JP4475626B2 - 食器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳幼児が食品の摂取に際し食品を収容する乳幼児用食器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、食事に用いられる食具の操作が不自由な、例えば高齢者等の食器として、料理が掬いやすい内側を形成した食器が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、手の操作の不如意な人のための器として、食品をスプーン等で掬いやすい器も提案されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第3061219号(第3図等)
【特許文献2】
実開平8−1621号(第1図等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の高齢者等と同様に、食具の操作に対する練習を行っておらず、上手く食具の操作を行うことが困難な、特に乳幼児等の場合は、単に食器から食品をスプーン等で取り出しやすいという点だけでなく、正しい姿勢での食事の練習や、食器を持ち上げて食べる動作を身に付ける練習等を行うことができる食器が望まれていた。
このため、従来の食器では、掬いやすさへの対応にとどまってしまい、このような練習を効果的に行うことができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、以上の点に鑑み、乳幼児やリハビリが必要な使用者等が食品を掬い上げる等、取りやすいだけでなく、食器に手を添えた正しい姿勢での食事の練習や、食器を持ち上げて食器の縁に口唇を当てて食品を取り込む動作を身に付ける練習等もすることができる食器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、請求項1の発明によれば、上面に開口部を有し食品を収容する食器本体と、前記開口部の周縁に設けられた縁部と、を有する食器であって、前記開口部を介して対向して位置する前記縁部が平板状に外方に向かって延伸して延伸縁部を形成すると共に、前記延伸縁部の端部であって、少なくとも上面側には、この延伸縁部より厚みが大きく、且つ曲面を備える略球状の注意喚起用把持部が形成されていることを特徴とする食器により達成される。
【0007】
請求項1の構成によれば、前記延伸縁部の端部であって、少なくとも上面側には、この延伸縁部より厚みが大きく、且つ曲面を備える略球状の注意喚起用把持部が形成されている。
ところで、スプーンや食器等の食具の操作に慣れていない乳幼児等が、一方の手でスプーン等を持ち、食器内の食品を取り出すときは、どうしても他方の手が遊んでしまい、他方の手で食器等を持つことができない。
これでは、食器内の食品をスプーン等で取り出し難いだけでなく、姿勢も悪くなる。さらには、食品を取り出せないことに伴い、乳幼児が食べる意欲を無くしてしまうことや、母親等の介助者のストレスにつながるという問題もある。
このように、乳幼児等にとって、前記他方の手で食器を持つ等の習慣は、単に食器から食品を取り出し易いだけでなく、正しい姿勢での食事の練習になり、さらに、食器を持ち上げて食べる動作を身につける練習等にもなるため極めて重要となっている。
【0008】
そこで、前記構成によれば、前記延伸縁部の端部であって、少なくとも上面側には、この延伸縁部より厚みが大きく、且つ曲面を備える注意喚起用把持部が形成されているので、乳幼児等が前記他方の手で前記注意喚起用把持部を持つことを促し、手で食器を支える習慣を身につけると共に、ひいては正しい姿勢での食事や食器を持ち上げて食べる動作等の練習も促すことになる。
また、前記注意喚起用把持部は、前記曲面を有しているので乳幼児等が手で持ちやすく、さらには乳幼児が関心を持ちやすいこともあり、自由となった食具以外の手で触れる事を促す。特に、食器を持ち上げる際に持ちやすく、食器内の食品を食器の縁を口唇に接触させる事で取り込む際の食器の傾き調整を行いやすいので、乳幼児等が様々な食事の動作を行い易い構成となっている。
また、前記注意喚起用把持部が略球状に形成されているので、ボールを握るのと同様に、主に親指、人差し指、中指の3本の指を使用して保持できるので、乳幼児が食器の傾き等をより調整しやすく、食器を扱いやすい構成となっている。しかも、乳幼児は略球状の形状に関心を示す傾向が見られており、自由な手で保持することを促す。
【0009】
好ましくは、請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記注意喚起用把持部の表面に弾性体が形成されていることを特徴とする食器である。
【0010】
請求項2の構成によれば、前記注意喚起用把持部の表面に弾性体が形成されているので、乳幼児が関心を持ちやすいだけでなく、食器を持ち上げた際に手が滑り難い構成となっている。
【0011】
好ましくは、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の構成において、前記注意喚起用把持部の前記開口部側の上面に、凹状の親指配置部が形成されていることを特徴とする食器である。
【0012】
