JP4841030B2 - 顔料分散ペースト - Google Patents
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- 0 CC1(C)N(*)C(C)(C)CC(*)(*C(C(*)=C*)=O)C1 Chemical compound CC1(C)N(*)C(C)(C)CC(*)(*C(C(*)=C*)=O)C1 0.000 description 1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔料分散ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】
顔料分散ペーストは、通常、塗料組成物用、インク組成物用や、染色、顔料捺染等の繊維処理用等に広く用いられている。例えば、酸化チタンを含む顔料分散ペーストにより構成される塗料組成物は、白色塗料組成物又は様々な原色により調色された塗料組成物として、各種の基材に対して塗装されて保護機能や美装機能等を与えることができることから、上塗り、下塗り塗料組成物等として、建築物、プラント、タンク、橋梁等の構築物や、自動車、船舶、産業機器、各種工業製品等の用途に広く用いられている。このような塗料組成物は、性能を向上して高品質化したり、メンテナンスコストを低減したりするために、塗膜を屋外に曝露した際の耐候性が優れていることが要求されている。
【0003】
ところで、顔料として酸化チタンが配合された塗料組成物から形成される塗膜では、屋外に曝露した際の紫外線による酸化チタンの光触媒活性が他の顔料に比較して強いことに起因すると考えられる樹脂の劣化が生じ、これが塗膜の耐候性に悪影響を及ぼすことになる。そこで、塗膜の性能と品質をより高めるためには、酸化チタンの光触媒活性の影響を抑制して塗膜の耐候性を高めることが切望されている。
【0004】
特開平7−310041号公報には、二酸化チタン100重量部に対して、分散用樹脂を固形分で0.1〜10重量部含む顔料分散ペーストであって、分散用樹脂がヒンダードアミン系モノマーを全モノマーの5〜30重量%共重合させたポリマーであり、その酸価が60〜250mgKOH/gであり、数平均分子量が3000〜1万である顔料分散ペーストが開示されている。この顔料分散ペーストにより構成される塗料組成物では、分散用樹脂が二酸化チタンに対して親和性を有するとともにラジカル捕捉能を有するため、二酸化チタンの光触媒活性の影響を抑制することができると考えられていた。
【0005】
しかしながら、この顔料分散ペーストでは、分散用樹脂の酸価が高いため耐水性が充分ではなく、塗料組成物としての適用用途が制限され、また、顔料分散ペースト中の分散用樹脂の含有量も制限されることから、分散用樹脂の二酸化チタンに対する親和性及びラジカル捕捉能と、塗料組成物の適応性及び性能とのバランスにおいて工夫の余地があるものであった。すなわち、二酸化チタンの光触媒活性の影響を充分に抑制して耐候性を向上させたり、適用用途を広げたりするための工夫の余地があった。更に、ヒンダードアミンのラジカル捕捉能によってのみ二酸化チタンの光触媒活性の影響を抑制しているため、塗膜の性能と品質をより高めるためには、これとは異なる手段の検討の余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、乾燥性や、塗膜の硬度、光沢、肉持ち性、耐溶剤性、耐ガソリン性等の性能に優れ、しかも、耐候性に優れた塗料組成物を構成することができる、光触媒活性を有する無機顔料を含む顔料分散ペーストを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光触媒活性を有する無機顔料と分散用樹脂とを含む顔料分散ペーストであって、上記分散用樹脂は、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体を含み、上記重合性不飽和単量体は、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体10〜30重量%及びその他の重合性不飽和単量体70〜90重量%を含み、上記重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体は、酸価が2〜50mgKOH/gである顔料分散ペーストである。
【0008】
本発明者らは、塗料組成物等を構成することができる酸化チタンを含む顔料分散ペーストについての問題点を綿密に精査したうえで鋭意研究を行った結果、上述した顔料分散ペーストが、塗料組成物等を乾燥性や、塗膜の硬度、光沢、肉持ち性、耐溶剤性、耐ガソリン性等の性能に優れたものとすることができるとともに、酸化チタンの光触媒活性に起因すると考えられる塗膜の劣化を抑制して耐候性を向上させ、しかも、シクロアルキル構造を有する重合体を含む分散用樹脂とすることにより更に耐候性を向上させることができるという劇的な効果が生じる事実に遭遇し、本発明に到達したものである。
以下に、本発明を詳述する。
【0009】
本発明の顔料分散ペーストは、光触媒活性を有する無機顔料と分散用樹脂とを含む。これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光触媒活性を有する無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化すず、酸化鉄、チタニアシリカ等が挙げられる。これらの中でも、本発明の光触媒活性を有する無機顔料は、塗料用顔料として使用されている酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンは、光触媒活性が他の顔料と比較して強いため、当該分散用樹脂を用いる事で、耐候性が非常に向上することになり、本発明の作用効果を充分に発揮することができる。
上記酸化チタンとしては、ルチル型、アナタース型等の結晶構造や、成分組成、表面処理の有無等は特に限定されるものではない。また、顔料分散ペースト中には、本発明のペーストの物性に支障がない範囲で、上記光触媒活性を有する無機顔料以外の着色顔料、光輝性顔料、体質顔料等の顔料が含有されていてもよい。例えば、本発明のペーストにあっては、光触媒活性を有する無機顔料以外の、他の顔料の含有量は、上記光触媒活性を有する無機顔料100重量%に対し、0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%である。
【0010】
