JP4838706B2 - 所定のアミノアルキルグルコサミニドフォスフェート化合物及びそれらの使用 - Google Patents

所定のアミノアルキルグルコサミニドフォスフェート化合物及びそれらの使用 Download PDF

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Description

関連特許
この出願は、米国仮出願60/438,585(2003年1月6日に提出した)の優先権を主張し、それは本明細書中その全体を参照によって組み込まれている。
発明の背景
トール様レセプター(TLR)は、強力な先天性免疫反応に関連し且つ病原体に特有である独特の構造成分を認識する即ち、この相互反応により免疫系が活性状態に入り、短期且つ長期の結果をもたらす。TLRのアゴニスト及びアンタゴニストを開発することにおける有意な注目があり、その理由は、先天性免疫反応の薬理学的操作をすることで、自己免疫、アトピー、悪性及び感染性疾患に対する一層有効なワクチン及び新規治療方法がもたらされうるからである。トール様レセプターアゴニストであると最初に発見された微生物産物はLPSであり、それはグラム陰性細菌に対して特異的な細菌性膜成分であり、それはトール様レセプター4(TLR4)を活性化する。LPSは強力な免疫調節因子であるが、その医学的な使用は、その極端な毒性の全身的免疫反応症候群の誘導などにより限定されている。 LPSの生物学的活性内毒素サブ構造成分は脂質A、即ち、リン酸化された複数の脂肪酸アシル化グルコサミン二糖であり、それはグラム陰性細菌の外膜における全体構造を固定するために働く。脂質Aの毒性効果は、脂質Aを選択的化学修飾しモノホスホリル脂質A化合物(MPL(登録商標)免疫刺激物質; Corixa Corporation;Seattle,WA)を生産することによってやわらげられて良い。MPL(登録商標)免疫刺激物質及び構造的に似た化合物をワクチンアジュバント及び他の用途において調製及び使用する方法は記載がある(例えば、米国特許第4,436,727号;4,877,611号;4,866,034号及び4,912,094号;4,987,237号;Johnsonら,JMed Chem vol.42:pp.4640〜4649(1999);UlrichとMyers,Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach;Powell及びNewman8457;Plenum: New York,pp.495〜524,1995を参照のこと)。 特に、これら及び他の参考文献は、MPL(登録商標)免疫刺激物質及び類縁化合物は、 抗原に対する体液性及び/又は細胞介在性免疫を増強し、そしてトール様レセプターとの反応を増強するために、タンパク質及び炭化水素抗原と共にワクチン製剤において使用された場合、有意なアジュバント活性を有していたことを示している。
新規合成化合物のファミリー、アミノアルキルグルコサミニドフォスフェート(AGP)は、MPL(登録商標)免疫刺激物質及び他の細菌細胞壁成分による実験から開発された。AGP化合物は、アゴニスト及びアンタゴニストとしてTLR4とも反応する。AGPとしては、非環式化合物及び環式化合物(米国特許第6,113,918号及び6,303,347号、WO98/50399(1998年、10月12日に刊行)、WO01/34617(2001年5月17日に刊行)、WO01/90129(2001年11月29日に刊行)、及びWO02/12258(2002年2月14日に刊行))の両方が含まれる。MPL(登録商標)免疫刺激物質など、これらの化合物は、ワクチン組成物と共に処方された場合、有意なアジュバント特性を維持することが示されており、加えて、MPL(登録商標)免疫刺激物質と比較した場合、類似又は改善された毒性プロファイルを有する。AGPは粘膜アジュバント活性をも示し、そして窒素の不在下で有効であり、それらを予防及び/又は治療使用のために魅力的な化合物にする。
AGPにより提案される、MPL(登録商標)免疫刺激物質を上回る他の有意な利点とは、AGPが、容易に合成手段によって商業規模で生産できることである。AGPは合成により生産されているので、それらは、MPL中で発見されるような生物学的コンタミネーション物質を微量なりとも含まない。従って、AGPは所定の状況、例えば、アジュバント発熱源が最小限にされていなければならない小児免疫化プロトコールにおいて、ワクチンアジュバントとしてMPLを上回る利点を有するだろう。しかし、AGPは、化学的に合成されているので、最適な化合物安定性が少なければ、ロットごとに様々な生物活性及び安定性をもたらしうる変性産物の集成につながりうる。ヒト臨床トライアルのための材料を製造するためのGMP法を開発する観点から、ロット安定性及びロットごとの変動は主要な問題である。従って、化合物であって、生物活性がMPL(登録商標)免疫刺激物質などと比較して高まっており、トール様レセプターと反応する及び/又は大規模GPL合成のために最適化されている化合物が望ましい。本名発明は、これらの要請に応えており、生物活性、安定性を増強させ、そして酵素及び化学的変性に対する耐性を増加させる、そして/又は安全性プロファイルを向上させるために修飾した化合物を提供することによって一層これらの要請に応えている。
発明の概要
一つの観点において、本発明は、本明細書中に規定した、所定の新規アミノアルキルグルコサミニドフォスフェート化合物及び医薬的に許容できるその塩を含んで成る。本発明は更に、前記化合物及び/又はそれらの塩を含む組成物、並びに当該化合物のそれら自身の権利においてアジュバントとしてそして医薬的に有効な化合物としての使用をも含んで成る。
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、アミノアルキルグルコサミニド4−フォスフェート(AGP)ファミリーのメンバーである。下に記載したように、本発明の化合物は、6アシル鎖の長さに対する修飾(第一及び第二)、フォスフェート成分を含ませるためにアルキルアームの構造的修飾、C3糖位置において第一エーテル脂質並びに3つの第二エーテル脂質、及び/又は6個のヒドロキシ遮断基を含ませるための構造的修飾を様々有する。
化学的に(ω−アミノアルキル2−アミノ−2−デオキシ−4−フォスフォノ−β−D−グルコピラノシドとして知られているAGPは、モノホスホリル脂質Aにおける成分の主要生物活性成分に構造的に関連した合成脂質模倣物のクラスである。AGPにおいて、還元糖は、N−[(R)−3−n−アルカノイルオキシテトラデカノイル]アミノアルキルアグリコン単位で置換されている。他の二糖類脂質A誘導体と同様に、AGPは6つの脂肪酸を、最大生物活性のために含んで成るが、ジサッカライド誘導体とは異なり、AGPはコンホメーション上柔軟性を有するβ結合したアグリコン単位を含み、それによりエネルギー的に好ましい、6つの脂肪アシル鎖の細密化が可能になる。6つの脂肪酸を六方配置において最密化させることは、脂質A様分子の生物活性において本質的な役割を果たすと考えられている(Seydelら,Immunobiol;vol.187(No.3〜5):pp.191〜211、1993)。
本発明の化合物は、AGPファミリーのメンバーであると考えられている。これらの化合物は、6つのアシル鎖の長さに対する修飾(第一及び第二)を含む。
最も広い1つの観点において、本発明の1つの特徴は、式(I):
(式中、Xは、アキシアル位又はエクアトリアル位におけるO及びSからなる群から選択されており;YはO及びNHからなる群から選択されており;n、m、p及びqは0〜6の整数であり;R1、R2及びR3は同じ又異なっており、そして1〜約20個の炭素原子を有する脂肪アシル残基であり、そしてRl、R2又はR3のうちの1つは任意に水素であり;R4及びR5は同じ又は異なっており、そしてH及びメチルからなる群から選択されており;R6とR7は同じ又は異なっており、そしてH、ヒドロキシ、アルコキシ、 フォスフォノ、フォスフォノオキシ、スルホ、スルホオキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ホルミル及びカルボキシ、並びにそれらのエステル及びアミドからなる群から選択されており;R8及びR9は同じ又は異なっており、そしてフォスフォノ及びHからなる群から選択されており、そしてR8及びR9のうち少なくとも1つはフォスフォノであり;R10、R11及びR12は独立して、炭素原子を1〜10個有する直鎖状の未置換飽和脂肪族基から独立して選択されている)
を有するAGP化合物又はその医薬的に許容できる塩である。
本発明の好適な実施態様において、
−X及びYは好適に両方とも酸素原子であり;
−R1、R2及びR3は好適に通常のアシル基であり、そして最も好適には独立して、C6〜C10直鎖アシル基(最も好適には飽和アシル基)から独立して選択されており;
−R10、R11及びR12は好適に1〜10、好適には3〜9、一層好適には3〜7個の炭素原子を有する未置換飽和脂肪族(即ち、アルキル)基であり、そして最も好適には、3〜7個の炭素原子を有する同一の未置換飽和脂肪族基である。
化合物1a、b及び2a、b及びそれらの医薬的に許容できる塩は、この型の化合物(I)のメンバーの例である。
本発明の化合物(I)は、従って、それらがより短い第一脂肪酸鎖を有していることを除けば、いくつかの公知のAGPに似ている。第二脂肪酸鎖長における変化は、AGPの免疫刺激能力に影響を与えそして3−D−MPLの第二脂肪酸類似物に対しても影響を与えることが発見されている (Johnsonら、JMed Chem;vol.42:pp.4640〜4649,1999)。所定の天然脂質A変異体の例えばR.スファエロイド(R.sphaeroides)脂質Aの低毒性は、ある部分において、これらの分子中に、より短い(C10)第一脂肪酸が存在することによる(Qureshiら,J Biol Chem;vol.266 (No.10):pp.6532〜6538,1991)。同様に、所定のヘリコバクター及びシュードモナスLPSの低毒性は、毒性サルモネラ脂質Aにおいて発見されるものとは長さが異なる第一脂肪酸を含むヘキサアシル成分が存在することによるだろう(Moranら,J.Bacteriol;vol.179(No.20):pp.6453〜6463,1997;Kulshinら,Eur J.Biochem ;vol.198(No.3):pp.697〜704、1991)。第一アシル鎖長同士の関係は、最大3つの脂肪酸を含む脂質Aの合成サブユニット類似物(Hasegawaら,Biosci Biotech Biochem ;vol.59(No.9):pp.1790〜1792,1995及びOgawaら,Carbohydr Res;vol.220:pp.155〜164,1991)及び脂質IVaのテトラアシルジサッカライド類似物(Fukaseら、Tetrahedron;vol.54:pp.4033〜4050,1998)によりある程度調べられているが、我々の知る限り、脂質A又は脂質A模倣物の塩基性ヘキサアシル化薬理作用団のいずれかによる非合成研究は行われていない。
所定のグリシル及びフォスフォノオキシエチル(PE)化合物(L−セリノールフォスフェート)も本発明の特徴内に含まれる。これらは、上の式(I)(式中、R5とR7は水素であり、n、m及びqは0であり、そしてpは1であり、そしてR6はCOOHであるかあるいはpは2であり、そしてR6はOPO3H2である)の化合物である。従って、これらは式(II):
(式中、Xは、アキシアル位又はエクアトリアル位におけるO及びSからなる群から選択されており;YはO及びNHからなる群から選択されており;n及びmは0であり;R1、R2及びR3は同じ又異なっており、そして1〜約20個の炭素原子を有する脂肪アシル残基であり、そしてRl、R2又はR3のうちの1つは任意に水素であり;R4は、H及びメチルからなる群から選択されており;pは1であり且つR6がCOOHであるかあるいはpは2であり且つR6がOPO3H2であり;R8及びR9は同じ又は異なっており、そしてH及びフォスフォノから成る群から選択されており、そしてR8及びR9の少なくとも1つはフォスフォノであり;そしてR10、R11及びR12は独立して、炭素原子を1〜10個有する直鎖状の未置換飽和脂肪族基から選択されている)
又はその医薬的に許容できる塩である。
本発明の化合物(II)の好適な実施態様において、
−X及びYは好適に両方とも酸素原子であり;
−R1、R2及びR3は好適に通常のアシル基であり、そして最も好適には独立して、C6〜C10直鎖アシル基から独立して選択されており;
−基R10、R11及びR12は好適に、1〜10、好適には3〜9、一層好適には3〜7子の炭素原子を有する未置換飽和脂肪族(即ち、アルキル)基であり、そして最も好適には、3〜7個の炭素原子を有する同一の未置換飽和脂肪族基である。
化合物11a、b及び12a、bはこのような型の化合物(II)のメンバーの例である。
化合物12a、12bは、フォスフェート成分を含むためにアルキルアームの構造的修飾を含む。かかる化合物は、他のファミリーのメンバーよりも潜在的に一層安定であると考えられている。これらの化合物は、セリル/セリノールフォスフェートクラスのAGPを超える利点を有しており、その利点とは、アグリコン単位において不斉中心(その特長により合成が複雑になりそしてエナンチオマー又はジアステレオマー不純物の分離が困難になりうる)を欠いていることである。
本発明の他の型の化合物は(R)−3−アルキルオキシテトラデカン酸誘導体である。これらは、R1、R2及びR3がアシル基ではないが、カルボン酸誘導体ではなく、基R1O−、R2O−及びR3O−を作る直鎖状アルキル基であることを除いては、同じ上記一般式(II)を有する。この型の化合物において、R1、R2及びR3は好適に、C6〜C10アルキル基である。これらは同じ又は異なる基であって良いが、しかし最も好適には、同一である。
かかる化合物は一般式(III):

(式中、Xは、アキシアル位又はエクアトリアル位におけるO及びSからなる群から選択されており;YはO及びNHからなる群から選択されており;n及びmは0であり;R1、R2及びR3は同じ又異なっており、そして1〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、そしてR1、R2又はR3のうちの1つは任意に水素であり;R4はH及びメチルからなる群から選択されており;pは1であり且つR6がCOOHであるかあるいはpは2であり且つR6がOPO3H2でありR8及びR9は同じ又は異なっており、そしてフォスフォノ及びHから成る群から選択されており、そしてR8及びR9のうち少なくとも1つはフォスフォノであり;そしてR10、R11及びR12は独立して、炭素原子を1〜11個有する直鎖状の未置換飽和脂肪族基から選択されている)を有する、又はその医薬的に許容できる塩である。
本発明の化合物(III)の好適な実施態様において、
−X及びYは好適に両方とも酸素原子であり;
−R1、R2及びR3は最も好適には未置換C6〜C10直鎖アルキル基から独立して選択されており;
−基R10、R11及びR12は好適に、1〜11、好適には3〜9、一層好適には3〜7個の炭素原子を有する未置換飽和脂肪族(即ち、アルキル)基であり、そして最も好適には、3〜7個の炭素原子を有する同一の未置換飽和脂肪族基である。
化合物18a、bはこの群のメンバーの例であり、第一エーテル脂質をC-3糖位に含み、並びに3つの第二エーテル脂質を含む。
本発明の化合物の更なる他の型は式(IV):

(式中、Yは、酸素として固定されており;Xは、アキシアル位又はエクアトリアル位におけるO及びSからなる群から選択されており;n及びmは0であり;R1、R2及びR3は同じ又異なっており、そして1〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、そしてR1、R2又はR3のうちの1つは任意に水素であり;R4はH及びメチルからなる群から選択されており;pは1であり且つR6がCOOHであるかあるいはpは2であり且つR6がOPO3H2であり;R8及びR9は同じ又は異なっており、そしてフォスフォノ及びHから成る群から選択されており、そしてR8及びR9のうち少なくとも1つはフォスフォノであり;そしてR10、R11及びR12は独立して、炭素原子を1〜10個有する直鎖状の未置換飽和脂肪族基から独立して選択されている)を有する、又はその医薬的に許容できる塩である。
