JP5664088B2 - アライメントマーク基板、素子、および素子の製造方法 - Google Patents
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このようなことから本発明によれば透明導電部をパターン状に形成し、これに対応するようにパターン状の機能層を積層する際に、機能層を上記透明導電部のパターンに対応するように精度良くアライメントすることが可能な、アライメントマーク基板を提供することができる。
以下、これらの各発明について順に説明する。
まず、本発明のアライメントマーク基板について説明する。本発明のアライメントマーク基板は、基板と、上記基板上に形成され、表面に凹部状に形成されたアライメント用凹部を有するアライメントマーク層とを有することを特徴とするものである。
このようなことから本発明によれば、透明導電部をパターン状に形成し、これに対応するようにパターン状の機能層を積層する際に、機能層を上記透明導電部のパターンに対応するように精度良くアライメントすることが可能なアライメントマーク基板を提供することができる。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられるアライメントマーク層について説明する。本発明に用いられるアライメントマーク層は、後述する基板上に形成されるものであり、表面に凹部状に形成されたアライメント用凹部を有するものである。
アライメント用凹部が形成されるこれらの態様について図を参照しながら説明する。図3は、アライメント用凹部が形成される態様の一例を示す概略断面図である。図3に例示するように、本発明におけるアライメント用凹部13は、アライメントマーク層12の一部が除去される態様で形成されたものであってもよく(図3(a))、あるいはアライメントマーク層12の一部がすべて除去される態様で形成されたものであってもよい(図3(b))。
次に、本発明のアライメントマーク基板に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板としては、上述したアライメントマーク層を支持できるものであれば特に限定されるものではない。また、本発明に用いられる基板としては、透明性を有するものであってもよく、または不透明なものであってもよい。
(1)任意の構成
本発明のアライメントマーク基板は少なくとも上記基板と、アライメントマーク層とを有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成を有してもよいものである。本発明に用いられる任意の構成としては、本発明のアライメントマーク基板を用いて製造する素子の種類等に応じて、所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。このような任意の構成としては、例えば、上記アライメントマーク層上に形成されるガスバリア層を挙げることができる。このようなガスバリア層が用いられることにより、例えば、上記アライメントマーク層が有機材料から構成されている場合や、上記基板が有機材料から構成されている場合において、本発明のアライメントマーク基板を用いて素子を製造した際に、上記有機材料から放出される水蒸気等のガスがアライメントマーク層上に形成される透明導電部、さらには機能層に浸透し、それらの機能が害されることを防止できるという利点がある。
本発明のアライメントマーク基板は、例えば、上述した基板を用い、当該基板上にアライメントマーク層を形成し、次いでアライメントマーク層の表面にアライメント用凹部を形成することによって製造することができる。基板上にアライメントマーク層を形成する方法としては、使用される構成材料の種類等に応じて、所望の厚みでアライメントマーク層を形成することができる方法であれば特に制限なく用いることができる。例えば、アライメントマーク層の構成材料として有機材料が用いられる場合には、有機材料を任意の溶媒に溶解した塗布液を上記基板上に塗布することによってアライメントマーク層を形成することができる。このときの塗布方法としては、例えば、バーコート法、スピンコート法、ブレードコート法等の一般的に公知の塗布方法を用いることができる。このような塗布方法によれば平坦性に優れたアライメントマーク層を形成できるという利点がある。
一方、アライメントマーク層の構成材料として無機材料が用いられる場合には、例えば、スパッタリング法等によって製膜することによりアライメントマーク層を形成することができる。
さらに、本発明において任意の構成として上記ガスバリア層を用いる場合には、アライメント用凹部を形成した後に、アライメントマーク層上に上述した方法によってガスバリア層を形成することになる。このようガスバラリア層を形成することにより、アライメントマーク層の表面に形成されたアライメント用凹部の底部にもガスバリア層を形成することができ、アライメント用凹部の底部から有機材料等が浸透されることを防止することができる。
