JP4994080B2 - セメント組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
高強度なコンクリートを製造するために、最も効果的で一般的な方法として、高性能減水剤や高性能AE減水剤を用いてコンクリート体を密実に成形できる範囲において、コンクリート(セメント組成物)の水セメント比をできるだけ小さくする方法が採用されている。
しかし、水セメント比を小さくした場合、セメント組成物の粘性が増加するために、流動性及び施工性が悪くなる。また、セメント組成物の水セメント比が小さくなり過ぎた場合は、もはや混練物の流動性がなくなり、通常の流し込みや締め固めの方法では、セメント組成物を成形できなくなる。
なお、水粉体比とは、セメント組成物中の全粉体P(具体的には、セメントとシリカフューム等の粉体の合計)に対する水(W)の質量比(W/P)をいう。
また、シリカフュームを使用する場合であっても、セメント組成物の水粉体比が20質量%未満と小さくなると、流動性が極端に小さくなり、通常の流し込みや締め固めではセメント組成物を成形できなくなる。
さらに、シリカフュームを使用して、セメント組成物の水粉体比を小さくした場合は、セメント組成物の収縮、特に自己収縮(水和反応に伴う見かけの体積減少)が大きくなるという問題がある。
そこで、本発明は、水粉体比の小さいセメント組成物の流動性を向上させることができ、しかも凝結時間を短縮させることができ、さらに、セメント組成物の収縮量も抑制させ得るセメント添加材を含むセメント組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[2] 上記(A)無機粉末が、炭酸カルシウムである上記[1]に記載のセメント組成物。
[3] 上記セメント添加材が、(D)BET比表面積が5〜25m2/gの超微粉末を含有する上記[1]又は[2]に記載のセメント組成物。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載のセメント組成物を製造するための方法であって、平均粒径が2.5μmを超える、炭酸カルシウム、スラグまたは石英粉末からなる無機粉末と、分散剤と、消泡剤と、水とを混合して湿式粉砕し、上記無機粉末の平均粒径を0.5〜2.5μmに調整してなるスラリーを得る湿式粉砕工程と、上記スラリーもしくは上記スラリーを乾燥させてなる粉末状物を含む、上記セメント組成物の各材料を混練して、上記セメント組成物を調製するセメント組成物調製工程を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
また、本発明のセメント添加材は、セメント組成物の凝結時間を短縮させることができる。
さらに、本発明のセメント添加材は、セメント組成物の硬化体の収縮を抑制することができる。
本発明のセメント添加材が、BET比表面積5〜25m2/gの超微粉末を含む場合、水粉体比12〜16質量%のセメント組成物であっても、高い流動性を維持しつつ、強度発現性を向上させることができる。
(A)湿式粉砕により得られる無機粉末の平均粒径は0.5〜2.5μmであり、好ましくは1.0〜2.2μmであり、より好ましくは1.2〜1.8μmである。
該無機粉末の平均粒径が0.5〜2.5μmであると、湿式粉砕に要する時間が短く、水粉体比の小さいセメント組成物の流動性を向上させることができるため、好ましい。
該無機粉末の平均粒径が2.5μmを超えると、水粉体比の小さいセメント組成物の流動性を向上させる効果が低下するので好ましくない。また、スラリー状のセメント添加材を使用する場合に、無機粉末の沈降分離が大きくなり、セメント添加材の保管や輸送上煩わしい問題を生じるおそれがある。
一方、該無機粉末の平均粒径が0.5μm未満では、セメント組成物の強度発現性が低下する場合がある。また、湿式粉砕に要する時間がかかり過ぎ、製造効率が低下する場合がある。さらに、スラリー状のセメント添加材を使用する場合に、粘性が大きくなり、セメント添加材の保管や輸送上、煩わしい問題を生じるおそれがある。
本明細書において、平均粒径とは、レーザー回折粒度分布測定装置(例えば、日機装社製:Microtrac X100)を用いて、水性スラリー中の無機粉末の粒径を測定し、該粒径に基づいて得られた粒度分布曲線の50質量%における粒径をいう。
該無機粉末の最大粒径が10μm以下であると、水粉体比の小さいセメント組成物の流動性を向上させることができ、良好な強度発現性を有するセメント組成物を得ることができる。また、スラリー状のセメント添加材を使用する場合に、セメント添加材中の無機粉末の沈降分離を防止できるため、好ましい。