従って、これらの化合物は2つのアシル化された鎖及び1つのアシル化されていないエーテル鎖を有する。
本発明の化合物(IV)の好適な実施態様において、
−Xは好適に酸素であり;
−R1、R2及びR3は最も好適には未置換C6〜C10直鎖アルキル基から独立して選択されており;
−基R10、R11及びR12は好適に、1〜10、好適には3〜9、一層好適には3〜7個の炭素原子を有する未置換飽和脂肪族(即ち、アルキル)基であり、そして最も好適には、3〜7個の炭素原子を有する同一の未置換飽和脂肪族基である。
化合物20a、bは、このクラスの化合物のメンバーの例である。
これらの化合物は、不都合な代謝及び/又は水性加水分解に対する耐性を可能にする属性を有する。構造的に多様な脂質A分子において、ヒトアシルオキシヒドロラーゼ(AOAH)によって通常の脂肪酸を選択的に除去し、アンタゴニスト脂質IVを維持することは、脂質A毒性を下げるための防御メカニズムとして進化して来たと考えられている(Erwin andMunford.,JBiol Chem vol.265(No.27):pp.16444〜16449,1990)。しかし、主要なヘキサアシル成分に比べて大きい、天然に誘導された3−D−MPLの毒性は、脂質IVaとは異なる構造を有する高度アシル化された成分の存在が少ないことによるようだ(Ulrich及びMyers,Monophosphoryl lipid A as an Adjuvant. Past experiences and new directions. In:Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach. 著者Powell M. F., Newman M. J. Plenum Press, New York, 1995;pp.495〜524,Johnsonら,JMedChem;42:pp.4640〜4649,1999)。3−D−MPL及び他の脂質A調製物における構造的なばらつきは、本質的に同属LPSから並びに半合成及び単離手順の間のエステル解裂から生じる。実際に、それは、推定R.カプスラタス(R.capsulatus)脂質A、即ち、LPSが誘導したTNFの産物の有力なアンタゴニストを化学合成する間、エステル結合したアシル基が、簡単に加水分解することにより、少量の不都合なアゴニスト副産物を生じると報じられている(Christら,Science;vol.268:pp.80〜83,1995)。従って、化学的及び/又は酵素的不安的性は、不安定なエステル結合を含む有効な脂質Aベースの薬物のアキレス腱である。脂質Aアゴニスト及びアンタゴニスト分子の両方に存在するエステル結合した脂肪酸の化学的且つ酵素的な不安定性は、第一及び/又は第二エステル結合した脂肪酸の代わりに、エーテル結合を有する加水分解安定性を伴う類似物によって解消されてきた(上記Christら,Lienら,JBiol Chem;vol.276(No.3):pp.873〜1880,2001)。
本発明の他の化合物は、6つのヒドロキシ遮断基を有する。これらの化合物又はその医薬的に許容できる塩は、式(V):
(式中、Xは、アキシアル位又はエクアトリアル位におけるO及びSからなる群から選択されており;YはO及びNHからなる群から選択されており;n、m、p及びqは0〜6の整数であり;R1、R2及びR3は同じ又異なっており、そして1〜約20個の炭素原子を有する脂肪アシル残基であり、そしてRl、R2又はR3のうちの1つは任意に水素であり;R4及びR5は同じ又は異なっており、そしてH及びメチルからなる群から選択されており; R6とR7は同じ又は異なっており、そしてH、ヒドロキシ、アルコキシ、フォスフォノ、フォスフォノオキシ、スルホ、スルホオキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ホルミル及びカルボキシ、並びにそれらのエステル及びアミドからなる群から選択されており;R8はフォスフォノであり;PGは下に規定したようなヒドロキシ保護基を示し;そしてR10、R11及びR12 は独立して、炭素原子を1〜10個有する直鎖状の未置換飽和脂肪族基から独立して選択されている)
を有する。
用語「保護基」(本明細書中「PG」によって表されている)は、ヒドロキシ基の反応性を遮断、妨害、又は減らすようにするために当該基の水素原子を置換するために使用された任意の多数の基を意味する。保護基の例は(及び慣用に使用されているそれらの略記のリスト)は、T.W.Greene及びP.Gにおいて発見される。例えば、"Protective Groups in Organic Chemistry"(Wiley)、Beaucage及びIyer,Tetrahedron vol.48:p.2223(1992)及びHarrisonら, Compendium of Synthetic Organic Methods, vols.1〜8(Wiley)を参照のこと。代表的なヒドロキシ保護基としては、ヒドロキシ基がアセチル化されているかあるいはアルキル化されている(それは例えば、メチル、アセチル、ベンジル、トリチル、アルキル、テトラヒドロピラニル、アリル及び置換されたシリル基を使用するエーテル又はエステルの形成によりそのようにされている)、又はヒドロキシ基がフッ素で置換されているものが挙げられる。
ある化合物、目的又は一組の条件のための保護基の選択は、当業者の範囲内であり、そして一般的な条件下(他の反応性化合物の存在下、pH、温度など)で官能基を全体的に又は選択的に保護するように行われる。本発明において使用されて良い保護基としては、メチル、フタノイル、アセチル(Ac)、ベンジル(Bn)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、t−ブチルジメチルシリル(TBS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、及び2,2,2−トリクロロ−1,1−ジメチルエチルクロロホルミル(TCBOC)基が挙げられる。フッ素原子も保護基として使用されて良い。当業界で公知のように、所定の保護基又は所定の型の基が、特定の化合物と共に使用するため又はある条件下で使用するために他のものよりも一層適切でありえ、そして利点とは、これらの適合性を、ヒドロキシ基などの反応性の基を有する化合物を伴う方法を開発することにおいて採用したことである。
本発明のこれら化合物(V)の好適な実施態様において、
−X及びYは好適に両方とも酸素原子であり;
−R1、R2及びR3は好適に通常のアシル基であり、そして最も好適には、C6〜C10直鎖状アシル基から独立して選択されており;
−基R10、R11及びR12は好適に、1〜10個、好適には3〜9個、一層好適には3〜7個の炭素原子を有する未置換飽和脂肪族(即ち、アルキル)基であり、そして最も好適には3〜7個の炭素原子を有する同一の未置換飽和脂肪族基である。
この群のメンバーの例としては、セリル又はセリノールフォスフェートAGPと共に使用されている、メチルエーテルを有する化合物25a、b又はフッ素基を有する化合物26a、bが挙げられる。
未保護のC6糖ヒドロキシル基は、脂質A誘導体の合成の間に除去することが困難でありうる少量の汚染物質をもたらしうる(上記Christ)。これらの副産物は最初の4,6環状フォスフェート形成及びそれに続く再配置から生じるようである(Imotoら,Tetrahedron Lett; vol.29(No.28):pp.2227〜2230,1988)。
本明細書中で使用した場合、用語「脂肪族」とはそれ自身又は他の置換基の一部として、特に断りがない限り、直鎖状もしくは枝分かれした鎖、もしくは環状炭化水素基、又はそれらの組み合わせであり、それは完全に飽和している、一飽和もしくは多飽和していて良く、そして二価及び多価基を含んで良く、指定された多くの炭素原子を有する(即ち、C1〜C10は1〜10個の炭素原子を意味する)。飽和炭化水素原子基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの同族体及び異性体などが挙げられる。不飽和脂肪族基は、1もしくは複数の二重結合もしくは三重結合を有するものである。不飽和脂肪族基の例としては、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4ペンタジエニル)、エチニル、1−プロピニル及び3−プロピニル、3−ブチニル、及び高度な同族体及び異性体が挙げられる。典型的に、脂肪族基は、1〜24個の炭素原子を有するだろう。「低級脂肪族」基とは、より短い鎖の脂肪族基であり、一般に炭素原子を8個以下有する。
用語「アシル」とは、ヒドロキシ基の除去によって有機酸から誘導された基を意味する。アシル基の例としては、アセチル、プロピニル、ドデカノイル、テトラデカノイル、イソブチリルなどが挙げられる。従って、用語「アシル」とは、本明細書中で使用された場合、他に規定されていなければ、基−C(O)−脂肪族を含むことを意味し、ここで当該脂肪族基は好適に飽和 脂肪族基である。
用語「医薬的に許容できる塩」とは、本明細書中で記載した化合物上で発見される特定の置換基に依存して、比較的毒性のない酸又は塩基により調製されている活性化合物の塩を含むことを意味している。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、かかる化合物の天然形態と十分な量の所望の塩基を、生(neat)溶媒又は適切な不活性溶媒のいずれかの中で接触させることによって塩基付加塩が獲得されて良い。医薬的に許容できる塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩、もしくは類似する塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、かかる化合物の天然形態と十分な量の所望の酸を、生溶媒又は適切な不活性溶媒のいずれかの中で接触させることによって酸付加塩が獲得されて良い。医薬的に許容できる酸付加塩の例としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硝酸、カルボン酸、一水素カルボン酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoric)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸など、並びに比較的毒性のない有機酸の例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪産、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などに由来する塩が挙げられる。アミノ酸の塩の例えば、アルギン酸塩、及び有機酸の塩の例えば、グルクロン又はガラクツロン酸(例えば、Berge,S.M.,ら,"Pharmaceutical Salts,"Journal of Pharmaceutical Science,vol.66,pp.1〜19,1977を参照のこと)などの塩も含まれる。本発明の所定の特定化合物は、化合物を塩基又は酸付加塩のいずれかに変換することを可能にする塩基性及び酸性官能基の両方を含む。
化合物の天然形態は、前記塩と塩基又は酸を接触させ、そして常用の方法で親化合物を単離することによって再生されて良い。化合物の親形態は、様々な塩形態と所定の物理特性において、例えば、極性溶媒中での溶解度において異なるが、本来塩は、本発明の目的のための化合物の親形態と同等である。
塩形態に加えて、本発明は、プロドラッグ形態にある化合物を提供する。本明細書中に記載の化合物のプロドラッグは、本発明の化合物を提供するために、生理条件下での化学的変化に容易に委ねられる化合物である。加えて、プロドラッグは、化学的又は生化学的方法によってin vivo又はex vivoで、本発明の化合物へと転換されて良い。例えば、プロドラッグは、経皮パッチリザーバー中に置かれた場合、適切な酵素又は化学試薬により徐々に本発明の化合物へと転換されて良い。
本発明の所定の化合物は、非溶媒和形態並びに溶媒和形態、例えば、水和形態で存在して良い。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり且つ本発明の範囲内に包含されることを目的としている。本発明の所定の化合物は多数の結晶質又は非晶質形態で存在していて良い。一般に、全ての物理形態は、本発明によって熟考された使用のために同等であり、そして本発明の範囲内にあることを目的とされている。
本発明の所定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有し;ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体及び個々の異性体は全て本発明の範囲内に含まれていていることが目的とされている。
本発明の化合物は、かかる化合物を構成する1又は複数の原子において天然にはない割合で同位体原子を含んでも良い。例えば、化合物は放射性同位体されていて良く、トリチウム(3H)、ヨウ素−125(125I)又は炭素−14(14C)で放射性標識で良い。本発明の化合物の全ての同位体変化物(isotopic variations)は、放射活性が有ろうが無かろうが、本発明に包含されることを目的としている。
本発明の化合物は、任意の適切な手段によって調製されて良く;下の節の例を参照のこと。その全ては、記載されている。例えば、本発明において有用な所定の化合物を調製するための方法は、米国特許第6,113,918号;October 12,1998年10月12日)中に記載されている。更に、他の化合物はJohnson,ら,J.Med. Chem.vol.42:pp.4640〜4649(1999),Johnsonら,Bioorg.Med.Chem.Lett.vol.9:pp.2273〜2278(1999)、及びPCT/US98/50399(WO98/50399、1998年11月12日)に概略が示された方法を使用することで調製されて良い。一般に、上記合成方法参照を示し、そして当業界で慣用の他の合成方法は本来、これらの化合物を調製するため広く適用可能である。例えば、様々なアシル基及び置換基を有する化合物を調製することにおいて、当業者は、そこに記載されている収束的な方法は、代わりのアシル化剤を使用するために変更が加えられて良い、又は適切なアシル基が結合した市販されて入手可能な物質で開始されて良いことを理解するだろう。
免疫反応を誘引する又は増強するための組成物において、本発明の化合物は、恒温動物の例えば、ヒトに対して、タンパク質もしくはポリペプチド抗原又はあるタンパクもしくはポリペプチドの抗原を発現するポリヌクレオチドと共に投与されて良い。所望の反応を誘引するために投与される抗原の量は、当業者によって容易に特定されて良く且つ投与される抗原の種類、投与の経路及び免疫化の計画によって変わるだろう。
本発明の化合物は、下に記載のように、本発明の化合物は、非特異的な抵抗効果による即時保護を誘引するために、外来抗原を伴わずに投与されて良く;Persingら,WIPO刊行物WO01/90129(2001年11月29日)を参照のこと。非特異的抵抗を刺激する能力及び/又はアジュバント効果を誘引する能力を有する化合物は、迅速ワクチン製剤において使用されて良い。抗原を伴い本発明の化合物を投与することにより、3〜4週間以内で後天的な粘膜免疫反応がもたらされる。かかる化合物を例えば鼻腔経路を通じて4週間に渡り投与することで、迅速且つ慣用できる保護が供されるだろう。それは、最初の先天性免疫反応によって供される保護と、注目の抗原に対して後天的に獲得された免疫反応によって供された保護を組み合わせることによる。
