JP4843149B2 - 食器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば食器内に収容された食品を最後まで食べ易くするための食器であり、特に幼児や要介護者等が使用するのに適した食器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
幼児や要介護者等が食事をする際には、食器内の食品をスプーン等で掬い上げて、口に運んでいた。
この場合、食器内の食品が残り少なくなってくると、食器をスプーンと異なる手で持つことや、傾けることが上手くできない幼児や要介護者等が、自ら食器内の食品をスプーン等で掬い上げ、口に運ぶのが困難になっていた。
このため、食器内の食品を最後まで掬い易くするように、食器内に窪み等を配置していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、食器内の窪みにある食品を掬い上げるのは、幼児又は要介護者等にとって、依然として困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、食器内の食品を掬い上げ易い食器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、本発明によれば、スプーンで掬い上げる食品を収容する器部と、この器部を保持するベース部と、を有し、前記器部内面が、曲率半径の異なる複数の食品収容部を備えると共に、この器部の前記ベース部に対する相対位置を変更するための位置変更手段を備え、前記位置変更手段によって前記食品収容部の最深部の位置を変更する構成となっており、いずれか一つの前記食品収容部が前記最深部となったときに、当該食品収容部と連続して形成された他の前記食品収容部が食品掬い上げ用壁部となり、前記食品掬い上げ用壁部に対向して配置される前記器部の開口面が食器の水平面に対して下向きに傾斜して形成されていることを特徴とする食器により達成される。
【0006】
前記構成によれば、前記器部内面が、曲率半径の異なる複数の食品収容部を備えるので、これら食品収容部に収容された食品の量が減った場合、前記器部を傾けることで、食品の深さ方向が異なることになる。すなわち、食品が残り少なくなった場合、食品の深さ方向がより深くなる曲率半径が小さい食品収容部に、食品を配置することで、使用者は容易に残りの食品をすべて食器内から掬い上げることができる。
また、前記器部の前記ベース部に対する相対位置を変更するための位置変更手段を備えるので、食器内の食品が残り少なくなった場合、容易に食品を上述の食品の深さ方向が深くなる曲率半径の食品収容部に移動させることができる。
また、いずれか一つの食品収容部が最深部となったときに、当該食品収容部と連続して形成された他の食品収容部が食品掬い上げ用壁部となるので、食品収容部の最深部に配置された食品を使用者が容易に壁部に当接させつつ、スプーン等で掬い上げることができる。したがって、より容易に、残りの食品をすべて食器内から掬い上げることができる。
また、食品掬い上げ用壁部に対向して配置される器部の開口面が食器の水平面に対して下向きに傾斜して形成されているので、使用者がスプーン等で器部内の食品を前記食品掬い上げ用壁部に当接させ、食品を掬い上げる際に、使用者の手やスプーンの柄等が、前記器部の開口面の端部に当接することがない。したがって、使用者の食品を掬い上げる動作がより行い易くなる。
【0007】
【0008】
【0009】
好ましくは、前記食品掬い上げ用壁部の端部が前記器部の内側にオーバーハングして形成されていることを特徴とする。
前記構成によれば、前記食品掬い上げ用壁部の端部が前記器部の内側にオーバーハングして形成されているので、前記複数の食品収容部の最深部に配置された食品を使用者が壁部に当接させつつ、スプーン等で掬い上げることが更に容易になる。特に、このオーバーハング形状によって、食品が器部の外側にこぼれることなく、内側でスプーンに容易に載置されることになる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
好ましくは、前記器部が、平面視で全体として略卵殻型と成っており、前記食品掬い上げ用壁部に対向して配置される前記器部の開口面が、前記略卵殻型の長手方向に沿って、当該食器の水平面に対して下向きに傾斜して形成され、前記傾斜して形成された前記器部の開口面が、スプーンを挿入する側に形成されていることを特徴とする。