炭酸カルシウムとしては、例えば、工業用炭酸カルシウム、石灰石粉末等を使用することができる。中でも、安価である石灰石粉末を使用することが好ましい。その他、炭酸カルシウムを主成分とする貝殻やサンゴの粉砕物又はこれらの加工物を使用してもよい。
分散剤の添加量は、無機粉末100質量部に対して、固形分換算で0.1〜3.0質量部であり、好ましくは0.4〜1.0質量部である。
分散剤の添加量が、無機粉末100質量部に対して、0.1質量部未満では、湿式粉砕中にスラリーの粘度が高くなる。スラリーの希釈率を上げると、粘度は低くなるが、粉砕効率が低下して、湿式粉砕に要する時間がかかり過ぎるようになる。
一方、分散剤の添加量が、無機粉末100質量部に対して、3.0質量部を超えても、湿式粉砕に要する時間はそれ程変わらないばかりか、添加量が多くなるので、コスト高となる。また、分散剤の添加量が過剰となり、材料分離や凝結遅延の原因となるおそれがある。さらに、スラリー状のセメント添加材を使用する場合に、無機粉末の沈降分離が大きくなり、セメント添加材の保管や輸送上、煩わしい問題を生じるおそれがある。
消泡剤の添加量は、無機粉末100質量部に対して、0.001〜0.2質量部であり、好ましくは0.005〜0.1質量部である。
消泡剤の添加量が、無機粉末100質量部に対して、0.001質量部未満では、湿式粉砕中に泡が発生し、粉砕効率が低下して湿式粉砕に要する時間がかかり過ぎるようになる。また、水粉体比の小さいセメント組成物の流動性を向上させる効果が低下するので、好ましくない。
一方、消泡剤の添加量が、無機粉末100質量部に対して、0.2質量部を超えても、湿式粉砕に要する時間はそれ程変わらないばかりか、消泡剤の添加量が多くなるので、コスト高となる。
本発明のセメント添加材は、上記(A)〜(C)の材料に加えて、さらに(D)BET比表面積が5〜25m2/gの超微粉末を含有することにより、水粉体比が12〜16質量%であるセメント組成物の流動性を向上させることができるとともに、良好な強度発現性を有するセメント組成物を得ることができる。
セメント組成物の流動性や、セメント組成物の強度発現性を得る観点から、超微粉末のBET比表面積は、好ましくは7〜25m2/gであり、より好ましくは10〜25m2/gである。
なお、本明細書において、水粉体比が12〜20質量%であるセメント組成物を、超低水粉体比のセメント組成物と称する。
上記(D)の超微粉末の配合量が、上記合計量100質量%に対して、50質量%を超える場合は、超低水粉体比のセメント組成物の流動性を向上させる効果が低下するため、好ましくない。
本発明のセメント添加材の製造方法は、平均粒径が2.5μmを超える無機粉末と、分散剤と、消泡剤と、水とを混合して湿式粉砕し、上記無機粉末の平均粒径を0.5〜2.5μmに調整してなるスラリーを得る湿式粉砕工程を含むものである。
水の質量比が、湿式粉砕時における全無機粉末(X1=1)に対して、2.3を超えると、粉砕効率が低下して、湿式粉砕に要する時間がかかり過ぎるようになる。また、セメント添加材をスラリー状又はスラリーを乾燥させた粉末状で使用する場合に、セメント添加材として適正な状態にするための乾燥処理に時間を要するので、好ましくない。
一方、水の質量比が、湿式粉砕時における全無機粉末(X1=1)に対して、0.1未満であっても、粉砕効率が低下して、湿式粉砕に要する時間がかかり過ぎるようになる。また、湿式粉砕して得られたセメント添加材の水分が少な過ぎると、セメント添加材をスラリー状で使用する場合に、水を混合する必要があるので好ましくない。
なお、湿式粉砕時における全無機粉末とは、湿式粉砕によって得られる平均粒径0.5〜2.5μmの無機粉末をいう。BET比表面積が5〜25m2/gの超微粉末を含有する場合は、該超微粉末と上記無機粉末との合計をいう。
湿式粉砕に要する時間は、好ましくは1〜50時間、より好ましくは1〜40時間である。
本発明においては、湿式粉砕の時間を短縮するために、平均粒径が5〜30μmの無機粉末を湿式粉砕することが好ましい。
なお、平均粒径が5〜30μmの無機粉末としては、乾式粉砕によって製造された無機粉末を使用することができる。つまり、本発明の方法は、湿式粉砕工程の前工程として、平均粒径が30μmを超える無機粉末を乾式粉砕して、平均粒径が5〜30μmの無機粉末を得る工程を含むことができる。
