重合単位に対して、フルオロオレフィンに基づく重合単位(a)が20〜80モル%の割合で含まれていることが好ましい。
【0019】
塗膜形成樹脂(A)として、含フッ素樹脂とフッ素を含有しない樹脂を併用する場合には、(A)の総質量基準で含フッ素樹脂を30%以上含有することが好ましく、50%以上が特に好ましい。含フッ素樹脂があまりに少ないと耐候性等の特性を塗膜に与えることができない。
【0020】
本発明の塗料用組成物は水性塗料用組成物であってもよい。該水性塗料用組成物としては、通常はエマルション形態の組成物が採用される。エマルション形態の組成物は、塗膜形成樹脂を乳化重合で製造することによって直接調製されてもよく、また、溶液重合などの別の方法で塗膜形成樹脂を製造した後にこの樹脂を用いてエマルション形態に調製されてもよい。例えば、比較的多量に界面活性剤を用いた乳化重合により塗膜形成樹脂のエマルションを製造したり、親水性マクロマーを併用してフルオロオレフィン、ビニルエーテルなどと共重合させて、界面活性剤を用いないで塗膜形成樹脂のエマルションを製造できる。
【0021】
本発明における塗膜形成樹脂(A)としては、(x)フルオロオレフィンに基づく重合単位、(y)プロピレンに基づく重合単位、(z)エチレンに基づく重合単位及び(q)その他(x)〜(z)成分と共重合可能な単量体に基づく重合単位からなるフッ素系共重合体の水性分散液、又は、このフッ素系共重合体に、(メタ)アクリル酸エステル等の非フッ素単量体成分をシード重合することによって得られる、フッ素非フッ素複合エマルションも使用できる。
【0022】
ここで、フッ素系共重合体は下記単量体に基づく重合単位(以下、その単量体名で示すこともある。)の組成割合で構成されるのが好ましい。すなわち、
(x)フルオロオレフィン 20〜80モル%、
(y)プロピレン 2〜70モル%、
(z)エチレン 5〜70モル%、
(q)その他 0〜20モル%。
【0023】
さらに好ましい組成割合は次のとおりである。
(x)フルオロオレフィン 40〜60モル%、
(y)プロピレン 6〜35モル%、
(z)エチレン 10〜35モル%、
(q)その他 1〜20モル%。
【0024】
上記フッ素系共重合体において、(x)フルオロオレフィンとしては、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロブチレン、ペンタフルオロブチレン等のフッ素原子を含む炭素数2〜4程度のフルオロオレフィン類が好ましく、特にパーフルオロオレフィンが好ましい。最も好ましくは、テトラフルオロエチレンである。なお、フッ素原子とともに塩素原子等の他のハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0025】
また、上記フッ素系共重合体における(q)その他の共重合可能な単量体としては、1−ブチレン、2−ブチレン、イソブチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アルキルビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、イソプロペニルエーテル、アリルエーテル等が挙げられる。
【0026】
上記カルボン酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどが挙げられる。またアルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどが挙げられる。イソプロペニルエーテルとしては、メチルイソプロペニルエーテル、エチルイソプロペニルエーテル、プロピルイソプロペニルエーテル、ブチルイソプロペニルエーテル、シクロヘキシルイソプロペニルエーテルなどが挙げられる。アリルエーテルとしては、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテルなどが挙げられる。
また、上記の単量体に基づく重合単位は、ヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基、加水分解性シリル基、カルボニル基等の反応性基を含有していてもよい。
【0027】
ここで、ヒドロキシル基含有単量体としては、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル[HBVE]などのヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ヒドロキシエチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどが例示される。
【0028】
一方、カルボン酸基を含有する重合単位は、カルボン酸基含有単量体を共重合する方法、ヒドロキシル基を有する重合体に二塩基酸無水物を反応せしめてカルボン酸基を形成する方法などにより導入できる。
【0029】
ここで、カルボン酸基含有単量体としては、ウンデシレン酸のような構造の有機酸の他にも、以下のようなものが例示される。
(1)CH2=CHOR4OCOR5COOM
