JP4843806B2 - スピンドルモーター - Google Patents

Description

本発明はスピンドルモーターに係り、より詳しくは、回転軸とベアリング間の接触区間を最大に確保するとともに回転軸の長さを減らして薄型化を可能にしたスピンドルモーターに関するものである。

スピンドルモーターは、ベアリングと回転軸間に潤滑油による油膜を形成して回転軸を回転自在に支持することにより、高精度の回転特性を維持することができ、これにより、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ及びその他の高速回転を要する記録媒体の駆動手段として広く採用されている。

このような高速回転を要するスピンドルモーターにおいて、一番重要な要素の一つはディスクなどの記録媒体を遊動なしに高速で回転させることである。このために、スピンドルモーターの耐久性を確保するとともに、ディスクが載置されるターンテーブルの高速回転でも均衡を安定に維持することが重要であると言える。このようなスピンドルモーターの一例を図５に概略的に示す。

図５に示すように、従来技術によるスピンドルモーター２００は、支持部材２１０、及びこの支持部材２１０に回転自在に支持される回転部材２４０から構成されている。

支持部材２１０は、ベース２１１、ベアリングホルダー２１３、ベアリング２１５、電気子２１６、スラストワッシャ２１９、及びスラストワッシャカバー２２１を備えている。

ベース２１１は支持部材２１０を全体的に固定支持するためのもので、スピンドルモーター２００が設置されるハードディスクドライブなどの装置に固定設置される。

ベアリングホルダー２１３はベアリング２１５を固定支持するためのもので、中空円筒状に形成され、端部がコーキング処理されてベース２１１に固定的に取り付けられる。

ベアリング２１５は回転軸２４１を回転自在に支持するためのもので、金属などの材質から実質的に円筒状に形成され、中心軸が回転軸２４１の中心軸と一致するように取り付けられる。また、ベアリング２１５は、回転軸２４１との間に所定の滑剤を内包しているので、回転軸２４１がより円滑に回転できるようにする。

電気子２１６は外部電源を受けて電場を形成するためのもので、コア２１７、及びコア２１７に巻線されるコイル２１８からなる。

コア２１７は所定の金属材料からなり、ベアリングホルダー２１３の外周面に固定設置される。

コイル２１８は、外部から印加される電源によって電場を形成することにより、ローターケース２４２の磁石２４３との間に形成される力でローターケース２４２を回転させる。

スラストワッシャ２１９は回転軸２４１を支持するためのもので、ベアリングホルダー２１３の内周面に押し込まれるスラストワッシャカバー２２１によって回転軸２４１の端部に接触するように固定設置される。

一方、回転部材２４０は、回転軸２４１、ローターケース２４２、及びストッパー２５１を備えている。

回転軸２４１は支持部材２１０に対して回転部材２４０を回転自在に支持するためのもので、中心軸がベアリング２１５の中心軸と一致するように、ベアリング２１５の内径部に回転自在に挿設される。

また、回転軸２４１は、端部がスラストワッシャ２１９によって支持され、外周面がベアリング２１５によって非接触式で回転自在に支持される。

ローターケース２４２は記録媒体（図示せず）をその上に搭載して回転させるためのもので、回転軸２４１に固定設置され、中央にはディスクを固定するためのクランパー（図示せず）が備えられている。

また、ローターケース２４２は、電気子２１６に向かい合って回転力を発生させるための磁石２４３がローターケース２４２の内周壁に固定設置される。ここで、コイル２１８に電流が印加されれば、コイル２１８と磁石２４３間で発生する力により回転部材２４０が回転することになる。

また、ローターケース２４２は、ディスク（図示せず）をすべりなしに支持するためのリング状のゴムターンテーブル２４４が上面の外周縁に沿って固定的に付着される。

ストッパー２５１は支持部材２１０から回転部材２４０の離脱を防止するためのもので、薄いリング状に形成され、回転軸２４１の下端部に形成される環状溝２４５に嵌合される。ここで、ストッパー２５１は、スピンドルモーター２００の高速回転の際、ローターケース２４２と回転軸２４１が一体的に浮かび上がることになる浮上力が作用することになり、このような浮上力により回転軸２４１がベアリング２１５から離脱することを防止する。

しかし、前述したような構成のスピンドルモーター２００は、ストッパー２５１が嵌合される環状溝２４５が回転軸２４１に形成されるから、回転軸２４１が環状溝２４５の高さＨの分だけ長くなる問題点があった。