請求項3の構成によれば、前記注意喚起用把持部の前記開口部側の上面に、凹状の親指配置部が形成され、この親指配置部に乳幼児の親指が配置されることで、親指が食器縁部における上面に配置されるという、適切な保持位置を身に付けることを促すと共に、乳幼児は親指を使用して、持っている食器の傾け幅等の微妙な調整をより行い易い構成となっている。
【0013】
好ましくは、請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の構成において、前記食器本体の前記開口部が略楕円又は略長円形状とされ、前記略楕円又は前記略長円形状のうち、他の部分より径が長い長径部分に対応した前記縁部に前記延伸縁部及び前記注意喚起用把持部が形成され、前記食器本体の前記長径部分に対応する部分の内周壁の断面形状が、前記食器本体の底面から前記開口部にかけて略垂直又はオーバーハング状に形成されていることを特徴とする食器である。
【0014】
請求項4の構成によれば、前記食器本体の前記開口部が略楕円又は略長円形状とされ、前記略楕円又は前記略長円形状のうち、他の部分より径が長い長径部分に対応した前記縁部に前記延伸縁部及び前記注意喚起用把持部が形成されている。
乳幼児のように、腕や手の動きが未発達な段階では、食事をする際、スプーン等を持った手の腕全体を大きく横に動かす傾向が強い。このため、請求項4の構成のように、スプーン等を持たない他の手で前記注意喚起用把持部を支えた際に、腕の動かす方向に前記開口部の前記長径部分が配置されると、乳幼児が前記食器本体内の食品を取り出しやすくなる。
【0015】
また、請求項4の構成では、前記食器本体の前記長径部分に対応する部分の内周壁の断面形状が、前記食器本体の底面から前記開口部にかけて略垂直又はオーバーハング状に形成されている。
このため、乳幼児がフォーク等で食品を刺す動作や、スプーン等で食品を掬う動作等を行う場合に、食品を前記略垂直又は前記オーバーハング状の前記内周壁側に配置することで食品を刺したり、掬ったりしやすくなる。
すなわち、前記略垂直又は前記オーバーハング状の前記内周壁がフォーク等の突き当て壁として機能するので、乳幼児は食品を取り上げやすくなっている。
このように、乳幼児の動きに見られる特徴に対応した方向に注意喚起用把持部等を設け、さらに、その壁面を所定角度とすることで、食具ではない方の自由な手で食器を持つことを促し、さらに、乳幼児の動きの特徴に対応した位置で、食具で食品を取り上げやすくすることで、食品を取り上げるまでの行為の学習を促す。
【0016】
好ましくは、請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4の構成において、前記食器本体の前記開口部が略楕円又は略長円形状とされ、前記略楕円又は前記略長円形状のうち、他の部分より径が長い長径部分に対応した前記縁部に前記延伸縁部及び前記注意喚起用把持部が形成されており、前記略楕円又は前記略長円形状の前記長径部分を結んだ長径仮想線の略中央領域で直交する短径仮想線上に相当する前記開口部の両端部のうち、一端部側に飲み口部が形成されていることを特徴とする食器である。
【0017】
請求項5の構成によれば、前記略楕円又は前記略長円形状の前記長径部分を結んだ長径仮想線の略中央領域で直交する短径仮想線上に相当する前記開口部の両端部のうち、一端部側に飲み口部が形成されている。
さらに、長径部分の両側となる延長線上に前記注意喚起用把持部が形成されている。
このため、乳幼児が食器を持ち上げて前記食器本体内の液状又流動体等のペースト状の食品を食器の縁を口唇に当接させて摂取する際、前記飲み口部に乳幼児の口唇を配置することで、前記食品をこぼさずに飲むことができる。
しかも、直行する長径部分の両側の延長線上に、注意喚起用把持部が形成されているため、各把持部を把持して食器を持ち上げるだけで、飲み口部が口唇の近傍に配置されることとなり、食器を持ち上げて、その縁部を口唇に当接させた後に食器の傾け量を調整しながら飲むという行為を容易に体験することができる。
【0018】
好ましくは、請求項6の発明によれば、請求項5の構成において、前記飲み口部が形成されている前記一端部側が、前記長径部分を結んだ仮想線を中心として、対向する前記短径仮想線上に相当する他端部側より重く形成されていることを特徴とする乳幼児用食器である。
【0019】
請求項6の構成によれば、前記飲み口部が形成されている前記一端部側が、前記長径部分を結んだ仮想線を中心として、対向する前記短径仮想線上に相当する他端部側より重く形成されているので、乳幼児が食器を持ち上げて前記食器本体内の液状等の食品を飲む際、前記食器本体が乳幼児の口唇側に傾き、乳幼児が飲み口に口唇を当接させて傾け幅を調整することで摂取しやすくなる。
【0020】
好ましくは、請求項7の発明によれば、請求項5又は請求項6の構成において、前記短径仮想線の方向において、前記食器本体の底面は前記飲み口部側に向かって深さが深くなるよう傾斜していると共に、前記飲み口部に連接される前記食器本体の内周壁が食器本体の底面と曲面で結ばれており、前記食器本体の底面の最深部が、前記飲み口部と前記長径仮想線の略中央領域との間の前記短径仮想線の略中央領域に形成されていることを特徴とする食器である。
【0021】