上記分散用樹脂の固形分含有量は、上記光触媒活性を有する無機顔料100重量部に対して、10〜100重量部であることが好ましい。10重量部未満であると、分散用樹脂が有する作用が充分に発揮されないおそれがあり、100重量部を超えると、光触媒活性を有する無機顔料の分散が充分でなくなるおそれがある。より好ましくは、15〜90重量部であり、更に好ましくは、20〜80重量部である。
本発明の顔料分散ペースト中に含まれる無機顔料は、本発明の顔料ペースト諸物性に影響しなければ、特に限定されない。具体的には、本発明の顔料ペースト100重量部に対して、無機顔料の含有量は、10〜80重量部である。より好ましくは、30〜70重量部である。
【0011】
上記分散用樹脂は、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体を含む。
本発明では、分散用樹脂は、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体の他に、本発明の奏する効果が損なわれることがない限りその他の重合体を含んでいてもよく、必要に応じて溶媒を含んでなるものである。
【0012】
上記重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体は、光触媒活性を有する無機顔料(以下、単に「無機顔料」ともいう)に対して親和性を有し、かつ、強いラジカル安定化作用を有するものである。このような重合体を用いて無機顔料を分散すると、無機顔料と重合体が親和して無機顔料粒子の周囲に重合体が存在することになり、無機顔料粒子の周囲に強いラジカル安定化作用を及ぼすことができることになる。従って、紫外線による無機顔料の光触媒活性に起因して発生するラジカルによると考えられる樹脂の劣化を強いラジカル安定化作用によって抑制して塗膜の耐候性を向上させることができることになる。尚、ラジカル安定化作用とは、例えば、紫外線による無機顔料の光触媒活性に伴って発生するラジカルを捕捉する作用や、樹脂の劣化に伴って発生するラジカルを捕捉する作用等を意味し、強いラジカル安定化作用とは、ラジカルを捕捉する能力が通常のラジカル安定化作用を有する重合体における該能力よりも高く、紫外線による無機顔料の光触媒活性に伴って発生するラジカルを充分に捕捉することができることを意味する。また、耐候性とは、塗膜を屋外に曝露したときの耐久性を意味し、例えば、光沢保持性、耐変色性、耐水性等により評価することができる。
【0013】
上記重合性不飽和単量体は、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体10〜30重量%及びその他の重合性不飽和単量体70〜90重量%を含む。これらの重合性不飽和単量体はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体及びその他の重合性不飽和単量体の合計共重合割合は、100重量%である。
【0014】
上記紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体は、ラジカル安定化作用を有する紫外線安定性基を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。上記紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体を共重合することにより、紫外線安定性基が重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体の骨格に結合されることから、塗膜が曝露されたときに紫外線安定性基を有する成分が塗膜中からブリードアウトすることが抑制されることとなる。そのため、本発明の顔料分散ペーストにより構成される塗料組成物から形成される塗膜において、紫外線安定性基が奏する作用を持続して発揮させることができることとなるため、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体が有する耐候性を向上させる作用がより充分なものとなる。
【0015】
上記紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、立体障害を受けた窒素原子を有するピペリジニル基の構造を有する重合性不飽和単量体であることが好ましい。このような立体障害を受けた窒素原子を有するピペリジニル基としては、例えば、当該窒素原子が少なくとも2つの第4級炭素原子と結合したピペリジニル基であることが好ましい。
【0016】
上記立体障害を受けた窒素原子を有するピペリジニル基の構造を有する重合性不飽和単量体としては、例えば、ピペリジン誘導体である下記一般式(1)で表される重合性不飽和単量体等を好適に用いることができる。
【0017】
【化1】
【0018】
式中、R1 は、水素原子又はシアノ基を表す。R2 及びR3 は、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1若しくは2の炭化水素基を表す。X1 は、酸素原子又はイミノ基を表す。Y1 は、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基、又は、−CO−CR4 =CHR5 を表す。R4 及びR5 は、同一若しくは異なって、水素原子又は炭素数1若しくは2の炭化水素基を表す。
【0019】
上記炭素数1又は2の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。また、上記炭素数1〜18の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0020】
上記一般式(1)で表される重合性不飽和単量体の具体的な化学名としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
【0021】
上記紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体の共重合割合が重合性不飽和単量体全量中、10重量%未満であると、強いラジカル安定化作用が充分に発揮されないおそれがあり、30重量%を超えると、光沢、耐水性、耐溶剤性等の性能が低下するおそれがある。より好ましくは、12〜28重量%であり、更に好ましくは、15〜25重量%である。
【0022】
