JP4837483B2 - 高強度コンクリート用シリカフュームスラリー - Google Patents

高強度コンクリート用シリカフュームスラリー Download PDF

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Description

本発明は、シリカフュームの輸送及び取扱いを容易にした、シリカフュームと水からなる高濃度シリカフュームスラリー、特に高強度コンクリートの製造に好適な高濃度シリカフュームスラリー、及びそれを用いたコンクリートの製造方法に関する。
シリカフュームは、シリカ質の超微粒子材料であり、従来、ポゾラン反応、マイクロフィラー効果によるコンクリートの高強度化、低水結合材比のコンクリートの流動性改善などを目的にコンクリート混和材料として使用されている。また吹き付けコンクリートの使用時におけるはね返り量及び粉塵量の低減等、作業環境の改善の目的にも用いられている。
近年、建築物の高層化、トンネル工事の増加により、シリカフュームが使用された高強度コンクリート及び吹き付けコンクリートの使用量が増加傾向にある。シリカフュームをこれらコンクリートに配合する際、シリカフュームは粉状のまま直接配合されることが多かった。しかしながらこの場合、シリカフュームは、嵩密度が約0.2〜0.3g/cm3と著しく嵩高であるため、一度に大量輸送することが困難であり、また、作業時に粉塵が発生しやすく、取扱いが難しかった。さらにシリカフュームは、コンクリート中へ均一に混合され難く、局部的に凝集するという問題点を有していた。
このような問題を解決するものとして、シリカフュームをあらかじめ水でスラリー化したシリカフュームスラリーが提案されている。しかしながら、これら従来のシリカフュームスラリーは、シリカフュームスラリー濃度が50質量%程度、すなわち、その約半分が水であったため、輸送コスト低減の観点から、シリカフュームスラリーの高濃度化が求められていた。
また、高強度コンクリートのように、単位水量を少なく抑えたコンクリートの製造時に従来のシリカフュームスラリーを添加すると、骨材の表面水率が高い場合には所定の単位水量を超えてしまう、あるいは所定量のシリカフュームが添加できない等の不具合が生じていた。そのため高強度コンクリートへの使用の観点からも、シリカフュームスラリーの高濃度化が強く望まれていた。
しかしながら、単に水を減らして従来のシリカフュームスラリーを高濃度化した場合、シリカフュームスラリーの粘度が高くなり過ぎるため、取扱いが著しく困難になり、また、コンクリート中の分散性も著しく低下するという問題があった。
これらの問題を解決するものとして、シリカフュームにセメントコンクリート・モルタル用の高性能減水剤である分散剤と水を加えて高濃度のシリカフュームスラリーとする方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物系、リグニンスルホン酸塩系、ポリカルボン酸塩系、ナフタレンスルホン酸とリグニンスルホン酸の共縮合物系、高縮合トリアジン系等が挙げられている。
また、特許文献2には、強酸又は弱酸をpH調整剤として加え、シリカフュームスラリーのpHを1.0〜5.8に調整することで粘性を下げることが提案されている。
さらに、特許文献3には、脂肪族(不飽和)スルホン酸と不飽和カルボン酸の共重合体、あるいは、ポリアクリル酸塩とナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩等を組み合わせた分散剤と無機酸または有機酸のpH調整剤とを併用することで、濃度40〜60質量%の低粘性シリカフュームスラリーを得ることが開示されている。
しかしながら、ポリカルボン酸塩は、シリカフュームの分散性に優れていないため、得られるスラリーの流動性は悪く、50質量%を超える高濃度のシリカフュームスラリーの製造には適していない。また、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩は、シリカフュームの分散性に優れているが、高強度コンクリートの製造に広く使用されているポリカルボン酸系高性能AE減水剤と混合すると、フレッシュコンクリートの流動性を著しく低下させてしまうため、高強度コンクリートに所定の流動性を付加するには、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤を過剰添加せざるを得ず、コンクリートの凝結遅延、強度発現の停滞等の問題が発生する。