(2)CH2=CHCH2OR6OCOR7COOM
ただし、式中、R4、R6は炭素数2〜15の2価の炭化水素基、R5、R7は飽和若しくは不飽和の直鎖状又は環状の2価の炭化水素基、Mは水素原子、炭化水素基、アルカリ金属イオン又は窒素原子含有基である。
【0030】
エポキシ基を含有する重合単位は、エポキシ基を含有する単量体を共重合することにより導入できる。エポキシ基を含有する単量体としては、グリシジルビニルエーテルなどのエポキシ基含有アルキルビニルエーテル類;グリシジルアリルエーテルなどのエポキシ基含有アルキルアリルエーテル類;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート類などが例示される。
【0031】
加水分解性シリル基を含有する重合単位は、加水分解性シリル基を含有する単量体を共重合することにより導入できる。加水分解性シリル基を含有する単量体としては、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシランなどが例示される。
【0032】
上記フッ素系共重合体を含有する水性分散液は、フッ素系共重合体が水に分散されたものである。乳化剤としては、ノニオン性乳化剤やアニオン性乳化剤を単独で又は併用して使用できる。ノニオン性乳化剤としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、高級アルコールエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーなどを例示しうる。アニオン性乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などを例示しうる。
【0033】
また、上記乳化剤は通常重合時に添加して使用されるが、重合後の水性分散液に同種の乳化剤及び/又は異種の乳化剤を添加して使用してもよい。
ここで重合後の水性分散液に添加する乳化剤としては、上記の乳化剤の他にジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジノニルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸のアルカリ金属塩、及びこれらとエチレングルコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールとの組み合わせなどが例示される。これらジアルキルスルホコハク酸のアルカリ金属塩及びアルキレングルコールを添加すると上記水性分散液の機械的安定性・熱的安定性が改善される。
【0034】
また乳化物のpHを上昇させる目的で、pH調整剤を用いてもよい。pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウムなどの無機塩基及びトリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミンなどの有機塩基類などが例示される。
【0035】
さらに、上記フッ素系共重合体の分散液に、(メタ)アクリル酸エステル等のフッ素を含まない単量体をそのままで又は水に分散させた状態で添加し、適宜重合開始剤を添加してシード重合を行って得られた複合エマルションも使用できる。フッ素を含まない単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく採用でき、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸、ポリエーテル鎖を側鎖に有するメタクリレート等も採用できる。
【0036】
本発明において、塗膜形成樹脂を含有する水性塗料用組成物としては、ゼッフルSE310(商品名:ダイキン工業社製、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレンの共重合体とアクリル重合体の複合体のエマルション)、フルオネートFEM550(商品名:大日本インキ化学工業社製、クロロトリフルオロエチレン/カルボン酸ビニルエステルからなる共重合体のエマルション)なども挙げられる。
【0037】
本発明において、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(B)の具体例としては、3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸イソオクチル(チヌビン384:商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(チヌビン328:商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(チヌビン900:商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2−[2−ヒドロキシ−3−(1,1−ジメチルベンジル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(チヌビン928:商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸メチル/ポリエチレングリコール300の縮合物(チヌビン1130:商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(B)としては、下記式1で表される化合物が好ましく用いられる。
