JP4840590B2 - 内燃機関の排気制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関(以下、エンジンと称する)の排気制御装置に係り、詳しくは機関始動直後における触媒反応を促進して早期活性化により排気浄化性能を向上させる排気制御装置に関するものである。
未だ触媒が活性化していない冷態始動時にエンジンから排出される有害成分、例えばTHC(Total HC)等はエンジンの各モード運転により生じるTHC総排出量に対してかなりの割合を占めており、排ガス浄化性能の改善のためには冷態始動時の対策が重要であることが知られている。このための対策の一つとして、機関始動直後には、まず、エンジンアウトの排ガス濃度(特にHC)が低く、且つ燃焼変動が許容可能な特性を有するオープンループ(以下、O/Lと略する)制御により排気空燃比をリッチ側の略一定値に制御し、その後にOセンサが活性化すると、Oセンサ出力に基づく理論空燃比へのフィードバック(以下、OF/Bと略する)制御に切換える手法が採られている。
しかしながら、この手法では排ガス浄化性能が三元触媒の貴金属担持量に大きく依存してしまうという欠点がある。特にO/L制御からOF/B制御に移行する過程ではこの傾向が顕著に現れ、貴金属担持量が減少するに従って浄化性能が大幅に低下してしまう。よって、この従来手法では、貴金属担持量が不足すれば十分な浄化性能を実現できず、逆に十分な浄化性能の確保のために貴金属担持量を増加すると、コスト高騰や触媒容量の増大に伴う圧損増加等を引き起こすという別の問題が生じた。
一方、機関始動直後の有害成分の排出を抑制すべく、空燃比の強制変調を実行する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。強制変調とは、エンジンの排気空燃比を強制的にリッチ方向及びリーン方向に交互に所定の振幅で変動させる制御であり、特許文献1の技術では冷態始動時に強制変調を実行して、リッチ方向への変調時に触媒上で還元反応を生起させると共に、リーン方向への変調時に触媒上で酸化反応を生起させ、これにより触媒昇温を促進することで浄化性能の向上を図っている。
そして、特許文献1の技術では、Oセンサの活性化後は強制変調から通常のOF/B制御へと切換えるが、切換後にも空燃比変動が暫く継続されて排気空燃比を理論空燃比(即ち、触媒ウインドウ内)に速やかに収束できない実情を鑑みて、触媒の活性状態と相関するエンジン水温が高くなるほど強制変調時の排気空燃比の振幅を縮小し、これによりOF/B制御への切換時の理論空燃比への収束性を向上させている。
特許第3392197号公報
上記のように特許文献1の技術では強制変調からOF/B制御への切換性を重要視して排気空燃比の振幅を設定しているため、触媒の昇温促進、ひいては早期活性化による浄化性能向上に関して適切な設定とは言い難かった。
即ち、強制変調によって得られる触媒上での還元反応や酸化反応には、排ガスと共に触媒上に供給されるCO量やO量が密接に関係するため、これらの供給量を最適制御しなければ適切な還元反応及び酸化反応、ひいては十分な昇温促進は望めない。特許文献1の技術では、OF/B制御への切換時を想定して排気空燃比の振幅を制御しているだけであるため、結果として強制変調時において触媒上に適切な量のCOやOを供給できず、触媒の昇温促進による浄化性能の向上を達成できなかった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、機関始動後に強制変調を実行すると共に、このときの排気空燃比の変動状況を最適制御して触媒上に適切な量のCOやOを供給し、触媒の貴金属担持量を増大することなく触媒の昇温促進により早期活性化を実現して浄化性能を向上することができる内燃機関の排気制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に設けられた触媒と、触媒の温度に相関するパラメータ値を検出する触媒温度相関値検出手段と、内燃機関の始動直後に作動し、触媒に流入する排気の空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