JP4841601B2 - 無線送信装置、送信電力制御方法および送信電力制御プログラム - Google Patents

無線送信装置、送信電力制御方法および送信電力制御プログラム Download PDF

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この発明は、無線送信装置、送信電力制御方法および送信電力制御プログラムに関し、より特定的には、適応変調方式に対応した無線送信装置、送信電力制御方法および送信電力制御プログラムに関する。
移動体通信システム(例えば、PHS:Personal Handyphone System)においては、所定の変調方式、例えば周知のQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式を用いて、移動端末装置(以下、端末)と無線基地装置(以下、基地局)との間で通信が行なわれる。
図13は、IQ座標平面上のπ/4シフトQPSK変調方式によるシンボル点の配置を示す図である。
図13を参照して、ある時点におけるベースバンド信号(変調波信号)のI相成分およびQ相成分のデータに対応するシンボル点が、IQ座標平面上で同心円上に位置する4個の信号点a,c,e,gのいずれかに存在すると仮定する。さらに、所定の時間スロットが経過した後の次の時点において、この信号点は、I軸およびQ軸をπ/4回転させて得られる2つの仮想軸と同心円との交点b,d,f,hのいずれかに移動する。図21に示すように、このときの位相変化(π/4,3π/4,5π/4,7π/4)をデータ(00,01,10,11)に対応させて送信することによって、2ビットのデータを一度に送信することができる。
ところが、最近の移動体通信システムでは、データ通信のように、従来の音声通信に比べて高速、大容量のデータ伝送が要求されるようになってきており、そのため、上述のQPSK方式に比べてより多値数の多い変調方式が開発されている。この種の多値変調方式の一例として、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調が知られており、既にある種のデータ通信で実用化されている。
図14は、IQ座標平面上の16QAM変調方式によるシンボル点の配置を示す図である。
図14を参照して、16QAM変調方式は、周知のように、IQ座標平面上で各象限ごとに4個格子形に配置された、座標平面全体で合計16個の信号点のいずれかにベースバンド信号のシンボル点が対応している。このため、図14に示すように、16個の信号点のいずれかを示す4ビットのデータを一度に送信することができる。
一方、PHSのような移動体通信システムの変調方式として、この16QAM変調方式のような多値数の多い変調方式を採用しようとすると、シンボル点同士の間隔が短くシンボル点が密集しているため、伝搬路の通信環境が不良であれば、シンボル点を誤って認識する可能性があり、π/4シフトQPSK変調方式に比べて通信速度が速い一方で、受信エラーが生じやすいといった問題が起こりうる。
そこで、伝搬路の状態、すなわち通信品質に応じて、π/4シフトQPSKのような多値数の少ない変調方式と、16QAMのような多値数の多い変調方式を適応的に切替えて通信を行なうことにより、通信速度を少しでも向上させる適応変調の考えが従来から提案されている(たとえば特許文献1,2参照)。
図15は、適応変調に対応した従来の無線送信装置の機能ブロック図である。
図15を参照して、入力端子INaから入力したデータ信号(ベースバンド信号)は、変調部200に与えられる。変調部200には、さらに、情報入力端子INbから所定の変調方式の情報が与えられる。変調部200は、データ信号を与えられた変調方式に基づいて変調し、その変調した信号をデジタル/アナログ(D/A)変換器210に与える。
D/A変換器210は、変調された信号をアナログ信号に変換してミキサ220に与える。ミキサ220では、局部発振器230から与えられる局部発振信号を用いて、入力したアナログ信号を所定(例えば、無線周波数)の送信周波数に周波数変換を行ない、帯域制限フィルタ(バンドパスフィルタ:BPF)240に与える。帯域制限フィルタ240は、所定の周波数に周波数変換された信号から高調波成分を除去して、電力増幅器250に与える。電力増幅器250は、入力した信号を増幅して、アンテナ260を介して出力する。
以上のように、入力端子INaから入力したデータ信号は、所定の変調方式にて変調され、かつ所定の電力レベルに増幅されて、アンテナ260を介して送信される。
図15において、情報入力端子INbから変調部200に与えられる変調方式の情報は、先述のように、伝搬路の状態に基づいて決定される。変調部200は、その変調方式の情報に応じて、データ信号の変調方式を切替える。詳細には、何らかのパラメータを用いて伝搬路の通信品質を評価し、所定の品質を満たしているときには、例えば、QPSKから16QAMに変調多値数を上げて通信速度を速くする。一方、16QAM採用時において、伝搬路の通信品質が所定の品質を満たさないときには、16QAMからより雑音に強いπ/4シフトQPSKに切替えることによって、通信品質を維持する。
このように、伝搬路の状態、すなわち通信品質に応じて、π/4シフトQPSKのような多値数の少ない変調方式と、16QAMのような多値数の多い変調方式を適応的に切替えて通信を行なうことによって、通信品質を維持し、通信効率の向上を図ることができる。
特開2001−244828号公報 特開2003−37640号公報 松岡他、"多値QAMにおける送信ダイナミックレンジ抑圧の検討"、2001年電子情報通信学会総合大会、B−5−168
ここで、図15に示す従来の無線送信装置においては、電力増幅器250は、変調方式の切替えに関わらず、入力された信号を予め設定された所定の電力レベルに増幅する。これによって、アンテナ260からは、常に一定の平均電力からなる信号が出力されることになる。なお、無線送信装置の出力電力レベルは、一般に、この平均電力によって規格される。また、電力増幅器250の最大電力に対する平均電力の比は、ピークファクタとも称される。
図16は、図15の無線送信装置から出力される変調信号の電力変動を示す図である。なお、適応可能な変調方式としては、π/4シフトQPSK変調方式と16QAM変調方式とが採用されている。
図16に示すように、π/4シフトQPSK変調方式においては、変調信号の電力レベルは、平均電力を中心として±1倍の範囲内を変動する。ベースバンド信号の最大電力レベルは、平均電力のほぼ2倍となっている。
これに対して、16QAM変調方式においては、電力レベルの変動範囲がπ/4シフトQPSK変調方式のときよりも広く、最大出力電力としては、平均電力のほぼ3倍にまで及ぶ。
このことから、π/4シフトQPSK変調方式に比較して、16QAM変調方式では、ピークファクタがより大きいことが分かる。これは、π/4シフトQPSK変調方式では、図13に示すように、データ信号はIQ座標平面上に位置する信号点の位相変化のみに対応するのに対して、16QAM変調方式では、図14に示すように、信号点の位相および振幅の変化に対応していることに基づくものである。なお、図16によれば、多値数がより多い変調方式(たとえば256QAMなど)では、出力電力レベルの変動幅は、さらに増大することが予想される。
したがって、多値数が増加するに伴なって電力増幅器のバックオフが大きくなるため、無線送信装置においては、送信可能な定格出力のより大きな電力増幅器が必要とされる。
以上のように、多値数が増えるにつれて出力電力の変動幅が広がることから、平均電力を一定とする従来の無線送信装置においては、電力増幅器に対して、多値数が多い変調方式においても、その変動範囲をカバーするだけの高度の線形性が要求される。このため、従来の無線送信装置において適応変調を行なうためには、適応可能な変調方式のうちの最も多値数の大きい変調方式における出力電力の変動範囲に合わせてハードウェア(特に電力増幅器)を設計する必要が生じる。これは、装置の規模およびコストの増加を招く結果となってしまう。