上記重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体におけるその他の重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体、酸性基を有する重合性不飽和単量体、水酸基を有する重合性不飽和単量体、紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体等や、これら以外の重合性不飽和単量体が挙げられる。これらの中でも、耐候性の向上の点から、シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体を用いることが特に好ましく、紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体を用いることも好ましい。また、重合体に酸価を付与する点から、酸性基を有する重合性不飽和単量体を用いることが好ましく、架橋剤との架橋点を付与する点から、水酸基を有する重合性不飽和単量体を用いることが好ましい。従って、重合性不飽和単量体において、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体を含有することは必須であり、また、シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体を含有することが特に好ましく、酸性基を有する重合性不飽和単量体、水酸基を有する重合性不飽和単量体、紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体を含有することが好ましいが、これら以外の重合性不飽和単量体は必要に応じて含有されることになる。尚、本発明においては、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体がシクロアルキル構造、酸性基、水酸基、紫外線吸収性基や、これら以外の官能基や構造を有してもよく、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体の他の重合性不飽和単量体がシクロアルキル構造、酸性基、水酸基、紫外線吸収性基や、これら以外の官能基や構造を有してもよい。これらの官能基や構造を有する重合性不飽和単量体の使用量は、分散用樹脂の共重合に使用されるすべての重合性不飽和単量体を100重量%としたとき、その中に含有される該官能基や構造を有する重合性不飽和単量体の含有量で示されることになる。
【0023】
上記シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体は、シクロアルキル構造を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。このような重合性不飽和単量体は、シクロアルキル構造を分子の主鎖や側鎖中及び末端のいずれの部位に有していてもよい。このような重合性不飽和単量体により重合体中に導入されるシクロアルキル構造は、紫外線による無機顔料の光触媒活性に起因すると考えられる樹脂の劣化を抑制して塗膜の耐候性を向上させることができるものである。また、塗膜の硬度、光沢、変色、肉持感、耐溶剤性等の性能を向上させることができるとともに、耐紫外線性、撥水性、耐水性等の性能を向上させることができるものである。
【0024】
上記シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、下記一般式(2)で表される重合性不飽和単量体であることが好ましい。
【0025】
【化2】
【0026】
式中、R6 は、水素原子又は炭素数1若しくは2の炭化水素基を表す。Zは、置換基を有してもよい炭素数1〜36のシクロアルキル構造を表す。
上記置換基を有してもよいシクロアルキル構造における置換基としては特に限定されず、例えば、炭素数1〜18の炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1又は2の炭化水素基、及び、炭素数1〜18の炭化水素基としては、上述したものと同様のもの等が挙げられる。
【0027】
上記置換基を有してもよいシクロアルキル構造におけるシクロアルキル構造としては特に限定されず、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。
【0028】
上記一般式(2)で表される重合性不飽和単量体の具体的な化学名としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0029】
上記シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体の共重合割合としては特に限定されず、例えば、重合性不飽和単量体全量中、5.0〜89.9重量%とすることが好ましい。5.0重量%未満であると、シクロアルキル構造が有する作用が充分に発揮されないおそれがあり、89.9重量%を超えると、シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体が共重合されることにより有することになる作用と、それ以外の重合性不飽和単量体が共重合されることにより有することになる作用とのバランスが悪くなるおそれがある。より好ましくは、5.0〜80.0重量%であり、更に好ましくは、10.0〜70.0重量%である。
【0030】
上記酸性基を有する重合性不飽和単量体は、酸性基を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。このような重合性不飽和単量体により重合体中に導入される酸性基は、重合体と酸化チタン等の無機顔料との親和性を向上させることができるものである。
【0031】
上記酸性基を有する重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基を有する重合性不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基を有する重合性不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルリン酸等の酸性リン酸エステル系重合性不飽和単量体等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基を有する重合性不飽和単量体やスルホン酸基を有する重合性不飽和単量体を好適に用いることができる。
【0032】
本発明においては、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体は、酸価が2〜50mgKOH/gである。2mgKOH/g未満であると、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体の無機顔料への親和性が低下して該重合体が有する作用が充分に発揮されず、50mgKOH/gを超えると、耐水性の低下に起因して耐候性が低下することになる。より好ましくは、2〜30mgKOH/gであり、更に好ましくは、3〜20mgKOH/gである。