また、ストッパー２５１の厚さ及び環状溝２４５の余裕空間確保などの理由で、回転軸２４１に対するベアリング２１５の接触区間が短くなり、このため、スピンドルモーター２００の安定した駆動特性を保証することができなかった。

本発明は前述した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、回転部材の離脱を防止するための係合部をローターケースに形成することにより、回転軸の長さを減少させることである。

また、本発明の他の目的は、回転軸に対するベアリングの有効接触区間の減少なしに、回転軸の長さを減らすことにより、スピンドルモーターの安定した駆動特性を保証することである。

前述した本発明の目的を達成するために、本発明は、記録媒体を回転させるための回転部材、前記回転部材を回転自在に支持するための支持部材、及び前記支持部材の少なくとも一部と係合されるように前記回転部材に取り付けられ、前記回転部材の離脱を防止するための係合部材を含むことを特徴とするスピンドルモーターを提供する。

前記係合部材は、前記回転部材に着脱自在に挿合されることができる。

本発明の好ましい実施例によるスピンドルモーターは、記録媒体を回転させるためのローターケース、前記ローターケースに固定設置される回転軸、前記回転軸を回転自在に支持するためのベアリング、上部外周縁に沿って突条が形成され、前記ベアリングを固定支持するためのベアリングホルダー、及び前記突条と係合されるように前記ローターケースに取り付けられ、前記ローターケースの離脱を防止するための係合部を含むことを特徴とする。

前記係合部は、断面が折曲状の内向リブ部を有することができる。

前記内向リブ部は、水平面に対して１０°の傾斜角を有することができる。

前記係合部は、合成樹脂から射出成形され、前記ローターケースに着脱自在に挿合されることができる。

前記係合部は、前記ベアリングと前記回転軸間に貯留される潤滑油が外部に漏出することを防止することができる。

また、本発明のスピンドルモーターは、外部電源を受けて前記ローターケースの第１磁石との間に形成される力で前記ローターケースを回転させるために、前記ベアリングホルダーの外周面に取り付けられる電気子をさらに含むことができる。

前記ローターケースは、前記電気子との間に引力を形成するために、前記係合部の外周面に密着するように前記ローターケースに取り付けられる第２磁石を含むことができる。

本発明のスピンドルモーターによれば、ローターケースに形成された係合部がベアリングホルダーに形成された突条に係合されることでローターケースの離脱を防止することができるので、回転軸とベアリング間の有効接触区間の減少なしに回転軸の長さを減らすことができ、これによりスピンドルモーターを一層薄く製造することができる。

また、係合部がベアリングホルダーに隣り合って形成されるので、スピンドルモーターの高速駆動の際、ベアリングと回転軸間に貯留される潤滑油がモーターの外部に漏出することを防止することができる。

また、係合部をローターケースより軽いプラスチックのような合成樹脂で射出成形し、ローターケースに設置するので、部品の製造が簡素化することができ、スピンドルモーターの軽量化を成すことができる。

以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例によるスピンドルモーターについて詳細に説明する。

図１に示すように、本発明の好ましい実施例によるスピンドルモーター１００は、支持部材１１０、及びこの支持部材１１０に回転自在に支持される回転部材１４０を含む。

支持部材１１０は、ベース１１１、ベアリングホルダー１１３、ベアリング１１５、電気子１１６、スラストワッシャ１１９、及びベアリングホルダー支持部１２２を備えている。

ベース１１１は支持部材１１０を全体的に固定支持するためのもので、スピンドルモーター１００が設置されるハードディスクドライブなどの装置に固定設置される。また、ベース１１１は主にアルミニウム合金などの非磁性体から形成され、中央に開放孔１１２が形成される。

ベアリングホルダー１１３はベアリング１１５を固定支持するためのもので、中空円筒状に形成され、端部がベース１１１に固定設置される。

また、ベアリングホルダー１１３は、最上端外周縁に沿って突条１１４が形成され、突条１１４はローターケース１４２に取り付けられる係合部１５０と係合することにより、回転部材１４０の離脱を防止することができる。

ここで、突条１１４はベアリングホルダー１１３と同じ材質からベアリングホルダー１１３に一体的に形成されることが好ましいが、これとは異なり、突条１１４を別に製造してベアリングホルダー１１３に固定設置することもできる。