さらに、多値数の多い変調方式に合わせて電力増幅器を設計したとすれば、多値数の小さい変調方式にとっては、オーバースペックとなってしまい、必ずしもハードウェアの能力を十分に活かしたものとはなっていない。
また、従来の無線送信装置においては、電力増幅器のバイアス値が、ピークファクタの最も大きな変調方式に対して最適なバックオフ量となるように設定されていることから、伝搬路の状態に応じて変調方式を切替えたときに、必ずしも最適なバイアス値になっておらず、効率が低下してしまうという問題がある。
この問題については、たとえば特許文献1に記載されるように、必要となる出力電力に対し、電力増幅器のバイアス点を随時最適点になるように制御する構成が提案されている。
図17は、たとえば特許文献1に記載される無線送信装置の構成を示すブロック図である。
図17を参照して、無線送信装置は、図15の無線送信装置の電力増幅器250に電源制御部270を付加した構成を有する。電源制御部270は、変調方式の切替えに応じて電力増幅器250のバイアス点を随時最適点となるように調整する。
このような構成によれば、異なる最大出力電力に応じて電力増幅器のバイアス点を最適化して動作させることから、伝送品質を劣化させることなく、高効率な無線送信装置を実現することができる。
しかしながら、本構成は、変調方式に応じて変化する最大出力電力の変化に対して、常に高効率を保持することを目的としており、先述の電力増幅器の高出力化による装置規模およびコストの増大およびオーバースペックの問題を解決するには至っていない。
また、無線送信装置の出力電力は、周辺の他のセル内においては、そのセルの基地局と端末との間でやり取りされる信号に対する不要な干渉波となり、通信品質を劣化させる要因となる。ところが、従来の無線送信装置では、出力電力の制御は必ずしも周辺セルの通信品質までも考慮したものになっていない。したがって、変調方式が切替えられるごとに出力電力が変化すると、周辺セルの通信品質が変動されることとなり、移動体通信システム全体を不安定にするおそれがある。
それゆえ、この発明の目的は、既存のハードウェアを用いて適応変調を実現する無線送信装置、送信電力制御方法および送信電力制御プログラムを提供することである。
また、この発明の目的は、周辺セルの無線装置の通信品質を保持しながら適応変調を実現する無線送信装置、送信電力制御方法および送信電力制御プログラムを提供することである。
この発明のある局面によれば、多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置は、ベースバンド信号を複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信する送信手段と、送信された変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、変調信号の送信電力を制御する送信電力制御手段とを備える。
好ましくは、送信手段は、変調信号を電力増幅して出力する送信電力増幅手段を含む。送信電力制御手段は、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、送信電力増幅手段の電力利得を制御する利得制御手段を含む。
好ましくは、利得制御手段は、各複数の変調方式ごとに、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、複数の利得係数から選択した1つの変調方式に対応する1つの利得係数を選択し、選択した利得係数を送信電力増幅手段に固有の電力利得に乗算する。
好ましくは、送信手段は、デジタルのベースバンド信号を連続する複数ビットごとに直並列変換する手段と、選択した1つの変調方式に応じて、連続する複数ビットごとに、直交する同相と直交位相のシンボルマッピングデータを一意的に与えるマッピング手段と、同相および直交位相のシンボルマッピングデータを帯域制限した後に搬送波信号と乗算して変調信号を生成する手段とを含む。送信電力制御手段は、各複数の変調方式ごとに、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、複数の利得係数から選択した1つの変調方式に対応する利得係数を選択し、選択した利得係数を同相および直交位相のシンボルマッピングデータに乗算する。
好ましくは、送信手段は、受信側との通話品質に応じて変調方式を切替える変調方式切替手段をさらに備える。送信電力制御手段は、変調方式を切替えるタイミングにおいて、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値に満たすように、切替え後の変調方式での変調信号の送信電力を制御する。
この発明の別の局面によれば、多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置における送信電力制御方法は、ベースバンド信号を複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信するステップと、変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、変調信号の送信電力を制御するステップとを備える。
好ましくは、変調信号を送信するステップは、変調信号を電力増幅して出力するステップを含む。送信電力を制御するステップは、電力増幅した変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、変調信号を電力増幅するときの電力利得を制御するステップを含む。
好ましくは、電力利得を制御するステップは、各複数の変調方式ごとに、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、複数の利得係数から選択した1つの変調方式に対応する1つの利得係数を選択して、送信電力増幅手段に固有の電力利得に乗算する。
好ましくは、変調信号を送信するステップは、デジタルのベースバンド信号を連続する複数ビットごとに直並列変換するステップと、選択した1つの変調方式に応じて、連続する複数ビットごとに、直交する同相と直交位相のシンボルマッピングデータを一意的に与えるステップと、同相および直交位相のシンボルマッピングデータを帯域制限した後に搬送波信号と乗算して変調信号を生成するステップとをさらに含む。送信電力を制御するステップは、各複数の変調方式ごとに、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、複数の利得係数から選択した1つの変調方式に対応する利得係数を選択し、選択した利得係数を同相および直交位相のシンボルマッピングデータに乗算する。
好ましくは、変調信号を送信するステップは、受信側との通話品質に応じて変調方式を切替えるステップをさらに備える。送信電力を制御するステップは、変調方式を切替えるタイミングにおいて、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値に満たすように、切替え後の変調方式での変調信号の送信電力を制御する。
この発明の別の局面によれば、多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置における送信電力制御プログラムは、コンピュータに、ベースバンド信号を複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信するステップと、変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、変調信号の送信電力を制御するステップとを実行させる。
