JP2798354B2 - 薄膜磁気ヘッド基板のオートアライメントマーカー形成方法 - Google Patents
薄膜磁気ヘッド基板のオートアライメントマーカー形成方法Info
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- JP2798354B2 JP2798354B2 JP6052850A JP5285094A JP2798354B2 JP 2798354 B2 JP2798354 B2 JP 2798354B2 JP 6052850 A JP6052850 A JP 6052850A JP 5285094 A JP5285094 A JP 5285094A JP 2798354 B2 JP2798354 B2 JP 2798354B2
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- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜磁気ヘッド製造の
ウエハープロセスにおける積層パターンの位置合わせに
用いるオートアライメントマーカー(光学的に自動位置
決めを行うためのマーカー)を基板に形成する方法に関
するものである。
ウエハープロセスにおける積層パターンの位置合わせに
用いるオートアライメントマーカー(光学的に自動位置
決めを行うためのマーカー)を基板に形成する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、薄膜磁気ヘッドを製造す
る際のウエハープロセスでは、1枚の基板上に多数のヘ
ッド素子を一括して形成する。各ヘッド素子は、フォト
リソグラフィ技術を用いて所定パターンの多種類の膜を
順次積層することによって形成される。具体的な例を挙
げると、アルミナと炭化チタンの混合セラミックス板の
表面に下地膜としてアルミナ保護膜を形成した基板を用
い、下部磁性膜(例えばFe−Ni合金膜)、ヘッドギ
ャップとなるギャップ膜(例えばアルミナスパッタ
膜)、下部絶縁膜(例えばポリイミド膜)、コイル膜
(例えば銅膜)、上部絶縁膜(例えばポリイミド膜)、
前記下部磁性膜と一体となって磁気コアを形成する上部
磁性膜(例えばFe−Ni合金膜)、リード線取出し用
のバンプ(例えば銅膜)、素子保護用の保護膜(例えば
アルミナスパッタ膜)を、この順序で順次形成してい
く。そのためには、各工程において基板とフォトマスク
とを精度良く位置合わせする必要がある。
る際のウエハープロセスでは、1枚の基板上に多数のヘ
ッド素子を一括して形成する。各ヘッド素子は、フォト
リソグラフィ技術を用いて所定パターンの多種類の膜を
順次積層することによって形成される。具体的な例を挙
げると、アルミナと炭化チタンの混合セラミックス板の
表面に下地膜としてアルミナ保護膜を形成した基板を用
い、下部磁性膜(例えばFe−Ni合金膜)、ヘッドギ
ャップとなるギャップ膜(例えばアルミナスパッタ
膜)、下部絶縁膜(例えばポリイミド膜)、コイル膜
(例えば銅膜)、上部絶縁膜(例えばポリイミド膜)、
前記下部磁性膜と一体となって磁気コアを形成する上部
磁性膜(例えばFe−Ni合金膜)、リード線取出し用
のバンプ(例えば銅膜)、素子保護用の保護膜(例えば
アルミナスパッタ膜)を、この順序で順次形成してい
く。そのためには、各工程において基板とフォトマスク
とを精度良く位置合わせする必要がある。
【0003】このような位置合わせを行う技術として、
例えば半導体素子製造プロセスなどにおいては、オート
アライメントマーカーによる自動化が行われている。し
かし薄膜磁気ヘッド基板の場合には、前記のように、基
板がアルミナと炭化チタンの混合セラミックス板にアル
ミナ保護膜を形成したものであるため、必要な高反射出
力が得られるようなマーカー部が形成できない。そこで
従来技術では、基板上にマニュアルアライメント用のマ
ーカーパターンを印刷し、作業者が顕微鏡を使用して、
前記マーカーパターンを利用し目視により位置合わせを
行っていた。
例えば半導体素子製造プロセスなどにおいては、オート
アライメントマーカーによる自動化が行われている。し
かし薄膜磁気ヘッド基板の場合には、前記のように、基
板がアルミナと炭化チタンの混合セラミックス板にアル
ミナ保護膜を形成したものであるため、必要な高反射出
力が得られるようなマーカー部が形成できない。そこで
従来技術では、基板上にマニュアルアライメント用のマ
