JP2003198426A - 適応変調無線通信装置 - Google Patents

適応変調無線通信装置

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JP2003198426A
JP2003198426A JP2001396043A JP2001396043A JP2003198426A JP 2003198426 A JP2003198426 A JP 2003198426A JP 2001396043 A JP2001396043 A JP 2001396043A JP 2001396043 A JP2001396043 A JP 2001396043A JP 2003198426 A JP2003198426 A JP 2003198426A
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Mitsuharu Kondo
光治 近藤
Fumihiro Sunada
文宏 砂田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最大ドップラー周波数の推定値を用いて、フ
ェージング変動を考慮して受信品質を向上させる適応変
調無線通信装置を提供する。 【解決手段】 変調多値数制御部53,63において、
最大ドップラー周波数fdの推定値は、比較部72に入力
される。所定の閾値Th1以下のときには、第1の変調パ
ラメータ選択チャート83に従って適応変調方式を採用
する。所定の閾値Th1を超え所定の閾値Th2以下のときに
は、第3の変調パラメータ選択チャート83に従った適
応変調方式を採用する。この第3の変調パラメータ選択
チャート83は、第1の変調パラメータ選択チャート7
3に比べて伝送品質を高くするために、変調多値数を1
段階下げてある。最大ドップラー周波数fdの推定値が、
所定の閾値Th2を超えるときには、変調多値数が最も小
さいQPSK変調方式を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェージング環境
下で行われる移動無線通信において、最大ドップラー周
波数の推定値を用いて伝送品質を向上させる適応変調無
線通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動無線通信においては、フェージング
によって受信信号の振幅および位相が変動するので、種
々のフェージング対策が施される。フェージング変動を
補償する技術として、「パイロットシンボル挿入法」(P
SAM)が、三瓶政一、“陸上移動通信用16QAMのフェ
ージングひずみ補償方式”、電子情報通信学会論文誌B
-II、Vol.J72-B-II,No.1,pp.7-15,1989-1等で知られ
ている。図15は、パイロットシンボル挿入法を用いた
従来の無線通信装置のブロック構成図である。図15
(a)は送信機側、図15(b)は受信機側のブロック
構成図である。既知のパイロットシンボルを情報シンボ
ル区間に挿入して送信し、受信側でパイロットシンボル
の受信信号から補間により情報シンボル位置におけるフ
ェージング変動を推定してフェージング歪補償を行う。
【0003】図15(a)において、1は送信データ、
2はシリアル・パラレル変換器(S/P)であって、送信
データを4ビット毎に並列データに変換する。3はベー
スバンド信号発生部(BSG)であって、4ビットの並列
データを16QAM変調の1つのシンボルに対応させたベー
スバンド信号に変換する。4はフレーム信号生成部であ
って、情報シンボル区間にパイロットシンボルを周期的
に等間隔に挿入する。パイロットシンボルとしては、16
QAMのIQ位相平面において最大振幅をとる4個のシンボ
ルの中で、シンボルを適宜切り替えて用いる。5はロー
パスフィルタ(LPF)であって、ベースバンド信号を帯
域制限する。6は直交変調器、7は局部発振器である。
局部発振器7から出力される基準周波数信号および直交
基準周波数信号を帯域制限されたベースバンド信号で16
QAM変調する。8は増幅器、9は送信アンテナであっ
て、変調された信号を増幅して送信する。
【0004】図15(b)において、11は受信アンテ
ナ、12はバンドパスフィルタ(BPF)であって、後述
するAGC13やAFC14を正常動作させるために、受信信
号を帯域制限する。13は自動利得制御部(AGC)であ
って、受信信号レベルを一定にする。14は自動周波数
制御部(AFC)であって、送信機側と受信機側との間の
周波数オフセットを粗調整する。15は直交復調器、1
6は局部発振器、17はローパスフィルタ(LPF)であ
る。周波数オフセットが粗調整された受信信号と、局部
発振器16から出力される、基準周波数信号,直交基準
周波数信号とを乗算して16QAMの準同期検波を行い、LPF
17で帯域制限することにより、受信信号(I相,Q相の
2チャネルのベースバンド信号)を出力する。基準周波
数信号の周波数は、図15(a)の送信側の基準周波数
信号の周波数と完全には一致しない状態で直交復調され
る。18はフェージング歪推定・補償部であって、パイ
ロットシンボルを用いて、後述するフェージング歪推定
およびフェージング歪補償とともに、オフセット周波数
の微調整も行う。19はシンボル判定部であって、フェ
ージング歪が補償された受信信号をシンボルタイミング
で判定することにより、1シンボルにつき4ビットの出
力データ22を出力する。
【0005】図16は、パイロットシンボル挿入法にお
けるフレーム構成を示す説明図である。図示の例は、TD
MA(Time Division Multiple Access)/TDD(TimeDivis
ion Duplex:時間分割複信)方式のデジタル移動通信シ
ステムのフレーム構成である。送信と受信とで同一周波
数帯を用いるため、1フレームの前半を基地局から移動
局に送信するダウンリンク、後半を移動局から基地局に
送信するアップリンクに割り当てている。図示の例で
は、基地局が2つの移動局と送受信を行う2多重の例を
示している。受信スロットR1,R2において、(N-1)シ
ンボル毎に、既知の1シンボルのパイロットシンボルP
を周期的に挿入している。移動局側では、このパイロッ
トシンボルPに基づいてフェ−ジング変動を推定し、パ
イロットシンボル間の情報シンボルに対して、内挿法を
用いてフェ−ジング変動を推定する。受信スロットR1,
R2は異なる移動局に対するスロットであるが、ある移動
局は、基地局から自移動局向けの受信スロットのパイロ
ットシンボルPだけでなく、基地局から他の移動局に割
り当てられた受信スロットのパイロットシンボルPも用
いることができる。
【0006】図17は、パイロット信号の象限配置の説
明図である。複素ベースバンド信号の基準周波数信号に
対する受信信号点を示すIQ位相平面において、パイロッ
トシンボルの配置を示す。パイロットシンボルとして
は、使用する多値シンボルの内、最大振幅、ここでは1
6QAMのシンボルのうち、A,B,C,Dの4つのシ
ンボルから1つシンボルを利用する。なお、移動端末側
でも、自己の送信スロットにおいてパイロット信号を挿
入して、基地局側でフェージング歪推定および補償を行
わせることができる。この場合、基地局では、その受信
スロットにおいて、順次、異なる移動端末から受信信号
を受けるので、各移動端末から受信された個別のパイロ
ット信号に基づいて、各移動端末に対応したフェージン
グ歪推定および補償を行うことになる。
【0007】上述した「パイロットシンボル挿入法」
は、受信側におけるフェージング対策である。一方、送
信側で行うフェージング対策として、適応変調方式が知
られている。受信時の伝搬路特性、例えば、C/No(搬送
波電力対雑音電力密度比)や遅延スプレッドなどの伝搬
路特性の推定値に応じて、送信側で、基準となるBER(B
itError Rate)を満たし、かつ伝送速度が最も大きくな
る変調多値数(変調方式)を選択し、次の送信時におけ
る変調多値数を適応的に制御することにより、伝送品質
の向上をはかる。例えば、鈴木敬 他2名「適応変調方
式における伝搬路特性推定方式」,電子情報通信学会技
術研究報告RCS94-65(1994-09)pp.37-42、大槻信也 ほ
か2名「変調多値数可変適応変調方式の伝送特性」,電
子情報通信学会論文誌B-II,Vol.J78-B-II,No,6,(19
95年6月),pp.435-444、笹岡秀一 編著「移動通信」
p.117-119、などで知られている。
【0008】図18は、従来の適応変調無線通信装置を
説明するためのブロック構成図である。移動端末41と
基地局42とがフェージング回線43を通して通信する
例を概念的に示す。図16を参照して説明したTDMA/TDD
方式を具体例として説明する。また、いずれの変調方式
であっても、図15に示したのと同様のパイロットシン
ボル挿入法を用いて受信信号のフェージング歪推定・補
