JP4838026B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法に係わり、特にFRAMの強誘電体容量素子を形成するに際して強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理する際に、位置合わせマークの溝に埋設されたW膜の酸化を防止することができる半導体装置の製造方法に関する。
強誘電体薄膜を容量素子(キャパシタ)として用いた強誘電体メモリは、ランダムアクセスが可能な不揮発性メモリでFRAM(FerroelectricRAM、以下、FRAMと略称)と呼ばれる。FRAMは、低電圧動作、高耐久性、低消費電力などの特長を持っている。そのため、理想のメモリとして期待され、近時、研究開発が盛んに行われている。
FRAMは、トランジスタと強誘電体容量素子とを組み合わせて1セットとし、選択トランジスタの一方の拡散層に接続された容量素子を1ビットの情報を貯えるメモリセルとして用いている。
メモリセルを構成している強誘電体容量は、容量を構成する容量絶縁膜に、SBTやPZTと略称されるような金属酸化物からなる強誘電体の薄膜を用いており、強誘電体を分極させることによって情報を永続的に貯える。
強誘電体は、低温相で自発誘電分極を発生している物質である。この分極は外部電場によって反転可能であり、ヒステリシス特性を持っている。つまり、印加する電圧の正負を切り換えると+または−の電荷を表面に誘起することができ、しかも、電圧を切っても電荷が保持される。従って、この状態を論理の0と1とに対応させることによってメモリを構成することができる。
ところで、FRAMは、当初、二つのトランジスタと二つの容量素子とを組み合わせた2T2Cのセル構造が主流であった。しかし、セルの回路方式や容量素子の構造の改良、セルサイズの縮小、高集積化、およびメモリとしての大容量化の要請などから、1T1Cセルのセル構造に移行している。
FRAMにおいては、強誘電体容量素子の構造も重要である。当初、強誘電体容量は、文字通り2枚の平板電極間に強誘電体膜を挟持する構造であった。いわゆる、プレーナー構造であったが、誘電体膜の膜厚が数百nmから数十nmへと薄膜化が進む一方、セルサイズの一層の小形化を指向してプラグ上スタック構造や立体スタック構造などの構造改良が進められている。
図5は従来のFRAMの一例の模式的断面図である。図5(A)において、トランジスタ101と強誘電体からなる容量素子102とが1セットとなって、例えば、高融点金属のWの配線5を介して上下に結線されたプレーナ構造になっている。基板6の上には、このセットがメモリのビット容量分の数だけ配設されている。
基板6の周辺部位の複数箇所には、露光などの製造工程において位置合わせを行うための位置合わせマーク1が設けられている。この位置合わせマーク1は、製造の途中工程で損傷したり消滅したりしないように強固に設けられている。
つまり、トランジスタ101に付設されたプラグ7の形成と同時に、溝10を掘ってその中に配線に用いるWなどの金属を埋め込み、CMP(化学的機械的研磨)を用いて研磨するダマシン法によって設けられる。
ところで、容量素子となる強誘電体は金属酸化物結晶からなる。そのため、FRAMの製造工程においては、強誘電体の結晶欠陥を除いたり、あるいはスパッタやエッチングなどの諸工程において受けるプロセス損傷を回復させたりして、理想的なヒステリシス特性を示すようにするために、酸素雰囲気中での高温の熱処理が不可欠である。
そのために、強誘電体容量素子の形成前の工程で製造された高融点金属のWなどからなる配線などや、露光工程などで用いる位置合わせマークなどの部位が、何らかの保護策を講じないと酸素雰囲気下が行われる熱処理によって酸化してしまう。
その結果、配線などにおいては、導電性を失って絶縁性の酸化物になってしまったり、位置合わせマークにおいては、酸化物が盛り上がって歪みを生じて位置決め精度不良が起こったりする不具合を生じる。
そこで、FRAMの製造工程に際しては、強誘電体容量素子の製造に欠かせない酸素雰囲気中での高温熱処理と、この熱処理に起因して起こる金属製パターンが酸化することに耐える保護策が提案されている。
強誘電体容量の下方に形成された金属配線の酸化防止に対しては、少なくとも1層の金属配線を形成し、最上層の金属配線を形成した後に酸化防止膜を形成し、酸化防止膜を形成した後に強誘電体容量を形成して酸素雰囲気下で熱処理を行い、金属配線の酸化を防いでいる(例えば、特許文献1参照)。
次いで、強誘電体形成に伴う酸素雰囲気下での熱処理によって著しくWが酸化してしまう合わせマーク(位置合わせマーク)に対しては、絶縁膜に形成された溝に金属を形成して酸化を防止する膜で覆い、酸素を遮断して酸化を防止する。さらに、第2の絶縁膜を設けたり、溝をコンタクトホール形成工程で設けたり、金属をコンタクトホール埋め込み工程で形成したり、金属の酸化を防止する膜がイリジウムであったりすることなどが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−217397号公報 特許第3519721号(〔0015〕〜〔0017〕) このように、FRAMの製造において不可欠な酸素雰囲気中での熱処理に起因して起こる配線や位置合わせマークの酸化は、酸化防止膜で覆って防ぐことが一般的に行われている。酸化防止膜には、例えば、プラズマによって成膜したP−SiN(SiON)がよく用いられる。