上記重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体の酸価を上記範囲に調整する方法としては特に限定されず、例えば、酸性基を有する重合性不飽和単量体を用いて重合体に酸性基を導入して調整する方法や、重合体に官能基を導入して該官能基と反応性を有する官能基と酸性基とを有する化合物を反応させることにより酸性基を導入して調整する方法等が挙げられるが、酸性基を有する重合性不飽和単量体を用いて重合体に酸性基を導入して調整する方法を用いることが簡易であり好ましい。
【0033】
上記水酸基を有する重合性不飽和単量体は、水酸基を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。このような重合性不飽和単量体により重合体中に導入される水酸基は、重合体を架橋剤により架橋させることができるものである。
【0034】
上記水酸基を有する重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、フタル酸とプロピレングリコールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、プラクセルFM(商品名、ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
【0035】
上記水酸基を有する重合性不飽和単量体の共重合割合としては特に限定されず、例えば、重合性不飽和単量体全量中、2.0〜35.0重量%とすることが好ましい。2.0重量%未満であると、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体を架橋剤により充分に架橋させることができなくなるおそれがあり、35.0重量%を超えると、硬化した塗膜中に水酸基が残存するおそれがあることから、塗膜の耐候性が低下するおそれがある。より好ましくは、5.0〜30.0重量%である。
【0036】
上記紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体は、紫外線吸収性基を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。このような重合性不飽和単量体重合性不飽和単量体により重合体中に導入される紫外線吸収性基は、300〜400nm程度の光の波長領域における紫外線を吸収する作用を有するものである。これにより、紫外線による無機顔料の光触媒活性を抑制することができるとともに、紫外線による樹脂の劣化を抑制することができる。尚、紫外線を吸収する作用としては、例えば、紫外線を熱エネルギーに変換して放出する作用等が挙げられる。
【0037】
上記紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、ベンゾトリアゾール系の構造を有する重合性不飽和単量体であることが好ましい。ベンゾトリアゾール系の構造とは、ベンゾトリアゾールの構造における2位の窒素原子にフェノールの構造が結合したものである。
【0038】
上記ベンゾトリアゾール系の構造を有する重合性不飽和単量体としては、例えば、ベンゾトリアゾール誘導体である下記一般式(3)で表される重合性不飽和単量体等を好適に用いることができる。
【0039】
【化3】
【0040】
式中、R7 は、水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表す。R8 は、水素原子又はメチル基を表す。X2 は、炭素数1〜6の直鎖状若しくは枝分かれ鎖状のアルキレン基、又は、−O−R9 −を表す。R9 は、炭素数2若しくは3の直鎖状又は枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。Y2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基又はニトロ基を表す。
【0041】
上記炭素数1〜8の炭化水素基としては、例えば、上述した炭素数1〜18の炭化水素基の中から炭素数1〜8のもの等が挙げられる。また、上記炭素数1〜6の直鎖状又は枝分かれ鎖状のアルキレン基としては特に限定されず、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1−メチル−エチレン基、ブチレン基、1−メチル−プロピレン基、2−メチル−プロピレン基、アミレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。更に、上記炭素数2若しくは3の直鎖状又は枝分かれ鎖状のアルキレン基としては特に限定されず、例えば、上述した炭素数1〜6の直鎖状又は枝分かれ鎖状のアルキレン基の中から炭素数2又は3のもの等が挙げられる。
【0042】
上記ハロゲン原子としては特に限定されず、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。また、上記炭素数1〜4のアルコキシル基としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0043】
上記一般式(3)で表される重合性不飽和単量体の具体的な化学名としては、例えば、以下に記載するもの等が挙げられる。
2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシヘキシル〕フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチル−3′−〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フェニル}−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール。
【0044】
2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フェニル}−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フェニル}−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フェニル}−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕フェニル}−5−ニトロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−5′−〔β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ〕−3′−t−ブチルフェニル}−4−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール。