好ましくは、変調信号を送信するステップは、変調信号を電力増幅して出力するステップを含む。送信電力を制御するステップは、電力増幅した変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、変調信号を電力増幅するときの電力利得を制御するステップを含む。
好ましくは、電力利得を制御するステップは、各複数の変調方式ごとに、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、複数の利得係数から選択した1つの変調方式に対応する1つの利得係数を選択して、送信電力増幅手段に固有の電力利得に乗算する。
好ましくは、変調信号を送信するステップは、デジタルのベースバンド信号を連続する複数ビットごとに直並列変換するステップと、選択した1つの変調方式に応じて、連続する複数ビットごとに、直交する同相と直交位相のシンボルマッピングデータを一意的に与えるステップと、同相および直交位相のシンボルマッピングデータを帯域制限した後に搬送波信号と乗算して変調信号を生成するステップとをさらに含む。送信電力を制御するステップは、各複数の変調方式ごとに、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、複数の利得係数から選択した1つの変調方式に対応する利得係数を選択し、選択した利得係数を同相および直交位相のシンボルマッピングデータに乗算する。
好ましくは、変調信号を送信するステップは、受信側との通話品質に応じて変調方式を切替えるステップをさらにコンピュータに実行させる。送信電力を制御するステップは、変調方式を切替えるタイミングにおいて、周辺基地局および端末装置における受信品質が所定の基準値に満たすように、切替え後の変調方式での変調信号の送信電力を制御する。
この発明によれば、無線送信装置において、最大出力電力レベルを複数の変調方式の間で均一とすることにより、既存のデバイスを使って廉価に装置を構成できる。また、いずれの変調方式においても装置の能力を最大限に活用することが可能となる。
さらに、無線送信装置は、送受信間で行なわれる変調方式の切替え手順に併せて、切替え後の変調方式においても最大出力電力が一定となるように送信電力レベルを制御することにより、既存のデバイスを用いた装置構成で適応変調にも対応することができる。
また、無線送信装置は、複数の変調方式の間で常に周辺基地局および周辺基地局と通信を行なう端末における受信品質が基準値を満たすように送信電力レベルを制御することから、変調方式の切替え前後で周辺セルの通信品質に大きな変動を生じることなく、移動体通信システム全体を安定させることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
最初に、この発明の実施の形態1に従う無線送信装置における送信電力レベルの制御について原理的に説明する。図1は、本実施の形態に従う無線送信装置から出力される変調信号の電力変動を示す図である。なお、適応可能な変調方式としては、π/4シフトQPSK変調方式と16QAM変調方式とが採用されている。
図1を参照して、本実施の形態では、それぞれの変調方式における出力電力レベルを、その最大出力電力が均一となるように制御することを特徴とする。すなわち、変調信号の電力変動範囲は、複数の変調方式の間で等しくなるように制御される。なお、これに伴ない、それぞれの変調方式における平均電力は、多値数によって異なる可変値となる。このように、本実施の形態は、複数の変調方式に対して、最大出力電力を固定値とし、かつ平均電力を可変値とする点において、平均電力を固定値とし、かつ最大出力電力を可変値とする従来の無線送信装置とは明らかに異なるものである。
以下に、本実施の形態において、複数の変調方式の間で常に一定の電力変動範囲となるように出力電力を制御する構成としたことによりもたらされる特有の効果について説明する。
先述のように、従来の無線送信装置では、多値数の異なる複数の変調方式を適用するにあたって、電力増幅器をピークファクタの大きい多値数の多い変調方式に合わせて大型・高出力化する必要が生じ、装置規模およびコストの増加を避けることができない。
一方、本実施の形態によれば、常に最大出力電力が一定であることから、多値数の多い変調方式に対しても、既存の小型・小出力の電力増幅器で対応することができる。結果として、変調方式が多様化しても、従来の無線送信装置に大規模な設計変更を施すことなく、各変調方式での通信を実現することができる。
さらに、多値数の少ない変調方式においても、ハードウェアの能力が十分に活かされ、能力に無駄が生じない。
これは、従来の固定された変調方式(PHSでは、π/4シフトQPSK変調方式)から適応変調への移行する際においても、従来の無線送信装置の設計変更を簡易にし、移行に伴なう装置規模およびコストの増加を抑えるのに有効である。
なお、本実施の形態に係る送信電力の制御によれば、16QAM変調方式を適用したときには、平均電力がπ/4シフトQPSK変調方式よりも低くなることから、通信できる領域が、従来の無線通信装置に16QAM変調方式を適用したときよりも相対的に狭くなる。しかしながら、その通信可能な領域内では、依然として高速通信が実現されるとともに、通信可能な領域の減少分については、π/4シフトQPSK変調方式でカバーできるため、特に支障は生じないと思われる。
図2は、この発明の実施の形態1に従う無線送信装置の構成を示す機能ブロック図である。以下の実施の形態においては、適用する変調方式として、例えばπ/4シフトQPSK変調方式および16QAM変調方式が採用されるが、より多値数の多い、もしくは少ない変調方式に対しても同様に適用可能である。なお、図2に示した機能ブロック図の構成は、実際には、図示しないデジタル信号処理装置(Digital Signal Processor:DSP)によってソフトウェアで実現されるものとする。
図2を参照して、無線送信装置1000は、CPU(中央演算処理装置)10と、シリアル/パラレル変換回路(S/P)20と、IQ変換回路30と、帯域制限フィルタ40a,40bと、乗算器50a,50bと、局部発振器60と、90°移相器70と、加算器80と、可変利得増幅器90と、レベル制御部110とを備える。
CPU10は、無線送信装置1000全体の変調処理を制御するための上位プロセッサであり、バースト送信時において、シリアルのベースバンド信号(変調波信号)ANを発生する。
CPU10は、さらに、1スロットごとに、π/4シフトQPSKおよび16QAMのいずれの変調方式で送信するかを判断し、変調方式を指定するための変調モード信号MODを出力する。
シリアル/パラレル変換回路20は、CPU10からシリアルのベースバンド信号ANが与えられると、外部から与えられるクロック信号に同期して、複数ビットのパラレルデータ(Ak,Bk,・・・)に変換する。そして、シリアル/パラレル変換回路20は、その変換されたパラレルデータをIQ変換回路30へ出力する。
なお、変換されたパラレルデータのビット数は、変調モード信号MODによって指定される変調方式に応じて変化する。例えば、π/4シフトQPSK変調方式のときのビット数は”2”とされ、16QAM変調方式のときのビット数は”4”とされる。
IQ変換回路30は、シリアル/パラレル変換回路20からCPU10から与えられる変調モード信号MODによって指定される変調方式に応じて、周知の方法に従って複数ビットのデータをマッピングする。例えば、π/4シフトQPSK変調方式が指定されたときには、IQ変換回路30は、シリアル/パラレル変換回路20から入力される2ビットのパラレルデータ(Ak,Bk)を差動符号化してシンボルマッピングデータ(Ik,Qk)を生成する。そして、IQ変換回路30は、その生成したシンボルマッピングデータ(Ik,Qk)を、I相成分(Ik)とQ相成分(Qk)とに分けて帯域制限フィルタ40a,40bへそれぞれ出力する。