【0038】
【化1】
Figure 0004843852
【0039】
上記式1において、R1はアルキル基、R3はアルキル基、R2はアルキレン基であり、nは0又は1である。R1とR3は同じであっても異なってもよい。好ましくは、R1が炭素数1〜8のアルキル基であり、R3が炭素数1〜12のアルキル基である。また、R2は炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。nは1が好ましい。特に、3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸イソオクチルが好ましく、該化合物はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、チヌビン384(商品名)が市販されている。
【0040】
本発明において、トリアジン系紫外線吸収剤(C)の具体例としては、2−(4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(チヌビン400:商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、2−(4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
【0041】
上記(B)及び(C)としては、上記の具体例に限定されず、使用する塗膜形成樹脂との相溶性、融点等を勘案して、公知又は周知のベンゾトリアゾール系又はトリアジン系紫外線吸収剤から適宜選定して採用できる。
【0042】
本発明において、上記の紫外線吸収剤(B)、(C)の添加量は、形成される塗膜の膜厚などによって異なるが、塗膜形成樹脂(A)の100部に対して、(B)の0.1〜30部及び(C)の0.1〜20部である。好ましくは(B)の2〜20部及び(C)の1〜15部であり、さらに好ましくは(B)の5〜15部及び(C)の2〜10部である。紫外線吸収剤の添加量が少なすぎると紫外線遮蔽効果が充分に発揮されず、下層の保護機能が不充分となる。また、多すぎると下層への密着性が損なわれたり、塗膜からブリードアウトしやすくなる。
【0043】
本発明においては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(B)/トリアジン系紫外線吸収剤(C)の使用比率は特に限定されないが、(B)を多めにするのが望ましく、通常は(B)/(C)の使用比率は質量基準で100/90〜100/20が好ましく、特に100/70〜100/30が好ましい。
【0044】
本発明の塗料用組成物には、上記必須成分(A)、(B)、(C)の他に、通常は水又は有機溶剤が含まれる。すなわち、本発明の塗料用組成物は、上記(A)、(B)、(C)が、水及び/又は有機溶剤に、溶解及び/又は分散されている形態が好ましい。水性分散型の場合、水の含有割合は塗料用組成物の総質量基準で30〜70%が好ましく、40〜60%が特に好ましい。該水性分散型の場合、CS−12(商品名:チッソ社製)などの造膜助剤等の少量を併用できる。
【0045】
また、有機溶剤に溶解及び/又は分散させる型(以下、有機溶剤型と略記する。)の場合に使用できる有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤、脂肪族系溶剤、エーテル系溶剤、石油系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種又は2種以上で使用できる。有機溶剤型における有機溶剤の含有割合は、塗料用組成物の総質量基準で30〜70%が好ましく、35〜60%が特に好ましい。
【0046】
本発明において、水性分散型塗料用組成物の場合、紫外線吸収剤(B)、(C)をあらかじめ高濃度の水分散液として調製し、該高濃度水分散液の形態で水性塗料用組成物に配合するのが好ましい。すなわち、紫外線吸収剤の濃度が質量基準で50〜90%、特に65〜75%である高濃度水分散液の形態で使用するのが好ましい。
【0047】
あまりに高濃度では配合した際に分散が困難であり、均一な塗料用組成物が得られないため、塗膜の白濁が起こりやすく、また、あまりに低濃度では水分散液が安定でなく、短時間のうちに紫外線吸収剤の分離を起こす。上記範囲内の高濃度水分散液において、紫外線吸収剤の粒子径は3μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以下である。紫外線吸収剤の粒子径が大きすぎると、形成された塗膜が曇ったり、白濁するなどの難点が認められる。
【0048】