ところで、図5(A)において、プラグ7はL1=0.3μmφ程度の小孔径で、深さは0.7μm程度である。従って、導体金属としてWを埋め込むことは、図5(B)の断面写真で示したように容易である。しかも、プラグ7の表面は酸素雰囲気中で熱処理を行っても、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜によって覆えばWの酸化は起こっていない。
ところが、位置合わせマーク1は、露光工程のときなどに光学的に位置合わせを行うときに用いるもので、マーク幅は少なくともL2=2μmを必要としている。つまり、プラグ7に比べて桁違いに大きい。
そのため、図5(A)で示した位置合わせマーク1の○で囲んだ溝周縁部11は、図5(C)に拡大断面写真で示したように、溝状に掘られた位置合わせマーク1では、Wが埋まり切らないと、溝周縁部11ではW膜2の表面の凹凸が激しく、その上に被着するSiONからなる酸化防止膜3のカバリッジ(被覆性)が十分に行われない。
図6は位置合わせマークの酸化の様子を示す図で、図6(A)には拡大した表面写真、図6(B)には断面のSEM写真を示す。これらの図から、W膜2によって形成された位置合わせマーク1は、酸素雰囲気中での熱処理によってWが酸化されて盛り上がり脇にはみ出てしまっている。そして、マークの輪郭が鮮明さを失い歪んでしまっていることが分かる。
これまで述べてきたように、FRAMの製造工程において、位置合わせマークを強誘電体容量素子を形成する前、つまり、トランジスタから導出するプラグを形成する際に同時に形成する工程によれば、そのあとに行う強誘電体の酸素雰囲気中における熱処理によって、位置合わせマークを構成するWが酸化されてしまう不具合が生じる。
つまり、溝堀りされた位置合わせマークに埋設するWの膜厚が薄い場合には、溝の中に埋まり切らない。そのために、酸化防止膜のP−SiN(SiON)が薄いと溝の溝周縁部のカバリッジが悪いために強誘電体の酸化熱処理の際にWの異常酸化が起こる。また、Wの膜厚を厚くしてWの埋め込みを十分に行うと、W膜の膜形成時間やCMPによる研磨時間が増大、Wの高いストレスによる剥がれなどの不具合が生じる。
一方、酸化防止膜のP−SiN(SiON)の膜厚を厚くすると、強誘電体の酸化熱処理の際に膜の熱収縮が起こり上部膜の剥がれが発生する。因みに、P−SiN(SiON)膜の熱収縮の程度は、650℃の酸素雰囲気中での熱処理で30%以上に及ぶ。さらに、P−SiN(SiON)膜を厚くした場合には、プラグの部位でコンタクトを形成する孔明けのためのエッチングが困難となり、導通不良を起こす不具合が生じる。
そこで、本願発明は、FRAMの製造工程において、強誘電体の酸素雰囲気中における熱処理の際に、位置合わせマークの溝の中に埋設するW膜の酸化を防止できる半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
上で述べた課題は、強誘電体容量をメモリとして用いた半導体装置の製造に際して、溝状に掘って形成したマーク幅が少なくとも2μmの位置合わせマークに埋設したW膜が酸化することを防止した半導体装置の製造方法において、該溝内で該W膜の表面のうちで最も低い部分が該溝の上端よりも低くなっており、該強誘電体容量を形成する前に、該W膜をP−SiN又はP−SiONからなり、該溝の内面に倣う凹部を備えた酸化防止膜によって覆い、次いで、該酸化防止膜に熱処理を行って予め熱収縮させ、次いで、屈折率1.45〜1.65のP−SiOからなる酸化膜を形成するように構成された半導体装置の製造方法によって解決される。
つまり、FRAMにおいては、強誘電体容量素子を安定に形成するために強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理を行う。その際に、位置合わせマークの溝に埋設したW膜が酸化することを防ぐ目的で、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜を用いる。
ところが、P−SiN(SiON)は、650℃の酸素雰囲気中での熱処理によって、30%以上も収縮することが知られている。そのために、W膜の酸化防止を十分に機能することができなかった。
そこで、本願発明においては、強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理する前に、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜を熱処理し、予め収縮させるようにしている。そして、強誘電体の酸素雰囲気中での熱処理に際して、熱収縮によるカバリッジの不具合に起因するW膜の異常酸化を防ぐようにしている。