償を採用しているが、説明を簡単にするため、図18で
は図示を省略している。図示左側の移動端末41におい
て、送信データは、変調器51において変調され、送信
アンテナ52から基地局42に送信される。その際、変
調多値数制御部101で、伝送ビットレートの異なる変
調方式(シンボルレートは同じで、変調多値数が異な
る)の中から1つの変調方式が選択される。一方、基地
局42からの送信信号は受信アンテナ54で受信され、
受信信号は、復調器55において復調されて受信データ
が出力されるとともに、変調多値数推定部56,瞬時C/
Noおよび遅延スプレッド推定部57に入力される。例え
ば、図15における直交復調された信号のLPF17出力
から、変調多値数推定部56,瞬時C/Noおよび遅延スプ
レッド推定部57それぞれに分岐させればよい。
【0009】変調多値数推定部56においては、復調器
55に対して復調方式を指定する。この変調多値数推定
部56は、例えば、受信信号中のミッドアンブル内に含
まれた変調パラメータ推定ワードMCを、変調多値数に対
応して予め決められた符号系列と乗積、積分して相関度
を比較することにより、基地局側で行った各フレームの
変調多値数を推定して、復調器55に復調方式を指示す
る。
【0010】図19は、図18に示した瞬時C/Noおよび
遅延スプレッド推定部57,67の内部を示すブロック
構成図である。図中、91は受信スロットの遅延プロフ
ァイル推定部であって、例えば、上述したミッドアンブ
ル内に含まれたチャネル推定用ワードCEを用い、受信時
点の複素遅延プロファイルを推定する。チャネル推定用
ワードCEとして変形M系列を用い、受信されたチャネル
推定用ワードCEと変形M系列との相関をとることにより
複素遅延プロファイルを測定する。1シンボル以内の遅
延のみを考慮して2波レイリーモデルを仮定すると、複
素遅延プロファイルは、次のインパルスレスポンスで表
される。
【数1】 ここで、δ(t)はディラックのδ関数である。
【0011】92は送信スロットの遅延プロファイル推
定部であって、h0(t),h1(t)の軌跡が滑らかに変動
するものとして外挿することにより、送信時点での遅延
プロファイルが得られる。k番目のTDMAフレームの送信
時における遅延プロファイルは、次式の通りである。
【数2】 ここで、h'i(k)はk番目のフレームで測定された遅延
プロファイルである。外挿には、0次、1次、2次の外
挿がある。 0次外挿の場合、Q0=1,Q1=0,Q2=0、 1次外挿の場合、Q0=3/2,Q1=-1/2,Q2=0、 2次外挿の場合、Q0=15/8,Q1=-10/8,Q2=3/8で
ある。
【0012】93は雑音電力推定部であって、受信信号
の遅延プロファイルとチャネル推定用ワードCEとを畳み
込んで受信信号のレプリカを生成し、これを受信信号か
ら引き算することにより、雑音電力を出力する。雑音電
力は、受信スロットと送信スロットとで等しく、かつ、
相手局でも同じ雑音電力であるとする。94は受信電力
推定部であって、送信時点での遅延プロファイルから、
相手局での受信電力を推定する。95はC/No計算部であ
って、相手局での推定受信電力を雑音電力で割り算して
C/No(搬送波電力対雑音電力密度比)の値を出力する。
【0013】図18の変調多値数制御部101は、瞬時
C/Noおよび遅延スプレッド推定部57から、遅延スプレ
ッドおよびC/Noを入力し、送信時における遅延スプレッ
ドおよび瞬時C/Noを外挿し、変調パラメータ選択チャー
トに従って、伝送ビットレートの異なる変調方式の中か
ら1つを選択して、少なくとも1フレーム毎に変調器5
1に指定する。基地局42側については、変調器61か
ら瞬時C/Noおよび遅延スプレッド推定部67までと、変
調多値数制御部102は、それぞれ、移動端末41側の
変調器51から瞬時C/Noおよび遅延スプレッド推定部5
7までと、変調多値数制御部101と同様であるので、
説明を省略する。
【0014】図16に示したTDMA/TDD方式のデジタル移
動通信システムにおいては、受信スロットでの伝搬路特
性から、次の送信スロットでの伝搬路特性を推定し、そ
の時の変調多値数を選択して送信するが、その時間差
は、1フレームの半分の時間間隔となる。400MHz帯の業
務用デジタル移動通信システムのように、TDMAの1フレ
ーム長が比較的長い場合には、1フレーム中でフェージ
ング状態が変動してしまい、推定結果と送信時の相手局
における実際の伝搬路特性との誤差が大きくなる。その
結果、最適な変調多値数を推定することが困難となる。
【0015】一方、FDD(Frequency Division Duplex:周
波数分割複信)方式では、アップリンクとダウンリンク
とで異なる周波数帯を用いるので、その伝搬路特性が異
なる。そのため、アップリンク(移動局の送信スロッ
ト、基地局の受信スロット)における伝搬路特性を推定
し、ダウンリンク(基地局の次の送信スロット)で推定
した伝搬路情報を移動端末に通知する。その通知を基
に、移動端末では、アップリンク(移動局の次の送信ス
ロット、基地局の次の受信スロット)の時点で予想され
る伝搬路特性に適した変調多値数を適用して送信する。
なお、基地局側の送信についても同様にして変調多値数
を制御する。したがって、フレーム長が比較的長い場合
には、次フレームではフェージング状態が変動してしま
い、最適な変調多値数を推定することが困難となる。
【0016】そこで、フェージング変動を考慮して適応
変調を行う必要がある。フェージング変動には、移動局
の走行に応じて発生するドップラー周波数が関与する。
そこで、フェージング変動の速さに関連する最大ドップ
ラー周波数fdを推定することにより、適応変調方式の受
信品質を向上させたい。ドップラー周波数の最大値であ
る、最大ドップラー周波数(最大ドップラーシフト)fd
は、次式のように表される。 fd=V/λ ここで、Vは移動局の移動速度、λは使用される電波の
波長である。移動速度Vの推定方法としては、車載無線
通信装置であれば車の速度計で測定できる。また、GPS
(GlobalPositioning System)より位置情報を入力し、
データ処理部で、一定時間Tでの移動距離Lを求めて、
測定することもできる。しかし、これらの方法では、無
線通信装置単独で推定を行えない。
【0017】無線通信装置単独で最大ドップラー周波数
fdを推定する方法として、ゼロクロス点カウントによる
方法が、近藤光治 他3名“業務用移動通信における16
QAMのダイバーシティ特性とfd推定”、2001年電子情報
通信学会総合大会、B-5-167,2001/3等で知られている。
このゼロクロス点カウントによる方法は、先に説明した
「パイロットシンボル挿入法」(PSAM)のために挿入して
いるパイロットシンボルを用いる。
【0018】そのI成分またはQ成分のゼロクロス点の個
数を計数し、パイロットシンボル当たりのゼロクロス点
の比率を求める。次に、計算されたゼロクロス点の比率
を用いて、予め求めたゼロクロス点比率とfdとの関係式
からfdを推定する。しかし、ゼロクロス点付近で細かな
位相変動があると、余分にカウントしてしまうという問
題がある。また、周波数選択性フェージング環境下の遅
延スプレッドによってもゼロクロス点の比率が変化して
しまうため、遅延スプレッドの推定値も考慮して最大ド
ップラー周波数fdを推定する必要がある。
【0019】一方、無線通信装置単独で最大ドップラー
周波数fdを推定する他の方法として、正規化内積値を用
いるものが、例えば、安藤英浩 他3名、“パイロット
シンボルを用いるドップラー周波数検出”、2000年信学
会総合大会、B-5-59,2000等で知られている。図20
は、従来の正規化内積値によるドップラー周波数推定の
原理を説明するためのIQ位相平面図である。図中、横軸
は搬送波と同相のI相成分、縦軸は搬送波の位相に直交
するQ相成分を示す。W-CDMA(Wideband Code Division
MultipleAccess)において、アップリンクの各スロット
内の最初の部分に複数連続して存在するI/Q符号多重パ
イロット信号を用いて、正規化内積値を計算する。各ス
ロットのパイロットシンボルの平均値から各スロットの
チャネル推定値を計算し、隣接するスロット、あるい
は、複数スロット離れたスロットのチャネル推定値同士
の正規化内積値を計算する。
【0020】この図では、各スロットのチャネル推定値
を、平均化された受信信号点111,112として表し
ている。正規化内積値とは、原点Oから見た、平均化さ
れた受信信号点111から次の平均化された受信信号点
112への位相変化量θの余弦値cosθである。平均化
された受信信号点101のベクトルとその成分をa
(x1,y2)とし、平均化された受信信号点102のベク
トルおよびその成分をb(x2,y2)とすると、次式で表
される。 正規化内積値cosθ=(x1x2+y1y2)/{(x1 2+y1 2)(x2 2+y2 2)}1/2 (3) 算出された正規化内積値は、雑音や干渉の影響を受けて