本発明のアライメントマーク基板は、アライメントマーク層上に透明電極または透明半導体等の透明導電部をパターン状に形成することによって素子を製造するために用いられるものである。本発明のアライメントマーク基板が用いられた素子については、後述する「B.素子」の項において詳細に説明する。
次に、本発明の素子について説明する。上述したように本発明の素子は、上記本発明に係るアライメントマーク基板と、上記アライメントマーク基板のアライメントマーク層上にパターン状に形成された透明導電部と、を有することを特徴とするものである。
なお、本発明に用いられる「アライメントマーク基板」については、上記「A.アライメントマーク基板」の項において説明したものと同様であるため、以下での説明を省略する。
本発明に用いられる透明導電部について説明する。本発明に用いられる透明導電部は、上記アライメントマーク基板が有するアライメントマーク層上にパターン状に形成されるものであり、透明導電性材料からなるものである。本発明に用いられる透明導電性材料としては、本発明の素子の種類に応じて適宜選択することができるものであり、特に限定されるものではない。このような透明導電性材料としては、例えば、ITO、InZnO、ZnAlO、ZnGaO、ZnO、In2O3、Ga2O3、InGaO3とこれらの化合物等を挙げることができる。
上述したように本発明の素子には任意の構成として機能層が用いられていてもよい。本発明に用いられる機能性部は、透明導電部上にパターン状に形成されるものである。本発明に用いられる機能層は特に限定されるものではなく、本発明の素子の種類等に応じて所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。また、本発明に用いられる機能層は、透明性を有する透明性材料からなるものであってもよい。透明性材料が用いられる場合、本発明に用いられる機能層は透明性を有するものとなり、一般的には透明導電部に対応するようなパターン状に形成することは困難になる。しかしながら、本発明においては上記アライメントマーク層にアライメント用凹部が形成されていることにより、当該アライメント用凹部を基準としてアライメント行い、機能層をパターン状に形成することが可能であるため、透明な機能層であっても精度良くパターニングすることができる。また、アライメント用凹部が形成されていることに伴って、アライメントマーク層にアライメント用凹部に隣接しての凸部が形成される場合には、当該凸部を基準としてアライメントすることもできる。このため、透明な機能層であっても特に困難性を伴うことなく使用することができるのである。
次に、本発明の素子について説明する。本発明の素子は上記透明導電部および上記機能層の種類を適宜選択することにより、種々の素子として使用することができるものである。図6は、本発明の素子の一例として、本発明の素子を薄膜トランジスタとして用いた場合の概略断面図である。図6に示すように、本発明の素子20は、透明導電部21をゲート電極として用い、かつ上記機能層22をゲート絶縁層として用い、さらに半導体層23、ソース電極24、およびドレイン電極25を形成することによりボトムゲート型の薄膜トランジスタ素子として使用することができる(図6(a))。
また、透明導電部21をソース電極およびドレイン電極として用い、かつ上記機能層22を半導体層として用い、さらにゲート絶縁層26、およびゲート電極27を形成することによりトップゲート型の薄膜トランジスタ素子として使用することができる(図6(b))。
次に、本発明の素子の製造方法について説明する。上述したように本発明の素子の製造方法は、上記本発明のアライメントマーク基板を用い、上記アライメントマーク層に形成された上記アライメント用凹部の位置を基準として、上記アライメントマーク層上にパターン状の透明導電部を形成する透明導電部形成工程と、上記アライメントマーク層に形成された上記アライメント用凹部の位置を基準として、上記透明導電部上にパターン状の機能層を形成する機能層形成工程と、を有することを特徴とするものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
まず、本発明に用いられる透明導電部形成工程について説明する。本工程は、上記本発明のアライメントマーク基板を用い、上記アライメントマーク層に形成された上記アライメント用凹部の位置を基準として、上記アライメントマーク層上にパターン状の透明導電部を形成する工程である。