前記構成によれば、前記食品収容部が、全体として略卵殻型と成っているので、幼児や要介護者等の母親や介護者等が、咀嚼の補助のため食品を器部内にて潰すなど器部の上部から力をかける際に、掌全体で器部を持つことにより、力を受け止めやすい形状となっている。特に、腕の機能の未発達な幼児等にとって、食品をスプーン等で掬い上げる際に、手首を回転させるように動かして掬い上げることが難しく、スプーン先端を器部の底に当てながら、腕全体を横に大きく動かすことにより、食品を掬う傾向にある。したがって、使用者が食品を掬い上げるための動作をするためにスプーン等を移動させる方向がより長く構成されているので、使用者が食品を掬い上げる動作をし易くなる。
【0014】
【0015】
好ましくは、前記位置変更手段は、前記器部の偏心位置に設けられた器側凸部又は器側凹部と、この器側凸部又は器側凹部に対応して前記ベース部に設けられたベース部側凹部又はベース部側凸部と、を有していることを特徴とする。
前記構成によれば、前記器部に設けられた器側凸部又は器側凹部は、これに対応して設けられたベース部側凹部又はベース部側凸部に嵌合する。したがって、器部は、ベース部に対して位置決めされつつ固定される。また、前記器側凸部又は器側凹部は、器部の偏心位置に形成されているので、器部の向きを変えて、器側凸部又は器側凹部をベース部側凹部又はベース部側凸部に嵌合させることで、器部のベース部に対する位置及び角度を容易に変更することができる。
【0016】
好ましくは、前記器側凸部は、前記器部の底面に形成されていることを特徴とする。
前記構成によれば、前記器側凸部は、前記器部の底面に形成されているので、前記器側凸部をテーブル等に接地させることで、前記器部を単独で、テーブル等に載置させることができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0029】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が適用される食器を示す概略斜視図である。図1において、食器100は、食品を収容した器部110と、この器部110を支持するベース部120とを備えている。
図2は、図1の食器100の概略中央縦断面を示す図であり、図3は、図1の器部110の平面図であり、図4は食器100の器部110の位置を変更した状態を示す概略中央縦断面図である。また、図5は器部110の左側面図である。
図3に示すように、器部110は、その全体が例えば略卵殻型に形成されている。したがって、食器100を使用する例えば幼児や要介護者の母親や介護者が器部110内で食品を潰す際に、器部110を手にしっかりと持ち易い形状となっている。
【0030】
また、この器部110には、曲率半径の異なる2つの食品収容部111,112が連続した曲線で結ばれて形成されている。したがって、幼児や要介護者が例えばスプーンで器部110内に収容された食品を掬い上げる際に、スプーンの動きを妨げることがない。
この曲率半径は、図2の左側の食品収容部111では、例えば、R45mmとなっており、右側の食品収容部112では、例えばR250mmとなっている。
【0031】
ところで、器部110は、図2のようにベース部120上に配置される場合は、器部110の食品収容部112の最深部112aが器部110の最深部になるように配置される。また、図4に示すように器部110のベース部120に対する位置を変更すると、食品収容部111の最深部111aが器部110の最深部となるように配置される。
したがって、器部110の最深部は、器部110がベース部120に対し、図2又は図4に示すように位置が変更されることで変更し、これに伴い器部110内の食品を最深部へ移動させられることになる。
【0032】
また、図2の位置に器部110を配置した場合、食品収容部112の最深部112aの左側の近傍には、食品収容部111が食品掬い上げ用壁部として作用する。すなわち、幼児等が食品収容部112の最深部112aに配置されている食品をスプーンで掬い上げる場合、図2において右側からスプーンを挿入し、食品収容部112の底面に沿ってスプーンを移動させ、食品に当接させる。
その後、スプーンの上に食品を載せつつ、スプーンを食品収容部111である食品掬い上げ用壁部に当接させつつ、スプーンを引き上げるので、より容易に食品をスプーンに載せることができるような構成となっている。
【0033】
一方、図4に示すように器部110が配置されている場合は、食品収容部112が食品掬い上げ用壁部として作用する。すなわち、食品収容部111の最深部111aに配置されている食品は、図において右側から挿入されたスプーンに掬い上げられる際、スプーンと食品は食品収容部112である食品掬い上げ用壁部に当接させつつ、円滑に食品をスプーンに載せることができることになる。
ところで、器部110の開口部が図3に示すように略卵殻型となっているので、このような食品収容部111,112の最深部111a,112aの近傍に食品が集まり易く、食品掬い上げ用壁部が形成され易くなっている。