比との間で強制的に変動させる空燃比変動制御手段とを備え、空燃比変動制御手段が、その作動初期において空燃比変動の中心空燃比をストイキよりもリーン空燃比側に設定し、その後触媒温度相関値検出手段で検出されたパラメータ値の温度上昇方向への変化に伴い中心空燃比をストイキよりもリッチ側にシフトするように構成され、シフト前のストイキよりもリーン側の空燃比及びシフト後のストイキよりもリッチ側の空燃比が、触媒の活性度合に対して触媒の昇温のために最適な排ガス特性となるように触媒温度相関値検出手段で検出されたパラメータ値に応じて求められた最適なO濃度及びCO濃度を達成可能な中心空燃比として設定されているものである。
従って、内燃機関の始動直後には、ストイキよりもリーン空燃比側に設定した中心空燃比を中心として空燃比変動制御手段により排気空燃比が強制的に変動され、触媒温度相関値検出手段による検出値の温度上昇方向への変化に伴って中心空燃比がストイキよりもリッチ空燃比側にシフトされ、シフト後の中心空燃比を中心として排気空燃比が強制的に変動される。
図10は平均空燃比14.0(リッチ空燃比側)と15.0(リーン空燃比側)で排気空燃比を変動させたときの触媒上での温度上昇量ΔT(=触媒ベッド温度−入口温度)を触媒入口温度毎に計測した試験結果である。この試験結果によれば、入口温度が約350℃のときを境界として、低温側では平均空燃比15.0の方が大きな温度上昇量ΔTが得られ、高温側では平均空燃比14.0の方が大きな温度上昇量ΔTが得られている。この試験結果から、中心空燃比の切換により何れの温度領域でも適切なCO量やO量が触媒上に供給されて触媒昇温に貢献していると推測される。
図10に示した特性は一例であり、触媒の貴金属配合量などの要因により変化する可能性はあるものの、基本的な特性として、空燃比変動の中心空燃比をリーン空燃比側に設定した場合には触媒温度が低い領域で良好な触媒昇温作用が得られ、空燃比変動の中心空燃比をリッチ空燃比側に設定した場合には触媒温度が高い領域で良好な触媒昇温作用が得られることに相違ない。よって、本発明のこの態様のように、内燃機関の始動直後にリーン空燃比側の中心空燃比に基づき排気空燃比を変動させ、触媒温度の上昇に伴って中心空燃比をリッチ空燃比側にシフトすることにより、温度領域に関わらず良好な触媒昇温作用が得られる。
請求項2の発明は、請求項1において、内燃機関の実空燃比を目標空燃比に近づけるようにフィードバック制御するフィードバック制御手段をさらに備え、空燃比変動制御手段が中心空燃比をストイキよりもリッチ空燃比側にシフトした後、フィードバック制御手段が作動を開始するものである。
従って、空燃比変動制御手段が中心空燃比をリッチ空燃比側にシフトした後に、フィードバック制御手段のフィードバック制御が開始される。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、触媒の温度が約300℃〜約400℃の範囲で、空燃比変動制御手段が中心空燃比をストイキよりもリッチ空燃比側にシフトするように構成されているものである。
従って、触媒の温度が約300℃〜約400℃の範囲で中心空燃比がリッチ空燃比側にシフトされる。
以上説明したように請求項1〜3の発明の内燃機関の排気制御装置によれば、機関始動後に強制変調を実行すると共に、このときの排気空燃比の中心空燃比を触媒温度の上昇に伴ってリーン空燃比側からリッチ空燃比側にシフトするため、触媒上に適切な量のCOやOを供給し、触媒の貴金属担持量を増大することなく触媒の昇温促進により早期活性化を実現して浄化性能を向上することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化したエンジンの排気制御装置の第1実施形態を説明する。
図1は本実施形態のエンジン及びその排気制御装置を模式的に示す全体構成図であり、筒内噴射型直列4気筒ガソリンエンジン1を対象として構成されている。エンジン1にはDOHC4弁式の動弁機構が採用されており、図示しないクランク軸によりシリンダヘッド2上に設けられた吸気カムシャフト3及び排気カムシャフト4が回転駆動され、これらのカムシャフト3,4により吸気弁5及び排気弁6が所定のタイミングで開閉される。