請求項7の構成によれば、前記短径仮想線の方向において、前記食器本体の底面は前記飲み口部側に向かって深さが深くなるよう傾斜しているので、前記飲み口部に連接される前記食器本体の底面は、使用者である乳幼児側に向かって対向するよう傾斜する構成となっている。
このため、前記食器本体内の食品が、乳幼児に近い前記食器本体の短径仮想線手前側となる飲み口側に位置させ易い。そして、このように、乳幼児に近づけられた食品は、乳幼児がスプーンやフォーク等の食具による操作が行いやすい。
さらに、食器本体の底面が飲み口側に向かって深さが深くなるよう構成されていることに伴い、使用者である乳幼児に対して、食器の底面が正面に向くように対向して配置されるため、乳幼児がフォーク等で刺す等の動作を行い易く、食品を取り上げる動作を行い易い。
また、前記食器本体内の液状等の食品を乳幼児が食器を傾けて飲む場合でも、前記食器本体底面に溜まっている食品は、飲み口に連接された内周壁と底面による前記曲面を介して、前記食器本体の飲み口部側における内周壁に移行し、さらに前記飲み口部に導かれることになる。
【0022】
したがって、液状等の食品は前記曲面で徐々に移行するので、前記食器本体を傾けた際、急激に移行することがないので、液状等の食品を乳幼児が誤って食器からこぼしてしまう可能性を小さくすることができる。
さらに、前記食器本体の底面の最深部が、前記飲み口部と前記長径仮想線の略中央領域との間の前記短径仮想性の略中央領域に形成されているので、この最深部は、乳幼児に近い部分に形成される。
このため、前記最深部に集まった食品を乳幼児が取り上げやすく、しかも、傾けて飲む動きにおいても操作しやすい構成となっている。
【0023】
好ましくは、請求項8の発明によれば、請求項1乃至請求項7のいずれかの構成において、前記食器本体の底面部に糸底部が形成され、前記糸底部に対して着脱可能な着脱手段を有する基台部が配置され、前記基台部が弾性体より形成されることを特徴とする食器である。
【0024】
請求項8の構成によれば、前記糸底部が前記着脱手段に対して配置されるので、前記食器本体は前記基台部により安定することになり、乳幼児が使用した場合においても倒れることを防ぐことができる。また、前記基台部は弾性体により成っているので、前記基台部が置かれるテーブル等や前記糸底部に対して摩擦係数が高くなる。
このため、例え注意喚起用把持部を上手く保持できていない場合においても、乳幼児が前記食器本体内の食品を取り出す際の食具の動きに伴って前記食器本体及び前記基台部が動いてしまうことがないので、乳幼児は前記食器本体内の食品を取り出しやすくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の乳幼児用食器の第1の実施の形態に係る取っ手付きボウル皿10を示す概略図である。図2は、図1の取っ手付きボウル皿10の概略分解斜視図である。
なお、取っ手付きボウル皿10は、茶碗やお椀、スープ皿等、食品を摂取する際に食品を収容する各種食器における代表例として示しており、これらの食器のいずれかで良い。
図1に示すように、取っ手付きボウル皿10は、その上面に開口部である例えば、ボウル開口部110を有し、このボウル開口部110の内部に食品を収容する構成となっている。
また、ボウル開口部110の周縁には縁部である例えば、ボウル縁部120が形成されている。
【0027】
そして、ボウル縁部120のうち、図において左右には、ボウル開口部110を介して対向する位置に、このボウル縁部120が他の部分より平板状に外方に向かって延伸して形成される延伸縁部121a、121bが設けられている。
これら延伸縁部121a、121bは、図1に示すようにボウル開口部110の両側に2箇所形成されている。
また、このボウル本体100は、例えばポリプロピレン(PP)やポリスチロール等のスチロール樹脂、ABS樹脂等で形成されている。
【0028】
ところで、ボウル本体100のボウル開口部110は、図1及び図2に示すように、略楕円又は略長円形状とされている。
図3は、この略楕円形状のボウル開口部110のうち、他の部分より径が長い長径部分である例えば図1の矢印Cの部分に対応する図2のB−B’線概略断面図である。
【0029】
図3に示すように、矢印Cの部分に対応する部分の内周壁である例えば、ボウル壁面部150の断面形状が、ボウル本体100の底面である例えば、ボウル底面部140からボウル開口部110にかけて略垂直に形成されている。
すなわち、図3に示すように、ボウル底面部140から延長された底面仮想線140aとボウル壁面部150から延長された壁面仮想線150aとが90度で直交している。但し、図3にも示されているように、ボウル底面部140とボウル壁面部150は曲面状に連接されており、この曲面は半径12mm程度の曲面とされて、スプーン先端と略同等の曲面とされている。
【0030】
また、図1及び図2に示すように、ボウル本体100の長径部分Cの方向に延伸されたボウル延伸縁部121a、121bの端部には、ボウル延伸縁部121a、121bより厚みが大きく、且つ曲面を備える注意喚起用把持部である例えば、略球形の取っ手130a、130bが形成されている。
なお、ここで示す注意喚起用把持部における略球状とは、正球状や変心した球状、長円状の球状に止まらず、多面体における角部や辺部を面取りし曲面状としたものも含まれるし、球状に近い丸い形態を有するキャラクター等でも良い。