pH調整によってシリカフュームスラリーの流動性を改善する場合、酸の種類あるいは添加量の多寡によっては、高強度コンクリートの物性に悪影響を与えるという問題がある。また、強酸等を加えてシリカフュームスラリーのpHを1.0〜5.8に調整することによって粘性を下げる特許文献2の方法は、スラリーの貯蔵や輸送に高価な耐酸設備が必要とされる。
さらに、いずれの場合も長期間保存しておくとシリカフュームが沈降したり、ゲル化して流動性が失われるという大きな問題がある。
特開昭60−129132号公報 特許第2672004号公報 特許第3451407号公報
本発明は、シリカフュームと水からなる高濃度のシリカフュームスラリーであって、長期にわたって良好な流動性が維持され、かつ、高強度コンクリートに配合した場合に、流動性、強度等、コンクリートの物性に悪影響を及ぼさない、セメント混和用高濃度シリカフュームスラリーを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、シリカフュームに対して所定量の硫酸を添加した高濃度のシリカフュームスラリーは、流動性がよく、撹拌装置を用いて継続的な機械的強制撹拌を施すことにより長期にわたって流動性の低下を防ぐことができること、ならびに、高強度コンクリートの製造において、コンクリートの物性に悪影響を及ぼさずに好適に使用できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)シリカフュームと水からなるスラリーに、シリカフュームに対して、濃度97質量%硫酸換算で0.03〜0.18質量%の硫酸が添加されたスラリーであって、継続的な機械的強制撹拌を施すことによってスラリーの流動性が保持されているセメント混和用高濃度シリカフュームスラリー;
(2)シリカフュームの濃度が60〜70質量%である上記(1)の高濃度シリカフュームスラリー;
(3)高濃度シリカフュームスラリーの調製が、まずシリカフューム濃度が15〜35質量%のスラリーを調製して硫酸を加え、その後、さらにシリカフュームを加えて、シリカフューム濃度が60〜70質量%のスラリーとすることにより得られたものである上記(2)の高濃度シリカフュームスラリー;
(4)その流動性がPロート流下時間で16秒以内である上記(1)〜(3)のいずれかの高濃度シリカフュームスラリー;
(5)継続的な機械的強制撹拌が、低速連続式または高速間欠式である上記(1)〜(4)のいずれかの高濃度シリカフュームスラリー;
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの高濃度シリカフュームスラリーを用いて製造することを特徴とするコンクリートの製造方法;
(7)シリカフュームと水と、シリカフュームに対して濃度97質量%硫酸換算で0.03〜0.18質量%の硫酸とを混合してシリカフュームスラリーを調製し、さらに、スラリーの流動性が保持されるよう継続的な機械的強制撹拌を施すことを特徴とする高濃度シリカフュームスラリーの製造方法;
を提供するものである。
本発明によれば、流動性の良好なセメント混和用高濃度シリカフュームスラリーを得て、長期にわたってその流動性の低下を防ぐことができ、シリカフュームの輸送や取り扱いを容易とし、かつ、長期保存時のタンクや配管等の閉塞事故を回避することができる。また、本発明のシリカフュームスラリーを高強度コンクリートに配合した場合に、流動性、強度等、コンクリートの物性に悪影響を及ぼすことはない。
本発明のシリカフュームスラリーは、シリカフュームと水を主成分とし、所定量の硫酸を加えて製造される。
本発明で使用されるシリカフュームは、シリカ質を主成分とする超微粒子材料であり、JIS A 6207に規定される「コンクリート用シリカフューム」、あるいはそれに準じた品質のものである。このようなシリカフュームとしては、例えば、シリコン、含シリコン合金、フェロシリコン等を製造する際に生成する超微粒子の副産物が挙げられる。