ーカーパターンを印刷し、作業者が顕微鏡を使用して、
前記マーカーパターンを利用し目視により位置合わせを
行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなマニュアル
アライメント用のマーカーパターンを使用し、作業者が
目視にて位置合わせを行うのでは、位置合わせ精度のば
らつきが大きく、再現性に欠け、また工数がかかるなど
の問題があった。
アライメント用のマーカーパターンを使用し、作業者が
目視にて位置合わせを行うのでは、位置合わせ精度のば
らつきが大きく、再現性に欠け、また工数がかかるなど
の問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の技術的課題を解決
し、薄膜磁気ヘッド製造のウエハープロセスにおける積
層パターンの自動位置合わせのために、光を照射した時
に、高反射出力が生じ、基板とフォトマスクとを高精度
で位置合わせができるオートアライメントマーカーを薄
膜磁気ヘッド基板に形成する方法を提供することであ
る。
し、薄膜磁気ヘッド製造のウエハープロセスにおける積
層パターンの自動位置合わせのために、光を照射した時
に、高反射出力が生じ、基板とフォトマスクとを高精度
で位置合わせができるオートアライメントマーカーを薄
膜磁気ヘッド基板に形成する方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄膜磁気ヘッ
ドの製造工程(ウエハープロセス)のために、表面にア
ルミナ保護膜を有する薄膜磁気ヘッド基板上に、明視野
用と暗視野用のオートアライメントマーカーを形成する
方法である。この方法では、アルミナ保護膜の表面にレ
ジストを形成し、アルゴンの入射角をほぼ0°とするイ
オンミリングによりマーカー部を掘込み、その上にチタ
ン反射膜を蒸着する。マーカー部の掘込み量は約500
0Å程度とするのが好ましい。チタン反射膜の膜厚は1
500〜2000Åとする。チタン反射膜の上にはギャ
ップ形成用のアルミナスパッタ膜を設けるが、その場合
には、チタン反射膜の膜厚は約1500Å程度とし、そ
の上に設けたアルミナスパッタ膜は除去する必要はな
く、そのまま残しておいてよい。
ドの製造工程(ウエハープロセス)のために、表面にア
ルミナ保護膜を有する薄膜磁気ヘッド基板上に、明視野
用と暗視野用のオートアライメントマーカーを形成する
方法である。この方法では、アルミナ保護膜の表面にレ
ジストを形成し、アルゴンの入射角をほぼ0°とするイ
オンミリングによりマーカー部を掘込み、その上にチタ
ン反射膜を蒸着する。マーカー部の掘込み量は約500
0Å程度とするのが好ましい。チタン反射膜の膜厚は1
500〜2000Åとする。チタン反射膜の上にはギャ
ップ形成用のアルミナスパッタ膜を設けるが、その場合
には、チタン反射膜の膜厚は約1500Å程度とし、そ
の上に設けたアルミナスパッタ膜は除去する必要はな
く、そのまま残しておいてよい。
【0007】明視野用の凹溝マーカー部は、基板の縁部
に2箇所、相対向するように配置する。暗視野用の凸条
マーカー部は、両明視野用マーカー部を結ぶ方向に対し
て直交する方向で、基板の縁部に2箇所、相対向するよ
うに配置する。即ち、1枚の基板当たり明視野用と暗視
野用、それぞれ2箇所ずつマーカー部を設ける。
に2箇所、相対向するように配置する。暗視野用の凸条
マーカー部は、両明視野用マーカー部を結ぶ方向に対し
て直交する方向で、基板の縁部に2箇所、相対向するよ
うに配置する。即ち、1枚の基板当たり明視野用と暗視
野用、それぞれ2箇所ずつマーカー部を設ける。
【0008】
【作用】アルミナ保護膜の表面にレジストを形成し、ア
ルゴンの入射角をほぼ0°とするイオンミリングにより
マーカー部を掘込むと、ほぼ直角に近いエッジをもつ急
峻な段差が形成される。その上にチタン反射膜を蒸着に
より形成すると、急峻な段差を維持しつつ、綺麗な表面
状態が得られ、しかも高反射率である。このようなマー
カー部に光を照射すると段差のエッジで反射するが、エ
ッジが直角に近く且つ反射が強いため、ある一定方向へ
の反射光を検出すると、その強度信号は鋭く且つ大きな
ピークを示す。このピークの半値幅センターをマーカー
部のエッジ位置とすることで、自動的に且つ高精度でフ
ォトマスク側との位置合わせを行うことが可能となる。
ルゴンの入射角をほぼ0°とするイオンミリングにより
マーカー部を掘込むと、ほぼ直角に近いエッジをもつ急
峻な段差が形成される。その上にチタン反射膜を蒸着に