【0034】
また、これら食品収容部111,112の先端部111b,112bは、図2及び図4に示すように、器部110の内側にオーバーハングするように形成されている。したがって、上述のように幼児等がスプーンで食品を掬い上げる際に、食品は食品収容部(食品掬い上げ用壁部)111,112の底面に沿って移動し、食品が先端部111b、112bまで移動させられた際に、このオーバーハングの形状によって、食品が器部110の外側にこぼれることなく、内側でスプーンに容易に載置されることになる。
また、図2及び図4に示す先端部111bには、食品収容部111である食品掬い上げ用壁部の外周が外方に突出するように形成されているフランジ部111cが形成されている。このフランジ部111cは、図3に示すように円弧状に食品収容部111から外方に突出するように形成されている。
【0035】
このフランジ部111cは、器部110のみを母親等が手に持って幼児等に給仕する際に手がかりとなる部分である。
図10(a)(b)は、母親等がフランジ部111cを手がかりとして、器部110を持った状態を示す図であり、図10(a)と(b)とは、角度を変えて示している。
図10(a)(b)に示すように、母親等の手の親指と人さし指で、フランジ部111cをしっかりと保持することができるようになっている。
すなわち、母親等がフランジ部111cを手がかりとして器部110を持つと、図2の食品収容部111である食品掬い上げ用壁部が突出するように配置されるので、スプーン等をこの食品掬い上げ用壁部側に押し当て、食品を掬い上げる際に、器部110をしっかり持つことができることとなる。
【0036】
ところで、器部110の食品収容部112の開口部、すなわち、食品収容部(食品掬い上げ用壁部)111に対向して配置される開口部は、図2に示すように水平面に対して例えば6°程度、下向きに傾斜して配置されている。
したがって、図2に示すように器部110をベース部120に配置した場合、図において右側から幼児等がスプーンを挿入し、上述の食品を掬い上げる動作をする際、幼児の手やスプーンの柄等が食品収容部112の開口部の端部に当接するのを未然に防ぐことができる。
【0037】
また、同様に図4に示すように、器部110をベース部120上に配置した場合は、図に示すように食品収容部(食品掬い上げ用壁部)112に対向して配置される開口部が、図4に示すように水平面に対して例えば15°程度、下向きに傾斜して配置されているので、上述の食品を掬い上げる動作をする際、幼児の手やスプーンの柄等が食品収容部111の開口部の端部に当接するのを未然に防ぐことができる。
したがって、幼児等は円滑にスプーンで食品収容部112、111内の食品を掬い上げることができる。
【0038】
また、図3に示すように、器部110の食品収容部111,112の開口部は、食品掬い上げ用壁部の形成方向である図において縦方向の長さが、例えば100mmとなっている。そして、この食品掬い上げ用壁部の形成方向と直交する方向である図において横方向の長さが、例えば134mmとなっている。
すなわち、器部110の図において横方向が縦方向に比べ長く形成されているので、幼児等が上述のように食品収容部111,112の食品をスプーンで掬い上げる場合に、幼児等の手やスプーンが移動する方向が長く形成された器部110となっている。このため、幼児等が腕を横に大きく動かして、スプーンの先端を器部110の食品収容部111,112の内面に当てながら移動させ易く、掬い易い器部110となる。
【0039】
以上のように構成されている器部110の底面、すなわち、図1のベース部120側には、器側凸部113が、図3の破線及び図5に示すように、2ヶ所形成されている。
図6は、図3の器部110のA−A線の概略断面図であるが、図6に示すように、器側凸部113は、器部110の底面から突出するように形成されている。したがって、例えば器部110のみをテーブル等の上に、図2のような角度で配置する場合、これら器側凸部113がテーブル上に接触し、器部110の脚部として機能する。したがって、器部110は、この器側凸部113により、テーブル上で転倒することなく、安定的に配置されることになる。
【0040】
また、この器側凸部113は、図6に示すように器部110の底面の偏心位置、すなわち、食品収容部111側に配置されている。
ところで、図7は、図2又は図4で器部110が配置されているベース部120の概略平面図であり、図8は、図2又は図4で器部110が配置されているベース部120の概略左側面図である。
図7において、ベース部120には、ベース部側凹部である例えば貫通孔121が2つ形成されている。
図9は、図7のB−B’線概略断面図であるが、図9に示すように、ベース部120の貫通孔121は、上述の器部110の器側凸部113が挿入されるような形状となっている。