上記紫外線吸収剤の高濃度水分散液を調製する際には、界面活性剤を用いることが好ましい。使用される界面活性剤の種類としては、特に分散効果が顕著な例を挙げると、アニオン系界面活性剤として、ラウリル硫酸ナトリウム0.05〜5部、好ましくは0.1〜2部(水100部当たりの質量基準)、及びノニオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1〜40部、好ましくは5〜30部(水100部当たりの質量基準)の2種の界面活性剤を用いることが好ましい。なお、使用できる界面活性剤は、これらに限定されず、一般に入手できるものであればよい。
【0049】
上記紫外線吸収剤の高濃度水分散液を調製する方法としては次の方法が例示できる。上記使用できる界面活性剤とイオン交換水を混合し、高速撹拌機を用いて、回転速度700〜1000rpmで撹拌中に、所定量の紫外線吸収剤を滴下し、15〜20分間撹拌し、一次分散液を得ることができる。さらに、該一次分散液をホモミキサーで回転速度4000〜6000rpmで1時間程度撹拌して、紫外線吸収剤の高濃度分散液を得ることができる。
【0050】
さらに、本発明の塗料用組成物には、上記以外の塗料用添加剤、例えば造膜助剤、増粘剤、表面親水化剤、表面撥水剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、皮バリ防止剤、硬化剤、顔料、着色剤などの1種又は2種以上を混合してもよい。
【0051】
具体的には、硬化剤としては、コロネートHX(商品名:日本ポリウレタン社製)等の多価イソシアネート化合物、サイメル303(商品名:三井サイテック社製)等のメラミン樹脂などが挙げられる。また、造膜助剤としては、上記CS−12(商品名:チッソ社製)等の具体例の他に、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート等の多価アルコールモノアルキルエーテルの有機酸エステル類、3−エトキシプロピオン酸エステル類、酢酸3−メトキシ−3−メチルペンチル等が挙げられる。
【0052】
本発明の塗料用組成物は、顔料を含有しないクリヤ塗料組成物として使用することにより、本発明の特徴がより発揮できるが、顔料濃度が低く、下層の色調に影響の小さい、透明性のあるいわゆるカラークリヤ塗料組成物として使用しても効果を発揮できる。また、本発明の塗料用組成物は、さらに顔料を配合していわゆるエナメル塗料組成物として使用してもよい。
【0053】
本発明の塗料用組成物は、下層が非フッ素系塗膜である場合のトップ層として塗布すると、優れた下地保護性という、本発明の特徴がより発揮できる。また、本発明の塗料用組成物は、下層がフッ素系塗膜である場合のトップ層として塗布することもでき、さらに、木、プラスチック等の有機基材、ガラス、コンクリート、金属等の無機基材等の種々の基材に、直接又はプライマーを介して塗布することもできる。
【0054】
本発明の塗料用組成物の塗装により得られる塗膜の厚さは、特に制限はないが、通常、5〜50μmであればよく、好ましくは10〜30μmである。
本発明の塗料用組成物は、通常の塗装方法、例えば、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り、フローコーターによる塗装等により、塗装できる。
【0055】
【実施例】
以下に実施例(例3〜7)及び比較例(例8〜12)を挙げて具体的に説明するが、これらによって本発明は限定されない。割合、部及び%は、特に記載しないかぎり質量基準で示す。また、紫外線吸収剤の粒子径は光学顕微鏡(デジタルHDマイクロスコープVH−7000、キーエンス社製:商品名)によって観察、測定した。なお、例1〜3は実施例に用いる紫外線吸収剤の高濃度水分散液の調製例である。
【0056】
[例1]
イオン交換水100部、ラウリル硫酸ナトリウム1部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(ニューコール1120、HLB:16.4、日本乳化剤社製:商品名)30部を均一に混合した液50gを高速撹拌機(ホモディスパーfmodel、特殊機化工業社製:商品名。以下の例も同じ。)を用いて、回転速度800rpmで撹拌中に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン384:商品名、有効成分95%、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)の123gを滴下し、15分間撹拌し、一次分散液を得た。更に、該分散液をホモミキサー(バイオミキサーABM型、ジェネレーターシャフトBM−4型、日本精機製作所製:商品名。以下の例も同じ。)用いて、回転速度5000rpmで1時間撹拌混合して、紫外線吸収剤の高濃度水分散液1(有効成分濃度70%)を得た。該水分散液1中の紫外線吸収剤の粒子径は2μm以下であった。
【0057】
[例2]