より形成すると、急峻な段差を維持しつつ、綺麗な表面
状態が得られ、しかも高反射率である。このようなマー
カー部に光を照射すると段差のエッジで反射するが、エ
ッジが直角に近く且つ反射が強いため、ある一定方向へ
の反射光を検出すると、その強度信号は鋭く且つ大きな
ピークを示す。このピークの半値幅センターをマーカー
部のエッジ位置とすることで、自動的に且つ高精度でフ
ォトマスク側との位置合わせを行うことが可能となる。
【0009】
【実施例】図1に本発明により形成したオートアライメ
ントマーカーの一実施例を示す。同図Aは基板の平面図
である。図示されているように、薄膜磁気ヘッド基板1
0上に、明視野用と暗視野用のオートアライメントマー
カーを設ける。明視野用のマーカー部20は、ほぼ円形
状の薄膜磁気ヘッド基板10の両側(同図Aでは基板の
左右の縁部)に相対向するように配置し、暗視野用のマ
ーカー部22は、2個の明視野用マーカー部20を結ぶ
方向に対して直交する方向(同図Aでは縦方向)で、該
基板の縁部に相対向するように配置する。
ントマーカーの一実施例を示す。同図Aは基板の平面図
である。図示されているように、薄膜磁気ヘッド基板1
0上に、明視野用と暗視野用のオートアライメントマー
カーを設ける。明視野用のマーカー部20は、ほぼ円形
状の薄膜磁気ヘッド基板10の両側(同図Aでは基板の
左右の縁部)に相対向するように配置し、暗視野用のマ
ーカー部22は、2個の明視野用マーカー部20を結ぶ
方向に対して直交する方向(同図Aでは縦方向)で、該
基板の縁部に相対向するように配置する。
【0010】ここで磁気ヘッド基板10は、アルミナと
炭化チタンの混合セラミックスからなる基板本体12の
表面に、スパッタリングによりアルミナ保護膜14を形
成したものである。明視野用のマーカー部20は直線状
の凹溝であり、それに対して暗視野用のマーカー部22
は直線状の凸条である。それぞれの断面を図1B(同図
AのX−X矢視図)及び図1C(同図AのY−Y矢視
図)に示す。これらのマーカー部20,22は、アルミ
ナ保護膜14を約5000Å程度掘り込んで、表面にチ
タン反射膜24を蒸着した構造である。
炭化チタンの混合セラミックスからなる基板本体12の
表面に、スパッタリングによりアルミナ保護膜14を形
成したものである。明視野用のマーカー部20は直線状
の凹溝であり、それに対して暗視野用のマーカー部22
は直線状の凸条である。それぞれの断面を図1B(同図
AのX−X矢視図)及び図1C(同図AのY−Y矢視
図)に示す。これらのマーカー部20,22は、アルミ
ナ保護膜14を約5000Å程度掘り込んで、表面にチ
タン反射膜24を蒸着した構造である。
【0011】このようなオートアライメントマーカーの
形成は、例えば図2のような工程で行う。同図Aは明視
野用のマーカー部、Bは暗視野用のマーカー部である
が、形状が異なるだけで、工程は同一である。先ず、ア
ルミナ保護膜14の表面に、レジスト26によって所望
のパターンを形成する。このパターンは、明視野用では
数μm幅の線状開口を設けたパターン、暗視野用では数
μm幅の線状部を残し、その両側に幅広の線状開口を設
けたパターンである。次に、アルゴン(Ar+ )を入射
角0°としてアルミナ保護膜14にイオンミリングを行
い、約5000Åのアルミナ段差を形成する。O2 プラ
ズマをかけた後、レジスト26を剥離し、アセトンによ
る基板こすり洗いを行い、更にO2 プラズマをかけてア
ルミナ段差のマーカー部を形成する。その後、チタン反
射膜24(膜厚約1500Å)を蒸着する。なお図示し
ていないが、後の工程で、ギャップ形成のためにアルミ
ナをスパッタリングすることが行われる。そのアルミナ
スパッタ膜は、除去せず、そのままマーカー部に残した
ままとしておく。
形成は、例えば図2のような工程で行う。同図Aは明視
野用のマーカー部、Bは暗視野用のマーカー部である
が、形状が異なるだけで、工程は同一である。先ず、ア
ルミナ保護膜14の表面に、レジスト26によって所望
のパターンを形成する。このパターンは、明視野用では
数μm幅の線状開口を設けたパターン、暗視野用では数
μm幅の線状部を残し、その両側に幅広の線状開口を設
けたパターンである。次に、アルゴン(Ar+ )を入射
角0°としてアルミナ保護膜14にイオンミリングを行
い、約5000Åのアルミナ段差を形成する。O2 プラ
ズマをかけた後、レジスト26を剥離し、アセトンによ
る基板こすり洗いを行い、更にO2 プラズマをかけてア