【0045】
上記紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体の共重合割合としては特に限定されず、例えば、重合性不飽和単量体全量中、30.0重量%以下とすることが好ましい。30.0重量%を超えると、塗膜の光沢、肉持感、耐水性、耐溶剤性等の性能が低下するおそれがある。より好ましくは、2〜10重量%である。
【0046】
上記重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体において、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体、及び、必要に応じて、シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体や紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体を共重合することにより、紫外線安定性基、及び、必要に応じて、シクロアルキル構造や紫外線吸収性基が重合体骨格に結合されることになることから、これらの基の作用を相乗的に無機顔料粒子の周囲に及ぼすことができることになる。これにより、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体が無機顔料の光触媒活性に起因すると考えられる樹脂の劣化を抑制して極めて高度な耐候性を有する塗膜を形成させる作用を有する顔料分散ペーストを得ることができることになる。
【0047】
上記紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体を共重合する場合に、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体と紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体との組合せとしては、例えば、両者の相乗作用が充分なものとなることから、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体におけるY1 が、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基であるものと、紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体とを組み合わせることが好ましい。より好ましくは、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体におけるY1 が、水素原子、炭素数1〜18の炭化水素基であるものと、紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体におけるX2 が、炭素数1〜6の直鎖状又は枝分かれ鎖状のアルキレン基であるものとを組み合わせることである。
【0048】
上記以外の重合性不飽和単量体を必要に応じて共重合することにより、上述した各重合性不飽和単量体の共重合割合を調整することができる。このような重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、以下に記載するもの等が挙げられる。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する重合性不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の窒素原子を有する重合性不飽和単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子を有する重合性不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系重合性不飽和単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン化合物。
【0049】
上記重合性不飽和単量体の共重合割合としては特に限定されず、例えば、重合性不飽和単量体全量中、0〜89.9重量%であることが好ましい。89.9重量%を超えると、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体等を共重合することによる作用が発揮されないおそれがある。
【0050】
上記重合性不飽和単量体は、紫外線安定性基、シクロアルキル構造、酸性基、水酸基及び紫外線吸収性基からなる群より選択される少なくとも2種の基を有する重合性不飽和単量体を含んでもよい。このような重合性不飽和単量体を含む場合には、該重合性不飽和単量体の共重合割合を、該当する官能基や構造を有する重合性不飽和単量体の共重合割合に含めるものとする。例えば、重合性不飽和単量体がこれらのすべての基を有する重合性不飽和単量体を含む場合には、これらのすべての基を有する重合性不飽和単量体の共重合割合を、紫外線安定性基を有する重合性不飽和単量体、シクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体、酸性基を有する重合性不飽和単量体、水酸基を有する重合性不飽和単量体及び紫外線吸収性基を有する重合性不飽和単量体のそれぞれの共重合割合に含めることになる。
【0051】
上記重合性不飽和単量体は、アクリル系重合性不飽和単量体を50重量%以上含むものであることが好ましい。50重量%以上であることにより、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体の耐候性が向上することとなる。より好ましくは、80重量%以上である。尚、アクリル系重合性不飽和単量体とは、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ、芳香環を有しない重合性不飽和単量体を意味する。
【0052】
上記重合性不飽和単量体の共重合方法としては特に限定されず、例えば、通常の溶液重合法、懸濁重合法等により、重合条件を適宜設定して行えばよい。また、重合開始剤、重合禁止剤、還元剤等の添加剤、溶媒の有無や使用量等も適宜設定して行えばよい。
【0053】
上記重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体の数平均分子量としては特に限定されず、例えば、2000〜100000であることが好ましい。2000未満であると、塗膜の性能が低下するおそれがあり、100000を超えると、分散用樹脂の粘度が高くなり過ぎて取り扱いにくくなるおそれがある。より好ましくは、3000〜30000である。