帯域制限フィルタ40aは、シンボルマッピングデータ(Ik)で与えられるベースバンド信号のI相成分を帯域制限して出力する。一方、帯域制限フィルタ40bは、シンボルマッピングデータ(Qk)で与えられるベースバンド信号のQ相成分を帯域制限して出力する。そして、帯域制限されたベースバンド信号のI相成分は、乗算器50aの一方入力に与えられる。また、帯域制限されたベースバンド信号のQ相成分は、乗算器50bの一方入力に与えられる。
乗算器50aの他方入力には、局部発振器60から搬送波信号cosωctが与えられる。これにより、乗算器50aからは、これら2つの入力信号の乗算結果として、変調信号のI相成分cosφt・cosωctが出力される。また、乗算器50bの他方入力には、局部発振器60からの搬送波信号を90°移相器70でπ/2だけ位相シフトして得られる−sinωctが与えられる。これにより、乗算器50bからは、これら2つの入力信号の乗算結果として、変調信号のQ相成分−sinφt・sinωctが出力される。
これらのI相成分およびQ相成分が加算器80によって加算されて変調信号が形成される。そして、形成された変調信号は、可変利得増幅器90に与えられる。
可変利得増幅器90は、与えられた変調信号を所定の利得だけ増幅してアンテナ100を介して出力する。可変利得増幅器90における所定の利得は、以下に示すレベル制御部110によって、変調方式ごとに異なる値に調整される。これにより、各変調方式における出力電力レベルは、その最大出力電力が均一となるように制御される。
レベル制御部110は、CPU10から入力される変調モード信号MODにより指定された変調方式に応じて、可変利得増幅器90の利得を制御する。具体的には、レベル制御部110に、適応可能な変調方式の各々に対応する複数の利得を予め保持しておき、指定された変調方式に対応する利得を、これらの複数の利得の中から選択する。
さらに、無線送信装置1000全体をデジタル構成としたときには、レベル制御部110を乗算器によって簡易に構成することができる。この場合、レベル制御部110は、予め設定された複数の変調方式に対応する複数の利得係数の中から変調方式に応じて選択した利得係数と可変利得増幅器90の利得の基準値とを乗算し、その乗算した結果を調整後の利得として可変利得増幅器90に出力する。
ここで、各変調方式に与えられる利得係数は、先の図1において述べたように、いずれの変調方式を採用したときであっても、常に最大電力レベルが同じとなるように決定された値である。
図3は、変調方式と可変利得増幅器90に設定される利得係数との関係を示す図である。
図3を参照して、π/4シフトQPSK変調方式と16QAM変調方式とでは、最大出力電力が同じとするためには、利得係数において、倍程度の差が設けられる。なお、16QAM変調方式よりもより多値数の大きい変調方式では、より小さい利得係数が設定される。
レベル制御部110は、具体的には、図3に示す変調方式と利得係数との関係をテーブルとして記憶しており、変調モード信号MODの入力に応じて、テーブルの中から最適な利得係数を選択して可変増幅器90の利得の基準値と乗算する。
なお、レベル制御部110を、乗算器を用いて構成したことにより、この乗算器を可変利得増幅器90以外の他の部位に対しても設けることができる。たとえばIQ変換回路30に乗算器を設け、生成されたシンボルマッピングデータに指定された変調方式に対応する利得係数を乗じることによって、ベースバンド信号の出力レベルを調整するように構成しても良い。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、無線送信装置において、最大出力電力レベルを複数の変調方式の間で均一とすることにより、既存のデバイスを使って廉価に装置を構成できる。さらに、いずれの変調方式においてもハードウェアの能力に最大限に活用することができる。
[実施の形態2]
先の実施の形態1に係る無線送信装置1000によれば、既存の無線通信装置の構成を活用して、多値数の異なる複数の変調方式での通信に対応することができる。したがって、無線送信装置1000を適応変調に適用すれば、新たな装置規模およびコストの増大を伴なわずに、廉価かつ簡易な構成のもとで適応変調を行なうことができると判断される。
そこで、本実施の形態では、無線送信装置1000において、適応変調に対応した送信電力の制御を行なう方法について提案する。
適応変調とは、先述のように、伝搬路の状態に応じて変調方式を適応的に切替えることから、変調方式切替の基準として、伝搬路の通信品質を評価するパラメータが必要とされる。このような評価パラメータとしては、受信レベル、受信エラー(たとえばFER(Frame Error Rate))、干渉波レベル(たとえば所望波と干渉波との比であるCIR(Carrier to Interference Ratio))などが挙げられる。
さらに、最近では、伝搬路の電波状態のみならず、受信装置の品質・性能をも反映した評価パラメータとして、エラーベクトルマグニチュード(Error Vector Magnitude:EVM)が提案されている。このEVMは、伝搬に関わる要素をすべて含んだ受信結果を示すグローバルなパラメータとして知られており、信頼度の高い変調方式の切替えが期待できる。
ここで、図4に示す真のシンボル点と受信シンボル点との間のEVMの算出方法について、簡単に説明する。図4において、IQ座標平面の真のシンボル点の座標を(di,dq)とし、受信シンボル点の座標を(yi,yq)とすると、EVMは、両者間の距離に対応する値であり、
EVM=(yi−di)2+(yq−dy)2
により算出される。なお、EVMの算出に関する詳細については、たとえばWayne Music,Broadcom Corp. による”Statistical Analysis of Noise Measure Accuracy”(IEEE P802.15 Wireless Personal Area Networks, 2001年3月8日)に説明されているので、ここではこれ以上の説明は省略する。
さらに、このEVMは、受信信号における受信エラー発生率であるBER(Bit Error Rate)や伝搬路の干渉波レベルに関するパラメータであるCIRと高い相関を有することが証明されている。したがって、EVMによれば、BERやCIRよりも比較的容易な算出過程で、高精度に通信品質を評価することができる。
そこで、本実施の形態では、適応変調において、このEVMを通信品質の評価パラメータに採用して変調方式を切替える構成とする。詳細には、図5および図6に示すように、受信側である無線受信装置において、変調方式を上げる要求または下げる要求がユーザまたは制御部から発せられると、EVMが算出されて所定のしきい値以下であるか否かが判定される。EVMが所定のしきい値より大きいと判定されると、無線受信装置は、伝搬路の通話品質が不良であると判断して、現在の変調方式を維持する。一方、EVMが所定のしきい値以下と判定されると、無線受信装置は、通話品質が良好であると判断して変調方式の多値数を上げる。
このとき、送信側である無線送信装置においては、受信側から送られたEVMが変調方式切替えの条件を満たしていると判定されると、変調方式変更通知が発せられる。さらに、無線送信装置においては、受信側との間で変調方式の切替えについてのネゴシエーションを行なう。
本実施の形態では、無線送信装置が、このネゴシエーションに併せて、先述のレベル制御部110により切替後の変調方式に応じてベースバンド信号の出力電力レベルの調整を行なうことを大きな特徴とする。このとき、レベル制御部110は、以下に示す手順に従って、切替え前後の変調方式で最大出力電力が同等となるように、切替え後の変調方式における出力電力レベルを制御する。そして、送信側と受信側との間のネゴシエーションが完了すると、送信側は、切替え後の変調方式に応じた出力電力レベルのベースバンド信号を送信して受信側との通信を行なう。
最初に、図5を参照して、変調多値数を上げる場合の動作について説明する。図5は、変調方式の多値数を上げる場合に無線受信装置が行なう適応変調動作を示すフロー図である。