また、ベアリングホルダー１１３は、本実施例において、従来に使用された材料より軽いアルミニウムまたはアルミニウム合金から製造してスピンドルモーター１００の軽量化を果たすことができる。

ベアリング１１５は回転軸１４１を回転自在に支持するためのもので、金属などの材質から実質的に円筒状に形成され、中心軸が回転軸１４１の中心軸と一致するように設置される。また、ベアリング１１５は、回転軸１４１がより円滑に回転できるように、回転軸１４１との間に所定の潤滑油を内包している。

電気子１１６は外部電源を受けて電場を形成するためのもので、コア１１７、及びこのコア１１７に巻線されるコイル１１８からなる。

コア１１７は、磁石と反応する磁性体、より具体的には、磁石との間に引力を形成する所定の金属材料からなり、ベアリングホルダー１１３の外周面に固定設置される。

コイル１１８は、外部から印加される電源によって電場を形成することにより、ローターケース１４２の第１磁石１４３との間に形成される力でローターケース１４２を回転させる。

スラストワッシャ１１９は回転軸１４１を支持するためのもので、ベアリングホルダー支持部１２２の内周面に押し込まれるスラストワッシャカバー１２１により、回転軸１４１の端部と接触するように固定設置される。

ベアリングホルダー支持部１２２は、環状突起１２３がベアリングホルダー１１３の環状溝１２４に押し込まれ、端部がコーキング処理されてベース１１１に固定設置されることにより、ベアリングホルダー１１３をベース１１１に固定的に取り付ける。

一方、回転部材１４０は記録媒体（図示せず）を回転させるためのもので、回転軸１４１、ローターケース１４２、及び係合部１５０を備えている。

回転軸１４１は支持部材１１０に対して回転部材１４０を回転自在に支持するためのもので、中心軸がベアリング１１５の中心軸と一致するように、ベアリング１１５の内径部に回転自在に挿設される。

また、回転軸１４１は、端部がスラストワッシャ１１９により支持され、外周面がベアリング１１５により、非接触式で回転自在に支持される。

ローターケース１４２は記録媒体（図示せず）をその上に搭載して回転させるためのもので、回転軸１４１に固定設置され、中央にはディスクを固定するためのクランパー（図示せず）が備えられる。

また、ローターケース１４２は、電気子１１６に向かい合って回転力を発生させるための第１磁石１４３がローターケース１４２の内周壁に固定設置される。ここで、コイル１１８に電流が印加されれば、コイル１１８と第１磁石１４３間で発生する力により、回転部材１４０が回転することになる。

また、ローターケース１４２は、ディスク（図示せず）をすべりなしに支持するためのリング状のゴムターンテーブル１４４が上面の外周縁に沿って固着され、金属材のコア１１７との間で引力を発生させる第２磁石１４５が係合部１５０の一側面に密着するようにローターケース１４２に設置される。ここで、第２磁石１４５は、回転部材１４０が高速で回転するとき、ローターケース１４２の浮上及び遊動を防止する。

係合部１５０は支持部材１１０から回転部材１４０の離脱を防止するためのもので、全体的に環状に形成され、ベアリングホルダー１１３に隣り合ってローターケース１４２に固定設置され、本体部１５１及び内向リブ部１５３を有する。

また、図２に示すように、本体部１５１はローターケース１４２に結合される部分で、ローターケース１４２に形成された多数の結合孔１４６に堅く挿合される多数の結合突起１５２を有する。ここで、結合突起１５２は結合孔１４６に堅く押し込まれて結合されるが、所定の接着剤を用いて、押込み及び接着方式で結合されることが好ましい。

内向リブ部１５３は、本体部１５１に一体的にベアリングホルダー１１３側に伸び、本体部１５１の内周に沿って所定の間隔を置いて多数形成され、ベアリングホルダー１１３の直径とほぼ同一の直径を有するように形成される。

ここで、内向リブ部１５３は、スピンドルモーター１００の駆動の際、回転軸１４１とベアリング１１５との貯留される潤滑油が図３の矢印方向に飛散したとき、潤滑油が外部に漏出することを防止するためにベアリングホルダー１１３に隣り合って設置されることが好ましい。

また、内向リブ部１５３は、その端部がベアリングホルダー１１３の外周面側に折り曲げられ、ベアリングホルダー１１３に形成された突条１１４に係合される。ここで、内向リブ部１５３は、突条１１４に向かい合う部位がおよそ１０°程度上向きに傾くように形成される。この際、突条１１４も、内向リブ部１５３に対応して、およそ１０°程度下向きに傾くように形成されることにより、突条１１４と内向リブ部１５３が接触したとき、結合力を高めることができる。