ルミナ段差のマーカー部を形成する。その後、チタン反
射膜24(膜厚約1500Å)を蒸着する。なお図示し
ていないが、後の工程で、ギャップ形成のためにアルミ
ナをスパッタリングすることが行われる。そのアルミナ
スパッタ膜は、除去せず、そのままマーカー部に残した
ままとしておく。
【0012】このようなオートアライメントマーカーに
よる自動位置合わせ方法を図3に示す。上記のような工
程でオートアライメントマーカーを形成した基板30上
にフォトレジスト32を塗布し、フォトマスク(図示せ
ず)と位置合わせする。同図Aは明視野の場合である。
上方から基板30に光を照射すると、該基板30の明視
野用のマーカー部34の段差エッジで光が反射する。こ
の反射光のうち、ある一定方向の光だけを検出すると、
ピークをもつ強度信号が得られる。このピークの半値幅
センターを用いてフォトマスクとの位置を合わせる。同
図Bは暗視野の場合である。斜め上方から基板30に光
を照射すると、該基板30の暗視野用のマーカー部36
の段差エッジで光が反射する。この反射光のうち、ある
一定方向の光だけを検出すると、ピークをもつ強度信号
が得られる。このピークの半値幅センターを用いてフォ
トマスクとの位置を合わせる。これらにおいて、照射光
として、フォトレジストが感光しない波長の光を用いる
ことは言うまでもない。
よる自動位置合わせ方法を図3に示す。上記のような工
程でオートアライメントマーカーを形成した基板30上
にフォトレジスト32を塗布し、フォトマスク(図示せ
ず)と位置合わせする。同図Aは明視野の場合である。
上方から基板30に光を照射すると、該基板30の明視
野用のマーカー部34の段差エッジで光が反射する。こ
の反射光のうち、ある一定方向の光だけを検出すると、
ピークをもつ強度信号が得られる。このピークの半値幅
センターを用いてフォトマスクとの位置を合わせる。同
図Bは暗視野の場合である。斜め上方から基板30に光
を照射すると、該基板30の暗視野用のマーカー部36
の段差エッジで光が反射する。この反射光のうち、ある
一定方向の光だけを検出すると、ピークをもつ強度信号
が得られる。このピークの半値幅センターを用いてフォ
トマスクとの位置を合わせる。これらにおいて、照射光
として、フォトレジストが感光しない波長の光を用いる
ことは言うまでもない。
【0013】このようなオートアライメントにおいて、
オートアライメントマーカーがその機能を十分に果たす
ためには、鋭いピークをもち且つ必要な出力値を呈する
反射強度信号を生じることが重要である。イオンミリン
グの工程において、アルゴンの入射角をほぼ0°とする
のは、このような反射強度信号を得るためである。因
に、アルゴン入射角を0°,10°,20°,30°,
45°の5段階について実験した結果、入射角が大きく
なるほどイオンミリングの効率は高くなる(エッチング
レートは上昇する)ので作業効率の面では好ましいので
あるが、反射光強度が大きく且つ鋭いピークが得られ、
高精度で位置合わせを行うことができたのが入射角0°
であることが判明したためである。因に、暗視野で、ア
ルゴン入射角が30°及び45°の場合には、マーカー
部の段差エッジがなだらかになり、反射強度信号も低く
且つ波形も広がってオートアライメントを行うことが全
くできなかった。これは入射角が小さくなるほど段差が
急峻になり、入射角が0°では直角に近いエッジを形成
できるためと考えられる。またイオンミリング工程の後
で、チタン反射膜を形成するので、それによってアルミ
ナ保護膜のエッジが更に鈍ることを考慮すると、イオン
ミリングの際のアルゴンの入射角は、ほぼ0°でなけれ
ばならない。
オートアライメントマーカーがその機能を十分に果たす
ためには、鋭いピークをもち且つ必要な出力値を呈する
反射強度信号を生じることが重要である。イオンミリン
グの工程において、アルゴンの入射角をほぼ0°とする
のは、このような反射強度信号を得るためである。因
に、アルゴン入射角を0°,10°,20°,30°,
45°の5段階について実験した結果、入射角が大きく
なるほどイオンミリングの効率は高くなる(エッチング
レートは上昇する)ので作業効率の面では好ましいので
あるが、反射光強度が大きく且つ鋭いピークが得られ、
高精度で位置合わせを行うことができたのが入射角0°
であることが判明したためである。因に、暗視野で、ア
ルゴン入射角が30°及び45°の場合には、マーカー
部の段差エッジがなだらかになり、反射強度信号も低く