【0031】
図4は、図2のD−D’線概略断面図である。
図4に示すように取っ手130bは、その内部に延伸縁部121bと一体に形成されて、同一の変形し難い硬質材、例えばポリプロピレン(PP)やポリスチロール等のスチロール樹脂、ABS樹脂等よりなる櫛歯状の凹凸部131aを下面側に有する芯部131と、この芯部131を覆うように形成され、ポリプロピレンより柔らかい軟質材である例えば、エラストマーやシリコーン樹脂等からなる表面部132とを有している。つまり、硬質材よりなる芯部131を含むボウル本体100を一体に成型し、その後に、成型物を他の金型にセットした状態で、軟質材による表面部132を成型することで一体に形成している。
【0032】
図5は、図4の取っ手130bから表面部132を取り去り、下面に形成された櫛歯状の凹凸部131aを含む芯材131を露出させて示した図2の概略右側面図である。
図6は、図5の櫛歯状の凹凸部131aを底面より見た概略部分底面図である。
図3乃至図6に示すように、芯材131は、上半分が中空とされた半球を成し、下半分に櫛歯状の凹凸部131aが3本の突起となるよう形成されている。もちろんこの突起は3本ではなく、さらに多く設けても構わない。
このように取っ手130を形成することで、食器本体100に対して取っ手部130の少なくとも表面に軟質材を確実に配置することができる。また、櫛歯状の凹凸131aとすることで食器本体との一体性を高めるだけでなく、エラストマーの使用量を抑制している。
また、取っ手部130をボウル本体100と一体に形成するのではなく、着脱可能に構成しても良い。この場合、取っ手部130を取り外し、ボウル縁部120の延伸縁部121のみで使用することもできる。
【0033】
また、取っ手130a、130bは図1及び図2に示すように、全体の形状が略球状で、図4乃至図6に示すように、その表面にエラストマー等の弾性体が表面部132として形状されている。
そして、図1及び図2に示すように、取っ手130a、130bのボウル開口部110側である図において上面側に、凹状の親指配置部133a、133bが形成されている。また、親指配置部133a,133bは上面側であって、かつ、内側となるボウル開口部110側に形成されている。
さらに、図1に示すように、矢印Cの長径部分の延長上にボウル縁部120の延伸縁部121a、121b及び取っ手130a、130bが形成されている。
【0034】
ところで、本実施の形態では、図3に示すように、ボウル壁面部150の断面形状が、ボウル底面部140からボウル開口部110にかけて略垂直に形成されているが、これに限らず、例えば図7に示すように、ボウル壁面部250の断面形状がボウル底面部140からオーバーハング状に形成されていてもよい。つまり、ボウル底面部140よりもボウル開口部110の方が幅が狭められるよう、ボウル壁面部250が内側に傾斜した状態とされていても良い。
図7はボウル壁面部150の他の断面形状を示す概略図である。
【0035】
ところで、図1の矢印Cを結んだ長径仮想線の略中央領域で直交する矢印Eを結んだ短径仮想線上に相当するボウル開口部110の両端部のうち、一端部側、例えば図1の手前側に飲み口部160が形成されている。
また、図1の飲み口部160が形成されている一端部が、長径部分を結んだ仮想線Cを中心として、矢印Eの短径仮想線上に相当する対向する他端部である例えば、図1の飲み口部の反対側161より重く形成されている。
つまり、注意喚起用把持部にあたる、図1における左側の取っ手部130aと右側の取っ手部130bをそれぞれ手掌に載せる程度に把持した場合に、飲み口部160側が下側に傾く程度に、飲み口部160側に重心がかけられている。
【0036】
図8は、図1のA−A’線概略断面図である。
図8に示すように、ボウル底面部140は飲み口部側に向かって深さが深くなるよう傾斜している。そして、飲み口部160に連接されるボウル本体100の内周壁である例えば、ボウル壁面部150が、ボウル底面部140と曲面で結ばれている。そして、ボウル底面部140の図8に示す最深部150bが、図1の長径仮想線である矢印Cと短径仮想線である矢印Eとの交点と飲み口部160との間である短径仮想線の略中央領域に形成されている。
つまり、ボウル底面部140において、長径方向Cの方向には高低差が形成されていないが、短径方向Eの方向には、身体の遠くに配置される壁面側となる飲み口の反対部161から身体側に向かって深さが深まり、飲み口部160側の壁面部150の下端側が曲線状とされて延伸された点である最深部150bが最も深い位置となるよう構成されており、ボウルの反対部161とボウル底面部140の境界150cと最深部150bとを結ぶ仮想線Qと、最深部150bを通る水平線Pの交わる角度θは約10度程度とされている。
【0037】
また、図1及び図8に示すように、ボウル本体100の底面部に糸底部170が形成されている。
そして、この糸底部170に対して着脱可能に嵌合等する着脱手段である凹部181を有する基台部である例えば、安定台180が配置されている。
さらに、この安定台180は、エラストマーやシリコーン樹脂等の弾性体により形成されており、糸底部170よりも大きな外周を有している。