本発明の化合物は、本発明のある用途のための最も適した特徴を有するものを同定して選択するために様々なアッセイ形態において評価されて良い。例えば、動物モデルは、本発明の化合物の投与後に、全身循環に入るサイトカイン放出プロファイルを同定及び評価するために使用されて良い。加えて、様々なin vitro及びin vivoモデルが、注目の特異的な免疫反応を誘発するために最も適した化合物を同定するため、様々な抗原成分に対する免疫反応の1又は複数の観点における変化を調べるために存在する。例えば、化合物は、標的細胞の例えば、マクロファージ、樹状細胞又はランゲルハンス細胞とin vitroで接触させられて良く、そして生産されたサイカインが測定されて良い。加えて、遺伝子発現アレーは、注目の特定の化合物によって活性化又は阻害された特異的な経路を同定するために使用されて良い。
サイトカイン誘導/生産は、ヒトの血液及び/又は細胞を本発明の化合物で処理してELISA(R&D Systems)によって誘導を測定することを使用して特定されて良い。かかる方法は、誘導がトールレセプター依存性であるかどうかを特定するためにも使用されて良い。本発明の化合物を投与した後の細胞傷害性Tリンパ球反応は、51Crベースの細胞傷害アッセイによって特定されて良い。もし望まれれば、本発明の化合物の性能は、このことに関して有効であることが知られている他の化合物の例えば、脂質A、MPL、AGPなどと比較されて良い。加えて、本発明の化合物は、1もしくは複数のアジュバント及び/もしくは免疫調節物質との相乗効果を確認するために組み合わせにおいて評価されて良い(例えば、US特許第:6,303,347号及び6,113,918号、及びWO01/90129(2001年11月29日刊行を参照のこと)。
動物モデルの例えば、マウスインフルエンザチャレンジモデル及びマウスリステリアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)チャレンジモデルは、アジュバント及び免疫調節物質活性を評価するために有用である。手短に化合物が投与され、しかる後に、インフルエンザ又はL.モノサイトゲネスチャレンジが行われる。疾患の指標(毛並みの逆立ち、猫背及び荒い息づかい)、体重減少及び死亡がインフルエンザの場合に又はL.モノサイトゲネスの場合の処理/未処理マウスの脾臓におけるコロニー形成単位が、本発明の化合物を投与したことによって供される保護を示すとしてモニタリングされている(例えば、WO01/90129(2001年11月29日に刊行))。
本明細書中に記載されている場合、用語「ポリペプチド」とは、その常用の意味において、即ち、アミノ酸の配列として使用されている。ポリペプチドは、特異的な長さの産物に限定されておらず;従って、ペプチド、オリゴペプチド、及びタンパク質がポリペプチドの定義内に含まれており、そしてかかる用語は、本明細書中、他で断りがない限り同義語として使用されて良い。この用語は、天然に生じる及び非天然に生じるポリペプチドの発現後修飾、例えば、糖化、アセチル化、リン酸化など、並びに当業界で公知の他の修飾を意味せず又は除外することはない。ポリペプチドは、タンパク質全体を、又はそのサブ配列であって良い。本発明の背景における注目の特定のポリペプチドは、エピトープ、即ち、ポリペプチドの免疫特性の実質上の原因となる抗原決定基を含んで成り且つ免疫反応を起こすことができるアミノ酸配列である。
本発明において有用なポリペプチドは、本明細書中、時々、腫瘍タンパク質又は腫瘍ポリペプチドと呼ばれており、何故ならそれらを同定することは少なくともある部分において、それらの腫瘍サンプル中での発現量の増加に基づいているからである。従って、「腫瘍ポリペプチド」又は「腫瘍タンパク質」とは、一般に、本発明のポリペプチド配列、又はかかるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列であって、腫瘍サンプルの実質的な割合、例えば、試験される腫瘍サンプルの好適に約20%超、一層好適に約30%超、そして最も好適には50%以上において発現しているポリヌクレオチド配列を意味する。そしてその量は、本明細書中に供された代表的なアッセイを使用することで特定した場合、正常な組織中での発現量の2倍以上、そして好適には5倍以上の量である。
所定の好適な実施態様において、本発明のポリペプチドは、免疫源性であり、即ち、それらは、免疫アッセイ(例えば、ELISA又はT細胞刺激アッセイ)において検出可能なように、ガン患者由来の抗血清及び/又はT細胞と反応する。免疫源活性のスクリーニングは、当業者に公知の方法を使用することで行われ良い。例えば、かかるスクリーニングは、Harlow及びLane, Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988などに記載の方法を使用することで行われ良い。1つの代表的な例において、ポリペプチドは固層支持体上に固定化されて患者血清と接触され、当該血清内の抗体が、固定化されたペプチドに対して結合可能になって良い。次いで、結合しなかった血清は取り除かれ、そして結合した抗体が、例えば、125I標識したタンパク質Aを使用することにより検出される。
当業者によって認識されるように、本明細書中に開示されたポリペプチドの免疫源性部分も本発明によって包含されている。「免疫源性部分」とは、本明細書中で記載されている場合、本発明の免疫源性ポリペプチドの断片であり、それ自身、当該ポリペプチドを認識するB細胞及び/又はT細胞表層抗原レセプターと免疫学的に反応性(即ち、特異的に結合する)である。免疫源性部分は、一般に当業者に周知の技術を使用することで同定されて良く、例えば、それは、Paul, Fundamental Immunology,第3版,pp.243〜247(Raven Press,1993)及び本明細書中に引用されているものである。かかる技術には、抗原特異的抗体、抗血清及び/又はT-細胞系統もしくはクローンと反応する能力についてポリペプチドをスクリーニングすることが挙げられる。本明細書中で使用されている場合、抗血清及び抗体は、もしそれらが抗原に対して特異的に結合するなら「抗原特異的」(即ち、それらは、ELISA又は他の免疫アッセイにおいてタンパク質と反応し、関連のないタンパク質とは検出可能な程度には反応しない)である。かかる抗血清及び抗体は、本明細書中に記載のように、そして当業界で周知の技術を使用することで調製されて良い。
1つの好適な実施態様において、本発明のポリペプチドの免疫源性部分とは、完全長ポリペプチドの活性よりも実質的に低くはないレベルで抗血清及び/又はT細胞と反応する(例えば、ELISA及び/又はT細胞反応アッセイ)部分である。好適に、免疫源性部分の免疫源活性のレベルは、完全長ポリペプチドの免疫源性レベルの約50%以上、好適には約70%以上、そして最も好適に約90%以上である。いくつかの場合、好適な免疫源性部分は、同定され、対応する完全長ポリペプチドよりも大きなレベルの免疫源活性、例えば、約100%又は150%以上の免疫源活性を有するだろう。
所定の他の実施態様において、免疫源性部分の例として、N−末端リーダー配列及び/又は膜貫通ドメインが欠失しているポリペプチドが挙げられる。他の例となる免疫源性部分は、小N−末端及び/又はC−末端欠失(例えば、1〜30個のアミノ酸、好適には5〜15個のアミノ酸)、を成熟タンパク質に比較して含むだろう。
他の実施態様において、本発明のポリペプチド組成物は、本発明のポリペプチド、特に本明細書中に開示したアミノ酸配列を有するポリペプチド、又はその免疫源性断片又はその変異体に対して生じたT細胞及び/又は抗体と免疫学的に反応性である1又は複数のポリペプチドをも含んで成りうる。
本発明の他の実施態様において、ポリペプチドが提供されており、それは、本明細書中で記載されている1又は複数のポリペプチド、本明細書中に開示されたポリヌクレオチド中に含まれた連続核酸配列によってコードされた1又は複数のポリペプチド、又はそれらの免疫源性断片もしくは変異体と免疫学的に反応性であるT細胞及び/もしくは抗体を誘引することができる1又は複数のポリペプチドを含んで成る。
ポリペプチドは、シグナル(又はリーダー)配列をタンパク質のN−末端に含んで成って良く、それは翻訳と共に又は翻訳後にタンパク質の移動を指示する。前記ポリペプチドは、ポリペプチド(例えば、ポリHis)の合成、精製もしくは同定の簡単のために、又はポリペプチドが固層支持体に対して結合することを増強させるためにリンカーもしくは他の配列に対して結合させられていて良い。例えば、ポリペプチドは、免疫グロブリンFc領域に対して結合させられて良い。
他の実施態様の例において、ポリペプチドは、本明細書中に記載の多数のポリペプチドを含んで成る、又は本明細書中に記載のポリペプチド及び無関係の例えば、腫瘍タンパク質として公知の配列を1つ以上含んで成る融合ポリペプチドであって良い。融合パートナーは、例えば、Tヘルパーエピトープ(免疫学的融合パートナー)、好適には、ヒトによって認識されるTヘルパーエピトープを提供することを助けうる、又は天然組み換えタンパク質よりも高い収率でタンパク質(発現エンハンサー)を発現することを助けうる。所定の好適な融合パートナーは、免疫学的且つ発現増強性融合パートナーである。他の融合パートナーは、ポリペプチドの溶解度を高めるように又は当該ポリペプチドが所望の細胞内区画を標的とするように選択されて良い。尚、更なる融合パートナーとしては、ポリペプチドの精製を促すアフィニティータグが挙げられる。
融合ポリペプチドは一般に、標準的な技術、例えば、化学的結合を使用することで調製されて良い。好適に、融合ポリペプチドは、非融合ポリペプチドに比べて、発現系において生産レベルを増加させる組み換えポリペプチドとして発現されている。簡潔に、ポリペプチド成分をコードするDNA配列は、個別に集成され、そして適切な発現ベクター中へとライゲーションされて良い。あるポリペプチド成分をコードするDNA配列の3'末端は、ペプチドリンカーの有無で、第二のポリペプチド成分をコードするDNA配列の5'末端へと結合され、従って、当該配列のリーディングフレームはインフェーズ(in phase)であって良い。このことにより、両方の成分ポリペプチドの生物活性を維持する単一の融合ポリペプチドへの翻訳が可能になる。
ペプチドリンカー配列は、各ポリペプチドを二次及び三次構造へと折りたたむことを確実にする十分な距離で、第1及び第2のポリペプチド成分を、遠ざけるために使用されて良い。かかるペプチドリンカー配列は、当業界で周知の標準的な技術を使用することで融合ポリペプチドへと組み込まれて良い。適切なペプチドリンカー配列は、次のような因子に基づいて選択されて良い。その因子とは:(1)柔軟に延びたコンフォメーションをとるためのそれらの能力;(2)二次構造を第一及び第二ポリペプチド上の機能的エピトープと反応することができるようにできないそれら不能性;並びに(3)ポリペプチド機能性エピトープと反応しうる疎水性残基又は電荷を帯びた残基の欠如である。好適なペプチドリンカー配列は、Gly、Asn及びSer残基を含む。他のほぼ中性のアミノ酸の例えば、Thr及びAlaもリンカー配列中で使用されて良い。リンカーとして有用に使用されて良いアミノ酸配列は、Marateaら,Gene vol.40:pp.39〜46,1985;Murphyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol.83:pp.8258〜8262,1986;米国特許第4,935,233号及び米国特許第4,751,180号に開示されているものである。リンカー配列は、一般に長さ約1〜50アミノ酸である。リンカー配列は、第一及び第二ポリペプチドが、機能的ドメインを分離するため及び立体的干渉を防止するために使用されて良い非必須N末端アミノ酸領域を有する場合には、必要とされない。
ライゲーションされたDNA配列は、適切な転写又は翻訳調節エレメントに対して作用可能式に結合する。DNAの発現の原因となる調節エレメントは、第一ポリペプチドをコードするDNA配列に対して5’側にのみ位置している。類似して、翻訳を終了させるために必要となるストップコドン及び転写終結シグナルは、第二のポリペプチドをコードするDNA配列に対して3’側にのみ存在している。
融合ポリペプチドは、本明細書中に記載のように、ポリペプチドを非類縁の免疫源性タンパク質の例えば、リコール反応を誘導できる免疫源性タンパク質と一緒に含んで成ることができる。かかるタンパク質の例としては、破傷風、結核及び肝炎タンパク質である(例えば、Stouteら,New Engl. J Med.,vol.336:pp.86〜91,1997を参照のこと)。
1つの好適な実施態様において、免疫融合パートナーは、マイコバクテリウム種(Mycobacterium sp.)の例えば、マイコバクテリウム・ツベロクロシス(Mycobacterium tuberculosis)が誘導したRa12断片が挙げられる。Ra12組成物及びそれらを、異種ポリヌクレオチド/ポリペプチド配列の発現及び/又は免疫源性を増強することにおいて使用するための方法は、米国特許出願60/158,585号に記載してある。簡潔に、Ra12とは、マイコバクテリウム・ツベロクロシスMTB32A核酸の配列であるポリヌクレオチドの領域を意味する。MTB32Aは、Mツベロクロシスの毒性及び無毒性株によってコードされる分子量32KDのセリンプロテアーゼである。MTB32Aのヌクレオチド配列及びアミノ酸配列は、(例えば、米国特許出願60/158,585に;そしてまた、Skeikyら,Infection and Immun.(1999)vol.67:pp.3998〜4007を参照のこと)。MTB32Aコーディング配列のC末端断片は、高レベルで発現し且つ精製法全体に通して可溶性ポリペプチドとして維持される。更に、Ra12は、それが融合する異種免疫源性ポリペプチドの免疫源性を増強しうる。1つの好適なRa12融合ポリペプチドは、MTB32Aの192〜323番目のアミノ酸残基に対応する14KDのC末端断片を含んで成る。他の好適なRa12ポリヌクレオチドは、一般に、Ra12ポリペプチドの部分をコードする約15個以上の連続するヌクレオチド、約30個以上のヌクレオチド、約60個以上のヌクレオチド、約100個以上のヌクレオチド、約200個以上のヌクレオチド、又は約300個のヌクレオチドを含んで成る。Ra12ポリヌクレオチドは、天然配列(即ち、Ra12ポリペプチド又はその部分をコードする内因性配列)を含んで成って良く又はかかる配列の変異体を含んで成って良い。Ra12ポリヌクレオチド変異体は、天然Ra12ポリペプチドを含んで成る融合ポリペプチドに対して、コードされる融合ポリペプチドの生物活性が実質上低下しないような1又は複数の置換、付加、欠失及び/又は挿入を含む。変異体は好適に、天然Ra12ポリペプチド又はその部分をコードするポリヌクレオチド配列に対して、約70%の同一性を有し、一層好適には、約80%以上の同一性を有し、そして最も好適には約90%以上の同一性を有する。
他の好適な実施態様内で、免疫源性融合パートナーは、タンパク質D、即ちグラム陰性細菌ハエモフィルスインフルエンザエ(Haemophilus influenza B)に由来する(WO 91/18926)。好適に、タンパク質D誘導体は、前記タンパク質の1/3(例えば、第一N末端の100〜110個のアミノ酸)を含んで成り、そしてタンパク質D誘導体は、脂質化されて良い。所定の好適な実施態様内で、リポタンパク質D融合パートナーの最初の109個の残基は、更なる外因性T細胞エピトープを有するポリペプチドを提供し且つ大腸菌中での発現量を増やすために、N末端に含まれている(従って、発現エンハンサーとして機能する)。脂質尾部は、抗原提示細胞に対して抗原の最適な提示を確実にさせる。他の融合パートナーとしては、インフルエンザウィルスNS1に由来する非構造性タンパク質(ヘマグルチニン)が挙げられる。典型的に、N末端の81個のアミノ酸が使用されているが、Tヘルパーエピトープを含む様々な断片も使用されて良い。