【0054】
本発明の顔料分散ペーストは、必要に応じて、溶剤、添加剤等を含んでもよいものであるが、これらの使用量や、溶解及び分散方法としては特に限定されず、例えば、通常、塗料組成物用等の顔料分散ペーストに用いられる使用量や、溶解及び分散方法とすればよい。また、分散後における顔料の粒度も顔料分散ペーストが用いられる用途により適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。更に、本発明の奏する効果が損なわれることがない限り、分散用樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、アルキッド樹脂等を含んでもよい。
【0055】
本発明の顔料分散ペーストは、溶剤系や水系、無溶剤系等の形態が特に限定されるものではないが、溶剤系である事が好ましい。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、2−エトキシエチルアセテート等のエステル系溶媒;アセテート、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;脂肪族炭化水素を主成分とする種々の沸点範囲の石油留分等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。尚、塗料組成物において、常温硬化のイソシアネート架橋を行う場合には、アルコール系溶媒とイソシアネートとが反応するため、アルコール系溶媒を用いないことが好ましい。
【0056】
上記添加剤としては特に限定されず、例えば、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、充填剤、レベリング剤、増粘剤、可塑剤、安定剤、顔料分散剤等が挙げられる。また、水系顔料分散ペーストとして用いる場合には、界面活性剤等の分散助剤、凍結防止剤、防腐剤、防かび剤等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0057】
本発明の顔料分散ペーストは、塗料組成物用、インク組成物用や、染色、顔料捺染等の繊維処理用等に広く用いることができるものであり、特に塗料組成物用として好適に用いることができる。
本発明の顔料分散ペーストを含む塗料組成物は、白色塗料組成物又は様々な原色により調色された塗料組成物として用いることができるものであり、乾燥性や、塗膜の硬度、光沢、肉持ち性、耐溶剤性、耐ガソリン性等の性能に優れ、しかも、耐候性に優れたものである。このような塗料組成物は、本発明の顔料分散ペーストに希釈用樹脂、溶剤、添加剤等を更に必要に応じて含有させることにより得ることができる。例えば、分散用樹脂及び希釈用樹脂を合わせた樹脂不揮発分と顔料との重量比が、樹脂不揮発分/顔料=20/80〜95/5、好ましくは30/70〜70/30となるように混合して得ることが好ましい。また、分散用樹脂不揮発分と希釈用樹脂不揮発分とが、分散用樹脂不揮発分/希釈用樹脂不揮発分=10/90〜90/10、好ましくは20/80〜70/30、より好ましくは25/75〜60/40となるようにして得ることが好ましく、これらの樹脂を相溶性、耐候性の点で、アクリル樹脂とすることが好ましい。このような塗料組成物は、本発明の顔料分散ペーストを用いた好ましい実施形態の一つである。
上記塗料組成物において、溶剤や添加剤等の配合や、溶解及び分散方法としては、適用される用途により適宜設定すればよく特に限定されるものではない。また、溶剤系や水系、無溶媒系等の形態も特に限定されるものではないが、溶剤系であることが好ましい。
【0058】
上記塗料組成物は、更に、架橋剤を含むことにより、塗料組成物に含有される重合体を架橋することができ、極めて高度な耐候性を有する塗膜を形成することができることになる。このような架橋剤としては特に限定されず、例えば、(ブロック)イソシアネート化合物、アミノ樹脂、オキサゾリン樹脂、ポリアミン樹脂、カルボジイミド化合物、キレート化剤、ポリシロキサン化合物、カルボキシル基を2つ以上有する化合物及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0059】
上記架橋剤を用いる場合には、顔料分散ペーストに含有される分散用樹脂が架橋剤と反応する官能基を有することが好ましい。より好ましくは、分散用樹脂に含有される重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体が架橋剤と反応する官能基を有することである。例えば、(ブロック)イソシアネート化合物、アミノ樹脂等を架橋剤として用いる場合には、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体が水酸基を有することが好ましい。
【0060】
上記(ブロック)イソシアネート化合物とは、イソシアネート化合物及び/又はブロックイソシアネート化合物を意味する。
上記イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を分子内に少なくとも1つ、好ましくは2つ以上有する化合物であれば特に限定されず、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート;これらのジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ビュウレット体、イソシアヌレート体等のアダクトポリイソシアネート等のポリイソシアネートやその誘導体(変性物)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0061】
上記ブロックイソシアネート化合物とは、塗料組成物を加熱乾燥するときに架橋させ、かつ、常温での貯蔵安定性を向上させるために、通常、イソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロックしたものである。
上記ブロック化剤としては特に限定されず、例えば、ε−カプロラクタム、フェノール、クレゾール、オキシム、アルコール等の化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0062】
上記(ブロック)イソシアネート化合物の使用量としては特に限定されず、例えば、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体の水酸基1モルに対して、(ブロック)イソシアネート化合物におけるイソシアネート基が0.3〜2.0モルとなるようにすることが好ましい。0.3モル未満であると、塗料組成物の硬化性が充分でなくなり、塗膜の硬度や耐溶剤性等の性能が低下するおそれがあり、2.0モルを超えると、未反応のイソシアネート基が塗膜中に多く残存して塗膜の耐水性等の性能が低下するおそれがある。より好ましくは、0.7〜1.4モルである。