また、強誘電体容量をメモリとして用いた半導体装置の製造に際して、溝状に掘って形成したマーク幅が少なくとも2μmの位置合わせマークに埋設したW膜が酸化することを防止した半導体装置の製造方法において、該溝内で該W膜の表面のうちで最も低い部分が該溝の上端よりも低くなっており、該W膜をP−SiN又はP−SiONからなり、該溝の内面に倣う凹部を備えた酸化防止膜によって覆い、次いで、該酸化防止膜膜をCMPによって研磨し、次いで、該W膜を再度該酸化防止膜によって覆うように構成された半導体装置の製造方法によって解決される。
つまり、先ず、位置合わせマークの溝に埋設したW膜をP−SiN(SiON)からなる酸化防止膜で覆うようにしている。次いで、酸化防止膜をCMPによって研磨し、下地のW膜の凹凸に倣ったカバリッジの悪い部位を削り取る。次いで,再度酸化防止膜が覆うようにしている。
こうして、W膜を一旦酸化防止膜で被覆したあとCMPによって研磨し、再度酸化防止膜で被覆すると、工程は増えるが酸化防止膜の被覆の不具合に起因するW膜の異常酸化を防止することができ、結果として製造効率を上げることができる。
また、強誘電体容量をメモリとして用いた半導体装置の製造に際して、溝状に掘って形成したマーク幅が少なくとも2μmの位置合わせマークに埋設したW膜が酸化することを防止した半導体装置の製造方法において、該溝内で該W膜の表面のうちで最も低い部分が該溝の上端よりも低くなっており、該W膜をCMPによって研磨し、次いで、該位置合わせマークの溝にSOGを埋設し、次いで、該SOG上に該溝の内面に倣う凹部を備えた酸化防止膜を形成するように構成された半導体装置の製造方法によって解決される。
つまり、位置合わせマークの溝周縁部に被着したW膜の凹凸を解消するために、W膜を溝が完全に埋まるように埋設することは、成膜工程に掛かる時間が異常に長くなり、実用的ではない。そこで、本願発明では、W膜をCMPによって研磨したあと、位置合わせマークの溝周縁部のW膜の凹凸を埋めるように、成膜効率が高く成膜時間が短くて済むSOGで埋めるようにしている。
こうすると、位置合わせマークの溝周縁部に被着したW膜がよくカバリッジされ、後工程で行う強誘電体の酸素雰囲気中での熱処理に対しても、カバリッジの不具合に起因するW膜の異常酸化を防ぐことができる。
また、上記の諸形態において、該P−SiN(SiON)の酸化防止膜としての性能、つまりカバリッジ性能をより改善するために、該P−SiN(SiON)が、高密度プラズマ膜であるように構成し、また、N 2またはN2Oを用いた200〜450℃のプラズマ処理を行うように構成し、さらに、SiH4およびN2Oガスを用いて形成するように構成されていてもよい
また、上記の諸形態において、該P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜を形成し、次いで、屈折率1.45〜1.65のP−SiO からなる酸化膜を形成するように構成し、また、該P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜を形成し、次いで、Al23からなる水素拡散防止膜を形成するように構成されていてもよい
つまり、P−SiOからなる酸化膜及びAl 2 3 からなる水素拡散防止膜は、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜の本来の位置合わせマークの溝内のW膜の酸化防止に加えて、強誘電体容量素子の下地電極となるTiやPtなどの配向性の向上にも寄与させることができる。
本発明においては、FRAMの製造工程において用いる溝状に掘った位置合わせマークに埋設したW膜を被覆するP−SiN(SiON)からなる酸化防止膜のカバリッジの向上を図っている。
その結果、強誘電体容量素子を形成する際に強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理してもW膜の酸化を防止することができ、位置合わせマークを本来の高精度で用いることが可能となり、FRAMの製造効率化が図れる。
図1は本発明の第一の実施例の要部の模式的断面図、図2は参考例の要部の模式的断面図、図3は本発明の第二の実施例の要部の模式的断面図、図4は本発明の第の実施例の要部の模式的断面図である。
〔実施例1〕
図1はFRAMの製造工程で欠かせない位置合わせマーク1の溝10の部位を要部として断面図で示した第一の実施例である。図1(A)において、位置合わせマーク1の溝10に埋設されるW膜2は、図示してないFRAMのトランジスタから導出されるプラグをCMPによって研磨してダマシン法によって形成する際に、成膜もCMPによる研磨も一緒に行われる。
さらに、W膜2の上には、W膜2の酸化を防止するP−SiN(SiON)からなる酸化防止膜3を被着する。この酸化防止膜3はプラズマCVD成長法によって形成したものであり、成膜条件としては、SiH4 :60sccm、NH3 :800sccm、N2 O:500sccmのガス組成で、成長温度500℃程度、50W程度のRF電力である。高密度プラズマCVD法で形成することもできる。また、NH3 を使わずにSiH4 とN2 Oで成膜することもできる。