イオン交換水100部、ラウリル硫酸ナトリウム1部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(ニューコール1110、HLB:13.8、日本乳化剤社製、商品名)30部を均一に混合した液の50gを高速撹拌機を用いて、回転速度800rpmで撹拌中に、トリアジン系紫外線吸収剤(チヌビン400:商品名、有効成分85%、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)の137gを滴下し、15分間撹拌し、一次分散液を得た。更に、該分散液をホモミキサーを用いて、回転速度5000rpmで1時間撹拌混合して、紫外線吸収剤の高濃度水分散液2(有効成分濃度70%)を得た。該水分散液2中の紫外線吸収剤の粒子径は2μm以下であった。
【0058】
[例3]
イオン交換水100部、ラウリル硫酸ナトリウム1部、及びニューコール1110の30部を均一に混合した液の50gを高速撹拌機を用いて、回転速度800rpmで撹拌中に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン1130:商品名、有効成分88%、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)の133gを滴下し、15分間撹拌し、一次分散液を得た。更に、該分散液をホモミキサーを用いて、回転速度5000rpmで1時間撹拌混合して、紫外線吸収剤の高濃度水分散液3(有効成分濃度70%)を得た。該水分散液3中の紫外線吸収剤の粒子径は2μm以下であった。
【0059】
[例4]
水酸基を有する含フッ素樹脂(クロロトリフルオロエチレン/シクロヘキシルビニルエーテル/エチルビニルエーテル/4−ヒドロキシブチルビニルエーテル=50/15/25/10(モル%)の共重合体、水酸基価50mgKOH/g)のキシレン溶液(固形分濃度60%)の100部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン384:商品名、有効成分95%)の4部、トリアジン系紫外線吸収剤(チヌビン400:商品名、有効成分85%)の2部、及び有機溶剤(酢酸n−ブチル)の123部を均一に混合した。さらに、硬化剤として多価イソシアネート化合物(コロネートHX:商品名、NCO含量21.3%、日本ポリウレタン社製)の11部を添加し、均一に混合して塗料用組成物L1を得た。
【0060】
厚さ1mmのアルミニウム板に、ウレタン系塗料(Vシャイン白:商品名、大日本塗料社製の白エナメル塗料)を塗装し、硬化させた下層塗膜面に、上記塗料用組成物L1を塗布し、加熱硬化して塗装板P1を得た。塗料用組成物L1の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0061】
[例5]
塗膜形成樹脂として、フルオロオレフィン系樹脂エマルション(ルミフロンFE−4400:商品名、固形分濃度50%、旭硝子社製。以下、フルオロオレフィン系樹脂エマルション1と記す。)の100部、例1のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の水分散液1の8部、例2のトリアジン系紫外線吸収剤の水分散液2の5部、及び造膜助剤(CS−12:商品名、チッソ社製)の7.5部を、室温で高速撹拌機を用いて充分撹拌し、混合して塗料用組成物L2を得た。
【0062】
厚さ1mmのアルミニウム板に、アクリル系エマルション塗料(ハイライト#700:商品名、大日本塗料社製の白エナメル塗料)を塗装し、乾燥させた下層塗膜面に、上記塗料用組成物L2を塗布し、乾燥させて塗装板P2を得た。塗料用組成物L2の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0063】
[例6]
塗膜形成樹脂として、フルオロオレフィン系樹脂エマルション1の100部、例3のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の水分散液3の10部、例2のトリアジン系紫外線吸収剤の水分散液2の5部、及び造膜助剤(CS−12)の7.5部を、室温で高速撹拌機を用いて充分撹拌し、混合して塗料用組成物L3を得た。
【0064】
厚さ1mmのアルミニウム板に、アクリル系エマルション塗料(ハイライト#700)を塗装し、乾燥させた下層塗膜面に、上記塗料用組成物L3を塗布し、乾燥させて塗装板P3を得た。塗料用組成物L3の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0065】
[例7]
例4において、顔料として酸化チタン(タイペークCR−90:商品名、石原産業社製)の25.8部を加え、有機溶剤(酢酸n−ブチル)の量を45.8部に変更した以外は、例4と同様にして塗料用組成物L4を得た。アルミニウム板への塗装についても、上記塗料用組成物L4に変更した以外は例4と同様にして塗装板P4を得た。塗料用組成物L4の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0066】
[例8]