スラリー状のセメント添加材に含まれる全無機粉末(X2=1)に対する、水(W)の質量比(X2:W)は、好ましくは1:0.1〜1:2.3であり、より好ましくは1:0.2〜1:1.5であり、特に好ましくは1:0.2〜1:0.6である。
水の質量比が、セメント添加材に含まれる全無機粉末(X2=1)に対して、2.3を超えると、スラリー状のセメント添加材の粘度が低くなり、沈降分離が促進し、セメント添加材の保管、輸送上煩わしい問題が生じる場合があるので好ましくない。
一方、水の質量比が、セメント添加材に含まれる全無機粉末(X2=1)に対して、0.1未満になると、スラリー状のセメント添加材の粘度が高くなり、ハンドリング性が悪くなるので好ましくない。
なお、スラリー状のセメント添加材に含まれる全無機粉末とは、該セメント添加材に含まれる平均粒径が0.5〜2.5μmの無機粉末をいう。また、スラリー状のセメント添加材に、BET比表面積が5〜25m2/gの超微粉末を含有する場合は、該超微粉末と上記無機粉末との合計をいう。
さらに、粉末状のセメント添加材には、BET比表面積5〜25m2/gの超微粉末を加えることができる。これにより得られる粉末状のセメント添加材は、水粉体比12〜16質量%のセメント組成物の材料として用いた場合、高い流動性を維持しつつ、強度発現性を向上させることができる。
本発明のセメント添加材は、セメント組成物の全体積(m3)に対する、セメント添加材中の無機粉末の量(質量;kg)が、5〜250kg/m3となり、好ましくは50〜200kg/m3となる量を配合する。
該無機粉末の量が250kg/m3を超えると、無機粉末の量が過剰となり、水粉体比の小さいセメント組成物の流動性を向上させる効果が低下し、セメント組成物の機械的強度が低下する場合がある。
一方、該無機粉末の量が5kg/m3未満では、水粉体比の小さいセメント組成物の流動性を向上させる効果が低下する場合がある。
なお、セメント添加材中の無機粉末の量とは、セメント添加材に含まれる平均粒径が0.5〜2.5μmの無機粉末の量(質量;kg)をいい、セメント添加材にBET比表面積が5〜25m2/gの超微粉末を含有する場合は、該超微粉末と上記無機粉末との合計量(質量;kg)をいう。
本発明のセメント添加材は、セメントの一部と置換して、セメントの代わりに、セメント組成物に加えることができる。セメント組成物の強度発現性の観点から、セメント添加材の添加量は、セメントとセメント添加材との合計量100質量%に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
この場合であっても、セメント添加材は、セメント組成物の全体積(m3)に対する、セメント添加材中の無機粉末の量(質量;kg)が、5〜250kg/m3となる量を配合する。
なお、本発明において、水粉体比における水とは、セメント組成物に含まれる全ての水をいい、具体的には、セメント添加材をスラリー状で使用する場合は、スラリー状のセメント添加材に含まれている水と、セメント組成物の配合水又は練り混ぜ水と称される水との合計をいう。
セメント添加材は、スラリー状又は粉末状のどちらであってもよい。
粉末状のセメント添加材とBET比表面積5〜25m2/gの超微粉末とは、混合することなく、別々にセメント組成物中に加えてもよい。また、セメント添加材とBET比表面積5〜25m2/gの超微粉末を混合してから、セメント組成物中に加えてもよい。
また、スラリー状のセメント添加材とBET比表面積5〜25m2/gの超微粉末とは、混合することなく、別々にセメント組成物中に加えることが好ましい。BET比表面積5〜25m2/gの超微粉末と、スラリー状のセメント添加材を混合すると、セメント添加材の粘性が大きくなり、セメント添加材の保管や輸送上、煩わしい問題を生じる場合がある。
1.使用材料
以下に示す材料を使用した。
(1)セメント ;低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、比重3.22)
(2)細骨材 ;小笠産陸砂
(3)粗骨材 ;岩瀬産5号砕石と岩瀬産6号砕石の混合物
(4)分散剤A ;コアフローNF−200(太平洋マテリアル社製)
分散剤B ;レオビルドSP−8HU(ポゾリス物産社製)
(5)消泡剤A ;AF−20(太平洋マテリアル社製)
消泡剤B ;マイクロエア404(ポゾリス物産社製)
(6)水 ;水道水
(7)添加材A ;炭酸カルシウム100質量部、分散剤2.25質量部、消泡剤0.01質量部及び水41質量部を湿式粉砕(粉砕時間;23時間)することにより得られた、平均粒径が1.45μmの炭酸カルシウムを含むスラリー