ところで、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜3は、膜自体は酸化防止能力に優れているが、酸素雰囲気中での熱処理による熱収縮率が、例えば、30〜50%と大きい。つまり、P−SiN(SiON)は成膜したままでは緻密性に欠け、後工程のFRAMにおける強誘電体の酸素雰囲気中での熱処理によって収縮し、カバリッジが損なわれて下地のW膜に酸化が起こってしまう。
そこで、予めP−SiN(SiON)からなる酸化防止膜3を、例えば、650℃で5分間の熱処理を行い、図1(B)に示したように熱収縮させて緻密なカバリッジのよい膜にする。
そうすると、FRAMの製造工程で強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理する際に、位置合わせマーク1の溝10に埋設されたW膜2の酸化を防止することができる。従って、本来の位置合わせマークとしての精度を保つことができる。
図2はFRAMの製造工程で欠かせない位置合わせマーク1の溝10の部位を要部として断面図で示した第二の実施例である。図2(A)において、位置合わせマーク1の溝10に埋設されるW膜2は、第一の実施例と同様の工程によって形成される。
CMPによって研磨された位置合わせマーク1の溝10に埋設されたW膜2は、一旦エッチバックを行って、図2(A)に示したように位置合わせマーク1の溝周縁部11の凹凸を除去して滑らかにする。
次いで、図2(B)に示したようにP−SiN(SiON)からなる酸化防止膜3をW膜2に被着する。そうすると、溝周縁部11におけるW膜2の凹凸が削られているので、酸化防止膜3のカバリッジがよくなる。その結果、FRAMの製造工程で強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理する際に起こる位置合わせマーク1の溝10に埋設されたW膜2の酸化を防止することができる。
図3はFRAMの製造工程で欠かせない位置合わせマーク1の溝10の部位を要部として断面図で示した第三の実施例である。
図3(A)において、位置合わせマーク1の溝10に埋設されるW膜2は、第一の実施例と同様の工程によって形成される。そして、位置合わせマーク1に埋設されたW膜2には、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜3を被着して覆う。
W膜2と、W膜2を覆っている酸化防止膜3をCMPによって研磨すと、図3(B)に示したように、位置合わせマーク1の溝周縁部11のW膜2の凹凸は、酸化防止膜3によって埋め込まれた状態になる。
次いで、再度P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜3を被着する。こうして、位置合わせマーク1に埋設されたW膜2は、二重に酸化防止膜3に被覆される。従って、FRAMの製造工程で強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理する際に起こる位置合わせマーク1の溝10に埋設されたW膜2の酸化を防止することができる。
図4はFRAMの製造工程で欠かせない位置合わせマーク1の溝10の部位を要部として断面図で示した第四の実施例である。
図4(A)において、位置合わせマーク1の溝10に埋設されるW膜2は、第一の実施例と同様の工程によって形成される。そして、位置合わせマーク1に埋設されたW膜2には、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜3を被着して覆ったあと、CMPによってW膜2を研磨する。
位置合わせマーク1の溝10の深さは、例えば、0.7μm程度で、W膜2で溝10を埋め尽くすには長時間を要し、しかも、溝10の外側をCMPによって研磨するにも長時間を要し、実用的ではない。
そこで、成膜速度が早くて研磨もし易いSOG膜4を、W膜2で覆われた位置合わせマーク1の溝10の中に埋設する。そうすると、溝周縁部11のW膜2の凹凸を埋めて滑らかにすることができる。
次いで、図4(B)に示したように、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜3で覆えば、溝周縁部11のW膜2が完全に被覆される。その結果、FRAMの製造工程で強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理する際に起こる位置合わせマーク1の溝10に埋設されたW膜2の酸化を防止することができる。
なお、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜を、N2 またはN2 Oを用いた200〜450℃のプラズマ処理を行うと、酸化防止膜としての膜質が一層改質される。