また、図8においては、アライメント用凹部が形成された位置そのものを基準としてフォトマスクの位置調整をする例を示したが、本発明はこのような例に限られるものではなく、アライメント用凹部が形成されていることに伴って、アライメントマーク層にアライメント用凹部に隣接して凸部が形成される場合には、当該凸部を基準としてアライメントすることもできる。
また、上記フォトレジストとしては一般的に公知のものを用いることができ、フォトマスクを介して露光される光の波長についても、フォトレジストの種類に応じて適宜決定されることになる。
次に、本発明に用いられる機能層形成工程について説明する。本工程は、上記アライメントマーク層に形成された上記アライメント用凹部の位置を基準として、上記透明導電部上にパターン状の機能層を形成する工程である。本工程においては上記透明導電部のパターンに対応するようなパターン状に機能層を形成するが、上記透明導電部は透明性を有し、視認性に乏しいものであるため、通常であれば透明導電部のパターンに対応するようなパターンで機能層を形成することは非常に困難である。しかしながら、本発明においては上記透明導電部のパターンは、アライメントマーク層に形成されたアライメント用凹部の位置を基準として形成されているため、本工程においても同様にアライメント用凹部を基準としてパターン形成を行うことにより、透明導電層が視認できなくても透明導電層に対応したパターンで機能層を形成することができる。
また、上記フォトレジストとしては一般的に公知のものを用いることができ、フォトマスクを介して露光される光の波長についても、フォトレジストの種類に応じて適宜決定されることになる。
本発明においては上記透明導電部形成工程において形成する透明導電部の種類、および機能層形成工程において形成する機能層の種類を適宜選択することにより、種々の素子を製造することができる。例えば、上記透明導電部としてゲート電極を形成し、かつ上記機能層としてゲート絶縁層を形成することによって、ボトムゲート型の薄膜トランジスタ素子を製造することができ、また上記透明導電部としてソース電極およびドレイン電極を形成し、かつ上記機能層として半導体層を形成することによりトップゲート型の薄膜トランジスタ素子を製造することができる。さらに、単純マトリクス駆動の表示装置にも用いることができる。
ガラス基板(150mm×150mm×0.7mm)を用い、当該ガラス基板上に感光性アクリル樹脂をスピンコート法により塗布した後にベークを行い、溶媒を気化させた。次に、ベーク後にアライメントマークのみが形成されたフォトマスクを介して露光を行い、KOH系現像液を用いて現像した。現像後に更にベークを行い、アクリル樹脂を熱的に重合させることによってアライメントマーク層を形成し、アライメントマーク基板を得た。
上記アライメントマーク層が形成されたガラス基板に、RFマグネトロンスパッタリング法によりSiO2膜を100nm程度ガスバリア層として堆積した。スパッタリング条件は以下の通りとした。
スパッタリングターゲット:SiO2
RF電源周波数:13.56MHz
印加電力:6.3W/cm2
ガス流量比:O2…90%、Ar…10%
成膜圧力:0.3Pa
11 … 基板
12 … アライメントマーク層
13 … アライメント用凹部
14 … ガスバリア層
20 … 素子
21 … 透明導電部
21’ … 透明導電膜
22 … 機能層
22’ … 機能性膜
23 … 半導体層
24 … ソース電極
25 … ドレイン電極
26 … ゲート絶縁層
27 … ゲート電極
31 … フォトレジスト
32 … フォトマスク
33 … カメラ
A’,B’ … マーク
X … 凸部
Claims (5)
- 基板と、前記基板上に形成され、表面に凹部状に形成されたアライメント用凹部を有するアライメントマーク層と、前記アライメントマーク層上に形成されたガスバリア層と、を有し、
前記アラインメントマーク層が有機材料で構成されていることを特徴とするアライメントマーク基板。 - 請求項1に記載のアライメントマーク基板と、前記アライメントマーク基板のアライメントマーク層上にパターン状に形成された透明導電部と、を有することを特徴とする素子。
- 前記透明導電部上にパターン状に形成された機能層を有することを特徴とする、請求項2に記載の素子。
- 請求項1に記載のアライメントマーク基板を用い、前記アライメントマーク層に形成された前記アライメント用凹部の位置を基準として、前記アライメントマーク層上にパターン状の透明導電部を形成する透明導電部形成工程と、
前記アライメントマーク層に形成された前記アライメント用凹部の位置を基準として、前記透明導電部上にパターン状の機能層を形成する機能層形成工程と、を有することを特徴とする、素子の製造方法。 - 前記機能層が透明性材料からなることを特徴とする、請求項4に記載の素子の製造方法。
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