アクリル樹脂(イソブチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体、水酸基価50mgKOH/g、ガラス転移温度Tg=40℃)のキシレン溶液(固形分濃度50%)の100部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン900:商品名、有効成分100%、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)の3.3部、トリアジン系紫外線吸収剤(チヌビン400)の2.1部、有機溶剤(トルエン)の50部、及び有機溶剤(酢酸n−ブチル)の50部を均一に混合した。さらに、硬化剤としてメラミン樹脂(サイメル303:商品名、固形分濃度100%、三井サイテック社製)の15部及び酸触媒(ネイキュア5225:商品名、キング社製)の0.1部を添加し、均一に混合して塗料用組成物L5を得た。
【0067】
アルミニウム板への塗装については、上記塗料用組成物L5に変更した以外は例4と同様にして塗装板P5を得た。塗料用組成物L5の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0068】
[例9]
例4において、いずれの紫外線吸収剤も添加せず、有機溶剤(酢酸n−ブチル)の量を129部に変更した以外は、例4と同様にして塗料用組成物L6を得た。アルミニウム板への塗装についても、上記塗料用組成物L6に変更した以外は例4と同様にして塗装板P6を得た。塗料用組成物L6の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0069】
[例10]
例4において、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤をチヌビン328(商品名、有効成分100%、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)に変更し、該チヌビン328の添加量を6部に変更し、トリアジン系紫外線吸収剤を添加せず、有機溶剤をキシレンに変更する以外は、例4と同様にして塗料用組成物L7を得た。アルミニウム板への塗装についても、上記塗料用組成物L7に変更した以外は例4と同様にして塗装板P7を得た。塗料用組成物L7の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0070】
[例11]
例8において、トリアジン系紫外線吸収剤の2.1部をシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤(Sanduvor3206:商品名、有効成分80%、クラリアントジャパン社製)の2.2部に変更した以外は、例8と同様にして塗料用組成物L8を得た。アルミニウム板への塗装についても、上記塗料用組成物L8に変更した以外は例4と同様にして塗装板P8を得た。塗料用組成物L8の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0071】
[例12]
例5において、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤を使用せずに、かわりにシアノアクリレート系紫外線吸収剤(バイオソーブ930:商品名、有効成分100%、共同薬品社製)の5部を使用する以外は、例5と同様にして塗料用組成物L9を得た。アルミニウム板への塗装についても、上記塗料用組成物L9に変更した以外は例5と同様にして塗装板P9を得た。塗料用組成物L9の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0072】
[例13]
例4において、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としてのチヌビン384(商品名、有効成分95%)の4部をチヌビン900(商品名、有効成分100%)の3.9部に変更し、トリアジン系紫外線吸収剤の2.1部のかわりにシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤(Sanduvor3206:商品名、有効成分80%)の2.6部を使用した以外は、例4と同様にして塗料用組成物L10を得た。アルミニウム板への塗装についても、上記塗料用組成物L10に変更した以外は例4と同様にして塗装板P10を得た。塗料用組成物L10の塗布によって得られたトップ層塗膜の厚さは20μmであった。
【0073】
[評価試験及び結果]
(一)例4〜例13で得られた塗装板P1〜P10について、メタルハライドランプを光源とする促進耐候性試験機(ダイプラメタルウェザーDMW:商品名、ダイプラ・ウィンテス社製)を用いて、下記曝露試験条件のもとに、トップ層の紫外線遮蔽効果(下層保護性)を評価した。その結果を表1に示す。
曝露試験条件:照射(63℃、40%RH×4時間、シャワー5秒間/10分間)と結露(30℃、98%RH×4時間)とを交互に1000時間にわたり繰り返した。
【0074】