他の実施態様において、免疫融合パートナーは、LYTAとして知られているタンパク質、又はその部分(好適に、C末端部分)である。LYTAはストレプトコッカス・ヌーモニアエ(Streptococcus pneumoniae)に由来し、それはアミダーゼLYTA(LytA遺伝子によってコードされる;Gene vol.43:pp.265〜292,p.986)として公知のN−アセチル−L−アラニンアミダーゼを合成する。LYTAは、ペプチドグリカン骨格中の所定の結合を特異的に分解する自己溶解酵素である。LYTAタンパク質のC末端ドメインは、コリン又はDEADなどのコリン類似物に対する親和性の原因である。この特性は、融合タンパク質の発現のために有用な大腸菌C−LYTA発現プラスミドを開発するために使用されてきた。C−LYTA断片をアミノ末端に含むハイブリッドハイブリッドタンパク質の精製が記載されている(Biotechnologyを参照のことvol.10:pp.795〜798,1992)。好適な実施態様内で、LYTAのリピート部分は、融合ポリペプチド中へと導入されて良い。リピート部分は、178番目の残基で始まるC末端領域で発見される。特に好適なリピート部分は188〜305番目の残基を導入する。
更に他の例示となる実施態様は、融合ポリペプチド、及びそれらをコードするポリヌクレオチドを含み、ここで前記融合パートナーは、米国特許5,633,234号に記載のように、ポリペプチドをエンドソーム/リソソーム区画へと向けることができるターゲッティンングシグナルを含んで成る。本発明の免疫源性ポリペプチドは、このターゲティングシグナルと融合された場合、一層効率的にMHCクラスII分子と結合し、それによって当該ポリペプチドに対するT細胞特異性のin vivo刺激の増強を供するだろう。
本発明のポリペプチドは、様々な周知の合成及び/又は組み換え技術を使用することで調製されて良い。一般に約150アミノ酸未満のポリペプチド、部分及び他の変異体は、当業者に周知の技術を使用することで合成によって調製されて良い。例示的な例において、かかるポリペプチドは、商業上入手可能な固層合成技術、例えば、アミノ酸が連続的に付加されてアミノ酸鎖が成長するMerrifieldの固層合成(See Merrifield, J. Am. Chem. Soc.vol.85:pp.2149〜2146,1963)を使用することで合成されて良い。ポリペプチドを自動合成するための装置は、例えば、PerkinElmer/Applied BioSystems Division (Foster City,CA)から入手可能であり、製造説明書に従い操作されて良い。
一般に、本発明のポリペプチド組成物(融合ポリペプチド)が単離されている。「単離されたポリペプチド」は、それの本来の環境から取り出されている。例えば、天然に生じるタンパク質又はポリペプチドは、天然の系において共存する物質のいくつか又は全てからそれが分離されていれば、単離される。好適に、かかるポリペプチドは、精製されても良く、例えば、約90%以上純粋で、一層好適には約95%以上純粋で、そして最も好適には約99%以上純粋で精製されても良い。
本発明は、他の観点において、本明細書中上に開示したようなポリペプチド抗原をコードするポリヌクレオチド含んで成る化合物を提供する。用語「DNA」及び「ポリヌクレオチド」は、本明細書中、特定の種のゲノム全DNAを含まず単離されたDNA分子を意味するために同義語として使用されている。「単離」とは、本明細書中で使用された場合、ポリヌクレオチドが他のコーディング配列とは実質上別であること、そしてDNA分子が例えば、染色体断片又は他の機能的遺伝子もしくはポリペプチドコーディング領域など関係のないコーディングDNAの巨大な部分を含まないことを意味する。当然、これは最初に単離されたDNA分子を意味し、ヒトの手によって所定のセグメントに対して後生的に付加された遺伝子又はコーディング領域を排除しない。
ポリヌクレオチドは、天然の配列(即ち、本発明のポリペプチド/タンパク質又はその一部をコードする内因性配列)を含んで成って良い又はかかる配列の変異体もしくは誘導体、好適には免疫源性変異体もしくは誘導体をコードする配列を含んで成って良い。典型的に、ポリヌクレオチド変異体は、1又は複数の置換、付加、欠失及び/又は挿入を含むだろうし、従って、好適には、変異体ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの免疫原性は、本明細書中詳細に開示されているポリヌクレオチド配列によってコードされたポリペプチドと比べて実質上減少していることはない。用語「変異体」とは、異種起源の相同遺伝子を包含するとも解されるべきである。
所定の好適な実施態様において、上記ポリヌクレオチド、例えば、ポリヌクレオチド変異体、断片及びハイブリダイズする配列は、本明細書中上に開示された抗原性又は免疫源性ポリペプチドと免疫学的交差反応性があるポリペプチドをコードする。他の好適な実施態様において、かかるポリヌクレオチドは、本明細書中に開示された特異的なポリペプチド配列と約50%以上、好適には約70%以上、そして一層好適には約90%以上の免疫源性活性のレベルを有するポリペプチドをコードする。
本発明のポリヌクレオチド、又はその断片は、コーディング配列それ自身の長さに関わらず、他のDNA配列、例えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、更なる制限酵素部位、マルチクローニングサイト、他のコーディングセグメントと組み合わされて良く、従ってそれらの全体の長さは非常に多彩になりうる。従って、ほぼ全長の核酸断片が使用されて良いことが考えられて良く、そして全長は好適に、意図した組み換えDNAプロトコールにおける調製及び使用の容易さによって限定されて良い。例えば、全長約10,000、約5000、約3000、約2,000、約1,000、約500、約200、約100、約50bp長(全ての中間の長さを含む)などの例示的なポリペプチド断片が、本発明の多くの実施において有用であると熟考されている。
本発明のポリヌクレオチド組成物は、十分に確立された様々な方法を使用することで、同定、調製及び/又は操作されて良い(例えば、一般に、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, Cold Spring Harbor, NY,1989などを参照のこと)。例えば、ポリヌクレオチドは、下に詳細が記載されているように、腫瘍に関連した発現(即ち、本明細書中に供された代表的なアッセイを使用することで特定した場合、腫瘍中では正常な組織よりも2倍以上多い発現)のcDNAsのマイクロアレーをスクリーニングすることによって同定されて良い。かかるスクリーニングは、例えば、Affymetrix, Inc.(Santa Clara, CA)のマイクロアレー技術を製造説明書に従って使用することで(Schenaら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol.93:10614〜10619,1996及びHellerら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol.94:2150〜2155,1997に記載されて)行われて良い。代わりに、ポリヌクレオチドは、腫瘍細胞など、本明細書中に記載のタンパク質を発現する細胞から調製したcDNAから増幅されて良い。
多くの鋳型依存性方法が、サンプル中に存在する注目の標的配列を増幅するために入手可能である。最も公知の増幅方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR(登録商標))であり、それは米国特許第4,683,195号、第4,683,202号及び4,800,159号に詳細が記載されている。簡潔に、PCR(登録商標)において、2つのプライマーの配列は、標的配列に相対する相補鎖に対して相補的であるように調製されている。過剰のデオキシヌクレオシド三リン酸がDNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)と共に反応混合物に対して加えられている。もし標的配列が、サンプル中に存在すれば、プライマーは、標的に結合するだろうし、そしてポリメラーゼは、プライマーがヌクレオチドを付加することによって標的配列に沿って伸長するようにするだろう。反応混合物の温度を上昇又は低下させることによって、伸長したプライマーは、標的配列から解離して、反応産物を形成し、過剰のプライマーが標的及び反応産物に対して結合し、そしてこの過程が繰り返されるだろう。好適に、逆転写及びPCR(登録商標)増幅手順は、増幅されたmRNAの量を定量するために行われて良い。ポリメラーゼ連鎖反応方法は、当業者に周知である。
任意の他の鋳型依存性方法であって、それらの多くはPCR増幅技術の変法である方法は、当業界で容易に知られ且つ使用可能である。例示的に、かかる方法には、リガーゼ鎖反応(LCRと呼ばれている)、(例えば、ヨーロッパ特許出願第320,308号及び米国特許4,883,750号); Qβレプリカーゼ(PCT国際特許出願公開PCT/US87/00880中に記載されている);標準置換増幅(SDA)及び鎖修復反応(RCR)が挙げられる。更に他の増幅方法は、英国特許出願第2,202,328号及び、PCT国際特許出願公開PCT/US89/01025に記載されている。他の核酸増幅手順はとしては、転写に基づく増殖系(TAS)(PCT国際特許出願公開WO88/10315)の、例えば、酢酸配列ベースの増幅(NASBA)及び3SRが挙げられる。ヨーロッパ特許出願公開329,822は、一本鎖RNA(「ssRNA」)、ssDNA、及び二本鎖DNA(dsDNA)を繰り返し合成することを伴う核酸増殖方法を記載する。PCT国際特許出願公開WO89/06700 は、標的一本鎖DNA(「ssDNA」)に対してプロモーター/プライマー配列をハイブリダイズさせ、しかる後に当該配列の多くのRNAのコピーの転写をすることに基づく核酸配列増幅スキームを記載する。他の増幅方法の、例えば「RACE」(Frohman,1990)、及び「ワンサイドPCR」(Ohara,1989)が当業者に周知である。
本発明のポリヌクレオチドの増幅した部分は、当業者に周知の技術を使用することで適切なライブラリー(例えば、腫瘍cDNAライブラリー)から完全長遺伝子を単離するために使用されて良い。かかる技術内で、ライブラリー(cDNA又はゲノム)は、1もしくは数個のポリヌクレオチドプローブ又は増幅に適したプライマーを使用することでスクリーニングされて良い。好適に、ライブラリーは、より大きな分子を含まるためにサイズが選択されている。ランダムプライムライブラリーも、遺伝子の5’及び上流領域を同定するために好適である。ゲノムライブラリーは、イントロン及び伸長する5’配列を獲得するために好適である。
ハイブリダイゼーション技術に関して、当業者に周知の方法を使用することで部分的配列が標識(例えば、ニックトランスレーション又は32Pで末端標識する)されて良い。次いで、細菌又はバクテリオファージライブラリーは一般に、プローブで標識した変性細菌コロニーを含むフィルターをハイブリダイズさせることによってスクリーニングされる(又はファージプラークを含むローン(lawns))(Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, Cold Spring Harbor,NY,1989を参照のこと)。コロニー又はプラークをハイブリダイズさせることが選択されて展開され、DNAは更なる分析のために単離される。cDNAクローンは、更なる配列の量を特定するために、例えば、部分配列に由来するプライマー及びベクターに由来するプライマーを使用するPCRによって分析されて良い。制限地図及び部分配列は、1又は複数のオーバーラップするクローンを同定するために生じさせられて良い。次いで完全配列が、標準的な技術を使用することで特定されて良く、その技術は、一組の欠失クローンを生じさせることを伴いうる。次いで、生じるオーバーラップ配列は、単一の連続配列へと集成されて良い。完全長cDNA分子は、周知の技術を使用することで、適切な断片をライゲーションすることよって生じさせられて良い。
代わりに、上記の増幅技術は、部分的cDNA配列から完全長コーディング配列を獲得するために有用でありうる。かかる増幅技術の1つは、逆PCR(Trigliaら, Nucl.Acids Res.vol.16:p.8186,1988)であり、それは、既知の領域における遺伝子の断片を生じさせるために制限酵素を使用する。次いで、この断片は、分子間結合によって環状化され既知の領域に由来する多岐のプライマーによるPCRのための鋳型として使用される。代わりの方法において、部分的配列隣接する配列は、リンカー配列に対するプライマー及び既知の領域に対して特異的なプライマーによる増幅によって回収されて良い。増幅された配列は典型的に、既知領域に対して特異的な第二プライマー及び同リンカープライマー及びによる第二周目の増幅に委ねられる。この方法に対する変形は(既知の配列から、反対の方向で伸長を開始する2つのプライマーを使用する)WO 96/38591に記載されている。他のかかる技術は、「cDNA末端の迅速な増幅」又はRACEとして公知である。 この技術は、内部プライマー及び外部プライマーの使用を伴い、それは、ポリA領域又はベクター配列に対してハイブリダイズし、既知配列の5’及び3'である配列を同定する。更なる技術には、キャプチャーPCR(Lagerstromら,PCR Methods Applic.vol.1:pp.111〜19,1991)及びウォーキングPCR(Parkerら,Nucl. Acids. Res.vol.19:pp.3055〜60,1991)が挙げられる。増幅を使用する他の方法も、完全長cDNA配列を獲得するために使用されて良い。
所定の場合、完全長cDNA配列を、GenBankなどから入手可能である発現配列タグ(EST)データベース中に提供されている配列の分析によって入手可能である。オーバーラップするESTに関するサーチは、一般に、周知のプログラム(例えば、NCBI BLAST サーチ)を使用することで行われて良く、そしてかかるESTは、連続する完全長配列を生じさせるために使用されて良い。完全長DNA配列は、ゲノム断片の分析によって獲得されて良い。
本発明の他の実施態様において、ポリヌクレオチド配列又はその断片(本明細書中上に開示したポリペプチド、又は融合タンパク質もしくはその機能的同等物をコードする)は、適切な宿主細胞中のポリペプチドの発現を指示するために組み換えDNA分子中で使用されて良い。遺伝コードの固有の縮重により、実質上同じ又は機能的に同等なアミノ酸配列をコードする他のDNA配列が生産されて良く、そしてこれらの配列は、あるポリペプチドをクローニング及び発現させるために使用されて良い。
所望のポリペプチドをコードする配列は、全体又はある部分において、当業者に周知の方法を使用することで合成されて良い(例えば、M.H.ら(1980)Nucl. Acids Res. Symp. Ser.pp.215〜223, Horn, Tら(1980)Nucl. Acids Res.Symp.Ser.pp.225〜232を参照のこと)。
所望のポリペプチドを発現させるために、当該ポリペプチド、又は機能的同等物をコードするヌクレオチド配列が適切な発現ベクター中、即ち、挿入されたコーディング配列の転写及び翻訳のために必須のエレメントを含むベクター中に挿入されて良い。当業者に周知の方法も、注目のポリペプチドをコードする配列及び適切な転写及び転写コントロールエレメントを含む発現ベクターを構築するために使用されて良い。これらの方法としては、in vitro組み換えDNA技術、合成技術、及びin vivo 遺伝子組み換えが挙げられる。かかる技術は、例えば、Sambrook,J.ら、(1989)Molecular Cloning,A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Plainview, N.Y.及びAusubel,F.M.ら(1989)Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley及びSons, New York. N. Y.に記載されている。