図5を参照して、多値数の少ない変調方式(たとえばπ/4シフトQPSK)で通信中に制御部から通信速度(=変調多値数)を上げる要求がなされると(ステップS1)、受信エラー(FER)が所定の閾値以下か否かが判定される(ステップS2)。このとき、FERが閾値よりも大きければ、無線受信装置は、伝搬路の通信品質は不良であると判断してステップS6に進み、変調多値数を上げることなく現状の変調方式(QPSK)を維持する。
一方、ステップS2において、FERがしきい値以下と判断されると、無線受信装置は、ステップS3に進み、受信レベルが閾値以上か否かを判定する。そして、受信レベルが閾値より小さいと判定されると、無線受信装置は、伝搬路の通信品質は不良であると判断してステップS6に進み、現状の変調方式(π/4シフトQPSK)を維持する。
一方、ステップS3において、受信レベルが閾値以上であると判断されると、無線受信装置は、ステップS4に進み、EVMが閾値以下か否かを判定する。ステップS4においてEVMが閾値より大きいと判定されれば、たとえステップS2およびS3において、FERおよび受信レベルから見た通信品質が比較的良好であったと判断されていても、ステップS6に進み、変調多値数を上げることなく現状の変調方式(π/4シフトQPSK)を維持する。
一方、ステップS4において、EVMが閾値以下と判定されると、無線受信装置は、ステップS5に進み、変調多値数を上げるよう変調方式をπ/4シフトQPSKから16QAMに切替える。
なお、ステップS2におけるFERの判定およびステップS3における受信レベルの判定は、あくまで補助的なものであり、ステップS2およびS3を省略して、ステップS4におけるEVMの判定だけを行なうように構成してもよい。
次に、図6を参照して、変調多値数を下げる場合の動作について説明する。図6は、変調方式の多値数を下げる場合に無線受信装置が行なう適応変調動作を示すフロー図である。
ステップS11において、多値数の多い変調方式(たとえば16QAMとする)で通信中に、制御部によって受信エラーが検出され、通信品質の劣化が判断されたものとする。この場合、適応変調可能な無線装置においては、以下に示すように多値数を下げることによって対応することができる。
まず、ステップS12において、無線受信装置は、受信レベルが閾値以上か否かを判定する。受信レベルが閾値より小さければ、無線受信装置は、送信側の無線装置(この例では移動体通信システムの端末)が当該無線受信装置(この例では基地局)から遠くに移動してしまったものと推定し、当該端末を別の基地局に接続させるハンドオーバーの処理を実行する(ステップS13)。
一方、ステップS12において、受信レベルが閾値以上であると判定されると、無線受信装置はさらに、ステップS14において、EVMが閾値以下か否かを判定する。
ステップS14においてEVMが閾値より大きいと判定されると、無線受信装置は、当該端末が当該基地局の近くに位置するものの伝搬路の状態が悪いものと推定し、それまでの通話チャネルではもはや通信を維持できないものと判断し、異なるチャネル(異なるタイムスロット、異なる周波数など)への通話チャネルの切替えを実行する(ステップS15)。
一方、ステップS14において、EVMが閾値以上であると判定されると、無線受信装置は、伝搬路の状況はそれなりに良好であると判断して、ステップS16に進んで変調方式の多値数を下げることによって通信を維持する。
なお、ステップS12における受信レベルの判定は、あくまで補助的なものであり、ステップS12を省略して、ステップS14におけるEVMの判定だけを行なうように構成してもよい。
次に、適応変調の際の送信側と受信側との間のネゴシエーションの手順について説明する。この手順は、基本的には、通常の適応変調に共通のものであるが、以下に示す例では、この発明独自の特徴として、切替え後の変調方式に応じて送信側での出力電力レベルの制御を行なっている。
図7は、変調方式の多値数を上げる場合の送信側と受信側との間のネゴシエーションの手順を説明する図である。
図7を参照して、まず、送信側と受信側との間で、π/4シフトQPSKで通信が行なわれていたものとする。ここで、受信側で制御部またはユーザからの受信品質向上の要求があれば、図のように、受信側でEVMを測定して16QAMへの切替が可能であることを判断すると、EVMを送信側に通知する。
送信側でも変調方式切替の条件を満たしていることが判定されると、送信側から変調方式変更通知が発せられる。このとき、送信側では、無線送信装置のレベル制御部110に、変更後の変調方式である16QAMを指示する変調モード信号が与えられる。レベル制御部110は、変調モード信号MODを受けると、テーブルの中から最適な利得係数を選択する。具体的には、変調方式の多値数が上がったことに応じて、より小さい利得係数が選択される。選択された利得係数と利得の基準値とが乗算されると、その乗算結果は、変調方式切替後の利得として可変利得増幅器90に与えられる。
以上の手順によってネゴシエーションが完了すると、送受信側とも16QAMの通信に移行する。
図8は、変調方式の多値数を下げる場合の送信側と受信側との間のネゴシエーションの
手順を説明する図である。
図8を参照して、まず、送信側と受信側との間で、16QAMで通信が行なわれていたものとする。ここで、受信側で制御部により受信品質の劣化が検出されれば、図6のように、受信側でEVMを測定してπ/4シフトQPSKへの切替えが可能であることを判断すると、EVMを送信側に通知する。
送信側でも変調方式切替えの条件を満たしていることが判定されると、送信側から変調方式切替通知が発せられる。このとき、送信側では、無線送信装置のレベル制御部110に、変更後の変調方式であるπ/4シフトQPSKを指示する変調モード信号MODが与えられる。レベル制御部110は、変調モード信号MODを受けると、図3に示すテーブルの中から最適な利得係数を選択する。具体的には、レベル制御部110は、変調方式の多値数が上がったことに応じて、現状の利得係数よりも小さい利得係数を選択する。選択された利得係数と利得の基準値とが乗算されると、その乗算結果は、変調方式切替え後の利得として可変利得増幅器90に与えられる。
以上の手順によってネゴシエーションが完了すると、送受信側とも16QAMの通信に移行する。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、送受信間で行なわれる変調方式の切替え手順に併せて、切替え後の変調方式においても最大出力電力が一定となるように無線送信装置の送信電力を制御することにより、既存の装置構成を用いて、簡易かつ廉価に適応変調を行なうことができる。
[実施の形態3]
先の実施の形態2では、ハードウェアの能力を最大限に活用する観点から、適応的に切替えられる複数の変調方式間で常に最大出力が一定となるように送信電力を制御する無線送信装置について説明した。
以下の実施の形態では、無線送信装置から出力される電波が周辺セル内の他の無線装置の通信品質に及ぼす影響を安定化させる観点から、送信電力を制御する無線送信装置について説明する。
最初に、無線送信装置の送信電力が周辺セル内の他の無線装置に及ぼす影響について説明する。図9は、無線送信装置の送信電力の影響を説明するための概略図である。
図9を参照して、基地局ST1,ST2は、互いに近接するセル内にそれぞれ設置され、各々のセル内に位置する端末T1,T2との間で通信を行なっている。
ここで、一方のセルに着目すると、基地局ST1が送信した信号は、所望の端末T1に受信される以外に、図中の点線で示すように、他方のセル内の端末T2および基地局ST2にも受信され得る。具体的には、基地局ST2では、基地局ST1からの信号が干渉波となり、所望の端末T2からの信号に重畳されて受信される。そして、所望の電波に対して干渉波が大きければ、基地局ST2と端末T2間の通信品質は著しく劣化することになる。