且つ波形も広がってオートアライメントを行うことが全
くできなかった。これは入射角が小さくなるほど段差が
急峻になり、入射角が0°では直角に近いエッジを形成
できるためと考えられる。またイオンミリング工程の後
で、チタン反射膜を形成するので、それによってアルミ
ナ保護膜のエッジが更に鈍ることを考慮すると、イオン
ミリングの際のアルゴンの入射角は、ほぼ0°でなけれ
ばならない。
【0014】アルミナ保護膜上にチタン反射膜を形成す
るのは、アルミナ保護膜のみでは光を照射した時の反射
量が少ないためである。チタン膜を蒸着すると反射強度
が増大し、位置合わせの精度が向上する。チタン膜を用
いる理由は、現在のプロセス中で使用している他の金
属、例えばFe−Ni合金や銅に比べて、性質的に安定
しており、且つ粒径が小さく密な構造なので、光の反射
効率が最も良いと考えられるためである。チタン反射膜
の膜厚を1500〜2000Åとしたのは、その後のイ
オンミリングによって表面が削られるが、最終的に残る
厚さを1000〜1500Åにできるからである。イオ
ンミリングによるアルミナ保護膜の掘込み量を約500
0Åとするのは、浅すぎると(例えば3000Å程度以
下)、その上に形成する膜によってマーカー部の段差エ
ッジがなだらかになり、良好な反射強度信号が得られな
いし、逆に深すぎると(例えば7000Å程度以上)、
入射角0°のイオンミリングのため効率が悪く、時間が
かかりすぎるし、また実験結果では明視野用マーカー部
でのマージンが掘込み量5000Åの場合よりも少なく
なり好ましくないからである。
るのは、アルミナ保護膜のみでは光を照射した時の反射
量が少ないためである。チタン膜を蒸着すると反射強度
が増大し、位置合わせの精度が向上する。チタン膜を用
いる理由は、現在のプロセス中で使用している他の金
属、例えばFe−Ni合金や銅に比べて、性質的に安定
しており、且つ粒径が小さく密な構造なので、光の反射
効率が最も良いと考えられるためである。チタン反射膜
の膜厚を1500〜2000Åとしたのは、その後のイ
オンミリングによって表面が削られるが、最終的に残る
厚さを1000〜1500Åにできるからである。イオ
ンミリングによるアルミナ保護膜の掘込み量を約500
0Åとするのは、浅すぎると(例えば3000Å程度以
下)、その上に形成する膜によってマーカー部の段差エ
ッジがなだらかになり、良好な反射強度信号が得られな
いし、逆に深すぎると(例えば7000Å程度以上)、
入射角0°のイオンミリングのため効率が悪く、時間が
かかりすぎるし、また実験結果では明視野用マーカー部
でのマージンが掘込み量5000Åの場合よりも少なく
なり好ましくないからである。
【0015】ギャップ形成用のアルミナスパッタ膜を残
す場合は、チタン反射膜は薄くてもよい。しかし、チタ
ン反射膜のみの場合には、1度成膜した後に、そのまま
最終工程までオートアライメントを行うためには、数度
のイオンミリングによる膜厚減少を考慮すると約650
0Å以上の膜厚が必要となる。ところが、チタン膜の厚
さを3000Å以上に厚くすると、蒸着する際に黒い煤
が薄く付着し、黒ずんでくる状態となるし、更に膜厚が
厚くなると、薄い場合に比べて表面が荒れる傾向があり
好ましくない。またギャップ形成用のアルミナスパッタ
膜は、イオンミリング法あるいはリン酸を用いたウエッ
トエッチング法によって完全に除去することはできる
が、チタン蒸着膜の表面状態は変わらず、あまり好まし
くない。これらの実験結果から、基板本体上のアルミナ
保護膜を約5000Å程度掘込み、その上にチタン保護
膜約1500Åを設け、更にその上のアルミナスパッタ
膜をそのまま残す方法が最適である。
す場合は、チタン反射膜は薄くてもよい。しかし、チタ
ン反射膜のみの場合には、1度成膜した後に、そのまま
最終工程までオートアライメントを行うためには、数度
のイオンミリングによる膜厚減少を考慮すると約650
0Å以上の膜厚が必要となる。ところが、チタン膜の厚
さを3000Å以上に厚くすると、蒸着する際に黒い煤
が薄く付着し、黒ずんでくる状態となるし、更に膜厚が
厚くなると、薄い場合に比べて表面が荒れる傾向があり
好ましくない。またギャップ形成用のアルミナスパッタ
膜は、イオンミリング法あるいはリン酸を用いたウエッ
トエッチング法によって完全に除去することはできる
が、チタン蒸着膜の表面状態は変わらず、あまり好まし
くない。これらの実験結果から、基板本体上のアルミナ
保護膜を約5000Å程度掘込み、その上にチタン保護