この時、糸底部170の外周面と、安定台180の凹部181内周面に係合するための凹部等を形成して、確実に設置できるよう構成しても良い。
【0038】
本実施の形態に係る取っ手付きボウル皿100は、以上のように構成されるが、その作用等を従来のボウル皿との比較において以下、詳細に説明する。
図9及び図10は従来のボウル皿で食事する乳幼児の状態を示す概略斜視図である。
図9(a)に示す例は、乳幼児が利き手でフォークを持ちボウル皿内の食品を取り出そうとしているが、非利き手である例えば、左手が椅子の背をもっているため、乳幼児の上半身が横を向いてしまい姿勢が悪くなっている。
また、図9(b)の場合も、非利き手の左腕の肘をテーブルについてフォークで食品を取り出そうとしているので、前屈みとなり、姿勢が悪くなっている。
図10(a)(b)も上述と同様に、非利き手がテーブルの下に伸びている等、姿勢が悪くなっている。これらのように、従来のボウル皿では、乳幼児が、食具を操作している手とは逆側の手で食器を支えながら、正しい姿勢での食事を促す構成は意図されておらず、悪い姿勢による摂食を行う傾向が見られる。
【0039】
図11乃至図13は、本実施の形態に係る取っ手付きボウル皿10の使用方法を示す概略図である。
従来は、上述の図9及び図10のようにフォーク等の操作に慣れていない乳幼児が、利き手でフォーク等を持ち、ボウル皿内の食品を取り出すときは、どうしても他の非利き手が遊んでしまい、非利き手でボウル皿を支えることができない傾向が見られた。
これでは、ボウル皿内の食品をフォーク等で取り出し難いだけでなく、図9や図10に示したように姿勢も悪くなる。
このように、乳幼児にとって、非利き手でボウル皿を支える等の習慣は、単にボウル皿から食品を取り出し易いだけでなく、食具を操作している手とは逆側の手で食器に手を添えて正しい姿勢で食事を行う練習にもなり、さらに、ボウル皿を持ち上げて食べる動作を身に付ける練習等になるため極めて重要となっている。
【0040】
そこで、本実施の形態の取っ手付きボウル皿10には、図11に示すように取っ手130a、130bが備えられているので、図12(a)(b)に示すように、乳幼児に非利き手で取っ手130aを持つことを促し、非利き手で取っ手付きボウル皿10を支える習慣を身に付けることができる。
このような習慣を身に付けることによって、図12(a)(b)に示すように、乳幼児が非利き手で取っ手130aを持った状態とすることを促し、その延長線として正しい姿勢での食事の練習をすることができる。
さらに、図13(b)に示すように、両手で取っ手130a、130bを持つことで取っ手付きボウル皿10を持ち上げて、飲み口160に口唇を当接させてボウル皿10の傾け幅を調整することで、主に液状やペースト状の食品を摂取する動作等の練習も促すことができる。
【0041】
また、図11(a)(b)に示すように、取っ手130a等は略球形となっているので、乳幼児が手で持ち易い構成となっている。特に、図13(b)に示すように取っ手付きボウル皿10を持ち上げる際には取っ手部130aの下側にも指が入り込むため上方に持ち上げやすく、ボウル本体100内に液状の食品が収容され、それを乳幼児が飲むときは、図13(b)に示すように、取っ手140が上下方向においても略球状とされていることで、取っ手付きボウル皿10の傾き幅を調整し易いので、乳幼児が固形物、液状、流動物等の様々な食事の際の動作を練習し易い構成となっている。
【0042】
また、取っ手130a等が略球状なので、ボールを握るのと同様に、図11(a)(b)に示すように、主に親指、人差し指、中指の3本の指を使用して保持できる。もちろん、乳幼児の好みによって様々な握り方を行うことができる。しかも、乳幼児は球状や円状のものに強く興味を惹かれる傾向が見られており、乳幼児が非利き手で取っ手130aを把持することを促している。
このため、図13(b)のような取っ手付きボウル皿10の傾きをより調整し易く、扱い易い構成となっている。
さらに、取っ手130a等の表面部132は図4等で示すように、エラストマー等で形成されているので、感触の面白さから触れることを促すだけでなく、乳幼児が図13(b)のように取っ手付きボウル皿10を持ち上げた際に手が滑りにくい構成となっている。
【0043】
また、図11(a)(b)に示すように、取っ手130a等には親指配置部133a等がその上面であって、開口部110側となる内側に窪み状に設けられているので、乳幼児が親指を図13のように配置すれば、乳幼児は親指を使用して、持っている取っ手付きボウル皿10の傾け幅等の微妙な調整をより行い易く、さらに、取っ手130aの上面側に親指を配置するという正しい位置に親指を配置することを促すことで、正しい把持方法で把持する練習を行うことができる。
【0044】
また、図13(a)の矢印X方向に図1の矢印C方向の長径部分が配置される。
乳幼児のように、腕や手の動きが未発達な段階では、食事をする際、フォーク等を持った手の腕全体を大きく横(図13の矢印X方向)方向に動かす傾向が強い。
このため、図13のように取っ手付きボウル皿10を配置すると腕の動きに沿って長径部分が配置されるので大きく腕を動かすことができ、乳幼児がボウル本体100内の食品を取り出しやすくなる。
【0045】