シリンダヘッド2には各気筒毎に点火プラグ7と共に電磁式の燃料噴射弁8が取り付けられ、図示しない燃料ポンプから供給された高圧燃料が燃料噴射弁8の開閉に応じて燃焼室9内に直接噴射される。シリンダヘッド2には両カムシャフト3,4間を抜けるようにして略直立方向に吸気ポート10が形成され、吸気弁5の開弁に伴って吸入空気がエアクリーナ11からスロットル弁12、サージタンク13、吸気マニホールド14、吸気ポート10を経て燃焼室9内に導入される。燃焼後の排ガスは排気弁6の開弁に伴って燃焼室9から排気ポート15に排出され、更に排気通路16及び三元触媒17を経て大気中に排出される。
車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(エンジン制御ユニット)21が設置されており、エンジン1の総合的な制御を行う。ECU21の入力側には、エンジン1の冷却水温Twを検出する水温センサ22、スロットル開度θthを検出するスロットルセンサ23、三元触媒17に流入する排ガス温度(以下、入口温度と称する)Texを検出する温度センサ24(触媒温度相関値検出手段)、排ガスのO2濃度に応じて出力を変化させるO2センサ25等の各種センサ類が接続され、ECU21の出力側には、上記燃料噴射弁8、上記点火プラグ7を駆動するイグナイタ26等の各種デバイス類が接続されている。
ECU21は各センサからの検出情報に基づいて点火時期や燃料噴射量等を決定し、これらの制御量に基づいてイグナイタ26や燃料噴射弁8を駆動制御してエンジン1の運転を制御する。
また、エンジン1の冷態始動時において、ECU21はOセンサ25の出力に基づく目標空燃比(例えば、理論空燃比)へのOF/B制御を実行すると共に(フィードバック制御手段)、OF/B制御に先立ってO/L制御による強制変調を実行するが(空燃比変動制御手段)、強制変調では、空燃比変動の中心空燃比を入口温度Texに応じて切換えることにより、三元触媒17に供給されるCO量やO量の最適化を図っている。以下、この冷態始動時の排気制御について詳述する。
図2はECU21が実行する始動時排気制御ルーチンを示すフローチャートであり、ECU21はエンジン始動時にルーチンを所定の制御インターバルで実行する。
まず、ステップS2でエンジン始動モードを実行する。始動モードとしては、クランキング開始から完爆判定までの始動時増量補正、及び完爆判定後の始動後増量補正等が適宜O/L制御で実行されて、円滑なエンジン始動が図られる。エンジン始動モードの内容は一般的なものであり、このときの始動後増量補正による燃料制御が[背景技術]で述べたOセンサの活性化前に実行されるリッチ空燃比によるO/L制御に相当する。
その後、ステップS4で冷却水温Tw、スロットル開度θth、入口温度Tex等の各種センサ情報を取り込み、続くステップS6で始動完了(完爆判定)からの経過時間を算出し、ステップS8でOセンサ25の活性化条件を判定し、ステップS10で入口温度Texに基づき触媒温度Tcatを推定する。なお、触媒温度Tcatは、予め設定された入口温度Texと触媒温度Tcatとの関係を規定したマップから算出するが、触媒温度Tcatの算出手法はこれに限ることはなく、例えば入口温度Texからの推定に代えて三元触媒17のベッド温度を直接的に検出したり、或いは冷却水温Twと始動完了からの経過時間に基づき簡易的に触媒温度Tcatを求めたりしてもよい。
続くステップS12では強制変調開始条件が成立したか否かを判定する。強制変調開始条件は、エンジン1の排気空燃比を強制的に変動させる強制変調を実行しても支障ないエンジン運転状態として設定されたものであり、例えば以下の1)〜5)に示す各要件に基づいて判定される。
1)エンジン負荷、具体的にはスロットル開度θthや体積効率等
2)エンジン始動完了後の経過時間
3)冷却水温Tw
4)Oセンサの活性化後の経過時間
5)触媒温度Tcat
これらの要件に基づき強制変調開始条件が成立していないとしてステップS14でNo(否定)の判定を下したときには、そのままルーチンを終了する。従って、この場合にはステップS2のエンジン始動モードで、従来制御と同様に略一定のリッチ空燃比によるO/L制御が継続して実行される。