(8)添加材B ;添加材Aを乾燥することにより得られた粉末状物
(9)添加材C ;炭酸カルシウム100質量部、分散剤2.25質量部、消泡剤0.01質量部及び水148質量部を湿式粉砕(粉砕時間;332時間)することにより得られた、平均粒径が0.3μm、BET比表面積が20m2/gの炭酸カルシウムを含むスラリー
(10)添加材D;炭酸カルシウム100質量部、分散剤2.25質量部及び水41質量部を湿式粉砕(粉砕時間;45時間)することにより得られた、平均粒径が2.1μmの炭酸カルシウムを含むスラリー
(11)添加材E;シリカフューム(BET比表面積11m2/g)
(12)添加材F;シリカフューム(BET比表面積20m2/g)
なお、上記添加材A,C,Dの湿式粉砕は、炭酸カルシウム100質量部に対して、φ5mmのアルミナ球を300質量部入れたボールミルを使用して行った。
上記材料を使用して、細骨材/粉体比(質量)を1.5、分散剤A/粉体比(質量)を0.025、消泡剤A/粉体比(質量)を0.001とし、表1に示す水粉体比となるようにセメント添加材の配合量を定めて、モルタル(参考例1、実施例1〜4及び比較例1〜9)を調製した。
モルタルの調製には、ホバートミキサを使用し、各材料を個別にミキサに投入し、表1に示す混練時間で、低速で混練した。
なお、この評価試験において、添加材A〜Dに加える分散剤として、分散剤A(コアフローNF−200(太平洋マテリアル社製))を用いた。添加材A〜Cに加える消泡剤として、消泡剤A(AF−20(太平洋マテリアル社製))を用いた。
得られたモルタルのフロー値を「JIS R 5201(セメントの物理試験方法) 11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。
また、一部のモルタルについて、圧縮強度(材齢1日、7日、28日)を「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準じて測定した。
結果を表1に示す。
上記材料を使用して、細骨材/粉体比(質量)を0.31〜0.34、分散剤B(固形分換算)/粉体比(質量)を0.007、消泡剤B/粉体比(質量)を0.001とし、表2に示す水粉体比となるようにセメント添加材の配合量を定めて、モルタル(実施例5〜8及び比較例10)を調製した。
モルタルの調製には、ホバートミキサを使用し、各材料を個別にミキサに投入し、表2に示す混練時間で、低速で混練した。
なお、この評価試験において、添加材Aに加える分散剤として、分散剤B(レオビルドSP−8HU(ポゾリス物産社製))を用いた。添加材Aに加える消泡剤として、消泡剤B(マイクロエア404(ポゾリス物産社製))を用いた。
得られたモルタルのフロー値を「JIS R 5201(セメントの物理試験方法) 11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。
結果を表2に示す。
表1〜2に示す結果から、本発明のセメント添加材を加えたセメント組成物(実施例1〜8)は、フロー値が180mm以上と大きく、セメント組成物の流動性を向上していることが確認できた。実施例1〜8のフロー値は、比較例4〜10のフロー値との差が大きく、本発明のセメント添加材を加えることによって、超低水粉体比(水粉体比が12〜16質量%)のセメント組成物の流動性を向上させることができた。
実施例5〜8に示すように、超低水粉体比(水粉体比が12〜13質量%)のセメント組成物は、本発明のセメント添加材の添加量が多いほどフロー値が大きくなる(同一の水粉体比の場合)のに対して、従来のシリカフュームを加えたセメント組成物(比較例10)は、混練が不可能であった。
また、参考例1のセメント組成物の圧縮強度は、比較例1〜3のセメント組成物の圧縮強度と同程度であり、強度発現性が良好であった。
また、実施例3〜4に示すように、超微粉末(添加材C;BET比表面積20m2/g)を加えた添加材の方が、超微粉末を加えていない添加材よりも、超低水粉体比(水粉体比が15質量%)のセメント組成物のフロー値が大きくなっており、流動性が向上した。
上記材料を使用して、細骨材率を0.4、消泡剤A/粉体比(質量)を0.005として、水粉体比が16質量%となるようにセメント添加材の配合量を定めて、表3に示す量の分散剤Aを用いて、セメント組成物(実施例9〜10、比較例11〜13)を調製した。