発現ベクター中の「コントロールエレメント」又は「調節配列」は、ベクターの非転写領域のもの即ち、エンハンサー、プロモーター、5'及び3'非転写領域であり、それらは転写及び翻訳を行うために宿主細胞タンパク質と相互作用する。かかるエレメントは、それらの強度及び特異性において多彩である。使用されるベクター系及び宿主に依存して、任意の数の適切な転写及び翻訳エレメントの例えば、構造性及び誘導性プロモーター、が使用されて良い。
哺乳類細胞において、多くのウィルスベースの発現系が一般に使用可能である。例えば、アデノウィルスが発現ベクターとして使用される場合、注目のポリペプチドをコードする配列が、後期プロモーター及び三者リーダー配列からなるアデノウィルス転写/翻訳複合体中へとライゲーションされて良い。ウィルスゲノムの非必須E1又はE3領域中への挿入が、ウィルスが感染した宿主中でポリペプチドを発現することができる生ウィルスを獲得するために使用されて良い(Logan,J.及びShenk,T.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.vol.81:pp.3655〜3659)。加えて、転写エンハンサーの、例えば、ラウス肉腫ウィルス(RSV)エンハンサーが哺乳類宿主細胞中での発現を増やすために使用されて良い。
特異的開始シグナルが、注目のポリペプチドをコードする配列のより一層の効率的転写を達成するために使用されても良い。かかるシグナルとしては、ATG開始コドンと隣接する配列を含む。前記ポリペプチドをコードする配列の場合、その開始コドン、及び上流配列は、適切な発現ベクター中に挿入され、更なる転写又は翻訳コントロールシグナルは不要でありうる。しかしコーディング配列のみ、又はその部分が挿入されている場合、外因性翻訳制御シグナルの例えば、ATG開始コドンが提供されているべきである。更に、開始コドンは、挿入物の全体的な翻訳を確実にするために、正確に読み枠内にあるべきである。外因性翻訳エレメント及び開始コドンは様々な起源のものであって良く、天然及び合成のものであって良い。発現の効率は、刊行物中(Scharf,D.ら、(1994)Results Probl.Cell Differ.vol.20: pp.125〜162)中に記載の特定の細胞系のために適切であるエンハンサーの導入によって増強されて良い。
産物に対して特異的であるポリクローナル又はモノクローナル抗体のいずれかを使用することで、ポリヌクレオチドがコードした産物の発現を検出及び測定するための様々なプロトコールが当業界で公知である。例としては、酵素結合した型免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、及び蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)が挙げられる。
あるペプチド上での干渉しない2つのエピトープに対して反応性であるモノクローナル抗体を使用するツーサイトモノクローナルベース免疫アッセイがいくつかの用途のために好適でありうるが、競合的結合アッセイも使用されて良い。これら及び他のアッセイが記載されており、とりわけ、Hampton,Rら(1990;Serological Methods, a Laboratory Manual, APS Press, St Paul.Minn.)及びMaddox,D.E.ら(1983;J.Exp.Med.vol.158:pp.1211〜1216)に記載されている。
医薬組成物及び方法
もし所望されれば、本明細書中で開示されている化合物は、他の治療モダリティー、例えば、抗微生物、抗ウィルス及び抗真菌化合物又は治療の、様々なDNAベースの治療、RNAベースの治療、ペプチドベースの治療及び/又は他の免疫効果物質との組み合わせにおいて投与されて良い。実際に、本質的に他の成分も含まれて良く、もし、更なる1又は複数の成分が、標的細胞又は宿主組織と接触することによって有意に有害な効果を生じないならば、含まれて良い。従って、組成物は、本発明の他の1又は複数の特異的な実施態様が行われるために所望な又は必要な、様々な他の剤と共にデリバリーされて良い。例として、本発明の医薬組成物は、1又は複数の治療タンパク質、アンチセンスRNA、リボザイムなどコードするDNAを含んで良い、又はそれら共に使用されて良い。
1つの観点において、それらを含んで成る本発明の化合物及び組成物は、アジュバントを供するため又は抗原の効果を増強するため、即ち患者又は対象者の免疫反応を増強するために抗原と一緒に投与されて良い。他の観点において、本発明の化合物及び組成物は、外因性抗原の不在の下で、化合物自身の治療効果のために投与されている。
化合物又は組成物が外因性抗原を伴わずに投与されている他の観点において、本発明は、真核生物対象者、特に動物、好適には、ヒトにおける感染性疾患を治療、改善及び/又は実質的に予防する方法を供する。微生物チャレンジに対する先天性免疫反応におけるTLR介在シグナル伝達の重要性を考えれば、かかる経路を選択的に刺激する能力及び毒性が最小であることは、様々な感染因子に対する予防及び/又は治療処置モダリティーに関する有力な方法である。
本明細書中に記載の方法は、本質的に全ての種類の感染因子、例えば、細菌、ウィルス、寄生生物及び真菌に対して適用可能である。例として、本発明は、シュードモナス(Pseudomonas)、エシェリキア(Escherichia)、クレブシエラ(Klebsiella)、エンテロバクター(Enterobacter)、プロテウス(Proteus)、セラチア(Serratia)、カンジダ(Candida)、スタフィロコクチ(Staphylococci)、ストレプトコクチ(Streptococci)、クラミジア(Chlamydia)、マイコプラズマ(Mycoplasma)など多くの種による細菌感染症の予防及び/又は治療処置のために有用である。本発明により治療されて良いウィルス条件の例は、インフルエンザウィルス、アデノウィルス、パラインフルエンザウィルス、ライノウィルス、呼吸器系シンシチウムウィルス(RSV)、ヘルペスウィルス、サイトメガロウィルス、肝炎ウィルスの例えば、B型肝炎ウィルス及びC型肝炎ウィルスなどが挙げられる。例となる真菌としては、アスペルジルス(Aspergillis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、クリプトコッカス・ネオホルマン(Cryptococcus neoformans)、コクシジオイデス・イミタス(Coccidioides immitus)などが挙げられる。
1つの例となる実施態において、本発明は、対象者、特に院内細菌及びウィルス感染症などの感染症を発病している又は発病する危険性がある免疫不全対象者の治療を供する。毎年、約4千万人の入院患者うち2百万人が入院中に院内感染症を発病し、そしてそのうちの1%又は約400,000人が院内肺炎を生じ、そのうちの7000人超が死ぬ。このことにより、院内肺炎は病院内で後天的に獲得した感染症が死亡の原因をもたらすことを認識させた。従って、この実施態様は、院内感染症の治療における有効な予防方法のために有意な必要性を満たす。
関連する実施態様において、本発明は、日和見感染又は抑制されているもしく潜在する感染症の再活性化のいずれかにより院内肺炎を発病している又は発病する危険性がある免疫不全患者、例えばHIV陽性患者の予防治療のための方法を供する。1992年には、米国単独で、AIDS患者においてニューモシチスカリニ(Pneumocytis carinii)感染症が20,000例報告されている。更に、AIDS患者の60〜70%が、彼らが不健康な間、時々、P.カリニに感染する。従って、この環境下で、本発明は、このような危険にある人々のための有効な予防方法を供する。
他の関連する実施態様において、本発明の方法は、免疫不全でありうる及び/又は感染症を発病する危険がある他の患者集団の例えば、のう胞性繊維症、慢性閉塞性肺疾患並びに他の免疫不全及び/もしくは制度化された患者(institutionalized patients)を治療するために使用されている。
本発明の他の観点において、本発明の化合物及び組成物は、アレルギー性疾患及び症状の例えば、副鼻腔炎、慢性鼻閉塞症(chronic rhinosinusitus)、喘息、アトピー性皮膚炎及び乾癬を治療、改善又は実質上予防する方法において使用(外因性抗原を使用せずに)されている。この方法は、少なくともある部分において、IL−4生産又はIL−4活性に対する過敏性を特徴とする通常のアレルギー型のサイトカイン反応と競合できる標的細胞からのサイトカインの生産を活性化する化合物の能力に基づいている。本発明中に開示した所定のモノサッカライド又はジサッカライド化合物の投与により、抗原処理細胞及び抗原提示細胞、並びに他の細胞からのIFNγ及びIL−12の発現につながり、IL−4、5、6、10などアレルギー反応に関連したサイトカインの下方制御がもたらされる。
本発明の更に他の観点において、本発明の化合物及び組成物は、自己免疫疾患及び症状を治療するための方法において使用(外因性の抗原を伴わず)されている。この実施態様において使用するための化合物は典型的に、1又は複数のトール様レセプター、特にTLR2及び/又はTLR4を拮抗、阻害その他、負の調節をでき、従って、ある症状に関連した自己免疫反応を改善又は実質的に予防することができるものから選択されるだろう。例えば、この実施態様によって供される方法は、炎症性腸疾患、リューマチ性関節炎、慢性関節炎、多発性硬化症及び乾癬などの症状の治療において使用されて良い。
本発明の化合物は、免疫化された動物における抗体の生成を増強し、サイトカインの生産を刺激しそして、細胞傷害性Tリンパ球反応などの細胞介在免疫反応を刺激するアジュバント及び免疫効果物質として使用されても良い。
本発明の、例えば、個体の免疫反応を起こすための方法において、本発明の化合物及び組成物は、注射又は摂取のために医薬的に許容できる担体と共に処方されて良い。本明細書中で使用されている場合、「医薬的に許容できる担体」とは、前記活性成分の免疫調節活性に干渉せず且つ投与される患者に対する毒性がないことを意味する。医薬的に許容できる担体としては、水中油又は油中水エマルション、水性組成物、リポソーム、ミクロビーズ及びミクロソームが挙げられる。例えば、担体は、小球体又はミクロ粒子であって、本発明の化合物を当該球体もしくは粒子の内部に有するかあるいは当該球体又は粒子の表層に吸着させている小球体又はマイクロ粒子であって良い。担体は、水性溶液又はミセル分散体であって、トリエチルアミン、トリエタノールアミン又は製剤を天然においてアルカリ性にする他の剤を含む水性溶液又はミセル分散体、又は水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、リン酸カルシウム又はチロシン吸着物を含む懸濁であっても良い。担体としては、全ての溶媒、分散培地、ビヒクル、コーティング物質、希釈剤、抗細菌及び抗真菌剤、等張性剤及び吸収遅延剤、バッファー、担体溶液、懸濁、コロイドなども挙げられうる。かかる媒体及び剤の、医薬活性物質のための使用は当業者に周知である。任意の常用の媒体又は剤が活性成分と不適合性であることを以外、その治療組成物中での使用は熟考されている。
非経口的に、即ち、腹腔内、皮下的又は筋内に投与されて良い本発明の化合物の製剤には、次のような好適な担体が含まれる。皮下使用のための好適な担体の例としては、リン酸緩衝塩類(PBS)溶液及び注射のためのUSP水中0.01〜0.1%のトリエタノールアミンが挙げられる。筋内注射のための適切な担体としては、10%USPエタノール、40%プロピレングリコール及びバランス剤(balance)の許容できる等張溶液の例えば、5%デキストロースが挙げられる。
静脈内使用のための好適な担体の例としては、10%USPエタノール、40%USPプロピレングリコール及び注射のためのバランスUSP水が挙げられる。他の許容できる担体としては、10%USPエタノール及び注射のためのUSP水が挙げられ;更に他の許容できる担体は注射のためのUSP水中0.01〜0.1%トリエタノールアミンが挙げられる。医薬的に許容できる非経口溶媒としては、5ミクロンのフィルターを通じて活性成分が除去されること無くろ過されて良い溶液又は分散体を提供するためのものである。
本発明の組成物を投与するための好適な方法は、粘膜投与の特に、鼻腔内投与又は吸入による投与(肺投与)である。肺薬物デリバリーは、いくつかの異なる方法、例えば、液体ネブライザー、エアロゾルベースの定投与量吸入器(MDI)、及び乾燥粉末分散装置によって達成されて良い。この種類の投与において使用するための組成物は、典型的に乾燥粉末又はエアロゾルである。本発明の投与の好適な方法である、エアロゾルの投与に関して、組成物は、吸入器(いくつか種類を下に記載した)によってデリバリーされている。
乾燥粉末は、活性成分に加えて、担体、吸収増強剤、及び任意に他の成分を含む。担体は、例えば、単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール又は他のポリオールであって良い。適切な担体としては、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;及びデンプンが挙げられる。ラクトースが特に好適であり、特にその一水和物の形態が好適である。そしてまた、吸収増強剤の例えば、ポリペプチド、界面活性剤、アルキルグリコシド、脂肪酸又はリン脂質のアミン塩が挙げられる。製剤の成分は、典型的に、微細に粉砕した形態、即ち、それらの体積中央値が、レーザー分散光装置又はコールターカウンターによって測定した場合、一般に、約30〜約200ミクロンであるべきだ。所望の粒子サイズは、当業者に公知の方法、例えば、粉砕、微粉砕化又は直接沈殿を使用することで生産されて良い。
鼻腔内経路の投与により、本発明の化合物の多くの他の投与形態を超える利点が提供される。例えば、鼻腔内投与の1つの利点は、利便性である。注射可能系には、皮下注射器の滅菌が必要となり、そして制度的背景において、図らずも、汚染された針によって吸入することによって疾患になるという医療関係者の間での懸念がもたらされる。使用された針と注射器の安全な廃棄の厳格な必要性も、制度的背景において課されている。対照的に、鼻腔内投与は患者及び主治医に対して時間を要求せず、そして注射よりも施設に対する負担が少ない。
鼻腔内投与の第二の重要な利点は、患者がこのドラッグデリバリーシステムを受け入れることである。鼻腔内投与は、非侵襲性であると認識されており、痛みを伴わず、有意な後遺症を有さず、且つ症状を示す患者において迅速な緩和の喜びを生み出す。これは、患者が子供の場合特に有利である。他の重要な検討材料は、患者が、処方された1又は複数の鼻腔スプレーを自己投与しうることである。
本発明の組成物は、鼻腔内投与するために、液体又は固体として処方されて良い。かかる組成物は、1又は複数のアジュバント、鼻腔膜を介する浸透による活性剤の吸収を増加させるための剤、及び(液体組成物のために)水性希釈剤の例えば水を含んでも良い。代わりに、希釈剤は、リン酸塩バッファーなどの水性バッファーを含んで成って良い。組成物は任意に更に、1又は複数の多価アルコール及び1又は複数の防腐剤の例えば、ゲンタマイシン、バクテリオシン(0.005%)、又はクレゾールを含んで成りうる。組成物は、アトマイザー、ネブライザー、スプレー、点滴器又は溶液と鼻粘膜の接触を確実にする他の装置を使用することによってスプレーの形態で鼻腔へと投与されて良い。装置は、患者によって使用されて良い単純な鼻腔スプレー装置など、又は病院もしくは医療機関で使用されて良い、組成物をより一層正確に分注するための他の精密な装置であって良い。