本発明におけるシリカフュームのスラリー中の濃度は、60〜70質量%であることが好ましい。シリカフューム濃度が60質量%未満では水の量が多くなり、シリカフュームスラリーの輸送コストが嵩み、また、高強度コンクリートへのシリカフュームスラリーの配合量が制限されてしまうおそれがある。一方、シリカフューム濃度が70質量%を超えると、硫酸の粘度低下作用も効果が及ばず、シリカフュームスラリーの粘度が高くなり過ぎて、撹拌や定量供給等の取扱いが困難となり、シリカフュームの分散性が不十分となるおそれがある。
使用する硫酸は、安価で入手の容易な工業用硫酸が好ましい。JIS K 1321に規格された薄硫酸(濃度60〜80質量%)や濃硫酸(濃度90〜100質量%)等が使用でき、任意の濃度に希釈して添加してもよい。
硫酸の添加量は濃度97質量%硫酸換算でシリカフュームに対して0.03〜0.18質量%であり、より好ましくは濃度97質量%硫酸換算でシリカフュームに対して0.10〜0.15質量%である。
硫酸の添加量が0.03質量%未満では、スラリーの粘性が高く機械撹拌や定量供給が難しくなり、0.18質量%を超えるとシリカフュームスラリーを配合した高強度コンクリートの流動性や強度発現が不十分になる。
本発明のシリカフュームスラリーの製造方法は、シリカフューム、水および硫酸を均一に混合できれば特に制限されない。ただし、硫酸は強酸性であるため、耐酸設備ではないスラリータンクや撹拌装置等の金属製機械設備の腐食を避けるような添加方法を採用することが好ましい。たとえば、あらかじめ水に所要量の1/4〜1/2程度のシリカフュームを加えて、硫酸を添加しなくても容易にスラリー化できる濃度15〜35質量%の粘性の低いシリカフュームスラリーを調製してpHの緩衝能力を持たせてから硫酸を添加する。濃度15〜35質量%のシリカフュームスラリーのpHは4〜6程度であるから、タンク等の設備を腐食する危険性はなく、高価な耐酸設備は不要となる。硫酸添加後、残りのシリカフュームを投入し、濃度60〜70質量%の高濃度シリカフュームスラリーを調製する。最終的なスラリーのpHは6〜7となる。
かくして調製された本発明のシリカフュームスラリーは使用あるいは輸送までの間、貯蔵タンクに貯蔵される。本発明のシリカフュームスラリーは、この貯蔵の間、継続的な機械的強制撹拌を施すことによってスラリーの流動性が保持されていることを特徴とする。
継続的な機械的強制撹拌とは、連続的もしくは断続的に機械的な強制撹拌を行うことを意味するが、消費電力の削減の観点から低速連続撹拌あるいは高速間欠撹拌であることが好ましい。
機械式撹拌装置は、高粘度用の一般的な回転数=5〜300rpm、定格トルク=0.5N・m程度の能力を有する撹拌装置であれば特に限定されず、製造するシリカフュームスラリーの容量に合せて出力等が選択される。また、撹拌翼はエッジドタービン翼、プロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼、リボン翼等いずれも用いることができ、貯蔵タンク内のスラリーを均一に撹拌し、かつ長期間スラリーの流動性が保持できるのであれば、安価かつ簡易な装置が好ましい。
本発明のシリカフュームスラリーのセメント組成物への混和量は、使用対象となる高強度コンクリート等セメント組成物に応じて、適宜定められるが、基本的には使用対象となる高強度コンクリート等セメント組成物に所望のワーカビリティー、強度及び耐久性等の品質を付与する量であればよい。例えば、通常セメント組成物中に含まれるセメント質量に対して、濃度60質量%のシリカフュームスラリーの場合、スラリーとして5〜30質量%の割合で混和するのが適量である。
以下に本発明の実施例を挙げて、さらに詳しく本発明を説明する。
(1)高濃度シリカフュームスラリーの製造
[使用材料]
水:上水道水(以下、水と略記)
シリカフューム:マイクロシリカ940−U(エルケムジャパン株式会社、以下SFと略記)
濃度97質量%硫酸:1級試薬(和光純薬株式会社、以下硫酸と略記)
分散剤:ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系減水剤「マイテイ150」(花王株式会社、以下マイテイと略記)
[高濃度SFスラリーの製造]