また、強制変調開始条件が成立したとしてステップS12でYes(肯定)の判定を下したときには、ステップS14以降の処理により2段階に分けて低温域用及び高温域用の排気空燃比の強制変調を実行する。これらの強制変調の実行条件は予め設定されているが、その設定過程については後述するものとし、実際の強制変調の実行状況を引き続き説明する。
本実施形態では低温域用及び高温域用の強制変調として、波形パターン自体を共通とし、平均空燃比の設定を異にした条件で実行する。図は低温域用の強制変調に適用される波形パターンを示すタイムチャート、図は高温域用の強制変調に適用される波形パターンを示すタイムチャートであり、何れの場合も中心空燃比に対するリッチ方向及びリーン方向への排気空燃比の変動量、及び1周期中のリッチ方向及びリーン方向への変動期間を共に等しく設定した波形パターンが適用され、振幅は1.0に設定され、周期は1.0secに設定されている。そして、図の低温域用の波形パターンでは中心空燃比(上記波形特性から平均空燃比と一致)がストイキよりもリーン空燃比側の15.0に設定され、図の高温域用の波形パターンでは中心空燃比(同じく平均空燃比と一致)がストイキよりもリッチ空燃比側の14.0に設定されている。
なお、波形パターンの別例として、図5,6に示すものを適用してもよい。これらの波形パターンは振幅が1.5に設定され、周期が1.0secに設定されているが、中心空燃比に対するリッチ方向及びリーン方向への排気空燃比の変動量、及び1周期中のリッチ方向及びリーン方向への変動期間を共に相違させており、中心空燃比に対する変動量が+0.5(リーン側),−1.0(リッチ側)に設定され、変動期間がリーン:リッチ=2:1に設定されている。そして、中心空燃比の設定に関しては図3,4と同様であり、図の低温域用の波形パターンでは15.0(平均空燃比と一致)に、図の高温域用の波形パターンでは14.0(平均空燃比と一致)に設定されており、図3に代えて図5の波形パターンを適用し、図4に代えて図6の波形パターンを適用してもよい。このように、図3に代えて図5の波形パターンを適用し、図4に代えて図6の波形パターンを適用した場合は、触媒反応が向上し,排ガス浄化性能が向上するという利点がある。
一方、ECU21の処理に戻ると、ECU21は図2のステップS14で図3又は図5の波形パターンに従って低温域用の強制変調を実行し、続くステップS16で入口温度Texが350℃以上であるか否かを判定し、Noのときには三元触媒17がライトオフ温度に到達していないと見なしてステップS14に戻る。また、判定がYesのときにはステップS18に移行して図4又は図6の波形パターンに従って高温域用の強制変調を実行し、その後にステップS20で強制変調終了条件が成立したか否かを判定し、NoのときにはステップS18に戻る。強制変調終了条件は、強制変調を終了して通常の02F/B制御に移行しても排ガス浄化性能が悪化しない(換言すれば、三元触媒17が既に活性化している)エンジン運転条件として設定されたものであり、例えば触媒温度Tcat等に基づき判定される。
従って、エンジン冷態始動時には、三元触媒17がライトオフ温度に達するまではステップS14の低温域用の強制変調が実行され、三元触媒17がライトオフ温度に達した時点でステップS18の高温域用の強制変調に切換えられる。なお、入口温度Texに対する閾値は350℃に限ることはなく、例えば触媒タイプ、酸素ストレージ能、劣化度合などに応じて300℃〜400℃の範囲で任意に変更してもよい。また、ステップS16では、入口温度Texに代えてステップS10で推定した触媒温度Tcatに基づいて判定を行ってもよい。
強制変調終了条件の成立によりステップS20の判定がYesになると、ステップS22に移行してOセンサ出力に基づく理論空燃比への02F/B制御に切換えた後にルーチンを終了する。なお、強制変調から02F/B制御への切換時には運転状態の急変を防止すべく、移行期間(図7に示す)を設定して、移行期間中に振幅及び周期を次第に減少させて緩やかに02F/B制御に移行するように配慮している。