また、図3に示すように、ボウル壁面部150がボウル底面部140に対して略垂直に形成されているので、乳幼児がフォーク等で食品を刺す動作や、スプーン等で食品を掬う動作等を行う場合に、食品F(図3参照)をボウル壁面部150側に配置することで食品Fを刺したり、掬ったりし易くなる。
すなわち、ボウル壁面部150がフォーク等の突き当て壁として機能するので乳幼児は食品Fを取り上げやすくなる。
また、ボウル底面部140とボウル壁面部150の境界が所定の曲面形状とされることで、スプーン等の先端があたりやすく、ボウル皿内に残った食品Fを確実に掬うことができる。
【0046】
また、図1に示すように、飲み口部160は、図1の矢印Cを結んだ長径仮想線の略中央領域で直交する矢印Eを結んだ短径仮想線上に相当するボウル開口部110の両端部のうち、一端部側、例えば図1の手前側にボウル縁部120を外方に突出させた飲み口部160が形成されている。
このため、図13(b)に示すように、乳幼児が取っ手130を両手で保持して、取っ手付きボウル皿10を持ち上げてボウル本体100内の液状又は流動体等のペースト状の食品を飲む際、飲み口部160に乳幼児の口唇を配置することでこぼさずに飲むことを促すことができる。
【0047】
また、図1の飲み口部160が形成されている一端部が、矢印Eの短径仮想線上に相当する他端部である例えば、図1の飲み口部の反対側161より重く形成されているので、図13(b)に示すように、乳幼児が取っ手付きボウル皿10を持ち上げてボウル本体100内の液状等の食品を飲む際、ボウル本体100が乳幼児の口唇側に傾き、乳幼児が口唇から飲みやすくなる。
【0048】
また、図8に示すように、ボウル底面部140は飲み口部側に向かって深さが深くなるよう傾斜しており、飲み口部160に連接されるボウル本体100のボウル壁面部150が、ボウル底面部140と曲面で結ばれている。そして、ボウル底面部140の図8に示す最深部150bが、図1の長径仮想線である矢印Cと短径仮想線である矢印Eとの交点と飲み口部160との間である短径仮想線の略中央領域に形成されている。
このため、ボウル底面部140は使用者である乳幼児側に向かって対向するように傾斜する構成となっている。したがって、ボウル本体100内の食品F(図8参照)が、乳幼児に近い図8の右側のボウル壁面部150に位置させやすいだけでなく、図12(a)(b)に示されているようにフォーク等で食品を刺す場合等に、底面部140が身体に正対するよう配置されるため、力が入りやすく、刺す操作を行いやすい。
そして、このように近づけられた食品Fは、乳幼児にとって身体に近づいた位置に配置されるためフォーク等で刺す動作を行い易く、食品Fを取り上げる動作を行い易くなる。
【0049】
また、図8のボウル本体100内の液状等の食品を図13(b)のように、乳幼児が飲む場合でも、図8のボウル底面部140の特に最深部150bに溜まっている食品は、その右側の曲面を介してボウル壁面部150に移行し、さらに、飲み口部160に導かれることになる。
このため、液状の食品は前記曲面で徐々に移動するので、図13(b)のようにボウル本体100を傾けた際、急激に食品が移動することがないので、液状等の食品を乳幼児が飲み口160から飲む際にボウル本体100からこぼしてしまう可能性を小さくすることができる。
【0050】
また、図8に示すように、ボウル本体100のボウル底面部140の最深部150bが、図1の長径仮想線である矢印Cと短径仮想線である矢印Eとの交点と飲み口部160との間である短径仮想線の略中央領域に形成されているので、この最深部150bは、乳幼児に近い部分に形成されている。
このため、図8の最深部150bに集まった食品を乳幼児が取り上げ易い構成となっている。
【0051】
ところで、図1及び図8に示すように、ボウル本体100の底面部に糸底部170が形成されている。
そして、この糸底部170に対して着脱可能に嵌合等する着脱手段である凹部181を有する基台部である例えば、安定台180が配置されている。
さらに、この安定台180は、エラストマーやシリコーン樹脂等の弾性体により形成されている。
このため、図8に示すように、糸底部170が着脱凹部181に対して嵌合して配置されるので、ボウル本体100は糸底部170よりも大きな外周とされた安定台180により安定する。
また、安定台180はエラストマー等により成っているので、安定台180が置かれるテーブル等や糸底部170に対して摩擦係数が高くなり、滑り難くなっている。
特に、図13(a)のような場合において、例え乳幼児が取っ手部130aを非利き手で把持していない場合においても、乳幼児がボウル本体100内の食品を取り出す際のフォーク等の動きに伴ってボウル本体100や安定台180が動いてしまうことがないので、乳幼児はボウル本体100内の食品を取り出し易くなる。
なお、図8に示されるように、安定台180の凹部181の外周となる安定台上方の外周部182は中央部が窪んだ曲面形状とされており、安定台180からボウル皿本体100を取り外す際等に、安定台180を抑えるための指がかりとすることができ、ボウル皿本体100を取り外しやすい。
【0052】
また、図4に示すように取っ手130bは、その内部に延伸縁部121bと一体にポリプロピレン(PP)よりなる櫛歯状の凹凸部131aを含む芯部131と、この芯部131を覆うように形状され、ポリプロピレンより柔らかい軟質材であるエラストマー等からなる表面部132とを有している。