本実施例において、係合部１５０は所定の弾性を有するプラスチックなどの合成樹脂から射出成形で製造され、ローターケース１４２に直接挿合されることが好ましいが、これとは異なり、図４に示すように、ローターケース１４２と同じ材質から一体的に形成されることもできる。

以上、本発明の好ましい実施例を参照して本発明のスピンドルモーターについて説明したが、本発明の思想を逸脱しない範囲内で、多様な修正、変更及び変形の実施例が可能であることは当業者に明らかであろう。

本発明は、回転軸とベアリング間の接触区間を最大に確保するとともに回転軸の長さを減らして薄型化を可能にしたスピンドルモーターに適用可能である。

本発明の好ましい実施例によるスピンドルモーターの概略的な断面図である。 図１の係合部の概略斜視図である。 図１の係合部及び突条の概略的な断面図である。 本発明の他の実施例によるローターケースの断面図である。 従来のスピンドルモーターの概略的な断面図である。

符号の説明

１００、２００ スピンドルモーター
１１０、２１０ 支持部材
１１１、２１１ ベース
１１３、２１３ ベアリングホルダー
１１４ 突条
１１５、２１５ ベアリング
１１６、２１６ 電気子
１１７、２１７ コア
１１８、２１８ コイル
１１９、２１９ スラストワッシャ
１２１、２２１ スラストワッシャカバー
１２３ 環状突起
１２４、２４５ 環状溝
１４０、２４０ 回転部材
１４１、２４１ 回転軸
１４２、２４２ ローターケース
１４３、２４３、１４５ 磁石
１４４、２４４ ゴムターンテーブル
１５０ 係合部
１５３ リブ部
２５１ ストッパー

Claims (8)

1. 記録媒体を回転させるための回転部材、
   突条を有し、前記回転部材を回転自在に支持するための支持部材と、及び
   前記支持部材の前記突条と係合されるように前記回転部材に取り付けられ、前記回転部材の離脱を防止するための係合部材を含み、
   前記係合部材は、前記回転部材に着脱自在に挿合され、
   前記係合部材は、傾いた内向リブ部を有するとともに、
   前記突条は、前記内向リブ部に対応した向きに傾き、
   前記内向リブ部は、前記突条よりも下側に配置され、
   前記内向リブ部は、水平面に対して上向きに傾けられている
   ことを特徴とする、スピンドルモーター。
2. 記録媒体を回転させるためのローターケース、
   前記ローターケースに固定設置される回転軸、
   前記回転軸を回転自在に支持するためのベアリング、
   上部外周縁に沿って突条が形成され、前記ベアリングを固定支持するためのベアリングホルダー、及び
   前記突条と係合されるように前記ローターケースに着脱自在に挿合されて取り付けられ、前記ローターケースの離脱を防止するための係合部を含み、
   前記係合部は、傾いた内向リブ部を有するとともに、
   前記突条は、前記内向リブ部に対応した向きに傾き、
   前記内向リブ部は、前記突条よりも下側に配置され、
   前記内向リブ部は、水平面に対して上向きに傾けられている
   ことを特徴とする、スピンドルモーター。
3. 前記内向リブ部は、断面が折曲状であることを特徴とする、請求項２に記載のスピンドルモーター。
4. 前記内向リブ部は、水平面に対して１０°の傾斜角を有することを特徴とする、請求項２または３に記載のスピンドルモーター。
5. 前記係合部は、合成樹脂から射出成形されることを特徴とする、請求項２〜４のいずれか１項に記載のスピンドルモーター。
6. 前記係合部は、前記ベアリングと前記回転軸間に貯留される潤滑油が外部に漏出することを防止することを特徴とする、請求項２〜５のいずれか１項に記載のスピンドルモーター。
7. 外部電源を受けて前記ローターケースの第１磁石との間に形成される力で前記ローターケースを回転させるために、前記ベアリングホルダーの外周面に取り付けられる電気子をさらに含むことを特徴とする、請求項２〜６のいずれか１項に記載のスピンドルモーター。
8. 前記ローターケースは、前記電気子との間に引力を形成するために、前記係合部の外周面に密着するように前記ローターケースに取り付けられる第２磁石を含むことを特徴とする、請求項７に記載のスピンドルモーター。