(二)塗料用組成物L1〜L5、L7〜L10を用いて、なんら表面処理を施していないアルミニウム板に塗布し、加熱硬化又は乾燥させて塗膜を形成した。これらの塗膜をアルミニウム板から剥がしてフィルム状とし、該フィルムを試料として分光光線透過率測定機(UV−3100:商品名、島津製作所製)を用いて、下記耐熱性試験条件のもとに、該フィルムの紫外線吸収能の持続性を評価した。該持続性の評価は、フィルムの紫外光線透過率を測定することにより行った。その結果を表2に示す。
【0075】
耐熱性試験条件:フィルムの初期の紫外光線透過率を測定し、次に、槽内温度を65℃の恒温状態に設定した恒温槽中でフィルムを連続加熱し、1週間ごとにフィルムの紫外光線透過率を測定した。また、例12〜14で得た水性塗料用組成物について、上記と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0076】
【表1】
Figure 0004843852
【0077】
【表2】
Figure 0004843852
【0078】
【発明の効果】
本発明の塗料用組成物は、紫外線遮蔽性に優れた塗膜を形成できる効果を奏する。特に、トップ層として用いた場合に、下層保護性を充分に発揮できる塗膜を形成できる。さらに、この効果が長期にわたって維持できる。高温及び強い紫外線照射の過酷な屋外暴露試験、促進耐候性試験においても、長期にわたって上記効果を持続できる。

Claims (11)

  1. 塗膜形成樹脂(A)及び紫外線吸収剤を含み、
    前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(B)及びトリアジン系紫外線吸収剤(C)を必須成分とし、
    前記(B)及び(C)の含有割合が、(A)の100質量部に対して、(B)の0.1〜30質量部及び(C)の0.1〜20質量部であり、
    前記紫外線吸収剤は、濃度50〜90質量%の水分散液として配合され、
    該水分散液中での前記紫外線吸収剤の粒子径が3μm以下であり、
    前記塗膜形成樹脂(A)がエマルション形態で配合されることを特徴とする水性塗料用組成物。
  2. 前記水分散液が界面活性剤を含有する請求項1に記載の水性塗料用組成物。
  3. 前記水性塗料用組成物における水の含有割合が、水性塗料用組成物の総質量基準で30〜70%である請求項1又は2に記載の水性塗料用組成物。
  4. 塗膜形成樹脂(A)が、含フッ素樹脂を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物。
  5. 含フッ素樹脂が、フルオロオレフィンに基づく重合単位(a)と、アルキルビニルエーテルに基づく重合単位(b)及び/又はカルボン酸ビニルエステルに基づく重合単位(c)とを含む含フッ素共重合体を含有する請求項に記載の水性塗料用組成物。
  6. 前記塗膜形成樹脂(A)における含フッ素樹脂の含有割合が、塗膜形成樹脂(A)の総質量基準で30%以上である請求項4又は5に記載の水性塗料用組成物。
  7. 塗膜形成樹脂(A)、紫外線吸収剤、及び水を含む水性塗料用組成物の製造方法であって、
    前記紫外線吸収剤を濃度50〜90質量%で含む、紫外線吸収剤の水分散液を調製する工程1、
    前記(A)のエマルションを製造または調製する工程2、及び
    前記(A)のエマルションに工程1で調製した水分散液を配合する工程3、
    を含み、
    前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(B)及びトリアジン系紫外線吸収剤(C)を必須成分とし、
    前記紫外線吸収剤は、前記工程1で調製した水分散液中で粒子径が3μm以下であり、
    前記(B)の含有割合が(A)の100質量部に対して0.1〜30質量部であり、かつ前記(C)の含有割合が(A)の100質量部に対して0.1〜20質量部である、水性塗料組成物の製造方法。
  8. 前記水分散液が界面活性剤を含有する請求項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
  9. 塗膜形成樹脂(A)が、含フッ素樹脂を含有する請求項7又は8に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
  10. 前記塗膜形成樹脂(A)における含フッ素樹脂の含有割合が、塗膜形成樹脂(A)の総質量基準で30%以上である請求項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
  11. 前記工程1が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(B)の水分散液、及びトリアジン系紫外線吸収剤(C)の水分散液を調製し、かつそれぞれの水分散液における紫外線吸収剤の濃度が50〜90質量%である水分散液を調製する工程である請求項7〜10のいずれか一項に記載の水性塗料用組成物の製造方法。
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