いるので複数スロットにわたって平均化することにより
その影響を軽減する。次に、計算された正規化内積値を
用いて、予め求めた正規化内積値とfdの関係式を参照し
て最大ドップラー周波数fdを推定する。上述した正規化
内積法は、W-CDMAにおける各スロットの最初の部分に複
数連続して存在するI/Q符号多重パイロット信号に関す
る技術であるが、これを、パイロットシンボルが周期的
に挿入されて変調された信号に適用することは全く検討
されていなかった。そこで、どのように適用すればよい
かが問題となる。また、最大ドップラー周波数fdが小さ
い場合、長時間にわたって、原点Oの近くに受信信号点
が存在するおそれがある。このような原点近くの受信信
号点の正規化内積値は雑音の影響を大きく受けているの
で、最大ドップラー周波数fdに大きな誤差を与えてしま
うという問題も残っている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、最大ドップラー
周波数の推定値を用いることにより、フェージング変動
を考慮して受信品質を向上させる適応変調無線通信装置
を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、伝搬路特性の推定値に応じて変調
多値数を制御して送信データを適応変調する適応変調無
線通信装置であって、最大ドップラー周波数の推定値に
応じて、該最大ドップラー周波数の推定値が高いときに
前記変調多値数の小さいものを選択するように制御する
変調多値数制御手段を有するものである。したがって、
最大ドップラー周波数の推定値により、フェージング変
動が速いために伝送品質が低下する環境で伝送品質の劣
化を防止することができる。
【0023】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の適応変調無線通信装置において、前記最大ド
ップラー周波数の推定値に応じて、該最大ドップラー周
波数の推定値が高いクラスと小さいクラスとを設定する
クラス設定手段を有し、前記変調多値数制御手段は、前
記最大ドップラー周波数の推定値が高いクラスが設定さ
れたときには最も小さい変調多値数を選択し、前記最大
ドップラー周波数の推定値が小さいクラスが設定された
ときには適応変調を行うものである。したがって、フェ
ージング変動により伝送品質が低下する環境で伝送品質
の劣化を簡単な構成で容易に防止することができる。
【0024】請求項3に記載の発明においては、請求項
1に記載の適応変調無線通信装置において、前記最大ド
ップラー周波数の推定値に応じて、該最大ドップラー周
波数の推定値が高いクラスと小さいクラスと中間のクラ
スとを設定するクラス設定手段を有し、前記変調多値数
制御手段は、前記最大ドップラー周波数の推定値が高い
クラスが設定されたときには最も小さい変調多値数を選
択し、前記最大ドップラー周波数の推定値が小さいクラ
スが設定されたときには第1の適応変調を行い、前記中
間のクラスが設定されたときには前記第1の適応変調よ
りも伝送品質の高い第2の適応変調を行うものである。
したがって、フェージング変動により伝送品質が低下す
る環境で伝送品質の劣化を簡単な構成で容易に防止する
ことができるとともに、正規化移動距離平均の大きさに
応じて、徐々に変調多値数を制御するので、変調多値数
をフェージング変動にきめ細かく適応化させることがで
きる。
【0025】請求項4に記載の発明においては、伝搬路
特性の推定値に応じて変調多値数を制御して送信データ
を適応変調する適応変調無線通信装置であって、受信時
の過去複数分の遅延プロファイルを外挿することにより
送信時の遅延プロファイルを推定するとともに、最大ド
ップラー周波数の推定値に応じて、該最大ドップラー周
波数の推定値が高いときには、外挿に代えて前記受信時
の過去複数分の遅延プロファイルを相加平均することに
より、前記送信時の遅延プロファイルを推定し、推定さ
れた前記送信時の遅延プロファイルにより前記送信時の
前記伝搬路特性を推定する伝搬路特性推定手段と、前記
送信時の伝搬路特性の推定値に応じて変調多値数を選択
する変調多値数制御手段を有するものである。したがっ
て、フェージング変動によって外挿による推定精度が劣
化するときにも、送信時の遅延プロファイルを良好に推
定することができるので、フェージング変動により伝送
品質が低下する環境で伝送品質の劣化を簡単な構成で容
易に防止することができる。
【0026】請求項5に記載の発明においては、伝搬路
特性の推定値に応じて変調多値数を制御して送信データ
を適応変調する適応変調無線通信装置であって、受信時
の過去複数分の遅延プロファイルを外挿することにより
送信時の遅延プロファイルを推定するとともに、最大ド
ップラー周波数の推定値に応じて、該最大ドップラー周
波数の推定値が高いときには、外挿次数を小さくして前
記送信時の遅延プロファイルを推定することにより、前
記送信時の遅延プロファイルを推定し、推定された前記
送信時の遅延プロファイルにより送信時の前記伝搬路特
性を推定する伝搬路特性推定手段と、前記送信時の伝搬
路特性の推定値に応じて変調多値数を選択する変調多値
数制御手段を有するものである。したがって、フェージ
ング変動によって外挿による推定精度が劣化するときに
も、外挿の次数を小さくすることによって、良好に推定
することができるので、フェージング変動により伝送品
質が低下する環境で伝送品質の劣化を簡単な構成で容易
に防止することができる。
【0027】請求項6に記載の発明においては、請求項
1から5までのいずれか1項に記載の適応変調無線通信
装置において、前記伝搬路特性の推定値は、搬送波電力
対雑音電力密度比の推定値および遅延スプレッドの推定
値である。伝搬路特性をよく反映させることができる。
【0028】上述した各請求項において、最大ドップラ
ー周波数の推定値は、例えば、次のような装置によって
推定することができる。 (1)パイロットシンボルが周期的に挿入されて変調され
てなる受信信号を直交復調して得られた複素ベースバン
ド信号を入力し、所定の第1のパイロットシンボルと、
該第1のパイロットシンボルから所定のパイロットシン
ボル数だけ離れた第2のパイロットシンボルとに関し、
前記複素ベースバンド信号の位相平面上において、第1
のパイロットシンボルを含む複数の近接した前記パイロ
ットシンボルの受信信号点を平均化して第1の平均化受
信信号点を出力するとともに、第2のパイロットシンボ
ルを含む複数の近接した前記パイロットシンボルの受信
信号点を平均化して第2の平均化受信信号点を出力する
平均化受信信号点出力手段と、第1のパイロットシンボ
ルおよびまたは第2のパイロットシンボルの受信強度に
応じて、第1の平均化受信信号点から第2の平均化受信
信号点までの移動距離を正規化して正規化移動距離を出
力する正規化移動距離出力手段と、前記正規化移動距離
を、第1,第2のパイロットシンボルを逐次更新して時
間平均をとることにより、正規化移動距離平均を出力す
る正規化移動距離平均出力手段、を有し、前記正規化移
動距離平均に応じて最大ドップラー周波数を推定する最
大ドップラー周波数推定装置。最大ドップラー周波数
を、パイロット信号の移動距離を求めるという簡単な方
法で検出できる。また、移動距離を正規化するため、送
信装置から受信装置までの距離差による長期的な受信強
度の減衰の影響が小さくなるので、距離差にかかわらず
最大ドップラー周波数を推定することができる。
【0029】(2)前記正規化移動距離平均出力手段は、
第1,第2のパイロットシンボルを1パイロットシンボ
ルずつ逐次更新して時間平均をとる、上述した(1)に記
載の最大ドップラー周波数推定装置。全てのパイロット
シンボルの受信信号点の位置をサンプルとして用いるこ
とができるとともに、1パイロットシンボルずつ逐次計
算期間をずらしているので、雑音等の影響が少ない平均
化された正規化移動平均を得ることができる。
【0030】(3)シンボルが周期的に挿入されて変調さ
れてなる受信信号を直交復調して得られた複素ベースバ
ンド信号を入力し、所定の第1のパイロットシンボル
と、該第1のパイロットシンボルから所定のパイロット
シンボル数だけ離れた第2のパイロットシンボルとに関
し、前記複素ベースバンド信号の位相平面上において、
第1のパイロットシンボルを含む複数の近接した前記パ
イロットシンボルの受信信号点を平均化して第1の平均
化受信信号点を出力するとともに、第2のパイロットシ
ンボルを含む複数の近接した前記パイロットシンボルの
受信信号点を平均化して第2の平均化受信信号点を出力
する平均化受信信号点出力手段と、第1の平均化受信信
号点から第2の平均化受信信号点までの移動距離を、第
1,第2のパイロットシンボルを逐次更新して時間平均
をとることにより、移動距離平均を出力する移動距離平
均出力手段と、前記パイロット信号の受信強度の時間平
均をとることにより、受信強度平均を出力する受信強度