鼻腔粉末組成物は、どちらも所望の粒子サイズを有する活性成分と賦形剤を混合することによって調製されて良い。最初に、活性剤とシクロデキストリン賦形剤の溶液を作り、しかる後に、沈殿、ろ過及び粉砕をする。溶媒をフリーズライによって除去し、しかる後に、医薬刊行物から公知の常用の技術を使用することによって所望の粒子サイズに粉末を粉砕することも可能である。最初の段階は、例えば、好適に、直径30ミクロン〜200ミクロンである粒子を獲得するために、篩い分けによる分粒である。粉末は、鼻吸入器を使用することで投与されて良い、又はそれらは吸入(inhalation)もしくは吸入(insufflation)装置中にセットされたカプセル中に置かれて良い。針は、カプセルの上部及び底部に孔を作り、そして空気を粉末粒子へ送り噴き出させるために当該カプセルを貫通させられていて良い。粉末製剤は、不活性ガスのジェットスプレーにおいて又は液体有機流体中の懸濁において投与されても良い。
特定の実施態様において、医薬組成物は制御システム又は持続放出によってデリバリーされて良い。1つの実施態様において、ポンプは制御放出又は持続放出を達成するために使用されて良い(Langer,Science,vol.249:pp.1527〜1533(1990);Sefton,1987,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.vol.14:p.10;Buschwaldら,1980,Surgery vol.88:p.507;Saudekら,1989 N.Engl.J.Med.vol.321:p.574を参照のこと)。他の実施態様において、ポリマー性物質は、κ−オピオイドレセプターアゴニスト及び/もしくはオピオイドアンタゴニストの制御もしくは持続放出を達成するために使用されて良い(例えば、Medical Applications of Controlled Release,Langer及びWise(著),CRC Pres.,Boca Raton,Florida 1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance, Smolen及びBall(著),Wiley,New York(1984);Ranger及びPeppas,1983,J.Macromol.Sci.Rev.Macrol.Chem.vol.23:p.61;を参照のこと、またLevyら,1985 Science vol.228:p.190;Duringら,1989,Ann.Neurol.vol.25:p.351;Howardら,1989,J.Neurosurg.7 vol.1:p.105;米国特許第5,679,377号;米国特許第5,916,597号、米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米国特許号5,128,326;PCT公報WO99/12154;及びPCT公報WO99/20253をも参照のこと)。持続放出製剤中で使用されるポリマーの例としては、 限定されないが、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレンコビニルアセテート)、 ポリ(メタクリ酸)、ポリグリコライド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチドコグリコライド)(PLGA)、及びポリオルトエステルが挙げられる。好適な実施態様において、持続放出製剤中で使用するポリマーは、浸出可能不純物を伴わない、不活性な、保存に際して安定であり、そして性分解性である。更に他の実施態様において、制御又は持続放出システムは、治療標的の近傍に配置されて良く、従って、全身用量のうち少量のみが必要となる(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,supra, vol.2,pp.115〜138(1984)を参照のこと)。
かかる医薬組成物のための担体は、生物適合性であり、そして生分解性でもありうる。所定の実施態様において、製剤は、好適に、比較的一定量の活性成分放出を供する。他の実施態様において、しかし、投与するとすぐのより迅速な放出速度が所望されている。かかる組成物の処方は、公知の技術を使用する当業者の範囲内である。これに関して有用な担体の例としては、ポリ(ラクチドコグリコライド)、ポリアクリレート、ラテックス、デンプン、セルロース、デキストランなどの微粒子が挙がられる。他の放出遅延担体の例としては、超分子量バイオベクターが挙げられ、それは非液体状親水性コア(例えば、架橋した多糖類又はオリゴ糖)及び、任意に両親媒性化合物、例えば、リン脂質などを含んで成る外層を含んで成る(例えば、米国特許第5,151,254号及びPCT出願WO94/20078、WO/94/23701及びWO96/06638を参照のこと)。持続放出製剤中に含まれる活性化合物の量は、移植する部位、放出の速度及び予測遅延並びに治療又は予防される症状の性質に依存する。
本発明の化合物は、個体の免疫反応を生じさせるもしくは増強するために有効な量もしくは医薬的に有効な量で個体に対して投与されている。本明細書中で使用された場合、「有効な量」又は「医薬的に有効な量は」とは、ビヒクルもしくはネガティブコントロールを超え且つその上を行く反応を示す量である。「アジュバント有効量」とは、件の化合物の量が、抗原と共に投与された場合、抗原単独で生産された場合を超え且つその上を行く反応を示す量である。患者に対して投与される本発明の化合物の正確な投与量は、使用される化合物、投与の経路、医薬組成物及び患者に依存する。例えば、抗体反応を増強するために皮下的に投与される場合、使用される化合物の量は、典型的に70kgの成人患者に対する投与に基づいて、約1〜250μg、好適には約25〜約250μgである。
他の実施態様において、本発明の免疫源性組成物の例えば、免疫源性組成物及び/又はワクチン組成物は、ポリペプチドがin situで生じるように、1又は複数の上記のポリペプチドをコードするDNAを含んで成る。上記のように、ポリヌクレオチドは、当業者に公知の様々なデリバリーシステムにおいて投与されて良い。確かに、多くの遺伝子デリバリー技術が当業者に周知であり、例えば、Rolland,Crit.Rev.Therap.Drug Carrier Systems vol.15:pp.143〜198,1998によって記載されたもの及び本明細書中に引用した方法が挙げられる。適切なポリヌクレオチド発現系は、当然ながら、患者中での発現のための必須調節DNA調節配列(例えば、適切なプロモーター及び終結シグナル)を含む。
従って、所定の実施態様において、本明細書中に記載の免疫源性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、多くの公知のウィルスベースの系を使用することで、発現のための適切な哺乳類宿主細胞中に導入されて良い。1つの代表的な実施例において、レトロウィルスは、遺伝子デリバリーシステムのための好都合且つ有効なプラットフォームを提供する。本発明のポリペプチドをコードする選定のヌクレオチド配列は、当業界で公知の方法を使用することで、ベクター中に挿入されてレトロウィルス粒子中に詰められて良い。次いで、組み換えウィルスベクターは、単離されて対象者へとデリバリーされて良い。多くの代表的なレトロウィルス系が記載されている(例えば、米国特許第5,219,740号;MillerとRosman(1989)BioTechniques vol.7:pp.980〜990;Miller,A.D.(1990)Human Gene Therapy vol.1:pp.5〜14;Scarpaら(1991)Virology vol.180:pp.849〜852;Burnsら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol.90:pp.8033〜8037;並びにBoris-Lawrie及びTemin(1993)Cur.Opin.Genet.Develop.vol.3:pp.102〜109を参照のこと)。
加えて、アデノウィルスベース系の多くの例も記載されている。宿主ゲノム中に侵入するレトロウィルスとは異なり、アデノウィルスは染色体外に固着し、従って内部突然変異に関連する危険性が最小になる(Haj-Ahmad及びGraham(1986)J.Virol.vol.57:pp.267〜274; Bettら(1993)J.Virol.vol.67:pp.5911〜5921;Mitterederら(1994)Human Gene Therapy vol.5:pp.717〜729;Sethら(1994)J.Virol.vol.68:pp.933〜940;Barrら(1994)Gene Therapy vol.1:pp.51〜58; Berner,K.L.(1988)BioTechniques vol.6:pp.616〜629;及びRichら(1993) Human Gene Therapy vol.4:461〜476)。
様々なアデノ関連ウィルス(AAV)ベクター系もポリヌクレオチドデリバリーのために開発されてきた。AAVベクターは、当業者に周知の技術を使用することで容易に構築されて良い(例えば、米国特許第5,173,414号及び第5,139,941号;国際特許公報WO92/01070及びWO93/03769;Lebkowskiら(1988)Molec.Cell.Biol.vol.8:pp.3988〜3996; Vincentら(1990)Vaccines90(Cold Spring Harbor Laboratory Press);Carter,B.J.(1992)Current Opinion in Biotechnology vol.3:pp.533〜539; Muzyczka, N.(1992)Current Topics in Microbiol.and hnmunol.vol.158:pp.97〜129;Kotin, R.M.(1994)Human Gene Therapy vol.5:pp.793〜801;Shelling及びSmith(1994)Gene Therapy vol.1:pp.165〜169;並びにZhouら(1994)J.Exp.Med.vol.179:pp.1867〜1875を参照のこと。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを遺伝子輸送によってデリバリーするために有用な更なるウィルスベクターとしては、ポックスファミリーのウィルス、例えば、ワクチニアウィルス及び鳥類ポックスウィルスに由来するものが挙げられる。例えば、新規分子を発現するワクチニア組換えウィルスは次のようにして構築されて良い。ポリペプチドをコードするDNAは、最初に、それがワクチニアプロモーターに近接し且つワクチニアDNA配列に隣接するように適切なベクター中に挿入され、従って、当該配列がチミジンキナーゼ(TK)をコードする。次いで、このべクターはワクチニアが同時に感染される細胞にトランスフェクションするために使用される。相同組換えは、ワクチニアプロモーター及び注目のポリペプチドをコードする遺伝子をウィルスゲノム中に挿入する働きをする。生ずるTK. sup.(−)組換え体は、当該細胞を5−ブロモデオキシウリジンの存在下で培養してしそこに生息するウィルスプラークを採取することによって選択されて良い。
ワクチンベースのインフェクション/トランスフェクション系は、本明細書中に記載の通り、ある生物の宿主細胞中で誘導性、一過的発現又は1もしくは複数のポリペプチドの共発現を供するために使用されて良い。この特定のシステムにおいて、細胞は最初にin vitroで、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼをコードする組換えワクチニアウィルスによりインフェクションさせられる。このポリメラーゼは、T7プロモーターを保持する鋳型のみを転写することにおいて優れた特異性を示す。細胞はインフェクション後、T7プロモーターによって誘導された注目の1又は複数のポリヌクレオチドによりトランスフェクションされる。細胞質で発現したワクチニアウィルス組換え体に由来するポリメラーゼはトランスフェクションされたDNAをRNAへと転写し、それは次いで宿主の翻訳機構によってポリペプチドへと翻訳される。この方法は、多量のRNAの一過的な細胞質における高レベルでの生産及びその翻訳産物を提供する。例えば、Elroy-Stein及びMoss,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)vol.87:pp.6743〜6747;Fuerstら.Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1986)vol.83:pp.8122〜8126を参照のこと。
代わりに、アビポックスウィルスの例えば、鶏痘及びカナリア痘ウィルスも注目のコーディング配列をデリバリーするために使用されて良い。哺乳類病原体に由来する、免疫源を発現する組換えアビポックスウィルスは、非鳥類種に対して投与された場合、保護免疫を与えることが知られている。アビポックスベクターの使用は、特にヒト及び他の哺乳類動物種において望ましく、何故なら、アビポックスウィルスのメンバーは、感受性の鳥類種においてのみ有効に複製し、それ故、哺乳類細胞においては感染性ではなからだ。組換えアビポックスウィルスを生産するための方法は、当業界で公知であり、そしてワクチニアウィルスについて上記したように、遺伝子組み換えを使用する。例えば、WO91/12882;WO89/03429;及びWO92/03545を参照のこと。
任意の数のαウィルスべクターも、本発明のポリヌクレオチド組成物のデリバリーをするために使用されて良く、そのベクターは、例えば、米国特許第5,843,723;6,015,686;6,008,035及び6,015,694号に記載されている。ベネゼーラウマ脳炎ウィルスをベース(VEE)とする所定のベクターも使用されて良く、その代表的な例は、米国特許第5,505,947号及び5,643,576号に記載されている。
更に、分子結合ベクターの例えば、アデノウィルスキメラベクター(Michaelら.J.Biol.Chem.(1993)vol.268:pp.6866〜6869及びWagnerら.Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1992)vol.89: pp.6099〜6103に記載されている)も本発明の遺伝子デリバリーのために使用されて良い。
これら及び他のウィルスベースのデリバリーシステムに対する更なる情報の例としては、例えば、Fisher-Hochら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol.86:pp.317〜321,1989;Flexnerら,Ann.N.Y.Acad.Sci.vol.569 :pp.86〜103,1989;Flexnerら,Vaccine vol.8:pp.17〜21,1990;米国特許第4,603,112、4,769,330及び5,017,487号;WO89/01973;米国特許第4,777,127号;英国第2,200,651号;ヨーロッパ第0,345, 242号;WO91/02805;Berner,Biotechniques vol.6:pp.616〜627,1988;Rosenfeldら,Science vol.252:pp.431〜434,1991;Kollsら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol.91:pp.215〜219,1994;Kass-Eislerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol.90:pp.11498〜11502,1993;Guzmanら,Circulation vol.88:pp.2838〜2848,1993;及びGuzmanら,Cir.Res.vol.73:pp.1202〜1207,1993がある。