20℃恒温下にて、SF濃度60質量%の場合、水8kgを円筒型30リットルポリエチレン容器に入れ、ハンドミキサーで高速機械撹拌しながらSFの半分量(6kg)を少しずつ投入し、1分間撹拌して濃度30質量%のSFスラリーを調整した。このSFスラリーに硫酸またはマイテイを所定量添加した後、ハンドミキサーで高速機械撹拌しながら、残った半分量のSF6kgを少しずつ投入し、4分間撹拌して濃度60質量%のSFスラリーを得た。SF濃度70質量%および75質量%の場合、水6kgまたは5kgを円筒型30リットルポリエチレン容器に入れ、ハンドミキサーで高速機械撹拌しながらSFの半分量(7kgまたは7.5kg)を少しずつ投入し、1分間撹拌して濃度35質量%または濃度37.5質量%のSFスラリーを調した。このSFスラリーに硫酸を所定量添加した後、ハンドミキサーで高速機械撹拌しながら、残った半分量のSFを少しずつ投入し、4分間撹拌して濃度70質量%または75質量%のSFスラリーを得た。
硫酸の添加量は、SF濃度60質量%の場合、SF質量に対して0%、0.02%、0.03%、0.10%、0.15%、0.18%、0.20%の7水準、SF濃度70質量%および75質量%の場合、SF質量に対して0.10%の各1水準とし、マイテイの添加量は、SF質量に対して0.5%として、計10配合のSFスラリーを調製した。
表1にSFスラリーの混合割合を示す。
SFスラリー(2)〜(9)は硫酸を添加するが、30〜37.5質量%のSFスラリーに硫酸を添加した中途のスラリーpHが約4〜5であり、最終のスラリーpHが約6〜7であって、金属製機械設備の腐食の危険性はない。
Figure 0004837483
[SFスラリーの流動性及び安定性試験]
製造したSFスラリーをそれぞれ2個の円筒型20リットルポリエチレン容器に均等に分け、20℃恒温室内で密封保存した。本発明の実施例用SFスラリーは、製造後1日1回ハンドミキサーで1分間高速機械撹拌を行った。一方、比較例用SFスラリーは、比較例1及び3を除き機械撹拌を一切行わなかった。
保存期間は最長56日間とし、所定の保存期間ごとにスラリーの状態を目視で確認し、SFスラリーの流動性をPロートの流下時間(JSCE−F521−1999「プレパックドコンクリートの注入モルタルの流動性試験方法」準拠)で評価した。
表2に20℃恒温におけるSFスラリーのPロート流下時間を示す。
Figure 0004837483
表2に示すように、実施例1〜5は、所定量の硫酸添加及び継続的機械撹拌を行うことによって製造後56日間保存しても流動性が良好に保持された。
一方、比較例1は、硫酸無添加で機械撹拌を行ったが、製造直後からスラリーの粘性が極めて高く、流動性は悪かった。比較例2は、硫酸無添加の上、機械撹拌を行わなかったため流動性は悪く、製造後数日で材料分離及びゲル化してしまった。
比較例3は、硫酸添加量0.02%で機械撹拌を行ったが、製造直後からスラリーの粘性が極めて高く、流動性は悪かった。比較例4は、硫酸0.02%の上、機械撹拌を行わなかったため製造直後から流動性は悪く、製造後数日で材料分離及びゲル化してしまった。
比較例5〜8は、所定量の硫酸を添加したが機械撹拌を行わなかったため、製造直後の流動性は良好であったが、製造翌日には粘性が増し、流動性が低下した。さらに保存期間が7日以降は材料分離及びゲル化してしまった。
比較例9は、従来技術としてSFの分散性に優れたマイテイを添加し機械撹拌を行わなかった場合で、製造直後から製造後28日までの流動性は問題なかったが、製造後56日で材料分離及びゲル化してしまった。
比較例10は、SF濃度70質量%、硫酸添加量0.10%で機械撹拌を行わなかったため、製造直後の流動性は良好であったが、製造翌日には粘性が増し、流動性が低下した。さらに保存期間が7日以降は材料分離及びゲル化してしまった。
比較例11は、SF濃度75質量%、硫酸添加量0.10%の上、機械撹拌を行わなかったため、製造直後から流動性は悪く、製造後数日で材料分離及びゲル化してしまった。
参考例1は、20℃の水道水のみをPロートで流下させた場合の流下時間を示した。この値に近いほどSFスラリーの流動性は優れていると判断できる。
以上、所定量の硫酸添加及び継続的機械撹拌を行うことによってSFスラリーは、60〜70質量%の高濃度にもかかわらず、製造後56日間保存しても流動性が良好に保持された。一方、所定量未満の硫酸添加あるいは機械撹拌を行わなかったSFスラリーは、製造後、材料分離及びゲル化して流動性が失われた。
(2)コンクリート試験
[使用材料]
水:上水道水
セメント:低熱ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社)
SFスラリー:表1の(3)〜(7)及び(10)