【0063】
上記アミノ樹脂としては特に限定されず、例えば、メラミンやグアナミン等のアミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの付加縮合物等が挙げられる。このようなアミノ樹脂としては、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂;ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチルエーテル化シクロヘキシルベンゾグアナミン樹脂等のグアナミン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらは市販されているものもあり、例えば、サイメル303、サイメル325(いずれも商品名、三井サイテック社製)等を使用することができる。
【0064】
上記アミノ樹脂の使用量としては、例えば、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体100重量部に対して、10〜100重量部となるようにすることが好ましい。10重量部未満であると、塗料組成物の硬化性が充分でなくなるおそれがあり、100重量部を超えると、未反応のアミノ樹脂が塗膜中に多く残存して塗膜の耐水性等の性能が低下するおそれがある。
【0065】
上記塗料組成物は、更に必要に応じて、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体の架橋反応を促進させるために、硬化触媒を含んでもよい。このような硬化触媒としては特に限定されず、例えば、パラトルエンスルホン酸、ジブチレンジラウレート、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ等の有機スズ化合物;第3級アミン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0066】
上記塗料組成物は、金属、コンクリート、モルタル、プラスチック、ゴム、木材、ガラス等の基材に対して上塗り、下塗り塗料組成物等として塗布し、常温硬化、加熱硬化等により5〜60μm程度の膜厚の耐候性に優れた塗膜を形成させることができることから、建築物、プラント、タンク、橋梁等の構築物や、自動車、船舶、産業機器、各種工業製品等に好適に用いることができるものである。
【0067】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」は、「重量部」を示す。
【0068】
製造例1 ラッカータイプ(非架橋系):分散用樹脂作成例
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、キシレン122部を仕込み85℃に昇温した中に、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン12部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.5部、メチルメタクリレート42部、n−ブチルアクリレート10部、n−ブチルメタクリレート35部、メタクリル酸0.5部及びベンゾイルパーオキサイド0.4部からなる重合体単量体成分を2時間かけて滴下し、更に90℃で4時間保持して、不揮発分44.6%の顔料分散用樹脂を得た(A−1)。
【0069】
製造例2〜3及び比較製造例1〜2
製造例1において使用した重合性単量体、溶剤、重合開始剤、及び重合反応時の温度を表1に示した通りにする以外は、製造例1と同様の操作を繰り返して、顔料分散用樹脂を得た(製造例2:A−2、製造例3:A−3、比較製造例1:a−1、比較製造例2:a−2)。
【0070】
【表1】
【0071】
製造例4 ラッカータイプ(非架橋系):希釈用樹脂作成例
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、キシレン122部を仕込み85℃に昇温した中に、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン0.5部、メチルメタクリレート25部、シクロヘキシルメタクリレート40.0部、n−ブチルアクリレート29部、n−ブチルメタクリレート5部、メタクリル酸0.5部及びベンゾイルパーオキサイド0.2部からなる重合体単量体成分を2時間かけて滴下し、更に90℃で4時間保持して、不揮発分44.2%、数平均分子量16000の希釈用樹脂を得た(A−4)。
【0072】
製造例5 アクリルポリオールタイプ(架橋系):分散用樹脂作成例
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、キシレン33部、酢酸n−ブチル33部を仕込み、130℃に昇温した中に、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン12部、シクロヘキシルメタクリレート5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート19部、メチルメタクリレート40部、n−ブチルアクリレート21部、メタクリル酸3部及びアゾビスイソブチロニトリル3.0部からなる重合体単量体成分を3時間かけて滴下し、更に135℃(沸点)で3時間保持して、不揮発分59.2%の共重合体溶液を得た(A−5)。
【0073】
製造例6〜8及び比較製造例3〜4
製造例5において使用した重合性単量体、溶剤、重合開始剤、及び重合反応時の温度を表2に示した通りにする以外は、製造例5と同様の操作を繰り返して、顔料分散用樹脂を得た(製造例6:A−6、製造例7:A−7、製造例8:A−8、比較製造例3:a−3、比較製造例4:a−4)。
【0074】
【表2】
【0075】
製造例9 アクリルポリオールタイプ(架橋系):希釈用樹脂作成例
攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに、窒素ガス気流下、キシレン33部、酢酸n−ブチル33部を仕込み、130℃に昇温した中に、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン0.2部、シクロヘキシルメタクリレート35.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート19.0部、メチルメタクリレート20.0部、n−ブチルアクリレート25.0部、メタクリル酸0.8部及びアゾビスイソブチロニトリル3.0部からなる重合体単量体成分を3時間かけて滴下し、更に135℃(沸点)で3時間保持して、不揮発分59.2%の共重合体溶液を得た(A−9)。