平均出力手段と、前記移動距離平均を前記受信強度平均
で割り算することにより、正規化移動距離平均を出力す
る正規化移動距離平均出力手段、を有し、前記正規化移
動距離平均に応じて最大ドップラー周波数を推定する最
大ドップラー周波数推定装置。最大ドップラー周波数
を、パイロット信号の移動距離を求めるという簡単な方
法で検出できる。また、移動距離を正規化するため、送
信装置から受信装置までの距離差による長期的な受信強
度の減衰の影響が小さくなるので、距離差にかかわらず
最大ドップラー周波数を推定することができる。正規化
は、移動距離を時間平均した後に行うめ、フェージング
変動で一時的に受信信号強度が落ち込んで雑音等の影響
が大きい期間が存在しても、この間の一時的な移動距離
そのものを正規化しないので、移動距離が平均化された
後に与える影響が大きくならない。したがって、最大ド
ップラー周波数の推定精度が向上する。
【0031】(4)前記移動距離平均出力手段は、前記第
1,第2のパイロットシンボルを1パイロットシンボル
ずつ逐次更新して時間平均をとるものである、上述した
(3)に記載の最大ドップラー周波数推定装置。全てのパ
イロットシンボルの受信信号点の位置をサンプルとして
用いることができるとともに、1パイロットシンボルず
つ逐次計算期間をずらしているので、雑音等の影響が少
ない平均化された正規化移動平均を得ることができる。
【0032】なお、上述した最大ドップラー周波数推定
装置において、正規化移動距離平均は、送信機側と受信
機側との間の周波数オフセットfoffによっても変化す
る。この周波数オフセットfoffが無視できない場合に
は、これを予め記憶しておく。正規化移動距離平均から
得られた最大ドップラー周波数fdの推定値から、周波数
オフセットfoffを引き算することによって、周波数オフ
セット補正された最大ドップラー周波数fdを推定でき
る。最大ドップラー周波数推定装置側で周波数オフセッ
ト補正をしていない場合には、周波数オフセット補正さ
れた最大ドップラー周波数fdで制御されるようにすれば
よい。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、最大ドップラー周波数推
定装置の実施の一形態を説明するためのブロック構成図
である。送信機側では、図15(a)を参照して説明し
た従来の構成と同様であり、データ区間にパイロットシ
ンボルPを挿入する。図1(a)は受信機側のブロック
構成図である。図15(b)を参照して説明した従来構
成に、fd推定部20が付加されており、その内部構成を
図1(b)に示す。fd推定部20は、ハードウエア論理
回路、DSP(DigitalSignal Processor)、あるいは、汎
用MPU(Micro Processing Unit)を用いて実現できる。
周波数オフセットfoffは、AFC14において粗調整され
るが、LPF17出力においてもまだ含まれているととも
に、一般にこれよりも周波数が小さい最大ドップラー周
波数fdも含まれている。図1(b)において、23はパ
イロットシンボルのデータ抽出部、24は正規化移動距
離算出部、25はスライディング平均出力部、26はfd
推定値出力部である。
【0034】図2は、図1に示した実施の形態におけ
る、パイロットシンボルの抽出方法およびスライディン
グ平均の説明図である。図16に示したのと同様のフレ
ーム構成図を用いている。図3は、図1に示した実施の
形態における、正規化移動距離によるドップラー周波数
推定の原理を説明するためのIQ位相平面図である。
【0035】図1(b)において、パイロットシンボル
のデータ抽出部23は、直交復調されLPF17を通し
たシンボルデータを入力し、1フレーム中のダウンリン
クの複数の各スロットの最初の位置に挿入された、言い
換えれば、データシンボル長の整数倍の間隔(スロッ
ト)で挿入されたパイロットシンボルPをkpパイロット
シンボル間隔で抽出する。図2では、kp=3とした具体
例を示している。TDMA/FDD方式においては、移動局は基
地局から送られてくるダウンリンク期間の全てのパイロ
ットシンボルP1〜P12を受信することが可能であり、こ
れらを用いて最大ドップラー周波数fdの推定を行う。
【0036】正規化移動距離算出部24は、抽出された
2つのパイロットシンボルPの位相平面上の「移動距
離」であって、原点Oからの距離(受信信号強度)に応
じて正規化された値である、「正規化移動距離」を出力
する。すなわち、図3において、第1のパイロットシン
ボルの受信信号点31から所定シンボル間隔だけ離れた
第2のパイロットシンボルの受信信号点32までの距離
を「移動距離」と定義する。この移動距離が大きいほ
ど、最大ドップラー周波数fdが大きいと推定される。し
かし、送信装置から受信装置までの距離差による受信強
度の減衰によって、パイロットシンボルの受信信号強度
が小さくなると、「移動距離」も小さくなって、最大ド
ップラー周波数fdが過小評価される。そのため、パイロ
ットシンボルの受信信号強度に応じて正規化する。正規
化することにより、受信電力レベルを気にすることな
く、最大ドップラー周波数fdの推定が可能である。
【0037】原点Oと第1のパイロットシンボルの受信
信号点31とを結ぶ直線と単位円33との交点を34と
する。交点34から「移動距離」の直線と平行な線を引
き、原点Oと第2のパイロットシンボルの受信信号点3
2とを結ぶ直線との交点を35とする。図示の例で「正
規化移動距離」とは、上述した交点34と交点35間の
距離であるとする。すなわち、位相変化角θの値を保存
したまま、第1のパイロットシンボルの受信信号点31
の原点からの距離(受信信号強度)を1に正規化したと
きの「移動距離」である。数式で表現すると、次式の通
りである。 正規化移動距離={(x1−x22+(y1−y22}/(x1 2+y1 2) (4)
【0038】「正規化移動距離」を、図示の例に代え
て、移動角θの値を保存したまま、第2のパイロットシ
ンボルの受信信号点32の振幅を1に正規化したときの
「移動距離」であるとして、次式のように定義してもよ
い。 正規化移動距離={(x1−x22+(y1−y22}/(x2 2+y2 2) (5) あるいは、第1,第2のパイロットシンボルの受信信号
点31,32の振幅を考慮して、次式のように定義して
もよい。 正規化移動距離={(x1−x22+(y1−y22}/{(x1 2+y1 2)(x2 2+y2 2) }1/2 (6) 上述した式は、いずれも、距離の2乗の比を用いている
ので、平方根をとらなければ厳密には正規化距離といえ
ない。しかし、本発明でいう距離とは、距離そのもの
も、距離を2乗したものも同様に距離として取り扱う。
【0039】上述した説明では、実在の第1のパイロッ
トシンボルの受信信号点31から所定シンボル間隔だけ
離れた実在の第2のパイロットシンボルの受信信号点3
2までの移動距離を求めている。これでもよいが、雑音
などの影響を除去するため、受信信号点について近接パ
イロットシンボルの平均化処理を行った上で、平均化さ
れた2個のパイロットシンボル(kpパイロットシンボル
間隔)間の「正規化移動距離」を計算してもよい。すな
わち、第1のパイロットシンボルに関し、この第1のパ
イロットシンボルを含む複数の近接したパイロットシン
ボルの受信信号点を平均化し、平均化された第1の受信
信号点を求める。同様に、第2のパイロットシンボルに
関しても、同様にして、平均化された第2の受信信号点
を求める。なお、「近接パイロットシンボル」の決め方
は任意でよい。これら平均化された第1,第2のパイロ
ットシンボルの受信信号点を図3に示した31,32の
受信信号点に割り当てて、「移動距離」および「正規化
移動距離」を求める。
【0040】正規化移動距離算出部24は、上述した平
均化された受信信号点間の「正規化移動距離」の計算
を、第1,第2のパイロットシンボルを、ともに1パイ
ロットシンボルずつ、時間進行方向にずらせて(スライ
ディングさせて)繰り返し行う。図2を参照して一例を
説明する。この図においては、パイロットシンボルPに
番号を付している。kp=3とし、受信信号点の平均化をa
v=5個の近接パイロットシンボルについて行うとする。
最初はパイロットシンボルP1,P4(あるいは、P3,P7
考えてもよい)について「正規化移動距離」を計算する
のであるが、平均化を行うため、P1〜P5を近接パイロッ
トシンボルとして、受信信号点の平均化を行い、受信信
号点aを求める。同様に、P4〜P8を近接パイロットシン
ボルとして、受信信号点の平均化を行い、受信信号点b
を求める。この受信信号点a,bについて「正規化移動
距離」を求める。次に、1パイロットシンボルずつスラ
イドさせて、P2〜P6を近接パイロットシンボルとして受
信信号点aを求め、P5〜P9を近接パイロットシンボルと
して受信信号点bを求め、この受信信号点a,bについ
て「正規化移動距離」を求める。ダウンリンクの最後の