さらに、今回、この通信品質の劣化の程度には干渉波自体の変調方式の違いによって顕著な差が生じることが、我々の知見として得られている。
図10は、干渉波の変調方式と通信品質との関係を説明するための図である。詳細には、図10に示す3つの曲線は、それぞれ、所望波と干渉波との比であるCIRと受信エラー発生率であるBERとの関係を示す。これらの曲線は、所望波の変調方式を固定し、干渉波の変調方式のみを変化させたときに得られたものである。
図10から明らかなように、CIRが一定値(たとえば5.5dBとする)のときのBERを比較すると、干渉波の変調方式がπ/4QPSKのときよりも、干渉波の変調方式が16QAMまたは64QAMのときの方が、BERがより高いことが分かる。これにより、干渉波の電力レベルが同等であっても、多値数の多い変調方式ほど所望波の受信品質をより劣化させると判断できる。なお、この現象は、多値数の多い変調方式ほどシンボル点が密集しているために、シンボル点が誤って認識され、受信エラーを生じやすいことによるものと考えられる。
また、図10を一定のBERに着目して見ると、干渉波の変調方式が変化しても一定のBERを保つためには、多値数が多い変調方式ほど、より大きなCIRを実現する必要があることが分かる。
具体的には、BER=1×10−4が得られるときのCIRは、変調方式がπ/4QPSKのときに対して、変調方式が16QAMのときでは約2.5dB大きい。さらに変調方式が64QAMのときでは約2.8dB大きい。したがって、干渉波の変調方式に関係なくBER=1×10−4を保つためには、干渉波の変調方式が16QAMのときのCIRが約2.5dB改善されれば良いといえる。同様に、干渉波の変調方式が64QAMのときのCIRは約2.8dB改善されれば良い。これは、図9の例において、基地局ST1が変調方式をπ/4QPSKから16QAMに切替える際に、送信電力レベルを約2.5dB低下させることで実現することができる。そして、干渉波の電力が2.5dB低下されたことによって、基地局ST2と端末T2との間の通信におけるCIRは2.5dB改善される。結果として、基地局ST2と端末T2との通信におけるBERは、切替え後の変調方式においても、1×10−4に維持される。
このように、無線送信装置において、変調方式をより多値数の多い変調方式に切替えるとき、図10に示す関係に基づいて、周辺セルにおけるBERを一定値に保つように送信電力を低下させることにより、周辺セルの通信品質の変動を回避することができる。その結果、移動体通信システム全体の安定化を図ることができる。
そこで、本実施の形態による無線送信装置は、変調方式を切替える前後で、周辺セル内の他の無線装置におけるBERが所定の基準値に維持されるように、送信電力レベルを制御する構成とする。詳細には、図10の関係に基づいてBERを所望の基準値に維持するための送信電力の調整量を予め設定しておき、変調方式が切換わるごとに、送信電力レベルを設定した調整量だけ変化させることとする。以下に、具体的な送信電力制御について説明する。
図11は、この発明の実施の形態3に従う無線送信装置の構成を示す機能ブロック図である。なお、図11に示した機能ブロック図の構成は、実際には、図示しないデジタル信号処理装置(DSP)によってソフトウェアで実現される。
図11を参照して、無線送信装置1000Aは、図2の無線送信装置1000と同様に、適応変調に対応可能であり、図示しない無線受信装置とのネゴシエーションに応じて変調方式を切替える。また、無線送信装置1000Aは、図2の無線送信装置1000に対して、IQ変換回路30をIQ変換回路30Aに変更し、かつ可変利得増幅器90およびレベル制御部110を、電力増幅器92に変更したものである。したがって、図2と重複する部位についての詳細な説明は省略する。
IQ変換回路30Aは、シリアル/パラレル変換回路20から複数ビットのパラレルデータが入力されると、CPU10から与えられる変調モード信号MODによって指定される変調方式に応じて、周知の方法に従って複数ビットのデータをマッピングする。
さらに、本実施の形態において、IQ変換回路30Aは、内部に乗算器を有し、生成されたシンボルマッピングデータに、指定された変調方式に対応して予め設定された利得係数を乗算することにより、ベースバンド信号の出力レベルを調整する。すなわち、IQ変換回路30Aは、この発明による「送信電力制御手段」を構成する。
詳細には、IQ変換回路30Aは、変調方式を切替える前後において周辺セル内の無線通信装置における受信品質が一定の基準値に維持されるように予め設定された利得係数を記憶している。具体的には、たとえば周辺セルの受信品質としてBER=1×10−4を基準値としたときにおいて、利得係数は、図10の関係に従って、変調方式がπ/4QPSKのときの送信電力よりも16QAMのときの送信電力が、約2.5dB低くなるように設定される。
なお、送信電力における約2.5dBの低下は、16QAMにおける送信電力を、π/4QPSKにおける送信電力に対して略9/16倍に縮小することで実現される。送信電力を9/16倍に縮小することは、図12に示すように、IQ座標平面上の各シンボル点について、I相成分およびQ相成分をそれぞれ3/4倍だけ縮小することに等しい。
具体的には、16QAM変調方式におけるIQ座標平面上のシンボル点は、図14に示される合計16個の信号点のいずれかに対応する。そして、16個の信号点の各々について、I相成分とQ相成分とはそれぞれ、図12(a)に示す座標で表わされる。この発明によるIQ変換回路30Aは、シリアル/パラレル変換回路20から4ビットのパラレルデータを受けると、図12(a)の信号点の中から、そのパラレルデータに対応するマッピングデータを一義的に与える。さらに、IQ変換回路30Aは、そのマッピングデータに対して利得係数を乗じて、図12(b)に示すマッピングデータに変換する。図12(b)は、たとえば利得係数として3/4を乗じたときのマッピングデータである。
このような構成とすることにより、IQ変換回路30Aからは、本来のシンボルマッピングデータに対してI相成分およびQ相成分がともに3/4倍だけ縮小されたシンボルマッピングデータが生成される。その生成されたシンボルマッピングデータは、I相成分(Ik)とQ相成分(Qk)とに分かれて帯域制限フィルタ40a,40bへそれぞれ転送される。そして、帯域制限フィルタ40a,40bを介して帯域制限されたベースバンド信号のI相成分とQ相成分とは、乗算器50a,50bにおいて、それぞれ変調信号のI相成分およびQ相成分に変換された後に加算されて変調信号を形成する。電力増幅器92は、変調信号を一定の利得だけ増幅してアンテナ100を介して出力する。このとき、電力増幅器92における出力電力レベルは、先述の送信電力制御手段によって、π/4QPSKのときの出力電力レベルに対して約2.5dB低くなる。
なお、利得係数は、周辺セルにおける受信品質に求められる基準値に基づいて、変調方式ごとに設定される。このとき、図10の関係に従って、たとえばBER=1×10−3を周辺セルの受信品質の基準値とするときには、変調方式がπ/4QPSKから16QAMへ切替えるに伴なって、送信電力レベルを約1.8dB低下させるように、利得係数が設定される。また、変調方式がπ/4QPSKから64QAMに切替えるときには、送信電力レベルを約2dB低下させるように、利得係数が設定される。そうして、周辺セルの受信品質の基準値に基づいて、変調方式ごとに設定された利得係数は、テーブル化されてIQ変換回路30Aに予め記憶される。そして、IQ変換回路30Aは、変調モード信号MODの入力に応じてテーブルの中から最適な利得係数を選択し、その選択した利得係数をシンボルマッピングデータに乗算する。
また、本実施の形態では、この発明による「送信電力制御手段」をIQ変換回路30Aで構成したが、これに限らず、図2の無線送信装置1000と同様にレベル制御部110を搭載し、レベル制御部110が可変利得増幅器90の利得の基準値に利得係数を乗算するように構成することも可能である。