膜約1500Åを設け、更にその上のアルミナスパッタ
膜をそのまま残す方法が最適である。
【0016】
【発明の効果】本発明は上記のように、アルゴンの入射
角をほぼ0°とするイオンミリングによりアルミナ保護
膜を掘込み、その上にチタン反射膜を設けるオートアラ
イメントマーカーの形成方法であるから、薄膜磁気ヘッ
ド基板のウエハープロセスにおいて、明視野用及び暗視
野用のマーカー部に光を照射した時に、該マーカー部か
ら鋭いピークを呈し且つ十分大きな反射強度をもつ高反
射出力信号が得られ、高精度でのオートアライメントが
可能となる。その結果、作業者の目視による位置合わせ
に比べて、極めて短時間で、しかも位置合わせのばらつ
きが少なく、効率良く処理することができる。
角をほぼ0°とするイオンミリングによりアルミナ保護
膜を掘込み、その上にチタン反射膜を設けるオートアラ
イメントマーカーの形成方法であるから、薄膜磁気ヘッ
ド基板のウエハープロセスにおいて、明視野用及び暗視
野用のマーカー部に光を照射した時に、該マーカー部か
ら鋭いピークを呈し且つ十分大きな反射強度をもつ高反
射出力信号が得られ、高精度でのオートアライメントが
可能となる。その結果、作業者の目視による位置合わせ
に比べて、極めて短時間で、しかも位置合わせのばらつ
きが少なく、効率良く処理することができる。
【図1】薄膜磁気ヘッド基板とマーカー部の位置・形状
を示す説明図。
を示す説明図。
【図2】マーカー部の形成方法を示す工程説明図。
【図3】オートアライメント方法の概略図。
10 薄膜磁気ヘッド基板 12 基板本体 14 アルミナ保護膜 20 明視野用のマーカー部 22 暗視野用のマーカー部 24 チタン反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 9/00 G03F 7/20 H01L 21/30
Claims (5)
- 【請求項1】 表面にアルミナ保護膜を有する薄膜磁気
ヘッド基板上に、明視野用と暗視野用のオートアライメ
ントマーカーを設ける方法であって、アルミナ保護膜表
面にレジストを形成し、アルゴンの入射角をほぼ0°と
するイオンミリングによりマーカー部を掘込み、前記レ
ジストを除去した後、掘込んだアルミナ保護膜上にチタ
ン反射膜を蒸着することを特徴とする薄膜磁気ヘッド基
板のオートアライメントマーカー形成方法。 - 【請求項2】 マーカー部のアルミナ保護膜の掘込み量
を約5000Åとする請求項1記載のオートアライメン
トマーカー形成方法。 - 【請求項3】 チタン反射膜の膜厚を1500Å〜20
00Åとする請求項2記載のオートアライメントマーカ
ー形成方法。 - 【請求項4】 チタン反射膜の膜厚を約1500Åと
し、その上にギャップ形成用のアルミナスパッタ膜を設
け、該アルミナスパッタ膜を除去せずにそのまま残して
おく請求項2記載のオートアライメントマーカー形成方
法。 - 【請求項5】 明視野用の凹溝マーカー部を基板の両側
に相対向するように配置し、暗視野用の凸条マーカー部
を、両明視野用マーカー部を結ぶ方向に対して直交する
方向で、基板の両側に相対向するように配置する請求項
1乃至4記載のオートアライメントマーカー形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6052850A JP2798354B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 薄膜磁気ヘッド基板のオートアライメントマーカー形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6052850A JP2798354B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 薄膜磁気ヘッド基板のオートアライメントマーカー形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07240368A JPH07240368A (ja) | 1995-09-12 |
JP2798354B2 true JP2798354B2 (ja) | 1998-09-17 |
Family
ID=12926333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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