次に、上記低温域用及び高温用の強制変調の実行条件の設定過程について述べる。
図3,4或いは図5,6に示した各強制変調の波形パターンは、三元触媒17の活性度合に対して最適な排ガス特性として求められた要求O濃度及び要求CO濃度に基づいて決定されたものである。即ち、ライトオフ温度を境界とした三元触媒17の温度域に応じて昇温のために触媒17上に供給すべき最適なO量及びCO量、換言すれば最適な排ガスのO濃度及びCO濃度も相違し、それらのO濃度及びCO濃度を達成可能な強制変調の実行条件も相違するとの観点から各実行条件が決定されている。
図7はエンジン冷態始動時の入口温度Texに対する排気制御の切換状況と要求O濃度及び要求CO濃度の推移を示すタイムチャート例である。上記したECU21の処理により、エンジン始動時及び始動直後にはエンジン始動モードとしてO/L制御による始動時増量補正や始動後増量補正が行われ、続いて低温域用の強制変調、高温域用の強制変調が実行され、その後に上記移行期間を経て02F/B制御に切換えられる。
ライトオフ温度未満の温度域で実行される低温域用の強制変調に対しては、要求O濃度として1.1%が設定され、要求CO濃度として0.3%が設定され、一方、ライトオフ温度以上の温度域で実行される高温域用の強制変調に対しては、要求O濃度として0.6%が設定され、要求CO濃度として0.9%が設定されている。そして、これらの要求O濃度及び要求CO濃度に基づき、低温域と高温域で共に図3,4に示す共通の波形パターンが設定された上で、相対的に要求CO濃度が低い低温域では中心空燃比が15.0に設定され、相対的に要求CO濃度が高い高温域では中心空燃比が14.0に設定されている。
このように,低温域と高温域の強制変調の波形パターンおよび中心A/Fは,要求O濃度と要求CO濃度を目安に予め試験によって決定しておき,実際のECU21の制御では要求O濃度及び要求CO濃度を考慮することなく温度域に応じて中心空燃比を選択し、選択した中心空燃比を波形パターンに適用して強制変調を実行する。
図8は排気空燃比の制御に応じた触媒昇温状況を示し、平均空燃比15.0を前提として、上記図3に示した低温域用の波形パターン(図中に1Hz±0.5と表示)、上記図5に示した低温域用の波形パターン(図中に1Hz+0.5/-1.0と表示)、エンジン始動モードのO/L制御(図中にO/Lと表示)、02F/B制御(図中に02F/Bと表示)による昇温状況を比較している。このように平均空燃比をリーン側の15.0に設定すると、何れの排気制御でもエンジン始動後の早期段階で入口温度に対してベッド温度が迅速に上昇しており、触媒昇温状況は平均空燃比に依存する可能性が高いと推測できる。
この点を鑑みて、平均空燃比を相違させたときの触媒昇温状況を測定し、その試験結果を図9に示す。この図では図3,5に示した平均空燃比15.0の波形パターンの適用時、及び図4,6の平均空燃比14.0の波形パターンの適用時を比較しているが、入口温度に対するベッド温度の上昇は、始動直後(三元触媒17の低温域)では平均空燃比15.0の図5に示した波形パターンが良好であり、始動からある程度経過後(三元触媒17の高温域)では平均空燃比14.0の図6で示した波形パターンが良好であることが判る。
そこで、平均空燃比14.0と15.0で強制変調を実行したときの触媒上での温度上昇量ΔT(=触媒ベッド温度−入口温度)を測定し、その試験結果を図10に示す。図10の試験結果によれば、入口温度が約350℃のときを境界として、低温側では平均空燃比15.0の方が大きな温度上昇量ΔTが得られ、高温側では平均空燃比14.0の方が大きな温度上昇量ΔTが得られている。この試験結果から、中心空燃比の切換により何れの温度領域でも適切なCO量やO量が触媒上に供給されて触媒昇温に貢献していると推測される。