さらに、本実施の形態では、周辺セルの受信品質の評価パラメータとして、BERを用いたが、これに限らず、FERやEVMなどの評価パラメータを用いて構成しても良い。
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、無線送信装置は、変調方式の切替え時において、切替え後の変調方式においても周辺セル内に存在する無線通信装置の通信品質が一定に維持されるように送信電力レベルを制御することから、変調方式の切替え前後で周辺セルに及ぼす影響に大きな変動がなく、移動体通信システム全体を安定させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1に従う無線送信装置から出力されるベースバンド信号の電力変動を示す図である。 この発明の実施の形態1に従う無線送信装置の構成を示す機能ブロック図である。 変調方式と無線送信装置の可変利得増幅器における利得係数との関係を示す図である。 EVMの原理を説明するためのIQ座標平面上のQPSKシンボル点を示す図である。 無線受信装置で行なわれる適応変調動作を示すフロー図である。 無線受信装置で行なわれる適応変調動作を示すフロー図である。 変調方式の多値数を上げる場合の送信側と受信側との間のネゴシエーションの手順を説明する図である。 変調方式の多値数を下げる場合の送信側と受信側との間のネゴシエーションの手順を説明する図である。 無線送信装置の送信電力の影響を説明するための概略図である。 干渉波の変調方式と通信品質との関係を説明するための図である。 この発明の実施の形態3に従う無線送信装置の構成を示す機能ブロック図である。 IQ変換回路による送信電力制御動作を説明するための図である。 IQ座標平面上のπ/4シフトQPSK変調方式によるシンボル点の配置を示す図である。 IQ座標平面上の16QAM変調方式によるシンボル点の配置を示す図である。 適応変調に対応した従来の無線送信装置の機能ブロック図である。 図15の無線送信装置から出力されるベースバンド信号の電力変動を示す図である。 たとえば特許文献1に記載される無線送信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 CPU、20 シリアル/パラレル変換器、30,30A IQ変換回路、40a,40b,240 帯域制限フィルタ、50a,50b,220 乗算器、60,230 局部発振器、70 90°移相器、80 加算器、90 可変利得増幅器、92 増幅器、100,260 アンテナ、110 レベル制御部、200 変調部、210 デジタル/アナログ変換器、250 電力増幅器、270 電源制御部、1000,1000A 無線送信装置、INa 入力端子、INb 情報入力端子。

Claims (15)

  1. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置であって、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信する送信手段と、
    送信された前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質を変調方式の切り替え前後で一定値に維持するよう、前記変調信号の送信電力を制御する送信電力制御手段とを備える、無線送信装置。
  2. 前記送信手段は、
    前記変調信号を電力増幅して出力する送信電力増幅手段を含み、
    前記送信電力制御手段は、
    前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質を変調方式の切り替え前後で前記一定値に維持するよう、前記送信電力増幅手段の電力利得を制御する利得制御手段を含む、請求項1に記載の無線送信装置。
  3. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置であって、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信する送信手段と、
    送信された前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、前記変調信号の送信電力を制御する送信電力制御手段と、を備え、
    前記送信手段は、
    前記変調信号を電力増幅して出力する送信電力増幅手段を含み、
    前記送信電力制御手段は、
    前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすように、前記送信電力増幅手段の電力利得を制御する利得制御手段を含み、
    前記利得制御手段は、各前記複数の変調方式ごとに、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、前記複数の利得係数から前記選択した1つの変調方式に対応する1つの利得係数を選択し、選択した前記利得係数を前記送信電力増幅手段に固有の電力利得に乗算する、無線送信装置。
  4. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置であって、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信する送信手段と、
    送信された前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、前記変調信号の送信電力を制御する送信電力制御手段と、を備え、
    前記送信手段は、
    デジタルのベースバンド信号を連続する複数ビットごとに直並列変換する手段と、
    前記選択した1つの変調方式に応じて、前記連続する複数ビットごとに、直交する同相と直交位相のシンボルマッピングデータを一意的に与えるマッピング手段と、
    前記同相および直交位相のシンボルマッピングデータを帯域制限した後に搬送波信号と乗算して変調信号を生成する手段とを含み、
    前記送信電力制御手段は、各前記複数の変調方式ごとに、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、前記複数の利得係数から前記選択した1つの変調方式に対応する利得係数を選択し、前記選択した利得係数を前記同相および直交位相のシンボルマッピングデータに乗算する、無線送信装置。
  5. 前記送信手段は、
    受信側との通話品質に応じて変調方式を切替える変調方式切替手段をさらに備え、
    前記送信電力制御手段は、前記変調方式を切替えるタイミングにおいて、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値に満たすように、切替え後の変調方式での変調信号の送信電力を制御する、請求項3または4に記載の無線送信装置。
  6. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置における送信電力制御方法であって、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信するステップと、
    前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質を変調方式の切り替え前後で一定値に維持するよう、前記変調信号の送信電力を制御するステップとを備える、送信電力制御方法。
  7. 前記変調信号を送信するステップは、前記変調信号を電力増幅して出力するステップを含み、
    前記送信電力を制御するステップは、前記電力増幅した変調信号を前記干渉波として受ける前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質を変調方式の切り替え前後で前記一定値に維持するよう、前記変調信号を電力増幅するときの電力利得を制御するステップを含む、請求項6に記載の送信電力制御方法。