このため、エラストマー等の軟質材の部分を図4に示すように少なくすることができるので、確実にインサート成形等の一体成形を行うことができると共に、エラストマー等の軟質材の部分が櫛歯状の凹凸部131から外れにくい構成となっている。
さらに、エラストマー等の本体に使用されている硬質材よりも高価な材質の部分が少なくなっているので、取っ手付きボウル皿10の製造コストを下げることができる。
【0053】
図14は、本実施の形態の取っ手付きボウル皿10と従来品のボウル皿で乳幼児が食事を行ったときの状態を示す表である。
図14の表に示すように、本実施の形態の取っ手付きボウル皿10で半液状の食品である「ヨーグルト」についてスプーンを使用して乳幼児が摂取したときは、取っ手付きボウル皿10の場合の方が、はるかに、その非利き手を使って食器を保持していることが分かる。
また、固形物である「ホットケーキ」についてフォークを使用して摂取した場合は、従来品ではほとんど非利き手を使っていないのに対し、本実施の形態の取っ手付きボウル皿10では、乳幼児が非利き手を使って食器を支えていることが分かる。
このように、本実施の形態の上述の作用効果は、実際に使用している状態を観察した範囲でも確認されている。
【0054】
(第2の実施の形態)
図15は、本発明の乳幼児用食器の第2の実施の形態に係る取っ手付きボウル皿20を示す概略斜視図である。
取っ手付きボウル皿20の多くの構成は上述の第1の実施の形態の取っ手付きボウル皿10と同様であるため同一符号等を付し、説明を省略し、相違点を中心に以下説明する。
図15に示すように、本実施の形態の取っ手付きボウル皿20は、第1の実施の形態の取っ手付きボウル皿10と安定台280が異なる。
すなわち、安定台280の図15の両側には、ボウル本体100の取っ手130a等の位置に対応して切り欠き部281が設けられ、さらに安定台280の長径方向中心には凸部282が形成されている。
また、取っ手130a等に形成されている親指配置部233a、233bの形状も第1の実施の形態の親指配置部133a等と異なる。
【0055】
図16は、本実施の形態の取っ手付きボウル皿20を示す他の概略斜視図である。
図16に示すように、本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、安定台280をボウル本体100の蓋として用いることができるので、ボウル本体100内の食品を保護することができる。つまり安定台280の切り欠き部281に、ボウル本体100の取っ手130が入り込むと共に、飲み口160に安定台280の凸部282が入り込むことができる。
すなわち、安定台280は、食品をボウル本体100内に一時保管するための蓋として機能するだけでなく、食品をボウル本体100内に収容して電子レンジで温める際にも蓋として機能することになる。
【0056】
(第3の実施の形態)
図17は、本発明の乳幼児用食器の第3の実施の形態に係る取っ手付きボウル皿30を示す概略斜視図である。
取っ手付きボウル皿30の多くの構成は上述の第2の実施の形態の取っ手付きボウル皿20と同様であるため同一符号等を付し、説明を省略し、相違点を中心に以下説明する。
図17に示すように、本実施の形態の取っ手付きボウル皿30は第2の実施の形態の取っ手付きボウル皿20と異なり、ボウル本体200に飲み口部160の他にペースト用飲み口部260を有している。
このペースト用飲み口部260は、ボウル開口部110を挟んで、飲み口部160の反対側に形成されている。
【0057】
図18は、図17のG−G’線概略断面図である。
図18に示すように飲み口部160側のボウル壁面部150とボウル底面部140との角度θ1は、ペースト用飲み口部260側のボウル壁面部150とボウル底面部140との角度θ2より小さくなっている。
つまり、ペースト用飲み口部260は、ボウル底面部140と直線に近い状態で連接されている。
したがって、角度の大きいペースト用飲み口部260側は、粘性のある「ヨーグルト」を、図13(b)のようにすすり飲む際に、ヨーグルトがペースト用飲み口部260まで移動しやすく流れ出やすい角度となっている。
このため、乳幼児がヨーグルト等をすすり飲み易い構成となっている。
【0058】
一方、角度の小さい飲み口部160側は、粘性のない液状の食品を飲む際に、一度に大量の食品が流れ出ない角度となっている。
このため、第1の実施の形態における飲み口部と同様に乳幼児が液状の食品を飲みやすい構成となっている。
このように、本実施の形態の取っ手付きボウル皿30は、ボウル本体200内に収容する食品の粘性の有無等によって、好ましい飲み口を複数形成しているので、乳幼児がより食品を摂取し易い構成となっている。
【0059】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、乳幼児が食品を取りやすいだけでなく、食器に手を添えた正しい姿勢での食事の練習や、食器を持ち上げて食器の縁に口唇を当てて食品を取り込む動作を身に付ける練習等もすることができる食器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の乳幼児用食器の第1の実施の形態に係る取っ手付きボウル皿を示す概略図である。