【0041】
図9において破線で示したのは、器部110であり、ベース部120の貫通孔121に、器部110の器側凸部113が挿入された状態を示すものである。
したがって、器側凸部113が貫通孔121内に挿入されることで、器部110はベース部120に一定の角度で配置されることになる。
ところで、ベース部120の貫通孔121の周囲には器側凸部113を保持するための保持用壁部121aが図7及び図9に示すように形成されている。
この保持用壁部121aによって貫通孔121に挿入された器側凸部113は、ベース部120にしっかりと保持されることになる。
ところで、この状態は、図2に示す状態を示すものであり、このときの器部110の角度は、器部110の食品収容部112の最深部112aが器部110の最深部となる角度である。
これに対して、器部110の向きを図2の左右において逆にし、器側凸部113をベース部120の貫通孔121に挿入すると、図4に示す角度で器部110がベース部120に配置されることになる。
【0042】
このときの器部110の角度は、器部110の食品収容部111の最深部111aが器部110の最深部となる角度である。
このように、器部110の長手方向を逆にして、器側凸部113をベース部120の貫通孔121に挿入することで、容易に器部110のベース部120に対する角度を変更することができる。
また、この器部110の角度を変更することで、器部110の最深部を容易に複数の食品収容部111,112の複数の最深部111a、112aに変更することができる。
このようなベース部120の図2に示す接地面122には、滑り止め加工が施されているため、ベース部120をテーブルに載置し、器部110内の食品を幼児等がスプーンで掬っても、ベース部120がテーブル上を移動することを未然に防ぐことができる。したがって、幼児等の食品を掬う動作を邪魔することがない。
【0043】
本実施の形態にかかる食器100は、以上の構成とされるが、以下、その使用方法等について説明する。
幼児等が本実施の形態に係る食器100とスプーンを用いて、食品を食器100から掬い上げて食べる練習をする例を用いて説明する。
先ず、図2に示すように、テーブルにベース部120を載置し、その上に器部110を配置する。
このときの器部110の角度は、曲率半径が大きい方であるR250mmの食品収容部112の最深部112aが器部110の最深部となるように配置される。
【0044】
この状態で幼児の母親等が食品を器部110内に入れる。すると、食品は食品収容部112の最深部112aを中心に配置される。
その後、幼児等は、スプーンの柄を持ち、スプーンの先端部を図2の右側から食品収容部112内に挿入し、食品をスプーンに載置しようとする。
このとき、幼児等は、スプーンをうまく操作できないため、食品をスプーンに載せるのではなく、スプーンの先端で食品を左方向に押すような動作となる。
すると、この食品収容部112の最深部112aの近傍である図2における左側には、食品収容部111(食品掬い上げ用壁部)が配置されているので、この壁に食品を押し付けながら、食品をスプーンに載せ、掬い上げて食べることができる。
【0045】
食品をスプーンで掬い上げ、食べ進むうちに、食品の量が減少し、食品が浅くなり、図2の食品収容部112では、幼児が食品をスプーンで掬い難くなる。そのとき、母親は図2の器部110をベース部120から外し、図において左右を逆にするように器部110の向きを変更し、再び、器部110の器側凸部113をベース部120の貫通孔121に挿入する。
すなわち、図4に示すような状態にする。この状態では、食品収容部111の最深部111aが器部110の最深部となる角度で器部110がベース部120に配置されている。このときの食品収容部111の曲率半径は小さいR45mm程度となっている。
【0046】
つまり、角度を変える前に、図4の左側の食品収容部112に配置されていた食品は、図の右側の食品収容部111側に重力により移動させられ、食品収容部111の最深部111aを中心とする部分に集められることになる。この食品収容部111の曲率半径は、移動前の食品収容部112の曲率半径R250mmより小さいため、食品収容部111の最深部111aまでの角度が大となり、食品を配置した場合の食品の深さが深くなることになる。
すなわち、同量の食品を食品収容部112から食品収容部111に移動させると食品の深さがより深くなる。
【0047】
そこで、幼児が、図4の食器100の右側からスプーンを挿入したときは、食品をより掬い易い状態となる。したがって、幼児はスプーンで食品を掬い食べる練習を十分にすることができることになる。