以上の試験結果を踏まえて低温域用及び高温用の強制変調の実行条件が設定されており、これらの実行条件に基づき、入口温度Texが350℃未満では図3,5に示す平均空燃比15.0の波形パターンが強制変調に適用され、入口温度Texが350℃以上になると図4,6に示す平均空燃比14.0の波形パターンが強制変調に適用される。よって、温度領域に関わらず三元触媒17上に適切な量のCOやOを供給し、もって触媒の貴金属担持量に依存することなく三元触媒17の昇温促進により早期活性化して浄化性能を向上することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、波形パターン自体を共通とし、平均空燃比の設定を異にした条件で低温域用及び高温域用の強制変調の実行条件を設定したが、低温域用と高温域用とで波形パターンを変更してもよい。具体的には、低温域用には図3に示す波形パターンを適用し、高温域用には図6に示す波形パターンを適用したり、或いは低温域用には図5に示す波形パターンを適用し、高温域用には図4に示す波形パターンを適用したりしてもよい。
また、上記各実施形態では、エンジン1の排気通路16に三元触媒17のみを備えたが、近接触媒やNOx触媒等を任意に追加してもよい。
また,直接噴射型のエンジンに限ることなく,吸気管噴射型のエンジンにも適用可能である。さらに,触媒下流にOセンサを装着して,A/Fの目標値を制御してもよい。
実施形態のエンジン及びその排気制御装置を模式的に示す全体構成図である。 ECUが実行する始動時排気制御ルーチンを示すフローチャートである。 温域用の強制変調に適用される波形パターンを示すタイムチャートである。 温域用の強制変調に適用される波形パターンを示すタイムチャートである。 温域用の強制変調に適用される波形パターンの別例を示すタイムチャートである。 温域用の強制変調に適用される波形パターンの別例を示すタイムチャートである。 エンジン冷態始動時の入口温度に対する排気制御の切換状況と要求O濃度及び要求CO濃度の推移を示すタイムチャートである。 排気空燃比の制御に応じた触媒昇温状況を示す図である。 平均空燃比を相違させたときの触媒昇温状況を示す図である。 平均空燃比14.0と15.0で強制変調を実行したときの触媒上での温度上昇量を比較した図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
16 排気通路
17 三元触媒
21 ECU(フィードバック制御手段、空燃比変動制御手段)
24 温度センサ(触媒温度相関値検出手段)

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた触媒と、
    上記触媒の温度に相関するパラメータ値を検出する触媒温度相関値検出手段と、
    上記内燃機関の始動直後に作動し、上記触媒に流入する排気の空燃比をリーン空燃比とリッチ空燃比との間で強制的に変動させる空燃比変動制御手段と
    を備え、
    上記空燃比変動制御手段は、その作動初期において空燃比変動の中心空燃比をストイキよりもリーン空燃比側に設定し、その後上記触媒温度相関値検出手段で検出されたパラメータ値の温度上昇方向への変化に伴い上記中心空燃比をストイキよりもリッチ側にシフトするように構成され、
    上記シフト前のストイキよりもリーン側の空燃比及び上記シフト後のストイキよりもリッチ側の空燃比が、上記触媒の活性度合に対して該触媒の昇温のために最適な排ガス特性となるように上記触媒温度相関値検出手段で検出されたパラメータ値に応じて求められた濃度及びCO濃度を達成可能な中心空燃比として設定されたことを特徴とする内燃機関の排気制御装置。
  2. 上記内燃機関の実空燃比を上記目標空燃比に近づけるようにフィードバック制御するフィードバック制御手段をさらに備え、
    上記空燃比変動制御手段が上記中心空燃比をストイキよりもリッチ空燃比側にシフトした後、上記フィードバック制御手段が作動を開始することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気制御装置。
  3. 上記触媒の温度が約300℃〜約400℃の範囲で、上記空燃比変動制御手段が上記中心空燃比をストイキよりもリッチ空燃比側にシフトするように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の排気制御装置。
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