  8. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置における送信電力制御方法であって、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信するステップと、
    前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、前記変調信号の送信電力を制御するステップと、を備え、
    前記変調信号を送信するステップは、前記変調信号を電力増幅して出力するステップを含み、
    前記送信電力を制御するステップは、前記電力増幅した変調信号を前記干渉波として受ける前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすように、前記変調信号を電力増幅するときの電力利得を制御するステップを含み、
    前記電力利得を制御するステップは、各前記複数の変調方式ごとに、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、前記複数の利得係数から前記選択した1つの変調方式に対応する1つの利得係数を選択して、前記送信電力増幅手段に固有の電力利得に乗算する、送信電力制御方法。
  9. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置における送信電力制御方法であって、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信するステップと、
    前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、前記変調信号の送信電力を制御するステップと、を備え、
    前記変調信号を送信するステップは、
    デジタルのベースバンド信号を連続する複数ビットごとに直並列変換するステップと、
    前記選択した1つの変調方式に応じて、前記連続する複数ビットごとに、直交する同相と直交位相のシンボルマッピングデータを一意的に与えるステップと、
    前記同相および直交位相のシンボルマッピングデータを帯域制限した後に搬送波信号と乗算して変調信号を生成するステップとをさらに含み、
    前記送信電力を制御するステップは、各前記複数の変調方式ごとに、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、前記複数の利得係数から前記選択した1つの変調方式に対応する利得係数を選択し、前記選択した利得係数を前記同相および直交位相のシンボルマッピングデータに乗算する、送信電力制御方法。
  10. 前記変調信号を送信するステップは、
    受信側との通話品質に応じて変調方式を切替えるステップをさらに備え、
    前記送信電力を制御するステップは、前記変調方式を切替えるタイミングにおいて、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値に満たすように、切替え後の変調方式での変調信号の送信電力を制御する、請求項8または9に記載の送信電力制御方法。
  11. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置における送信電力制御プログラムであって、コンピュータに、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信するステップと、
    前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質を変調方式の切り替え前後で一定値に維持するよう、前記変調信号の送信電力を制御するステップとを実行させる、送信電力制御プログラム。
  12. 前記変調信号を送信するステップは、前記変調信号を電力増幅して出力するステップを含み、
    前記送信電力を制御するステップは、前記電力増幅した変調信号を前記干渉波として受ける前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質を変調方式の切り替え前後で前記一定値に維持するよう、前記変調信号を電力増幅するときの電力利得を制御するステップを含む、請求項11に記載の送信電力制御プログラム。
  13. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置における送信電力制御プログラムであって、コンピュータに、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信するステップと、
    前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、前記変調信号の送信電力を制御するステップと、を実行させ、
    前記変調信号を送信するステップは、前記変調信号を電力増幅して出力するステップを含み、
    前記送信電力を制御するステップは、前記電力増幅した変調信号を前記干渉波として受ける前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすように、前記変調信号を電力増幅するときの電力利得を制御するステップを含み、
    前記電力利得を制御するステップは、各前記複数の変調方式ごとに、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、前記複数の利得係数から前記選択した1つの変調方式に対応する1つの利得係数を選択して、前記送信電力増幅手段に固有の電力利得に乗算する、送信電力制御プログラム。
  14. 多値数の異なる複数の変調方式に対応可能な無線送信装置における送信電力制御プログラムであって、コンピュータに、
    ベースバンド信号を前記複数の変調方式から選択した1つの変調方式で変調して生成した変調信号を送信するステップと、
    前記変調信号を干渉波として受ける周辺基地局および前記周辺基地局と通信している端末装置における受信品質が所定の基準値を満たすように、前記変調信号の送信電力を制御するステップと、を実行させ、
    前記変調信号を送信するステップは、
    デジタルのベースバンド信号を連続する複数ビットごとに直並列変換するステップと、
    前記選択した1つの変調方式に応じて、前記連続する複数ビットごとに、直交する同相と直交位相のシンボルマッピングデータを一意的に与えるステップと、
    前記同相および直交位相のシンボルマッピングデータを帯域制限した後に搬送波信号と乗算して変調信号を生成するステップとをさらに含み、
    前記送信電力を制御するステップは、各前記複数の変調方式ごとに、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値を満たすときの干渉波の電力レベルに基づいて設定された複数の利得係数を有し、前記複数の利得係数から前記選択した1つの変調方式に対応する利得係数を選択し、前記選択した利得係数を前記同相および直交位相のシンボルマッピングデータに乗算する、送信電力制御プログラム。
  15. 前記変調信号を送信するステップは、
    受信側との通話品質に応じて変調方式を切替えるステップをさらにコンピュータに実行させ、
    前記送信電力を制御するステップは、前記変調方式を切替えるタイミングにおいて、前記周辺基地局および前記端末装置における受信品質が前記所定の基準値に満たすように、切替え後の変調方式での変調信号の送信電力を制御する、請求項13または14に記載の送信電力制御プログラム。
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