【図2】 図1の取っ手付きボウル皿の概略分解斜視図である。
【図3】 略楕円形状のボウル開口部のうち、他の部分より径が長い長径部分である例えば図1の矢印Cの部分に対応する図2のB−B’線概略断面図である。
【図4】 図2のD−D’線概略断面図である。
【図5】 図4の取っ手から表面部を取り去り、櫛歯状の凹凸部のみを示した図2の概略右側面図である。
【図6】 図5の櫛歯状の凹凸部を底面より見た概略部分底面図である。
【図7】 ボウル壁面部の他の断面形状を示す概略図である。
【図8】 図1のA−A’線概略断面図である。
【図9】 従来のボウル皿で食事する乳幼児の状態を示す概略斜視図である。
【図10】 従来のボウル皿で食事する乳幼児の状態を示す概略斜視図である。
【図11】 本実施の形態に係る取っ手付きボウル皿の使用方法を示す概略図である。
【図12】 本実施の形態に係る取っ手付きボウル皿の他の使用方法を示す概略図である。
【図13】 本実施の形態に係る取っ手付きボウル皿の他の使用方法を示す概略図である。
【図14】 本実施の形態の取っ手付きボウル皿と従来品のボウル皿で乳幼児が食事を行ったときの状態を示す表である。
【図15】 本発明の乳幼児用食器の第2の実施の形態に係る取っ手付きボウル皿を示す概略斜視図である。
【図16】 本実施の形態の取っ手付きボウル皿を示す他の概略斜視図である。
【図17】 本発明の乳幼児用食器の第3の実施の形態に係る取っ手付きボウル皿を示す概略斜視図である。
【図18】 図17のG−G’線概略断面図である。
【符号の説明】
10、20、30・・・取っ手付きボウル皿、100、200・・・ボウル本体、110・・・ボウル開口部、120・・・ボウル縁部、121a、121b・・・延伸縁部、130a、130b・・・取っ手、131・・・芯部、132・・・表面部、133a、133b、233a、233b・・・親指配置部、140・・・ボウル底面部、140a・・・底面仮想線、150・・・ボウル壁面部、150a・・・壁面仮想線、150b・・・最深部、160・・・飲み口部、161・・・飲み口部の反対側、170・・・糸底部、180、280・・・安定台、181・・・凹部、260・・・ペースト用飲み口部、281・・・切り欠き部。
Claims (8)
- 上面に開口部を有し食品を収容する食器本体と、
前記開口部の周縁に設けられた縁部と、を有する食器であって、
前記開口部を介して対向して位置する前記縁部が平板状に外方に向かって延伸して延伸縁部を形成すると共に、
前記延伸縁部の端部であって、少なくとも上面側には、この延伸縁部より厚みが大きく、且つ曲面を備える略球状の注意喚起用把持部が形成されていることを特徴とする食器。 - 前記注意喚起用把持部の表面に弾性体が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の食器。
- 前記注意喚起用把持部の前記開口部側の上面に、凹状の親指配置部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の食器。
- 前記食器本体の前記開口部が略楕円又は略長円形状とされ、
前記略楕円又は前記略長円形状のうち、他の部分より径が長い長径部分に対応した前記縁部に前記延伸縁部及び前記注意喚起用把持部が形成され、
前記食器本体の前記長径部分に対応する部分の内周壁の断面形状が、前記食器本体の底面から前記開口部にかけて略垂直又はオーバーハング状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の食器。 - 前記食器本体の前記開口部が略楕円又は略長円形状とされ、
前記略楕円又は前記略長円形状のうち、他の部分より径が長い長径部分に対応した前記縁部に前記延伸縁部及び前記注意喚起用把持部が形成されており、前記略楕円又は前記略長円形状の前記長径部分を結んだ長径仮想線の略中央領域で直交する短径仮想線上に相当する前記開口部の両端部のうち、一端部側に飲み口部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の食器。 - 前記飲み口部が形成されている前記一端部側が、前記長径部分を結んだ仮想線を中心として、対向する前記短径仮想線上に相当する他端部側より重く形成されていることを特徴とする請求項5に記載の食器。
- 前記短径仮想線の方向において、前記食器本体の底面は前記飲み口部側に向かって深さが深くなるよう傾斜していると共に、前記飲み口部に連接される前記食器本体の内周壁が食器本体の底面と曲面で結ばれており、
前記食器本体の底面の最深部が、前記飲み口部と前記長径仮想線の略中央領域との間の前記短径仮想線の略中央領域に形成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の食器。 - 前記食器本体の底面部に糸底部が形成され、
前記糸底部に対して着脱可能な着脱手段を有する基台部が配置され、
前記基台部が弾性体より形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の食器。
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