細骨材1:千葉県君津産山砂1
細骨材2:高知県鳥形山産石灰石砕砂
粗骨材:茨城県岩瀬産硬質砂岩砕石
ポリカルボン酸系高性能AE減水剤:「シーカメント1200N」(日本シーカ株式会社、以下SPと略記)
消泡剤:「シーカアンチフォームW」(日本シーカ株式会社)
[高強度コンクリート配合試験]
表3の配合で高強度コンクリートの配合試験を実施した。1配合の練り混ぜ量は35リットルとし、20℃恒温室内で容量55リットルのニ軸強制ミキサー(太平洋機工製)を用いた。
材料の投入及び練り混ぜ手順は、まず粗骨材と細骨材1、細骨材2とセメントを投入して空練りを10秒間行い、次にSFスラリーと水を投入して予備練りを20秒間行った後、最後にSPと消泡剤を投入して480秒間の本練りを行った。
なお、SFスラリーは、いずれも製造後7日間保存しておいたものを使用した。実施例6〜9及び比較例12の硫酸を添加したSFスラリーは、保存中、毎日1分間高速機械撹拌を行い、比較例13及び14のマイテイを添加したSFスラリーは、保存中、機械撹拌を一切行わなかった。
ポリカルボン酸系高性能AE減水剤SPの添加量は実施例6〜9及び比較例13及び14が結合材(セメント+シリカフューム)質量に対して2.2%である。比較例14は、流動性を改善するため結合材質量に対して3.5%に増量した。また、消泡剤の添加量は、結合材質量に対して0.025%一定とした。なお、SP及び消泡剤は、練り混ぜ水とみなして水量を補正した。
練り上がり後、直ちにコンクリート試験を実施し、圧縮強度測定用供試体を作製した。フレッシュコンクリートのスランプフローはJIS A 1150、空気量はJIS A1101、コンクリートの圧縮強度はJIS A1108に従って実施した。圧縮強度の材齢は1、7、28、56、91日とした。
高強度コンクリートの配合試験結果を表4に示す。
Figure 0004837483
Figure 0004837483
表4に示すように、実施例6〜9は、コンクリートの流動性及び強度発現は良好であった。一方、比較例12は、コンクリートの流動性および強度発現は実施例6〜9より劣った。これは硫酸の添加量が過剰であったためと考えられる。
また、比較例13及び14は、従来技術としてSFの分散性に優れたマイテイを添加し機械撹拌を行わなかった場合であるが、SF用分散剤マイテイと高強度コンクリート用AE減水剤SPの相性が悪く、コンクリートの流動性は悪かった。比較例14は、SPの添加量を2.2%から3.5%まで増量しても流動性は改善されず、強度も若干低下してしまった。
以上、濃度97質量%硫酸をSFに対して0.03〜0.18質量%添加し、継続的な機械撹拌を施して保存したSFスラリーを用いた場合は、高強度コンクリートの流動性及び強度発現のいずれも良好であった。すなわち、本発明はSFスラリーを用いた高強度コンクリートを好適に製造する方法を提供する。

Claims (4)

  1. シリカフュームと水からなるスラリーに、シリカフュームに対して、濃度97質量%硫酸換算で0.03〜0.18質量%の硫酸が添加され、シリカフュームの濃度が60〜70質量%であるスラリーであって、低速連続式または高速間欠式である継続的な機械的強制撹拌を施すことによってスラリーの流動性がPロート流下時間で16秒以内に保持されているセメント混和用高濃度シリカフュームスラリー。
  2. 高濃度シリカフュームスラリーの調製が、まずシリカフューム濃度が15〜35質量%のスラリーを調製して硫酸を加え、その後、さらにシリカフュームを加えて、シリカフューム濃度が60〜70質量%のスラリーとすることにより得られたものである請求項に記載の高濃度シリカフュームスラリー。
  3. 請求項1又は2に記載の高濃度シリカフュームスラリーを用いて製造することを特徴とするコンクリートの製造方法。
  4. シリカフュームと水と、シリカフュームに対して濃度97質量%硫酸換算で0.03〜0.18質量%の硫酸とを混合してシリカフュームの濃度が60〜70質量%であるシリカフュームスラリーを調製し、さらに、スラリーの流動性がPロート流下時間で16秒以内に保持されるよう、低速連続式または高速間欠式である継続的な機械的強制撹拌を施すことを特徴とする高濃度シリカフュームスラリーの製造方法。
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