所定の実施態様において、ポリヌクレオチドは、標的細胞のゲノム中へと統合されて良い。この統合は特異的な位置及び方向において、相同組換え(遺伝子置換)を介して行われて良く又は特異的な位置ではなく、ランダムに(遺伝子増幅)行われて良い。更なる実施態様において、ポリヌクレオチドは、DNAの個別なエピソームセグメントとして細胞中に安定に維持されて良い。かかるポリヌクレオチドセグメント又は「エピソーム」は宿主のセルサイクルと独立して又は同調して維持及び複製を可能にするために十分な配列である。発現構築体が細胞へとデリバリーされ、そして細胞がポリヌクレオチドを維持する方法は、使用されている構築体の種類に依存する。
本発明の他の実施態様において、ポリヌクレオチドは、例えば、Ulmerら,Science vol.259:pp.1745〜1749,1993及びCohenによるレビュー,Science vol.259:pp.1691〜1692,1993に記載のように、「裸のDNA」として投与/デリバリーされている。裸のDNAの摂取は、DNAを生分解性ビーズ(それは、効率的に細胞中へと輸送される)上へとコーティングすることによって高められて良い。
他の実施態様において、本発明の組成物は、粒子衝突法によりデリバリーされて良く、その多くは記載がある。一つの代表的な例において、ガスが誘導する粒子加速化は、Powderject Pharmaceuticals PLC(Oxford,UK)及びPowderject Vaccines Inc.(Madison,WI)によって製造された装置により達成されて良く、そのうちのいくつかは、米国特許5,846,796;6,010,478;5,865,796;5,584,807号;及びヨーロッパ特許0500799に記載がある。この方法は、針を必要としないデリバリー方法を提案し、この方法では、微細粒子、例えば、ポリヌクレオチド又はポリペプチド粒子の乾燥粉末製剤は、注目の標的組織中へと推進する、手により維持される装置によって生じるヘリウムガスジェット内の高いスピードで加速させられている
関連する実施態様において、本発明の組成物のガス誘導針不要注射のために有用でありうる他の装置及び方法としては、Bioject,Inc.(Portland,OR)によって製造されたものが挙げられ、そのいくつかは、米国特許第4,790,824;5,064,413;5,312,335;5,383,851;5,399,63;5,520,639及び5,993,412に記載されている。
本発明の所定の実施態様において、医薬組成物は好適に、Th1型の免疫反応を優先的に誘導するものである。多量のTh1型のサイトカイン(例えば、IFN−γ、TNF−α、IL−2及びIL−12)は、投与された抗原に対して細胞が介在した免疫反応を誘導する傾向がある。対照的に、多量のTh2型のサイトカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−6及びIL−10)は、体液性免疫反応を誘導する傾向がある。本明細書中に記載の免疫源性組成物を適用した後、患者はTh1及びTh2型の反応を誘導する免疫反応を持つだろう。反応が主にTh1型である好適な実施態様において、Th1型のサイトカインの量は、Th2型のサイトカインの量よりも高い程度に増加するだろう。これらのサイトカインの量は、標準的なアッセイを使用することで容易に評価されて良い。代わりに、又は加えて、多量のTh2型のサイトカイン(例えば、IL−4、IL−5、IL−6及びIL−10)は、所定の治療適用のために所望されて良い。これらのサイトカインのレベルは、標準的なアッセイを使用することで容易に評価されて良い。サイトカインのファミリーのレビューに関して、Mosmann及びCoffinan,Ann.Rev.Immunol.vol.7:pp.145〜173,1989を参照のこと。
Th1型のサイトカインの誘導において使用するための代表的な組成物としては、CpG含有オリゴヌクレオチド(CpGジヌクレオチドはメチル化されていない)の組み合わせが挙げられ、例えば、WO96/02555、WO99/33488及び米国特許6,008,200号及び5,856,462号に記載されている。免疫刺激性DNA配列も、例えば、Satoら,Science vol.273:p.352,1996に記載されている。他の適切な免疫刺激物質は、サポニンの例えば、QS21(Aquila Biopharmaceuticals Inc.,Framingham,MA)、及びそれらの関連するサポニン誘導体及び模倣物質が挙げられる。
任意の様々な更なる免疫刺激物質が本発明の組成物中に含まれていて良い。それには、例えば、注目の免疫反応を更に調節するために、例えば、GM−CSF、インターフェロン又はインターロイキンが挙げられる。更に、Montanide ISA 720(Seppic,France)、SAF(Chiron,California,United States)、ISCOMS(CSL)、MF59(Chiron)、SBASシリーズのアジュバント(例えば、SBAS2又はSBAS4、SmithKline Beecham,Rixensart,Belgiumから入手可能)、及びEnhanzyn(登録商標)免疫刺激物質(Corixa,Hamilton,MT)が挙げられる。ポリオキシエチレンエーテル免疫刺激物質は、WO 99/52549A1に記載されておりそして非常に良く使用されている。
本発明の医薬組成物は、更に、1又は複数のバッファー(例えば、中性緩衝塩類又はリン酸緩衝塩類)、炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチド又はアミノ酸の例えば、グリシン、抗酸化物質、ポリペプチド又はアミノ酸の例えば、グリシン、抗酸化物質、静細菌剤、キレート剤の例えば、EDTA又はグルタチオン、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、製剤を受容者の血液と等張もしくは低張もしくは弱低張たらしめる溶質、懸濁剤、増粘剤及び/又は防腐剤が挙げられる。代わりに、本発明の組成物は、凍結乾燥物として処方されて良い。
本明細書中で記載の医薬組成物は、単位投与又は多投与容器の例えば、シーリングしたアンプル又はバイアル中に存在していて良い。かかる容器は、典型的に、製剤が使用される迄、無菌性及び安定性を維持するような方法でシーリングされている。一般に、製剤は、油性もしくは水性ビヒクル中の懸濁、溶液もしくはエマルションとして保存されて良い。 代わりに、医薬組成物は、使用する直前にのみ無菌の液体担体の添加が必要となる凍結乾燥状態において保存されて良い。
本発明細書中に記載の特定の組成物を様々な治療計画、例えば、経口的、非経口、静脈内、鼻腔内及び筋内投与及び製剤において使用するための適切な投与及び治療計画の開発は当業者に周知であり、そのいくつかは、例示の目的で下に簡潔に論じられている。
所定の適用において、本明細書中に記載の医薬組成物は、経口投与を介し動物へとデリバリーされて良い。従って、これらの組成物は、不活性な希釈剤又は吸収できる食事用担体と共に処方されて良い、又はそれらは、硬質もしくは軟質ゼラチンカプセル中に封入されていても良い、又はそれらは錠剤へと圧縮される、又はそれらは食事の食品中に直接組み込まれて良い。
活性化合物は、賦形剤中に組み込まれそして摂取できる錠剤、頬錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁、シロップ、ウエハーなどの形態において使用されて良い(例えば、Mathiowitzら,Nature 1997 Mar 27;vol.386(No.6623):pp.410〜4;Hwangら,Crit Rev Ther Drug Carrier Sits 1998;vol.15(No.3):pp.243〜84;米国特許第5,641,515号;米国特許第5,580,579号及び米国特許第5,792,451を参照のこと)。錠剤、トローチ、ピル、カプセルなども任意の様々な更なる成分の例えば、結合剤の例えば、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチ又はゼラチン;賦形剤の例えば、第二リン酸カルシウム;錠剤分解促進剤の例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸など;潤滑剤の例えば、ステアリン酸マグネシウム;及び甘味料の例えば、スクロース、ラクトース又はサッカリンも加えられて良く、又は香味剤の例えば、ペパーミント、ウィンターグリーンの油、又はチェリー香味剤も加えられて良い。投与単位形態がカプセルである場合、それは、上記の種類の物質に加えて、液体担体を含んで良い。様々な他の物質がコーティングとして又は本来投与単位の物理形態を改変するために存在していて良い。例えば、錠剤、ピル、又はカプセルはシェラク、糖又はその両方でコーティングされて良い。当然、全ての投与単位形態を調製することにおいて使用される全ての物質は医薬的に純粋であり且つ実質上使用される量において無毒であるべきだ。加えて、活性成分は持続放出調製物及び製剤中へと組み込まれて良い。
典型的に、これらの製剤は、活性化合物を約0.1%以上含むだろうが、1又は複数の活性成分の%は、変化して良く、そして都合上、製剤の総重量又は体積の約1%もしくは2%〜約60%もしくは70%以上であって良い。当然に、調製されて良い治療上有用な各組成物における1又は複数の活性化合物の量とは、適切な投与量が化合物の任意の単位投与量において獲得されるだろう適切な投与量である。溶解度、生体利用効率、生物学的半減期、投与の経路、製品の棚寿命、並びに他の薬理学的検討事項は、かかる医薬組成物を調製する当業者によって熟考され、そして例えば、様々な投与計画及び治療計画が望まれて良い。
経口投与のために、本発明の組成物は、代わりに、口内洗浄剤、歯磨き、舌下錠、口内スプレー、又は口内に舌下投与される製剤の形態において1又は複数の賦形剤と共に組み込まれて良い。 代わりに、活性成分は、ホウ酸ナトリウム、グリセリン及び炭酸カリウムなどを含む口内溶液中へと、歯磨き粉中の分散体に組み込まれて良い、又は水、結合剤、研磨剤、香料、発泡剤、及び保湿剤を含みうる組成物に対して治療上有効な量で加えられている。代わりに、組成物は、舌下に置かれるかあるいは口の中で溶かされて良い錠剤又は溶液の形態へとされて良い。
所定の環境において、本明細書中に記載の医薬組成物を、非経口的に、静脈内に、筋内に、又は更に腹腔内にデリバリーすることが望ましい。かかる方法は、当業者に周知であり、そのいくつかは、更に、例えば米国特許第5,543,158号;米国特許第5,641,515号及び米国特許5,399,363号において更に記載されている。所定の実施態様において、活性化合物の溶液は、遊離塩基として塩基又は薬理学的に許容できる塩として、水中で界面活性剤の例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合されて良い。分散体も、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物及び油中で調製されて良い。保存及び使用の通常の条件下で、これらの調製物は、一般に、微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含むだろう。
注射可能使用のために適した医薬形態の例としては、無菌注射可能溶液又は分散体及び無菌水溶液又は分散体を即座に調製するための無菌粉末が挙げられる(例えば、米国特許第5,466, 468号を参照のこと)。全ての場合、形態は無菌でなければならず且つある程度注射可能性が容易に存在するために流体でなければならない。それは、製造及び保存の条件下で、微生物の例えば、細菌及び真菌のコンタミネーション作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、並びに/又は植物油を含む溶媒又は分散体であって良い。適切な流動性が、例えば、レクチンなどのコーティングを使用によって、分散の場合に必要な粒子サイズを維持することによって及び/又は界面活性剤の使用によって維持されて良い。微生物の作用を予防することは、様々な抗細菌及び抗真菌剤の例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって促されて良い。多くの場合、等張性の剤の例えば、糖又は塩化ナトリウムを含むことが好適だろう。注射可能組成物のより長い時間の吸収は、吸収を遅延させる剤の例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中で使用することによってもたらされて良い。
1つの実施態様において、水性溶液における非経口投与のために、当該水溶液は、適切に緩衝化されているべきであり、そしてもし必要ならば、液体希釈剤は最初に十分な塩類溶液又はグルコースと等張にされているべきである。これらの特定の水溶液は、特に静脈内、筋内、皮下及び腹腔内投与のために適している。これに関連して、使用されて良い無菌水性媒体は本発明に関する分野の当業者に公知であろう。例えば、ある投与量は、1 mlの等張性NaCI溶液に溶かされそして1000mlの皮下注入流体に加えられるかあるいは注入を提案された部位に注射されるいずれかであって良い(例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences"第15版,pp.1035〜1038及び1570〜1580を参照のこと)。投与量におけるいくつかの変化は、治療される対象者の症状に依存して必ず生じるだろう。更に、ヒト投与のために、調製物は、当然ながら、FDA Office of Biologics standardsによって要求されるような、無菌性、発熱原性、及び一般的な安全及び純度の基準に好適に合致するだろう。
本発明の他の実施態様において、本明細書中で記載の組成物は、中性又は塩形態において処方されて良い。代表的な医薬的に許容できる塩としては、酸付加塩(タンパク質の遊離アミノ酸基を伴い、並びにそれらは、無機酸の、例えば、塩酸もしくはリン酸、又は有機酸の例えば、酢酸、酒石酸、シュウ酸、マンデル酸などにより形成されている)である。遊離カルボキシル基により形成された塩は、無機塩基の例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化第II鉄など、並びに有機塩基の例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどによっても誘導されて良い。処方により、溶液は、投与製剤と適合する方法で、そしてそれが治療上有効であるような量で投与されて良い。
所定の実施態様において、医薬組成物は、鼻腔内スプレー、吸入、及び/又は他のエアロゾルデリバリービヒクルによってデリバリーされて良い。鼻エアロゾルスプレーにより直接、遺伝子、核酸、及びペプチドを肺へデリバリーするための方法が、例えば、米国特許第5,756,353号及び米国特許第5,804,212号に記載されている。同様に、鼻腔内微粒子樹脂(Takenagaら, J Controlled Release 1998 Mar 2;vol.52(No.1〜2):pp.81〜7)及びリソフォスファチジルグリセロール化合物(米国特許第5, 725,871号)を使用する薬物のデリバリーも医薬業界の当業者に周知である。同様に、ポリテトラフルオロエチレン支持マトリクスの形態における経粘膜ドラッグデリバリーの例が、米国特許第5,780,045号に記載されている。
所定の実施態様において、リポソーム、ナノカプセル、マイクロカプセル、脂質粒子、ベシクルなどが、本発明の組成物を適切な宿主細胞/生物中へと導入するために使用されている。特に、本発明の組成物は、脂質粒子、リポソーム、ベシクル、ナノ球体又はナノ粒子などのいずれかの中に封入するデリバリーのために処方されて良い。代わりに、本発明の組成物は、かかる担体ビヒクルの表層に対して共有結合又は非共有結合のいずれかによって結合していて良い。