また、食事が進みさらに食品が減ったときでも、幼児は食品収容部111に配置されている食品を左側の食品収容部112(食品掬い上げ用壁部)に当接させることで、最後まで食品をスプーンに載せ、掬い上げて食べることができる。
このとき、うまくスプーンに載らず食品収容部112に沿って食品が移動してしまっても、上述のようにその先端部112bがオーバーハングしているため、食品は器部110の外に出ることなくスプーンに載置されるようになっている。
【0048】
さらに、このように幼児が激しくスプーンを器部110内で動かしても、ベース部120の接地面122に滑り止め加工が施されているため、食器100がテーブル上を滑ってしまうことがない。
本実施の形態の食器100を、このように使用することで、幼児は食器100からスプーンで食品を掬い上げる練習を効果的に行うことができる。
なお、本実施の形態では、幼児について説明したが、これに限らず、本実施の形態の食器100は、通常の大人や、手の操作が不自由な要介護者が食事を摂る際にも使用することができることはもちろんである。また、本実施の形態では、器側凸部113とベース部120の貫通孔121を例に説明したが、これに限らず、ベース部にベース部側凸部を設け、器部側に器側凹部を設ける構成としてもよい。
【0049】
(第1の参考例)
図11は、第1の参考例に係る食器200を示す概略断面図である。第1の参考例に係る食器200のうち、上述の第1の実施の形態に係る食器100と共通の構成については、同一符号等とし、その説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本参考例に係る食器200は、第1の実施の形態に係る食器100と異なり、その器部210の底面に位置変更手段である略球状の軸部211が形成されている。
また、ベース部220には、この略球状の軸部を受容する位置変更手段である軸受部221が形成されている。したがって、この略球状の軸部211が軸受部221内を球面状に移動することで、器部210の位置がベース部220に対して変更可能となっている。
【0050】
このため、幼児等が使用し易い角度に器部210の角度を調整できると共に、器部210の第1の実施の形態で説明した角度変更も、軸部211を軸受部221内で球面状に移動させることで容易に行うことができる。また、本参考例では、角度は第1の実施の形態とことなり自由に選択できるので、より幼児等が食品を掬い易い角度に器部210を調整することができる。
さらに、本参考例では、ベース部220が、弾性体により形成されているため、ベース部220のテーブルとの接地面220aにおいて摩擦力が生じ、ベース部220がテーブル上を滑り難い構成とすることができる。
なお、本参考例においては、このベース部220の接地面220aに滑り止め用の吸盤を取り付けることもできる。
この場合は、吸盤がテーブルに吸い付くため、ベース部220がテーブル上を滑ることをより確実に防止することができる。
また、図11と異なり、器部210に軸受部221を設け、ベース部220に軸部211を設けるように構成しても良い。
【0051】
(第2の参考例)
図12は、第2の参考例に係る食器300を示す概略断面図である。第2の参考例に係る食器300のうち、上述の第1の実施の形態に係る食器100と共通の構成については、同一符号等とし、その説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本参考例に係る食器300は、第1の実施の形態に係る器部110と異なり、その底面に歯部311が、器部310の長手方向に沿って形成されている。
また、ベース部320には、前記歯部311と歯合する歯車321が設けられている。さらに、この歯車321を回転させるために操作部であるダイヤル322もベース部320に形成されている。
【0052】
これら歯部310、歯車321及びダイヤル322で位置変更手段を構成する。すなわち、使用者がダイヤル322を回転させることで、歯車321が回転し、この回転に伴い、器部310が図において矢印方向に移動する。
この器部310の移動により、器部310のベース部320に対する角度が変更され、第1の実施の形態で説明した食品の移動が生じることになる。
【0053】
(第3の参考例)
図13は、第3の参考例に係る食器400を示す概略断面図である。第3の参考例に係る食器400のうち、上述の第1の実施の形態に係る食器100と共通の構成については、同一符号等とし、その説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本参考例に係る食器400は、第1の実施の形態の食器100と異なり、ベース部420上の長手方向に略U字状に形成されたガイド溝部421が配置されている。このガイド溝部421が配置されているベース部420は、図12に示すように、図の左側に向かうにつれて、徐々に高くなっている。