パイロットシンボルP12に至ったときには、スライド計
算を停止させるか、あるいは、平均化数avの数を減らし
てしばらくスライド計算を続けてもよい。
【0041】kpの値は、隣接するフレームにまたがった
値にすることもできる。kp=24とすれば、1フレーム長
の間隔で移動距離を求めることになる。kp=24,av=5
としたときは、第1のフレームについて、P1〜P5を近接
パイロットシンボルとして受信信号点の平均化を行い、
受信信号点aを求める。同様に、第2のフレームについ
て、P1〜P5を近接パイロットシンボルとして、受信信号
点の平均化を行い、受信信号点bを求める。この受信信
号点a,bについて正規化移動距離を求める。次に、1
パイロットシンボルずつスライドさせて、第1のフレー
ムのP2〜P6を近接パイロットシンボルとして受信信号点
aを求め、第2のフレームのP2〜P6を近接パイロットシ
ンボルとして受信信号点bを求め、この受信信号点a,
bについて「正規化移動距離」を求める。
【0042】スライディング平均出力部25は、このよ
うにして得られた「正規化移動距離」の累積平均値をあ
る程度長い観測区間にわたって計算して出力することに
より、雑音の影響を少なくする。fd推定値出力部26
は、スライディング平均出力部25で累積平均化された
「正規化移動距離」を用い、「正規化移動距離」と最大
ドップラー周波数fdとの予め設定された関係に基づい
て、最大ドップラー周波数fdの推定値を算出する。予め
設定されたパイロットシンボルの時間間隔Tpilotによっ
て関係が変化する。「正規化移動距離」と最大ドップラ
ー周波数fdとの予め設定された関係をテーブル形式で予
め記憶しておき、累積平均化された「正規化移動距離」
を用いて、テーブルを参照して、該当する最大ドップラ
ー周波数fdを出力する。なお、最大ドップラー周波数fd
を利用する装置側で、「正規化移動距離」と最大ドップ
ラー周波数fdとの関係がわかっている場合は、最大ドッ
プラー周波数fdそのものに代えて、「正規化移動距離」
あるいはこれに対応した値を出力するようにしてもよ
い。
【0043】この「正規化移動距離」によるドップラー
周波数推定の方法は、フェージングによって変動したパ
イロットシンボルが、IQ位相平面上を、kp×(パイロッ
トシンボルの時間間隔Tpilot)当りに移動する距離に基
づいて最大ドップラー周波数fdを推定している。算出さ
れた正規化移動距離は、時間軸方向へスライディング平
均することで、ある範囲に収束する。この収束範囲が最
大ドップラー周波数fdの大きさによって異なるため、最
大ドップラー周波数fdの推定が可能となる。使用する第
1,第2のパイロットシンボルの時間間隔、すなわち、
kp×Tpilotは、推定する最大ドップラー周波数fdの大き
さによって適切な値に設定する必要がある。通常、T
pilotはフレームフォーマットで決まってしまうので、k
pに適切な値を設定する。
【0044】上述した説明では、移動距離の計算におい
て、まず、移動距離を正規化してから時間平均を求めて
いる。これに代えて、単純に移動距離を計算し、正規化
処理をせずに移動距離の時間平均を求め、最後に、全観
測区間内のパイロットシンボルの受信強度(2乗化した
移動距離の場合は、受信強度を2乗化した受信電力を用
いる)の平均値で割って、正規化移動距離を求めてもよ
い。パイロットシンボルの受信強度平均は、送信装置と
受信装置(基地局から移動端末)の距離が離れるのに応
じた減衰の影響が反映されており、このような正規化に
よって長区間にわたる減衰の影響を少なくすることがで
きるとともに、フェージング変動による受信強度の一時
的な落ち込みそのものに正規化を行わないので、このと
きの雑音の影響を回避できる。その結果、最大ドップラ
ー周波数の推定精度が向上する。
【0045】図4,図5は、図2に示したTDMA/TDD2多
重方式のフレーム構成において、ダウンリンクのパイロ
ットシンボルを用いて最大ドップラー周波数fdを推定す
る場合のシミュレーション結果を示す第1,第2のグラ
フである。横軸は累積平均計算の反復数をフレーム数で
表したもの、縦軸は「正規化移動距離平均」である。図
4では、正規化移動距離平均を求めるパイロットシンボ
ル間隔kp=3とし、図5では、kp=24としている。正規
化移動距離は、図3および式(4)に示した定義のものを
用いている。他のシミュレーション条件を説明する。変
調方式は16QAM、伝搬路として周波数選択性フェージン
グに白色雑音(AWGN)を加えた。Eb/NO=10dB、遅延スプ
レッドσ=Ts/3(Tsは1シンボルのタイムスロット長)
という劣悪な伝搬路環境下である。近接パイロットシン
ボルの平均化処理はav=5シンボルである。パイロット
シンボルはデータシンボル15個置きに1シンボル挿入さ
れている。Tsは62.5μsec、パイロットシンボル間隔Tpi
lotは1msecである。周波数オフセットは、foff=0とし
ており、最大ドップラー周波数fdを評価するシミュレー
ションを行っている。
【0046】図4においては、パイロットシンボル間隔
kp=3としているので、比較的高速の最大ドップラー周
波数fdの推定に適している。fd=80Hz,40Hz,20Hzまで
は、「正規化移動距離平均」によって、fdを推定でき
る。しかし、fd=10,4,1Hzは繰り返し数が40フレーム
になっても判別できない。各fdについて、複数本の折れ
線があるのは、シミュレーションに用いる乱数seedをい
くつか変えたものを図示しているからである。この乱数
seedによって収束する値がばらつく。したがって、「正
規化移動距離平均」から最大ドップラー周波数fdを参照
するテーブルを作成する際に、例えば、測定された「正
規化移動距離平均」の値に対して、複数の閾値を設定し
て比較することにより、この閾値間の中央値に相当する
「正規化移動距離平均」の値に収束する最大ドップラー
周波数fdの値を、図4から求め、入力された「正規化移
動距離平均」に対応した最大ドップラー周波数fdの推定
出力とする。
【0047】一方、図5においては、パイロットシンボ
ル間隔kp=24としているので、比較的低速なドップラー
周波数を推定するのに適している。fd=1Hz,4Hz,10Hz
までは、「正規化移動距離」によって、fdを推定でき
る。しかし、fd=20Hz,40Hzは繰り返し数が40フレーム
になっても判別できない。したがって、比較的高速の最
大ドップラー周波数fdを推定する場合には、kpの値とし
て比較的小さな値、例えば、kp=3を用いて正規化移動距
離を計算すればよい。一方、比較的低速の最大ドップラ
ー周波数fdを推定する場合には、kpの値として比較的大
きな値、例えば、kp=24(図2において1フレーム間隔
に相当する)を用いて正規化移動距離を計算すればよ
い。推定する最大ドップラー周波数fdの範囲を1〜20Hz
としたときには、kp=24のみを使用すればよい。
【0048】一方、最大ドップラー周波数fdの予測がつ
かない場合には、kpの値を異ならせて、複数の計算を同
時実行し、精度の良い方の最大ドップラー周波数fdを採
用すればよい。すなわち、最大ドップラー周波数の推定
は、fdが小さい場合と、fdが大きい場合のそれぞれに対
して、並列に計算させることでドップラー周波数が大き
い場合(例えば、20〜80Hz程度)と小さい場合(例え
ば、1〜20Hz程度)の両方に対応できるようにする。
【0049】図4,図5は周波数オフセットfoff=0と
したものであった。しかし、正規化移動距離平均は、fd
+foffに応じた値を出力することになる。したがって、
図4,図5の結果から得られた最大ドップラー周波数fd
の値から、予め求めておいた周波数オフセット推定値を
引き算したものを、最大ドップラー周波数fdの推定値と
すればよい。例えば、予め機器の周波数オフセットfoff
を管理して記憶しておくか、移動局が静止状態であるこ
とが明らかなときに、最大ドップラー周波数推定装置で
推定した値(周波数)を、周波数オフセットfoffの推定
値として記憶しておけばよい。移動中には、最大ドップ
ラー周波数推定装置から出力される最大ドップラー周波
数fdの推定値から周波数オフセットfoffの推定値を引い
た値をfd推定補正値とする。以上の対応を行うことによ
り、周波数オフセットfoffが無視できない場合にも、最
大ドップラー周波数推定装置を実現することができる。
【0050】図6は、適応変調無線通信装置の実施の一
形態を示すブロック構成図である。図中、図18と同様
な部分には同じ符号を付して説明を省略する。この実施
の形態は、適応変調通信装置において、フェージング変
動を考慮して伝送品質を改善するものである。最大ドッ
プラー周波数fdを複数のクラスに分類し、fdが分類され
た各クラスに応じて、変調多値数を制御したり、受信時
の遅延プロファイルに基づいて行う送信時の遅延プロフ
ァイルの推定方法を変更したりする。
【0051】第1,第2の具体例では、変調多値数制御