セメント組成物の調製は、二軸ミキサを使用し、(1)セメントと分散剤と細骨材とを、個別にミキサに投入して30秒間空練りし、次に、(2)水と消泡剤とを、ミキサに投入して5分間混練し、最後に、(3)粗骨材をミキサに投入して、1.5分間混練することによって行った。
添加材Aは、上記(2)の工程において、水と消泡剤とともに混練した。また、添加材E又はF(シリカフューム)は、上記(1)の工程において、セメントと分散剤と細骨材とともに混練した。
なお、この評価試験において、添加材Aに加える分散剤として、分散剤A(コアフローNF−200(太平洋マテリアル社製))を用いた。添加材Aに加える消泡剤として、消泡剤A(AF−20(太平洋マテリアル社製))を用いた。
各セメント組成物のスランプフローと50cm到達時間を「JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)」に準じて測定した。
結果を表3に示す。
表3に示す結果から、超低水粉体比(水粉体比が16質量%)のセメント組成物において、本明のセメント添加材を加えた場合(実施例9〜10)は、従来のシリカフュームを加えた場合(比較例11〜12)よりもスランプフロー値が大きく、流動性が向上していることが確認できた。なお、実施例10及び比較例11に示すように、分散剤の添加量が同じであった場合は、50cm到達時間は、同程度であった。
表3に示す一部のセメント組成物(実施例10、比較例11〜12)について、凝結時間を「JIS A 1147(コンクリートの凝結時間試験方法)」に準じて測定した。また、セメント組成物の材齢7日と材齢28日の圧縮強度を「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した。
結果を表4に示す。
表4に示す結果から、超低水粉体比(水粉体比が16質量%)のセメント組成物において、本発明のセメント添加材を加えた場合(実施例10)は、従来のシリカフュームを加えた場合(比較例11〜12)よりも、凝結時間を短縮できることが確認できた。
また、実施例10のセメント組成物の圧縮強度(材齢28日)は、比較例11〜12のセメント組成物の圧縮強度よりも大きくなっており、優れた強度発現性を有していた。
実施例10(No.2)及び比較例12(No.4)のセメント組成物について、自己収縮を「JCI−SAS−2」に準じて測定した。結果を図1に示す。
図1に示す結果から、本発明のセメント添加材を材料として用いた超低水粉体比(水粉体比が16質量%)のセメント組成物(実施例10;No.2)は、従来のシリカフュームを材料として用いた超低水粉体比(水粉体比が16質量%)のセメント組成物(比較例12;No.4)と比較して、材齢5日以降の自己収縮を抑制でき、材齢5日以降は、ほとんど自己収縮しないことが確認できた。
Claims (4)
- (A)湿式粉砕により得られる平均粒径が0.5〜2.5μmの無機粉末と、(B)分散剤と、(C)消泡剤とを含有するセメント添加材と、セメントと、水を含むセメント組成物であって、水粉体比が質量基準で0.12〜0.16であり、上記無機粉末が、炭酸カルシウム、スラグまたは石英粉末であり、上記セメント組成物の全体積に対するセメント添加材中の無機粉末の量が、5〜250kg/m 3 であり、上記分散剤の添加量が、無機粉末100質量部に対して固形分換算で0.1〜3.0質量部であり、上記消泡剤の添加量が、無機粉末100質量部に対して0.001〜0.2質量部であることを特徴とするセメント組成物。
- 上記(A)無機粉末が、炭酸カルシウムである請求項1に記載のセメント組成物。
- 上記セメント添加材が、(D)BET比表面積が5〜25m2/gの超微粉末を含有する請求項1又は2に記載のセメント組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント組成物を製造するための方法であって、
平均粒径が2.5μmを超える、炭酸カルシウム、スラグまたは石英粉末からなる無機粉末と、分散剤と、消泡剤と、水とを混合して湿式粉砕し、上記無機粉末の平均粒径を0.5〜2.5μmに調整してなるスラリーを得る湿式粉砕工程と、
上記スラリーもしくは上記スラリーを乾燥させてなる粉末状物を含む、上記セメント組成物の各材料を混練して、上記セメント組成物を調製するセメント組成物調製工程
を含むことを特徴とするセメント組成物の製造方法。
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