【0054】
このため、このベース部420上に形成されているガイド溝部421も徐々に高くなっている。
また、器部410には、このガイド溝部421と係合する円盤状の係合部411aを備える軸部411が、その底面に配置されている。これら軸部411及びガイド溝部421とで位置変更手段が構成される。
すなわち、器部410の係合部411をベース部420のガイド溝部421内に係合させた状態で、図13の矢印方向にスライドさせると、ガイド溝部421が徐々に高くなっていることから、器部410の角度が変化するようになっている。
【0055】
したがって、この角度変化によって、器部410の角度を幼児等が使い易い角度に調整することができる。
また、この器部410はガイド溝部421内で、円盤状の係合部411aで保持されている。すなわち、ガイド溝部421内に係合された状態で、器部410を回転させることで、第1の実施の形態と同様に器部410の角度変化が生じ、これによる食品の移動で、幼児等が食品をスプーンで掬い易くなる。
更に、幼児等がスプーンを動かす方向に、器部410の角度を変更できるため、手の動きに合わせた使用を行うことができる。
【0056】
(第4及び第5の参考例)
図14(a)は、第4の参考例に係る食器500を示す概略断面図である。図14(b)は、第5の参考例に係る食器600を示す概略断面図である。
第4及び第5の参考例に係る食器500、600にうち、上述の第1の実施の形態に係る食器100と共通の構成については、同一符号等とし、その説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
【0057】
第4の参考例に係る食器500は、第1の実施の形態と異なり、ベース部520に器部510の位置変更手段である固定用吸盤521が形成されている。
したがって、この固定用吸盤421で固定する器部520の底面部分を変更することで、容易に器部520のベース部520に対する角度を変更することができる。そして、これにより、第1の実施の形態と同様に器部510内の食品の移動が生じ、幼児等が食品をスプーンで掬い易くなる。
また、第5の参考例に係る食器600は、第1の実施の形態と異なり、例えばベース部620側にフック側吸着面621が形成され、器部610側にループ側吸着面611が形成されている。
【0058】
そして、このフック側吸着面621とループ側吸着面611とを相互に押し付けることで、所謂マジックテープ(登録商標)等として機能し、両者を固定することになる。
したがって、位置変更手段であるフック側吸着面621とループ側吸着面611との接触位置を任意に変更することによって、容易に器部610のベース部620に対する角度を変更することができる。そして、これにより、第1の実施の形態と同様に器部610内の食品の移動が生じ、幼児等が食品をスプーンで掬い易くなる。
なお、本参考例では、ベース部620側にフック吸着面621を形成し、器部610側にループ側吸着面611を形成したが、これに限らず、ベース部620側にループ側吸着面、器部610側にフック側吸着面を配置してもよい。
【0059】
(第6の参考例)
図15は、第6の参考例に係る食器700を示す概略断面図である。第6の参考例に係る食器700のうち、上述の第1の実施の形態に係る食器100と共通の構成については、同一符号等とし、その説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本参考例の食器700のベース部720は、第1の実施の形態の食器100と異なり器部110の自重により変形可能な材質である、例えば低発泡ウレタンにより形成されている。この低発泡ウレタンにより形成されているベース部720上に、器部110を配置すると、図14に示すように変形して器部110を保持することとなる。すなわち、ベース部720が位置変更手段となっている。
【0060】
また、低発泡ウレタンは、所定の摩擦力を器部110に対して生じるため、器部110が載置された角度で保持されることとなる。
したがって、使用者が任意の角度に器部110を保持させることができ、これにより、第1の実施の形態と同様に器部110内の食品の移動が生じ、幼児等が食品をスプーンで掬い易くなる。
【0061】
(第7の参考例)
図16は、第7の参考例に係る食器800を示す概略断面図である。第7の参考例に係る食器800のうち、上述の第1の実施の形態に係る食器100と共通の構成については、同一符号等とし、その説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