部53は、瞬時C/Noおよび遅延スプレッド推定部57か
ら、遅延スプレッドおよびC/Noを入力し、fd推定部58
から最大ドップラー周波数fdを入力して、伝送ビットレ
ートの異なる変調方式の中から1つの変調方式を選択し
て、変調器51に指定する。fd推定部58は、図1に示
した詳細なブロック構成図におけるfd推定部20に相当
し、この出力に応じて変調多値数制御部53の制御態様
を切り替える。変調多値数制御部53,63は、ハード
ウエア論理回路、DSP(DigitalSignalProcessor)、あ
るいは、汎用MPU(Micro Processing Unit)を用いて実
現できる。
【0052】図7は、適応変調無線通信装置の第1の具
体例を説明するための、図6に示した変調多値数制御部
53,63の具体例の説明図である。図7(a)はその
ブロック構成図であって、図中、71は変調多値数選択
部、72は比較部である。図7(b),図7(c)は、
第1,第2の変調パラメータ選択チャート73,74で
ある。横軸は、規格化された遅延スプレッド(σ/Ts)
の値であり、縦軸は瞬時C/Noの値である。両者の値で決
まる交点が属している領域の変調方式が送信に使用され
る。規格化された遅延スプレッドが小さくC/Noが大きい
ときには64QAM変調方式を採用し、規格化された遅延ス
プレッドが大きいかまたはC/Noが小さいときにはQAM変
調方式を採用し、両者の中間領域では、16QAMを採用し
ている。
【0053】fd推定部58(図1のfd推定部20)によ
って推定された、最大ドップラー周波数fdの推定値は、
比較部72に入力されて、クラス分けを行って、最大ド
ップラー周波数fdの値に応じて変調多値数を制御する。
予め設定された所定の閾値Th0以下のときには、第1の
変調パラメータ選択チャート73に従って、適応変調方
式を採用する。最大ドップラー周波数fdの推定値が所定
の閾値Th0よりも大きいときには、第2の変調パラメー
タ選択チャート74に従って、すなわち、変調多値数が
最も小さいQPSK変調方式を固定的に用いて送信する。そ
の結果、フェージング変動が速い場合に、変調多値数の
最も小さい変調方式を採用して、変調多値数の推定誤差
による選択エラーによるBER品質の劣化を抑えることが
できる。
【0054】なお、必ずしも最大ドップラー周波数fdの
値(Hz)そのものを入力する必要はなく、最大ドップラ
ー周波数fdの(Hz)に応じた値であればよい。比較部7
2において最大ドップラー周波数fdとの関係が識別でき
るものであれば、正規化移動距離平均を実質的に最大ド
ップラー周波数fdであるとして入力してもよい。また、
変調多値数選択部71は、必ずしも、第1,第2の変調
パラメータ選択チャート73,74を持つ必要はない。
同じ結果を出すものであれば、計算式あるいは論理式な
どを用いてもよい。入力された最大ドップラー周波数fd
の値が、周波数オフセットfoff補正していないものであ
れば、変調多値数制御部53側で補正することもでき
る。最大ドップラー周波数fdの値そのものを入力してい
る場合は、これから周波数オフセットfoffの推定値を引
き算すればよい。しかし、正規化移動距離平均などを入
力している場合には、一旦最大ドップラー周波数fdに変
換し、これから周波数オフセットfoffの推定値を引き算
し、再び、正規化移動距離平均に逆変換する。あるい
は、上述した閾値Th0の方を周波数オフセットfoffの推
定値に応じて補正してもよい。以上の対応を行うことに
より、周波数オフセットfoffが無視できない場合にも、
最大ドップラー周波数fd推定付きの適応変調無線通信装
置を実現することができる。なお、適応変調制御を周波
数オフセットoffに応じて行うことも可能であるが、本
発明の実施の形態では、適応変調に対する最大ドップラ
ー周波数fdの影響を分析して適応変調を制御しようとす
るものである。
【0055】基地局42側についても同様である。変調
多値数制御部63は、移動端末41側の変調多値数制御
部53と同様であるので説明を省略する。fd推定部68
も、fd推定部68(fd推定部20)と同様にできる。し
かし、個別の移動端末41から受信されるアップリンク
のスロットは1フレーム中に1スロットであるので、パ
イロットシンボルPの数が少なくなる。したがって、移
動端末41側で行ったfd推定値について、移動端末41
側からアップリンクを用いて通知を受け、これを図6の
基地局42側の変調多値数制御部63内の比較部72
(図7)に入力してもよい。すなわち、fd推定部68は
必ずしも、変調多値数制御部63側に設ける必要はな
い。あるいは、移動端末41側で受信したパイロットシ
ンボルPの受信信号点データなどについて、移動端末4
1側から通知を受け、基地局42側でfd推定値を出力し
てもよい。すなわち、fd推定部68が、移動端末41と
基地局42側にまたがって存在してもよい。なお、正規
化移動距離平均のデータあるいはfd推定値の通知方式
は、FDDの場合の、移動端末および基地局のいずれにお
いても適用できる。
【0056】図8は、適応変調無線通信装置の第2の具
体例を説明するための、図6に示した変調多値数制御部
53,63の具体例の説明図である。図8(a)はブロ
ック構成図であって、図中、81は変調多値数選択部、
82は比較部である。図8(b),図8(c),図8
(d)は、第1,第3,第2の変調パラメータ選択チャ
ート73,83,74である。fd推定部58(図1のfd
推定部20)によって推定された、最大ドップラー周波
数fdの推定値は、比較部82に入力されて3つのクラス
に分類される。予め設定された所定の閾値Th1以下のと
きには、第1の変調パラメータ選択チャート83に従っ
て適応変調方式を採用する。
【0057】最大ドップラー周波数fdの推定値が、所定
の閾値Th1を超え所定の閾値Th2以下のときには、第3の
変調パラメータ選択チャート83に従った適応変調方式
を採用する。この第3の変調パラメータ選択チャート8
3は、第1の変調パラメータ選択チャート73に比べ
て、伝送品質を高くしたものであって、変調多値数を1
段階(ランク)下げてある。すなわち、第1の変調パラ
メータ選択チャート73における64QAMの領域、16QAMの
領域が、それぞれ、16QAM,QPSKの領域に変更されてい
る。ただし、第1の変調パラメータ選択チャート73に
おける最下位のQPSK領域は、これ以上の変調多値数を設
けていないのでそのままである。あるいは、QPSKよりも
さらに変調多値数の小さなBPSKの領域を設けてもよい。
最大ドップラー周波数fdの推定値が、所定の閾値Th2
超えるときには、変調多値数が最も小さいQPSK変調方式
を用いて送信する。変調多値数選択部81は、必ずし
も、第1,第2,第3の変調パラメータ選択チャート7
3,74,83を持つ必要はない。同じ結果を出すもの
であれば、計算式あるいは論理式などを用いてもよい。
基地局42側については、図7に示した第1の具体例と
同様であるので説明を省略する。
【0058】次に、第3,第4の具体例について説明す
る。fd推定部58,68は、変調多値数制御部53,6
3を制御するのに代えて、図6に破線で示したように、
瞬時C/Noおよび遅延スプレッド推定部57,67を制御
する。これらは、ハードウエア論理回路、DSP(Digital
Signal Processor)、あるいは、汎用MPU(Micro Proce
ssing Unit)を用いて実現できる。図9は、適応変調無
線通信装置の第3,第4の具体例を説明するための、図
6に示した瞬時C/Noおよび遅延スプレッド推定部57,
67のブロック構成図である。従来技術の説明におい
て、図19を参照して説明した瞬時C/Noおよび遅延スプ
レッド推定部57を変形したものであって、図19と同
様な部分については説明を省略する。
【0059】第3の具体例では、フェージング変動を考
慮して、外挿の方法をfd推定部58の出力で制御する。
すなわち、最大ドップラー周波数fdの推定値を比較部9
6に入力してクラス分けを行う。最大ドップラー周波数
fdの推定値が所定の閾値Th3以下であれば、受信スロッ
トにおける遅延プロファイルの推定値を用い、既に説明
した式(2)に従って、2次の外挿を行う。所定の閾値Th3
を超えれば、外挿に代えて、過去の各受信スロットにお
ける遅延プロファイルの推定値の相加平均を用いて送信
スロットの遅延プロファイルを推定する。この相加平均
は、次式の通りである。
【数3】 第4の具体例として、最大ドップラー周波数fdの推定値
が所定の閾値Th3を超えれば、既に説明した式(2)におい
て、外挿次数を小さくする。例えば、通常は2次の外挿
であったものを、0次の外挿にする。上述した第3,第
4の具体例は、フェージング変動が大きい場合に、受信
スロットにおけるチャネル推定用ワード(CE)受信タイミ
ングから送信スロットの送信データ送信タイミングまで
の時間遅れのために、推定精度が外挿によって劣化する
ことに着目したものである。