リポソーム及びリポソーム様調製物の有効な薬物担体としての形成及び使用は、一般に当業界で公知である(例えば、Lasic, Trends Biotechnol 1998 Ju1 ;vol.16(No.7):pp.307〜21;Takakura, Nippon Rinsho 1998 Mar;vol.56(No.3):pp.691〜5;Chandranら,Indian J Exp Biol.1997 Aug;vol.35(No.8):pp.801〜9;Margalit, Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.1995;vol.12(No.2〜3):pp.233〜61;米国特許第5,567,434号;米国特許第5,552,157号;米国特許第5,565,213号;米国特許第5,738,868号及び米国特許第5,795,587号を参照のこと)。
リポソームは、通常、他の手順によってはトランスフェクションが困難である多くの細胞型、例えば、T細胞懸濁、一次肝細胞培養物及びPC12細胞と首尾良く使用されている(Renneisenら,J.Biol.Chem.1990 Sep 25;vol.265(No.27):pp.6337〜42;Mullerら,DNA Cell Biol.1990 Apr;vol.9(No.3):pp.221〜9)。加えて、リポソームには、ウィルスベースのデリバリーシステムの典型であるDNAの長さに関する制限が無い。リポソームは、遺伝子、様々な薬物、放射線治療剤、酵素、ウィルス、転写因子、アロステリック因子などを様々な培養細胞系統及び動物に対して効率的に導入するために使用されている。更に、リポソームの使用は、見かけ上、全身デリバリー後の自己免疫反応又は許容できない毒性を伴うことを示さない。
所定の実施態様において、リポソームは、水性媒体中で分散するリン脂質から形成され且つ自然にマルチラメラ集中二重層ベシクル(multilamellar concentric bilayer vesicles (マルチラメラベシクル(MLV)ともよばれている)を形成する。
代わりに、他の実施態様において、本発明は、本発明の組成物の医薬的に許容できるナノカプセル製剤を供する。ナノカプセルは、一般に、化合物を安定且つ再現的に取り込むことができる(例えば、Quintanar-Guerreroら,Drug Dev Ind Pharm.1998 Dec;vol.24 (No.12):pp.1113〜28を参照のこと)。細胞内でのポリマー過負荷による副作用を避けるために、かかる超微粒子(約0.1pmのサイズにされている)が、in vivoで分解できるポリマーを使用することで設計されて良い。かかる粒子は、例えば、Couvreurら,Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.1988;vol.5(No.1):pp.1〜20;zur Muhlenら,Eur J PharmBiopharm.1998 Mar;vol.45(No.2):pp.149〜55;Zambauxら,J Controlled Release.1998 Jan2 ;vol.50(No.1〜3):pp.31〜40;及び米国特許第5,145, 684号によって記載されたようにして調製されて良い。
ガン治療
ガンの治療に対する免疫学的アプローチは、ガン細胞が往々にして、異常又は外来の細胞及び分子に対する体の防御を侵し、そしてこれらの防御は、失地回復をするために治療上刺激されて良いという認識に基づいている、例えば、Klein,Immunology(pp.623〜648)(Wiley-Interscience, New York,1982)を参照こと。様々な免疫エフェクターが直接又は間接的に腫瘍の増殖を阻害できるという多くの最近の確認により、ガン治療に対するこの方法における新たな注目がもたらされた。例えば、Jagerら,Oncology 2001;vol.60(No.1):pp.1〜7;Rennerら,Ann Hematol 2000 Dec;vol.79(No.12):pp.651〜9を参照のこと。
抗腫瘍細胞免疫及び体からの腫瘍細胞の除去に関連した機能を有する4つの基本的な細胞型は:i)Bリンパ球(免疫グロブリンを血しょう中へと、非自己侵入細胞を同定及び標識するために分泌する);ii)単球(免疫グロブリンで覆われた標的侵入細胞を溶解させて処理する原因となる補体タンパク質を分泌する)iii)ナチュラルキラーリンパ球(腫瘍細胞、抗体依存性細胞の細胞傷害性及び天然致死のための2つの機構を有する);及びiv)Tリンパ球(抗原特異的レセプターを処理し且つ相補的マーカー分子を担持する腫瘍細胞を認識する能力を有する)(Schreiber,H.,1989,Fundamental Immunology(著).W.E.Paul,pp.923〜955)である。
ガン免疫療法は、一般に体液性免疫反応、細胞性免疫反応、又はその両方を誘導することに一般的には焦点が当てられている。更に、CD4+ヘルパーT細胞の誘導は、二次的に抗体又は細胞傷害性CD8+細胞のいずれかを誘導するために必須であることが十分に確立されている。ガン細胞に対して選択的又は理想的に特異的であるポリペプチド抗原は、ガン細胞に対して免疫反応を誘導するための強力な方法を提供し、そしてそれは本発明の重要な観点である。
従って、本発明の更なる観点において、本明細書中に記載の医薬組成物は、ガンに対する免疫反応を刺激するために使用されて良い。かかる方法において、本明細書中に記載の医薬組成物は、患者に対して、典型的に、恒温動物、好適にはヒトに対して投与されている。患者はガンを罹患していてもいなくても良い。医薬組成物及びワクチンは、一次腫瘍の外科的除去及び/又は治療の例えば、放射線療法又は常用の化学治療の前後のいずれかに投与されて良い。上に論じたように、医薬組成物の投与は、任意の適切な方法、例えば、静脈内、腹腔内、筋内、皮下、鼻腔内、経皮、肛門、膣、局所及び経口経路によって良い。
所定の実施態様において、免疫療法は活性免疫療法であって良く、ここで治療は、免疫反応改変試薬(本明細書中に記載のようにポリペプチド及びポリヌクレオチド)の投与による腫瘍に対して反応する内生宿主免疫系のin vivo刺激に依存する。
本明細書中で記載の治療組成物の投与経路及び頻度並びに投与量は、個体間で変わり、標準的な技術を使用することで容易に確立されて良い。一般に、医薬組成物及びワクチンは、注射によって(例えば、皮内、筋内、静脈内又は皮下)、鼻腔内(例えば、吸入によって)又は経口的に投与されて良い。好適に、1〜10投与量が52週間に渡り投与されて良い。好適に、6投与量が1月間隔で投与されて良く、そしてブースターワクチンがこの後定期的に与えられて良い。代替プロトコールも個々の患者のために適切でありうる。適切な投与量は、上記のようにして投与された場合、抗腫瘍免疫反応を促すことができる化合物を意味し、そして基底(未処理)量よりも10〜50%上である。かかる反応は、患者中の抗腫瘍抗体を測定することによって又は患者の腫瘍細胞をin vitroで殺すことができる細胞溶解性エフェクター細胞のワクチン依存性発生によってモニタリングされて良い。かかるワクチンは、ワクチン化されていない患者に比べて、ワクチン化された患者における臨床転帰の改善(例えば、一層頻繁な一時的回復、完全もしくは部分的もしくはより長い疾患を伴わない生存状態)をもたらす免疫反応を生じることができるべきである。一般に、1又は複数のポリペプチドを含んで成る医薬組成物及びワクチンについて、投与量中に存在する各ポリペプチドの量は、宿主kgあたり約25μg〜5mgの範囲である。適切な投与量サイズは、患者のサイズにより代わるだろが、典型的には、約0.1mL〜約5mLの範囲である。
一般に、適切な投与量及び治療計画は、治療上及び/又は予防上の利点を供するために十分である1又は複数の活性化合物を提供する。かかる反応は、治療されていない患者に比べて治療された患者における臨床転帰の改善(例えば、頻繁な一時的回復、完全もしくは部分的もしくはより長い、疾患を伴わない生存状態)を確立することによってモニタリングされて良い。腫瘍タンパク質に対して予め存在する免疫反応の増加は、一般に、臨床転帰の改善と連動する。かかる免疫反応は、一般に、患者から治療の前後に獲得された試料を使用することで行われて良い標準的な増幅、細胞傷害性又はサイトカインアッセイを使用することで評価されて良い。
本発明は、更に、以下の限定的ではない例及び例示目的のみである試験例によって記載されている。本明細書中に記載の全ての参照はその全体を参照によって組み込まれている。
実施例
実施例1
一次脂肪アシル鎖修飾
この例は、様々な長さの一次脂肪アシル鎖を、単独で又は二次脂肪酸鎖との組み合わせにおいて有する一次脂肪酸誘導体の調製を記載する。例えば、化合物1a〜c及び2a〜cにおいて、短(C6)及び中(C10)鎖一次脂肪酸は、短、中、又は長鎖二次脂肪酸と結合している。
これらの化合物は、十分に確立されたセリンアグリコン(R1=CO2H)を使用すること、又は代わりに、化学的に一層安定な且つイオン化可能なセリノールフォスフェートアグリコンユニット(R1=CH2OPO3H2)のいずれかを使用することによって調製されて良い。セリル/セリノールフォスフェート選択は、既知のセリル誘導体3a、bと新規セリノールフォスフェート4a、bの生物活性を比較することに基づくだろう。
一次鎖修飾化合物誘導体を、従来記載の方法(Johnsonら,米国特許第6,355,251号におけるB1)を、共通する後生的な中間体を使用する(それにより合成の最後近くにアミド及びエステル結合したアシルオキシ酸の導入が可能になる)ことによって改変することで合成している(スキームI)。合成の最初の段階は、既知のテトラ酢酸塩5(グルコサミンから4段階で調製した)によりアクセプター6の糖化をしてβグリコシド7を提供しそして7を共通する後生的中間体(CAI)8(それは、R1=CO2Bnについて最適化されている)への転換を供する。選択的4−O−アシル化及びN−脱保護/アシル化によりヘキサアシル誘導体9(1a〜c又は2a〜cへと、リン酸化及び脱ブロッキングにより、3〜4段階で転換される)がもたらされる。
必要な(R)−3−n−アルカノイルオキシアルカン酸を、Keeganら,Tetrahedron:Asymmetry;vol.7(No.12):pp.3559〜3564,1996の方法に従い、適切な3オキソメチルエステルから出発することによって調製している。産物1及び2の化学的且つジアステレオマー高純度を通常のシリカゲル上での相クロマトグラフィー、又は代わりに、セルロースクロマトグラフィーもしくはSephadex LH−20ゲル上での液体−液体分離クロマトグラフィーのいずれかによって達成している。単離したトリエチルアンモニウム塩の純度は、分光的(IR、1H及び13C NMR)及び物理的(燃焼分析、FAB−MS)手段並びにHPLCによって確認している。
実施例2
グリシル及びフォスオノオキシエチル(PE)化合物
この例では、3a、b及び4a、bと近い位置異性体である、グリシル化合物11a、b及びフォスフォノオキシエチル(PE)化合物12a、bの合成を記載する。
これらの化合物は、スキームIにおいて概略を示したものよりも一層収束的な合成によって容易に調製されており、ここで共通するC6又はC10グリコシル供与体13を適切なNアシル化(又は代わりにN−Troc 保護されている−示していない)アクセプターユニット14又は15と銀イオンの存在下で結合させβ−グリコシド16を提供している(スキームII)。グリシンアクセプター14を、Bulusuら,JMed Chem ;vol.35(No.19):pp.3463〜3469,1992に従い、エタノールアミン及びベンジル(又はt−ブチル)ブロモアセテートから、その後N−アセチル化又は保護によって調製している。フォスフェート15を、N−アシル化した(又は保護された)ジエタノールアミンの一リン酸化反応によって調製している。β−グリコシド16のTroc保護されたアグリコンの場合のN−脱保護/アシル化又はN,N−ジアシル化(Jiangら,Tetrahedron;vol.58(No.43):pp.8833〜8842,2002)及び生じるヘキサアシル化誘導体17のフェニル及び他の保護基の解裂により所望の化合物11a、b及び12a、bを生じることが予測され、それらをシリカもしくはLH20ゲルもしくはDEAEセルロース上でのクロマトグラフィー製精の後に単離してそれらのトリエチルアンモニウム塩であるとして特性決定している。
化合物16は、新規であり且つ本発明の更なる他の観点を形成する。
実施例3
第二エーテル脂質
この例では、不都合な代謝作用及び/又は水性加水分解に対して耐性である(R)−3−アルキルオキシテトラデカン酸誘導体(18a、b) の合成を記載している。化合物18a、bを合成するために、第二脂肪酸化合物3a、bのエーテル脂質類似物又は対応するセリノールフォスフェート5a、bが最初に合成されなければならない。スキームIIIに逆合成により示すように、標的分子18a、bの標的分子の合成は、(R)−3−ヘキシルオキシテトラデカン酸又は(R)−3−デシルオキシテトラデカン酸を、対応するアシルオキシ酸へとスキームIにおける共通する後生的な中間体8の選択的3−O−アシル化で始まり、そして中間体9(R2=C6又はC10アルキル、n=9)を経ることでの置換によって達成されて良い。必須のアルキルオキシ酸19を(R)−3−ヒドロキシテトラデカン酸、又はそのフェナシルエステル(アシルオキシ合成における中間体)から、全体収率50%超の公知の方法(Keeganら,Tetrahedron:Asymmetry;vol.7(No.12):pp.3559〜3564,1996,Watanabeら.,CarbohydrRes;vol.332(No.3):pp.257〜277,2001,Jiang,BioorgMed Chem Lett;vol.12(No.16):pp.2193〜2196,2002,Christら, 米国特許第5,530,113号1996)によって合成している。
実施例4
第一及び第二エーテル脂質
この例では、C-3糖位において第一エーテル脂質並びに3つの第二エーテル脂質を含む化合物(20a、b)を記載する。これらの化合物を、アセトニド21(グリコシル供与体13の合成における中間体(スキームII))のスルホン酸塩22(順番に一段階で19のアルコール前駆体から生成している)によるアルキル化によってジエーテル23を与えるために、生成している(スキームIV)。4,6−官能化及びアノマー活性化によりグリコシルクロリド24を提供し、それを次いでスキームIIに示すように、N−アシル化段階において対応するアルキルオキシ酸を使用することで処理している。代わりのスキームにおいて、2−アジド42又は2−トリフルオロアセトアミド45誘導体を3−O−アルキル化段階で使用することができうる。
実施例5
C 6 修飾化合物
この例は、遮断された6−ヒドロキシルを有する化合物を記載する。この例は、メチルエーテルもしくはフッ素基をセリルもしくはセリノールフォスフェート化合物25a、b及び26a、bと共に使用している。上記のように、これらの化合物も本発明の観点を形成する。
化合物を、スキームVに示すようにジオール27から調製している。中間体27(アセトニドから2段階で獲得した)を6位において、公知の方法 (Christら,米国特許第5,530,113号,1996;Watanabeら,Carbohydr Res;vol.333(No.3):pp.203〜231,2001)によって官能化させてアルコール28を獲得する。28から塩化物29への2段階での転換及びスキームIIによる合成により、標的分子25a、b及び26a,bを提供する。例4に記載の通り、第一及び/又は第二エーテル結合を有する化合物を、この例で記載したとおり修飾し、分子を化学物質及び酵素的分解に対して保護するために修飾できうる。
上記例は単に本発明を例示する目的であると解される。使用された組成物及び/又は方法の所定の改変がなされて良く、そして本発明の目的を達成する。かかる改変は、本発明の請求の範囲にあるように、熟考されている。

Claims (3)

  1. 式:
    (式中、nは1又は5であり、そしてR6はCOOH又はCH2OPO3H2である)を有する化合物。
  2. nが1である、請求項に記載の化合物。
  3. nが5である、請求項に記載の化合物。
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