【0076】
顔料分散ペースト実施例1〜7及び比較例1〜4(白色ペースト)
製造例1〜3、5〜8、比較製造例1〜4で得られた分散用樹脂(A−1〜A−3、A−5〜A−8、a−1〜a−4)を用いて、白色顔料「タイペークCR−95」(石原産業株式会社製、酸化チタン)を樹脂不揮発分/顔料=1/4(重量比)になるように配合をし、更にキシレン/酢酸ブチル=1/1(重量比)のシンナー(以下、単に「シンナー」と呼ぶ)で顔料分散ペーストの不揮発分が75%になるようにシンナーで希釈し、サンドミルにて1時間混練し、顔料分散ペーストを得た。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
表3及び表4の説明を下記する。
不揮発分:熱風循環式オーブンで150℃、15分乾燥し、測定した。
顔料分散性:粒ゲージ(BYK社製Grindmeter Cat−No.150)で10ミクロン以下である事を確認した。
〔顔料分散性の評価基準〕
10ミクロン以下:○
10ミクロン以上である場合:×
【0080】
実施例1〜3及び比較例1〜2(ラッカータイプ)
製造例1〜3及び比較製造例1、2の分散用樹脂(A−1〜A−3、a−1〜a−2)を用いて作製した顔料分散ペースト(顔料分散ペースト実施例1〜3及び比較例1、2)を、樹脂不揮発分/顔料=60/40となるように希釈用樹脂(製造例4:A−4)を添加し、白エナメル塗料を得た。得られた白エナメルをシンナーで適度なスプレー粘度に希釈を行い、リン酸亜鉛処理鋼板に乾燥膜厚で約30ミクロンになるようにスプレー塗装し、室温で10日間乾燥を行い、塗膜の性能を評価した。その結果を表5に示す。
【0081】
実施例4〜7及び比較例3〜4(イソシアネート架橋タイプ)
製造例5〜8及び比較製造例3、4の分散用樹脂(A−5〜A−8、a−3〜a−4)を用いて作製した顔料分散ペースト(顔料分散ペースト実施例4〜7及び比較例3、4)を、最終顔料濃度(PWC)が、40%〔顔料/(樹脂不揮発分+硬化剤不揮発分+顔料)×100=PWC(%)〕となるように希釈用樹脂(製造例9:A−9)及び硬化剤を配合し、白エナメル塗料を得た。硬化剤は、ブロックイソシアネート硬化剤「スミジュールBL3175」(住友バイエルウレタン株式会社製、不揮発分75%)を用いた。但し、硬化剤配合量は、NCO/OH=1/1の当量になるように配合した。得られた白エナメルをシンナーで適度なスプレー粘度に希釈を行い、更に硬化触媒として、「ジブチル錫ジラウレート」を1000ppm/不揮発分を加え、リン酸亜鉛処理鋼板に乾燥膜厚で約30ミクロンになるようにスプレー塗装し、170℃で30分、加熱乾燥を行い、塗膜の性能を評価した。その結果を表6に示す。
【0082】
実施例8(メラミン架橋タイプ)
製造例7の分散用樹脂(A−7)を用いて作製した顔料分散ペースト(顔料分散ペースト実施例6)を、硬化剤としてメラミン樹脂(サイメル303;三井サイテック株式会社製、不揮発分100%)を用いてPWCが40%になるように希釈用樹脂(製造例9:A−9)及び硬化剤を配合した。但し、硬化剤配合量は、硬化剤不揮発分/樹脂不揮発分=25/75となるように配合し、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸を5000ppm/塗料不揮発分を加えた。得られた白エナメルをシンナーで適度なスプレー粘度に希釈を行い、リン酸亜鉛処理鋼板に乾燥膜厚で約30ミクロンになるようにスプレー塗装し、170℃で30分、加熱乾燥を行い、塗膜の性能を評価した。その結果(実施例8)を表6に示す。
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
表5及び表6の説明を下記する。
初期光沢:JIS K 5400に準拠して、VZ−2000(商品名、日本電色社製)を用いて、光源の入射角を60°として光沢値を測定した。
塗料安定性:塗料を試験管に入れ、50℃で10日間保管し、塗料の分離、沈殿物凝集物の有無を確認した。
〔塗料安定性の評価基準〕
初期と同じ状態:○、一部沈殿し、上澄み液が透明部分がある:△、凝集物があり、再攪拌を行っても再分散しない:×
耐水性:50℃、相対湿度95%で1000時間処理を行い、表面状態を目視で評価した。
〔耐水性の評価基準〕
初期と同じ状態:○、一部膨れが認められる:△、著しい光沢低下が認められる:×
耐候性(S−WOM):JIS K 5400に準拠して、サンシャインウエザオメーターにて3000時間曝露した後の60°の光沢保持率で評価した。
耐候性(沖縄):JIS K 5400に準拠して、沖縄における屋外曝露(南面、水平面から30度傾斜)にて1年間曝露した後の60°の光沢保持率で評価した。
【0086】
【発明の効果】
本発明の顔料分散ペーストは、上述の構成よりなるので、乾燥性や、塗膜の硬度、光沢、肉持ち性、耐溶剤性、耐ガソリン性等の性能に優れ、しかも、耐候性に優れた塗膜を形成し得る溶剤系等の各種の形態の白色塗料組成物又は様々な原色により調色された塗料組成物等を構成することができ、建築物、自動車、船舶、産業機器、各種工業製品等の各種の用途に用いることができるものである。
Claims (3)
- 光触媒活性を有する無機顔料と分散用樹脂とを含む顔料分散ペーストであって、
該光触媒活性を有する無機顔料は、酸化チタンであり、
該分散用樹脂は、重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体を含み、
該重合性不飽和単量体は、立体障害を受けた窒素原子を有するピペリジニル基の構造を有する重合性不飽和単量体12〜30重量%及びその他の重合性不飽和単量体70〜88重量%を含み、
該立体障害を受けた窒素原子を有するピペリジニル基の構造を有する重合性不飽和単量体は、窒素原子が少なくとも2つの第4級炭素原子と結合したピペリジニル基の構造を有する重合性不飽和単量体であり、
該重合性不飽和単量体を共重合してなる重合体は、酸価が2〜50mgKOH/gであって、
該分散用樹脂の固形分含有量は、光触媒活性を有する無機顔料100重量部に対して、10〜100重量部である
ことを特徴とする顔料分散ペースト。 - 前記重合性不飽和単量体は、該重合性不飽和単量体を100重量%としたとき、その中にシクロアルキル構造を有する重合性不飽和単量体を5.0〜89.9重量%含む
ことを特徴とする請求項1に記載の顔料分散ペースト。
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