本参考例では、第1の実施の形態の器部110及びベース部120が一体に形成されている。また、食器800の底面には、角度の異なる2つの傾斜面811,812が設けられており、この2つの傾斜面が位置変更手段となっている。
【0062】
したがって、図16に示すように一方の傾斜面812から他方の傾斜面811に食器800を倒すことで、食器800の食品収容部111,112に配置されている食品を移動させることができる。このため、第1の実施の形態と同様に、幼児等が食品をスプーンで掬い易くなる食器となる。
本参考例の食器800によれば、他の実施の形態の食器と比べ、簡単な構成となるので、手入れ等がし易い食器となる。
【0063】
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、食器内の食品を掬い上げ易い食器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る食器を示す概略斜視図である。
【図2】 図1の概略中央縦断面を示す図である。
【図3】 図1の器部の概略平面図である。
【図4】 図1の器部の位置を変更した状態の食器の概略中央縦断面図である。
【図5】 図1の器部の概略左側面図である。
【図6】 図3のA−A線、概略断面図である。
【図7】 図1のベース部の概略平面図である。
【図8】 図7のベース部の左側面図である。
【図9】 図7のB−B’線、概略断面図である。
【図10】(a)図1の器部を保持した状態を示す概略斜視図である。(b)図1の器部を保持した状態を示す他の概略斜視図である。
【図11】 第1の参考例の食器を示す概略断面図である。
【図12】 第2の参考例の食器を示す概略断面図である。
【図13】 第3の参考例の食器を示す概略断面図である。
【図14】(a)第4の参考例の食器を示す概略断面図である。(b)第5の参考例の食器を示す概略断面図である。
【図15】 第6の参考例の食器を示す概略断面図である。
【図16】 図7の参考例の食器を示す概略断面図である。
【符号の説明】
100、200,300,400、500、600、700、800・・・食器、110、210、310、410、510,610・・・器部、111、112・・・食品収容部、111a,112a・・・最深部、111b,112b・・・先端部、111c・・・フランジ部、113・・・器側凸部、120、220、320、420,520、620、720・・・ベース部、121・・・貫通孔、121a・・・保持用壁部、122、220a・・・接地面、211・・・軸部、221・・・軸受部,321・・・歯車、322・・・ダイヤル、311・・・歯部、411・・・軸部、411a・・・係合部、421・・・ガイド溝部、521・・・固定用吸盤、611・・・ループ側吸着面、621・・・フック側吸着面、811,812・・・傾斜面
Claims (5)
- スプーンで掬い上げる食品を収容する器部と、
この器部を保持するベース部と、を有し、
前記器部内面が、曲率半径の異なる複数の食品収容部を備えると共に、この器部の前記ベース部に対する相対位置を変更するための位置変更手段を備え、
前記位置変更手段によって前記食品収容部の最深部の位置を変更する構成となっており、
いずれか一つの前記食品収容部が前記最深部となったときに、当該食品収容部と連続して形成された他の前記食品収容部が食品掬い上げ用壁部となり、
前記食品掬い上げ用壁部に対向して配置される前記器部の開口面が食器の水平面に対して下向きに傾斜して形成されていることを特徴とする食器。 - 前記食品掬い上げ用壁部の端部が前記器部の内側にオーバーハングして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の食器。
- 前記器部が、平面視で全体として略卵殻型と成っており、
前記食品掬い上げ用壁部に対向して配置される前記器部の開口面が、前記略卵殻型の長手方向に沿って、当該食器の水平面に対して下向きに傾斜して形成され、
前記傾斜して形成された前記器部の開口面が、前記スプーンを挿入する側に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の食器。 - 前記位置変更手段は、前記器部の偏心位置に設けられた器側凸部又は器側凹部と、この器側凸部又は器側凹部に対応して前記ベース部に設けられたベース部側凹部又はベース部側凸部と、を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の食器。
- 前記器側凸部は、前記器部の底面に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の食器。
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