【0060】図10は、正規化移動距離平均によるドッ
プラー周波数推定付の適応変調BER特性を示す第1のグ
ラフである。横軸はC/No、縦軸はビット誤り率(Bit Er
rorRate)である。図11は、正規化移動距離平均によ
るドップラー周波数推定付の適応変調BER特性を示す第
2のグラフである。横軸は最大ドップラー周波数fd、縦
軸はビット誤り率(BitError Rate)である。図12
は、正規化移動距離平均によるドップラー周波数推定付
の適応変調平均ビットレート特性を示すグラフである。
横軸は最大ドップラー周波数fd、縦軸は平均ビットレー
ト(Average Bit Rate)である。これらのグラフは、正
規化移動距離平均によって最大ドップラー周波数fd推定
を行うことにより、フェージング変動を考慮した適応変
調を行う無線通信装置の第1,第2の具体例に対応する
シミュレーション結果を示す。
【0061】図7に示した、fd推定値に対し1つの閾値
を用いて適応変調とQPSKとを切り替えるモード(mode
2)と、図8に示した、2つの閾値を用いて適応変調→
中間モード(変調多値数を1段階下げる)→QPSKのよう
に切り替えるモード(mode3)と、fd推定をしないため
クラス分けを行わない従来の適応変調、という3種類の
シミュレーションを行った。シミュレーション条件は、
次の通りである。図2に示したTDMA/TDD2多重方式のフ
レーム構成をとった。変調方式は64QAM,16QAM,QPSKの
中から選択する。フェージング歪補償はパイロット挿入
法(PSAM)を用いた。伝搬路としては、フラットレイリ
ーフェージング(遅延スプレッドσ=0)に白色雑音(AW
GN)を加えた環境とした。外挿は1次外挿を行った。正
規化移動平均距離を求める際の近接パイロットシンボル
の平均化処理はav=5シンボルとし、移動距離はkp=24
(1フレーム間隔)としている。正規化移動平均距離
は、図3に示した定義のものを用いている。周波数オフ
セットはfoff=0としている。最大ドップラー周波数fd
に対応した正規化移動距離に対する閾値は、mode2で
は、0.3とし、mode3方式では、0.1,0.3とした。最大ド
ップラー周波数換算では、閾値0.3は約9Hz、閾値0.1は
約5Hzである。1つのfd推定値を求めるのに使用するパ
イロットシンボルの数は984パイロットとした。伝送シ
ンボルレートRs=16ksps(kilosymbol per second)にお
いては、パイロット間隔が1msecであるので、984パイ
ロットの測定時間は約1秒となる。
【0062】図10において、C/Noが大きくなるほどBE
Rが減少する特性が示されているが、最大ドップラー周
波数fd=1Hz,20Hzにおいては、mode2,mode3とも同じB
ER特性となっている。これに対し、最大ドップラー周波
数fdが8Hzの場合には、2mode方式では、3mode方式より
もBERが悪くなっている。3mode方式で8Hzは中間モード
の領域にあり、mode3方式では、適応変調からQPSKに切
り替える場合に、突然切り替えるのではなく、先に中間
的な領域を設けて徐々に変調多値数を下げることにより
品質を確保しているためである。なお、従来の適応変調
の場合は、最大ドップラー周波数fd=20Hzにおいて、BE
Rがmode2,mode3よりかなり悪い。最大ドップラー周波
数fd=8HzにおいてもBERがmode2よりも悪くなる。最大
ドップラー周波数fd=1Hzにおいては、BERにほとんど
差が生じない。
【0063】図11において、fd推定を行わずクラス分
けのない従来の適応変調(withoutfd est.)であれば、
BERは、最大ドップラー周波数fdが高くなるにつれて急
激に劣化していく特性となる。これに対し、最大ドップ
ラー周波数fd推定機能を追加して、mode2あるいはmode3
とすることで、最大ドップラー周波数fdが高くなったと
きにも、QPSK変調方式を選択することによりBER品質を
一定に保つことができる。なお、mode2のドップラー周
波数推定は、特にC/Noが高い場合に、閾値0.3(fd換算
で約9Hz)近辺でBERが一時的に劣化しているが、mode3
のドップラー周波数推定は、どのC/Noに対してもほぼ一
定のBER品質を維持できており、最大ドップラー周波数f
dの影響を受けにくくなっている。
【0064】図12において、変調方式は、C/Noの大き
さによらずドップラー周波数が10Hzを超えた場合には、
QPSKに固定される。また、従来の適応変調,mode2,mod
e3によって、QPSKに固定されるまでの平均ビットレート
の推移が異なっている。なお、従来の適応変調の場合、
fdが大きくなるほど平均ビットレートがわずかに上昇し
ているのは、QPSK以外の変調方式が一時的に推定される
場合があることによる。先の図11において、C/Noが60
dBと低い場合には、従来の適応変調,mode2,mode3間に
BER品質はあまり差がなかった。しかし、図12に示す
ように、平均ビットレートには差が見られ、従来の適応
変調,mode2に比べて、mode3では伝送効率が悪い。ま
た、図11において、C/Noが70dBの場合は、従来の適応
変調ではfdの増加と共にBERが劣化するが、mode2,mode
3では改善が見られ、特にmode3ではBERで10- 3が確保で
きている。さらに、C/Noが80dBと高い場合には、mode2
またはmode3でなければ、fdの10Hz以下で10-3のBER品
質を維持できないことがわかる。以上のシミュレーショ
ン結果から、最大ドップラー周波数fd推定付適応変調
は、最大ドップラー周波数fdが低い場合には通常の適応
変調を行って効率の良い通信を行い、最大ドップラー周
波数fdが高い場合には伝送品質を高くする変調多値数を
選択することにより、伝送ビットレートの減少を最小限
に抑えて、BER品質を確保するように適応的に作用す
る。したがって、本発明の第1の具体化例は、従来の適
応変調の適用範囲を、フェージング変動が大きい環境ま
で広げることができたといえる。
【0065】図13は、正規化移動距離平均によるドッ
プラー周波数推定付の適応変調BER特性を示すグラフで
ある。横軸はC/No、縦軸はビット誤り率(BitError Rat
e)である。このグラフは、フェージング変動を考慮し
た適応変調を行う無線通信装置の第3の具体例に対応す
るシミュレーション結果を示す。シミュレーション条件
は、次の通りである。図2に示したTDMA/TDD2多重方式
のフレーム構成をとった。変調方式は64QAM,16QAM,QP
SKの中から選択する。フェージング歪補償はパイロット
挿入法(PSAM)を用いた。伝搬路としては、周波数選択
性フェージング(遅延スプレッドσ/Ts=1/16)に白色
雑音(AWGN)を加えた環境とした。正規化移動平均距離
を求める際の近接パイロットシンボルの平均化処理はav
=5シンボルとし、移動距離はkp=24(1フレーム間
隔)としている。正規化移動平均距離は、図3に示した
定義のものを用いている。受信時の遅延プロファイルを
外挿して送信時の遅延プロファイルを推定する際に、通
常の2次の外挿を行う場合と、相加平均を用いた場合を
比較している。相加平均では、外挿の重み係数を3点に
対して各1/3を使用している。適応変調自体は、両者と
も同じである。最大ドップラー周波数fd=1Hz,8Hzの場
合、2次の外挿の方がBER品質がよい。しかし、最大ドッ
プラー周波数fd=20Hzの場合は、2次の外挿による結果よ
り、相加平均による結果の方が、BER品質がよいことが
わかる。
【0066】図14は、正規化移動距離平均によるドッ
プラー周波数推定付の適応変調BER特性を示す第5のグ
ラフである。横軸はC/No、縦軸はビット誤り率(BitErr
or Rate)である。このグラフは、フェージング変動を
考慮した適応変調を行う無線通信装置の第4の具体例に
対応するシミュレーション結果を示す。シミュレーショ
ン条件は、図13の場合と同様であるので、説明を省略
する。受信時の遅延プロファイルを外挿して送信時の遅
延プロファイルを推定する際に、異なる外挿次数を用い
た場合を比較している。適応変調自体は、両者とも同じ
である。fd=1Hzおよび8Hzにおいては、外挿次数が2
次、1次、0次の順にBER品質く、fd=20Hzでは,逆に、
外挿次数が0次、1次、2次の順にBERがよい。したがっ
て、最大ドップラー周波数fdの推定結果に対し、fdの閾
値を10Hzとして、fd推定値が10Hz以下では、外挿次数と
して2次を選択し、10Hz以上では0次を選択することによ
って、BER品質を向上させることができる。
【0067】上述した最大ドップラー周波数fd推定付適
応変調無線通信装置は、正規化移動距離平均を用いて最
大ドップラー周波数fd推定するものであったが、他の方
法によって最大ドップラー周波数fd推定を行ってもよ
い。例えば、従来技術で説明したようなゼロクロス点カ