また、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜は、FRAMのメモリとなる強誘電体容量素子を形成する領域まで延在している。従って、その酸化防止膜の上に屈折率1.45〜1.65のP−SiOからなる酸化膜を形成すると、強誘電体容量素子の下部電極となるTiやPtなどからなる電極膜の配向性を向上させることができる。
さらに、P−SiN(SiON)からなる酸化防止膜の上にAl2 3 からなる水素拡散防止膜を形成すると、下地からの水素拡散防止になるばかりでなく、強誘電体容量素子の下部電極となるTiやPtなどからなる電極膜の配向性の向上にも有効である。
こうして、本願発明になる半導体装置の製造方法によって製造された半導体装置、特に強誘電体を酸素雰囲気中で熱処理する必要があるFRAMにおいて、位置合わせマークを製造工程の最後まで安定な状態で維持できる。その結果、本願発明によれば、生産性の優れた半導体装置を得ることができる。
本発明の第一の実施例の要部の模式的断面図である。 参考例の要部の模式的断面図である。 本発明の第の実施例の要部の模式的断面図である。 本発明の第の実施例の要部の模式的断面図である。 従来のFRAMの一例の模式的断面図である。 位置合わせマークの酸化の様子を示す図である。
符号の説明
1 位置合わせマーク
2 W膜
3 酸化防止膜
4 SOG膜
10 溝
11 溝周縁部

Claims (9)

  1. 強誘電体容量をメモリとして用いた半導体装置の製造に際して、溝状に掘って形成したマーク幅が少なくとも2μmの位置合わせマークに埋設したW膜が酸化することを防止した半導体装置の製造方法において、
    該溝内で該W膜の表面のうちで最も低い部分が該溝の上端よりも低くなっており、
    該強誘電体容量を形成する前に、該W膜をP−SiN又はP−SiONからなり、該溝の内面に倣う凹部を備えた酸化防止膜によって覆い、
    次いで、該酸化防止膜に熱処理を行って予め熱収縮させ
    次いで、屈折率1.45〜1.65のP−SiOからなる酸化膜を形成す
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 強誘電体容量をメモリとして用いた半導体装置の製造に際して、溝状に掘って形成したマーク幅が少なくとも2μmの位置合わせマークに埋設したW膜が酸化することを防止した半導体装置の製造方法において、
    該溝内で該W膜の表面のうちで最も低い部分が該溝の上端よりも低くなっており、
    該W膜をP−SiN又はP−SiONからなり、該溝の内面に倣う凹部を備えた酸化防止膜によって覆い、
    次いで、該酸化防止膜をCMPによって研磨し、
    次いで、該W膜を再度該酸化防止膜によって覆う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 強誘電体容量をメモリとして用いた半導体装置の製造に際して、溝状に掘って形成したマーク幅が少なくとも2μmの位置合わせマークに埋設したW膜が酸化することを防止した半導体装置の製造方法において、
    該溝内で該W膜の表面のうちで最も低い部分が該溝の上端よりも低くなっており、
    該W膜をCMPによって研磨し、
    次いで、該位置合わせマークの溝にSOGを埋設し、
    次いで、該SOG上に該溝の内面に倣う凹部を備えた酸化防止膜を形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 該P−SiN又はP−SiONが、高密度プラズマ膜である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 該P−SiN又はP−SiONからなる酸化防止膜を、N2またはN2Oを用いた200〜450℃のプラズマ処理を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 該P−SiN又はP−SiONを、SiH4およびN2Oガスを用いて形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 該P−SiN又はP−SiONからなる酸化防止膜を形成し、
    次いで、屈折率1.45〜1.65のP−SiOからなる酸化膜を形成する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 該P−SiN又はP−SiONからなる酸化防止膜を形成し、
    次いで、Al23からなる水素拡散防止膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 該酸化防止膜の原料ガスとして少なくともNH 3 ガスを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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