ウントによる方法を用いることができる。従来技術で説
明したような正規化内積値による方法を、パイロットシ
ンボルが周期的に挿入されて変調されてなる受信信号に
対して適用して、最大ドップラー周波数fd推定を行うこ
とも可能である。具体的には、図3において、近接パイ
ロットシンボルによって平均化された第1,第2のパイ
ロットシンボルの受信信号点31,32に対して、正規
化内積値を計算してスライディング平均を行えばよい。
周波数オフセット補正に関しては、先に説明した正規化
移動距離法と同様にして、正規化内積値によって推定さ
れた最大ドップラー周波数から引き算すればよい。
【0068】
【発明の効果】上述した説明から明らかように、最大ド
ップラー周波数を推定して、フェージング変動に応じて
適応変調の変調パラメータを制御することにより、伝送
品質の劣化を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】最大ドップラー周波数推定装置の実施の一形態
を説明するためのブロック構成図である。
【図2】図1に示した実施の形態における、パイロット
シンボルの抽出方法およびスライディング平均の説明図
である。
【図3】図1に示した実施の形態における、正規化移動
距離によるドップラー周波数推定の原理を説明するため
のIQ位相平面図である。
【図4】図2に示したTDMA/TDD2多重方式のフレーム構
成において、ダウンリンクのパイロットシンボルを用い
て最大ドップラー周波数fdを推定する場合のシミュレー
ション結果を示す第1のグラフである。
【図5】図2に示したTDMA/TDD2多重方式のフレーム構
成において、ダウンリンクのパイロットシンボルを用い
て最大ドップラー周波数fdを推定する場合のシミュレー
ション結果を示す第2のグラフである。
【図6】適応変調無線通信装置の実施の一形態を示すブ
ロック構成図である。
【図7】適応変調無線通信装置の第1の具体例を説明す
るための、図6に示した変調多値数制御部53,63の
具体例の説明図である。
【図8】適応変調無線通信装置の第2の具体例を説明す
るための、図6に示した変調多値数制御部53,63の
具体例の説明図である。
【図9】適応変調無線通信装置の第3,第4の具体例を
説明するための、図6に示した瞬時C/Noおよび遅延スプ
レッド推定部57,67のブロック構成図である。
【図10】第1,第2の具体例に対応した、正規化移動
距離平均によるドップラー周波数推定付の適応変調BER
特性を示す第1のグラフである。
【図11】第1,第2の具体例に対応した、正規化移動
距離平均によるドップラー周波数推定付の適応変調BER
特性を示す第2のグラフである。
【図12】第1,第2の具体例に対応した、正規化移動
距離平均によるドップラー周波数推定付の平均ビットレ
ート特性を示すグラフである。
【図13】第3の具体例に対応した、正規化移動距離平
均によるドップラー周波数fd推定付適応変調BER特性を
示すグラフである。
【図14】第4の具体例に対応した、正規化移動距離平
均によるドップラー周波数fd推定付の適応変調BER特性
を示すグラフである。
【図15】パイロットシンボル挿入法を用いた従来の無
線通信装置のブロック構成図である。
【図16】パイロットシンボル挿入法におけるフレーム
構成を示す説明図である。
【図17】パイロット信号の象限配置の説明図である。
【図18】従来の適応変調無線通信装置を説明するため
のブロック構成図である。
【図19】図18に示した瞬時C/Noおよび遅延スプレッ
ド推定部57の内部を示すブロック構成図である。
【図20】従来の正規化内積値によるドップラー周波数
推定の原理を説明するためのIQ位相平面図である。
【符号の説明】
20,58,68…最大ドップラー周波数fd推定部、2
3…パイロットシンボルのデータ抽出部、24…正規化
移動距離算出部、25…スライディング平均出力部、2
6…fd推定値出力部、31…第1のパイロットシンボル
の受信信号点、32…第2のパイロットシンボルの受信
信号点、33…単位円、34,35…交点、53,63
…変調多値数制御部、56,66…変調多値数推定部、
57,67…瞬時C/Noおよび遅延スプレッド推定部、7
1,81…変調多値数選択部、72,82,96…比較
部、73,74,83…第1〜第3の変調パラメータ選
択チャート、91…受信スロットの遅延プロファイル推
定部、92…送信スロットの遅延プロファイル推定部、
93…雑音電力推定部、94…受信電力推定部、95…
C/No計算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂田 文宏 神奈川県鎌倉市山崎299番地−1 サンリ ースビル 三菱スペース・ソフトウエア株 式会社内 Fターム(参考) 5K004 AA08 JD02 JD04 JE00 JF00 5K022 EE01 EE21 EE31 5K067 AA03 AA33 CC10 EE02 EE10 EE71 GG01 GG11 HH21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝搬路特性の推定値に応じて変調多値数
    を制御して送信データを適応変調する適応変調無線通信
    装置であって、 最大ドップラー周波数の推定値に応じて、該最大ドップ
    ラー周波数の推定値が高いときに前記変調多値数の小さ
    いものを選択するように制御する変調多値数制御手段、 を有することを特徴とする適応変調無線通信装置。
  2. 【請求項2】 前記最大ドップラー周波数の推定値に応
    じて、該最大ドップラー周波数の推定値が高いクラスと
    小さいクラスとを設定するクラス設定手段を有し、 前記変調多値数制御手段は、前記最大ドップラー周波数
    の推定値が高いクラスが設定されたときには最も小さい
    変調多値数を選択し、前記最大ドップラー周波数の推定
    値が小さいクラスが設定されたときには適応変調を行
    う、 ことを特徴とする請求項1に記載の適応変調無線通信装
    置。
  3. 【請求項3】 前記最大ドップラー周波数の推定値に応
    じて、該最大ドップラー周波数の推定値が高いクラスと
    小さいクラスと中間のクラスとを設定するクラス設定手
    段を有し、 前記変調多値数制御手段は、前記最大ドップラー周波数
    の推定値が高いクラスが設定されたときには最も小さい
    変調多値数を選択し、前記最大ドップラー周波数の推定
    値が小さいクラスが設定されたときには第1の適応変調
    を行い、前記中間のクラスが設定されたときには前記第
    1の適応変調よりも伝送品質の高い第2の適応変調を行
    う、 ことを特徴とする請求項1に記載の適応変調無線通信装
    置。
  4. 【請求項4】 伝搬路特性の推定値に応じて変調多値数
    を制御して送信データを適応変調する適応変調無線通信
    装置であって、 受信時の過去複数分の遅延プロファイルを外挿すること
    により送信時の遅延プロファイルを推定するとともに、
    最大ドップラー周波数の推定値に応じて、該最大ドップ
    ラー周波数の推定値が高いときには、外挿に代えて前記
    受信時の過去複数分の遅延プロファイルを相加平均する
    ことにより、前記送信時の遅延プロファイルを推定し、
    推定された前記送信時の遅延プロファイルにより前記送
    信時の前記伝搬路特性を推定する伝搬路特性推定手段
    と、 前記送信時の伝搬路特性の推定値に応じて変調多値数を
    選択する変調多値数制御手段、 を有することを特徴とする適応変調無線通信装置。
  5. 【請求項5】 伝搬路特性の推定値に応じて変調多値数
    を制御して送信データを適応変調する適応変調無線通信
    装置であって、 受信時の過去複数分の遅延プロファイルを外挿すること
    により送信時の遅延プロファイルを推定するとともに、
    最大ドップラー周波数の推定値に応じて、該最大ドップ
    ラー周波数の推定値が高いときには、外挿次数を小さく
    して前記送信時の遅延プロファイルを推定することによ
    り、前記送信時の遅延プロファイルを推定し、推定され
    た前記送信時の遅延プロファイルにより送信時の前記伝
    搬路特性を推定する伝搬路特性推定手段と、 前記送信時の伝搬路特性の推定値に応じて変調多値数を
    選択する変調多値数制御手段、 を有することを特徴とする適応変調無線通信装置。
  6. 【請求項6】 前記伝搬路特性の推定値は、搬送波電力
    対雑音電力密度比の推定値および遅延スプレッドの推定
    値である、 ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に
    記載の適応変調無線通信装置。
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